太陽電池ユニットに使用される太陽電池セルまたは太陽電池セルの原材料(例えば、結晶質あるいは非晶質のシリコン)は、太陽電池ユニットに限らず、各種の半導体デバイスや回路基板に多量に使用され、多量に消費される材料であり、太陽電池セルの原材料も無尽蔵に存在する原料ではないことから、昨今、シリコン材料の不足も懸念されている。
しかし、従来技術の太陽電池ユニットにおいては、その殆どが太陽電池ユニットに使用されている太陽電池セルを取り出して、取り出した太陽電池セルを再利用することについては、考慮されていない。
例えば、上述した特許文献1に記載の太陽電池ユニット(特許文献1では太陽電池モジュールと呼んでいる)においては、太陽電池セルをEVA樹脂層に埋め込んで硬化して固定しているので、太陽電池セルのみをEVA樹脂から分離して取り出すことは困難であった。
このように、シリコン等の太陽電池セルの原料の需要量が世界的に増大するにもかかわらず、従来の太陽電池ユニットにおいては、太陽電池ユニットの廃棄時に、内蔵する使用済みの太陽電池セルを使い捨てにしているため、太陽電池セルを再利用することや太陽電池セルの原材料を回収することが困難となっている。
また、例えば、特許文献2に記載の太陽電池ユニット(特許文献2では太陽電池モジュールと呼んでいる)において、太陽電池セルと封止材との間に太陽電池セルには接着しない非接着フィルムを介在させ、二段封止型太陽電池モジュールとし、該モジュールを破棄する際には太陽電池セルの外周のシートを切開することで簡易に太陽電池セルを回収することを考慮している。
しかしながら、太陽電池セルの太陽光が照射される側に、太陽電池セルと非接着フィルムとが接触するように非接着フィルムを介在させてしまうと、太陽電池セルの表面に形成された反射防止のための微小な凹凸により、太陽電池セルと非接着フィルム間に空気層ができてしまい、そのために発電効率が低下するという問題があった。さらに、太陽電池セルの太陽光が照射される側とは反対の面に非接着フィルムを配置(特許文献2では太陽電池セルに対して表裏一組の非接着フィルムを用いる場合と表現している)した場合、個々の太陽電池セルに非接着フィルムが必要となる他、非接着フィルムで囲う工程が入り、さらにこれを封止剤の上に載置して位置合せしなければならないなど、部材の浪費並びに各工程作業に負荷がかかるとともに、既存の太陽電池モジュールの生産ラインを一部改造する必要があるなどの問題もあった。
そこで、本発明は、太陽電池セルには接着しない非接着フィルムを介在させる場合の生産ラインの改造や位置合せなどによる作業効率の低下、或いは太陽電池モジュールとして致命的となる発電効率の低下を引き起こすことなく、従来と同じ生産ラインと作業効率、及び発電効率を維持することが可能な太陽電池ユニット及びそのような太陽電池ユニットの製造方法を提供することを目的とする。さらに、太陽電池ユニットの廃棄時には、太陽電池ユニット内に発電機能素子として使用されている太陽電池セルを容易に取り出して、取り出した使用済みの太陽電池セル自体をそのまま再使用すること、または新たな太陽電池セルの原材料として再利用することのできる太陽電池ユニット及びそのような太陽電池ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
上述した従来の問題点を解決すべく下記の発明を提供するものである。
なお、本明細書においては、特に断らない限り、太陽電池等の必要な機能が形成されている加工済みの半導体ウエハを「太陽電池セル」と称することとする。
本発明の第1の態様にかかる太陽電池ユニットの製造方法は、(a)樹脂シートの所定の位置に太陽電池セルを配置する工程と、
(b)前記太陽電池セルの上面を覆うように、モールド樹脂シートを前記樹脂シートに重ね合わせる工程と、
を備え、
前記工程(a)において、前記樹脂シートとして微細気泡を有する樹脂シートを用い、該樹脂シート上に前記太陽電池セルの配置位置の外枠に沿って切り込みを入れて、該切り込みにより囲まれた部位を前記太陽電池セルの厚み分だけ圧縮して収納窪み部を形成し、該収納窪み部に前記太陽電池セルを嵌合して配置することを特徴とする。
本態様によると、希望する収納窪み部の外形枠に沿って切り込みをいれて、切り込みに沿って圧縮するだけで、収納窪み部を形成することが可能となり、極めて簡単かつ正確に収納窪み部を形成することが可能となる。
また、樹脂シートが、太陽電池セルの平坦性に追随できるような平滑性に優れる微細気泡を有する樹脂シートからなることを特徴とする。また、微細気泡を有する樹脂シートは内部に平均気泡径50μm以下の複数の孔を有することが好ましい。つまり、樹脂シートは、内部に平均気泡径50μm以下の複数の微細気泡を有する樹脂シートからなるので、太陽光を効率良く反射することができる。太陽光を効率良く反射することができて一旦太陽電池セルを透過した太陽光、あるいは、太陽電池ユニットにある複数の隣り合う太陽電池セル間に入射した太陽光を太陽電池ユニットの表面側へ反射することで、光電気変換効率を向上させることができる。
ここで、平均気泡径が50μmを超えると、太陽光が樹脂シートの裏面まで到達して透過し、気泡界面での乱反射の回数が減少するため、拡散反射率が低下する傾向がある。平均気泡径は30μm以下であることがより好ましい。なお、平均気泡径が可視光の波長よりも小さくなると太陽光が透過してしまうので、平均気泡径は少なくとも可視光の波長以上であることが必要である。また、樹脂シートの厚さが400μm未満であると上記した要件を満たしていても、樹脂シート裏面への光の漏洩が多くなるために拡散反射率が低下するので、樹脂シートの厚さは400μm以上であることがより好ましい。また、樹脂シートの厚さが薄いと耐衝撃性に劣ることから、樹脂シートの厚さは500μm以上であることがより好ましい。
