JP5344565B2 - 発電装置 - Google Patents
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Description
まず、ダイレクト・メタノール型燃料電池等の固体高分子型燃料電池に比べ出力密度が高く、発電効率が高い。また、燃料ガスとして水素ガス以外に一酸化炭素やメタン等、炭化水素系全般をそのまま利用できる。さらに、作動温度が800〜1000℃程度と高いため、反応にPt(白金)のように高価な触媒を利用せずに済む。
しかしながら、HCガス燃料は密度が低いため、高密度状態での可搬性が悪い。これに伴い、HCガス燃料を貯蔵する燃料タンクの容積を大きく確保しなければならないという問題がある。さらに、HCガス燃料の供給インフラが充分に整っていないという問題がある。
このような構成としては、HC液体燃料中に窒素や二酸化炭素を供給(バブリング)し、これら窒素や二酸化炭素とともに蒸発するHCガス燃料を取り出し、SOFCに供給する構成(第1従来技術)が知られている。また、例えば特許文献1に示すように、インジェクターから噴霧されたHC液体燃料を気相気化させる燃料気化器と、HC液体燃料から水素を含む燃料ガスを生成する改質器とを備え、燃料ガス化したHCガス燃料をSOFCへ供給するような構成(第2従来技術)が知られている。
前者(第1従来技術)の場合では、SOFCに供給される燃料ガスは、HC液体燃料から蒸発したHCガス燃料と窒素、二酸化炭素等との混合ガスであるため、SOFCに供給されるHCガス燃料が希薄であり、SOFCの出力が低くなるという問題がある。
また、後者(第2従来技術)の場合では、改質器自体の値段が高く、コスト増を招く原因となる。
しかも、液体燃料が燃料ガス化して発電体に到達するまでの時間、つまりガス燃料として滞在する滞在時間を短縮することが可能なため、ガス燃料の炭化による固体炭素の析出を抑えることができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は発電装置の概略構成図である。
図1に示すように、発電装置1は、SOFCの発電体10を用いて発電を行うものであって、加熱炉11を備えている。
加熱炉11内には、加熱炉11内の温度制御を行うためのヒーター(不図示)が設けられている。このヒーターとしては、燃料を燃焼させて熱を得るボイラーや、電気ヒーター等が好適に用いられる。なお、電気ヒーターを用いる場合には、発電装置1で発電した電気をそのまま用いることも可能である。本実施形態では、加熱炉11内の中央部に例えば800℃〜900℃程度の均熱帯を形成することが可能である。
酸化剤ガス供給路41は、耐熱性、低熱伝導率、透明等を有する構成材料として、例えば石英ガラス等からなる管状のものであり、加熱炉11の一端側の端面から加熱炉11内に挿通され、加熱炉11内を長手方向に沿って延在している。酸化剤ガス供給路41の一端側(上流側)には、加熱炉11の外側でエアポンプ44に接続されており、このエアポンプ44からから酸素や空気等の酸化剤ガスが供給されるようになっている。
なお、発電装置1は、各バルブ27,31,46,47の開閉制御や、2方弁51の切替制御、加熱炉11内の温度制御、圧力制御、インジェクター55から噴霧量、噴霧間隔等の制御等を行う図示しない制御盤を備えている。
次に、上述した発電装置を用いた発電方法について説明する。ここで、本実施形態の発電装置では、燃料分解ガスに含まれる固体炭素以外のH2,CO,CH4等の成分を燃料源として発電を行うDO(ダイレクト・オキシデーション)モード(燃料ガス消費モード)と、第2反応室22内に析出される固体炭素を燃料源として発電を行うDC(ダイレクト・カーボン)モード(析出炭素消費モード)と、の2つの発電モードを備えている。
図2は、起動準備から発電開始までの各バルブ、ヒーター、エアポンプ、インジェクター、熱交換器等(以下、各種機器という)の動作タイミングの関係を示すタイミングチャートである。
