図1は、本発明を適用した車両盗難防止装置の一実施の形態の構成例を示している。
図1の車両盗難防止装置1は、自動車等の車両に搭載され、その搭載された車両の盗難を防止する。車両盗難防止装置1は、生体情報を用いた認証を行う生体認証機能、車両に対応する電子鍵に記憶されているIDコードの認証を行うID認証機能、パスワードを用いた認証を行うパスワード認証機能などを有する。
車両盗難防止装置1は、自車状態検出部11、モード変更入力部12、パスワード・制限情報入力部13、運転者状態検出部14、出力部15、認証装置16、および車両制御部17とから構成される。
また、認証装置16は、ID認証部21、生体認証部22、認証制御部23、および記憶部24により構成されている。
認証装置16は、通常モード、生体認証モード、パスワード認証モード、および暫定許可モードの4つのモードを有しており、自車状態検出部11、モード変更入力部12などからの各種の情報に基づいて、現在のモードを制御し、認証の方法を切り替える。
そこで、初めに、図2を参照して、通常モード、生体認証モード、パスワード認証モード、および暫定許可モードの各モードについて説明する。
図2は、モードの状態遷移図を示している。
通常モードは、運転者の認証が終了し、自車(車両盗難防止装置1が搭載されている車両)が走行可能状態または走行中である場合のモードである。
ここで、走行可能状態とは、車両が停止しており、かつ、運転者がブレーキを解除してアクセルペダルを踏み込むことによって車両が走行を開始する状態である。即ち、車両が走行可能状態であれば、停止している車両において運転者がブレーキを解除してアクセルペダルを踏み込むことによって車両が走行を開始するように制御され、車両が走行可能状態および走行中のいずれでもなければ、運転者がどんな操作を行っても車両が走行を開始しないように制御される。
例えば、エンジンの動力によって走行する車両の場合には、走行可能状態とは、エンジンが駆動しており、運転者がブレーキを解除してアクセルペダルを踏み込むことによってエンジンの動力で車両が走行を開始する状態である。また、車両が走行用モータの動力によっても走行することができるハイブリッド自動車である場合には、走行可能状態とは、エンジンの駆動に関わらず、アクセルペダルを踏み込むことによって車両が走行を開始する状態である。また、車両が走行用モータの動力のみによって走行する電気自動車である場合には、走行可能状態とは、運転者の運転操作によって走行を開始する状態である。
従って、本発明を適用した車両盗難防止装置1が搭載される車両には、エンジンの動力のみによって駆動され走行する車両の他、モータによって駆動され走行するハイブリッド自動車や電気自動車も含まれる。車両盗難防止装置1がハイブリッド自動車や電気自動車に搭載された場合には、走行用モータによって走行可能であるため、上述したように、エンジンが駆動していなくても、車両が走行可能状態(後述する自車状態情報が“停止中”の状態)となることがあり得る。ただし、以下では、説明を簡単にするため、エンジンの動力のみで走行する車両に車両盗難防止装置1が搭載された場合の例を説明する。
乗車した運転者の認証が、生体認証モード、パスワード認証モード、または暫定許可モードのいずれかにおいて成功した場合、モードが通常モードとなる。運転者が降車するときには、モードは、通常モードから、生体認証モード、パスワード認証モード、または暫定許可モードのいずれかに遷移する。例えば、降車するとき、運転者がパスワード認証モードに設定する操作を行った場合には、モードは、パスワード認証モードに移行する。また、運転者が暫定許可モードに設定する操作を行った場合には、モードは、暫定許可モードに移行する。一方、運転者が、降車するときに何らの操作も行わない場合には、モードは、通常モードから生体認証モードに移行する。
生体認証モードは、生体認証を必ず必要とするモードである。降車するとき運転者が何らの操作も行わない場合、モードは、通常モードから生体認証モードに移行する。運転者が次に乗車したとき、生体認証が成功すれば、モードは、生体認証モードから通常モードに移行する。
なお、以下では、車両を運転する運転者で生体認証のための生体情報の登録を完了している運転者を登録運転者と称する。登録運転者は、例えば、車両の所有者などである。また、登録運転者以外の運転者で、車両を一時的に運転する運転者を他の運転者と称する。登録運転者と他の運転者を区別しないときは、単に運転者と称する。
パスワード認証モードは、生体認証は必要とはしないが、パスワード認証を必要とするモードである。登録運転者がパスワード認証モードに設定する操作を行うことにより、モードは、通常モードからパスワード認証モードに移行する。他の運転者が乗車したとき、パスワード認証による認証が成功すれば、モードは、パスワード認証モードから通常モードに移行する。
