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JP5234511B2 - 連続鋳造方法及び連続鋳造機 - Google Patents

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Description

本発明は、スラブ、ブルーム、ビレットなどの鋳片を鋳型から連続的に引き抜く連続鋳造方法及び連続鋳造機に関し、特に鋳片の表面の割れを減少させることができる連続鋳造方法及び連続鋳造機に関する。
連続鋳造機には、鋳型から垂直方向に鋳片を引き抜く垂直型のものと、鋳型を垂直方向に引き抜いた後、途中で湾曲させて水平方向に引き抜く湾曲型又は垂直曲げ型のものがある。鋳型を垂直方向に引き抜いたのでは、建屋が高くなってしまうので、鋳型を湾曲させる湾曲型又は垂直曲げ型の連続鋳造機が主流になってきている。
図12は、垂直曲げ型連続鋳造機の模式図を示す。鋳片1は上部矯正帯1aにおいて曲げられ、湾曲帯1bにおいて湾曲した状態を保った後、下部矯正帯1cにおいて平板状に曲げ戻される。上部矯正帯1a及び下部矯正帯1cにおいて、鋳片1には曲げ応力がかかる。この曲げ応力によって、上部矯正帯1aにおいては鋳片1の下面側に引張りの歪2がかかり、下部矯正帯1cにおいては鋳片1の上面側に引張りの歪3がかかる。この鋳片1の上面側又は下面側の引張りの歪2,3が原因で、図13に示されるように鋳片1(スラブ)の上面側又は下面側(主にコーナ部)には、横割れ4が発生することがある。横割れ4は最終的な製品の欠陥につながるので、横割れ4を減らしたり、鋳片1の表面を手入れしたりする加工が必要になる。
現在、薄板/厚板ハイテン材(高張力鋼板)やNb,V添加鋼、B,N添加ブリキなど割れ感受性の高い鋼種では、連続鋳造機での横割れの発生を回避するため、鋳造速度の制限を設けたり、生産する連続鋳造機に規制を設けたりなどの対応を余儀なくされている。こういった鋼種の生産性は一般の鋼種に比べて生産性が低い上に、横割れ対策が工程上、運用上の大きな負荷になっている。
鋳片の横割れを防止する対策として、鋳片の二次冷却を制御する方法が知られている。この二次冷却の制御方法においては、例えば高温引張試験などによって材料の高温での延性を調査し、温度と断面収縮率(Reduction of Area、以下RAという)との関係から高温脆化温度域を求める。そして、上部矯正帯及び下部矯正帯における鋳片の表面の温度が高温脆化温度域に入らないように二次冷却を制御し、高温脆化温度域での矯正を避ける。鋳片の二次冷却を制御する方法の一例として、特許文献1には、鋳型出口の下方で鋳片を強く冷却し、鋳片の表面温度を一旦Ar変態点以下にし、その後、高温脆化温度域よりも高温側に復熱させて鋳片を矯正することにより、鋳片の横割れの発生を防止する連続鋳造方法が提案されている。
鋳片の横割れを防止する技術として、鋳片の二次冷却を制御する方法以外に、鋳片に歪を付与する方法についても数多くの研究がなされている。例えば特許文献2及び特許文献3には、連続鋳造時の鋳片の表層部深さ2mm以上に5%以上の加工歪を付与し、かくして連続鋳造時の鋳片の熱間割れ、さらには直送圧延、ホットチャージ圧延における鋳片の熱間割れを防止する技術が開示されている。鋳片に5%以上の加工歪を付与することにより、炭窒化物の核を生成し、炭窒化物を粗大化することができ、したがって鋳片矯正時に脆化の原因となる炭窒化物のγ粒界析出を防止することができる。
特開平9−253814号公報(特許請求の範囲参照) 特開昭61−49762号公報(3〜4頁参照) 特開昭61−49763号公報(3〜4頁参照)
しかし、二次冷却の制御によって横割れを防止できるのは、一部の鋼種だけである。しかも鋳造速度を下げざるを得ない(高速鋳造であると、二次冷却の不足で鋳片の表面が充分に冷却されない)から、生産性を阻害する場合がある。