本態様は、収納窪み部に太陽電池セルを嵌合させることにより、太陽電池セルをモールド樹脂シートと樹脂シートとによって挟み込んだときの太陽電池セルの厚み分が収納窪み部に吸収されるので、樹脂シートに歪み等の負荷をかけることなく、より適切に太陽電池セルを保持でき、太陽電池セルの破損のリスクを防止することができる。また、樹脂シート上に収納窪み部を設けて、該収納窪み部に太陽電池セルを嵌合して定位置に配置することが容易であり、組立て時の位置ずれをなくすことができる。
尚、本発明では、太陽電池ユニット、モールド樹脂シート、太陽電池セル、樹脂シートにおいて、光の入射側の面を表面と呼び、表面とは反対側の面を裏面と呼ぶ。
本発明の第2の態様にかかる太陽電池ユニットの製造方法は、本発明の第1の態様にかかる太陽電池ユニットの製造方法において、(c)前記太陽電池セルの上面を覆い前記モールド樹脂シートと前記太陽電池セルとが直接接触するのを防ぐための分離層を、前記太陽電池セルの配置に対応する前記モールド樹脂シート上の位置に、配置する工程を、前記工程(a)と前記工程(b)との間に、更に備え、
前記工程(b)は、前記モールド樹脂シート上の前記分離層が前記太陽電池セルに対向しかつ覆うように、前記モールド樹脂シートを前記樹脂シートに重ね合わせて接合することを特徴とする。
本態様によると、分離層によりモールド樹脂シートと太陽電池セルが接触しないようにして、モールド樹脂シートと太陽電池セルが架橋接合するのを防止している。従って、太陽電池ユニットを廃棄するときに、太陽電池セルを容易に分離して取り出すことができる。
さらには、接合後に、樹脂シートの裏面の太陽電池セルが配置されている部分が少し盛り上がるので、太陽電池ユニットの廃棄時に視覚的に太陽電池セルの設置位置を判別することができる。従って、太陽電池ユニットの廃棄時に、樹脂シートの裏面上の少し盛り上がるように形成されたところを切り欠くことにより、容易に太陽電池セルを太陽電池ユニットから取り出すことができる。
また、分離した太陽電池セルに酸処理等を施すことにより太陽電池セルを再利用することや、取り出した太陽電池セルから半導体ウエハの原料を取り出すことができる。即ち、太陽電池セルを太陽電池ユニットから容易に分離できることにより、太陽電池セルまたは半導体ウエハの原料を効率よく再利用できるとともに、有用な資源を確保することができる。
尚、本発明では、太陽電池ユニット、モールド樹脂シート、太陽電池セル、粘着層、樹脂シートにおいて、光の入射側の面を表面と呼び、表面とは反対側の面を裏面と呼ぶ。
また、分離層が粘着層であっても良い。分離層が粘着層であるとき、太陽電池セルはモールド樹脂シートと接合されず粘着層に接着しているだけであるので、太陽電池ユニットを廃棄するときに、接着層から太陽電池セルを容易に引き剥がし分離することができ、太陽電池セルを取り出すことができる。
更に、粘着層がUV硬化性樹脂、または熱硬化性樹脂であっても良い。粘着層がUV硬化性樹脂、または熱硬化性樹脂であるとき、粘着層に紫外線(UV)照射または熱を加えることで粘着層が硬化して接着力がなくなり、廃棄処理時に太陽電池セルの剥離及び取り出しがより容易になるという効果を得ることが可能となる。
また、分離層がフィルム状の薄膜層と粘着層との積層体からなっていても良い。分離層がフィルム状の薄膜層と粘着層との積層体からなるとき、太陽電池セルがモールド樹脂シートから積層体により分離されており、また、積層体と太陽電池セルも強固に接着することがないから、太陽電池ユニットを廃棄するときに、容易に太陽電池セルを分離して取り出すことが可能となる。
本発明の第3の態様にかかる太陽電池ユニットの製造方法は、本発明の第2の態様にかかる太陽電池ユニットの製造方法の前記工程(c)において、前記モールド樹脂シートの表面に、前記分離層を印刷または転写して形成することを特徴とする。
尚、転写とは、予めセパレータフィルムに分離層を形成しておき、モールド樹脂シートの表面にセパレータフィルムを押し当てて、分離層をセパレータフィルムからモールド樹脂シートの表面に写しとることを称する。
上述した本発明の態様により、太陽電池セルには接着しない非接着フィルムを介在させる場合の生産ラインの改造や位置合せなどによる作業効率の低下、或いは太陽電池モジュールとして致命的となる発電効率の低下を引き起こすことなく、従来と同じ生産ラインと作業効率、及び発電効率を維持しつつ、さらに、太陽電池ユニットの廃棄時には、太陽電池ユニット内に発電機能素子として使用されている太陽電池セルを容易に取り出して、取り出した使用済みの太陽電池セル自体をそのまま再使用すること、または新たな太陽電池セルの原材料として再利用することのできる太陽電池ユニット及びそのような太陽電池ユニットの製造方法を提供することができる。
本発明の太陽電池ユニットの製造方法によれば、希望する収納窪み部の外形枠に沿って切り込みをいれて、切り込みに沿って圧縮するだけで、収納窪み部を形成することが可能となり、極めて簡単かつ正確に収納窪み部を形成することが可能となる。また、本発明の製造方法によって製造された太陽電池ユニットは、樹脂シートが太陽電池セルの平坦性に追随できるような平滑性に優れる微細気泡を有する樹脂シートからなることを特徴とする。また、微細気泡を有する樹脂シートは内部に平均気泡径50μm以下の複数の孔を有することが好ましい。つまり、樹脂シートは、内部に平均気泡径50μm以下の複数の微細気泡を有する樹脂シートからなるので、太陽光を効率良く反射することができる。太陽光を効率良く反射することができて一旦太陽電池セルを透過した太陽光、あるいは、太陽電池ユニットにある複数の隣り合う太陽電池セル間に入射した太陽光を太陽電池ユニットの表面側へ反射することで、光電気変換効率を向上させることができる。