また、パスワード認証モードでは、そのモードが許容される期限、期間、地域等の制限情報を設定することができ、例えば、所定期間の経過など、許容制限が解除された場合には、モードがパスワード認証モードから生体認証モードに移行する。
暫定許可モードは、事前の生体情報の登録もパスワードの登録も必要としないモードである。登録運転者が暫定許可モードに設定する操作を行うことにより、モードは、暫定許可モードに移行する。そして、他の運転者が乗車したとき、乗車した他の運転者の生体情報を取得し、暫定許可者として登録する処理が終了した場合、モードが暫定許可モードから通常モードに移行する。
暫定許可モードでは、パスワード認証モードと同様に、そのモードが許容される制限情報がデフォルトで、または、登録運転者の入力により設定されている。この登録運転者により入力される制限情報は、暫定許可者としての他の運転者による運転が可能な条件を表す情報であると言える。例えば、所定期間の経過など、許容制限が解除された場合、モードは、暫定許可モードから生体認証モードに移行し、暫定許可者による発車は禁止される。また、暫定許可モードで車両の電源がOFFされたときも、モードが暫定許可モードから生体認証モードに移行する。
なお、電子鍵に記憶されたIDコードによるID認証は、常に実行され、有効である。また、電子鍵は、必ずしも鍵形状をしている必要はなく、IDコードを送信する通信機能を備え、登録運転者に携帯される機器(携帯機)であればよい。
図1に戻り、車両盗難防止装置1の各部について説明する。
自車状態検出部11は、車両の情報から、現在の自車状態を検出し、その検出結果を自車状態情報として認証制御部23に供給する。
ここで、自車状態情報として認証制御部23に供給される、自車状態の検出結果には、エンジンが駆動して走行している状態である“走行中”、エンジンが駆動して停止している状態である“停止中”、エンジンが駆動せずIG(イグニッション)スイッチがACC(Accessories)の位置にある状態(以下、“ACC状態”という)、および、エンジンが駆動せずIGスイッチがオフの位置にある状態(以下、“OFF状態”という)が存在する。なお、“停止中”におけるIGスイッチはONの位置にある。
また、現在の自車状態を検出するために使用される車両の情報には、シフトレバーの位置を表すシフト情報、サイドブレーキのオンまたはオフを表すサイドブレーキ情報、フットブレーキの圧力を表すフットブレーキ情報、アクセルの開度を表すアクセル情報、車速を検出するためのパルス情報である車速パルス情報、IGスイッチの位置情報などがある。
モード変更入力部12は、モードをパスワード認証モードまたは暫定許可モードに設定する場合の、登録運転者による入力を受け付ける。モード変更入力部12は、例えば、パスワード認証モードと暫定許可モードそれぞれに対応する操作ボタン(スイッチ)として、操作パネル上に設けられている。登録運転者は、操作ボタンを操作することにより、パスワード認証モードまたは暫定許可モードのいずれかのモードを設定する。モード変更入力部12は、操作内容に応じて、パスワード認証モードまたは暫定許可モードのいずれかのモードを表すモード変更情報を認証制御部23に供給する。
パスワード・制限情報入力部13は、例えば、操作パネル上に配置されたタッチパネルやテンキーなどの操作ボタンにより構成される。パスワード・制限情報入力部13は、パスワード認証モードにおいて使用されるパスワードの入力を受け付ける。また、パスワード・制限情報入力部13は、パスワード認証モードまたは暫定許可モードが許容される期限、期間、地域等の制限情報の入力を受け付ける。入力された制限情報およびパスワードは、それぞれ、制限情報およびパスワード情報として認証制御部23に供給される。
なお、暫定許可モードにおいてデフォルトで設定される制限情報も、登録運転者が操作ボタンを操作することにより変更することができる。
モード変更入力部12およびパスワード・制限情報入力部13は、ウィンカー操作部、ワイパー操作部、オーティオ等の車両に本来装着されている車両装備品で兼用することも可能である。例えば、運転者が、車両装備品に対し、予め決められた操作を行うことで、制限情報およびパスワードとしての情報を入力することもできる。また、パスワード・制限情報入力部13は、マイクおよび音声認識処理部を備え、運転者が音声によってパスワード、制限情報などを入力するようにしてもよい。
運転者状態検出部14は、運転者が運転席に存在するか、または、存在しないかを検出し、その検出結果を運転者在席情報として認証制御部23に供給する。運転者状態検出部14は、例えば、運転席の着座センサ、ドア開閉センサ、運転者モニタカメラ、フットブレーキ情報等の車両の情報を、運転者の在席または不在の検出に利用することができる。
