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JP5250385B2 - 濃度測定システム - Google Patents

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JP5250385B2
JP5250385B2 JP2008279302A JP2008279302A JP5250385B2 JP 5250385 B2 JP5250385 B2 JP 5250385B2 JP 2008279302 A JP2008279302 A JP 2008279302A JP 2008279302 A JP2008279302 A JP 2008279302A JP 5250385 B2 JP5250385 B2 JP 5250385B2
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Description

本発明は、濃度測定システムに関する。
従来、センサを利用して、試料中の検出対象物質の濃度を測定する濃度測定システムが知られている。
具体的には、例えば、電極を備えたバイオセンサを用いて、ゼリー中のグルコース等の濃度を測定する濃度測定システムや魚肉中の遊離アミノ酸、脂肪酸、糖等の濃度を測定する濃度測定システム(例えば、特許文献1参照)、電極を備えたバイオセンサを用いて、排水中のアンモニア性窒素等の濃度を測定する濃度測定システム(例えば、特許文献2参照)、電極を備えたバイオセンサを用いて、液体試料中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)等の濃度を測定する濃度測定システム(例えば、特許文献3参照)、電極を備えたバイオセンサ(酵素センサ)を用いて、液体試料中の過酸化水素、酸化水素、グルコース等の濃度を測定する濃度測定システム(例えば、特許文献4参照)、電極を備えたバイオセンサ(酵素センサ)を用いて、液体試料中の溶存酸素等の濃度を測定する濃度測定システム(例えば、特許文献5参照)等が提案されている。
ここで、特許文献3には、センサからの信号の初速度(センサからの信号値の初期傾き)を用いて検出対象物質の量(濃度)を決定する方法が提案されている。この方法は、センサからの信号値が平衡に達するまで待つ必要がないため、測定時間が短縮でき、好適である。
ところで、特許文献1〜5記載のバイオセンサのように、酵素や微生物などの生体物質の特性を利用する場合、生体物質を機能させるためには水の存在が必要である。したがって、バイオセンサでは、検出素子(電極等)や生体物質を含有する検出部は、水(水溶液)で満たされた液相室となっている。このようなセンサを用いて、例えば、気体試料中の検出対象物質を検出するとなると、液相室から水が漏れたり蒸発したりするのを抑えるために、液相室を透過膜(ガス透過膜等)で覆う必要がある。
特許第2690053号公報 特公平06−072858号公報 特許第2930809号公報 特許第3299211号公報 特開2001−208720号公報
しかしながら、液相室が透過膜で覆われると、検出対象物質は、気体試料中から透過膜を介して液相室へと移動し、そして、液相室中の検出素子により検出されることになるが、検出対象物質の液相室中での拡散は、透過膜と検出素子との間の距離に依存するため、センサの感度は、透過膜と検出素子との間の距離によって変化する。したがって、透過膜に気体試料が吹き付けられる等して透過膜が変形し、透過膜と検出素子との間の距離が変化すると、センサによる検出が安定して行えなくなり、検出対象物質の濃度を、センサからの信号値の初期傾きを用いて高精度に決定することが困難になる。
本発明の課題は、高速かつ高精度に再現性良く気体試料中の検出対象物質の濃度を測定できる濃度測定システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
濃度測定システムにおいて、
センサと、
前記センサによる検出結果に基づいて流体試料中の検出対象物質の濃度を測定する測定装置と、
を備え、
前記センサは、
前記流体試料が供給される供給部と、
前記供給部と隣接するように配置された検出部と、
前記供給部と前記検出部とを隔てるように配置され、少なくとも前記検出対象物質が透過する透過膜と、
前記検出部に前記透過膜と対向して配置された検出素子と、
前記透過膜と前記検出素子との間に配置され、前記検出素子に対して略垂直方向に貫通する貫通孔を複数有するスペーサと、
を備え、
前記測定装置は、
前記センサからの信号値を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測された信号値の時間変化を表す時間変化曲線に基づいて、当該時間変化曲線の初期部分を近似して得た近似直線の傾きを初期傾きとして算出する算出手段と、
前記初期傾きと、前記検出対象物質の濃度と、の関係を表す検量線データを予め記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された検量線データから、前記算出手段により算出された初期傾きに対応する検出対象物質の濃度を取得する取得手段と、
を備え
前記初期部分は、前記時間変化曲線のうちの、前記供給部への流体試料の供給を開始した時点以上の第1時間から、当該第1時間よりも大きい第2時間までの部分であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の濃度測定システムにおいて、
前記測定装置は、
前記流体試料を前記供給部に対して供給する供給ポンプと、
所定の流体物質を前記検出部に対して導入し、当該検出部内を洗浄する導入ポンプと、
を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載の濃度測定システムにおいて、
前記検出素子は、多孔質カーボン電極であり、
前記検出部には、電子伝達体としてフェロセンカルボン酸及び/又はフェロセニルトリメチルアンモニウムブロミドが含有されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項2に記載の濃度測定システムにおいて、
前記センサは、前記検出対象物質と選択的に反応する酵素を備えた酵素センサであり
前記流体試料は、気体試料であり
前記供給部は、前記気体試料が供給される気相室であり
前記検出部は、前記気相室と隣接するように配置され、所定の電解液が導入される液相室であり
前記供給ポンプは、前記気体試料を前記気相室に対して供給する吸気ポンプであり
前記導入ポンプは、前記所定の電解液を前記液相室に対して導入する送液ポンプであることを特徴とする。
本発明によれば、センサは、透過膜と検出素子との間に配置され検出素子に対して略垂直方向に貫通する貫通孔を複数有するスペーサを有し、測定装置は、計測されたセンサからの信号値の時間変化を表す時間変化曲線に基づいて、当該時間変化曲線の初期部分を近似して得た近似直線の傾きを初期傾きとして算出し、予め記憶された、初期傾きと検出対象物質の濃度との関係を表す検量線データから、当該算出された初期傾きに対応する検出対象物質の濃度を取得することができる。
すなわち、スペーサを備えているため、透過膜と検出素子との間の距離を一定に保つことができるとともに、検出素子に対して略垂直方向に貫通する貫通孔を複数有するものをスペーサとして用いているため、スペーサを備えていても、検出対象物質の検出部中での拡散が制限されにくい。
したがって、検出対象物質の検出を安定して行うことができるとともに、時間変化曲線の初期部分を近似して得た近似直線の傾き(センサからの信号値の初期傾き)に基づいて検出対象物質の濃度を決定できるため、高速かつ高精度に再現性良く気体試料中の検出対象物質の濃度を測定できる。
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
本実施形態では、センサとして酵素センサを例示して説明することとする。
<濃度測定システム>
図1は、本実施形態の濃度測定システム1の構成を示す図である。
濃度測定システム1は、例えば、酵素センサ100を用いて、検出対象物質を検出して、その検出対象物質の濃度を測定するシステムである。
具体的には、濃度測定システム1は、例えば、図1に示すように、酵素センサ100と、酵素センサ100による検出結果に基づいて気体試料中の検出対象物質の濃度を測定する測定装置200と、等を備えて構成される。