ここで、平均気泡径が50μmを超えると、太陽光が樹脂シートの裏面まで到達して透過し、気泡界面での乱反射の回数が減少するため、拡散反射率が低下する傾向がある。平均気泡径は30μm以下であることがより好ましい。なお、平均気泡径が可視光の波長よりも小さくなると太陽光が透過してしまうので、平均気泡径は少なくとも可視光の波長以上であることが必要である。また、樹脂シートの厚さが400μm未満であると上記した要件を満たしていても、樹脂シート裏面への光の漏洩が多くなるために拡散反射率が低下するので、樹脂シートの厚さは400μm以上であることがより好ましい。
また、樹脂シートの厚さが薄いと耐衝撃性に劣ることから、樹脂シートの厚さは500μm以上であることがより好ましい。このように500μm以上の微細気泡を有する樹脂シートを使用することで耐衝撃性に優れており、製造時や使用時に受ける太陽電池ユニット裏面からの衝撃に対しても強く、通常用いられているEVA樹脂を必要としないばかりでなく、太陽電池セル、EVA樹脂等を保護するバックシートとEVA樹脂の両部材を1つの部材で賄うことができるので効率的であることが特徴である。
さらには、太陽電池セルのモールド樹脂側に予め設けられた分離層により太陽電池セルとモールド樹脂シートが分離されているので、太陽電池ユニットを廃棄するときに、太陽電池セルを樹脂シートから容易に引き剥がし、モールド樹脂シートと太陽電池セルとを分離することができる。
分離された太陽電池セルは、酸処理等が施されることにより、太陽電池セルをそのまま再利用することや、新しい太陽電池セルの原材料として取り出すことができる。即ち、太陽電池セルを太陽電池ユニットから容易に分離できることにより、太陽電池セルの再利用または太陽電池セルの原材料を効率よく取り出して、再利用できるとともに、有用な資源を確保することができる。
この発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なもので置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
図1(a)は、本発明を適用可能な太陽電池ユニット10の一例を模式的に示す斜視図、図1(b)は、太陽電池ユニット10の一部(太陽電池セルが2個隣接している状態)を示す断面図であり、図1(c)は、図1(a)のD−D’線に沿って切断した状態を示す断面斜視図である。図1(a)に示すように、太陽電池ユニット10は通常、複数の太陽電池セル12を備えており、該複数の太陽電池セル12はマトリクス状に配置された状態でシリーズ(直列)に電気接続されており(電気接続部材は図示せず)、モールド樹脂シート14及び樹脂シート11等により挟み込まれて封入されている。
図1(b)に示すような、太陽電池セル12が2個並んだ状態の太陽電池ユニット10の断面図を用いて、本発明の一実施形態にかかる太陽電池ユニット10の構造をより具体的に説明する。
図1(b)に示す例では、太陽電池ユニット10は、樹脂シートとして太陽電池セル12の平坦性に追随できるような平滑性に優れる微細気泡を有する樹脂シート(以降、樹脂発泡シートと称する)11を使用しており、モールド樹脂シートとして熱硬化性樹脂であるEVAシート14を使用している。太陽電池セル12は、樹脂発泡シート11上であって、樹脂発泡シート11とEVAシート14により挟み込まれた状態で接合されている。EVAシート14の上面には、外部環境下で使用しても外部から水等が侵入するのを防ぐために強化ガラス等からなるガラス層15が、更に設けられている。
これらのガラス層15及びEVAシート14は透光性が高く、できるだけ多くの太陽光等の光が太陽電池セル12に届くように構成されている。
ここで、樹脂発泡シート11は、内部に平均気泡径50μm以下の複数の孔を有することを特徴としており、これにより太陽電池セル12の平坦性に追随できるレベルの平滑性が維持できる。
ここで、平均気泡径が50μmを超えると、太陽光が樹脂発泡シート11の裏面まで到達して透過し、気泡界面での乱反射の回数が減少するため、拡散反射率が低下する傾向がある。平均気泡径は30μm以下であることがより好ましい。なお、平均気泡径が可視光の波長よりも小さくなると太陽光が透過してしまうので、平均気泡径は少なくとも可視光の波長以上であることが必要である。また、樹脂発泡シート11の厚さが400μm未満であると上記した要件を満たしていても、樹脂発泡シート11裏面への光の漏洩が多くなるために拡散反射率が低下するため、樹脂発泡シート11の厚さは400μm以上であることがより好ましい。
また、樹脂発泡シート11の厚さが薄いと耐衝撃性に劣ることから、樹脂発泡シート11の厚さは500μm以上であることがより好ましい。このように500μm以上の微細気泡を有する樹脂発泡シート11を使用することで耐衝撃性に優れており、製造時や使用時に受ける太陽電池ユニット10の裏面からの衝撃に対しても強く、通常用いられているEVA樹脂を必要としないばかりでなく、EVA樹脂とバックシートの両部材を1つの部材で賄うことができるので効率的であることが特徴である。
尚、平均気泡径については、ASTM D3576−77に準じて求めた。すなわち、樹脂発泡シート11の断面のSEM写真を撮影し、SEM写真上に水平方向と垂直方向に直線を引き、直線が横切る気泡の弦の長さを測定して、平均する(気泡の弦の平均長さt)。SEM写真の倍率をMとして、下記の関係式(1)に代入して平均気泡径dを求める。
d=t/(0.616×M) ・・・・ (1)
また、本発明では、太陽電池ユニット10、樹脂発泡シート11、太陽電池セル12、EVAシート14及びガラス層15において、光の入射側の面、即ち、図1における上側の面を表面と呼び、図1における下側の面を裏面と呼ぶ。
また、図1においては図示していないが、太陽電池セル12は、各太陽電池セル12が互いに直列に接続されており、複数の太陽電池セル12が接続された一連のストリングスを形成している。
