(1)発明に至るまでの経緯
本発明の実施の形態について説明する前に、本発明に至るまでの経緯について説明する。
強誘電体キャパシタに使用されるキャパシタ誘電体膜としては、スパッタ法やMOCVD法により形成されたPZT膜が使用される。なかでも、MOCVD法で形成されたPZT膜は、成膜の時点で既に結晶化しており、膜厚を薄くしてもスイッチング電荷量Qswが低下し難いので、他の成膜方法で得られた膜と比較して高集積化に有利である。
そのMOCVD法では、反応容器内にシリコン基板を入れ、シリコン基板を所定の基板温度まで昇温する。昇温時における反応容器内の雰囲気としては様々なものが考えられる。
しかし、その雰囲気としてアルゴン雰囲気を採用すると、成膜されたPZTの結晶性が非常に悪いことが明らかとなった。例えば、PZT結晶において最も分極が大きいのは(111)方向であるが、PZT膜の成膜前にアルゴン雰囲気中で昇温して成膜したPZTは、(100)方向や(101)方向に配向してしまった。これでは、PZTのスイッチング電荷量が小さくなり、強誘電体キャパシタへの情報の書き込みや読み出しが困難となる。
このような不都合を回避すべく、本願発明者は、PZTの成膜前に酸素雰囲気中でシリコン基板を昇温することに想到した。
但し、このように酸素雰囲気中で昇温する場合に下部電極としてイリジウム膜を用いると、以下のような二つの問題が起きる。
最初の問題は、PZT膜の配向の向きが、PZT膜を配向する度に変動してしまうという問題である。
図1は、シリコンウエハの番号と、PZT膜の(111)配向の積分強度との関係を調査して得られたグラフである。なお、シリコンウエハの番号は、PZT膜を形成した順(処理順)に並べてある。
図1に示されるように、(111)配向の積分強度は、ウエハ毎に大きく変動してしまっている。
また、図2は、シリコンウエハの番号と、PZT膜の(222)配向率との関係を調査して得られたグラフである。ここで、(222)配向率は、(nx、ny、nz)方向の積分強度をI(nx、ny、nz)と書く場合、I(2、2、2)/(I(1、0、0)+I(1、0、1)+I(2、2、2))で定義される。
図2に示されるように、(222)配向率もウエハ毎に変動してしまっている。
図1及び図2のように、PZT膜の配向がウエハによって変動したのでは、均一な特性を持った強誘電体キャパシタを量産することができない。
また、酸素雰囲気中で昇温する場合の二つ目の問題は、PZT膜の表面に大きな凹凸が発生することである。
図3は、そのPZT膜のSEM像を基にして描いた図である。
この例では、シリコン基板100の上にイリジウム膜101を形成し、このイリジウム膜101の上にMOCVD法によりPZT膜102を形成した。
図示のように、このPZT膜102の表面には大きな凹凸が発生している。これは、PZT膜102を成膜する前に酸素雰囲気中でシリコン基板100を昇温したため、イリジウム膜101の表面に薄い酸化イリジウム層が形成されたことが原因の一つと考えられる。その酸化イリジウム層は、PZT膜102の成膜の際に供給されるTHF(Tetra Hydro Furan)や酢酸ブチル等の溶媒に触れることで還元されて元のイリジウムに戻るが、酸化イリジウム層の中には異常酸化した酸化イリジウムも含まれており、この酸化イリジウムは上記の溶媒によって還元されず酸化イリジウムのまま残る。その結果、イリジウム膜101の表面は酸化イリジウムよりなる異相が存在した状態となり、それによりPZT膜102の表面が荒れる。
図1及び図2に示したPZT膜の配向の変動もこのような酸化イリジウム膜の異常酸化が一因となって引き起こされると考えられる。
このような不都合を回避すべく、本願発明者は更に検討を進めた。
その結果、まず、スパッタ法又はゾル・ゲル法でイリジウム膜上にPZT膜の薄い初期層を形成し、この初期層の上にMOCVD法でPZT膜を形成することで、PZT膜の表面荒れが問題を解決し得ることを見出した。
ここで、スパッタ法又はゾル・ゲル法で成膜されたPZT膜の初期層は、成膜の直後では結晶化しておらずアモルファス状態である。従って、MOCVDによりPZT膜を形成する前に、初期層に対して結晶化アニールを行い、初期層を結晶化する必要がある。
ところが、このようにスパッタ法又はゾル・ゲル法でイリジウム膜上に成膜された初期層は、MOCVD法で形成されたPZT膜と比較して、その結晶性が非常に悪いことが明らかとなった。これは、イリジウムとPZTとの格子定数が異なるため、結晶化アニールをしてもPZT初期層が良好に結晶化しないのが一つの要因と考えられる。
PZT初期層の結晶性を改善するには、イリジウム膜に代えて、イリジウムよりも格子定数がPZTに近いプラチナにより下部電極を構成し、その上にPZT初期層を形成することが有効である。
図4は、プラチナ膜上にPZT初期層を形成し、更にその上にMOCVD法でPZT膜を形成して得られたSEM像を基に描いた図である。
この例では、シリコン基板100上に、シリコン基板100の上にプラチナ膜105を形成している。そして、図では薄くて見えないが、プラチナ膜105上にスパッタ法でPZT初期層を30nm程度の厚さに形成し、その上にMOCVD法でPZT膜106を100nm程度の厚さに形成している。
図4に示されるように、PZT初期層でプラチナ膜105を覆うと、PZT膜106の表面モフォロジーは滑らかとなる。
これは、MOCVD法でPZT膜106を形成する前に酸素雰囲気中でシリコン基板100を昇温しても、プラチナ膜105の表面がPZT初期層で覆われているため酸化し難くなり、該表面にプラチナ以外の異相が発生しないためである。
しかも、PZT初期層とプラチナ膜106のそれぞれの格子定数が近いので、格子不整合に伴うPZT膜106の結晶性の劣化も防止される。
また、MOCVD法では、基板を620℃程度の高温に加熱するため、プラチナ膜105の上にPZT膜106を直接形成したのでは、成膜時の温度によりPZT膜106中の鉛原子とプラチナ膜105とが反応し、PZT膜106のスイッチング電荷量が低下するという別の問題もある。
一方、スパッタ法では、MOCVD法よりも低温、例えば室温でPZT膜を形成し得るので、上記のようにスパッタ法によりPZT初期層を形成しても鉛とプラチナ膜105との反応が抑えられる。しかも、MOCVDによりPZT膜106を成膜する際に、PZT初期層が鉛のバリア層として機能するので、PZT膜106中の鉛とプラチナ膜105との反応も抑えられる。
ところで、FeRAMは、その構造からスタック型とプレーナ型とに大別される。
このうち、スタック型のFeRAMは、導電性プラグの上に下部電極が直接形成された構造を有し、下部電極、キャパシタ誘電体膜、及び上部電極を一括エッチングによるパターニングで形成するため、キャパシタの占有面積が小さく高集積化に有利である。
但し、スタック型のFeRAMでは、キャパシタ直下の導電性プラグの酸化を防止するために、導電性プラグと下部電極との間に、窒化チタンアルミニウム膜のような導電性酸素バリア膜を形成する必要がある。
図5は、図4の構造に更に窒化チタンアルミニウムよりなる導電性酸素バリア膜107を形成してなるサンプルのSEM像を基にして描いた図である。
図5に示されるように、このサンプルでは、プラチナ膜105が導電性酸素バリア膜107から剥離してしまっている。これは、プラチナ膜105が鉛原子を通し易いため、PZT初期層に対する結晶化アニールの際、PZT初期層中の鉛原子がプラチナ膜105を透過し、プラチナ膜105と導電性酸素バリア膜107の界面に鉛の化合物が生成されることが一つの原因であると考えられる。
なお、鉛原子の熱拡散が発生するアニールとしては、上記の結晶化アニールの他に、上部電極に対するアニール等もある。また、この例ではプラチナ膜105の膜剥がれが発生しているが、プラチナ膜105の膜膨らみが観測されることもある。
本願発明者は、プラチナ膜のように鉛原子を通し易い膜を下部電極として用い、且つ下部電極の上にPZT初期層を形成する場合に、導電性バリア膜と下部電極との膜剥がれを防止すべく、以下に説明するような本発明の実施の形態に想到した。
(2)第1実施形態
図6〜図17は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。
この半導体装置は、微細化に有利なスタック型のFeRAMであり、以下のようにして作成される。
最初に、図6(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、n型又はp型のシリコン(半導体)基板1表面に、トランジスタの活性領域を画定するSTI(Shallow Trench Isolation)用の溝を形成し、その中に酸化シリコン等の絶縁膜を埋め込んで素子分離絶縁膜2とする。なお、素子分離構造はSTIに限られず、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法で素子分離絶縁膜2を形成してもよい。
次いで、シリコン基板1の活性領域にp型不純物を導入してpウェル3を形成した後、その活性領域の表面を熱酸化することにより、ゲート絶縁膜4となる熱酸化膜を形成する。
続いて、シリコン基板1の上側全面に非晶質又は多結晶のシリコン膜を形成し、これらの膜をフォトリソグラフィによりパターニングして二つのゲート電極5を形成する。
pウェル3上には、上記の2つのゲート電極5が間隔をおいて平行に配置され、それらのゲート電極5はワード線の一部を構成する。
次いで、ゲート電極5をマスクにするイオン注入により、ゲート電極5の横のシリコン基板1にn型不純物を導入し、第1、第2ソース/ドレインエクステンション6a、6bを形成する。
その後に、シリコン基板1の上側全面に絶縁膜を形成し、その絶縁膜をエッチバックしてゲート電極5の横に絶縁性サイドウォール7を形成する。その絶縁膜として、例えばCVD法により酸化シリコン膜を形成する。
続いて、絶縁性サイドウォール7とゲート電極5をマスクにしながら、シリコン基板1にn型不純物を再びイオン注入することにより、二つのゲート電極5の側方のシリコン基板1の表層に、互いに間隔がおかれた第1、第2ソース/ドレイン領域(第1、第2不純物拡散領域)8a、8bを形成する。
ここまでの工程により、シリコン基板1の活性領域には、ゲート絶縁膜4、ゲート電極5、及び第1、第2ソース/ドレイン領域8a、8bによって構成される第1、第2MOSトランジスタTR1、TR2が形成されたことになる。
次に、シリコン基板1の上側全面に、スパッタ法によりコバルト層等の高融点金属層を形成した後、この高融点金属層を加熱してシリコンと反応させ、シリコン基板1上に高融点金属シリサイド層9を形成する。その高融点金属シリサイド層9はゲート電極5の表層部分にも形成され、それによりゲート電極5が低抵抗化されることになる。