まず、図2に示すように、時間T1において、発電装置1を作動させて第2反応室22内をN2置換する(置換工程)。具体的には、イナートガスバルブ31を開放するとともに(時間T2)、燃料側バルブ27を開放し(時間T3)、イナートガスの供給源から第2反応室22内に向けてイナートガスを供給する。そして、制御盤は、所定時間経過後または第2反応室22内の酸素濃度が所定値以下になったと判断した場合に、各バルブ31,27を閉塞し(時間T4,5)、供給源からイナートガスの供給を停止する。これにより、第2反応室22内のN2置換が完了する。
次に、加熱炉11内の温度がTxに到達したら、DOモード発電を開始する。具体的には、制御盤は、エアポンプ44を作動させ、第1反応室42内に向けて酸化剤ガスを供給させる(時間T7)。また、供給側バルブ46及び排出側バルブ47を開放し(時間T8,9)、排ガスが熱交換器45に向けて流れるように2方弁51を切り替える(時間T10)。なお、酸化剤ガスの供給圧は、大気圧より若干高く設定することが好ましい。
そして、時間T11において、燃料タンク57からインジェクター55を介して、第1反応室22内に向けて連続的に液体燃料を噴霧し始める。
一方、インジェクター55に供給された液体燃料は、第2反応室22の底部側から発電体10に向けて、つまり加熱炉11の下方から上方に向けて垂直に噴霧される。
そして、図6に示すように、インジェクター55から噴霧された液体燃料は、加熱炉11の高さ方向(第2反応室22の軸方向)に沿って生じる温度勾配等により蒸発し、炭化水素ガス燃料(HCガス燃料)に燃料ガス化されて発電体10に到達する。具体的には、インジェクター55から噴霧される液体燃料は、まず液柱の状態で噴霧される。すなわち、インジェクター55の噴霧孔(不図示)近傍、例えば反応室22の小径部22a側において加熱炉11の外部に突出している領域を、液柱区間L1として設定し、この液柱区間L1では液体燃料を液柱の状態で移動させる。
さらに、第2反応室22の大径部22b、例えば加熱炉11の中央部における均熱帯の領域(ガス化区間L3)では、第2反応室22内の温度が液滴区間L2よりさらに高い。これにより、液滴状態でガス化区間L3に差し掛かった液体燃料は、発電体10の近傍から発電体10の燃料極7に到達する間で、全部が蒸発し燃料ガス化されて燃料ガスとなる。本実施形態では、第2反応室22に液体燃料のみを供給しているため、液体燃料が燃料ガス化されることで、燃料ガスの成分中には水蒸気を含んでおらず、ドライ炭化水素のガス燃料となる。なお、上述した液柱区間L1、液滴区間L2、ガス化区間L3の調整は、反応室22内の温度勾配の他に、反応室22内の気体の温度、圧力、液体燃料の温度、粘性、インジェクター55の噴孔径、噴霧圧力、気液表面張力等のパラメータを調整することにより適宜変更可能である。
一方、インジェクター55から噴霧された燃料は、上述したように液柱区間L1、液滴区間L2、ガス化区間L3を経て、燃料ガス化されて発電体10の燃料極7に到達する。そして、燃料極7に到達した燃料ガスと、燃料極7まで移動した酸素イオンとが、燃料極7で反応する際に、電子を放出することで発電が行われる(H2+O2−→H2O+2e−)。
一方、第2反応室22で発電に供された燃料ガスの排ガスも、燃料ガス排出路23を通って酸化剤ガスと同様に高温空気燃焼器48に供給される。高温空気燃焼器48に燃料ガスの排ガスが供給されると、燃料ガスの排ガス中に含まれる未反応の燃料ガスが燃焼して酸化剤ガスの排ガスが昇温される。昇温された排ガスは、排ガス排出路50を通って熱交換器45に供給され、熱交換器45において酸化剤ガス供給路41内を流通する酸化剤ガスとの間で熱交換を行う。そして、酸化剤ガス供給路41内を流通する酸化剤ガスは、熱交換器45で昇温された状態で第1反応室42に供給される一方、排ガスは排ガス排出路50を通って外部に排出される。
ここで、本実施形態の発電装置1では、開回路電圧OCVが約0.7Vの状態で電流を流す(負荷をかける)。この場合、図3に示すように、電流を流した後も電圧が約0.7Vで維持できるように、制御盤は燃料ガス及び酸化剤ガスの供給流量を制御する(図2中破線領域C)。具体的には、制御盤は、第2反応室22内の温度に応じた酸化剤ガス及び燃料ガスのマップを有しており、このマップに基づいて流量を算出する。そして、制御盤は、算出した流量に基づいて酸化剤ガス及び燃料ガスの流量を増減する(時間T13,14)。このように、開回路電圧OCVが0.7V程度になるように燃料ガス及び酸化剤ガスの供給流量を制御することで、発電体10の膜劣化を抑制した上で、発電特性を良好に維持することができる。