図1(b)を用いて各部の断面構造を説明すると、太陽電池セル12が配置されている位置における太陽電池ユニット10の断面(図1のA−A´断面位置)は、表面よりガラス層15、EVAシート14、太陽電池セル12及び樹脂発泡シート11の順に積層された構造である。また、図1(b)のC−C´断面位置の構造は、表面よりガラス層15、EVAシート14及び樹脂発泡シート11の順に積層された構造であり、樹脂発泡シート11の一部16がマトリクス状に配置されている太陽電池セル12の間で露出した状態となっている。
次に、太陽電池ユニット10の製造手順を簡単に説明する。
図2は、本発明を適用可能な太陽電池ユニット10の製造手順の一例を説明するための図である。図2(a)は、樹脂発泡シート11に太陽電池セル12を配置した積層体21を示す断面図である(太陽電池セルの電極、及びセルを接続する配線は図示していない)。図2(b)は、図2(a)で製造した積層体21とEVAシート14とを重ね合わせて積層体22を形成した状態(押圧して接合する前の状態)を示す断面図である。図2(c)は、図2(b)の積層体22を押圧してEVAシート14と樹脂発泡シート11とを接合した後、さらに強化ガラスからなるガラス層15を積層して、太陽電池ユニットとして完成した状態を示す断面図である(いずれも電極および接続配線は図示せず)。
太陽電池ユニット10の製造は、次の手順に従って行われる。図2(a)に示すように、まず、樹脂発泡シート11の表面上の予め位置決めされた所定の位置に太陽電池セル12を配置する(積層体21の作製)。その際、隣接して配置されている太陽電池セル12の電極を接続線で半田付けして接続することにより、ストリングスを形成する(図示せず)。
次に、図2(b)に示すように、積層体21とEVAシート14とを重ね合わせる(積層体22の作製)。その後、真空加熱することによりEVAが架橋して樹脂発泡シート11とEVAシート14が接合する。
最後に、図2(c)に示すように、積層体22のEVAシート14の表面側に強化ガラス等のガラス層15を積層して、太陽電池ユニット10を作製する。尚、作製された太陽電池ユニット10の裏面は、真空処理により、太陽電池セル12が配置されていない位置(図1のC−C´断面位置)が少し窪んだ凹み部17となり(図1(c)参照)、太陽電池セル12が配置されている位置が少し盛り上がった台状部18となる。
上述したような太陽電池ユニット10を製造することにより、平均気泡径50μm以下の複数の微細気泡からなる樹脂発泡シート11を用いることにあたり、太陽光を効率良く反射することができ、一旦太陽電池セル12を透過した太陽光、あるいは、太陽電池ユニット10にある複数の隣り合う太陽電池セル12間に入射した太陽光を太陽電池ユニット10の表面側へ反射することで、光電気変換効率を向上させることができる。
次に、本発明の他の実施形態である太陽電池ユニット30について説明する。
図3は、本発明の他の実施形態である太陽電池ユニットの一例を示す図であり、図3(a)は、その一部を示す太陽電池ユニット30の部分断面図、図3(b)は、収納窪み部の一例を説明するための樹脂発泡シート31の一部を示す斜視図である。図3に示すように、太陽電池ユニット30は、表面に太陽電池セル32が嵌合される収納窪み部36が形成された太陽電池セル32の平坦性に追随できるような平滑性に優れる微細気泡を有する樹脂シート(以降、樹脂発泡シートと称する)31と、太陽電池セル32と、熱硬化性樹脂であるEVAシート34と、EVAシート34の表面に設けられた強化ガラス35とから少なくとも構成され、収納窪み部36に嵌合した太陽電池セル32が、樹脂発泡シート31とEVAシート34とによって挟み込まれた構造である。
このように、収納窪み部36に太陽電池セル32を嵌合して収納することにより、太陽電池セル32をEVAシート34と樹脂発泡シート31とによって挟み込んだときに、太陽電池セル32の厚み分が収納窪み部36に吸収されるので、樹脂発泡シート31の歪み等による変形が生じない。そのため、より円滑に太陽電池セルを保持できる。また、製造時には太陽電池セル32に対し、太陽電池セル32の平坦性に追随できるような平滑性に優れる樹脂発泡シート31を使用することから、歪み等による負荷がかからないので、太陽電池セル32の破損のリスクを防止することができる。
ここで、樹脂発泡シート31は、内部に平均気泡径50μm以下の複数の孔を有することを特徴としており、これにより太陽電池セル32の平坦性に追随できるレベルの平滑性が維持できる。
ここで、平均気泡径が50μmを超えると、太陽光が樹脂発泡シート31の裏面まで到達して透過し、気泡界面での乱反射の回数が減少するため、拡散反射率が低下する傾向がある。平均気泡径は30μm以下であることがより好ましい。なお、平均気泡径が可視光の波長よりも小さくなると太陽光が透過してしまうので、平均気泡径は少なくとも可視光の波長以上であることが必要である。また、樹脂発泡シート31の厚さが400μm未満であると上記した要件を満たしていても、樹脂発泡シート31裏面への光の漏洩が多くなるために拡散反射率が低下する。
また、樹脂発泡シート31の厚さが薄いと耐衝撃性に劣ることから、樹脂発泡シート31の厚さは500μm以上であることがより好ましい。このように500μm以上の微細気泡を有する樹脂発泡シート31を使用することで耐衝撃性に優れており、製造時や使用時に受ける太陽電池ユニット30の裏面からの衝撃に対しても強く、通常用いられているEVA樹脂を必要としないばかりでなく、EVA樹脂とバックシートの両部材を1つの部材で賄うことができるので効率的であることが特徴である。
次に、太陽電池ユニット30の製造手順を簡単に説明する。