<測定装置>
図2は、本実施形態の濃度測定システム1が備える測定装置200の機能的構成を示すブロック図である。
測定装置200は、例えば、図1及び図2に示すように、計測回路211と、データ処理装置212と、表示装置213と、電解液タンク221と、廃液タンク222と、送液ポンプ223と、センサ温度調整装置231と、吸気ポンプ241と、ダストフィルタ242と、標準ガス提供装置243と、バルブ切替装置250と、制御装置260と、等を備えて構成される。
濃度測定システム1が備える酵素センサ100は、検出素子としての電極150を備えており、酵素の特性を利用して気体試料中の検出対象物質を電気化学的計測法によって検出するセンサである。酵素センサ100は、検出対象物質を含有する気体試料(ガス)が供給される供給部としての気相室R1と、水溶液(所定の電解液)が導入される検出部としての液相室R2と、を有しており、電極150は液相室R2に配置されており、酵素は液相室R2に含有される。
計測回路211は、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、例えば、計測手段として、酵素センサ100からの信号値を計測する。
具体的には、計測回路211は、例えば、酵素センサ100に対して電圧を印加して酵素センサ100からの信号値(応答電流値)を計測し、当該計測信号をデータ処理装置212に出力する。
データ処理装置212は、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、計測回路211から入力された計測信号を処理して、当該計測信号に基づく数値データを作成し、表示装置213に出力する。
ここで、数値データとは、例えば、酵素センサ100からの応答電流や検出対象物質の濃度などの数値に関するデータであれば任意であり、例えば、応答電流や濃度などの数値そのものに関するデータであっても良いし、当該数値の時間変化等に関するデータであっても良い。
表示装置213は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネルなどから構成され、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、データ処理装置212から入力された数値データに基づく数値情報や濃度測定システム1の使用方法などを表示する。
ここで、表示される数値情報は、例えば、応答電流や濃度などの数値そのものであっても良いし、制御装置260で数値処理されたものであっても良いし、当該数値の時間変化等をグラフ化したもの(時間変化曲線等)であっても良い。
なお、表示装置213のLCDパネルなどは、タッチパネルと一体的に構成されたものであっても良い。
電解液タンク221は、電解液を貯めておくためのタンクであり、例えば、酵素センサ100(液相室R2の電解液導入側)と、送液ポンプ223やバルブを介してチューブで接続されているとともに、酵素センサ100(液相室R2の電解液排出側)と、バルブを介してチューブで接続されている。
ここで、電解液タンク221中の電解液は、例えば、酵素を含有する電解液(緩衝液に酵素を溶解させたもの)である。
なお、測定装置200は、例えば、電解液タンク221中の電解液の温度を調整するための電解液温度調整装置(例えば、恒温槽等)を備えていても良い。この場合、液相室R2に導入される電解液の温度を調整して一定に保持することができるため、好適である。具体的には、電解液温度調整装置は、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、電解液タンク221中の電解液の温度が、制御装置260から指定された温度となるよう、電解液タンク221中の電解液の温度を調整する。
また、測定装置200は、電解液タンク221に加えて、例えば、電解液(酵素を含有する電解液)の温度を電解液保存温度(電解液に含有される酵素の失活を防ぐことができる温度(例えば、4℃))に保持できる電解液保存タンクを備えていても良い。この場合、電解液に含有される酵素が失活するのを防ぐことができるため、好適である。具体的には、例えば、測定装置200は、電解液保存タンクと、電解液保存タンク用温度調整装置と、を備えて、電解液保存タンク中の電解液の温度を、常時、電解液保存温度に保持し、そして、電解液保存タンク中の電解液を、使用する分だけポンプ等を用いて電解液タンク221に移すようにすると良い。
ここで、制御装置260は、電解液タンク221に加えて電解液保存タンク及び電解液保存タンク用温度調整装置が備えられている場合、予め設定された電解液保存温度となるよう、電解液保存タンク用温度調整装置に制御信号を入力して、電解液保存タンク中の電解液の温度を調整させるようになっている。なお、電解液保存タンク中の電解液の温度は、酵素センサ100を用いた検出対象物質濃度の測定の有無に関わらず、常時、電解液保存温度に保持されているのが好ましい。
廃液タンク222は、酵素センサ100から排出された廃液を貯めておくためのタンクであり、例えば、酵素センサ100(液相室R2の電解液排出側)と、バルブを介してチューブで接続されている。
送液ポンプ223は、電解液タンク221中の電解液を酵素センサ100の液相室R2に対して導入するための導入ポンプであり、例えば、電解液タンク221と、バルブを介してチューブで接続されているとともに、酵素センサ100(液相室R2の電解液導入側)と、バルブを介してチューブで接続されている。送液ポンプ223により電解液を液相室R2に対して導入することによって、酵素センサ100による検出のために液相室R2内を電解液で満たすとともに、酵素センサ100による検出の前後(検出の前のみであっても良いし、検出の後のみであっても良いし、検出の前と後との両方であっても良い。)に液相室R2内を洗浄するようになっている。
具体的には、送液ポンプ223は、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、電解液タンク221中の電解液を、酵素センサ100に対して導入する。
ここで、送液ポンプ223は、チューブを用いて送液できるポンプであれば任意であり、具体的には、例えば、ダイヤフラムポンプ等であっても良いし、ペリスタポンプやリングポンプなどのチューブをしごくタイプのポンプ等であっても良い。
なお、導入ポンプは、酵素センサ100の前段(電解液導入側)に接続された送液ポンプ223に限ることはなく、電解液タンク221中の電解液を酵素センサ100に対して送液(導入)できるポンプであれば任意であり、具体的には、例えば、酵素センサ100の後段(電解液排出側)に接続された排出ポンプであっても良いし、酵素センサ100の後段(電解液排出側)に接続された送液ポンプであっても良いし、酵素センサ100の前段と後段との両方に接続されたポンプであっても良い。ここで、酵素センサ100の後段に送液ポンプを接続する場合は、送液ポンプを吸引ポンプとして作動させることになる。
センサ温度調整装置231は、例えば、酵素センサ100の温度を一定に保つための装置であり、具体的には、例えば、恒温槽等である。
具体的には、センサ温度調整装置231は、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、酵素センサ100の温度が、制御装置260から指定された温度(例えば、ユーザにより設定された温度)となるよう、酵素センサ100の温度を調整する。
吸気ポンプ241は、外部大気(気体試料)を吸気して、酵素センサ100の気相室R1に対して供給するための供給ポンプであり、例えば、ダストフィルタ242と、チューブで接続されているとともに、酵素センサ100(気相室R1のガス導入側)と、バルブを介してチューブで接続されている。
具体的には、吸気ポンプ241は、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、ダストフィルタ242を介して外部大気を吸気し、その吸気した外部大気を、酵素センサ100に対して導入する。
なお、酵素センサ100に導入された外部大気は、酵素センサ100(気相室R1のガス排出側)から外部に排出されるようになっている。
標準ガス提供装置243は、例えば、検量線を作成する際に使用する標準ガス(基質(検出対象物質)を含有するガス)を提供するための装置であり、例えば、酵素センサ100(気相室R1のガス導入側)と、バルブを介してチューブで接続されている。