ところで、本実施形態の発電装置1では、発電に関して発生する熱によって反応室22,42の温度が上昇する。この場合、発電を継続すると、発電量と放熱量がバランスし、発電が最適に行われる温度(例えば、所定温度Tx=600℃〜900℃程度)で熱自立の状態になり、別途余分なエネルギーを消費することなく、反応室22,42内の温度が所定温度に維持され、保温された状態となる。
図9は、発電部の断面図であり、DCモード発電時における発電部の挙動を示す説明図である。図9においては、説明を分かりやすくするため、各反応室の周辺部材の記載を省略する。
ところで、図9に示すように、第2反応室22内においては、発電体10で反応しきれずに滞留する未反応の燃料ガス等が炭化して、少なからず炭素が析出する虞がある。具体的に、ガス化区間L3に比べ比較的低温な液滴区間L2周辺の内周壁や、燃料ガス排出路23の近傍等の低温領域Qは炭素析出温度領域(例えば、600℃程度)になりやすく、この低温領域Qにおいて未反応の燃料ガス等が炭化して炭素が析出しやすい。この場合、析出した炭素が、反応室22内を飛散して燃料極7の反応場を覆ってしまう可能性もある。さらに、DO発電に伴い燃料極7の反応場に析出する炭素と併せ、発電体10の発電性能が低下する虞がある。なお、発電性能が低下すると、発電に関して発生する熱量が低下し、第2反応室22内の温度も低下する。
燃料極7の反応場に炭素が所定量析出した場合には、図4に示すように発電装置1をDCモードに切り替える。具体的には、図7,8に示すように、制御部は、発電装置1の電圧が(例えば、所定電圧Vx=約0.6V)以下まで低下したか否かで、炭素析出の有無を判断する。すなわち、発電装置1の電圧が所定電圧以下になったと判断された場合には、析出された炭素が燃料極7を覆って発電性能が低下していると判断し、DOモードからDCモードへ切り替える(図8中時間t参照)。なお、所定電圧Vxより低い電圧でそのまま発電を続けると、発電体10の膜劣化が促進されるため好ましくない。
そして、燃料側バルブ27の閉弁後、制御盤から加熱炉11のヒーターに向けて昇温信号を出力し、第2反応室22の温度を上昇させ、第2反応室22内の温度Tcを所定温度TDCx(例えば、TDCx=900℃付近)の均熱帯に保持する(時間T21)。その後、第2反応室22内の温度Tcが所定温度TDCxを上回った時点で、制御盤はヒーターに向けて停止信号を出力し、ヒーターの作動を停止させる(時間T22)。
これにより、仮に第2反応室22内において未反応の燃料ガス等の炭化により炭素が析出した場合であっても、燃料ガス流通系20を封鎖して第2反応室22内を密閉状態にすることで、析出した炭素が酸化する際に発電を行うことができる。これに伴って、析出した炭素を除去することが可能になる。つまり、万が一第2反応室22内に炭素が析出した場合であっても、この炭素をエネルギー源として利用しつつ除去することができる。
また、発電時において第2反応室22内の圧力が所定圧力Px付近で維持されるように、上述したDOモードと同様に燃料側バルブ27の開閉のフィードバック制御を行う(時間T24)。
図5は、発電装置1を停止させる場合における各種機器の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
DOモードから発電装置1の作動を停止する場合には、まずインジェクター55による噴霧を停止する(時間T28)。その後、各バルブ27,46,47、ヒーター及びエアポンプ44を停止し(時間T29〜33)、時間T34において発電装置1の電源を停止する。なお、DCモードから発電装置1を停止する場合にも、各バルブ27,46,47、ヒーター及びエアポンプ44を停止した後に、発電装置1の電源を停止することで、同様に発電装置1を停止することができる。