図4は、本発明を適用可能な太陽電池ユニット30の製造手順の一例を説明するための図である。図4(a)は、樹脂発泡シート31に収納窪み部36を形成した状態を示す断面図であり、図4(b)は、樹脂発泡シート31に太陽電池セル32を嵌合して配置した積層体41を示す断面図であり、図4(c)は、図4(b)で製造した積層体41とEVAシート34とを重ね合わせて積層体42を形成した状態(押圧して接合する前の状態)を示す断面図である。図4(d)は、図4(c)の積層体42を押圧してEVAシート34と樹脂発泡シート31とを接合した後、さらに強化ガラスからなるガラス層35を積層して、太陽電池ユニットとして完成した状態を示す断面図である(いずれも電極および接続配線は図示せず)。
太陽電池ユニット30は、次の手順に従って製造される。図4(a)に示すように、まず、樹脂発泡シート31の表面上に、太陽電池セル32が嵌合される収納窪み部36を形成する。例えば、収納窪み部36を形成する予定の樹脂発泡シート31の表面上の領域を囲うようにハーフカット(所定の深さの切り込み)を施し、このハーフカットにより囲まれた部位を圧縮することにより形成する。また、収納窪み部36は太陽電池セル32の厚さと概ね同一の深さで、太陽電池セル32の外寸と概ね同一の外寸の、樹脂発泡シート31の表面上に設けられた窪みである。
次に、図4(b)に示すように、樹脂発泡シート31の表面上の収納窪み部36に太陽電池セル32を嵌合して配置する(積層体41の作製)。また、隣接して配置された太陽電池セル32は、樹脂発泡シート31の電極を接続線で半田付けして接続することにより、ストリングスを形成する(図示せず)。
次に、図4(c)に示すように、積層体41とEVAシート34とを重ね合わせる(積層体42の作製)。その後、真空加熱することによりEVAが架橋して、例えば、図3(a)のC−C´断面であれば、樹脂発泡シート31とEVAシート34が接合する。
最後に、図4(d)に示すように、積層体42のEVAシート34の表面側に強化ガラス35を積層して、太陽電池ユニット30を作製する。尚、作製された太陽電池ユニット30の裏面は、真空処理により、太陽電池セル32が配置されていない位置(図3のC−C´断面位置)が少し窪んだ形状、即ち、太陽電池セル32が配置されている位置(図3のA−A´断面位置)が少し盛り上がった形状(図示せず)となる。
上述したような太陽電池ユニット30を製造することにより、太陽電池ユニット10と同様な効果を得ることができる。更に、太陽電池セル32が嵌合される収納窪み部36を形成した樹脂発泡シート31を使用することにより、太陽電池セル32をEVAシート34と樹脂発泡シート31とによって挟み込んだときに発生する太陽電池セル32の破損を防止することができる。
次に、本発明の他の実施形態である太陽電池ユニット50について説明する。
図5(a)は、本発明を適用可能な太陽電池ユニット50の一例を模式的に示す斜視図、図5(b)は、太陽電池ユニット50の一部(太陽電池セルが2個隣接している状態)を示す断面図であり、図5(c)は、図5(a)のD−D’線に沿って切断した状態を示す断面斜視図である。図5(a)に示すように、太陽電池ユニット50は通常、複数の太陽電池セル52を備えており、該複数の太陽電池セル52はマトリクス状に配置された状態でシリーズ(直列)に電気接続されており(電気接続部材は図示せず)、モールド樹脂シート54及び樹脂シート51等により挟み込まれて封入されている。
図5(b)に示すような、太陽電池セル52が2個並んだ状態の太陽電池ユニット50の断面図を用いて、本発明の一実施形態にかかる太陽電池ユニット50の構造をより具体的に説明する。
図5(b)に示す例では、太陽電池ユニット50は、樹脂シートとして太陽電池セル52の平坦性に追随できるような平滑性に優れる微細気泡を有する樹脂シート(以降、樹脂発泡シートと称する)51を使用しており、モールド樹脂シートとして熱硬化性樹脂であるEVAシート54を使用している。EVAシート54の裏面には、太陽電池セル52とEVAシート54の接触を防ぐため、所定の位置に分離層53(図5(a)では図示していない)が設けられている。太陽電池セル52は、樹脂発泡シート51上であって、分離層53と対向する位置に配置されており、樹脂発泡シート51とEVAシート54により挟み込まれた状態で接合されている。EVAシート54の上面には、外部環境下で使用しても外部から水等が侵入するのを防ぐために強化ガラス等からなるガラス層55が、更に設けられている。
これらのガラス層55、EVAシート54、及び分離層53は透光性が高く、できるだけ多くの太陽光等の光が太陽電池セル52に届くように構成されている。
尚、本発明では、太陽電池ユニット50、樹脂発泡シート51、太陽電池セル52、分離層53、EVAシート54及びガラス層55において、光の入射側の面、即ち、図5における上側の面を表面と呼び、図5における下側の面を裏面と呼ぶ。
上述した分離層53は、予め、樹脂発泡シート51とEVAシート54とによって太陽電池セル52を挟み込んだときに、太陽電池セル52の表面を覆うように、EVAシート54の裏面上の所定の位置及び形状が決められている。分離層53は、UV硬化型の粘着層や熱硬化型の粘着層であっても良い。粘着層53を用いると、樹脂発泡シート51とEVAシート54を重ね合わせる際の位置ずれを防止できるという利点の他、太陽電池セル表面の微細な凹凸に応じて粘着面が変形して、接触界面の隙間が軽減するという効果がある。以下の説明においては、特に限定する場合を除く他、分離層53として、粘着層を使用するものとして説明する。
なお、図5においては図示していないが、太陽電池セル52は、各太陽電池セル52が互いに直列に接続されており、複数の太陽電池セル52が接続された一連のストリングスを形成している。