鋳片に歪を付与する方法にあっては、効果を発現させるための必要歪量は、これまでの報告事例のなかでは比較的大きい値となっている。例えば特許文献2及び特許文献3には、連続鋳造時の鋳片の熱間割れを防止するためには、5%以上の加工歪を付与する必要があることが記載されている。加工歪を5%以上付与する理由は、5%以上の加工歪でなければ、炭窒化物の核生成が困難であるというものである。
しかし、連続鋳造機内で鋳片に5%以上の大きな歪を与えるのは困難を伴う(例えばダイ圧下プレスなどの大型設備が必要になる)ので、現状では実機に応用できていない。しかも連続鋳造機の下部矯正帯の前で鋳片に5%以上の歪をかけると、その歪によって鋳片が割れるという弊害も出るおそれがある。
さらに、前述した種々の対策を用いても、特にCr,V,B,Ti等を添加した鋼等ではスラブを圧延した後の鋼板表面にスケールや粒状スケールの欠陥が発生することがある。その原因として連続鋳造時の鋳片表面の微小な割れの可能性もあると考えられている。よって横割れの防止法としては不完全であるのが現状である。
そこで本発明は、連続鋳造機内での鋳片の横割れを防止することができる新たな連続鋳造方法及び連続鋳造機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、鋳型から引き抜いた鋳片を下部矯正帯において曲げ戻す連続鋳造方法において、前記下部矯正帯に鋳片が到達するまでの間に当該鋳片に十回以上の歪を付与し、かつ一回当たりに付与する歪量が2%以上5%未満である連続鋳造方法である。
歪を付与することによって連続鋳造時の鋳片の横割れを防止するためには、鋳片に5%以上の歪を付与することが常識であった。裏を返せば、5%未満の歪量では効果がないといわれていた。しかし実験の結果、2%以上5%未満の歪を十回以上付与することで、鋳片の結晶粒が微細化し、延性が向上する効果があることがわかった。連続鋳造機内で鋳片に5%未満の歪を付与することは現実的にも可能である。
横割れの発生によって生ずる鋳片の表面手入れ等の工程を省略することができ、また鋳片の歩留まりも向上するので、省資源、省エネルギ、コストダウン等の工業上有益な効果がもたらされる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の連続鋳造方法の一実施形態を説明する。図1は連続鋳造機の一例であるツーストランドタイプの垂直曲げ型連続鋳造機の概略図を示す。溶鋼はタンディッシュ6を介して鋳型7に注湯される。鋳型7から引き抜かれる鋳片9には、スプレーノズル8から冷却水が吹き付けられる。鋳型7から引き抜かれる鋳片9を垂直方向から水平方向に案内するために、円弧、放物線などの曲線に沿って多数のロール10が配列される。多数のロール10の下流側には、引抜き装置が連続して設けられる。引抜き装置の下流側には、固化した鋳片を切断するガストーチ、油圧切断などの切断装置11が設けられる。切断装置11によって切断された鋳片9は、連続鋳造機から排出され、圧延装置に搬送される。図中12は電磁撹拌装置である。
本実施形態では、薄板/厚板ハイテン材や、Nb,V添加鋼、B,N添加ブリキなど割れ感受性の高い鋼種の連続鋳造機内の割れ防止対策として、図2に示されるように、下部矯正帯9c前の湾曲帯9bの鋳片9に予備的に歪みを付与する歪付与手段14を設けている。連続鋳造機内において、鋳片9に一度に大きな歪を付与するのには限界がある。しかしながら、連続鋳造機内で鋳片9(スラブ)は、複数のロール10によってサポートされている。この複数のロール10を用いて鋳片9の表層に小さな歪を複数回与える。歪付与手段14は湾曲帯9bにおいて歪を鋳片に付与する。この位置で歪を付与することで、結晶粒を微細化し、延性の向上を発現させる。