この構成によれば、ガス化区間L3を反応室22に設定することで、このガス化区間L3に到達するまでの領域では、液体燃料の状態(例えば、液柱状態や液滴状態)で燃料を移動させることができる。これにより、燃料を発電体10まで到達させる際の物質移動を容易に行うことができる。さらに、液体燃料はガス燃料に比べ密度が高く運動量の拡散が少ないため、発電体10の近傍で燃料を燃料ガス化させることで、発電体10に高濃度なガス燃料を供給することができる。したがって、高出力なSOFCの発電装置1を提供することができる。
また、インジェクター55を反応室22に直接接続することができるため、従来のように改質器を介して燃料を供給する構成に比べて低コストな発電装置1を提供することができる。
よって、液体燃料を使用することが可能であり、発電体10の電極等におけるガス燃料の炭化による炭素の析出を抑えることが可能なSOFCの発電装置1を提供することができる。
次に、第1実施形態の変形例について説明する。図10は時間に対する燃料噴霧量を示すグラフであり、図11は時間に対する電圧を示すグラフである。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成、方法については同一の符号を付し、説明を省略する。
本変形例では、DOモードにおいてパルス噴霧により液体燃料を供給する点で、上述した第1実施形態と相違している。具体的には、図2,10,11に示すように、時間T11において、所定量の液体燃料を所定間隔毎に所定時間(例えば、時間t1)噴霧する。これにより、燃料極7に到達した燃料ガスと、燃料極7まで移動した酸素イオンとが、燃料極7で反応する際に、電子を放出することで発電が行われる。なお、燃料の噴霧量や噴霧間隔等は、適宜変更が可能である。
そして、発電装置1の電圧が所定電圧以下になったと判断された場合には、析出された炭素が燃料極7を覆って発電性能が低下していると判断し、第1実施形態と同様にDOモードからDCモードへ切り替える(図10,11中時間t)。
次に、本発明の第2変形例について説明する。図12は時間に対する燃料噴霧量を示すグラフであり、図13は時間に対する電圧を示すグラフである。
上述した第1実施形態及び第1変形例では、第2反応室22内における炭素の析出量、すなわち炭素析出による電圧低下に伴ってDOモードとDCモードとを切り替える場合について説明したが、本変形例はDOモード中における液体燃料の合計噴霧量に対する発電時間に応じてDOモードとDCモードとを切り替えるものである。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図14は、第2実施形態における発電装置の概略構成図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成、方法については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の発電装置100は、液体燃料とともに水蒸気を第2反応室122内に供給する点で上述した実施形態と相違している。具体的には、図14に示すように、発電装置100は、第2反応室122における小径部22aの底部にウォーターインジェクター101が連結されている。このウォーターインジェクター101には、水の供給源であるウォータータンク102が接続されており、ウォータータンク102からウォーターインジェクター101を介して、第2反応室122内に水が供給されるようになっている。また、ウォーターインジェクター101には、図示しない制御盤から出力される信号に基づいて、ウォーターインジェクター101からの水の噴霧量、噴霧間隔等を調整するためのインジェクター制御器(INJ制御器)103が接続されている。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図15は、第3実施形態における発電装置の概略構成図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成、方法については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の発電装置200は、加熱炉11内に複数の発電部254a,254bが設けられている点で、上述した第1実施形態と相違している。具体的には、図15に示すように、発電装置200は、加熱炉11内にDC発電部254aとDO発電部254bとを備えている。