出力部15は、例えば、液晶画面やスピーカなどを有し、「パスワードを入力して下さい」等のメッセージを、必要に応じて文字情報として表示したり、音声として出力する。また、出力部15は、遠距離の無線通信を行う送受信部を有し、認証結果の不一致などにより、他の運転者が悪意の第三者であることが疑われる場合には、警報としてのブザーを鳴動させるとともに、無線通信により、認証結果の不一致を登録運転者または警備会社等に通知する。
認証装置16のID認証部21は、車両固有のIDコード(識別情報)を記憶させた電子鍵の認証を行う。即ち、ID認証部21は、電子鍵と近距離無線通信を行い、電子鍵のIDコードを受信して、記憶部24に記憶されているIDコードと一致している場合に、電子鍵の認証が成功したことを表すID認証結果を認証制御部23に供給する。また、ID認証部21は、電子鍵による認証が成功した場合、ドアの開閉を許容することを表すドア開閉制御信号を車両制御部17に供給する。
なお、盗聴防止のため、IDコードは暗号化された状態でやりとりされ、ID認証部21は、受信したIDコードを復号して、記憶部24のIDコードと比較する。また、認証するためのIDコードは、単一の情報であってもよいし、複数の情報であってもよい。
生体認証部22は、生体情報取得部31と識別処理部32とから構成される。
生体認証部22は、運転者の生体情報に基づいて、乗車した運転者が予め登録された登録運転者であるか否かを認証する。生体認証部22は、生体認証の認証結果を認証制御部23に供給する。
生体情報取得部31は、登録運転者となる運転者の、指紋、虹彩、静脈、顔の画像、声紋等の生体情報を取得し、記憶部24に記憶する。また、生体情報取得部31は、運転者が乗車してきた際、その乗車した運転者の生体情報を取得する。生体情報取得部31は、例えば、インストルメンタル・パネル(Instrumental Panel)に取り付けられたドライバモニタカメラ、操作パネルに配置された指紋センサ等により構成される。
識別処理部32は、運転者が乗車した際に生体情報取得部31で取得された生体情報が、予め登録され、記憶部24に記憶されている登録運転者の生体情報と一致するかを判定する。そして、識別処理部32は、登録運転者の生体情報と一致したか否かの判定結果を生体認証結果として、認証制御部23に供給する。
なお、本実施の形態では、運転者の、指紋、虹彩、静脈、顔の画像、声紋、網膜等の生体情報を取得し、照合するものとするが、本人固有の情報であれば、身体的特徴、行動的特徴を利用して、認証することも可能である。
認証制御部23は、ID認証部21からのID認証結果、生体認証部22からの生体認証結果等に基づいて、図2を参照して説明したモードの管理を行う。例えば、認証制御部23は、通常モード、生体認証モード、パスワード認証モード、および暫定許可モードのそれぞれにフラグ(値)を設定し、現在のモードフラグに、対応する各モードのフラグを代入することで、モードを管理する。そして、認証制御部23は、現在のモードが通常モードとなっている場合にのみ、発車を許可する発車制御信号を車両制御部17に供給する。
ID認証部21、生体認証部22、および認証制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)を有するコンピュータとして構成し、コンピュータが所定のプログラムを実行することにより、上述した処理を行わせることができる。
記憶部24は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やハードディスクなどにより構成され、生体認証部22の生体認証処理で使用される生体情報を記憶する。また、記憶部24は、ID認証部21、生体認証部22、および認証制御部23が実行するプログラムを記憶する。
車両制御部17は、車両の駆動を統合制御する。例えば、車両制御部17は、ID認証部21から供給されるドア開閉制御信号に基づいて、ドアの開閉を制御する。また、車両制御部17は、認証制御部23から供給される発車制御信号に基づいて、発車を許可または禁止する制御を行う。具体的には、発車を禁止する場合には、車両制御部17は、ブレーキの解除を禁止したり、シフトレバーの変更を禁止したりすることにより、エンジンON状態でも走行を禁止する。
上述したように、車両制御部17には、現在のモードが通常モードである場合にのみ、発車を許可する発車制御信号が供給されるので、現在のモードが通常モードである場合にのみ、運転者は、車両を走行させることができる。
次に、図3のフローチャートを参照して、認証装置16によるモード制御処理について説明する。
電子鍵の認証を行うID認証処理は、エンジンがオフされている状態であるときにも実行する必要があるため、認証装置16はバッテリにより駆動され、図3の処理は常時実行される。ただし、認証装置16の生体認証部22は、運転者が乗車しなければ不要であるため、生体認証部22の電源はオフされている。