その後、素子分離絶縁膜2の上等で未反応となっている高融点金属層をウエットエッチングして除去する。
続いて、プラズマCVD法により、シリコン基板1の上側全面に窒化シリコン(SiN)膜を厚さ約80nmに形成し、それをカバー絶縁膜10とする。次いで、このカバー絶縁膜10の上に、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により第1層間絶縁膜11として酸化シリコン膜を厚さ約1000nmに形成する。
次いで、第1層間絶縁膜11の上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により研磨して平坦化する。このCMPの結果、第1層間絶縁膜11の厚さは、シリコン基板1の平坦面上で約700nmとなる。
そして、フォトリソグラフィによりカバー絶縁膜10と第1層間絶縁膜11とをパターニングして第1、第2ソース/ドレイン領域8a、8bの上に直径が0.25μmのコンタクトホールを形成する。更に、このコンタクトホール内にグルー膜(密着膜)とタングステン膜とを順に形成した後、第1層間絶縁膜11上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法により研磨して除去し、これらの膜をコンタクトホール内にのみ第1、第2導電性プラグ32a、32bとして残す。
これらの第1、第2導電性プラグ32a、32bは、それぞれ第1、第2ソース/ドレイン領域8a、8bと電気的に接続される。
なお、上記のグルー膜は、厚さ約30nmのチタン膜と厚さ約20nmの窒化チタン膜とをこの順に形成してなる。また、CMP前のタングステン膜は、第1層間絶縁膜11上で約300nmの厚さを有する。
ここで、第1、第2導電性プラグ32a、32bは、酸化され易いタングステンを主にして構成され、プロセス中で酸化されるとコンタクト不良を起こす恐れがある。
そこで、各導電性プラグ32a、32bの酸化を防ぐ酸化防止絶縁膜14として、これらのプラグ32a、32bと第1層間絶縁膜11の上にプラズマCVD法により酸窒化シリコン(SiON)膜を厚さ約130nmに形成する。
なお、酸窒化シリコン膜に代えて、窒化シリコン(SiN)膜やアルミナ膜を酸化防止絶縁膜14として形成してもよい。
その後に、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、酸化防止絶縁膜14の上に酸化シリコン膜を厚さ約300nmに形成し、この酸化シリコン膜を下地絶縁膜15とする。
次に、図6(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、下地絶縁膜15と酸化防止絶縁膜14とをパターニングすることにより、第1導電性プラグ32aの上方のこれらの絶縁膜に第1ホール15aを形成する。
次いで、この第1ホール15a内と下地絶縁膜15の上にスパッタ法によりグルー膜35として窒化チタン膜を形成する。
更に、CVD法を用いて、このグルー膜35の上にプラグ用導電膜36としてタングステン膜を形成し、このプラグ用導電膜36で第1ホール15aを完全に埋め込む。
続いて、図16(c)に示すように、下地絶縁膜15の上の余分なグルー膜35とプラグ用導電膜36とをCMP法により研磨して除去する。これにより、グルー膜35とプラグ用導電膜36は、第1導電性プラグ32aと電気的に接続された第3導電性プラグ36aとして第1ホール15a内に残される。
このCMPでは、研磨対象であるグルー膜35とプラグ用導電膜36の研磨速度が下地の下地絶縁膜15よりも速くなるようなスラリ、例えばCabot Microelectronics Corporation製のW2000を使用する。そして、下地絶縁膜15上に研磨残を残さないために、このCMPの研磨量は各膜35、36の合計膜厚よりも厚く設定され、このCMPはオーバー研磨となる。
次に、図7(a)に示すように、酸化シリコンよりなる下地絶縁膜15を窒素含有プラズマ、例えばアンモニア(NH3)プラズマに曝し、下地絶縁膜15の表面の酸素原子にNH基を結合させる。
このアンモニアプラズマ処理では、例えば、シリコン基板1に対して約9mm(350mils)だけ離れた位置に対向電極を有する平行平板型のプラズマ処理装置が使用される。そして、266Pa(2Torr)の圧力下において基板温度を400℃に保持しながら、チャンバ内にアンモニアガスを350sccmの流量で供給し、シリコン基板1側に13.56MHzの高周波電力を100Wのパワーで、また上記の対向電極に350kHzの高周波電力を55Wのパワーで60秒間供給することにより処理が行われる。
続いて、図7(b)に示すように、下地絶縁膜15と第3導電性プラグ36aのそれぞれの上にチタン膜を厚さ約20nmに形成し、このチタン膜を導電性密着膜16とする。
この導電性密着膜16の成膜条件は特に限定されないが、本実施形態では、シリコン基板1とチタンターゲットとの距離が60mmに設定されたスパッタチャンバを用いて、0.15Paのアルゴン雰囲気中で基板温度を20℃にする。そして、2.6kWのDC電力をチャンバに5秒間供給することにより、チタンよりなる導電性密着膜16を形成する。
ここで、アンモニアプラズマ処理(図7(a)参照)を予め行い、下地絶縁膜15の表面の酸素原子にNH基を結合させておいたので、下地絶縁膜15上に堆積したチタン原子は下地絶縁膜15表面の酸素原子に捕獲され難くい。そのため、チタン原子が下地絶縁膜15の表面を自在に移動できるようになり、(002)方向に強く自己組織化したチタンよりなる導電性密着膜16を形成することが可能となる。
その後に、導電性密着膜16に対し、窒素雰囲気中において基板温度を650℃、処理時間を60秒とするRTA(Rapid Thermal Anneal)を行う。これにより、チタンよりなる導電性密着膜16が窒化され、(111)方向に配向した窒化チタンで導電性密着膜16が構成されることになる。
なお、導電性密着膜16の材料は窒化チタンに限定されない。導電性密着膜16は、チタン、窒化チタン、プラチナ、イリジウム、レニウム、ルテニウム、パラジウム、ロジウム及びオスミウムのいずれか、又はこれらの合金で構成され得る。また、酸化プラチナ、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、及び酸化パラジウムのいずれかで導電性密着膜16を構成してもよい。
次に、図8(a)に示すように、この導電性密着膜16の上に導電性酸素バリア膜17として窒化チタンアルミニウム(TiAlN)膜を反応性スパッタ法で100nmの厚さに形成する。
窒化チタンアルミニウムよりなる導電性酸素バリア膜17は、酸素透過防止機能に優れており、その下の第3導電性プラグ36aが酸化してコンタクト不良が発生するのを防止する役割を担う。
この導電性酸素バリア膜17の成膜条件は特に限定されないが、本実施形態では、チタンとアルミニウムとの合金ターゲットを使用し、アルゴンガスと窒素ガスとの混合ガスをスパッタガスとして用いる。そして、アルゴンガスと窒素ガスのそれぞれの流量を40sccm、100sccmにし、253.3Paの圧力下、400℃の基板温度、そして1.0kWのスパッタパワーで導電性酸素バリア膜17を形成する。
更に、導電性酸素バリア膜17の材料は窒化チタンアルミニウムに限定されない。導電性酸素バリア膜17は、窒化チタンアルミニウム、酸窒化チタンアルミニウム(TiAlON)、窒化タンタルアルミニウム(TaAlN)、及び酸窒化タンタルアルミニウム(TaAlON)のいずれかで構成され得る。
その導電性酸素バリア膜17は、導電性密着膜16によって下地との密着強度が高められる。なお、密着強度が問題にならないなら、導電性密着膜16を省いてもよい。その場合は、第3導電性プラグ36aと下地絶縁膜15のそれぞれの上面に導電性酸素バリア膜17が直接形成されることになる。
次に、図8(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、導電性酸素バリア膜17の上に、導電性拡散防止膜22としてスパッタ法によりチタン膜を10〜100nmの厚さ、例えば約50nmに形成する。
このチタン膜の成膜条件は特に限定されない。本実施形態では、このチタン膜を形成するために、シリコン基板1とチタンターゲットとの間隔が60mmに設定されたスパッタチャンバを用いる。そして、0.15Paのアルゴン雰囲気において、基板温度を150℃に保持しながらパワーが2.6kWのDCパワーをスパッタ雰囲気に13秒間印加することにより、上記のチタン膜を形成する。
チタンは自己配向性を有するので、チタンよりなる導電性拡散防止膜22はその成膜の時点で既に結晶化している。そして、その配向の向きは、典型的には(002)方向となる。
次に、窒素雰囲気中で基板温度を650℃とするRTAを導電性拡散防止膜22に対して施すことにより、導電性拡散防止膜22中のチタンを窒化し、窒化チタンで導電性拡散防止膜22を構成する。
このような窒化処理により、窒化チタンの配向の向きは典型的には(111)方向となる。
なお、この例ではチタン膜を窒化することで窒化チタン膜よりなる導電性拡散防止膜22を形成したが、窒化チタン膜の形成方法はこれに限定されない。
例えば、窒素ガス中でチタンターゲットをスパッタする反応性スパッタ法により窒化チタン膜を形成するようにしてもよい。この場合、スパッタガスとしては、流量が50sccmのアルゴンガスと流量が20sccmの窒素ガスとの混合ガスが用いられる。そして、基板温度を200℃に維持しながら、8.3kWのDCパワーをスパッタ雰囲気中に22秒間印加することで、厚さが50nmの窒化チタン膜を得ることができる。
続いて、この導電性拡散防止膜22の上に、第1導電膜23としてスパッタ法によりプラチナ膜を厚さ約100nmに形成する。
そのプラチナ膜は、例えば、圧力が0.2Paのアルゴン雰囲気中において、基板温度を400℃に維持して、0.5kWのスパッタパワーをスパッタ雰囲気に印加することで形成され得る。
その後に、アルゴン雰囲気中で基板温度を650℃以上にするRTAを第1導電膜23に対して60秒間行う。このRTAにより、第1導電膜23、導電性拡散防止膜22、及び導電性酸素バリア膜21のそれぞれの密着性が向上すると共に、第1導電膜23の結晶性も改善される。なお、アルゴン雰囲気に代えて、窒素雰囲気でこのRTAを行ってもよい。
ここで、既述のように導電性拡散防止膜22が(111)方向に配向しているため、この配向の作用によって第1導電膜23の配向も(111)方向に揃えられる。