具体的には、標準ガス提供装置243は、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、制御装置260から指定された基質濃度の標準ガスを、酵素センサ100に提供する。
なお、酵素センサ100に導入される標準ガスは、酵素センサ100(気相室R1のガス排出側)から外部に排出されるようになっている。
バルブ切替装置250は、例えば、制御装置260から入力される制御信号に従って、測定装置200が備える各バルブを切り替える。
制御装置260は、例えば、測定装置200を構成する各部を制御するための装置である。
具体的には、制御装置260は、例えば、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)261と、RAM(Random Access Memory)262と、メモリ部263と、記憶部264と、等を備えている。
CPU261は、例えば、記憶部264に記憶された測定装置200用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
RAM262は、例えば、CPU261によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域等を備える。
メモリ部263は、例えば、CPU261から入力される制御信号に従って、所定のデータを記憶したり消去したりする。
具体的には、メモリ部263は、例えば、記憶手段として、酵素センサ100からの信号値の初期傾きと、検出対象物質の濃度と、の関係を表す検量線データ253aを記憶する。
記憶部264は、例えば、測定装置200で実行可能なシステムプログラム、当該システムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU261によって演算処理された処理結果のデータ等を記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部264に記憶されている。
具体的には、記憶部264には、例えば、測定準備プログラム264aと、検量線作成プログラム264bと、測定プログラム264cと、等が記憶されている。
測定準備プログラム264aは、例えば、検出対象物質の濃度測定のための準備を行う機能を、CPU261に実現させる。
検量線作成プログラム264bは、例えば、検出対象物質の濃度測定の前に、検量線データ263aの作成を行い、当該作成した検量線データ263aをメモリ部263に記憶させる機能を、CPU261に実現させる。
測定プログラム264cは、例えば、酵素センサ100を用いて、検出対象物質の濃度測定を行う機能を、CPU261に実現させる。
具体的には、CPU261は、例えば、計測回路211に酵素センサ100からの信号値を計測させ、データ処理装置212において、当該計測された信号値の時間変化を表す時間変化曲線に基づいて酵素センサ100からの信号値の初期傾きを算出し、メモリ部263に記憶された検量線データ263aから当該算出された酵素センサ100からの信号値の初期傾きに対応する検出対象物質の濃度を取得する。
ここで、酵素センサ100からの信号値の初期傾きとは、計測された信号値の時間変化を表す時間変化曲線の初期部分を近似して得た近似直線の傾きのことである。
例えば、図3に示すような時間変化曲線が得られたとする。時間変化曲線の第1時間t1から第2時間t2までの部分を初期部分とし、その初期部分を近似して得た近似直線の傾きが、酵素センサ100からの信号値の初期傾きとなる。
第1時間t1は、時間0(酵素センサ100への気体試料の供給を開始した時点)以上であれば任意であり、第2時間t2は、第1時間t1よりも大きく、第3時間t3(酵素センサ100からの信号値が平衡に達した時点)以下であれば任意であるが、規定の分解能で十分に各基質濃度に対応する初期部分(或いは、近似直線)を分離できるよう第1時間t1及び第2時間t2を設定するのが好ましい。
なお、第1時間t1及び第2時間t2は、例えば、予め規定されていることとする。
CPU261は、かかる測定プログラム264cを実行することによって、算出手段及び取得手段として機能する。
<酵素センサ>
図4は、本実施形態の濃度測定システム1が備える酵素センサ100の平面斜視図であり、図5は、図4のV−V線における断面を模式的に示す図であり、図6は、図4のVI−VI線における断面を模式的に示す図である。図7(a)は、透過膜130が取り付けられた状態の上側支持体110の底面図であり、図7(b)は、電極150が形成された状態の下側支持体120の平面図である。図8は、スペーサ170を説明するための模式図である。
ここで、酵素センサ100における気相室R1側を上側、液相室R2側を下側とし、パッド160が配置された側を前側、それに対向する側を後側とし、上下方向と前後方向の双方に直交する方向を左右方向とする。
酵素センサ100は、例えば、図4〜図7に示すように、上側支持体110と、下側支持体120と、検出対象物質を含有する気体試料(ガス)が供給される気相室R1と、気相室R1と隣接するように配置され、水溶液(所定の電解液)が導入される液相室R2と、気相室R1と液相室R2とを隔てるように配置され、少なくとも検出対象物質が透過する透過膜130と、透過膜130を上側支持体110に固定するためのOリング140と、液相室R1に透過膜130と対向して配置された3つの電極150(作用電極151、参照電極152、対電極153)と、電極150と配線161を介して接続された3つのパッド160と、透過膜130と電極150との間に配置されたスペーサ170と、上側支持体110を下側支持体120に固定するための複数のネジ180と、等を備えて構成される。
酵素センサ100において、検出対象物質と選択的に反応する酵素は、液相室R2に含有され、酵素センサ100は、透過膜130を透過して気相室R1から液相室R2に移行してきた検出対象物質を、電気化学的計測法によって検出するようになっている。
上側支持体110及び下側支持体120は、例えば、略円柱体を上下方向略中央の位置で上下方向に直交する方向(水平方向)に分割したものからなる。
上側支持体110は、例えば、平面視略D字形状となるように、すなわち、側面の一部が上下方向に沿って切り欠かれた平面部111となるように形成されている。そのため、下側支持体120の上面の一部は、例えば、外部に露出した露出部121となっている。
上側支持体110及び下側支持体120を構成する材料としては、電解液や試料などに対する耐腐食性が高い材料(例えば、疎水性の絶縁性材料、表面を疎水処理した絶縁性材料等)が好ましく、具体的には、例えば、セラミックス、ガラス、プラスチック、テフロン(登録商標)、ピーク材等を用いることができる。
上側支持体110には、例えば、上側支持体110の水平方向略中央の位置に配置され、下面が開口した平面視略円形状の凹部112と、凹部112の周囲に配置され、下面が開口した平面視略リング形状のOリング収容部113と、酵素センサ100の外部から気相室R1に向けてガス(気体試料)を導入するためのガス導入口114と、ガス導入口114と気相室R1とを連通するガス導入路115と、気相室R1から酵素センサ100の外部に向けてガスを排出するためのガス排出口116と、ガス排出口116と気相室R1とを連通するガス排出路117と、等が設けられている。
ここで、特に、上側支持体110の表面、ガス導入口114、ガス導入路115、ガス排出口116、ガス排出路117、気相室R1、液相室R2等は、電解液や試料などに対する耐腐食性が高い材料(例えば、疎水性の絶縁性材料、表面を疎水処理した絶縁性材料等)で形成されるのが好ましい。
凹部112とOリング収容部113とは、隔壁118によって隔てられている。
凹部112は、上側支持体110に透過膜130が取り付けられると上下方向に分離されるようになっており、分離された状態における、凹部112の上側の領域が気相室R1となり、下側の領域が液相室R2となる。したがって、透過膜130と電極150(作用電極151)との間の距離は、隔壁118の高さ(上下方向の長さ)によって規定される。
ガス導入路115は、例えば、凹部112の左側の位置に、左右方向に沿って形成されており、ガス排出路117は、例えば、凹部112の右側に左右方向に沿って形成されている。