初めに、ステップS1において、認証制御部23は、自車状態検出部11からの自車状態情報に基づいて、自車状態がOFF状態であるかを判定する。
ステップS1で、自車状態がOFF状態ではないと判定された場合、即ち、自車状態が走行中、停止中、またはACC状態である場合、処理はステップS2に進む。
ステップS2では、認証制御部23は、自車状態が停止中またはACC状態であるかを判定する。ステップS2で、自車状態が停止中またはACC状態ではないと判定された場合、即ち、自車状態が走行中である場合、処理はステップS1に戻る。
一方、ステップS2で、自車状態が停止中またはACC状態であると判定された場合、処理は後述するステップS8に進む。
一方、ステップS1で、自車状態がOFF状態であると判定された場合、処理はステップS3に進み、ID認証部21は、電子鍵を検出したかを判定する。
ステップS3で、電子鍵を検出していないと判定された場合、処理はステップS1に戻る。
また、ステップS3で、電子鍵を検出したと判定された場合、処理はステップS4に進み、ID認証部21は、検出された電子鍵と近距離無線通信を行うことにより、ID認証を実行する。即ち、ID認証部21は、電子鍵から送信されてくるIDコードと、記憶部24に記憶されているIDコードとを比較する。
ステップS5において、ID認証部21は、電子鍵のIDコードが記憶部24に記憶されているIDコードと一致したかを判定する。ステップS5で、IDコードが一致していないと判定された場合、ステップS6において、ID認証部21は、ID認証の結果(ID認証結果)を認証制御部23に供給し、認証制御部23は、IDコード不一致を電子鍵の所有者に通知する。例えば、認証制御部23は、出力部15としてのスピーカにブザーの鳴動を指示し、出力部15が、IDコード不一致を表すブザーを鳴動する。
一方、ステップS5で、IDコードが一致したと判定された場合、ステップS7において、ID認証部21は、ID認証結果を認証制御部23に供給し、認証制御部23は、生体認証部22の電源をONにするとともに、モードフラグを記憶部24から読み出す。
ステップS8において、認証制御部23は、記憶部24から読み出したモードフラグに基づいて、現在のモードが何のモードであるかを判定する。
ステップS8で、現在のモードが通常モードであると判定された場合、処理はステップS9に進み、認証制御部23は、通常モード処理を実行する。通常モード処理の詳細は、図4を参照して後述する。
また、ステップS8で、現在のモードがパスワード認証モードであると判定された場合、処理はステップS10に進み、認証制御部23は、パスワード認証モード処理を実行する。パスワード認証モード処理の詳細は、図5を参照して後述する。
一方、ステップS8で、現在のモードが生体認証モードであると判定された場合、処理はステップS11に進み、認証制御部23は、生体認証モード処理を実行する。生体認証モード処理の詳細は、図6を参照して後述する。
また、ステップS8で、現在のモードが暫定許可モードであると判定された場合、処理はステップS12に進み、認証制御部23は、暫定許可モード処理を実行する。暫定許可モード処理の詳細は、図7を参照して後述する。
ステップS9乃至S12の処理後、ステップS13において、認証制御部23は、運転者によって、車両の電源をOFFにする操作がされたかを判定する。
ステップS13で、車両の電源をOFFにする操作がされていないと判定された場合、処理はステップS1に戻る。
一方、ステップS13で、車両の電源をOFFにする操作がされたと判定された場合、即ち、OFF状態の自車状態情報が自車状態検出部11から供給された場合、ステップS14において、認証制御部23は、車両の電源をOFFするための準備処理である車両電源OFF準備処理を実行する。車両電源OFF準備処理の詳細は、図8を参照して後述するが、車両の電源がOFFされるときには、モードが、パスワード認証モードか、または、生体認証モードのいずれかに設定される。
そして、ステップS15において、認証制御部23は、現在のモードを保存する。即ち、認証制御部23は、現在のモードに対応するモードフラグを記憶部24に記憶させる。
その後、ステップS16において、認証制御部23は、生体認証部22の電源をOFFにして、処理をステップS1に戻す。
以上、説明したモード制御処理について、運転者が車両に乗車し、運転して、降車するまでの各シーン(場面)に対応して、上述した各ステップの処理の流れを説明する。
初めに、車両の電源がOFFでドアが施錠されている状態で、電子鍵を有する登録運転者が車両から離れているシーンでは、電子鍵が検出されるまで、ステップS1,S3の処理が繰り返し実行される。