なお、この例では第1導電膜23としてプラチナ膜を形成したが、パラジウム膜を第1導電膜23として形成してもよい。これら以外の白金族元素よりなる膜で第1導電膜23を構成することも考えられるが、プラチナやパラジウム以外は後述のPZTとの格子不整合が大きく、PZTの結晶性が劣化してしまう。
例えば、PZTの格子定数は3.96Åであるため、格子定数が3.9Åであるプラチナの方が、格子定数が3.8ÅであるイリジウムよりもPZTとの格子不整合が小さくなり、PZTの結晶性が良好となる。このように、イリジウム等の他の白金族元素よりなる単層膜で第1導電膜23を構成するのは好ましくない。
但し、プラチナ又はパラジウムが上面に表出するような積層膜、例えばプラチナ膜やパラジウム膜が最上層に形成された積層膜であれば第1導電膜23として形成され得る。その場合、プラチナ膜又はパラジウム膜の下には、酸化プラチナ膜若しくはプラチナを含む合金膜を第1導電膜23の一部として形成してもよい。
次に、図9(a)に示すように、スパッタ法により第1導電膜23の上にPZT初期層を薄く、例えば1nm〜50nm程度の厚さ、例えば20〜30nmに形成し、このPZT初期層を第1強誘電体膜24bとする。
ここで、第1強誘電体膜24bの膜厚の上限を50nmとしたのは、これよりも厚いとFeRAMの動作時に第1強誘電体膜24bに印加される電界が弱まり、FeRAMの低電圧動作に不利になるためである。また、第1強誘電体膜24bのスイッチング電荷量Qswが低下するのを防止するためにも50nm以下の厚さに第1強誘電体膜24bを形成するのが好ましい。
また、第1強誘電体膜24bの成膜温度が高いと、既述のように第1導電膜23中のプラチナと第1強誘電体膜24b中の鉛とが反応し、後述の結晶化アニールを第1強誘電体膜24bに施しても、第1強誘電体膜24bのスイッチング電荷量が低下する恐れがある。
そのため、第1強誘電体膜24bの成膜温度はなるべく低く、例えば80℃以下とするのが好ましく、本実施形態では室温で第1強誘電体膜24bを形成する。
このように低温で第1強誘電体膜24bを形成することが可能な成膜方法としては、スパッタ法の他にゾル・ゲル法もあり、このゾル・ゲル法で第1強誘電体膜24bを形成してもよい。
一方、MOCVD法では、PZT膜の成膜時に、基板温度を620℃程度の高温にする必要がある。従って、MOCVD法で第1強誘電体膜24bを形成すると、上記した鉛とプラチナとの反応により、スイッチング電荷量等の第1強誘電体膜24bの強誘電体特性が劣化してしまう。
これらより、第1強誘電体膜24bの成膜方法としては、基板加熱が不要なスパッタ法又はゾル・ゲル法を用いるのが好ましく、基板加熱を必要とするMOCVD法は好ましくない。
ここで、スパッタ法には、第1強誘電体膜24bを低温で成膜できるという利点の他に、第1強誘電体膜24bに添加元素を微量にドープするのが容易であるという利点もある。
この利点を活かし、第1強誘電体膜24bの成膜時に、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、及びニオブのいずれかを0.1〜5mol%の濃度でPZTに添加するのが好ましい。これらの元素がドープされた第1強誘電体膜24bを後述のキャパシタに適用することで、キャパシタの耐疲労特性やインプリント特性の向上、リーク電流の低減、及び動作電圧の低電圧化等の効果を得ることができる。
本実施形態では、カルシウム、ランタン、及びストロンチウムをそれぞれ5mol%、2mol%、及び2mol%の濃度でPZTにドープすることで、第1強誘電体膜24bのスイッチング電荷量を高める。なお、ランタンがドープされたPZTはPLZTと書かれることもある。
また、第1強誘電体膜24bの材料は、ABO3型ペロブスカイト構造(A=Bi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類元素のいずれか一つ、B=Ti、Zr、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Co、及びCrのいずれか一つ)を有する強誘電性材料であればPZTに限定されない。
そのような強誘電性材料としてはBLT((Bi,La)4Ti3O12)等がある。
更に、(Bi1-xRx)Ti3O12(Rは希土類元素で0<x<1)、SrBi2Ta2O9(SBT)、及びSrBi4Ti4O15等のBi層状構造化合物も、結晶の一単位としてみればABO3型ペロブスカイト構造となるため、第1強誘電体膜24bの構成材料として適用し得る。
ところで、このようにスパッタ法で形成された第1強誘電体膜24bは結晶化していないので、このままでは残留分極電荷量が小さく、キャパシタ誘電体として使用することができない。
そこで、次の工程では、図9(b)に示すように、アニールにより第1強誘電体膜24bを結晶化させ、PZTの配向の向きをその分極量が最も大きくなる(111)方向にする。このようなアニールは結晶化アニールとも呼ばれる。
結晶化アニールの条件は特に限定されないが、本実施形態では、酸素とアルゴンとの混合雰囲気中において、基板温度を550℃〜800℃、例えば580℃とし、熱処理時間を30秒〜120秒、例えば90秒とする。また、酸素の流量は0〜25sccmとされ、アルゴンの流量は2000sccmとされる。
結晶化アニールの最適な基板温度は第1強誘電体膜24bの材料に依存する。例えば、PZTや、添加元素が微量ドープされたPZTで第1強誘電体膜24bを構成する場合は、600℃以下の基板温度にするのが好ましい。また、BLTで第1強誘電体膜24bを構成する場合は700℃以下、SBTで構成する場合は800℃以下の基板温度とするのが好ましい。
なお、結晶化アニールによるPZT膜の配向の向きは、PZT膜のスパッタ時の成膜温度に依存する。例えば、PZT膜の成膜温度が80℃より高いと、結晶化アニール後のPZT膜が(101)方向に配向し、大きな分極量が得られる(111)方向に配向し難くなる。
そのため、分極量を大きくするという観点からも、PZTよりなる第1強誘電体膜24は基板温度を80℃以下、例えば室温(20℃)とするスパッタ法により形成するのが好ましい。
また、既述のように、導電性拡散防止膜22を(111)方向に配向させたことで、その上の第1導電膜23も(111)方向に配向している。このように下地の第1導電膜23が(111)方向に配向しているので、この結晶化アニールによって第1強誘電体膜24bの配向が(111)方向に揃い易くなる。
ところで、このような結晶化アニールにより、第1強誘電体膜24bを構成するABO3型ペロブスカイト構造の強誘電体材料のうち、Aサイトの原子は第1強誘電体膜24の下方に熱拡散しようとする。例えば、第1強誘電体膜24bとして上記のようにPZT膜を採用する場合は、鉛原子が熱拡散しようとすることになる。
第1強誘電体膜24bの下に形成された第1導電膜23は、プラチナやパラジウムで構成されるが、これらの材料は鉛等のAサイトの原子を通し易い性質があるため、結晶化アニールによって第1導電膜23中に鉛原子が拡散することになる。
ところが、本実施形態では、第1導電膜23の下に導電性拡散防止膜22を設けたので、鉛原子の拡散は導電性拡散防止膜22によりブロックされる。
その結果、導電性酸素バリア膜17と導電性拡散防止膜22との界面に鉛原子が熱拡散せず、該界面には鉛が存在しないことになる。よって、図5に示したような、導電性酸素バリア膜17と鉛とが反応することに起因した第1導電膜23の膜剥がれや膜の膨張を防止することが可能となる。
次に、図10(a)に示すように、MOCVD法により第1強誘電体膜24bの上にPZT膜を約80nmの厚さに形成し、このPZT膜を第2強誘電体膜24cとする。MOCVD法で形成された第2強誘電体膜24cは、成膜の時点で既に結晶化しており、その配向の向きが(111)方向に揃っているため、第2強誘電体膜24cを結晶化させるための結晶化アニールは不要である。
また、スパッタ法とは異なり、MOCVD法においてランタン、カルシウム、ストロンチウム、及びニオブ等の添加元素をPZTに添加すると、キャパシタのスイッチング電荷量Qswが著しく低下してしまう。よって、MOCVD法では、これらの元素をPZTに添加せず、純粋なPZTで第2強誘電体膜24cを構成するのが好ましい。
そのMOCVD法は次のようにして行われる。
まず、不図示の反応容器内のサセプタ上にシリコン基板1を載せる。
次いで、反応容器内に流量が2slmの酸素を導入すると共に、シリコン基板1を昇温し、基板温度を620℃程度に安定させる。
このように酸素雰囲気中で昇温しても、第1導電膜23の上面が第1強誘電体膜24bで覆われているため、第1導電膜23が異常酸化することは無い。従って、第1導電膜23の異常酸化に起因するPZT膜の表面の荒れや、PZT膜の配向の変動を抑えることができる。
そして、気化されたTHF溶媒を反応容器に導入する。これにより、第1強誘電体膜24bは溶媒ガスの雰囲気に曝されることになる。
このように、原料ガスの供給前に溶媒ガスを供給することで、気化器や配管等で原料ガスが固化するのを防止でき、配管詰まり等を回避することができる。なお、THFに代えて、気化した酢酸ブチルを溶媒ガスとして用いてもよい。
更に、Pb、Zr、及びTiの各液体原料を気化器において気化して原料ガスを作製し、各原料ガスを反応容器内に導入することで、PZT膜の成膜を開始する。
ここで、各液体原料は、例えば、Pb(DPM)2(化学式Pb(C11H19O2)2))、Zr(dmhd)4(化学式Zr(C9H15O2)4)、及びTi(O−iOr)2(DPM)2(化学式Ti(C3H7O)2(C11H19O2)2)のそれぞれをTHF(Tetra Hydro Furan: C4H8O)溶媒中にいずれも0.3mol/lの濃度で溶解することで作製され得る。また、気化された原料ガスの流量は特に限定されないが、本実施形態では、上記各液体原料を気化器にそれぞれ0.326ml/分、0.200ml/分、及び0.200ml/分の流量で供給して気化させることにより、Pb、Zr、及びTiの原料ガスを得る。
そして、圧力が665Pa(5Torr)の下で、このような状態を約620秒間維持することにより、上記したPZT膜が80nmの厚さに形成される。
このように、MOCVDにより第2強誘電体膜24cを形成する際には、シリコン基板1が620℃程度の高温に加熱される。しかし、第2強誘電体膜24cの下に予め第1強誘電体膜24bを形成してあるため、第2強誘電体膜24c中の鉛原子が熱によって第1導電膜23に至るのが第1強誘電体膜24bにより阻止されるので、上記の鉛と第1導電膜23中のプラチナとの反応が抑えられ、第2強誘電体膜24cのスイッチング電荷量等の強誘電体特性が劣化するのを防止できる。