下側支持体120は、例えば、下側支持体120の上面に水平方向略中央の位置から露出部121に亘って配置された左右方向に並ぶ3本の溝部122と、酵素センサ100の外部から液相室R2に向けて電解液を導入するための電解液導入口123と、電解液導入口123と液相室R2とを連通する電解液導入路124と、液相室R2から酵素センサ100の外部に向けて電解液を排出するための電解液排出口125と、電解液排出口125と液相室R2とを連通する電解液排出路126と、等が設けられている。
ここで、特に、下側支持体120の表面、電解液導入口123、電解液導入路124、電解液排出口125、電解液排出路126、液相室R2(液相室R2の気相室R2と対向する側の面を構成する領域)等は、電解液や試料などに対する耐腐食性が高い材料(例えば、疎水性の絶縁性材料、表面を疎水処理した絶縁性材料等)で形成されるのが好ましい。
電解液導入路124は、例えば、作用電極151と参照電極152との間の位置から下側支持体120の上下方向略中央の位置までの領域に上下方向に沿って形成された第1電解液導入路124aと、第1電解液導入路124aの左側に左右方向に沿って形成された第2電解液導入路124bと、からなる。
また、電解液排出口126は、例えば、作用電極151と対電極153との間の位置から下側支持体120の上下方向略中央の位置までの領域に上下方向に沿って形成された第1電解液排出路126aと、第1電解液排出路126aの右側に左右方向に沿って形成された第2電解液排出路236bと、からなる。
透過膜130は、例えば、透過膜130で上側支持体110の下面側から凹部112及びOリング収容部113を覆い、そして、Oリング140を透過膜130の下面側に配して上方向に移動させてOリング収容部113に収容することにより、上側支持体110に取り付けられるようになっている。
気相室R1に導入された検出対象物質(検出対象ガス)は、透過膜130を透過して液相室R2に移行し、そして、液相室R2に含有された酵素と反応するようになっている。したがって、透過膜130は、少なくとも検出対象物質が透過するガス透過膜であれば任意であり、検出対象物質の種類によって適宜変更可能である。
Oリング140は、例えば、上側支持体110に透過膜130を取り付けるためのものであるとともに、液相室R2を密閉して液相室R2に導入された電解液が漏れるのを防ぐためのものである。したがって、Oリング140としては、例えば、Oリング収容部113の高さ(上下方向の長さ)と同等又はそれ以上の厚みを有するものが好ましい。
また、Oリング140は、電解液や試料などに対する耐腐食性が高い材料で形成されるのが好ましい。
なお、液相室R2のサイズ(径)は、Oリング140の内径によって規定されるようになっているが、これに限ることはなく、例えば、電極150が配置された部分以外の部分を樹脂製絶縁膜等により被膜して、その樹脂製絶縁膜等によって被膜されていない部分のサイズで液相室R2のサイズを規定しても良い。
電極150は、例えば、下側支持体120により支持されている。
具体的には、例えば、電極150と、パッド160と、電極150とパッド160とを接続する配線161と、は下側支持体120が有する溝部122内に形成されており、電極150及び配線161は、電極150及び配線161の厚みが、溝部122の深さと略同一となるよう加工されている。これにより、面倒な制御をしなくても、電極150及び配線161の厚み(高さ)を均一で精密に規定できるため、透過膜130と電極150との間の距離をムラなく一定に保つことができる。
ここで、電極150を形成する材料は任意であるが、電子伝達体との関係により酵素センサ100に対して印加する電圧を低電圧化できる等の観点から、電極150は、多孔質カーボン電極が好ましい。
スペーサ170は、例えば、液相室R2に配置され、透過膜130と電極150との間の距離を一定に保つためのものである。したがって、スペーサ170としては、例えば、透過膜130と電極150との間の距離と略同等の厚みを有するものが好ましい。
スペーサ170の材質としては、スペーサ170によって透過膜130と電極150との間の距離を一定に保つことができ、かつ、基質(検出対象物質)透過性の良好なものであれば任意であり、例えば、図8に示すように、電極150に対して略垂直方向に貫通する貫通孔170aを複数有する材料が好ましい。具体的には、スペーサ170としては、例えば、具体的には、例えば、電極150に対して略垂直方向に貫通する貫通孔170aを複数有する陽極酸化膜(アルミナ酸化膜等)などの多孔体、親水性テフロン膜などの親水性膜、ナイロンメッシュなどのメッシュ体等が挙げられる。
酵素は、検出対象物質と選択的に反応する酵素であれば任意であり、検出対象物質の種類によって適宜変更可能である。
具体的には、酵素は、例えば、酸化還元酵素、加水分解酵素、転移酵素、異性化酵素等の酵素(酵素タンパク質)である。
また、酵素は、例えば、生来の酵素分子であっても良いし、活性部位を含む酵素の断片であっても良い。当該酵素分子又は当該活性部位を含む酵素の断面は、例えば、動植物や微生物から抽出したものであっても良いし、所望によりそれを切断したものであっても良いし、遺伝子工学的に或いは化学的に合成したものであっても良い。
液相室R2に含有される酵素は、1種類の酵素であっても、2種類以上の酵素であっても良い。
具体的には、液相室R2に含有される酵素は、例えば、1種類の酵素であっても良いし、分子量及び/又はサイズ(径)が略同一の2種類以上の酵素であっても良いし、分子量及び/又はサイズが異なる2種類以上の酵素であっても良い。また、液相室R2に含有される酵素が2種類以上である場合、酵素は、例えば、同種の基質(検出対象物質)に作用する2種類以上の酵素であっても良いし、異種の基質に作用する2種類以上の酵素であっても良いし、同種及び/又は異種の基質に作用する2種類以上の酵素であっても良い。
ここで、特に、液相室R2に含有された酵素が2種類以上であって、その2種類以上の酵素が異種の基質に作用する場合、酵素センサ100は、その異種の基質(2種類以上の検出対象物質)を同時に検出することができる。
また、液相室R2に導入される電解液には、酵素とともに、酵素の活性の発現を触媒するための補酵素や、酵素と電極150(作用電極151)との間の電子の受け渡しを促進するための電子伝達体などが含有されていても良い。
補酵素は、酵素(補酵素依存型酵素)の種類に応じて、適宜選択することができる。具体的には、補酵素としては、例えば、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、補酵素I、補酵素II、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、リポ酸、補酵素Q等の1種又は2種以上の組み合わせが挙げられる。なかでも、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)等のNAD系の補酵素が用いられる。
電子伝達体としては、例えば、フェリシアン化カリウム、フェロセン、フェロセン誘導体、ベンゾキノン、キノン誘導体、オスミウム錯体等が用いられるが、酵素センサ100に対して印加する電圧を低電圧化できる等の観点から、液相室R2には、電子伝達体としてフェロセンカルボン酸及び/又はフェロセニルトリメチルアンモニウムブロミドが含有されていることが好ましい。
<濃度測定処理>
濃度測定システム1による、酵素センサ100を用いた検出対象物質の濃度の測定に関する処理の一例を、図9のフローチャートを参照して説明する。
まず、例えば、ユーザが、濃度測定ステム1が備える操作ボタン(図示省略)やタッチパネル(図示省略)などを操作して、検出対象物質の濃度測定を開始するよう指示すると、CPU261は、測定準備プログラム264aを実行して、検出対象物質の濃度測定の準備を行う(ステップS1)。
具体的には、CPU261は、例えば、センサ温度調整装置231に制御信号を入力して、初期設定温度等の予め設定された設定温度となるよう、酵素センサ100の温度を調整させる。
なお、センサ温度調整装置231による酵素センサ100温度の調整に加えて(或いは、代えて)、電解液タンク231中の電解液温度を初期設定温度などの予め定められた設定温度となるよう調整することによって、酵素センサ100温度を調整するようにしても良い。
次いで、CPU261は、例えば、計測回路211に制御信号を入力して、酵素センサ100の参照電極152に対して作用電極151に所定の大きさの電圧を印加させて、酵素センサ100からの信号値の計測を開始させる。