そして、電子鍵を有する登録運転者が車両に近づき、電子鍵が検出されると、ステップS1,S3,S4の処理が実行され、ID認証が実行される。ID認証が失敗した場合には、ステップS6の処理後、処理は、再びステップS1に戻る。
一方、ID認証が成功した場合には、ステップS7の処理、現在のモードに応じた{ステップS9,S10,S11、またはS12}のいずれかの処理、ステップS13の処理が実行され、処理が再びステップS1に戻る。なお、上述したように、車両の電源がOFFされるときは、モードがパスワード認証モードか、または、生体認証モードのいずれかに設定されるので、車両の電源ON直後は、ステップS9またはS10のいずれかの処理が実行されることになる。
車両の電源ON後、自車状態が停止中またはACC状態である場合には、ステップS1,ステップS2,ステップS8,{ステップS9,S10,S11、またはS12のいずれか},ステップS13の処理が繰り返し実行され、現在のモードに応じた処理が実行される。
例えば、登録運転者がパスワード認証モード、または、暫定許可モードに設定する操作を行ったなどにより、現在のモードが遷移し、それに応じて、ステップS9,S10,S11、またはS12のいずれかの処理が実行される。
また、車両の電源ON後、自車状態が走行中である場合には、ステップS1,S2の処理が繰り返し実行されるので、モードが遷移することはなく、現在のモード(ここでのモードは通常モードである)が保持される。
自車状態が停止中またはACC状態であり、車両の電源をOFFする操作が行われた場合には、ステップS13からステップS14に進むので、車両電源OFF準備処理において、モードがパスワード認証モードか、または、生体認証モードのいずれかに設定される。
これにより、車両の電源ON直後には、再び、パスワード認証モードか、または、生体認証モードから、モード制御処理が開始される。
次に、ステップS9乃至S12の各モード処理の詳細と、ステップS14における車両電源OFF準備処理の詳細について説明する。
最初に、図4のフローチャートを参照して、図3のステップS9における通常モード処理の詳細について説明する。
通常モード処理では、初めに、ステップS21において、認証制御部23が、運転者状態検出部14からの運転者在席情報に基づいて、運転者が運転席に存在するかを判定する。
ステップS21で、運転者が運転席に存在しないと判定された場合、即ち、運転者が降車した場合、処理はステップS22に進み、認証制御部23は、発車を禁止する発車制御信号を車両制御部17に供給し、車両の発車を禁止させる。そして、ステップS23において、認証制御部23は、モードを生体認証モードに変更し、処理は図3に戻る。
一方、ステップS21で、運転者が運転席に存在すると判定された場合、処理はステップS24に進み、認証制御部23は、モード変更の入力があるかを判定する。
ステップS24で、モード変更の入力がないと判定された場合、通常モード処理は終了し、処理は図3に戻る。
一方、ステップS24で、モード変更の入力があると判定された場合、即ち、モード変更入力部12において、モードをパスワード認証モードまたは暫定許可モードに設定する操作が登録運転者により行われた場合、処理はステップS25に進む。
ステップS25では、認証制御部23は、パスワード認証モードが指定されたか、即ち、モード変更入力部12において登録運転者によって操作されたモードがパスワード認証モードであったかを判定する。
ステップS25で、パスワード認証モードが指定されたと判定された場合、ステップS26において、認証制御部23は、出力部15に「パスワードを入力してください」等のメッセージを表示または出力させ、登録運転者にパスワードを入力させる。登録運転者は、パスワード・制限情報入力部13においてパスワードを入力する。また、登録運転者は、必要に応じてパスワードの有効期限等の制限情報も入力する。
ステップS27において、認証制御部23は、パスワード・制限情報入力部13からパスワード情報および制限情報を取得し、記憶部24に記憶する。また、認証制御部23は、モードをパスワード認証モードに変更し、処理は図3に戻る。
一方、ステップS25で、登録運転者によって操作されたモードがパスワード認証モードではない、即ち、暫定許可モードが指定されたと判定された場合には、ステップS28において、認証制御部23は、モードを暫定許可モードに変更し、処理は図3に戻る。なお、暫定許可モードでも、制限情報を必要に応じて設定(変更)することができ、この場合、デフォルト以外の設定された制限情報が有効となる。
図4の通常モード処理によれば、自車状態がOFF状態ではない場合に、例えば、登録運転者が何の操作もせず降車したとき、モードが通常モードから生体認証モードに遷移する(ステップS21でNoと判定される場合)。これにより、登録運転者が一時的にまたは完全に降車する場合には、何の操作を行わずとも、生体認証モードの高いセキュリティが確保される。