歪の付与回数は十回以上であり、かつ一回当りの歪量は2%以上5%未満である。歪量が2%未満だと十回以上の歪を与えてもRAが向上し難い。歪量が5%以上になると、歪の付与回数が一回であっても歪そのものによってクラックが発生する。付与回数が十回未満だと、RAが40%を超えることができず、割れが生ずる。付与回数を二十回以上とすることで、Cr,V,B,Ti等を添加した割れ感受性の高い鋼種においても延性回復効果を享受できる。
図3は、歪付与手段14の具体例を示す。この例は、ロール圧下方式の歪付与手段である。連続鋳造機内には鋳片9の搬送方向に複数の、例えば三つの圧延ロール10a〜10cが設けられる。複数の圧延ロール10a〜10cで鋳片9を複数回圧延することによって、鋳片9に複数回の、例えば三回の歪を与えることができる。鋳片9の両側面に設けられる一対の圧延ロール10a〜10cが一回分の歪を付与する。一回の歪量は5%未満である。歪を付与するとき、圧延ロール10a〜10cにはロール反力がかかるので、圧延ロール10a〜10cの背面側にはバックアップロール16が設けられる。
図4は、歪付与手段の他の例を示す。この例においては、鋳片を曲げられるように鋳片9のパスラインをずらして複数のパスライン変更ロール10d〜10fを配列する。湾曲帯9bにおいて湾曲した状態の鋳片9をさらに曲げたり、曲げ戻したりすることによって、鋳片9に複数回の歪を与える。鋳片9を曲げる度に、鋳片9の両側面のうちの一方の表面には引張りの歪が付与され、他方の表面には圧縮の歪が付与される。鋳片9に付与される最大の圧縮又は引張りの歪は5%未満に設定される。図4では、歪の付与方法がわかりやすいように、スラブを直線的に示しているが、湾曲帯でも同様の形態で歪を付与する。
本実施形態のように2%以上の歪を複数回与えるためには、図4に示すような歪付与方法が望ましい。これは図3の方法で歪を与え続けると、鋳片の厚みが順次減少してスラブ幅が増加しやすいからである。スラブ幅の増加、鋳片厚みの大幅な減少は鋳片の払出し、切断などに支障をきたす恐れがあるが、それが改善される。また、歪を付与するために少ない圧下で可能でありセグメントの負荷を少なくすることができる。
歪付与手段14によって鋳片9に予備的に与えられる歪(以下予歪という)の歪速度は、連続鋳造機の矯正曲げの歪速度よりも大きく設定される。これにより、予歪によって割れが発生するのを防止する。歪速度については後述する。
本発明の連続鋳造方法は、低温での大入熱HAZ靭性に優れた溶接構造用鋼を連続鋳造するのに適する。この溶接構造用鋼の成分は質量%で、C:0.04〜0.12%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、P:0.03%以下、S:0.001〜0.01%、sol.Al:0.04〜0.08%、Ti:0.005〜0.03%、B:0.0005〜0.003%、N:0.004〜0.007%、O:0.001〜0.005%を含有する。
ここで、
(1)Cは、強度を確保するために必要で、その効果を得るため、0.04%以上添加する。一方、0.12%を超えて添加すると高炭素島状マルテンサイトが生成し、HAZ靭性および溶接性が低下するため、0.04〜0.12%(0.04%以上、0.12%以下)とする。なお、0.04%未満の場合、強度を確保するため、焼入れ性向上元素を多量に添加しなければならず、生産原価が上昇し、靭性、溶接性が劣化する。
(2)Siは、強度の確保と、製鋼過程における脱酸剤として必要で、その効果を得るため、0.01%以上添加する。一方、0.5%を超えて添加すると高炭素島状マルテンサイトが生成しやすくなり、HAZ靭性が劣化するため、0.01〜0.5%とする。
(3)Mnは、強度を確保するため、0.5%以上添加する。一方、2%を超えると焼入れ性が増大し、溶接性、HAZ靭性を劣化させるため、0.5〜2%とする。
(4)Pは、0.03%を超えると溶接部の靭性を劣化させる。
(5)Sは、HAZ部でのフェライトの核生成サイトとなるMnSを生成するため必要で、0.001%以上とする。一方、0.01%を超えると、母材および溶接部の靭性が低下するため、0.001〜0.01%とする。