次いで、CPU261は、例えば、バルブ切替装置250に制御信号を入力して、電解液タンク221中の電解液が酵素センサ100に導入され、その酵素センサ100から排出された電解液が廃液タンク222に送液されるよう、バルブを切り替えさせる。
次いで、CPU261は、例えば、送液ポンプ223に制御信号を入力して、電解液タンク221中の電解液の送液を開始させる。これにより、酵素センサ100(液相室R2)が洗浄される。
次いで、電解液の送液開始から一定時間経過後、CPU261は、例えば、バルブ切替装置250に制御信号を入力して、酵素センサ100から排出された電解液が電解液タンク221に送液されるよう、すなわち、電解液タンク221中の電解液が循環するよう、バルブを切り替えさせる。これにより、酵素センサ100(液相室R2)が洗浄(循環洗浄)される。
次いで、酵素センサ100からの信号値が安定すると、CPU261は、例えば、送液ポンプ223に制御信号を入力して、電解液タンク221中の電解液の送液を停止させる。
ここで、電解液の送液が停止された段階では、酵素センサ100の液相室R2は、電解液(酵素を含有する電解液)で完全に満たされた状態となっている。液相室R2を電解液で完全に満たすとともに、液相室R2内の不純物や気泡を取り除くという観点から、例えば、液相室R2の容積が100μLのとき、好ましい送液速度は0.05〜3.0mL/min、より好ましい送液速度は0.1mL/minであり、好ましい送液時間は1〜5000秒間、より好ましい送液時間は100秒間である。
次に、CPU261は、検量線作成プログラム264bを実行して、検量線データ263aを作成する(ステップS2)。
具体的には、CPU261は、例えば、バルブ切替装置250に制御信号を入力して、標準ガス提供装置243中の標準ガスが酵素センサ100に導入されるよう、バルブを切り替えさせる。
次いで、CPU261は、例えば、標準ガス提供装置243に制御信号を入力して、標準ガスの基質濃度を指定し、当該指定された基質濃度の標準ガスを生成させて、当該生成された標準ガスを、一定時間の間(標準ガス供給開始からの経過時間が第2時間t2以上となるまでの間)、酵素センサ100に供給させる。そして、データ処理装置232において酵素センサ100からの信号値の時間変化を表す時間変化曲線を作成して、データ処理装置212内の記憶領域(メモリ263等であっても良い。)に記憶させる。CPU261は、この一連の処理を、指定する基質濃度の種類(指定する基質濃度の値)を切り替えて、繰り返し行う。なお、指定する基質濃度は3種類以上とする。
次いで、CPU261は、例えば、データ処理装置212内の記憶領域に記憶された各基質濃度に対応する時間変化曲線に基づいて、酵素センサ100からの信号値の初期傾きと、検出対象物質の濃度と、の関係を表す検量線データ263aを作成する。すなわち、CPU261は、例えば、縦軸が酵素センサ100からの信号値の初期傾きであり、縦軸が標準ガスの基質濃度である検量線データ263aを作成する。
次に、CPU261は、ステップS2で作成した検量線データ263aをメモリ部263に記憶させる(ステップS3)。
次に、CPU261は、酵素センサ100を洗浄する(ステップS4)。
具体的には、CPU261は、例えば、バルブ切替装置250に制御信号を入力して、電解液タンク221中の電解液が酵素センサ100に導入され、その酵素センサ100から排出された電解液が廃液タンク222に送液されるよう、バルブを切り替えさせる。
次いで、CPU261は、例えば、送液ポンプ223に制御信号を入力して、電解液タンク221中の電解液の送液を開始させる。
次に、ステップS4での酵素センサ100の洗浄開始から一定時間経過後、CPU261は、酵素センサ100を循環洗浄する(ステップS5)。
具体的には、ステップS4での電解液の送液開始から一定時間経過後、CPU261は、例えば、バルブ切替装置250に制御信号を入力して、酵素センサ100から排出された電解液が電解液タンク221に送液されるよう、すなわち、電解液タンク221中の電解液が循環するよう、バルブを切り替えさせる。
次いで、酵素センサ100からの信号値が安定すると、CPU261は、例えば、送液ポンプ223に制御信号を入力して、電解液タンク221中の電解液の送液を停止させる。
次に、CPU261は、測定プログラム264cを実行して、酵素センサ100を用いて、検出対象物質の濃度を測定する(ステップS6)。
具体的には、CPU261は、例えば、バルブ切替装置250に制御信号を入力して、吸気ポンプ241により吸気された外部大気(気体試料)が酵素センサ100に導入されるよう、バルブを切り替えさせる。
次いで、CPU261は、例えば、吸気ポンプ241に制御信号を入力して、吸気した外部大気を、一定時間の間(外部大気供給開始からの経過時間が第2時間t2以上となるまでの間)、酵素センサ100に供給させる。
次いで、計測回路211により信号値の時間変化が計測されると、CPU261は、データ処理装置212において、時間変化曲線を作成し、当該作成された時間変化曲線に基づいて酵素センサ100の初期傾きを算出し、メモリ部263に記憶された検量線データ263aから当該算出された初期傾きに対応する検出対象物質の濃度を取得する。
次に、CPU261は、例えば、表示装置230に制御信号を入力して、当該取得された検出対象物質の濃度を表示させる(ステップS7)。
次に、CPU261は、酵素センサ100を洗浄する(ステップS8)。
次に、ステップS8での酵素センサ100の洗浄開始から一定時間経過後、CPU261は、酵素センサ100を循環洗浄する(ステップS9)。
次に、CPU261は、次の測定を行うか否かを判断する(ステップS10)。
具体的には、例えば、ユーザが、濃度測定ステム1が備える操作ボタン(図示省略)やタッチパネル(図示省略)などを操作して、次の測定を行うと指示した場合に、CPU261は、次の測定を行うと判断する。或いは、ユーザが操作部を操作して予め設定した測定回数又は測定時間に基づいて、CPU261は、次の測定を行うか否かを判断する。
ステップS10で、次の測定を行うと判断すると(ステップS10;Yes)、CPU261は、ステップS9の処理によって、酵素センサ100からの信号値が安定した後、ステップS6以降の処理を繰り返して行う。
一方、次の測定を行わないと判断すると(ステップS10;No)、CPU261は、本処理を終了する。
以下、具体的な実施例によって本発明を説明するが、発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例では、ホルムアルデヒドガスを検出するための酵素センサ100を作成して評価するとともに、当該作成した酵素センサ100を用いて検量線データ263aを作成した。
電極150として、多孔質カーボン電極を用い、スペーサ170として、電極150に対して略垂直方向に貫通する貫通孔170aを複数有するアルミナ酸化膜を用い、酵素として、補酵素(NAD)依存型酵素であるホルムアルデヒドデヒドロゲナーゼ(ホルムアルデヒド脱水素酵素)を用い、補酵素として、NADを用い、電子伝達体として、フェロセンカルボン酸を用いた。
<電極と電子伝達体の組み合わせの評価>
電極150のサイクリックボルタンメトリー測定(CV測定)を行うことによって、電極150としての多孔質カーボン電極と、液相室R2に含有される電子伝達体としてのフェロセンカルボン酸と、の組み合わせについて評価した。
(電極の作成)
まず、絶縁体であるピーク材を使用して、旋盤やフライス盤などを用いて、下側支持体120を作成した。溝部122の深さを10μmとした。
次いで、下側支持体120の上面に、作用電極151、参照電極152及び対電極153の三極構造のパターンを作成した。具体的には、溝部122にスクリーン印刷によってカーボンを塗布し、ホットプレートを用いて120℃で2時間ポストベークした後、一晩、暗室にて乾燥させ、電極150の厚みが溝部122の深さと略同一となるよう、研磨機にて電極150の表面を研磨した。その後、作用電極152のパターン上に銀/塩化銀インクを塗布して120℃で焼結し、銀/塩化銀電極である参照電極152を作成した。
(第1評価用電解液の作成)
補酵素(NAD)を還元したもの(NADH)と、酸化型の電子伝達体(酸化型のフェロセンカルボン酸)と、を用意し、NADH20mgと、酸化型のフェロセンカルボン酸5mgと、を20mLのリン酸緩衝液(pH7.4)に溶解させて、第1評価用電解液(酵素が含有されていない電解液)を作成した。
(評価)