図5(b)を用いて各部の断面構造を説明すると、太陽電池セル52が配置されている位置における太陽電池ユニット50の断面(図5のA−A´断面位置)は、表面よりガラス層55、EVAシート54、粘着層53、太陽電池セル52及び樹脂発泡シート51の順に積層された構造であり、図5(b)のB−B´断面位置の構造は、表面よりガラス層55、EVAシート54、粘着層53及び樹脂発泡シート51の順に積層されている。また、図5(b)のC−C´断面位置の構造は、表面よりガラス層55、EVAシート54及び樹脂発泡シート51の順に積層された構造であり、樹脂発泡シート51の一部56がマトリクス状に配置されている太陽電池セル52の間で露出した状態となっている。
尚、上述した太陽電池ユニット50の粘着層53として、UV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、またはシリコン系樹脂を使用することが望ましい。また、粘着層53の替わりに、粘着性のないフィルム状のセパレータ層と粘着層との積層体によって太陽電池ユニット50を構成するようにしても良い。
次に、太陽電池ユニット50の製造手順を簡単に説明する。
図6は、本発明を適用可能な太陽電池ユニット50の製造手順の一例を説明するための図である。図6(a)は、樹脂発泡シート51に太陽電池セル52を配置した積層体61を示す断面図であり(太陽電池セルの電極、及びセルを接続する配線は図示していない)、図6(b)は、EVAシート54の裏面に粘着層53を配置した積層体62を示す断面図である。図6(c)は、図6(a)、(b)で製造した積層体61と積層体62を、太陽電池セル52と粘着層53とが重なるように配置して重ね合わせて積層体63を形成した状態(押圧して接合する前の状態)を示す断面図である。図6(d)は、図6(c)の積層体63を押圧してEVAシート54と樹脂発泡シート51とを接合した後、さらに強化ガラスからなるガラス層55を積層して、太陽電池ユニットとして完成した状態を示す断面図である(いずれも電極および接続配線は図示せず)。
太陽電池ユニット50の製造は、次の手順に従って行われる。図6(a)に示すように、まず、樹脂発泡シート51の表面上の予め位置決めされた所定の位置に太陽電池セル52を配置する(積層体61の作製)。その際、隣接して配置されている太陽電池セル52の電極を接続線で半田付けして接続することにより、ストリングスを形成する(図示せず)。
次に、図6(b)に示すように、EVAシート54の裏面上に粘着層53を設ける(積層体62の作製)。ここで、粘着層53を設ける位置及び範囲(形状)は、樹脂発泡シート51とEVAシート54とによって太陽電池セル52を挟み込んだときに、粘着層53が太陽電池セル52の表面全体を覆うように、正確に位置及び形状が決められる。粘着層53の形成は、スクリーン印刷法または転写法等により、粘着層53のパターンを印刷または転写することにより、設けるようにしてもよい。尚、転写とは、予めセパレータフィルムに分離層を形成しておき、モールド樹脂シートの表面にセパレータフィルムを押し当てて、分離層をセパレータフィルムからモールド樹脂シートの表面に写しとることを称する。
次に、図6(c)に示すように、積層体61と積層体62とを、太陽電池セル52の表面と粘着層53の裏面とが整合するように重ね合わせる(積層体63の作製)。太陽電池セル52の表面と粘着層53の裏面とを一致させて押圧して重ね合わせた後、真空加熱することによりEVAが架橋して樹脂発泡シート51とEVAシート54が接合する。尚、粘着層53がUV硬化性樹脂からなるときは、前述した真空加熱してEVAを架橋させる前に、紫外線をEVAシート54の表面側から照射して粘着層53を硬化させるのが好ましい。また、粘着層53が熱硬化性樹脂からなるときは、前述した真空加熱してEVAを架橋させる前に、熱硬化性樹脂の熱硬化温度以上に加熱して粘着層53を硬化させるのが好ましい。
最後に、図6(d)に示すように、積層体63のEVAシート54の表面側に強化ガラス等のガラス層55を積層して、太陽電池ユニット50を作製する。尚、作製された太陽電池ユニット50の裏面は、真空処理により、太陽電池セル52が配置されていない位置(図5のC−C´断面位置)が少し窪んだ凹み部57となり(図5(c)参照)、太陽電池セル52が配置されている位置が少し盛り上がった台状部58となる。
尚、積層体61の作製と積層体62の作製の順番は、どちらが先であっても良い。また、同時に作製しても良い。尚、位置、大きさ、形状は、太陽電池セルの配置、大きさ、形状に応じて定められる。
このように粘着層(又は分離層)53を備えた太陽電池ユニット50では、EVAシート54と太陽電池セル52とは直接接合されることなく、太陽電池セル52は粘着層53でカバーされているだけであるから、太陽電池ユニット50を廃棄するときに、凹み部57を破断して、太陽電池セル52を簡単に取り出すことが可能となる(UV硬化性樹脂を使用した場合には、紫外線が照射されることにより、粘着層53は硬化して接着力がなくなるので、太陽電池セル52は樹脂発泡シート51とEVA樹脂54の間で封入されている状態となっているので、太陽電池セル52を露出するだけで取り出しが可能となる)。
また、分離した太陽電池セル52に酸処理等を施すことにより、そのまま再利用することや、新たな太陽電池セルを作るための原料として利用することが可能となる。即ち、太陽電池セル52を太陽電池ユニット50から容易に分離できるように構成することにより、太陽電池セル52を効率よく再利用できるとともに、有用な資源を確保することができる。
また、微細気泡からなる樹脂発泡シート51を用いることにより、真空加熱工程において、樹脂発泡シート51の裏面上の太陽電池セル52が配置されている部分が盛り上がるように形成され易い。そのため、太陽電池ユニット50の廃棄時に視覚的に太陽電池セル52の設置位置を判別することができる。従って、樹脂発泡シート51の裏面上の窪み部57や台状部58を目印にして、太陽電池ユニット50を切り欠き、または破壊することにより、容易に太陽電池セル52を取り出すことができる。
