JP5368785B2 - 発光色変換部材 - Google Patents
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Description
しかしながら、赤色蛍光体と緑色蛍光体との混合体は、YAG蛍光体と比較して耐水性において著しく劣るため、樹脂モールドの場合は樹脂を介しての吸湿により蛍光体が著しく劣化してしまい、発光色の変化が極めて短期間に生じてしまう。
しかしながら、YAG蛍光体と青色LED素子との組み合わせでは、充分な色域が得られず、狭くなってしまうという問題がある。
また、これに加えて赤色蛍光体と緑色蛍光体との混合体は、YAG蛍光体と比較してガラス中に分散する際の反応が激しく、発泡や変色等の異常を起こし易いことから信頼性に欠けるという課題がある。
また本発明は、前記発光色変換部材を用いた発光色変換用複合部品、及び、白色照明光源、並びに前記発光色変換部材の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明によれば、色域が広く良好な発光特性を有し、高信頼性、長寿命の白色照明光源を得ることが可能であり、且つ、ハンドリング性に優れた発光色変換用複合部品を提供することができる。
さらに本発明によれば、色域が広く良好な発光特性を有し、高信頼性、長寿命であり、且つ、種々の工業製品への応用が可能な白色照明光源を提供することができる。
またさらに本発明によれば、色域が広く良好な発光特性を有し、高信頼性、長寿命の白色照明光源を得ることが可能である発光色変換部材を容易に製造できる発光色変換部材の製造方法を提供することができる。
本発明の発光色変換部材は、鉛化合物およびフッ素化合物を実質的に含まず、SiO2を主成分とするガラスに、青色光を受光して緑色光に色変換する無機蛍光体と青色光を受光して赤色光に色変換する無機蛍光体とが分散されてなり、青色光源から発せられる青色光を白色光に変換するものである。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限りこれらの態様に限られるものではない。
本発明におけるガラスとは、鉛化合物およびフッ素化合物を実質的に含まず、SiO2を主成分とするものである。尚、実質的に含まずとは、不純物として含有する程度の量を除いては含まずの意味である。
鉛化合物またはフッ素化合物を含むガラスは、ガラスが完全に焼結される温度以下でガラスが蛍光体と反応して焼結体が黒っぽくなることで、発光効率が大幅に低下したり、光が透過しなくなったりしてしまう。また、鉛化合物またはフッ素化合物を含むガラスは、化学的耐久力が悪化し易く、湿気の多い環境では使用中に表面が変質して透過率を下げ、発光効率が低下してしまう怖れがある。
さらに鉛化合物の場合、環境負荷が大きいことも実質的に含まれないことが好ましい理由として挙げられる。
本発明における好適なガラスの具体例としては、BaO−K2O−SiO2系ガラス、BaO−Na2O−B2O3−SiO2系ガラス、Na2O−TiO2−SiO2系ガラス等が挙げられる。
また、ガラス粉末のモード径の下限値は特になく、粒子径が小さいほど粒子は密な状態で焼結されるため、空隙がないことでより低温で軟化すると共に、焼結体中に穴が発生しなくなり好ましい。但し、ガラスの特性の面からはガラス粉末のモード径は小さいことが好ましいが、原材料としてのガラス粉末を製造するのに多大の工数がかかるため、実用上は好ましくない。例えば、ガラス粉末のモード径が23μm以上のものとすることで容易に原材料のガラス粉末を製造できるため実用上好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明における無機蛍光体は、青色光を緑色光(発光ピーク約540nm付近)に変換可能な無機蛍光体と、青色光を赤色光(発光ピーク約650nm付近)に変換可能な無機蛍光体とを混合したものである。
無機蛍光体としては、硫化物、ハロリン酸塩、酸化物、窒化物などからなるもの等が挙げられるが、色域が広くなることから、硫化物蛍光体を使用することが好ましい。
概ね、ガラスと無機蛍光体との配合割合は、85:15〜97:3(体積比)であることが好ましく、90:10〜95:5(体積比)であることがより好ましい。
ここで一例を挙げると、発光色変換部材の厚みが0.30mmの場合は、ガラス95体積%と無機蛍光体5体積%とからなることが好ましく、発光色変換部材の厚みが0.15mmの場合は、ガラス90体積%と無機蛍光体10体積%とからなることが好ましい。
本発明における青色光を発する青色光源は、各種公知の青色光源、例えば、青色発光ダイオード、青色レーザーダイオード等を適用可能であるが、青色発光ダイオード素子であることが好ましい。
