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JP5344421B2 - 含フッ素共重合体、コーティング剤、防汚製品及びコーティング液 - Google Patents

含フッ素共重合体、コーティング剤、防汚製品及びコーティング液 Download PDF

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Description

本発明は、親水性、撥油性及び水中撥油性並びにその長期持続性に優れた防汚膜を形成し得る含フッ素共重合体に関する。本発明は、また、この含フッ素共重合体を含むコーティング剤並びにコーティング剤を塗布した防汚製品と、この含フッ素共重合体を含むコーティング液に関する。
材料に親水性及び撥油性を付与することを目的として、フッ素含有ブロックと親水性ブロックとを含む共重合体を材料に添加することが行われている。
このような共重合体としては、撥油性の含フッ素官能基を有するブロックとポリスチレンブロックより構成されたものが挙げられるが、この共重合体では親水性がない。
親水性を向上させた共重合体としては、親水性が高いアクリル酸(ACA)、スルホン酸エチルメタクリレート(MES)等を共重合体の主鎖に有し、両末端に含フッ素官能基が導入された共重合体が本出願人によって提案されている(特許文献1)。
特開2007−154020号公報
特許文献1に記載される共重合体を塗料などの材料に添加した場合、材料表面に含フッ素官能基に起因する撥水性、撥油性及び水中撥油性を付与することができるが、空気中における親水性を長期間維持することが難しい。
本発明は、上記従来の問題を解決し、親水性、撥油性及び水中撥油性並びにその長期持続性に優れた防汚膜を形成し得る含フッ素共重合体を提供することを課題とする。本発明はまた、この共重合体を含むコーティング剤並びにこのコーティング剤を表面に塗布した防汚製品及び、この含フッ素共重合体を含むコーティング液を提供することを課題とする。
本発明(請求項1)の含フッ素共重合体は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドと、ジメチルアクリルアミドと、含フッ素化合物とを用いて合成された含フッ素共重合体であって、下記一般式(II)に示す共重合体であることを特徴とするものである。
Figure 0005344421
(式中、Rは、ヒドロキシアルキル基を示し、
は、水素原子又はメチル基を示し、
Rfは、含フッ素官能基を示す。2個のRfは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
l,mは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
請求項の含フッ素共重合体は、請求項において、前記Rfが下記一般式(IIIa)又は(IIIb)に示す含フッ素官能基であることを特徴とするものである。
Figure 0005344421
(式中、xは、1〜10の整数を示し、yは、0〜5の整数を示す。)
請求項の含フッ素共重合体は、請求項2ないし4のいずれか1項において、前記Rが炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基であることを特徴とするものである。
請求項の含フッ素共重合体は、請求項において、前記Rが、ヒドロキシエチル基であることを特徴とするものである。
本発明(請求項)のコーティング剤は、ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基を有する化合物と、請求項1ないしのいずれか1項に記載の含フッ素共重合体とを含むものである。
請求項のコーティング剤は、請求項において、前記ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基がイソシアネート基であることを特徴とするものである。
本発明(請求項)の防汚製品は、請求項又はに記載のコーティング剤を基材表面に塗布したものである。
本発明(請求項)のコーティング液は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の含フッ素共重合体を溶媒に溶解したものである。
本発明(請求項1)の共重合体は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド及び含フッ素化合物を用いて合成された共重合体であるため、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及びジメチルアクリルアミドによる親水性と、含フッ素化合物による撥油性及び水中撥油性、更にはヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドのヒドロキシアルキル基による対象物への固定化機能により、本発明の共重合体を添加した材料に長期間にわたって親水性、撥油性及び水中撥油性を付与することができる。
本発明の共重合体は、下記一般式(II)に示す構造(請求項3)を有する。
Figure 0005344421
(式中、Rは、ヒドロキシアルキル基を示し、
は、水素原子又はメチル基を示し、
Rfは、含フッ素官能基を示す。2個のRfは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