また、自車状態がOFF状態ではなく、運転席に在席している場合には、通常モードが保持される(ステップS24でNoと判定される場合)。
また、例えば、自車状態がOFF状態ではない場合に、登録運転者がモードをパスワード認証モードに設定する操作を行って降車したとき、モードが通常モードからパスワード認証モードに遷移する(ステップS25でYesと判定される場合)。
一方、例えば、自車状態がOFF状態ではない場合に、登録運転者がモードを暫定許可モードに設定する操作を行って降車したとき、モードが通常モードから暫定許可モードに遷移する(ステップS25でNoと判定される場合)。
これにより、例えば、登録運転者が他の運転者と運転を交代するために降車する場合には、パスワード認証モードまたは暫定許可モードに設定して、交代することができる。
図5は、図3のステップS10におけるパスワード認証モード処理の詳細なフローチャートを示している。
初めに、ステップS31において、認証制御部23は、制限情報に基づいて、パスワード認証モードが有効であるかを判定する。ステップS31で、パスワード認証モードが有効ではないと判定された場合、処理はステップS32に進み、認証制御部23は、モードを生体認証モードに変更して、処理は図3に戻る。
ステップS31で、パスワード認証モードが有効であると判定された場合、処理はステップS33に進み、認証制御部23は、他の運転者によるパスワードの入力を待機する。
パスワードが他の運転者により入力されると、ステップS34において、認証制御部23は、入力されたパスワードが記憶部24に記憶しているパスワードと一致するかを判定する。
ステップS34で、入力されたパスワードが記憶しているパスワードと一致しないと判定された場合、処理はステップS35に進み、認証制御部23は、パスワードの不一致を、出力部15を介して他の運転者に通知する。出力部15では、パスワードが一致しないことを表すメッセージが表示されたり、音声が出力される。
ステップS36において、認証制御部23は、パスワードの不一致を外部へ通知する。例えば、認証制御部23は、他の運転者が悪意の第三者である可能性もあるので、出力部15に、警報のブザーを鳴動させたり、パスワードの不一致を、無線通信により登録運転者や警備会社に通知させる。その後、処理は図3に戻る。
一方、ステップS34で、入力されたパスワードが記憶しているパスワードと一致すると判定された場合、処理はステップS37に進み、認証制御部23は、発車を許可する発車制御信号を車両制御部17に供給し、ステップS38において、モードを通常モードに変更する。その後、処理は図3に戻る。
パスワード認証モードでは、完全に降車していた他の運転者が乗車するようなシーン(場面)に対応する、自車状態がOFF状態であるときに他の運転者が乗車する場合と、エンジンをかけたまま他の運転者が一時的に降車した場合に発生するシーンに対応する、自車状態が停止中、ACC状態、またはOFF状態であるときに他の運転者が乗車する場合の両方がある。パスワード認証モードが有効である場合には、いずれのシーンでも、入力されたパスワードによる認証が成功した場合、モードがパスワード認証モードから通常モードに遷移する(ステップS34でYesと判定される場合)。これにより、パスワード認証された他の運転者による運転が可能となる。
る。
一方、パスワード認証モードが有効でない場合には、モードがパスワード認証モードから生体認証モードに遷移する(ステップS31でNoと判定される場合)。これにより、生体認証モードの高いセキュリティが確保される。
また、パスワード認証モードが有効で、入力されたパスワードによる認証が失敗した場合、パスワード認証の失敗が、警報として、登録運転者や警備会社などに通知されたり、警報のブザーが鳴動する(ステップS34でNoと判定される場合)。これにより、セキュリティが確保される。
図6は、図3のステップS11における生体認証モード処理の詳細なフローチャートを示している。
初めに、ステップS41において、認証制御部23は、生体認証結果を取得する。即ち、認証制御部23は、生体認証部22に生体認証処理を行わせ、その認証結果を生体認証処理部22から取得する。生体認証部22は、運転者の生体情報を取得し、生体認証を実行して得られる認証結果を認証制御部23に供給する。
ステップS42において、認証制御部23は、取得した生体認証結果から、生体認証が成功したかを判定する。ステップS42で、生体認証が成功していないと判定された場合、処理はステップS43に進み、認証制御部23は、認証結果の不一致を他の運転者に通知する。また、ステップS44において、認証制御部23は、認証結果の不一致を外部へ通知する。この処理は、上述したステップS35およびS36におけるパスワード不一致の場合と同様の処理である。そして、ステップS44の後、処理は図3に戻る。