以上により、第1、第2強誘電体膜24b、24cで構成される強誘電体膜24が第1導電膜23の上に形成されたことになる。
MOCVD法で形成された第2強誘電体膜24cは、高集積化のためにその膜厚を薄くしてもスイッチング電荷量Qswが低下し難いので、このような二層構造の強誘電体膜24は高集積化に有利である。
ここで、第1強誘電体膜24bの膜厚については、第2強誘電体膜24cよりも薄くし、高集積化に有利なMOCVD法で形成された第2強誘電体膜24cが強誘電体膜24の大半を占めるようにするのが好ましい。
但し、高集積化を図る必要が無い場合は、スパッタ法又はゾル・ゲル法で形成された単層のPZT膜を強誘電体膜24としてもよい。既述のように、スパッタ法及びゾル・ゲル法では、MOCVD法と比較して低温でPZT膜を形成することができるので、熱による鉛原子の拡散を防止する役割を果たす第1強誘電体膜24bは不要となり、これらの成膜方法で形成された単層のPZT膜を強誘電体膜24としても、強誘電体膜24の強誘電体特性は劣化しない。
このように、スパッタ法及びゾル・ゲル法で強誘電体膜24を形成する場合は、PZTを結晶化させるための結晶化アニールを強誘電体膜24に対して行うことになる。この結晶化アニールの際、強誘電体膜24を構成するAサイトの原子が既述のように下方に熱拡散するが、導電性拡散防止膜22によりその熱拡散がブロックされ、第1導電膜23の膜剥がれが防止される。
続いて、図10(b)に示すように、シリコン基板1を加熱しながら強誘電体膜24の上に第1導電性酸化金属膜25dとしてスパッタ法で酸化イリジウム(IrOx)膜を厚さ約50nmに形成する。なお、このようにシリコン基板1を加熱するスパッタ法で形成された酸化イリジウム膜は、結晶化のためのプロセスを行わなくても、成膜の時点で既に結晶化している。
その第1導電性酸化金属膜25dの成膜条件は特に限定されない。本実施形態では、基板温度を300℃にすると共に、流量が140sccmの酸素と流量が60sccmのアルゴンガスとの混合ガスをスパッタガスとして用い、更にスパッタパワーを1kWとする。
ここで、強誘電体膜24は、第1導電性酸化金属膜25dをスパッタ法で形成した際に、スパッタガスによってダメージを受けていると共に膜中の酸素濃度が欠乏し、その強誘電体特性が劣化している恐れがある。
そこで、上記の第1導電性酸化金属膜25dを形成した後に、アルゴンと酸素との混合雰囲気中でRTAを行うことにより、スパッタにより受けた強誘電体膜24のダメージを回復させると共に、第1強誘電体膜24の酸素欠損を補償する。
このRTAの条件は特に限定されない。本実施形態では、基板温度を725℃にし、処理時間を60秒とする。また、アルゴンと酸素の流量をそれぞれ2000sccm、20sccmとする。
ここで、第1導電性酸化金属膜25dが成膜の時点で結晶化しているため、その結晶粒を反映して第1導電性酸化金属膜25dと強誘電体膜24との界面には凹凸が形成されているが、このRTAによってその凹凸が平坦化されるという利点も得られる。
そのようなRTAでは、第1強誘電体膜24を構成するAサイトの原子、即ち鉛原子が下方に熱拡散する。しかし、既述のように、導電性拡散防止膜22によりその熱拡散が阻止され、鉛と導電性酸素バリア膜17との反応によって第1導電膜23に膜剥がれや膜の膨張が発生することは無い。
次に、基板温度を室温に維持しながら、スパッタ法により第1導電性酸化金属膜25dの上に第2導電性酸化金属膜25eとして酸化イリジウム膜を厚さ約100〜300nm、例えば200nmに形成する。その第2導電性酸化金属膜25eは、圧力が0.8Paのアルゴン雰囲気中、スパッタパワーを1.0kWにし、成膜時間を79秒とすることで形成される。
ここで、高い成膜温度で結晶化された第1導電性酸化金属膜25dとは異なり、基板温度を室温とするスパッタ法で形成された第2導電性酸化金属膜25eはアモルファス状態になる。
ところで、上記した酸化イリジウムのスパッタでは、イリジウムターゲットから飛来したイリジウム原子がスパッタ雰囲気中で酸化されることで基板上に酸化イリジウムが堆積する。そのため、堆積した酸化イリジウムの中には、雰囲気中における酸化が不十分なものも含まれ、酸化イリジウム膜全体としては化学量論組成(IrO2)よりも酸素が少ない状態になり易い。
ところが、第2導電性酸化金属膜25eにおいて酸素が不足すると、第2導電性酸化金属膜25eの触媒作用が高まるため、外部の水分が第2導電性酸化金属膜25eに触れて水素が発生するようになる。水素は、強誘電体膜24を還元してその強誘電体特性を劣化させるという問題があるため、FeRAMの製造工程では水素の発生を極力抑える必要がある。
従って、水素の発生を防止するという観点からすると、第2導電性酸化金属膜25eの酸素含有量は、第1導電性酸化金属膜25dの酸素含有量よりも多いのが好ましい。
そこで、本実施形態では、第2導電性酸化金属膜25eの成膜時に、第1導電性酸化金属膜25dの成膜時よりも酸素の流量比を多くすることで、酸化イリジウムの組成を化学量論組成(IrO2)に近づけ、第2導電性酸化金属膜24eの触媒作用を抑えるようにする。
このような第2導電性酸化金属膜25eと第1導電性酸化金属膜25dにより、図示のように導電性酸化金属膜25bが構成される。
なお、第1、第2導電性酸化金属膜25d、25eの構成材料は酸化イリジウムに限定されない。第1、第2導電性酸化金属膜25d、25eは、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、レニウム、オスミウム、及びパラジウムのいずれかの酸化物で構成され得る。更に、これらの酸化物を積層して導電性酸化金属膜25bとしてもよい。
続いて、図11(a)に示すように、導電性酸化金属膜25bの上に、導電性向上膜25cとしてイリジウム膜をスパッタ法により厚さ50nm〜100nmに形成する。そのスパッタ法は、圧力が1Paのアルゴン雰囲気中で行われ、1.0kWのスパッタパワーがスパッタ雰囲気に投入される。
導電性向上膜25cは、その下の導電性酸化金属膜25bと共に第2導電膜25を構成し、導電性酸化金属膜25bだけでは不足しがちな第2導電膜25の導電性を補う役割を担う。更に、導電性向上膜25cは、その材料であるイリジウムが水素に対するバリア性に富むため、外部の水素をブロックして強誘電体膜24の劣化を防止する役割も担う。
なお、イリジウム膜に代えて、ルテニウム膜、ロジウム膜、及びパラジウム膜のいずれかを導電性向上膜25cとして形成してもよい。
この後に、シリコン基板1の背面を洗浄する。
次に、図11(b)に示すように、第2導電膜25の上にスパッタ法により窒化チタン膜を形成し、その窒化チタン膜を第1マスク材料層26とする。
更に、TEOSガスを使用するプラズマCVD法を用いて、第1マスク材料層26の上に第2マスク材料層27として酸化シリコン膜を形成する。
次いで、図12(a)に示すように、第2マスク材料層27を島状にパターニングすることにより第2ハードマスク27aを形成する。
次に、図12(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2ハードマスク27aをマスクにして第1マスク材料層26をエッチングすることにより第1ハードマスク26aを形成する。
次いで、第1、第2ハードマスク26a、27aで覆われていない部分の各膜22〜25をドライエッチングする。
これにより、第1導電膜23、強誘電体膜24、及び第2導電膜25はそれぞれ下部電極23a、キャパシタ誘電体膜24a、及び上部電極25aとなり、これらによって強誘電体キャパシタQが構成される。また、このドライエッチングにより、導電性拡散防止膜22は下部電極23aと同じ平面形状である島状にパターニングされる。
そのドライエッチングのガスは特に限定されないが、導電性拡散防止膜22、第1導電膜23、及び第2導電膜25に対するエッチングガスとしてはHBrと酸素との混合ガスが使用される。一方、強誘電体膜24に対するエッチングガスとしては塩素とアルゴンとの混合ガスが使用される。なお、これらのガスにC4F8ガスを添加してもよい。
また、この導電性拡散防止膜22用のエッチングガスに対して導電性酸素バリア膜17はエッチング耐性を有するので、キャパシタQを形成した後でも導電性密着膜16の全面に導電性酸素バリア膜17は残存する。
このようにして形成されたキャパシタQは、導電性拡散防止膜22、導電性酸素バリア膜17、導電性密着膜16、及び第3導電性プラグ36aを介して第1導電性プラグ32aと電気的に接続される。
続いて、図13(a)に示すように、過酸化水素(H2O2)、アンモニア、及び水の混合溶液をエッチング液として用い、酸化シリコンよりなる第2ハードマスク27aをウエットエッチングにより除去する。なお、ドライエッチングにより第2ハードマスク27aを除去してもよい。
次に、図13(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1ハードマスク26aをマスクとして用いながら、導電性密着膜16と導電性酸素バリア膜17とをエッチングし、これらの膜をキャパシタQの下にのみ残す。このエッチングはドライエッチングにより行われ、そのエッチングガスとしては例えばアルゴンと塩素との混合ガスが使用される。
また、このエッチングガスに対し第1ハードマスク26aもエッチングされるため、エッチングの終了時には第1ハードマスク26aは除去され、上部電極25aの上面が露出する。
続いて、図14(a)に示すように、キャパシタQを覆うアルミナ(Al2O3)膜を厚さ約20nmに形成し、そのアルミナ膜を第1キャパシタ保護絶縁膜39とする。第1キャパシタ保護絶縁膜39を構成するアルミナは、水素の透過防止能力に優れているため、外部の水素はこの第1キャパシタ保護絶縁膜39によってブロックされ、水素によるキャパシタ誘電体膜24aの劣化を防止することができる。
ここで、キャパシタ誘電体膜24aは、キャパシタQを形成する際のドライエッチング(図12(b)参照)や、スパッタ法による第1キャパシタ保護絶縁膜39の成膜によってダメージを受けている。
そこで、このダメージからキャパシタ誘電体膜24aを回復させる目的で、図14(b)に示すように、酸素含有雰囲気中においてキャパシタ誘電体膜24aに対して回復アニールを施す。この回復アニールの条件は特に限定されないが、本実施形態では、炉内において基板温度を550℃〜700℃、例えば650℃とし、約60分間行われる。
続いて、図15(a)に示すように、第1キャパシタ保護絶縁膜39の上に、CVD法によりアルミナ膜を厚さ約20nmに形成し、このアルミナ膜を第2キャパシタ保護絶縁膜40とする。