l,mは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
このような構造を有する本発明の共重合体を、例えばウレタン塗料などに添加した場合、その塗膜に対して親水性、撥油性及び水中における撥油性をバランスよく付与することができるだけでなく、親水性、撥油性及び水中における撥油性を長期間維持することができる。
本発明の共重合体に含まれる含フッ素官能基Rfとしては、請求項に記載の通り、下記一般式(IIIa)又は(IIIb)に示される含フッ素官能基が好ましい。
Figure 0005344421
(式中、xは、1〜10の整数を示し、yは、0〜5の整数を示す。)
本発明の共重合体は、Rが炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基であることが好ましく(請求項)、特にRがヒドロキシエチル基であることが好ましい(請求項)。
が上記条件を満たすと、ヒドロキシル基と添加対象物とが相互作用しやすく、添加対象物の表面において、共重合体の機能を長期間にわたって維持することができる。
本発明(請求項)のコーティング剤は、ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基を有する化合物と、本発明の共重合体とを含むものであり、特にイソシアネート基を有する化合物と本発明の共重合体を含むものであることが好ましい(請求項)。
ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基を有する化合物と、本発明の共重合体とを含むコーティング剤の場合、塗膜表面だけでなく塗膜全体に含フッ素共重合体を存在させることができるため、摩擦が多い場所に塗布した場合でも塗膜が完全に摩耗しない限り、本発明の共重合体による親水性、撥油性及び水中撥油性の機能が維持される。
さらに、本発明(請求項)の防汚製品は、前記コーティング剤を基材表面に塗布したものであるため、付着した油などの汚れを容易に除去することができる。
本発明(請求項)のコーティング液は、本発明の共重合体を溶媒に溶解したものであるため、水に濡れやすく油などの汚れをはじきやすいコーティング膜を容易に形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されるものではない。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。
[含フッ素共重合体]
本発明の含フッ素共重合体(以下、「本発明の共重合体」と称す場合がある。)は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドと、ジメチルアクリルアミドと、含フッ素化合物とを用いて合成された共重合体である。
<含フッ素共重合体の構造>
本発明の含フッ素共重合体は、下記一般式(II)に示す構造を有するブロック共重合体(以下、「共重合体(II)」と称す場合がある。)である。
Figure 0005344421
(式中、Rは、ヒドロキシアルキル基を示し、
は、水素原子又はメチル基を示し、
Rfは、含フッ素官能基を示す。2個のRfは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
l,mは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
このような構造を有する本発明の共重合体をウレタン塗料などに添加して形成した塗膜は、親水性、撥油性及び水中における撥油性が良好なものとなり、かつ、親水性、撥油性及び水中における撥油性を長期間維持することができる。
般式(II)に示す構造を有するブロック共重合体であれば、以下の理由により含フッ素化合物による撥油性及び水中撥油性と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及びジメチルアクリルアミドによる親水性の発現が顕著なものとなる。
即ち、含フッ素化合物による撥油性及び撥水性と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及びジメチルアクリルアミドによる親水性とは相反する性質であるから、これらがランダムに重合すると官能基同士の機能が互いに干渉し合い、共重合体全体としての機能発現性が低下するおそれがある。これに対して、一般式(II)のように、撥水性部分と親水性部分とを明確に分けることにより、その干渉が弱まると考えられる。また、共重合体内には、含フッ素化合物よりヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及びジメチルアクリルアミドが多く導入されていることから、含フッ素化合物の撥水性よりも、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド及びジメチルアクリルアミドの親水性の方が発現しやすくなると考えられる。
<含フッ素化合物>
本発明に用いる含フッ素化合物としては、特に限定されるものではないが、含フッ素官能基Rfとして、下記一般式(IIIa)又は(IIIb)に示す含フッ素官能基を有するものが好ましい。
Figure 0005344421
(式中、xは、1〜10の整数を示し、yは、0〜5の整数を示す。
共重合体(II)の合成に用いる含フッ素化合物の具体例≫