(6)Tiは、HAZ部でのオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制し、フェライトの核生成サイトとなるTiNを生成するため必要で、0.005%以上添加する。一方、0.03%を超えて添加すると、母材及びHAZ靭性に有害な粗大なTiCが析出し、鋼板の表面疵も多発するため、0.005〜0.03%とする。
(7)Bは、フェライトの核生成サイトとなるBNを生成させるため、0.0005%以上添加する。一方、0.003%を超えて添加するとHAZ靭性が低下するため、0.0005〜0.003%とする。
(8)sol.Alは、脱酸およびHAZ靭性に有害な固溶Nを低減させ、Al23を生成させるため0.04%以上とする。一方、0.08%を超えると、粗大なAl系介在物が生じるようになり、靭性が低下するため、0.04〜0.08%とする。
(9)Nは、HAZにおいてオーステナイト結晶粒の粗大化を抑制し、また、フェライトの核生成サイトとなるBN,TiNを生成させるため0.004%以上とする。一方、0.007%を超えると固溶N量がAl窒化物の形成によっても過剰となり、靭性が低下するため、0.004〜0.007%とする。
(10)鋼中O量は、BN,TiNの析出サイトとなるAl23析出物を十分確保し、また、過剰な添加による粗大介在物の生成を防止するため、0.001〜0.005%とする。
(11)上記成分の残部は、不可避不純物及びFeである。なお、不可避不純物とは、大入熱HAZ靭性が優れる範囲で、他の微量元素を含有してもよいことを意味する。
(12)更に大入熱HAZ靭性の特性を向上させるため、Cu,Ni,Cr,Mo,V,Nbの一種又は二種以上を添加することができる。これらの元素を添加する場合、Cu≦0.5%、Ni≦1.0%、Cr≦0.5%、Mo≦0.5%、V≦0.1%、Nb≦0.03%とする。
以下に、鋼の脆化のメカニズムに関して、1.脆化挙動と歪速度との関係、2.脆化の予測式による検討の項目に分けて説明する。
1.脆化挙動と歪速度との関係
図5は、各温度域の鋼の脆化挙動を示すグラフである((出典)鈴木ら,鉄と鋼,65,2038(1979))。
1200℃〜固相線での脆化はI領域の脆化と呼ばれ、原因としてはデンドライト樹間の残溶鋼による液膜脆化、粒界溶融による液膜脆化と言われており、延性は歪速度に依存しない。
900℃〜1200℃での脆化はII領域の脆化と呼ばれ、原因としては酸化物、硫化物、燐化物などの粒界析出と言われており、歪速度が大きいほど脆化する。
600℃〜900℃での脆化はIII領域の脆化と呼ばれ、原因としては酸化物、硫化物
、炭・窒化物などの粒界析出、オーステナイト粒界に沿って生成する初析フェライトと言われており、歪速度が小さいほど脆化する。
表1に各温度域の鋼の脆化挙動の特徴を示す。
Figure 0005234511
図5のメカニズムに従い、連続鋳造機内の矯正割れを分類した結果を表2に示す。連続鋳造機内での矯正割れは、鋳片(スラブ)の表面温度が概ね700℃〜900℃で発生している。この温度域は脆化のIII領域であり、歪速度が小さいほど脆化する領域である。連続鋳造機内の矯正歪の歪速度は約10-4〜10-3と小さいためにより割れを助長し易いといえる。
Figure 0005234511
2.脆化の予測式による検討
ここではMintzらの研究を参照して、RAに及ぼす歪速度の影響、結晶粒径の影響につ
いて考察する。Mintzらは数種の鋼の延性を調査し、また他の研究者のデータも参照した
結果、下記に示すRAの推定式を導出している。
Figure 0005234511
((出典)B.Mintz,etc,International Materials Reviews,36,187(1991))