DC発電部254aは、上述した第1実施形態の発電部54(図1参照)と同一の構成からなり、主に上述したDCモード発電を行うための発電部である。DO発電部254bは、主に上述したDOモード発電を行うための発電部であり、DC発電部254aと同様に加熱炉11の上側に酸化剤ガスが供給される第1反応室242と、加熱炉11の下側に燃料ガスが供給される第2反応室222と、これら両反応室242,222の開口縁で挟持された発電体10とで構成されている。各発電部254a,254b間の第1反応室42,242は、酸化剤ガスバルブ201を介して接続されている一方、第2反応室22,222は燃料ガスバルブ202を介して接続されている。
一方、DC発電部254aに所定量の炭素が析出されると、ヒーターで加熱炉11内を約800℃程度に昇温した後、液体燃料の噴霧を停止して燃料ガスバルブ202を閉塞する。また、酸化剤ガス供給路41の供給側バルブ147を切り替え、DC発電部254aに酸化剤ガスを供給する。すると、DC発電部254aの第2反応室22内に析出している炭素と、第2反応室22内に残存する二酸化炭素とが結び付き、一酸化炭素になる。そして、この一酸化炭素が、燃料極7まで移動してきた酸素イオンと反応して、DCモード発電が行われる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図16は、第4実施形態における発電装置の概略構成図であり、図17は発電部の拡大断面図である。なお、以下の説明では、上述した第1実施形態と同様の構成、方法については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の発電装置300は、発電部354に円筒型のチューブセルを用いている点で上述した第1実施形態と相違している。図16,17に示すように、発電部354は、その軸方向と加熱炉11の長さ方向とを一致させた状態で加熱炉11内に配置された2重管構造のものである。具体的には、図17に示すように、固体電解質膜301と、固体電解質膜301の内表面全域に亘って形成された燃料極302と、固体電解質膜301の外表面全域を覆うように形成された空気極304と、空気極304の径方向外側に隙間を有した状態で径方向外側を覆うように設けられた外筒部305とを備えている。すなわち、固体電解質膜301の全周の内側に燃料極302、全周の外側に空気極304が積層された発電体306を構成している。そして、空気極304で発生した酸素イオンが固体電解質膜301を透過して、燃料極302まで到達するようになっている。
これに対して、DCモード時には、上述した第1実施形態と同様に第2反応室311内において未反応の燃料ガス等の炭化により炭素が析出した場合に、燃料側バルブ27を閉塞して第2反応室311内を密閉状態にする。これにより、第2反応室311内に析出した炭素が酸化する際に、発電を行うことができる。
図18に示すように、燃料としてガス燃料を発電部354に供給した場合には、発電部354の一端側から随時発電が行われ、一端側から他端側にかけて燃料濃度が減少する一方、発電により発電部354内の温度が上昇していることがわかる。また、図19に示すように、発電部354の一端側から他端側にかけて発電出力が徐々に低下していることがわかる。ガス燃料を用いた場合には、燃料が発電に供されることで、発電部354の一端側から他端側にかけて燃料が希薄になるため、出力低下に繋がるものと考えられる。
また、本実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に液体燃料の気化時における圧力膨張によって、燃料ガスの流速が液体燃料時比べて上昇する。そのため、燃料ガスを燃料極302まで送出するためのポンプ等を用いる必要がないので、製造コスト及びメンテナンス負荷の削減、並びに装置の小型軽量化が可能になる。そして、チューブセルのように軸方向に長い発電部354を有する場合であっても、燃料ガスを発電部354の他端側まで行き届かせることができ、発電部354の全面に亘って均一に燃料ガスを供給することができる。