共重合体(II)の合成に用いる含フッ素化合物としては、下記一般式(V)で表されるフッ素過酸化物を挙げることができる。
Figure 0005344421
(Rfは、含フッ素官能基を示す。2個のRfは、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
この一般式(V)で表されるフッ素過酸化物は、例えば特開平3−31253に記載される方法によって合成することができる。共重合体(II)の合成にあたり、この一般式(V)で表される化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド>
本発明に用いるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、特に限定されるものではないが、ヒドロキシアルキル基(前記一般式(II)におけるR)部分のアルキル鎖が過度に長いと、共重合体自身の親水性が低下し、良好な親水性を発現できなくなる。また、アルキル鎖が長いと、立体障害により末端のヒドロキシル基と、添加対象物に含まれる反応性官能基との結合が阻害されることが考えられるので、アルキル鎖の炭素数が1〜10のものを用いるのが好ましい。
炭素数が1〜10のヒドロキシアルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基などを挙げることができるが、炭素数が多いと親水性が低下し、アルキル鎖の立体障害により添加対象との反応性が低下する。一方、共重合体のビニル部分に対して側鎖のヒドロキシアルキル基が極端に短いとビニル部分が立体障害となって添加対象と反応しにくくなると考えられる。即ち、添加対象との反応性が低下し、添加対象中に本発明の共重合体が固定されにくくなるので、ヒドロキシエチル基を用いるのが好ましい。
前記一般式(II)におけるRは、水素原子又はメチル基のいずれであってもよいが、水素原子であることが好ましい。即ち、本発明に用いるヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、ヒドロキシエチルアクリルアミドが特に好ましい。
このヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドは、分子内に親水性のアミド部分と、本発明の含フッ素共重合体の添加対象物であるウレタン塗料、アルコキシド、水ガラス、シランカップリング剤等と結合しうるヒドロキシル基とを有している。このヒドロキシル基が、添加対象物と結合を形成することにより本発明の含フッ素共重合体が添加対象物に固定化されるため、長期間にわたって親水性及び撥油性を維持することができると考えられる。
例えば、本発明の含フッ素共重合体は、ウレタン塗料に対して、ウレタン塗料に含まれるイソシアネート基とヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドのヒドロキシル基とがウレタン結合を形成することにより固定化される。また、ガラスなどに対しては、イソシアネート基を有するシランカップリング剤(例えば「KBE−9007」信越化学社製)やテトラエトキシシラン等とウレタン結合又は脱水縮重合したうえで固定化される。さらに、不飽和ポリエステル樹脂のようにカルボキシル基をもつ物質に対しては、エステル結合により固定化される。
このようにヒドロキシル基と結合を形成しうる官能基を有する材料であれば、本発明の共重合体を固定化し、その表面に親水性、撥油性を付与することができる。即ち、材料としてはウレタン塗料、ウレタン樹脂、アミド樹脂、エステル樹脂、アルコキシド系コーティング剤、水ガラス系無機膜などが挙げられ、いずれもバルク形成時にヒドロキシル基と結合を形成し得るため、本発明の共重合体を取り込み固定化することができる。
<共重合体の合成方法>
上述の各モノマーを共重合して、本発明の共重合体を合成するには、通常のビニル重合方法が適用されるが、その際に用いる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド及びその誘導体、アゾビスブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル及び前記一般式(V)に示した含フッ素過酸化物などの有機系重合開始剤が好ましく、これらの重合開始剤と前述のモノマーを反応容器に入れ、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下に加熱重合させる。
本発明の共重合体の合成は、無溶媒で行うこともできるが、含フッ素原料、DMAA、ヒドロキシアルキルアクリルアミドなどの原料を溶解する含フッ素系溶媒、アルコール、水などを用いて行ってもよい。含フッ素原料は、含フッ素系溶媒によく溶解し、ヒドロキシアルキルアクリルアミドは、水、ケトン類などの極性溶媒によく溶解し、DMAAは、フッ素系溶媒、及び水等の極性溶媒によく溶解する。相溶性の複数溶媒を用いれば均一重合が可能であり、相溶性のない溶媒を用いれば不均一重合となる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。溶媒を用いて合成を行う場合、反応系の全モノマーの濃度が0.1〜30wt%程度であれば重合を行うことができるが、反応性向上、安全性確保の観点から1〜10wt%程度とすることが好ましい。特に、両末端に含フッ素官能基を導入する場合は、1.5〜8.5wt%程度、特に4〜6wt%程度が好ましい。