ここで、樹脂発泡シート51は、内部に平均気泡径50μm以下の複数の孔を有することを特徴としており、これにより太陽電池セル52の平坦性に追随できるレベルの平滑性が維持できる。
ここで、平均気泡径が50μmを超えると、太陽光が樹脂発泡シート51の裏面まで到達して透過し、気泡界面での乱反射の回数が減少するため、拡散反射率が低下する傾向がある。平均気泡径は30μm以下であることがより好ましい。なお、平均気泡径が可視光の波長よりも小さくなると太陽光が透過してしまうので、平均気泡径は少なくとも可視光の波長以上であることが必要である。また、樹脂発泡シート51の厚さが400μm未満であると上記した要件を満たしていても、樹脂発泡シート51裏面への光の漏洩が多くなるために拡散反射率が低下する。
また、樹脂発泡シート51の厚さが薄いと耐衝撃性に劣ることから、樹脂発泡シート51の厚さは500μm以上であることがより好ましい。このように500μm以上の微細気泡を有する樹脂発泡シート51を使用することで耐衝撃性に優れており、製造時や使用時に受ける太陽電池ユニット50の裏面からの衝撃に対しても強く、通常用いられているEVA樹脂を必要としないばかりでなく、EVA樹脂とバックシートの両部材を1つの部材で賄うことができるので効率的であることが特徴である。
次に、本発明の他の実施形態である太陽電池ユニット70について説明する。
図7は、本発明の他の実施形態である太陽電池ユニットの一例を示す図であり、図7(a)は、その一部を示す太陽電池ユニット70の部分断面図、図7(b)は、収納窪み部の一例を説明するための樹脂発泡シート71の一部を示す斜視図である。図7に示すように、太陽電池ユニット70は、表面に太陽電池セル72が嵌合される収納窪み部76が形成された太陽電池セル72の平坦性に追随できるような平滑性に優れる微細気泡を有する樹脂シート(以降、樹脂発泡シートと称する)71と、太陽電池セル72と、裏面の所定の位置に粘着層73を設けた熱硬化性樹脂であるEVAシート74と、EVAシート74の表面に設けられた強化ガラス75とから少なくとも構成され、収納窪み部76に嵌合した太陽電池セル72の表面全体が粘着層73の裏面によって覆われるように、樹脂発泡シート71とEVAシート74とによって太陽電池セル72が挟み込まれた構造である。
このように、収納窪み部76に太陽電池セル72を嵌合して収納することにより、太陽電池セル72をEVAシート74と樹脂発泡シート71とによって挟み込んだときに、太陽電池セル72の厚み分を収納窪み部76に吸収されるので、樹脂発泡シート71の歪み等による変形が生じない。そのため、より円滑に太陽電池セルを保持できる。また、製造時には太陽電池セル72に対し、太陽電池セル72の平坦性に追随できるような平滑性に優れる樹脂発泡シート71を使用することから、歪み等による負荷がかからないので、太陽電池セル72の破損のリスクを防止することができる。
ここで、樹脂発泡シート71は、内部に平均気泡径50μm以下の複数の孔を有することを特徴としており、これにより太陽電池セル72の平坦性に追随できるレベルの平滑性が維持できる。
ここで、平均気泡径が50μmを超えると、太陽光が樹脂発泡シート71の裏面まで到達して透過し、気泡界面での乱反射の回数が減少するため、拡散反射率が低下する傾向がある。平均気泡径は30μm以下であることがより好ましい。なお、平均気泡径が可視光の波長よりも小さくなると太陽光が透過してしまうので、平均気泡径は少なくとも可視光の波長以上であることが必要である。また、樹脂発泡シート71の厚さが400μm未満であると上記した要件を満たしていても、樹脂発泡シート71裏面への光の漏洩が多くなるために拡散反射率が低下する。
また、樹脂発泡シート71の厚さが薄いと耐衝撃性に劣ることから、樹脂発泡シート71の厚さは500μm以上であることがより好ましい。このように500μm以上の微細気泡を有する樹脂発泡シート71を使用することで耐衝撃性に優れており、製造時や使用時に受ける太陽電池ユニット70の裏面からの衝撃に対しても強く、通常用いられているEVA樹脂を必要としないばかりでなく、EVA樹脂とバックシートの両部材を1つの部材で賄うことができるので効率的であることが特徴である。
また、上述した粘着層73を設ける位置は、予め、樹脂発泡シート71とEVAシート74とによって収納窪み部76に嵌合した太陽電池セル72を挟み込んだときに、太陽電池セル72の表面を覆うように、EVAシート74の裏面上で所定の位置及び形状(範囲)が決められる。
次に、太陽電池ユニット70の製造手順を簡単に説明する。
図8は、本発明を適用可能な太陽電池ユニット70の製造手順の一例を説明するための図である。図8(a)は、樹脂発泡シート71に収納窪み部76を形成した状態を示す断面図であり、図8(b)は、樹脂発泡シート71に太陽電池セル72を嵌合して配置した積層体81を示す断面図であり、図8(c)は、EVAシート74の裏面に粘着層73を配置した積層体82を示す断面図である。図8(d)は、図8(b)、(c)で製造した積層体81と積層体82を、太陽電池セル72と粘着層73とが重なるように配置して重ね合わせて積層体83を形成した状態(押圧して接合する前の状態)を示す断面図である。図8(e)は、図8(d)の積層体83を押圧してEVAシート74と樹脂発泡シート71とを接合した後、さらに強化ガラスからなるガラス層75を積層して、太陽電池ユニットとして完成した状態を示す断面図である(いずれも電極および接続配線は図示せず)。
