JP5344421B2 - 含フッ素共重合体、コーティング剤、防汚製品及びコーティング液 - Google Patents
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R2は、水素原子又はメチル基を示し、
Rfは、含フッ素官能基を示す。2個のRfは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
l,mは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
R2は、水素原子又はメチル基を示し、
Rfは、含フッ素官能基を示す。2個のRfは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
l,mは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
本発明の含フッ素共重合体(以下、「本発明の共重合体」と称す場合がある。)は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドと、ジメチルアクリルアミドと、含フッ素化合物とを用いて合成された共重合体である。
本発明の含フッ素共重合体は、下記一般式(II)に示す構造を有するブロック共重合体(以下、「共重合体(II)」と称す場合がある。)である。
R2は、水素原子又はメチル基を示し、
Rfは、含フッ素官能基を示す。2個のRfは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
l,mは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
本発明に用いる含フッ素化合物としては、特に限定されるものではないが、含フッ素官能基Rfとして、下記一般式(IIIa)又は(IIIb)に示す含フッ素官能基を有するものが好ましい。
共重合体(II)の合成に用いる含フッ素化合物としては、下記一般式(V)で表されるフッ素過酸化物を挙げることができる。
本発明に用いるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、特に限定されるものではないが、ヒドロキシアルキル基(前記一般式(II)におけるR1)部分のアルキル鎖が過度に長いと、共重合体自身の親水性が低下し、良好な親水性を発現できなくなる。また、アルキル鎖が長いと、立体障害により末端のヒドロキシル基と、添加対象物に含まれる反応性官能基との結合が阻害されることが考えられるので、アルキル鎖の炭素数が1〜10のものを用いるのが好ましい。
上述の各モノマーを共重合して、本発明の共重合体を合成するには、通常のビニル重合方法が適用されるが、その際に用いる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド及びその誘導体、アゾビスブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル及び前記一般式(V)に示した含フッ素過酸化物などの有機系重合開始剤が好ましく、これらの重合開始剤と前述のモノマーを反応容器に入れ、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下に加熱重合させる。
共重合体(II)の重合比、即ち、l,mの比は、1〜100:1〜100程度、特に1〜20:1〜20程度が好ましい。mに対してlが極端に大きすぎると、ヒドロキシアルキルアクリルアミドのヒドロキシル基と添加対象に含まれる反応性官能基との結合が阻害され、添加対象中への共重合体の固定化の程度が弱くなり、共重合体に起因する機能である親水性及び撥油性の持続性が低下する。mに対してlが極端に小さすぎると、共重合体を添加対象に添加した場合に親水性を発現するDMAAのジメチルアミド部分が少なく、また、共重合体が添加対象中に強く固定化されるので、立体障害により、ジメチルアミド部分が表面に配向しにくくなり親水性が低下する。
本発明のコーティング剤は、ヒドロキシル基と結合を形成しうる官能基を有する化合物と上記共重合体とを含むものである。
C−D<1.5×E
AやCの数が多すぎる場合には、本発明の共重合体が添加対象に埋没してしまい、立体障害などにより本発明の機能が発現しにくくなる。AやCの数が少なすぎる場合には、本発明の共重合体が添加対象中に固定化されにくくなり、機能の持続性が悪くなる。
本発明の防汚製品は、上記コーティング剤を基材表面に塗布して防汚膜を形成したものである。
本発明のコーティング液は、本発明の含フッ素共重合体を溶媒に溶解したものである。
本発明の共重合体は、溶解性が高いものであるため、多様な溶媒に溶解させることができる。溶媒としては、例えば、酢酸エチル等の酢酸エステル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、アセトン等のケトン類、エタノール、メタノール等のアルコール類、水、及び電解質を溶解させた水等を挙げることができるが、誘電率が5.0以上のものであれば、特に限定されない。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ガラス板や鏡などの基材に防汚性、防曇性を付与し、この効果を長期間維持する場合は、基材の表面をシランカップリング剤等の前記結合性化合物を含む処理剤で前処理した後、基材を本発明のコーティング液に浸漬させるなどして、本発明のコーティング液を前処理した基材表面に塗布する。これにより、基材表面の結合性化合物とコーティング液中の本発明の共重合体とが結合することで、本発明の共重合体が基材表面に固定され、長期間防汚性、防曇性を維持するガラス製品を得ることができる。
本発明のコーティング液は、短期的に撥油性を付与するためのコーティング膜形成に用いることもできる。この場合、本発明のコーティング液を基材表面に対して、スプレー、スピンコート、バーコート、ディッピング、噴霧処理、ウエス等による塗りこみ、ハケ塗り等によりコーティング膜を形成する。また、マスキングを併用することもできる。このコーティング膜は、水で容易に除去することができるため、レジスト材料として使用することもできる。
フッ素過酸化物(RfC(O)O)2:前記一般式(V)におけるRfが
C3F7O(CF(CF3)CF2O)CFCF3−
であるフッ素過酸化物。
ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA):(株)興人製
ジメチルアクリルアミド(DMAA):(株)興人製
アクリル酸(ACA):和光純薬製
メタクリル酸エチルスルホン酸(MES):日本油脂(株)製