重合条件としては、特に制限はないが、通常30〜50℃程度で、1〜10時間反応させることにより本発明の共重合体を得ることができる。
<共重合体の重合比、重合度及び分子量
重合体(II)の重合比、即ち、l,mの比は、1〜100:1〜100程度、特に1〜20:1〜20程度が好ましい。mに対してlが極端に大きすぎると、ヒドロキシアルキルアクリルアミドのヒドロキシル基と添加対象に含まれる反応性官能基との結合が阻害され、添加対象中への共重合体の固定化の程度が弱くなり、共重合体に起因する機能である親水性及び撥油性の持続性が低下する。mに対してlが極端に小さすぎると、共重合体を添加対象に添加した場合に親水性を発現するDMAAのジメチルアミド部分が少なく、また、共重合体が添加対象中に強く固定化されるので、立体障害により、ジメチルアミド部分が表面に配向しにくくなり親水性が低下する。
また、重合度l,mはそれぞれ、l=1〜50程度、m=1〜50程度が好ましく、特に、l=1〜20程度、m=1〜10程度が好ましい。共重合体(II)の分子量は500〜15000程度、特に500〜3000程度となるように重合するのが好ましい。
[コーティング剤]
本発明のコーティング剤は、ヒドロキシル基と結合を形成しうる官能基を有する化合物と上記共重合体とを含むものである。
上記ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基とは、ヒドロキシル基と水素結合、配位結合、共有結合、エステル結合、ウレタン結合、脱水縮重合等をし得る官能基であり、例えばカルボキシル基、スルホ基、シラノール基、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、カルボニル基、アミド基、アルコキシ基((OCα2α+1β3−β:MはSi,Ti,Alなど、αは、1〜3の整数、βは1又は2)、ビニル基、イソシアネート基などを挙げることができ、特にイソシアネート基を有するものが好ましい。
これらの官能基を有する化合物(以下、「結合性化合物」と称す場合がある。)としては、ウレタン、ポリエステル、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、二液硬化性ウレタン塗料、一液硬化性ウレタン塗料、二液硬化性エポキシ塗料、一液硬化性エポキシ塗料、二液硬化性アクリルシリコン塗料、一液硬化性アクリルシリコン塗料、二液硬化性エポキシウレタン塗料、一液硬化性エポキシウレタン塗料などのヒドロキシル基と反応し硬化する材料、不飽和ポリエステルなど架橋で硬化する材料、上記ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基を有するアルコキシシランなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のコーティング剤における本発明の共重合体と上記結合性化合物との配合割合は、結合性化合物に含まれる反応性官能基の数(A)が、本発明の共重合体に含まれるヒドロキシル基の数(共重合体のモル数×m(重合度))(B)に対して、B:A=1:0.5〜1.5であることが好ましい。添加対象が、ウレタン塗料、エポキシ重合等の化学反応で硬化する物質、例えば主剤と硬化剤を混合して塗膜を得る場合、次のようになる。即ち、本発明の共重合体のヒドロキシル基と反応しうる方を硬化剤とすると、硬化剤に含まれる本発明の共重合体のヒドロキシル基と反応しうる官能基の数(C)、硬化剤に含まれる官能基と反応しうる主剤の官能基の数を(D)、本発明の共重合体に含まれるヒドロキシル基の数(共重合体のモル数×m(重合度))(E)は、以下の式を満たすことが好ましい。
C−D<1.5×E
AやCの数が多すぎる場合には、本発明の共重合体が添加対象に埋没してしまい、立体障害などにより本発明の機能が発現しにくくなる。AやCの数が少なすぎる場合には、本発明の共重合体が添加対象中に固定化されにくくなり、機能の持続性が悪くなる。
例えば、本発明の共重合体を二液硬化性ウレタン塗料に対して添加する場合、撥油性のみを必要とする場合には、本発明共重合体を二液硬化性ウレタン塗料の固形分に対して比較的少量、例えば1〜3wt%程度添加すればよく、親水性と撥油性の両方を必要とする場合は、若干多く、例えば4〜6wt%程度添加すればよい。
本発明のコーティング剤は、共重合体を構成するヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドのヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基を有する化合物と本発明の共重合体を含むものであるため、コーティング膜表面だけでなく膜全体に含フッ素共重合体を存在させることができる。従って、コーティング剤を摩擦が多い場所に塗布した場合でも塗膜が完全に摩耗しない限り共重合体の機能が維持される。
[防汚製品]
本発明の防汚製品は、上記コーティング剤を基材表面に塗布して防汚膜を形成したものである。
上記基材としては、大理石、珪酸カルシウム板、セメント板、スレート板、施釉タイル、無釉タイル等の無機材料、鋼板、アルミニウム板、ステンレス板、亜鉛メッキ鋼板等の金属材料、木材等の耐熱温度の低いものや、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、FRP等の樹脂材料を採用することができる。