作成した電極150上に、作成した第1評価用電解液を60μL滴下して、CV測定を行った。その結果を図10に示す。
ここで、還元型の補酵素であるNADHは、酸化型の電子伝達体と共存すると、酸化されてNADとなり、当該酸化型の電子伝達体は、還元されて還元型の電子伝達体となる(NADH+酸化型の電子伝達体→NAD+還元型の電子伝達体)。この際、電極150に電圧を印加しておくと、当該還元型の電子伝達体は、電極150に電子を与えて、酸化型の電子伝達体に戻る(還元型の電子伝達体→酸化型の電子伝達体+H+2e)。したがって、電極150のCV測定により、NADHの酸化電流を調べることができる。
図10においては、縦軸に応答電流(μA)、横軸に印加電圧(V)を示す。また、実線で本実施例の結果を示し、破線で比較例1の結果(第1評価用電解液に含有されているフェロセンカルボン酸に代えて、ナフトキノンを使用した場合の結果)を示し、一点鎖線で比較例2の結果(下側支持体120が備える電極150として多孔質カーボン電極に代えて、白金電極を使用した場合の結果)を示す。
図10の結果から、実施例では、NADHの酸化電流のピークが+0.08Vに観測され、比較例1では、NADHの酸化電流のピークが+0.35Vに観測され、比較例2では、NADHの酸化電流のピークが観測されなかった。
すなわち、実施例は、比較例1及び比較例2よりも低い印加電圧でNADHの酸化電流のピークが得られることが分かった。
したがって、検出対象物質を検出する際の印加電圧を低電圧化するという観点から、多孔質カーボン電極とナフトキノンの組み合わせ(比較例1)及び白金電極とフェロセンカルボン酸の組み合わせ(比較例2)よりも、多孔質カーボン電極とフェロセンカルボン酸の組み合わせ(実施例)の方が好ましいことが分かった。
<スペーサの評価>
酵素センサ100からの応答電流値を計測することによって、電極150に対して略垂直方向に貫通する貫通孔170aを複数有するスペーサ170について評価した。
(センサヘッドの作成)
まず、センサヘッドを作成した。
ここで、センサヘッドとは、液相室R2に電解液(酵素を含有する電解液)が導入される前の酵素センサ100のことである。
まず、絶縁体であるピーク材を使用して、旋盤やフライス盤などを用いて、上側支持体110と下側支持体120とを作成した。
溝部122の深さを10μm、液相室R2の容積を100μLとした。また、透過膜130と電極150との間の距離が30μmとなるよう隔壁118の高さを調整した。
次いで、上記した“<電極と電子伝達体の組み合わせの評価>”での作成方法と同様の方法で、下側支持体120の上面に、作用電極151、参照電極152及び対電極153の三極構造のパターンを作成した。
次いで、Oリング140を用いて上側支持体110に透過膜130(ゴアテックス製テフロン膜)を固定するとともに、透過膜130と電極150との間の距離(30μm)と略同一の厚みを有するスペーサ170(厚み:30μm、孔径:200nm、アルミナ酸化膜)を電極150上に配置した。
次いで、下側支持体120の上に上側支持体110を配置して、ネジ180を用いて上側支持体110を下側支持体120に固定し、センサヘッドを作成した。
(第2評価用電解液の作成)
ホルムアルデヒド脱水素酵素4mgを、1mMのNAD及び1mMのフェロセンカルボン酸を含む2mLのリン酸緩衝液(pH7.41)に溶解させて、第2評価用電解液を作成した。
(評価)
まず、作成した第2評価用電解液を電解液タンク221中に入れた。
次いで、作成したセンサヘッドを濃度測定システム1における酵素センサ100の位置に組み込んだ。具体的には、センサヘッドの電解液導入口123を測定装置200の送液ポンプ223と接続し、センサヘッドの電解液排出口125を測定装置200の廃液タンク222及び送液ポンプ223と接続し、センサヘッドのガス導入口114を測定装置200の吸気ポンプ241及び標準ガス提供装置243と接続し、センサヘッドのパッド160を測定装置200の計測回路211と接続した。
次いで、測定の準備を行った。具体的には、作成したセンサヘッドを、第2評価用電解液で洗浄及び循環洗浄することによって、液相室R2に電解液(酵素を含有する電解液)を導入し、酵素センサ100とした。洗浄及び循環洗浄は、送液速度0.1mL/minで行い、循環洗浄は100秒間行った。
次いで、標準ガス提供装置243により標準ガス(ホルムアルデヒドガス)を生成して、酵素センサ100に供給し、酵素センサ100からの信号値(応答電流値)を計測した。標準ガスの基質濃度を100ppbとし、標準ガスの導入速度を300mLとした。その結果を図11に示す。
図11は、時間変化曲線であり、縦軸に応答電流(nA)、横軸にガス供給開始からの経過時間(min)を示す。図11には2つの時間変化曲線を示しているが、上側の時間変化曲線が本実施例の結果であり、下側の時間変化曲線が比較例3の結果(酵素センサ100が備えるスペーサ170として電極150に対して略垂直方向に貫通する貫通孔170aを複数有するアルミナ酸化膜に代えて、ランダムに孔の開いたテフロン製の膜(厚み:30μm)を使用した場合の結果)である。
図11の結果から、比較例3は、実施例よりも、時間変化曲線の立ち上がりが鈍く、感度が悪いことが分かった。また、比較例3は、時間変化曲線の立ち上がりが鈍いため、酵素センサ100からの信号値の初期傾きを用いて検出対象物質の濃度を決定するのが困難であることが分かった。
したがって、酵素センサ100からの信号値の初期傾きを用いて検出対象物質の濃度を決定するという観点から、ランダムに穴の開いたスペーサを用いた場合(比較例3)よりも、電極150に対して略垂直方向に貫通する貫通孔170aを有するスペーサ170を用いた場合(実施例)の方が好ましいことが分かった。
<検量線データの作成>
酵素センサ100に導入する標準ガスの基質濃度を順次変えて、当該酵素センサ100からの応答電流を計測することにより、検量線データ263aを作成した。
(センサヘッドの作成)
上記した“<スペーサの評価>”での作成方法と同様の方法で、センサヘッドを作成した。
(第2評価用電解液の作成)
上記した“<スペーサの評価>”での作成方法と同様の方法で、第2評価用電解液を作成した。
(時間変化曲線の作成)
まず、作成した第2評価用電解液を電解液タンク221中に入れた。
次いで、作成したセンサヘッドを濃度測定システム1における酵素センサ100の位置に組み込んだ。
次いで、測定の準備を行った。具体的には、作成したセンサヘッドを、第2評価用電解液で洗浄及び循環洗浄することによって、液相室R2に電解液(酵素を含有する電解液)を導入し、酵素センサ100とした。洗浄及び循環洗浄は、送液速度0.1mL/minで行い、循環洗浄は100秒間行った。
次いで、標準ガス提供装置243により標準ガス(ホルムアルデヒドガス)を生成して、酵素センサ100に導入し、酵素センサ100からの信号値(応答電流値)を計測した。標準ガスの基質濃度を4ppb、40ppb、100ppb、200ppb、300ppb、400ppb及び1200ppbとし、標準ガスの導入速度を300mLとした。その結果を図12に示す。
図12は、時間変化曲線であり、縦軸に応答電流(nA)、横軸にガス供給開始からの経過時間(min)を示す。図12には7つの時間変化曲線を示しているが、一番下から順に基質濃度が4ppb、40ppb、100ppb、200ppb、300ppb、400ppb、1200ppbの標準ガスを導入して得た時間変化曲線である。
図12の結果から、基質濃度が大きくなるにつれて、時間変化曲線の立ち上がりが鋭くなっていくことが分かった。
(近似直線の取得)
次いで、第1時間t1を1分とし、第2時間t2を6分として、図12に示す7つの時間変化曲線から初期部分を抜き出すとともに、その初期部分を近似して近似直線を得た。その結果を図13に示す。
図13は、時間変化曲線の初期部分であり、縦軸に応答電流(nA)、横軸にガス供給開始からの経過時間(min)を示す。図13には7つの時間変化曲線を示しているが、一番下から順に基質濃度が4ppb、40ppb、100ppb、200ppb、300ppb、400ppb、1200ppbの標準ガスを導入して得た時間変化曲線である。また、図13には各時間変化曲線の初期部分に沿って破線で直線を示しているが、これらが得られた近似直線である。
図13の結果から、時間変化曲線の初期部分は、精度良く直線と一致することが分かった。
(検量線データの作成)
次いで、図13に示す各近似直線の傾きを求めて、検量線データ263a(1回目の検量線データ263a)を作成した。