次に、図15(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、TEOSガスを反応ガスとするプラズマCVDにより、第2キャパシタ保護絶縁膜40の上に第2層間絶縁膜41として酸化シリコン膜を形成する。その反応ガスには、酸素ガスとヘリウムガスも含まれる。また、第2層間絶縁膜41の膜厚は特に限定されないが、本実施形態では、シリコン基板1の平坦面上での厚さを1500nmとする。
なお、酸化シリコン膜に代えて、絶縁性の無機膜を第2層間絶縁膜41として形成してもよい。
その後に、CMP法により第2層間絶縁膜41の表面を研磨して平坦化する。
更に、第2層間絶縁膜41に対する脱水処理として、第2層間絶縁膜41の表面をN2Oプラズマに曝す。このN2Oプラズマにより、第2層間絶縁膜41内に残留する水分が除去されると共に、第2層間絶縁膜41への水分の再吸収が防止される。
なお、この脱水処理としてN2プラズマ処理を行ってもよい。
続いて、第2層間絶縁膜41の上に、スパッタ法により平坦なアルミナ膜を厚さ約20nm〜100nmに形成し、そのアルミナ膜を第3キャパシタ保護絶縁膜42とする。この第3キャパシタ保護絶縁膜42は、平坦化された第2層間絶縁膜41上に形成されるため優れたカバレッジ特性が要求されず、上記のように安価なスパッタ法で形成される。但し、第3キャパシタ保護絶縁膜42の成膜方法はスパッタ法に限定されず、CVD法であってもよい。
その後に、図16(a)に示すように、TEOSガスを使用するプラズマCVD法を用いて、第3キャパシタ保護絶縁膜42の上に、キャップ絶縁膜43として酸化シリコン膜を300nm〜500nm程度の厚さに形成する。なお、このキャップ絶縁膜43として、酸窒化シリコン膜又は窒化シリコン膜を形成してもよい。
次に、図16(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1〜第3キャパシタ保護絶縁膜39、40、42、第2層間絶縁膜41、キャップ絶縁膜43をパターニングすることにより、上部電極25a上のこれらの膜に第2ホール41aを形成する。
次いで、ここまでの工程でキャパシタ誘電体膜24aが受けたダメージを回復させるため、不図示の炉内にシリコン基板1を入れ、酸素雰囲気中で基板温度を550℃とする回復アニールを約40分間行う。
次に、第2導電性プラグ32bの上の第1〜第3キャパシタ保護絶縁膜39、40、42、第2層間絶縁膜41、キャップ絶縁膜43、下地絶縁膜15、及び酸化防止絶縁膜14をパターニングして、これらの膜に第3ホール41bを形成する。
なお、このパターニングの際、第2ホール41aは、レジストパターンで覆われており、そのレジストパターンによってエッチング雰囲気から保護されている。
ここで、もし、これらのホール41a、41bを同時に形成しようとすると、深い第3ホール41bが開口されるまで第2ホール41a内の上部電極25aが長時間にわたってエッチング雰囲気に曝され、キャパシタ誘電体膜24aが劣化するという問題が発生する。
本実施形態では、上記のように深さの異なる第2、第3ホール41a、41bを別々に形成するので、このような問題を回避することができる。
更に、第2ソース/ドレイン領域8b上の第2導電性プラグ32bは、本工程が終了するまで、酸化防止絶縁膜14によって覆われているので、第2導電性プラグ32bを構成するタングステンが酸化してコンタクト不良を起こすのが防止される。
続いて、キャップ絶縁膜43上と第2、第3ホール41a、41b内に、グルー膜としてスパッタ法によりチタン膜と窒化チタン膜とをこの順に形成する。
なお、窒化チタン膜についてはMOCVD法で形成してもよい。その場合、窒化チタン膜から炭素を除去するため、窒素と水素とをプラズマ化してなる雰囲気中で窒化チタン膜をアニールするのが好ましい。このように水素含有雰囲気中でアニールを行っても、上部電極25aの最上層に形成されたイリジウムよりなる導電性向上膜25c(図11(a)参照)が水素をブロックするので、水素によって導電性酸化金属膜25bが還元されることは無い。
更に、CVD法によりグルー膜の上にタングステン膜を形成し、このタングステン膜で第2、第3ホール41a、41bを完全に埋め込む。
そして、キャップ絶縁膜43上の不要なグルー膜とタングステン膜とをCMP法により研磨して除去し、これらの膜を第2、第3ホール41a、41b内にのみ第4、第5導電性プラグ47a、47bとして残す。
これらのプラグのうち、第4導電性プラグ47aは、キャパシタQの上部電極25aと電気的に接続される。一方、第5導電性プラグ47bは、第2導電性プラグ32bに電気的に接続され、その第2導電性プラグ32bと共にビット線の一部を構成する。
その後に、図17に示すように、キャップ絶縁膜43と各導電性プラグ47a、47bのそれぞれの上にスパッタ法で金属積層膜を形成し、この金属積層膜をパターニングして金属配線49aとビット線用の導電性パッド49bとを形成する。
その金属積層膜として、厚さ60nmのチタン膜、厚さ30nmの窒化チタン膜、厚さ360nmの銅含有アルミニウム膜、厚さ5nmのチタン膜、及び厚さ70nmの窒化チタン膜をこの順に形成する。
以上により、本実施形態に係る半導体装置の基本構造が完成したことになる。
上記した本実施形態によれば、図17に示したように、導電性酸素バリア膜17と下部電極23aとの間に導電性拡散防止膜22を形成した。そのため、第1導電膜23の形成後に行われるアニール、例えば第1強誘電体膜24bに対する結晶化アニールや、上部電極25aを構成する第1導電性酸化金属膜25dに対するアニールを行っても、強誘電体膜24中の鉛原子の熱拡散が導電性拡散防止膜22によってブロックされる。その結果、鉛原子が導電性酸素バリア膜17にまで到達せず、鉛原子と導電性酸素バリア膜17との反応によって発生する第1導電膜23の膜剥がれと膨張とが防止され、半導体装置の歩留まりを向上させることが可能となる。
ここで、導電性拡散防止膜22の材料は、強誘電体膜24のAサイトの元素、すなわち鉛原子の拡散を防止することが可能であれば、窒化チタンのような導電性金属窒化物に限定されない。
特に、イリジウムとルテニウムは鉛原子の拡散防止機能に優れているため、これらのいずれかを含む合金を導電性拡散防止膜22の材料として採用し得る。この場合、導電性拡散防止膜22は30〜100nm程度の厚さに形成すればよい。
ここで、厚さの下限を30nmとしたのは、これよりも薄いと鉛原子に対するバリア性が低下するためである。また、厚さの上限を100nmとしたのは、これよりも厚いと、図12(b)に示した導電性拡散防止膜22のエッチングが難しくなるためである。
このように、イリジウムとルテニウムのいずれかを含む合金としては、例えば、タングステン、タンタル、プラチナ、ロジウム、レニウム、金、及びオスミウムのうちの少なくとも一つと、イリジウム又はルテニウムとの合金がある。
このうち、タングステンは、単体では非常に酸化され易い材料であるが、イリジウム又はルテニウムとの合金として用いると酸化され難くなるので、導電性拡散防止膜22として使用しても特許文献6で懸念されるようなコンタクト不良等が発生し難くなる。
また、導電性拡散防止膜22の材料として使用し得る導電性金属窒化物には、窒化チタンの他に、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化クロム、及び窒化ニオブがあり、これらのうちのいずれかで導電性拡散防止膜22を構成し得る。
導電性金属窒化物により導電性拡散防止膜22を構成する場合、その厚さが10nmよりも薄いと鉛原子に対するバリア性が低下するので、10nm以上の厚さに形成するのが好ましい。
なお、導電性拡散防止膜22を酸化物で構成することも考えられる。しかし、酸化物で導電性拡散防止膜22を構成すると、膜中の酸素によってその下の第3導電性プラグ36aが酸化してコンタクト不良が発生する恐れがある。従って、導電性拡散防止膜22は、上記したようなイリジウムとルテニウムのいずれかを含む合金や、導電性金属窒化物等のように、キャパシタ誘電体膜24aの構成元素の拡散を防止する酸化物以外の導電性材料で構成するのが好ましい。
更に、導電性拡散防止膜22と下部電極23aのそれぞれの膜厚については、本実施形態のように、下部電極23aの方が導電性拡散防止膜22よりも厚いのが好ましい。これは、下部電極23aを厚く形成することで、導電性拡散防止膜22との格子不整合に伴う下部電極23aの配向の乱れが下部電極23aの上面に現れ難くなり、キャパシタ誘電体膜24aの配向を(111)方向に揃え易くなるためである。
そして、導電性拡散防止膜22の材料として、キャパシタ誘電体膜24aと同じ(111)配向を持つ窒化チタンのような導電性結晶材料を用いることで、分極量が最も大きくなる(111)方向にキャパシタ誘電体膜24aを良好に配向させることができる。
また、キャパシタ誘電体膜24aについては、MOCVD法による第2強誘電体膜24cの成膜前に、スパッタ法で第1強誘電体膜24bを予め形成した。そのため、第2強誘電体膜24cの成膜時に酸素雰囲気中でシリコン基板1を昇温しても、第1導電膜22は異常酸化しない。
従って、第1導電膜22の異常酸化に伴って発生する第2強誘電体膜24cの表面荒れを防止でき、表面モフォロジーが滑らかな第2強誘電体膜24cを形成することが可能となる。更に、上記の異常酸化が一因となって発生する第2強誘電体膜24cの配向の変動も抑えられるため、FeRAMの量産に適した半導体装置の製造方法を提供することができる。
これらにより、本実施形態では、信頼性の高いキャパシタQを備えた半導体装置を提供することが可能となる。
(3)第2実施形態
図18〜図23は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図において第1実施形態で説明した要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
第1実施形態の図6(c)の工程では、グルー膜35とプラグ用導電膜36とをCMP法により研磨することで第3導電性プラグ36aを形成した。
しかしながら、そのCMPで使用されるスラリに対し、グルー膜35とプラグ用導電膜36の研磨速度は下地の下地絶縁膜15よりも速いので、CMPを終了した時点で第3導電性プラグ36aと下地絶縁膜15のそれぞれの上面の高さを合わせるのは難しい。
そのため、実際には、図18(a)に示されるように、上記のCMPの後には下地絶縁膜15にリセス15bが形成され、第3導電性プラグ36aの上面の高さが下地絶縁膜15のそれよりも低くなる。そのリセス15bの深さは20〜50nmであり、典型的には50nm程度になる。