基材への本発明のコーティング剤の塗布方法としては、スプレー式、ディッピング式、刷毛塗り式、ロールコート式等、種々の方法を採用することができる。塗布に先立ち、基材にブラスト処理等の前処理を施してもよく、また、プライマー層を形成してもよい。
これらの基材に本発明のコーティング剤を塗布して形成される塗膜の硬化方法は、当該コーティング剤の硬化方法に従えばよく、例えば、常温で3時間以上乾燥させる方法、60〜80℃程度で30〜60分程度乾燥する方法が挙げられる。
このようにして基材表面に形成される防汚膜の厚さは、特に限定されるものではなく、サブミクロン〜ミリメートルオーダーまで適宜設定することができる。薄過ぎると防汚膜の耐久性が不足するため、防汚性の持続性の観点からコスト高にならない程度に厚くすることが好ましい。
本発明の防汚製品としては、例えば浴室、洗面道具、手術室壁面、床面材、調理場シンク、ディスポーザー内壁、レンジ周りの部材、家畜飼育場所の床材、壁材、鏡、ガラスなどの指紋汚れが気になる製品、洗面所の防曇防汚ガラス等の他、煙突、換気扇、排気口等の油性物質を含むガスを排出する部分に用いられるものも挙げられる。
[コーティング液]
本発明のコーティング液は、本発明の含フッ素共重合体を溶媒に溶解したものである。
本発明の共重合体は、溶解性が高いものであるため、多様な溶媒に溶解させることができる。溶媒としては、例えば、酢酸エチル等の酢酸エステル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、アセトン等のケトン類、エタノール、メタノール等のアルコール類、水、及び電解質を溶解させた水等を挙げることができるが、誘電率が5.0以上のものであれば、特に限定されない。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記溶媒に対する本発明の含フッ素共重合体の添加量は、本発明のコーティング液中の本発明の共重合体の濃度が5〜50wt%、特に10〜50wt%程度となるような量であることが好ましい。
このコーティング液内の本発明の共重合体の濃度が低過ぎると、親水性、撥油性及び水中撥油性などの機能が発現しにくく、濃度が高すぎると安定な液を形成し得ない場合がある。
このような本発明のコーティング液の使用例としては、次のようなものが挙げられる。
≪コーティング液の効果を長期間必要とする場合≫
ガラス板や鏡などの基材に防汚性、防曇性を付与し、この効果を長期間維持する場合は、基材の表面をシランカップリング剤等の前記結合性化合物を含む処理剤で前処理した後、基材を本発明のコーティング液に浸漬させるなどして、本発明のコーティング液を前処理した基材表面に塗布する。これにより、基材表面の結合性化合物とコーティング液中の本発明の共重合体とが結合することで、本発明の共重合体が基材表面に固定され、長期間防汚性、防曇性を維持するガラス製品を得ることができる。
≪コーティング液の効果を短期間必要とする場合≫
本発明のコーティング液は、短期的に撥油性を付与するためのコーティング膜形成に用いることもできる。この場合、本発明のコーティング液を基材表面に対して、スプレー、スピンコート、バーコート、ディッピング、噴霧処理、ウエス等による塗りこみ、ハケ塗り等によりコーティング膜を形成する。また、マスキングを併用することもできる。このコーティング膜は、水で容易に除去することができるため、レジスト材料として使用することもできる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例において用いた原料は次の通りである。
フッ素過酸化物(RfC(O)O):前記一般式(V)におけるRfが
O(CF(CF)CFO)CFCF
であるフッ素過酸化物。
ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA):(株)興人製
ジメチルアクリルアミド(DMAA):(株)興人製
アクリル酸(ACA):和光純薬製
メタクリル酸エチルスルホン酸(MES):日本油脂(株)製
[共重合体の合成]
<実施例1〜3>
表1に示す配合量及び溶媒量で、フッ素過酸化物((RfC(O)O))(有効成分約10wt%の「AK−225」溶液)、ジメチルアクリルアミド(DMAA)、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)及びフッ素系溶媒(「AK−225」旭硝子製)を容器内に入れ、溶液を撹拌しながら温度を45℃に設定した後、5時間重合反応を行って、表1に示す重合比及び分子量の実施例1〜3の共重合体を得た。
<比較例1〜4>
実施例のヒドロキシエチルアクリルアミドにかえてアクリル酸(ACA)を用い、表1に示す配合量及び溶媒量としたこと以外は、実施例1〜3と同様に重合反応を行って、表1に示す重合比及び分子量の比較例1〜4の共重合体を得た。
<比較例5,6>
実施例のヒドロキシエチルアクリルアミドにかえてメタクリル酸エチルスルホン酸(MES)を用い、表1に示す配合量及び溶媒量としたこと以外は、実施例1〜3と同様に重合反応を行って、表1に示す重合比及び分子量の比較例5,6の共重合体を得た。
Figure 0005344421
[共重合体の評価]
(1)溶解性の評価
実施例1〜3及び、比較例1〜6で合成した各共重合体0.5gの溶媒5mlに対する溶解性(25℃)を下記の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