なお、(1)式が適応できる範囲は、結晶粒径dが500μm以下、歪速度ε′が10-4以上10-1以下、成分が1.0%<Mn<1.4%、0.005%<Sであり、この範囲内では±12%の誤差で予測できるとしている(信頼区間95%)。予測可能温度は700℃から1000℃としており、表1におけるIII領域の脆化に対応することになる。
この予測式から計算したMinimum RA(%)と歪速度の関係を図6に示す。ここでは便宜的にs=1000nmとして算出を行った。図6の太線で示すRA40%以下の領域は割れ危険領域である。歪速度が大きくなるとRAが増加しており、歪速度が大きい変形に対しては割れにくくなるといえる。この温度域で鋳片に予歪加工を与える際には、歪速度を大きくすることで、RAが低い状態での加工を避けることができる。例えば結晶粒径を500μmとすると連続鋳造機内の矯正曲げに相当する歪速度10-3/sではMinimum RAが約17%であるが、歪速度を10-1/sまで大きくするとMinimum RAは約57%まで上昇する。
上記検討より、700℃〜900℃程度の鋳片表面温度域で予歪加工を行う場合には、歪速度を大きくすることで、予歪加工そのものによって割れが発生することを回避できることがわかる。連続鋳造機内の矯正曲げに相当する歪速度が約10-3/sであるので、湾曲帯において予歪加工を行う場合の歪速度は、10-3/s〜1/sに設定される。歪速度が1/sを越えると、式の予測範囲を超えて割れが発生するおそれがあるからである。さらにこの予歪加工で鋳片表層の結晶粒径を500μmから100μmまで微細化できたとすると、微細化効果によりRAは50%まで向上するため、10-3/sの歪速度である連続鋳造機内の矯正歪に対しても、割れに関してある程度の耐性を持つことができる。
図7は、予測式から計算したMinimum RA(%)と結晶粒径の関係を示す。図6と同様に結晶粒径が小さくなると、すなわち結晶粒径が微細化すると、Minimum RA(%)が向上することがわかる。例えば歪速度を連続鋳造機内の矯正曲げに相当する歪速度10-3/sとすると、結晶粒径が500μmの場合にはMinimum RAが約17%であるが、結晶粒径を100μmまで微細化できるとMinimum RAは約50%まで上昇することがわかる。これにより、結晶粒を微細化することによる延性回復の効果を概ね算出することができる。
予歪の付与による脆化の回復効果を確かめる実験を行った。実験は、加工フォーマスタを用いる。サンプルに予歪加工を加えてから引張試験を行い、断面収縮率RAを測定する。図8及び図9は、繰返し歪付与実験温度の履歴を示す。サンプルには、予歪加工として引張予歪と圧縮予歪とが交互に繰り返し付与される。各引張予歪及び各圧縮予歪は、900℃で60秒間与えられる。歪速度は0.01/sである。破断のときの歪速度は連続鋳造機の下部矯正帯の歪速度を想定して2×10-3/sとする。表3はサンプル成分(質量%)を示す。一回当たりの歪量、付与回数を変更して実験を行った。
Figure 0005234511
図10はRAの測定結果を示す。予歪加工を全く行わなかった比較例のRAは21%と低く、通常の操業では横割れの発生が懸念される。
一回当りの歪の付与量を2%,1%,0.5%と変更して、付与回数を十回,二十回として実験を行ったところ、一回当りの歪の付与量が1%,0.5%の場合には、予歪を与えてもRAが向上し難いことがわかった。特に付与回数が十回の場合にはRAがそれぞれ23%,22%とほとんど向上しておらず、付与回数が二十回の場合でもRAがそれぞれ32%,29%と、大幅なRAの向上、延性回復効果は認められなかった。一回当りの歪の付与量を2%とした場合、付与回数が十回の場合で42%、付与回数が二十回の場合で51%であった。
一回当りの歪の付与量2%、付与回数を二十回以上とすることで、Cr,V,B,Ti等を添加した割れ感受性の高い鋼種においても延性回復効果を享受できることがわかった。また、予歪加工の歪速度は10-2と小さいものの、ここでは予歪加工することによるクラック、微小割れの発生等は生じなかった。