ところが、このようなリセス15bが存在すると、下部電極23aとキャパシタ誘電体膜24aの配向が乱れ、キャパシタ誘電体膜24aの強誘電体特性が劣化するという問題が発生する。
この問題を解決するため、本実施形態では以下のような工程を行う。
まず、図18(b)に示すように、下地絶縁膜15に対してアンモニアプラズマ処理を行い、下地絶縁膜15の表面の酸素原子にNH基を結合させる。
このアンモニアプラズマ処理は、例えばシリコン基板1に対して約9mm(350mils)だけ離れた位置に対向電極を有する平行平板型のプラズマ処理装置が使用される。そして、266Pa(2Torr)の圧力下において基板温度を400℃に保持しながら、チャンバ内にアンモニアガスを350sccmの流量で供給し、シリコン基板1側に13.56MHzの高周波電力を100Wのパワーで、また上記の対向電極に350kHzの高周波電力を55Wのパワーで60秒間供給することにより処理が行われる。
次に、図19(a)に示すように、下地絶縁膜15と第3導電性プラグ36aの上に平坦化用導電膜50としてチタン膜を100〜300nm、例えば約100nmに形成し、この平坦化用導電膜50でリセス15bを完全に埋め込む。
この平坦化用導電膜50の成膜条件は特に限定されないが、本実施形態では、シリコン基板1とチタンターゲットとの距離が60mmに設定されたスパッタ装置を用い、圧力が0.15Paのアルゴン雰囲気において、2.6kWのスパッタ用のDCパワーを35秒間印加し、基板温度が20℃の条件下において平坦化用導電膜50を形成する。
また、平坦化用導電膜50を形成する前に、アンモニアプラズマ処理(図18(b))により下地絶縁膜15の表面の酸素原子にNH基を結合させておいたので、下地絶縁膜15上に堆積したチタン原子は酸素原子に捕獲され難くい。その結果、チタン原子が下地絶縁膜15の表面を自在に移動できるようになり、(002)方向に強く自己組織化されたチタンよりなる平坦化用導電膜50を形成することが可能となる。
なお、平坦化用導電膜50はチタン膜に限定されず、タングステン膜、シリコン膜、及び銅膜のいずれかを平坦化用導電膜50として形成してもよい。
その後に、平坦化用導電膜50に対し、窒素雰囲気中で基板温度を650℃とするRTAを行うことで、チタンよりなる平坦化用導電膜50を窒化して、(111)方向に配向した窒化チタンで平坦化用導電膜50を構成する。
ここで、第3導電性プラグ36aの周囲の下地絶縁膜15に既述のように形成されたリセス15bを反映して、上記の平坦化用導電膜50の上面には凹部が形成される。しかし、このような凹部が形成されていると、平坦化用導電膜50の上方に後で形成される強誘電体膜の結晶性が劣化する恐れがある。
そこで、本実施形態では、図19(b)に示すように、CMP法により平坦化用導電膜50の上面を研磨して平坦化し、上記した凹部を除去する。このCMPで使用されるスラリは特に限定されないが、本実施形態ではCabot Microelectronics Corporation製のSSW2000を使用する。
なお、CMP後の平坦化用導電膜50の厚さは、研磨誤差に起因して、シリコン基板の面内や、複数のシリコン基板間でばらつく。そのばらつきを考慮して、本実施形態では、研磨時間を制御することにより、CMP後の平坦化用導電膜50の厚さの目標値を50〜100nm、より好ましくは50nmとする。
ところで、上記のように平坦化用導電膜50に対してCMPを行った後では、平坦化用導電膜50の上面付近の結晶が研磨によって歪んだ状態となっている。しかし、このように結晶に歪が発生している平坦化用導電膜50の上方にキャパシタの下部電極を形成すると、その歪みを下部電極が拾ってしまって下部電極の結晶性が劣化し、ひいてはその上の強誘電体膜の強誘電体特性が劣化することになる。
このような不都合を回避するために、次の工程では、図20(a)に示すように、平坦化用導電膜50の上面をアンモニアプラズマに曝すことで、平坦化用導電膜50の結晶の歪みがその上の膜に伝わらないようにする。
次に、図20(b)に示すように、上記のアンモニアプラズマ処理によって結晶の歪みが解消された平坦化用導電膜50の上に、スパッタ法で導電性密着膜51としてイリジウム膜を形成する。その導電性密着膜51は、上下の膜同士の密着強度を高める膜として機能し、その厚さはなるべく薄く、例えば20nm以下、より好ましくは5nm〜10nmの厚さに形成するのが望ましい。
続いて、第1実施形態で説明した図7(b)〜図11(a)の工程を行うことにより、図21(a)に示すように、各膜16、17、22〜25を積層する。
なお、この工程では、第1実施形態と同じように、導電性酸素バリア膜17と第1導電膜23との間に窒化チタンよりなる導電性拡散防止膜22を形成する。これにより、PZTよりなる強誘電体膜24中の鉛原子が熱拡散して導電性酸素バリア膜17に至るのが防止され、鉛と導電性バリア膜17とが反応することで発生する第1導電膜23の膜剥がれを抑制することができる。
続いて、図11(b)及び図12(a)で説明した工程を行うことにより、図21(b)に示すように、第2導電膜25の上に第1マスク材料層26と第2ハードマスク27aとを形成する。
次に、図22(a)に示すように、第2ハードマスク27aをマスクにして第1マスク材料層26をエッチングすることにより第1ハードマスク26aを形成する。
その後、第1、第2ハードマスク26a、27aで覆われていない部分の第2導電膜25、強誘電体膜24、第1導電膜23、及び導電性拡散防止膜22をドライエッチングする。これにより、下部電極25a、キャパシタ誘電体膜24a、及び上部電極23aを備えたキャパシタQが形成されると共に、下部電極25aの下に導電性拡散防止膜22が島状に残される。
そのエッチングでは、第1実施形態と同様に、第1導電膜23、第2導電膜25、及び導電性拡散防止膜22に対するエッチングガスとしてHBrと酸素との混合ガスを使用し、強誘電体膜24に対するエッチングガスとして塩素とアルゴンとの混合ガスを使用する。
続いて、図22(b)に示すように、過酸化水素、アンモニア、及び水の混合溶液をエッチング液とするウエットエッチングにより、酸化シリコンよりなる第2ハードマスク27aを除去する。なお、ドライエッチングにより第2ハードマスク27aを除去してもよい。
次に、図23(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1ハードマスク26aをマスクとして用いながら、導電性拡散防止膜22、導電性酸素バリア膜17、下地導電膜16、導電性密着膜51、及び平坦化用導電膜50をエッチングし、これらの膜をキャパシタQの下にのみ残す。このエッチングはドライエッチングにより行われ、そのエッチングガスとしては例えばアルゴンと塩素との混合ガスが使用される。
また、このエッチングガスに対し第1ハードマスク26aもエッチングされるため、エッチングの終了時には第1ハードマスク26aは除去され、上部電極25aの上面が露出する。
この後は、第1実施形態で説明した図14(a)〜図17の工程を行うことにより、図23(b)に示すような本実施形態に係る半導体装置の基本構造を完成させる。
以上説明した本実施形態によれば、図19(a)を参照して説明したように、CMPにより第3導電性プラグ36aの周囲に発生したリセス15bを平坦化用導電膜50で埋め込み、更にCMPによりその平坦化用導電膜50を平坦化した。
これにより、平坦化導電膜50の上方に形成される下部電極23a(図23(b)参照)の平坦性が良好になり、下部電極23aの配向が良好になる。そして、下部電極23aの配向の作用によりキャパシタ誘電体膜24aの配向も向上し、スイッチング電荷量等のキャパシタ誘電体膜24aの強誘電体特性が高められる。
しかも、第1実施形態と同様に、導電性酸素バリア膜17と第1導電膜23との間に導電性拡散防止膜22を配したので、キャパシタQの形成時に加わる熱によって強誘電体膜24中の鉛原子が導電性酸素バリア膜17に拡散するのが防がれ、鉛と導電性酸素バリア膜17との化学反応によって第1導電膜23に膜剥がれや膜の膨張が生じるのを抑制することが可能となる。
(4)第3実施形態
図24は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。
本実施形態が第2実施形態と異なる点は、本実施形態では図19(b)のCMP工程において下地絶縁膜15の上面から平坦化用導電膜50を除去し、リセス15b内の第3導電性プラグ36a上にのみ平坦化用導電膜50を残す点である。これ以外の点は、本実施形態も第2実施形態も同じである。
このようにCMPにより下地絶縁膜15の上面から平坦化用導電膜50を完全に除去しても、平坦化用導電膜50の膜厚が薄いため、CMP時のオーバー研磨量は少なくて済み、リセス15b内に残された平坦化用導電膜50の上面には凹部が殆ど形成されない。従って、平坦化用導電膜50と下地絶縁膜15のそれぞれの上面が平坦な連続面となるため、下部電極23aとキャパシタ誘電体膜24aの結晶性が良好になる。
しかも、本実施形態でも下部電極23aの下に導電性拡散防止膜22を形成するため、PZTよりなるキャパシタ誘電体膜24aから導電性酸素バリア膜17に鉛原子が熱拡散することによって起きる下部電極23aの膜剥がれや膜の膨張を防止できる。
(5)第4実施形態
図25〜図32は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図において、第1実施形態で説明した要素には第1実施形態と同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
最初に、図25(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1実施形態の図6(a)で説明した工程に従い、シリコン基板1の上にカバー絶縁膜10と第1層間絶縁膜11とを形成する。そして、これらの絶縁膜をパターニングすることにより、第1ソース/ドレイン領域8aの上にコンタクトホールを形成する。
更に、このコンタクトホール内にグルー膜とタングステン膜とを順に形成した後、第1層間絶縁膜11上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法により研磨して除去し、これらの膜をコンタクトホール内にのみ第1導電性プラグ32aとして残す。
次に、図25(b)に示すように、第1層間絶縁膜11と第1導電性プラグ32aのそれぞれの上にチタン膜を厚さ約20nmに形成し、このチタン膜を下地導電膜16とする。