一方、ステップS42で、認証結果が一致したと判定された場合、処理はステップS45に進み、認証制御部23は、発車を許可する発車制御信号を車両制御部17に供給し、ステップS46において、モードを通常モードに変更する。その後、処理は図3に戻る。
以上のように、生体認証モードでは、生体認証が失敗した場合、生体認証の失敗が、警報として、登録運転者や警備会社などに通知されたり、警報のブザーが鳴動する(ステップS42でNoと判定される場合)。これにより、生体認証が成功しない他の運転者は運転することができず、セキュリティが確保される。
一方、生体認証が成功した場合、モードが生体認証モードから通常モードに遷移する(ステップS42でYesと判定される場合)。これにより、生体認証された登録運転者による運転が可能となる。生体認証モードでは、完全に降車していた登録運転者が乗車するようなシーンに対応する、自車状態がOFF状態であるときに登録運転者が乗車する場合と、エンジンをかけたまま登録運転者が一時的に降車するようなシーンに対応する、自車状態が停止中、ACC状態、またはOFF状態であるときに登録運転者が乗車する場合の両方があるが、いずれの場合でも、モードは通常モードに遷移し、運転が可能となる。
図7は、図3のステップS12における暫定許可モード処理の詳細なフローチャートを示している。
初めに、ステップS51において、認証制御部23は、制限情報に基づいて、暫定許可モードが有効であるかを判定する。ステップS51で、暫定許可モードが有効ではないと判定された場合、処理はステップS52に進み、認証制御部23は、モードを生体認証モードに変更し、処理は図3に戻る。
一方、ステップS51で、暫定許可モードが有効であると判定された場合、処理はステップS53に進み、認証制御部23は、運転者状態検出部14からの運転者在席情報に基づいて、運転者が運転席に存在するかを判定する。ここで、運転者が存在する場合の運転者には、登録運転者と他の運転者の両方がある。
ステップS53で、運転者が運転席に存在しないと判定された場合、処理は図3に戻る。
一方、ステップS53で、運転者が運転席に存在すると判定された場合、処理はステップS54に進み、認証制御部23は、生体認証部22に生体認証処理を行わせ、その認証結果を生体認証処理部22から取得する。生体認証部22は、運転者の生体情報を取得し、生体認証を実行して得られる認証結果を認証制御部23に供給する。
ステップS55において、認証制御部23は、取得した生体認証結果から、生体認証が成功したかを判定する。
運転席に存在する運転者が登録運転者である場合には、生体認証は成功する。また、運転席に存在する運転者が他の運転者であって、他の運転者が以前に運転したことがある場合、次のステップS56の処理により、以前取得した他の運転者の生体情報が記憶部24に記憶されているので、この場合も、生体認証が成功したことを表す認証結果が得られる。
一方、運転席に存在する運転者が、初めて乗車する運転者である場合には、生体認証が失敗したことを表す認証結果が得られる。
ステップS55で、生体認証が失敗したと判定された場合、ステップS56において、認証制御部23は、運転席に存在する運転者(他の運転者)を暫定許可者として登録させる。即ち、認証制御部23は、生体認証部22に、取得した他の運転者の生体情報を記憶部24に記憶させる。
そして、ステップS57において、認証制御部23は、モードを通常モードに変更する。
一方、ステップS55で、生体認証が成功したと判定された場合、処理はステップS58に進み、認証制御部23は、運転席に存在する運転者が登録運転者であるかを判定する。
ステップS58で、運転者が登録運転者であると判定された場合、処理は図3に戻る。即ち、暫定許可モードが維持される。
一方、ステップS58で、運転者が登録運転者ではないと判定された場合、処理はステップS57に進み、認証制御部23は、モードを通常モードに変更する。その後、処理は図3に戻る。
従って、図7の暫定許可モード処理によれば、暫定許可モードが有効でない場合には、暫定許可モードから生体認証モードにモードが遷移する(ステップS51でNoと判定される場合)。これにより、登録運転者以外は運転することができず、セキュリティが確保される。
暫定許可モードが有効であり、運転者が運転席に存在しない場合には、暫定許可モードが維持される(ステップS53でNoと判定される場合)。この場合は、登録運転者が暫定許可モードに設定を変更し、他の運転者を待機しているシーンに相当する。
一方、暫定許可モードが有効であり、運転者が運転席に存在する場合(ステップS53でYesと判定される場合)には、登録運転者がモードを暫定許可モードに設定後、運転席にまだ存在しているシーンと、登録運転者がモードを暫定許可モードに設定後、暫定許可者となる他の運転者が乗車した後のシーンの2つのシーンが想定される。