≪評価基準≫
○:すべて溶解した。
△:一部溶け残った。
×:ほとんど溶解しなかった。
Figure 0005344421
表2から明らかな通り、比較例1〜6の共重合体は、水からアセトンまでの比較的誘電率が高い溶媒にのみ可溶であるのに対し、実施例1〜3の共重合体は水から酢酸エチルまでの多様な溶媒に可溶である。従って、本発明の共重合体は、比較例の共重合体と比較して応用範囲が広いことが分かる。
(2)接触角の評価
<実施例4〜6、比較例7〜13>
実施例1〜3、比較例1〜6において合成した各共重合体を二液硬化性ウレタン塗料の固形分に対して10wt%添加し、基材(材質:人造大理石(不飽和ポリエステル))に対して、得られる塗膜の厚さが20μmになるように塗布し、実施例4〜6、比較例7〜12とした。また、共重合体を添加していない上記二液硬化性ウレタン塗料を同様の基材に塗布したものを比較例13とした。
この実施例4〜6、比較例7〜13の各基材の空気中における水及び油(オレイン酸トリグリセリド)の接触角及び水中における油接触角を接触角計(「DM−500」協和界面科学製)により測定した(接触角の評価A)。
さらに各基材を水に300時間浸漬した後、上記と同様に接触角を測定した(接触角の評価B)。結果を表3に示す。なお、接触角と塗膜の性質の関係を表4に示す。
Figure 0005344421
Figure 0005344421
接触角の評価Aにおいて、実施例4〜6の水接触角は低い値を示し、油接触角、水中油接触角は高い値を示した。また、接触角の評価Bにおいても、値はほとんど変化しなかった。
これに対し、接触角の評価Aにおいて、HEAAの代わりにACAを含む比較例7,8は、空気中及び水中で撥油性、比較例10は撥油性がそれぞれ良好であったが、他の性質は実施例より劣っていた。また、接触角の評価Bにおいて、比較例7〜10の親水性、撥油性、水中における撥油性は低下した。即ち、比較例7〜10は、実施例に比べて耐久性に劣る。
接触角の評価Aにおいて、HEAAの代わりにMESを含む比較例11は、親水性、撥油性及び水中撥油性を示したが、接触角の評価Bにおいて、各性質は低下した。即ち、比較例11は、親水性、撥油性及び水中撥油性の耐久性が実施例のものより劣ることが分かる。なお、比較例12は、共重合体を塗布していない比較例13と比較して撥水性を示したこと以外はほとんど差異がなかった。
以上の結果から本発明の共重合体は、比較例の共重合体と比較して基材に対してバランスよく親水性、撥油性及び水中における撥油性を付与することができるだけでなく、親水性、撥油性及び水中における撥油性を長期間維持することができることが分かる。
(3)共重合体の添加量と接触角の関係
<実施例7,8>
二液硬化性ウレタン塗料に対する実施例1及び3の共重合体の添加量を1〜10wt%の間で変更した基材を作成し、上記と同様に接触角を測定した。結果を図1,2に示す。
二液硬化性ウレタン塗料に対する実施例1の共重合体の添加量を変更した実施例7では、水接触角、水中油接触角が添加量5wt%でほぼ一定値になり、油接触角はほぼ1wt%で一定値になった。実施例8では、水接触角が7wt%、水中接触角が5wt%、油接触角が1wt%でそれぞれほぼ一定となった。撥油性のみを必要とする場合には、本発明の共重合体を二液硬化性ウレタンに少量添加すればよく、親水性と撥油性を両方必要とする場合には、若干添加量を増す必要があることが分かる。
(4)防汚性の評価
擬似汚れ物質として、サラダ油にカーボンブラックを1wt%、関東ロームを1wt%、さらに視認性を向上させるために着色剤として「浸透液 PENETRANT UP−ST 一般材料用2」(マークテック(株))を1.0wt%加えたものを調製した。
試料としては、実施例4〜6及び比較例7〜13で用いたウレタン塗料を100角の人造大理石板に塗膜の厚さが50μmとなるように塗布し、常温で2日間硬化したものを用いた。この2日間放置後の試料の質量をWとする。
この試料表面に前記擬似汚れ物質を5ml滴下し、ヘラで表面に均一に塗り延ばし、80℃で1時間乾燥させた後、試料を秤量した。この時の試料の質量をWとする。さらに、この試料を15分間水に浸漬し、80℃で1時間乾燥させて再度試料を秤量した。この時の試料の質量をWとする。
浸漬前後の試料の重量変化率を下記式に従って計算し、擬似汚れ残留率として評価した(防汚性評価A)。
擬似汚れ残留率=(W−W)/(W−W)×100(%)
上記と同様にウレタン塗料を塗布し、常温で2日間放置後、水に300時間浸漬したものを試料とし、この試料に対して上記防汚性評価Aと同様に擬似汚れ物質を滴下して防汚性の評価を行った(防汚性評価B)。
これらの結果を表5に示す。
Figure 0005344421
表5から明らかな通り、防汚性評価Aでは、実施例4〜6、比較例7,8、11で擬似汚れの残留率が全くないが、防汚性評価Bでは、実施例4〜6で擬似汚れ残留率が0になったのに対し、比較例7,8,11はいずれも擬似汚れが残留している。この評価結果からも、本発明の共重合体を添加した塗膜の防汚性及び耐久性が高いことが分かる。
なお、表3と表5より、擬似汚れ残留率と、水中接触角との間には相関があり、水中接触角が大きい試料(水中において撥油性が高い試料)は、擬似汚れ残留率が低くなっていることが分かる。
(5)指紋ふき取り性の評価
<実施例9,比較例14,15>