なお、この下地導電膜16を形成する前に、第1層間絶縁膜11と第1導電性プラグ32aのそれぞれの上面に対しアンモニアプラズマ処理を予め行ってもよい。このアンモニアプラズマ処理を行うことで、第1層間絶縁膜11上に堆積したチタン原子が絶縁膜11表面の酸素原子に捕獲され難くなるので、チタン原子が第1層間絶縁膜11の表面を自在に移動できるようになり、(002)方向に強く自己組織化したチタンよりなる下地導電膜16を形成することが可能となる。
その後に、下地絶縁膜16に対し、窒素雰囲気中において基板温度を650℃、処理時間を60秒とするRTAを行う。これにより、チタンよりなる下地導電膜16が窒化され、(111)方向に配向した窒化チタンで下地導電膜16が構成されることになる。
更に、この下地導電膜16の上に導電性酸素バリア膜17として窒化チタンアルミニウム膜を反応性スパッタ法で100nmの厚さに形成する。
次に、図25(c)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1実施形態と同じ成膜条件を採用して、スパッタ法により導電性酸素バリア膜17の上にチタン膜を厚さ約50nmに形成し、このチタン膜を導電性拡散防止膜22とする。
更に、窒素雰囲気中におけるRTAにより導電性拡散防止膜22中のチタンを窒化し、(111)方向に配向した窒化チタンで導電性拡散防止膜22を構成する。そのRTAは、例えば基板温度を650℃にして行われる。
続いて、この導電性拡散防止膜22の上に、第1導電膜23としてスパッタ法によりプラチナ膜を厚さ約100nmに形成する。
その後に、アルゴン雰囲気中で基板温度を650℃以上にするRTAを第1導電膜23に対して60秒間行う。このRTAにより、第1導電膜23、導電性拡散防止膜22、及び導電性酸素バリア膜17のそれぞれの密着性が向上すると共に、第1導電膜23の結晶性も改善される。
続いて、図26(a)に示すように、第1導電膜23の上にスパッタ法で第1強誘電体膜24bとしてPZT膜を1nm〜50nm程度の厚さに薄く形成する。なお、ゾル・ゲル法で第1強誘電体膜24bを形成してもよい。
ここで、第1強誘電体膜24bの電気的特性を向上させるために、第1強誘電体膜24bを構成するPZTに、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、及びニオブのいずれかを添加してもよい。
また、第1強誘電体膜24bはPZTに限定されず、ABO3型ペロブスカイト構造(A=Bi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類元素のいずれか一つ、B=Ti、Zr、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Co、及びCrのいずれか一つ)を有する強誘電性材料、例えばBLT等で第1強誘電体膜24bを構成してもよい。
更に、(Bi1-xRx)Ti3O12(Rは希土類元素で0<x<1)、SrBi2Ta2O9(SBT)、及びSrBi4Ti4O15等のBi層状構造化合物も、結晶の一単位としてみればABO3型ペロブスカイト構造となるため、第1強誘電体膜24bの構成材料として適用し得る。
ここで、スパッタ法やゾル・ゲル法で形成された第1強誘電体膜24bは成膜の時点では結晶化していない。
そこで、次の工程では、図26(b)に示すように、第1強誘電体膜24bに対して結晶化アニールを行い、第1強誘電体膜24中のPZTを結晶化させて(111)方向に配向させる。なお、この結晶化アニールの条件は、第1実施形態の図9(b)で説明したのと同じなので、ここでは省略する。
続いて、図27(a)に示すように、MOCVD法により第1強誘電体膜24cの上にPZT膜を約80nmの厚さに形成し、このPZT膜を第2強誘電体膜24cとする。MOCVD法により第1強誘電体膜24cの成膜条件としては、例えば、第1実施形態の図10(a)で説明した条件を採用し得る。
そして、このようにして形成された各強誘電体膜24c、24dにより強誘電体膜24が構成される。
続いて、図27(b)に示すように、第1実施形態で説明した図10(b)の工程を行うことにより、いずれも酸化イリジウムよりなる第1導電性酸化金属膜25dと第2導電性酸化金属膜25eを強誘電体膜24上に形成し、これらの膜を導電性酸化金属膜25bとする。
更に、図28(a)に示すように、第1実施形態におけるのと同じ成膜条件を採用して、導電性酸化金属膜25bの上に導電性向上膜25cとしてイリジウム膜をスパッタ法により厚さ50nm〜100nmに形成する。
そして、この導電性向上膜25cと導電性酸化金属膜25bとにより第2導電膜25が構成されることになる。
次に、図28(b)に示すように、スパッタ法で第2導電膜25の上に窒化チタンよりなる第1マスク材料層26を形成する。
また、TEOSガスを使用するプラズマCVD法を用いて第1マスク材料層36の上に酸化シリコン膜を形成し、その酸化シリコン膜をパターニングして第2ハードマスク27aを形成する。
続いて、図29(a)に示すように、第2ハードマスク27aをマスクにして第1マスク材料層26をエッチングすることにより第1ハードマスク26aを形成する。
次いで、第1、第2ハードマスク26a、27aで覆われていない部分の第2導電膜25、強誘電体膜24、第1導電膜23、及び導電性拡散防止膜22をドライエッチングする。これにより、下部電極23a、キャパシタ誘電体膜24a、及び上部電極25aを備えたキャパシタQが形成されると共に、下部電極23aの下に導電性拡散防止膜22が島状に残される。
なお、このドライエッチングの条件は、第1実施形態で図12(b)を参照して説明したので省略する。
また、上記のドライエッチングを行っても、導電性酸素バリア膜17はエッチングされずに下地導電膜16の全面に残存する。
次に、図29(b)に示すように、ウエットエッチング又はドライエッチングにより第2ハードマスク27aを除去する。ウエットエッチングの場合は、過酸化水素、アンモニア、及び水の混合溶液がエッチング液として用いられる。
続いて、図30(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1ハードマスク26aをマスクにしながら、アルゴンと塩素との混合ガスをエッチングガスとして用い、下地導電膜16と導電性酸素バリア膜17とをドライエッチングし、これらの膜をキャパシタQの下にのみ残す。
なお、このエッチングガスに対し第1ハードマスク26aもエッチングされるため、エッチングの終了時には第1ハードマスク26aは除去され、上部電極25aの上面が露出する。
次に、図30(b)に示すように、水素等の還元性物質からキャパシタQを保護するために、シリコン基板1の上側全面に、第1キャパシタ保護絶縁膜39としてアルミナ膜を厚さ約20nmに形成する。
そして、キャパシタQを形成する際のドライエッチング(図29(a)参照)や、スパッタ法による第1キャパシタ保護絶縁膜39の成膜時にキャパシタ誘電体膜24aが受けたダメージを回復させるため、酸素含有雰囲気中においてキャパシタ誘電体膜24aに対して回復アニールを施す。この回復アニールの条件は、炉内において基板温度を550℃〜700℃、例えば650℃とし、約60分間行われる。
その後に、第1キャパシタ保護絶縁膜39の上に、CVD法によりアルミナ膜を厚さ約20nmに形成し、このアルミナ膜を第2キャパシタ保護絶縁膜40とする。
次いで、図31(a)に示すように、TEOSガスを反応ガスとするプラズマCVDにより、第2キャパシタ保護絶縁膜40の上に第2層間絶縁膜41として酸化シリコン膜を形成する。その反応ガスには、酸素ガスとヘリウムガスも含まれる。また、第2層間絶縁膜41は、シリコン基板1の平坦面上で1500nmの厚さを有する。
なお、酸化シリコン膜に代えて、絶縁性の無機膜を第2層間絶縁膜41として形成してもよい。
その後に、CMP法により第2層間絶縁膜41の表面を研磨して平坦化する。
次に、図31(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2層間絶縁膜41の表面をN2Oプラズマに曝すことにより、第2層間絶縁膜41内に残留する水分を除去すると共に、第2層間絶縁膜41への水分の再吸収を防止する。
なお、この脱水処理としてN2プラズマ処理を行ってもよい。
次いで、カバー絶縁膜10、第1、第2層間絶縁膜11、41、及び第1、第2キャパシタ保護絶縁膜39、40をパターニングすることにより、第2ソース/ドレイン領域8bの上のこれらの絶縁膜に第1ホール41cを形成する。
そして、この第1ホール41c内にグルー膜とタングステン膜とを順に形成した後、第2層間絶縁膜41上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法により研磨して除去し、これらの膜を第1ホール41c内にのみ第2導電性プラグ54として残す。
その第2導電性プラグ54は、ビット線の一部を構成し、第2ソース/ドレイン領域8bと電気的に接続される。
ところで、第2導電性プラグ54は、酸化され易いタングステンを主にして構成されるため、プロセス中で酸化されるとコンタクト不良を起こし易い。
そこで、第2導電性プラグ54の酸化を防止するため、第2層間絶縁膜41と第2導電性プラグ54のそれぞれの上面に酸窒化シリコン膜を厚さ約100nmに形成し、この酸窒化シリコン膜を酸化防止絶縁膜55とする。
次に、図32(a)に示すように、第1、第2キャパシタ保護絶縁膜39、40、第2層間絶縁膜41、及び酸化防止絶縁膜55をパターニングすることにより、上部電極25aの上のこれらの絶縁膜に第2ホール41dを形成する。
この第2ホール41dを形成した後、ここまでの工程でキャパシタ誘電体膜24aが受けたダメージを回復させるため、酸素含有雰囲気中でアニールを行ってもよい。このようにアニールをしても、第2導電性プラグ54の酸化は酸化防止絶縁膜55によって防止される。
この後に、酸化防止絶縁膜55をエッチバックして除去する。
続いて、図33(b)に示すように、第2層間絶縁膜41と第2導電性プラグ54のそれぞれの上面にスパッタ法で金属積層膜を形成し、この金属積層膜をパターニングして金属配線57aとビット線用の導電性パッド57bとを形成する。
その金属積層膜は、例えば、厚さ60nmのチタン膜、厚さ30nmの窒化チタン膜、厚さ400nmの銅含有アルミニウム膜、厚さ5nmのチタン膜、及び厚さ70nmの窒化チタン膜をこの順に形成してなる。
以上により、本実施形態に係る半導体装置の基本構造が完成したことになる。