次いで、上記した“(時間変化曲線の作成)”及び上記した“(近似直線の取得)”の処理を再度行い、各近似直線の傾きを求めて、検量線データ263a(2回目の検量線データ263a)を作成した。
次いで、上記した“(時間変化曲線の作成)”及び上記した“(近似直線の取得)”の処理を再度行い、各近似直線の傾きを求めて、検量線データ263a(3回目の検量線データ263a)を作成した。
その結果を図14に示す。
図14においては、縦軸に酵素センサ100からの信号値(応答電流値)の初期傾き、横軸に酵素センサ100に導入した標準ガスの基質濃度(ppb)を示す。また、四角プロット(□)で1回目の検量線データ263aを示し、三角プロット(△)で2回目の検量線データ263aを示し、菱形プロット(◇)で3回目の検量線データ263aを示す。
図14の結果から、良好な検量線データ263aが得られることが分かった。特に0〜400ppbでの線形性は良好であることが分かった。
また、1〜3回目の各検量線データ263aは精度良く一致し、ばらつきは5%以内であり、再現性が高いことが分かった。
すなわち、酵素センサ100からの信号値の計測を、酵素センサ100へのガス供給開始から6分間行うだけで、サブppbレベルの検出対象物質の濃度を測定できることが分かった。
以上の結果から、本実施例の酵素センサ100は、高速(例えば、10分以下の測定時間で)かつ高精度に再現性良く気体試料中の検出対象物質の濃度を測定できることが分かった。
以上説明した本発明の濃度測定システム1によれば、酵素センサ100と、酵素センサ100による検出結果に基づいて気体試料中の検出対象物質の濃度を測定する測定装置200と、を備えている。そして、酵素センサ100は、気体試料が供給される気相室R1と、気相室R1と隣接するように配置され、所定の電解液が導入される液相室R2と、気相室R1と液相室R2とを隔てるように配置され、少なくとも検出対象物質が透過する透過膜130と、液相室R2に透過膜130と対向して配置された電極150と、透過膜130と電極150との間に配置され、電極150に対して略垂直方向に貫通する貫通孔170aを複数有するスペーサ170と、を備えている。また、測定装置200は、酵素センサ100からの信号値を計測する計測回路221と、酵素センサ100からの信号値の初期傾きと、検出対象物質の濃度と、の関係を表す検量線データ263aを予め記憶するメモリ部263と、を備え、計測回路221により計測された信号値の時間変化を表す時間変化曲線に基づいて、当該時間変化曲線の初期部分を近似して得た近似直線の傾きを初期傾きとして算出し、メモリ部263に記憶された検量線データ263aから、当該算出された初期傾きに対応する検出対象物質の濃度を取得することができる。
すなわち、スペーサ170を備えているため、透過膜130と電極150との間の距離を一定に保つことができる。また、透過膜130と電極150との間にスペーサを備えると、検出対象物質の液相室R2中での拡散が制限されて、センサの応答が遅くなり、検出対象物質の濃度を、センサからの信号値の初期傾きを用いて高精度に決定することが困難になるが、電極150に対して略垂直方向に貫通する貫通孔170aを複数有するものをスペーサ170として用いているため、スペーサ170を備えていても、検出対象物質の液相室R2中での拡散が制限されにくい。
したがって、検出対象物質の検出を安定して行うことができるとともに、時間変化曲線の初期部分を近似して得た近似直線の傾き(酵素センサ100からの信号値の初期傾き)に基づいて、検出対象物質の濃度を決定できるため、高速かつ高精度に再現性良く気体試料中の検出対象物質の濃度を測定できる。
また、以上説明した本発明の濃度測定システム1によれば、測定装置200は、気体試料を気相室R1に対して供給する吸気ポンプ241と、所定の電解液を液相室R2に対して導入し、当該液相室R2内を洗浄する送液ポンプ223と、を備えている。
したがって、気相室R1に対して強制的に気体試料を供給できるため、より高速に測定を行うことができる。また、液相室R2に対して強制的に電解液を導入して液相室R2内を洗浄することができるため、より高速に測定を開始できるとともに、より高速に次の測定へと移行することができる。
また、以上説明した本発明の濃度測定システム1によれば、電極150は、多孔質カーボン電極であり、液相室R2には、電子伝達体としてフェロセンカルボン酸及び/又はフェロセニルトリメチルアンモニウムブロミドが含有されている。
したがって、従来よりも酵素センサ100に対する印加電圧を低電圧化することができ、より選択的に気体試料中の検出対象物質の濃度を測定することができる。
すなわち、従来のセンサでは、電子伝達体を使用しても300mV以上の電圧を印加していたが、この場合、酵素自体の選択性が高くても、液相室R2中に含有される他の物質が電極150で酸化されたり還元されたりして選択性が低下するという問題があった。しかしながら、本発明では、印加電圧を100mV以下にすることができ、従来よりも酵素センサ100に対する印加電圧を低電圧化することができるため、より選択的に気体試料中の検出対象物質の濃度を測定することができる。
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
上記実施形態において、センサ温度調整装置231は、恒温槽に限定されるものではなく、酵素センサ100(電極150)の温度を調整することができるのであれば任意であり、例えば、酵素センサ100に内蔵された小型ヒータ等であっても良い。
センサヘッド(酵素センサ100)の構造は、上記実施形態のものに限ることはなく、気相室R1と、液相室R2と、透過膜130と、電極150と、スペーサ170と、を備えているのであれば任意である。例えば、ガスの流路(ガス導入路115及びガス排出路116)に略平行するように、電解液の流路(電解液導入路124及び電解液排出路126)を形成したが、これに限ることはなく、例えば、ガスの流路に略直交するように、電解液の流路を形成しても良い。
上記実施形態において、液相室R2に導入する電解液として酵素が含有された電解液を使用することによって、酵素を液相室R2に含有させることとしたが、酵素を液相室R2に含有させる方法は、これに限定されるものではなく、公知の固定化方法で電極150(作用電極151)上に固定する方法であっても良いし、公知の固定化方法でスペーサ170に固定する方法であっても良い。この場合、液相室R2に導入する電解液として酵素が含有されていない電解液を使用すると良い。
また、電子伝達体や補酵素についても同様である。
上記実施形態において、濃度測定システム1(測定装置200)に標準ガス提供装置243を備えて、標準ガスを用いて検量線データ263aを作成するようにしたが、これに限ることはなく、例えば、濃度測定システム1は、標準ガス提供装置243を備えていなくても良い。標準ガス提供装置243はサイズが大きすぎて持ち運びが困難であるが、標準ガス提供装置243を備えないようにすると、酵素センサ100及び測定装置200を筐体(サイズ:例えば、20cm×10cm×15cm)内に収納して、濃度測定システム1を持ち運び可能とすることができる。
この場合、例えば、予め外部装置である標準ガス提供装置243を用いて作成した検量線データを取得してメモリ部263等に記憶しておき、濃度測定を行う度に、予めメモリ部263等に記憶されている補正用データ(例えば、酵素センサ100の経時劣化や温度依存性のデータ)に基づいてメモリ部263等に記憶しておいた当該検量線データを補正し、そして、その補正された検量線データ(検量線データ263a)を用いて濃度を決定するのが好ましい。この場合、図9において、操作としてのステップS2及びステップS3の処理は省くこととなる。
上記実施形態において、濃度測定システム1(測定装置200)に標準ガス提供装置243を備えて、標準ガスを用いて検量線データ263aを作成するようにしたが、これに限ることはなく、例えば、標準ガス提供装置243に加えて(或いは、代えて)、標準液提供装置を備えて、標準液を用いて検量線データを作成するようにしても良い。この場合、標準液提供装置は、例えば、送液ポンプ223の前段(すなわち、電解液タンク221と送液ポンプ223との間のバルブ)に接続すると良い。
標準ガス提供装置243に代えて標準液提供装置を備える場合、標準液提供装置は、標準ガス提供装置243に比べてサイズが小さいため、酵素センサ100及び測定装置200を筐体(サイズ:例えば、20cm×10cm×15cm)内に収納して、濃度測定システム1を持ち運び可能とすることができる。