歪付与回数が三十回を超えるとRAの向上、回復は期待できるものの図3,図4に示したような連続鋳造機内での付与を考えると、ロール、セグメントに与える負荷が大きく、ロール破損、セグメント故障の原因となり得るため好ましくない。このため、最適な歪付与回数は二十回以上三十回以下である。
一回当りの歪の付与量を6%とした場合、予歪回数が一回の条件であっても予歪そのものによって試験片にクラックが発生した。この試験片を破断させてRAを測定したところ5%であった。そのため、本発明では一回当りの歪の付与量を5.0%未満としている。
なお、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で様々に変更できる。例えば、上記実施形態では、本発明を垂直曲げ型連続鋳造機に適用した例を説明したが、本発明は、図11に示される湾曲型連続鋳造機にも適用できる。垂直曲げ型連続鋳造機では垂直に鋳片を送るために平板鋳型であるが、湾曲型連続鋳造機の場合、円弧状に鋳片を送るために湾曲鋳型21になっている。鋳型内面が湾曲しているため、湾曲した鋳片が送り出され、下部矯正帯22で曲げ戻し矯正を行い鋳片とする。垂直曲げ型連続鋳造機とは上部矯正帯での曲げ工程がない点で相違する。
垂直曲げ型連続鋳造機の概略図 本発明の一実施形態の連続鋳造機の歪付与手段を示す概念図 ロール圧下方式の歪付与手段を示す概念図 パスライン変更方式の歪付与手段を示す概念図 各温度域の鋼の脆化挙動を示すグラフ RAに及ぼす歪速度の影響を示すグラフ RAに及ぼす結晶粒径の影響を示すグラフ 繰返し歪付与実験温度の履歴を示す図(歪付与回数二十回) 繰返し歪付与実験温度の履歴を示す図(歪付与回数十回) RAの測定結果を示すグラフ 湾曲型連続鋳造機の模式図 垂直曲げ型連続鋳造機の模式図 鋳片のコーナ部に発生する割れを示す斜視図
符号の説明
9…鋳片
9b…湾曲帯
9c…下部矯正帯
14…歪付与手段

Claims (6)

  1. 鋳型から引き抜いた鋳片を下部矯正帯において曲げ戻す連続鋳造方法において、
    前記下部矯正帯に鋳片が到達するまでの間に当該鋳片に十回以上の歪を付与し、かつ一回当たりに付与する歪量が2%以上5%未満である連続鋳造方法。
  2. 前記鋳片に二十回以上の歪を付与することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。
  3. 前記鋳片の成分が質量%で、C:0.04〜0.12%、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.5〜2%、P:0.03%以下、S:0.001〜0.01%、sol.Al:0.04〜0.08%、Ti:0.005〜0.03%、B:0.0005〜0.003%、N:0.004〜0.007%、O:0.001〜0.005%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造方法。
  4. 前記鋳片の成分が質量%でさらに、Cu≦0.5%、Ni≦1.0%、Cr≦0.5%、Mo≦0.5%、V≦0.1%、Nb≦0.03%からなる群から選択される一種または二種以上を含有し、残部が不可避不純物及びFeからなることを特徴とする請求項3に記載の連続鋳造方法。
  5. 前記鋳片の表面に圧縮歪及び引張歪を交互に付与することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の連続鋳造方法。
  6. 鋳型から引き抜いた鋳片を下部矯正帯において曲げ戻す連続鋳造機において、
    前記下部矯正帯に鋳片が到達するまでの間に当該鋳片に十回以上の歪を付与し、かつ一回当たりに付与する歪量が2%以上5%未満である連続鋳造機。
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