発光色変換部材の製造方法は、鉛化合物およびフッ素化合物を実質的に含まず、SiO2を主成分とし、粒子径500μm以下で、モード径が77μm以下のガラス粉末と、青色光を受光して緑色光に色変換する無機蛍光体と、青色光を受光して赤色光に色変換する無機蛍光体との混合粉末を前記ガラス粉末の軟化点Ts℃以上、(Ts+30)℃以下で焼結することにより、青色光源から発せられる青色光を白色光に変換する発光色変換部材を得る。なお、ガラスの軟化点Tsとは、ガラスの粘度が106.65Pa・sになるときの温度と定義される。
焼結前の原材料であるガラス粉末は、粒子径500μm以下で、且つモード径(径の最頻値)が77μm以下であることが好ましい。
所望のガラス粉末の粒子径及びモード径を得るためには、従来公知の製造方法を適用でき、例えば、大粒径のガラスカレットを作製した後に、粉砕、分級を経て所望の粒子径、粒度分布とする方法が挙げられる。
次いで、これを1100〜1500℃で1〜3時間溶融した後、水中で急冷するなどして大粒径のガラスカレットを作製する。
さらに、得られたガラスカレットをスタンプミルで粉砕した後、100メッシュと150メッシュと300メッシュ(JIS)の篩を通して分級することで所望の粒子径、粒度分布を有するガラス粉末が得られる。
このときの混合の方法としては、例えばミキサーを用いた機械式混合方法等が挙げられるが、本発明はこれに限られるものではなく、従来公知の混合方法を適用できる。
樹脂バインダーとして好ましいものは、アクリルバインダー(オリコックスKC-7025T)、エチルセルロース等が挙げられ、これらの中でもアクリルバインダー(オリコックスKC-7025T)が特に好ましい。
樹脂バインダーの含有量は、1〜5重量%であることが好ましい。
そして、添加、混合を経た原材料を、金型で加圧成型して所定の形状の予備成型体を作製する。さらに、得られた予備成型体を焼成し樹脂バインダーを除去した後、ガラス粉末の軟化点Ts℃以上、(Ts+30)℃以下で焼結することにより、青色光源から発せられる青色光を白色光に変換する発光色変換部材を得る。
焼結時間は1〜2時間であることが好ましい。
発光色変換用複合部品は、前記発光色変換部材と、該発光色変換部材を支持する支持部材とからなる。
支持部材としては種々の形状のものを採用可能である。また、支持部材は、樹脂、セラミック、金属等の異種材料からなる。材料の選択は、機械的強度、膨張等の条件を考慮して適宜選定すればよい。また変換部材の取り付けは、嵌着、接着等の方法で行えばよい。
白色照明光源は、前記発光色変換部材と青色光源とを備え、該青色光源から発せられる青色光を白色光に変換するものである。
ここで、青色光源は、各種公知の青色光源、例えば、青色発光ダイオード、青色レーザーダイオード等を適用可能であるが、青色発光ダイオード素子であることが好ましい。
以下、本発明について実施例を挙げてより具体的に説明する。
各試料は次のようにして作製した。
先ず、下記表1に示す割合になるようにシリカ、ホウ酸、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸、酸化マグネシウム、ジルコニア、酸化テルル、酸化チタン、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化イットリウムを調合し、No.1〜No.7の7種類のガラス原料の秤量を行なった(ただし、炭酸バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムについては加熱溶融時に二酸化炭素を放出し、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウムになるため、予め放出分を加味して最終的に表1の組成になるように調合を行なう)。続いて、これらをそれぞれ白金坩堝に入れ、1100〜1500℃で1〜3時間溶融した後、即座に水冷してガラスカレットを作製した。出来上がった各ガラスの軟化点を表1の下部に記載する。
(i):メッシュ#100を通過しメッシュ#150に残ったガラス粉末の粒子径は2〜600μm、モード径は152μmである。
(ii):メッシュ#150を通過しメッシュ#300に残ったガラス粉末の粒子径は1.5〜500μm、モード径は77μmである。
(iii):メッシュ#300を通過したガラス粉末の粒子径は1〜250μm、モード径は23μmである。
先ず、各ガラス粉末試料(No.1〜No.7)に、無機蛍光体粉末を添加、混合して混合粉末とした。無機蛍光体としては、青色光を受光して緑色光に変換するものよりも赤色光に変換する無機蛍光体の方がガラスと反応し易く耐水性も悪いため、この実験における無機蛍光体としては赤色光に変換する無機蛍光体のみを用いて実験を行なった。
尚、本実施例では、青色光を赤色光に変換可能な無機蛍光体として、(Ca:Eu)Sを用いた。
一方、比較例1では480℃で、比較例2では500℃で、比較例3では450℃で、比較例4では500℃で、それぞれ変色が生じてしまい、良好な塊状の焼結体が得られる温度においては良好な発色性能が得られない。