太陽電池ユニット70は、次の手順に従って製造される。図8(a)に示すように、まず、樹脂発泡シート71の表面上に、太陽電池セル72が嵌合される収納窪み部76を形成する。例えば、収納窪み部76を形成する予定の樹脂発泡シート71の表面上の領域を囲うようにハーフカット(所定の深さの切り込み)を施し、このハーフカットにより囲まれた部位を圧縮することにより形成する。また、収納窪み部76は太陽電池セル72の厚さと概ね同一の深さで、太陽電池セル72の外寸と概ね同一の外寸の、樹脂発泡シート71の表面上に設けられた窪みである。
次に、図8(b)に示すように、樹脂発泡シート71の表面上の収納窪み部76に太陽電池セル72を嵌合して配置する(積層体81の作製)。また、隣接して配置された太陽電池セル72は、樹脂発泡シート71の電極を接続線で半田付けして接続することにより、ストリングスを形成する(図示せず)。
次に、図8(c)に示すように、EVAシート74の裏面上の予め位置決めされた所定の位置に所定の形状の粘着層73を設ける(積層体82の作製)。次に、図8(d)に示すように、積層体81と積層体82とを、太陽電池セル72の表面と粘着層73の裏面とが整合するように重ね合わせる(積層体83の作製)。太陽電池セル72の表面と粘着層73の裏面とを一致させて押圧して重ね合わせた後、真空加熱することによりEVAが架橋して、例えば、図7(a)のC−C´断面であれば、樹脂発泡シート71とEVAシート74が接合する。尚、粘着層73がUV硬化性樹脂からなるときは、前述した真空加熱してEVAを架橋させる前に、紫外線をEVAシート74の表面側から照射して粘着層73を硬化させるのが好ましい。また、粘着層73が熱硬化性樹脂からなるときは、前述した真空加熱してEVAを架橋させる前に、熱硬化性樹脂の熱硬化温度以上に加熱して粘着層73を硬化させるのが好ましい。
最後に、図8(e)に示すように、積層体83のEVAシート74の表面側に強化ガラス75を積層して、太陽電池ユニット70を作製する。尚、作製された太陽電池ユニット70の裏面は、真空処理により、太陽電池セル72が配置されていない位置(図7のC−C´断面位置)が少し窪んだ形状、即ち、太陽電池セル72が配置されている位置(図7のA−A´断面位置)が少し盛り上がった形状(図示せず)となる。
上述したような太陽電池ユニット70を製造することにより、太陽電池ユニット50と同様な効果を得ることができる。更に、太陽電池セル72が嵌合される収納窪み部76を形成した樹脂発泡シート71を使用することにより、太陽電池セル72をEVAシート74と樹脂発泡シート71とによって挟み込んだときに発生する太陽電池セル72の破損を防止することができる。
また、平均気泡径50μm以下の複数の微細気泡からなる樹脂発泡シート71を用いることにより、太陽光を効率良く反射することができ、一旦太陽電池セル72を透過した太陽光、あるいは、太陽電池ユニット70にある複数の隣り合う太陽電池セル72間に入射した太陽光を太陽電池ユニット70の表面側へ反射することで、光電気変換効率を向上させることができる。
次に、本発明の太陽電池ユニットの光電気変換効率について測定した実施例について説明する。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(グレード:C−0312、ユニチカ製)からなる0.6mm厚×300mm幅の樹脂シートを圧力容器に入れ、炭酸ガスで6MPaに加圧し、樹脂シートに炭酸ガスを浸透させた。次に、圧力容器から炭酸ガスを浸透させた樹脂シートを取り出し、220℃に設定した熱風循環式発泡炉に発泡時間が1分となるように連続的に供給し、発泡させた。
得られた発泡体シートは均一に発泡しており、発泡体シートの厚さは1.0mmであり、平均気泡径10μmであり、発泡体シートの平均反射率は99.0%と高い値を示した。
この得られた発泡体シートを125mm角に切り出し、中央に100mm角のハーフカットを施した。これに合わせて100mm角、1mm厚のステンレス板を置き、熱プレスにて室温のまま50kgf/cm2で1分間プレスして、発泡体シート上に凹みを形成した。この凹みに100mm角、厚さ0.2mmの太陽電池セルを置き、その上からモールド樹脂シートとして熱硬化性樹脂である厚さ1mmからなるEVAシートで、この発泡体シート全体に渡って覆った。これにより、太陽電池セルが発泡体シートとEVAシートにより挟み込まれた状態で、発泡体シートとEVAシートとが接合した状態を得た。さらにEVAシートの上面に強化ガラス等からなるガラス層を設けた。この積層品を150℃、30分の環境下に置いてEVA樹脂を架橋させて固定化し、太陽電池ユニットを得た。
一般的に、太陽電池ユニットの光電気変換効率は短絡電流(Isc)にて評価するが、ここで得られた太陽電池ユニットの短絡電流(Isc)を測定したところ、4.974(A)であった。
(比較例1)
白色PETシート(東レ製 ルミラー)を125mm角に切り出し、白色PETシートと同じ大きさの熱硬化性樹脂である厚さ1mmからなるEVAシートを積層し、さらに、実施例1と同じになるように、その中央部に100mm角、厚さ0.2mmの太陽電池セルを置き、その上からモールド樹脂シートとして熱硬化性樹脂である厚さ1mmからなるEVAシートで再度、白色PETシート全体に渡って覆った。これにより、太陽電池セルが上下2枚のEVAシートにより挟み込まれた状態で、2枚のEVAシートが接合した状態を得た。さらに白色PETシートとは反対側のEVAシートの上面に強化ガラス等からなるガラス層を設けた。この積層品を150℃、30分の環境下に置いてEVA樹脂を架橋させて固定化し、太陽電池ユニットを得た。
得られた太陽電池ユニットの短絡電流(Isc)を測定したところ、4.822(A)であった。
以上の結果より、実施例1の本発明の太陽電池ユニットは、比較例1の従来の太陽電池ユニットに比較して、光電気変換効率が高いことが判明した。