図20に示すように、燃料として液体燃料を発電部354に供給した場合には、J地点及びK地点で燃料濃度が急増していることがわかる。すなわち、2種類の噴霧パターンで噴霧された液体燃料が、J地点及びK地点の2箇所で燃料ガス化することになる。そのため、発電部354の長さ方向における出力がガス燃料を用いた場合に比べて、発電部354の長さ方向に亘って均一となる。具体的には、J地点で燃料ガス化した燃料ガスは、K地点に至るまでの間で発電に供されるが、K地点で再び燃料ガス化した燃料ガスが供給されるので、K地点から発電部354の他端に至るまでの間も効率的に発電が行われる。また、K地点で再び燃料ガス化するためには気化熱が必要となるので、この際に発電部354内が冷却される。その結果、発電部354内の温度も長さ方向に亘って略均一に保たれる。さらに、図21に示すように、上述したように発電部354内の燃料濃度が均一に保たれるため、発電部354の長さ方向における出力がガス燃料を用いた場合に比べて均一となる。
なお、本実施形態では、チューブセルの全面に亘ってSOFCの固体電解質膜301を形成する場合について説明したが、これに限らず、固体電解質膜301を周方向に沿って分割したり、軸方向に沿って分割したりして、それらを直列接続するようにしてもよい。
また、第1実施形態において、DOモードとDCモードとの切替タイミング、すなわち炭素の析出量を電圧に基づいて判断する場合について説明したが、これに限られず、第2反応室22内の温度等、熱自立の状態から平衡状態が保たれなくなった時点に基づいて判断することも可能である。
さらに、ガス燃料を直接第2反応室に供給して上述した発電装置で発電を行うことも可能である。
また、各実施形態において、液体燃料の連続噴霧、パルス噴霧の双方が可能である。
Claims (5)
- 固体酸化物型燃料電池の発電体の一方の電極に酸化剤ガスを供給し、該一方の電極において前記酸化剤ガスを反応させる第1反応室と、
前記発電体の他方の電極に燃料ガスを供給し、該他方の電極において前記燃料ガスを反応させる第2反応室と、
前記第1反応室及び前記第2反応室を、温度制御可能な加熱炉内に設け、前記酸化剤ガスと前記燃料ガスとが前記発電体で反応する際に発電される発電装置であって、
前記第2反応室に、前記他方の電極に向けて液体燃料を噴射するインジェクターを接続し、
該インジェクターから噴射される前記液体燃料を前記加熱炉の温度制御により燃料ガス化させるガス化区間を、前記第2反応室に設定したことを特徴とする発電装置。 - 前記インジェクターは、前記液体燃料をパルス噴射することを特徴とする請求項1記載の発電装置。
- 前記燃料ガスは、水蒸気を含まないドライ炭化水素燃料であり、
前記燃料ガスのうち、固体炭素以外の成分を燃料源として、前記酸化剤ガスと反応させることにより発電を行う燃料ガス消費モードを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の発電装置。 - 前記燃料ガスは、固体炭素を含む燃料ガスとし、
前記燃料ガスの炭化により前記第2反応室内に析出した固体炭素を燃料源として消費するべく、前記第2反応室内を閉塞した状態で、前記加熱炉の温度を所定温度に制御する析出炭素消費モードを有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の発電装置。 - 前記燃料ガスは、固体炭素を含む燃料ガスとし、
前記燃料ガスの炭化により前記第2反応室内に、固体炭素が所定値以上析出したか否かを判断するための炭素析出判断手段と、
前記炭素析出判断手段の判断結果に基づいて、発電モードの切替制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、
前記炭素析出判断手段により固体炭素の析出量が所定値未満と判断された場合に、前記燃料ガスのうち、固体炭素以外の成分を燃料源として発電を行う燃料ガス消費モードと、
固体炭素の析出量が所定値以上と判断された場合に、前記第2反応室内に析出した固体炭素を燃料源として発電を行う析出炭素消費モードとを切り替えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の発電装置。
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