<実施例1〜3>
表1に示す配合量及び溶媒量で、フッ素過酸化物((RfC(O)O)2)(有効成分約10wt%の「AK−225」溶液)、ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)及びフッ素系溶媒(「AK−225」旭硝子製)を容器内に入れ、溶液を撹拌しながら温度を45℃に設定した後、5時間重合反応を行って、表1に示す重合比及び分子量の実施例1〜3の共重合体を得た。
実施例のヒドロキシエチルアクリルアミドにかえてアクリル酸(ACA)を用い、表1に示す配合量及び溶媒量としたこと以外は、実施例1〜3と同様に重合反応を行って、表1に示す重合比及び分子量の比較例1〜4の共重合体を得た。
実施例のヒドロキシエチルアクリルアミドにかえてメタクリル酸エチルスルホン酸(MES)を用い、表1に示す配合量及び溶媒量としたこと以外は、実施例1〜3と同様に重合反応を行って、表1に示す重合比及び分子量の比較例5,6の共重合体を得た。
(1)溶解性の評価
実施例1〜3及び、比較例1〜6で合成した各共重合体0.5gの溶媒5mlに対する溶解性(25℃)を下記の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
○:すべて溶解した。
△:一部溶け残った。
×:ほとんど溶解しなかった。
<実施例4〜6、比較例7〜13>
実施例1〜3、比較例1〜6において合成した各共重合体を二液硬化性ウレタン塗料の固形分に対して10wt%添加し、基材(材質:人造大理石(不飽和ポリエステル))に対して、得られる塗膜の厚さが20μmになるように塗布し、実施例4〜6、比較例7〜12とした。また、共重合体を添加していない上記二液硬化性ウレタン塗料を同様の基材に塗布したものを比較例13とした。
<実施例7,8>
二液硬化性ウレタン塗料に対する実施例1及び3の共重合体の添加量を1〜10wt%の間で変更した基材を作成し、上記と同様に接触角を測定した。結果を図1,2に示す。
擬似汚れ物質として、サラダ油にカーボンブラックを1wt%、関東ロームを1wt%、さらに視認性を向上させるために着色剤として「浸透液 PENETRANT UP−ST 一般材料用2」(マークテック(株))を1.0wt%加えたものを調製した。
擬似汚れ残留率=(W2−W0)/(W1−W0)×100(%)
<実施例9,比較例14,15>
擬似皮脂成分として、オレイン酸40重量部、オレイン酸トリグリセリド50重量部、スクアラン10重量部及びズダンブラック3重量部を混合したものを調製した。
条件1 汚染試料に対し処理を行わない。
条件2 汚染試料をウエスで拭く
条件3 汚染試料を水に15分間浸漬
条件4 汚染試料を洗剤水(中性洗剤0.5vol%水)に15分間浸漬
条件5 汚染試料をアセトンに15分間浸漬
<実施例10、比較例16〜18>
下記(a)〜(d)に従って評価試料を作成し、防曇性の評価を行った。
(a) イソシアネート基を含有するシランカップリング剤(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン「KBE−9007」信越化学製)の5vol%トルエン溶液を調製し、窒素雰囲気下、この溶液に清浄な100角ガラス板(無処理のガラス板)を24時間浸漬してガラス板表面をシランカップリング剤で処理を行った。次いで、このガラス板を実施例1において合成した共重合体の10wt%メタノール溶液に24時間浸漬しガラス表面の処理を行った(実施例10)。
(b) 前記(a)で用いた清浄なガラス板(無処理のガラス板)を比較例16とした。
(c) 前記清浄な100角ガラス板(無処理のガラス板)を含フッ素シランカップリング剤であるトリフルオロプロピルトリメトキシシラン(CF3CH2CH2Si(OCH3)3)「KBM−7013」信越化学製の5vol%トルエン溶液に24時間浸漬した(比較例17)。
(d) コロイダルシリカ(日産化学製:粒径12nm)10重量部、テトラエトキシシラン(関東化学製)50重量部をエタノール200重量部に溶解し、さらに触媒としてアンモニア水0.1重量部を添加した溶液に前記清浄な100角ガラス板(無処理のガラス板)を浸漬し、次いで、このガラス板を80℃で2時間乾燥させることにより、コロイダルシリカをガラス板表面に固定化した(比較例18)。
上記(a)〜(d)において作成した試料のガラス板面を縦横それぞれ1cm間隔に区切り、10×10の100マス区画を形成した。密閉可能な容器内に、この試料の載置台を設置し、この台が水没しない程度に水を入れた。この台の上に試料を水平に載置し、容器を密閉し、この容器ごと60℃の高温槽に入れ、1時間保持した。その後、容器から試料を取出し、迅速に試料の裏面の水滴をふき取り、曇っていないマス(透明なマス)の数を計測した。
実施例4及び比較例1のウレタン塗膜の表面及び断面をエネルギー分散型マイクロアナライザー(EPMA)にて分析した。第3図は、実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜表面のフッ素原子の分布を示す写真であり、第4図は、実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜表面の窒素原子の分布を示す写真である。さらに、第5図は、実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜断面のフッ素原子の分布を示す写真である。
Claims (8)
- 請求項1又は2において、前記R1が炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基であることを特徴とする含フッ素共重合体。
- 請求項3において、前記R1が、ヒドロキシエチル基であることを特徴とする含フッ素共重合体。
- ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基を有する化合物と、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の含フッ素共重合体とを含むコーティング剤。
- 請求項5において、前記ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基がイソシアネート基であることを特徴とするコーティング剤。
- 請求項5又は6に記載のコーティング剤を基材表面に塗布した防汚製品。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の含フッ素共重合体を溶媒に溶解したコーティング液。
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