上記した本実施形態では、第1実施形態の第3導電性プラグ36aや下地絶縁膜15を形成しないので、第1実施形態と比較して工程の簡略化が図られる。
更に、第2ソース/ドレイン領域8b上でビット線の一部を構成する第2導電性プラグ54が一段しかないので、二段の導電性プラグ32b、47bを形成する第1実施形態よりも簡単な構造となる。
しかも、第1実施形態と同様に、下部電極23aと導電性酸素バリア膜17との間に導電性拡散防止膜22を設けたので、キャパシタQの形成時にキャパシタ誘電体膜24a中の鉛原子が熱拡散するのを導電性拡散防止膜22により阻止することができ、鉛と導電性酸素バリア膜17との化学反応に起因して発生する下部電極23aの膜剥がれと膜の膨張とを防止することが可能となる。
以下に、本発明の特徴を付記する。
(付記1) 半導体基板に形成された不純物拡散領域と、
前記半導体基板の上方に形成され、前記不純物拡散領域の上方にホールを備えた層間絶縁膜と、
前記ホール内に形成され、前記不純物拡散領域と電気的に接続された導電性プラグと、
前記導電性プラグ上とその周囲の前記層間絶縁膜上とに形成された導電性酸素バリア膜と、
前記導電性酸素バリア膜上に形成された導電性拡散防止膜と、
前記導電性拡散防止膜の上に形成され、プラチナ又はパラジウムが上面に表出する下部電極、強誘電体材料よりなるキャパシタ誘電体膜、及び上部電極を備えたキャパシタとを有し、
前記導電性拡散防止膜が、前記キャパシタ誘電体膜の構成元素の拡散を防止する酸化物以外の導電性材料よりなることを特徴とする半導体装置。
(付記2) 前記キャパシタ誘電体膜はABO3型ペロブスカイト構造(A=Bi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類元素のいずれか一つ、B=Ti、Zr、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Co、及びCrのいずれか一つ)を有し、
前記導電性拡散防止膜は、前記キャパシタ誘電体膜のAサイトの元素の拡散を防止することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記3) 前記キャパシタ誘電体膜はPZTであり、
前記導電性拡散防止膜と前記導電性酸素バリア膜との界面に鉛が存在しないことを特徴とする付記2に記載の半導体装置。
(付記4) 前記導電性拡散防止膜を構成する前記導電性材料は、前記キャパシタ誘電体膜と同じ配向を持つ導電性結晶材料であることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記5) 前記配向の向きは、(111)方向であることを特徴とする付記4に記載の半導体装置。
(付記6) 前記導電性拡散防止膜を構成する前記導電性材料は、イリジウム又はルテニウムを含む合金、又は、導電性金属窒化物であることを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
(付記7) 前記合金は、タングステン、タンタル、プラチナ、ロジウム、レニウム、金、及びオスミウムのうちの少なくとも一つと、イリジウム又はルテニウムとの合金であることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記8) 前記導電性金属窒化物は、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化タンタル、窒化クロム、及び窒化ニオブのうちのいずれかであることを特徴とする付記6に記載の半導体装置。
(付記9) 前記下部電極は、前記導電性拡散防止膜よりも厚いことを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記10) 前記キャパシタ誘電体膜は、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、及びニオブのいずれかが添加元素としてドープされたPZTよりなる第1強誘電体膜と、該第1強誘電体膜の上に形成され、前記添加元素がドープされていないPZTよりなる第2強誘電体膜とを有することを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
(付記11) 前記第1強誘電体膜は、前記第2強誘電体膜よりも薄いことを特徴とする付記10に記載の半導体装置。
(付記12) 半導体基板に第1不純物拡散領域を形成する工程と、
前記半導体基板の上方に第1層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第1不純物拡散領域の上方の前記第1層間絶縁膜に第1ホールを形成する工程と、
前記ホール内に、前記第1不純物拡散領域と電気的に接続された第1導電性プラグを形成する工程と、
前記第1層間絶縁膜と前記第1導電性プラグのそれぞれの上に導電性酸素バリア膜を形成する工程と、
前記導電性酸素バリア膜の上に導電性拡散防止膜を形成する工程と、
前記導電性拡散防止膜の上に、プラチナ又はパラジウムが上面に表出する第1導電膜を形成する工程と、
前記第1導電膜の上に強誘電体膜を形成する工程と、
前記強誘電体膜の上に第2導電膜を形成する工程と、
前記導電性拡散防止膜、前記第1導電膜、前記強誘電体膜、及び前記第2導電膜をパターニングすることにより、下部電極、キャパシタ誘電体膜、及び上部電極を備えたキャパシタを形成すると共に、前記導電性拡散防止膜を前記下部電極の下に島状に残す工程と、
前記下部電極で覆われていない領域の前記導電性酸素バリア膜を除去する工程とを有し、
前記導電性拡散防止膜として、前記キャパシタ誘電体膜の構成元素の拡散を防止する酸化物以外の導電性材料よりなる膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記13) 前記強誘電体膜を形成する工程は、
前記第1導電膜の上に、スパッタ法又はゾル・ゲル法により第1強誘電体膜を形成する工程と、
前記第1強誘電体膜をアニールして結晶化する工程と、
前記第1強誘電体膜の上にMOCVD法により第2強誘電体膜を形成し、該第2強誘電体膜と前記第1強誘電体膜とで前記強誘電体膜を構成する工程とを有することを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14) 前記第2強誘電体膜を形成する工程は、酸素含有雰囲気中で前記半導体基板を昇温した後、原料ガスの雰囲気中において前記第2強誘電体膜を形成することを特徴とする付記13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記15) 前記半導体基板を昇温した後であって、前記第2強誘電体膜を形成する前に、溶媒ガスの雰囲気中に前記第1強誘電体膜を曝すことを特徴とする付記14に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16) 前記キャパシタ誘電体膜として、ABO3型ペロブスカイト構造(A=Bi、Pb、Ba、Sr、Ca、Na、K、及び希土類元素のいずれか一つ、B=Ti、Zr、Nb、Ta、W、Mn、Fe、Co、及びCrのいずれか一つ)を有する膜を形成し、
前記導電性拡散防止膜として、前記キャパシタ誘電体膜のAサイトの元素の拡散を防止する膜を形成することを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記17) 前記第2導電膜を形成する工程は、
前記強誘電体膜の上に第1導電性酸化金属膜を形成する工程と、
前記第1導電性酸化金属膜に対してアニールを行う工程と、
前記アニールの後、前記第1導電性酸化金属膜の上に、該第1導電性酸化金属膜よりも酸素含有量が多い第2導電性酸化金属膜を形成する工程とを有することを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記18) 前記第1層間絶縁膜と前記第1導電性プラグの上に下地絶縁膜を形成する工程と、
前記第1導電性プラグの上の前記下地絶縁膜に第2ホールを形成する工程と、
前記第2ホールに、前記第1導電性プラグと電気的に接続された第2導電性プラグを形成する工程と、
前記第2導電性プラグと前記下地絶縁膜のそれぞれの上に平坦化用導電膜を形成する工程と、
前記平坦化用導電膜を平坦化する工程とを更に有し、
前記導電性酸素バリア膜を形成する工程において、前記平坦化された平坦化用導電膜の上に前記導電性酸素バリア膜を形成することを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記19) 前記平坦化用導電膜を平坦化する工程において、該平坦化用導電膜を研磨することにより、前記第2導電性プラグの上にのみ該平坦化用導電膜を残すことを特徴とする付記18に記載の半導体装置の製造方法。
(付記20) 前記半導体基板に第2不純物拡散領域を形成する工程と、
前記キャパシタを覆う第2層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第2不純物拡散領域の上の前記第1層間絶縁膜及び前記第2層間絶縁膜に第3ホールを形成する工程と、
前記第3ホール内に、前記第2不純物拡散領域と電気的に接続された第3導電性プラグを形成する工程とを更に有することを特徴とする付記12に記載の半導体装置の製造方法。
1…シリコン基板、2…素子分離絶縁膜、3…pウェル、4…ゲート絶縁膜、5…ゲート電極、6a、6b…第1、第2ソース/ドレインエクステンション、7…絶縁性サイドウォール、8a、8b…第1、第2ソース/ドレイン領域、10…カバー絶縁膜、11…第1層間絶縁膜、14…酸化防止絶縁膜、15…下地絶縁膜、16…導電性密着膜、17…導電性酸素バリア膜、22…導電性拡散防止膜、23…第1導電膜、23a…下部電極、24…強誘電体膜、24a…キャパシタ誘電体膜、24b…第1強誘電体膜、24c…第2強誘電体膜、25…第2導電膜、25a…上部電極、25b…酸化金属膜、25c…導電性向上膜、25d…第1酸化金属膜、25e…第2酸化金属膜、26…第1マスク材料層、26a…第1ハードマスク、27…第2マスク材料層、27a…第2ハードマスク、32a、32b…第1、第2導電性プラグ、35…グルー膜、36…プラグ用導電膜、36a…第3導電性プラグ、39…第1キャパシタ保護絶縁膜、40…第2キャパシタ保護絶縁膜、41…第2層間絶縁膜、42…第3キャパシタ保護絶縁膜、43…キャップ絶縁膜、47a、47b…第4、第5導電性プラグ、49a、57a…金属配線、49b、57b…導電性パッド、50…平坦化用導電膜、51…導電性密着膜、54…第2導電性プラグ、55…酸化防止絶縁膜。