擬似皮脂成分として、オレイン酸40重量部、オレイン酸トリグリセリド50重量部、スクアラン10重量部及びズダンブラック3重量部を混合したものを調製した。
試料として、実施例4の二液硬化性ウレタン塗料を実施例4と同様の方法で50角の人造大理石塗布したもの(実施例9)、50角のフッ素樹脂板(ポリテトラフルオロエチレン板)(比較例14)及び施釉タイル(比較例15)を準備した。これらの試料に上記擬似皮脂成分をゴム印でスタンプ(擬似指紋)した後、下記条件に従って処理を行い、擬似皮脂成分スタンプ前の試料と各処理後の試料の色差をCR−200(MINOLTA社製)を用いて測定した。なお、同一条件でΔEの変化が小さいものを優(○)とし、それ以外を劣(×)として評価した。結果を表6に示す。
≪処理条件≫
条件1 汚染試料に対し処理を行わない。
条件2 汚染試料をウエスで拭く
条件3 汚染試料を水に15分間浸漬
条件4 汚染試料を洗剤水(中性洗剤0.5vol%水)に15分間浸漬
条件5 汚染試料をアセトンに15分間浸漬
Figure 0005344421
表6より、実施例9と比較例14は、条件1及び2において低い値を示したが、比較例15は高い値を示した。これは、比較例15がウエスで拭いても油が落ちにくいことを示している。条件3では、実施例9と比較例15が良好な結果だった。これは、本発明の含フッ素共重合体が二液硬化性ウレタン塗料に親水性を付与するため、汚れと塗膜の間に水が入り込みやすく、擬似指紋成分(油性物質)を洗い流しやすいためである。比較例15の施釉タイルは、元来親水性であるため、擬似指紋成分が付着しやすくとも、水で洗浄可能である。
一方、条件4,5では、実施例9、比較例14、比較例15のいずれもΔEの値が小さく、良好な結果であった。これは、洗剤水、アセトンが擬似指紋成分(油性物質)を良く分散させるためである。即ち、このような液体を用いれば、材料の性質に関わらず、油性物質を除去可能であることを示している。ただし、近年の環境意識の高まりから、洗浄に洗剤やアセトンを用いることは望ましくなく、水のみで汚れ物質を除去できる、実施例9、比較例14の性質が望ましいと言える。以上の結果から、実施例9はいずれの条件でも良好な結果だった。本発明の共重合体を用いたものは、擬似指紋の付着性が低く、さらに乾拭き、水洗などの方法で簡単に汚れを除去できる、汚れ除去性に優れたものであることが分かる。
(6)防曇性の評価
<実施例10、比較例16〜18>
下記(a)〜(d)に従って評価試料を作成し、防曇性の評価を行った。
(a) イソシアネート基を含有するシランカップリング剤(γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン「KBE−9007」信越化学製)の5vol%トルエン溶液を調製し、窒素雰囲気下、この溶液に清浄な100角ガラス板(無処理のガラス板)を24時間浸漬してガラス板表面をシランカップリング剤で処理を行った。次いで、このガラス板を実施例1において合成した共重合体の10wt%メタノール溶液に24時間浸漬しガラス表面の処理を行った(実施例10)。
(b) 前記(a)で用いた清浄なガラス板(無処理のガラス板)を比較例16とした。
(c) 前記清浄な100角ガラス板(無処理のガラス板)を含フッ素シランカップリング剤であるトリフルオロプロピルトリメトキシシラン(CFCHCHSi(OCH)「KBM−7013」信越化学製の5vol%トルエン溶液に24時間浸漬した(比較例17)。
(d) コロイダルシリカ(日産化学製:粒径12nm)10重量部、テトラエトキシシラン(関東化学製)50重量部をエタノール200重量部に溶解し、さらに触媒としてアンモニア水0.1重量部を添加した溶液に前記清浄な100角ガラス板(無処理のガラス板)を浸漬し、次いで、このガラス板を80℃で2時間乾燥させることにより、コロイダルシリカをガラス板表面に固定化した(比較例18)。
≪防曇性の評価方法≫
上記(a)〜(d)において作成した試料のガラス板面を縦横それぞれ1cm間隔に区切り、10×10の100マス区画を形成した。密閉可能な容器内に、この試料の載置台を設置し、この台が水没しない程度に水を入れた。この台の上に試料を水平に載置し、容器を密閉し、この容器ごと60℃の高温槽に入れ、1時間保持した。その後、容器から試料を取出し、迅速に試料の裏面の水滴をふき取り、曇っていないマス(透明なマス)の数を計測した。
さらに、コーティング膜の耐久性を評価するために、試料に「スーパーマイルドコンディショナー(リンス)」(資生堂製)を水で100倍に希釈したリンス水溶液5mlを滴下し、5分間放置した後、水洗し、再度密閉容器に入れ上記防曇性の評価を行った。このリンス水溶液の滴下、水洗及び防曇性の評価からなる一連の操作を1サイクルとし数サイクル繰り返し行うことにより、コーティング膜の耐久性を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0005344421
表7より明らかな通り、リンス洗浄前において実施例10及び比較例18が良好な結果を示した。しかしながら1サイクル後では、実施例10が防曇性を維持したのに対し、比較例18の防曇性は低下した。これは、比較例18の表面にリンス中の疎水成分が吸着したためと考えられる。また、実施例10は50サイクルまでほとんど防曇性が低下しなかったが、比較例18は、防曇性がさらに低下した。比較例16,17は、リンス前から性能が低く、特に比較例17は、水がはじかれて水滴状になるため透過性(防曇性)が悪かった。