登録運転者がモードを暫定許可モードに設定後、運転席にまだ存在しているシーンでは、暫定許可モードが維持される(ステップS58でYesと判定される場合)。
一方、登録運転者がモードを暫定許可モードに設定後、暫定許可者となる他の運転者が乗車した後のシーンでは、その他の運転者の生体情報を取得し、暫定許可者として登録してから、暫定許可モードから通常モードにモードが遷移する(ステップS55でNo、またはステップS58でNoと判定される場合)。
暫定許可モードへの遷移は、登録運転者により暫定許可モードの設定の操作がされない限り起こらないので、登録される暫定許可者は、基本的には、悪意のある第三者ではない。しかしながら、運転席に乗車した他の運転者を暫定許可者として登録してから通常モードに遷移することで、万が一の暫定許可者の悪用を抑止することができる。従って、セキュリティの確保と、一時的な運転者の利用の利便性を兼ね備えた運用を行うことができる。
図8は、図3のステップS14における車両電源OFF準備処理の詳細なフローチャートを示している。
初めに、ステップS71において、認証制御部23は、現在のモードがパスワード認証モードであるかを判定する。
ステップS71で、現在のモードがパスワード認証モードであると判定された場合、処理はそのまま終了し、図3に戻る。
一方、ステップS71で、現在のモードがパスワード認証モードではないと判定された場合、処理はステップS72に進み、認証制御部23は、モードを生体認証モードに変更し、処理は図3に戻る。
以上の車両電源OFF準備処理によれば、運転者が完全に降車するシーンに対応する、車両の電源がOFFされる場合には、モードは、パスワード認証モードか、または、生体認証モードのいずれかに設定される。従って、次に、車両の電源がONされたときには、ID認証以外に、パスワード認証か、または、生体認証を必ず行うことになるので、電子鍵の盗難など、ID認証だけで防止できない盗難を防止することができ、セキュリティが確保される。
以上のように、車両盗難防止装置1によれば、電子鍵が盗難された場合、車両の電源はOFFであり、モードはパスワード認証モードか、または、生体認証モードとなっているので、電子鍵によるID認証以外の認証が成功しない限り、発車を許可する発車制御信号が車両制御部17に供給されず、悪意の第三者による発車を防止することができる。
また、車両の電源がOFF以外で、電子鍵を挿して(車内に置いて)、登録運転者が一時的に車両から離れた場合には、モードは生体認証モードとなっているので、生体認証が成功しない限り、発車を許可する発車制御信号が車両制御部17に供給されず、悪意の第三者による発車を防止することができる。
さらに、登録運転者が他の運転者に運転を一時的に交代するような場合には、モードをパスワード認証モードまたは暫定許可モードに設定する簡単な操作を行うことで、他の運転者による運転を可能とすることができる。従って、従来の特許文献1および2で提案されている技術のように、生体認証のための生体情報の登録を必要とせず、簡易な操作で、他の運転者による運転を可能とすることができる。
パスワード認証モードでは、操作性の面では、登録運転者がパスワード認証モードに切り替える操作の後、設定したパスワードを暫定許可者に教えるだけでよいので、操作は簡便である。セキュリティの面では、悪意の第三者はパスワードを知ることができないので、悪意の第三者による発車を防止することができる。また、パスワードに制限情報を設定すれば、暫定許可者に対しても制限を与えることができる。
暫定許可モードでは、操作性の面では、登録運転者が暫定許可モードに切り替える操作をするだけでよいので、操作は簡便である。セキュリティの面では、暫定許可モードが有効な制限情報が少なくともデフォルトで設定されており、制限情報により暫定許可モードが無効にされたときはモードが生体認証モードに変更されるので、悪意の第三者による発車を制限することができる。また、登録運転者は、必要に応じて制限情報を変更することもできる。
さらに、暫定許可モードでは、暫定許可者としての他の運転者が乗車したときは、その他の運転者の生体情報を取得し、登録(記憶)しなければ、モードが暫定許可モードから通常モードに遷移することはない。従って、暫定許可者の生体情報を取得するので、暫定許可者および悪意の第三者の盗難を抑止することができる。
以上のように、図1の車両盗難防止装置1によれば、運転者交代時の利便性を損なわず、セキュリティレベルを向上させることができる。
なお、上述した処理を実行するプログラムは、本明細書で説明した順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。