ガラスの耐候性を簡易的に加速評価する方法として、強アルカリ溶液にガラスを浸して重量変化を測定する方法がある。具体的には図2に示すように、評価するガラス粉末を溶解、線引して線径がφ0.5、長さが50mmのロッド形状にし、これを4規定の水酸化ナトリウム溶液に浸し、時間経過とともにガラスの重量変化を測定する。このとき、水酸化ナトリウム溶液を入れる容器にはアルカリに溶出しないポリプロピレン製のものを使用した。
上記表1のガラスのうちNo.2(SiO2含有率40%)、No.4(SiO2含有率15%)、No.5(SiO2含有率45%)、No.6(SiO2含有率13%)について、上記の加速評価を行なった結果を図3に示す。ガラス中のSiO2の含有率が40重量%以上であるNo.2とNo.5については強アルカリ浸漬後14400分(240時間=10日)でも80%以上の重量を維持しており、耐候性に不安がないと言える。
次に、青色光を受光して緑色光に変換する硫化物蛍光体と、青色光を受光して赤色光に変換する硫化物蛍光体とを用いる例について説明する。
本実施例では、青色光を受光して緑色光に変換する硫化物蛍光体と、青色光を受光して赤色光に変換する硫化物蛍光体とを重量比率で85:15の割合で配合し、ガラスと無機蛍光体の比率は体積比で、95:5とした。このとき、青色光を受光して緑色光に変換する無機蛍光体には、(Sr:Eu)Ga2S4を、青色光を受光して赤色光に変換する無機蛍光体として、(Ca:Eu)Sを、ガラスには表1のNo.1に記載の組成のものを用い、製法は実施例1と同様にして実施例3の焼結体試料を得た。
得られた焼結体試料は、両面を鏡面研磨仕上げして厚みが0.30mmとなる発光色変換部材にした。この部材を青色光を発光するLEDと組み合わせることで白光色を発光することができた。
図7は環境試験におけるPL強度測定に用いるPL強度測定装置の構成を示す概略図である。このPL強度測定装置では、焼結体試料である発光色変換部材50に、光照射・ディテクター装置51より光を照射/検出することでPL強度を測定する。
環境試験は温度85℃、湿度85%の環境下の恒温恒湿槽中に、発光色変換部材を放置し、所定の時間ごとにPL強度を測定し、初期値からの変化率を測定した結果を図8及び図9に示す。
図8は波長に対するPL強度の時間変化を示すグラフであり、図9は、緑色光の中央部の波長である535nmにおけるPL強度の時間変化および赤色光の中央部の波長である649nmにおけるPL強度の時間変化を示すグラフである。
実施例3の焼結体試料では、500時間後においても初期のPL強度の85%を超えるPL強度を発揮しており、高温高湿環境下における劣化に耐性を有していると言える。
また、本発明の発光色変換部材は、高温高湿環境下における劣化に耐性を有し、PL強度の劣化が少なく長期に亘り使用できる。
Claims (7)
- 鉛化合物及びフッ素化合物を実質的に含まず、BaO−Na 2 O−B 2 O 3 −SiO 2 系ガラスに、青色光を受光して緑色光に色変換する無機蛍光体と青色光を受光して赤色光に色変換する無機蛍光体とが分散されてなり、
前記ガラス中のSiO 2 の含有率が54重量%以上63重量%以下であり、
青色光源から発せられる青色光を白色光に変換する、発光色変換部材。 - 前記無機蛍光体が硫化物蛍光体である、請求項1に記載の発光色変換部材。
- 前記青色光源が、青色発光ダイオード素子である、請求項1に記載の発光色変換部材。
- 鉛化合物およびフッ素化合物を実質的に含まず、BaO−Na 2 O−B 2 O 3 −SiO 2 系ガラスに、青色光を受光して緑色光に色変換する無機蛍光体と青色光を受光して赤色光に色変換する無機蛍光体とが分散されてなり、青色光源から発せられる青色光を白色光に変換する発光色変換部材と、
該発光色変換部材を支持する支持部材とからなり、
前記ガラス中のSiO 2 の含有率が54重量%以上63重量%以下である発光色変換用複合部品。 - 青色光源と発光色変換部材とを備え、
前記発光色変換部材は、鉛化合物及びフッ素化合物を実質的に含まず、BaO−Na 2 O−B 2 O 3 −SiO 2 系ガラスに、青色光を受光して緑色光に色変換する無機蛍光体と青色光を受光して赤色光に色変換する無機蛍光体とが分散されてなり、
前記ガラス中のSiO 2 の含有率が54重量%以上63重量%以下であり、
前記青色光源から発せられる青色光を白色光に変換する、白色照明光源。 - 前記青色光源が、青色発光ダイオード素子である、請求項5に記載の白色照明光源。
- 鉛化合物およびフッ素化合物を実質的に含まず、BaO−Na 2 O−B 2 O 3 −SiO 2 系からなり、SiO 2 の含有率が54重量%以上63重量%以下であり、粒子径500μm以下で、モード径が77μm以下のガラス粉末と、青色光を受光して緑色光に色変換する無機蛍光体と、青色光を受光して赤色光に色変換する無機蛍光体との混合粉末を前記ガラス粉末の軟化点Ts℃以上、(Ts+30)℃以下で焼結することにより、青色光源から発せられる青色光を白色光に変換する発光色変換部材を得る、発光色変換部材の製造方法。
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