濃度測定システム1により気体試料中の検出対象物質の濃度を測定する場合、標準ガスを用いて作成した検量線データを用いて濃度を決定するのが好ましいため、標準液を用いて作成した検量線データを用いて検出対象物質の濃度を決定する場合は、予め、標準ガスを用いて作成した検量線データと、標準液を用いて作成した検量線データと、の相関を取得してメモリ部263等に記憶しておき、濃度測定を行う際、標準液を用いて検量線データを作成する度に、当該相関に基づいて当該作成した検量線データ(標準液を用いて作成した検量線データ)を補正し、そして、その補正された検量線データ(検量線データ263a)を用いて濃度を決定するのが好ましい。なお、標準液を用いて検量線データを作成する際は、公知の固定化方法で酵素を電極150上に固定したり、公知の固定化方法で酵素をスペーサ170に固定したりしておくのが好ましい。
上記実施形態において、供給部である気相室R1に気体試料を供給するようにしたが、供給部に供給する試料は流体試料であれば任意であり、例えば、液体試料を供給するようにしても良い。
また、上記実施形態において、検出部である液相室R2に所定の電解液を導入するようにしたが、検出部内を満たす物質(検出部内を洗浄する物質)は流体物質であれば任意であり、例えば、所定の気体であっても良い。
上記実施形態において、液相室R2に酵素を含有させるようにしたが、これに限定されるものではなく、液相室R2には、検出対象物質と選択的に反応する生体物質(生体由来の分子識別素子)、具体的には、例えば、酵素等の生体触媒、抗原、抗体、脂質、細胞、菌、DNA、糖鎖等が含有されていれば良い。
さらに、上記実施形態において、液相室R2に酵素(生体物質)を含有させるようにしたが、これに限定されるものではなく、液相室R2には、検出対象物質と選択的に反応する反応物質、具体的には、例えば、上記生体物質、金属触媒、有機触媒、無機触媒、各種ポリマー、ポリマーコンプレックス、ポリイオンコンプレックス、吸光物質、蛍光物質等が含有されていれば良い。なお、液相室R2に含有される反応物質の種類は、1種類であっても良いし、複数種類であっても良い。
電極150は、上記実施形態のものに限ることはなく、スクリーン印刷法、蒸着法、スパッタリング法等によって、白金、金、銀、カーボン等から形成されたものなどであれば任意である。これらは使用する電子伝達体との相性(電極材料により電極150上での酸化されやすさが異なる)により決まる。
また、銀/塩化銀電極である参照電極152は、スクリーン印刷法、蒸着法、スパッタリング法等によって一旦銀電極を形成させた後、一定電流を電解する方法、塩化第2銀水溶液中に浸漬する方法、スクリーン印刷法によって塩化銀を塗布・積層させる方法等によって形成されたものなどであれば任意である。
また、電極150として、作用電極151、参照電極152及び対電極153の三極構造としたが、電極150は、参照電極152を設けない二極構造(作用電極151及び対電極153の二極構造)であっても良い。
上記実施形態において、検出素子は、電極150に限定されるものではなく、検出対象物質と、検出対象物質と選択的に反応する反応物質と、の反応に伴う所定の変化(例えば、物質変化、色変化、吸熱変化、発熱変化、質量変化、抵抗変化、容量変化等)を検出して電気信号に変換できるのであれば任意である。具体的には、検出素子としては、例えば、電極(過酸化水素電極、溶存酸素電極、電気伝導度電極、イオン電極、酸化還元電位電極、櫛型電極、並行平板電極等)、半導体、受光素子、感熱素子、圧電素子、サーミスタ、カンチレバー、イオン感応性電界効果型トランジスタ(ISFET)、水晶振動子(QCM)、弾性表面波(SAW:surface acoustic wave)デバイス等を用いることができる。
本実施形態の濃度測定システムの構成を示す図である。 本実施形態の濃度測定システムが備える測定装置の機能的構成を示すブロック図である。 初期傾きを説明するための図である。 本実施形態の濃度測定システム1が備える酵素センサ100の平面斜視図である。 図4のV−V線における断面を模式的に示す図である 図4のVI−VI線における断面を模式的に示す図である。 透過膜が取り付けられた状態の上側支持体の底面図(a)であり、電極が形成された状態の下側支持体の平面図(b)である。 スペーサを説明するための模式図である。 本実施形態の濃度測定システムによる、酵素センサを用いた検出対象物質の濃度の測定に関する処理の一例を説明するためのフローチャートである。 実施例1で電極と電子伝達体の組み合わせの評価のために行ったCV測定の結果である。 実施例1でスペーサの評価のために得た時間変化曲線である。 実施例1で検量線データの作成のために得た時間変化曲線である。 図12に示す時間変化曲線の初期部分と、その初期部分を近似して得た近似直線である。 実施例1で作成した検量線データである。
符号の説明
1 濃度測定システム
100 酵素センサ(センサ)
130 透過膜
150 電極(検出素子)
170 スペーサ
170a 貫通孔
200 測定装置
211 計測回路(計測手段)
223 送液ポンプ(導入ポンプ)
241 吸気ポンプ(供給ポンプ)
261 CPU(算出手段、取得手段)
263 メモリ部(記憶手段)
263a 検量線データ
264c 測定プログラム(算出手段、取得手段)
R1 気相室(供給部)
R2 液相室(検出部)

Claims (4)

  1. センサと、
    前記センサによる検出結果に基づいて流体試料中の検出対象物質の濃度を測定する測定装置と、
    を備え、
    前記センサは、
    前記流体試料が供給される供給部と、
    前記供給部と隣接するように配置された検出部と、
    前記供給部と前記検出部とを隔てるように配置され、少なくとも前記検出対象物質が透過する透過膜と、
    前記検出部に前記透過膜と対向して配置された検出素子と、
    前記透過膜と前記検出素子との間に配置され、前記検出素子に対して略垂直方向に貫通する貫通孔を複数有するスペーサと、
    を備え、
    前記測定装置は、
    前記センサからの信号値を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測された信号値の時間変化を表す時間変化曲線に基づいて、当該時間変化曲線の初期部分を近似して得た近似直線の傾きを初期傾きとして算出する算出手段と、
    前記初期傾きと、前記検出対象物質の濃度と、の関係を表す検量線データを予め記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された検量線データから、前記算出手段により算出された初期傾きに対応する検出対象物質の濃度を取得する取得手段と、
    を備え
    前記初期部分は、前記時間変化曲線のうちの、前記供給部への流体試料の供給を開始した時点以上の第1時間から、当該第1時間よりも大きい第2時間までの部分であることを特徴とする濃度測定システム。
  2. 請求項1に記載の濃度測定システムにおいて、
    前記測定装置は、
    前記流体試料を前記供給部に対して供給する供給ポンプと、
    所定の流体物質を前記検出部に対して導入し、当該検出部内を洗浄する導入ポンプと、
    を備えることを特徴とする濃度測定システム。
  3. 請求項1又は2に記載の濃度測定システムにおいて、
    前記検出素子は、多孔質カーボン電極であり、
    前記検出部には、電子伝達体としてフェロセンカルボン酸及び/又はフェロセニルトリメチルアンモニウムブロミドが含有されていることを特徴とする濃度測定システム。
  4. 請求項2に記載の濃度測定システムにおいて、
    前記センサは、前記検出対象物質と選択的に反応する酵素を備えた酵素センサであり
    前記流体試料は、気体試料であり
    前記供給部は、前記気体試料が供給される気相室であり
    前記検出部は、前記気相室と隣接するように配置され、所定の電解液が導入される液相室であり
    前記供給ポンプは、前記気体試料を前記気相室に対して供給する吸気ポンプであり
    前記導入ポンプは、前記所定の電解液を前記液相室に対して導入する送液ポンプであることを特徴とする濃度測定システム。
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