以上の結果から、本発明の共重合体を適用した実施例10の試料は、耐久性のある防曇ガラス処理剤として使用可能であることがわかる。
この評価では、ガラスに塗布することにより評価したが、鏡に塗布することにより防曇鏡とすることも可能である。なお、この評価では、本発明の共重合体をガラスに対してシランカップリング剤のコーティング膜を介してコーティングした。このように構成した場合、共重合体を塗料等に添加して基材に塗布した塗膜よりも膜厚を薄くすることが可能であり、基材の透明性を保つことができる。
(7)ウレタン塗膜の評価
実施例4及び比較例1のウレタン塗膜の表面及び断面をエネルギー分散型マイクロアナライザー(EPMA)にて分析した。第3図は、実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜表面のフッ素原子の分布を示す写真であり、第4図は、実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜表面の窒素原子の分布を示す写真である。さらに、第5図は、実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜断面のフッ素原子の分布を示す写真である。
図3〜5より以下のことが分かる。フッ素原子の塗膜表面及び塗膜断面の分布を示す写真より、比較例1の含フッ素共重合体を塗料などのコーティング剤に添加した場合、共重合体中の含フッ素官能基が塗膜の表面(空気界面)部分に配向するため、共重合体が塗膜の表層部分に局在していることがわかる。
これに対し、実施例4のEPMA塗膜断面写真から、含フッ素共重合体に由来するフッ素原子が塗膜の断面全体に分布していることが分かる。これは、本発明の共重合体が、ウレタン塗料中のイソシアネート基と化学結合を形成することにより、塗膜中にトラップされ、塗膜表面への配向が抑制されるためであると考えられる。
このように、含フッ素共重合体に由来するフッ素原子が塗膜の断面全体に分布していることにより次の利点が挙げられる。
本発明の添加対象物の一つであるウレタン塗膜は、無機材料に比べて低強度であるため、床、手すり浴槽などの摩擦が生じやすい箇所に塗布した場合、塗膜の摩耗が避けられない。このため、塗膜の表面にのみ含フッ素共重合体が存在する従来の含フッ素共重合体を用いた塗膜では、塗膜表面の摩耗と共にその機能が失われてしまう。しかしながら、本発明の共重合体を用いた塗膜では、塗膜全体に含フッ素共重合体が存在しているため、塗膜が完全に摩耗しない限りこの共重合体の機能が維持される。
二液硬化性ウレタン塗料に対する実施例1の共重合体の添加量と接触角の関係を示すグラフである。 二液硬化性ウレタン塗料に対する実施例3の共重合体の添加量と接触角の関係を示すグラフである。 実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜表面のフッ素原子の分布を示す写真である 実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜表面の窒素原子の分布を示す写真である。 実施例4及び比較例1のウレタン塗膜のEPMAによる塗膜断面のフッ素原子の分布を示す写真である。

Claims (8)

  1. ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミドと、ジメチルアクリルアミドと、含フッ素化合物とを用いて合成された含フッ素共重合体であって、下記一般式(II)に示す共重合体であることを特徴とする含フッ素共重合体。
    Figure 0005344421
    (式中、Rは、ヒドロキシアルキル基を示し、
    は、水素原子又はメチル基を示し、
    Rfは、含フッ素官能基を示す。2個のRfは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
    l,mは、それぞれ独立に1以上の整数を示す。)
  2. 請求項において、前記Rfが下記一般式(IIIa)又は(IIIb)に示す含フッ素官能基であることを特徴とする含フッ素共重合体。
    Figure 0005344421
    (式中、xは、1〜10の整数を示し、yは、0〜5の整数を示す。)
  3. 請求項1又は2において、前記Rが炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基であることを特徴とする含フッ素共重合体。
  4. 請求項において、前記Rが、ヒドロキシエチル基であることを特徴とする含フッ素共重合体。
  5. ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基を有する化合物と、請求項1ないしのいずれか1項に記載の含フッ素共重合体とを含むコーティング剤。
  6. 請求項において、前記ヒドロキシル基と結合を形成し得る官能基がイソシアネート基であることを特徴とするコーティング剤。
  7. 請求項又はに記載のコーティング剤を基材表面に塗布した防汚製品。
  8. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の含フッ素共重合体を溶媒に溶解したコーティング液。
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