以下、本発明のガイドワイヤを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すガイドワイヤの外表面の近傍の部分を示す縦断面図である。なお、説明の都合上、図1中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図1中では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
図1に示すように、ガイドワイヤ1は、可撓性または柔軟性を有する芯線(線材)3で構成されたワイヤ本体2と、芯線3(ワイヤ本体2)と異なる色を有し、ガイドワイヤ1の外表面を部分的に隆起させる隆起部形成層4と、隆起部形成層4を視認可能な程度の透明性(光透過性)を有する被覆層5とを備えている。
本実施形態では、ワイヤ本体2は、1本の連続した芯線3で構成されており、その横断面形状は、円形をなしている。但し、本発明では、これに限らず、ワイヤ本体2は、同一または異なる材料の複数本の芯線(線材)を例えば溶接やろう接等により接合したものでもよく、また、他の構成物が設けられていてもよい。
ガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。また、ガイドワイヤ1の外径は、特に限定されないが、0.2〜1.2mm程度であるのが好ましい。
芯線3は、ガイドワイヤ1のほぼ全長に渡って延びており、ガイドワイヤ1の本体部分に対応する本体部32と、その先端側に位置するテーパ部34と、その先端側に位置する小径部36とで構成されている。本体部32は、その外径がほぼ一定であり、テーパ部34は、その外径が先端方向に向かって漸減しており(先細りとなっており)、小径部36は、その外径がほぼ一定である。
芯線3にテーパ部34を設けたことにより、本体部32とテーパ部34との境界部(テーパ部基端341)付近から先端方向に向かって芯線3の柔軟性が徐々に(連続的に)増し、その結果、ガイドワイヤ1の柔軟性が増すので、生体に挿入する際の操作性や安全性が向上する。
また、テーパ部34の先端側に小径部36を有することにより、最先端の柔軟な部分を長くでき、最先端部分がより柔軟になるという効果が生じる。
芯線3の本体部32の外径(=テーパ部基端341の外径)D1は、特に限定されないが、0.3〜1.0mm程度とするのが好ましく、0.4〜0.7mm程度とするのがより好ましい。
芯線3の小径部36の外径(=テーパ部先端342の外径)D2は、特に限定されないが、0.05〜0.3mm程度とするのが好ましく、0.1〜0.2mm程度とするのがより好ましい。なお、小径部36の外径は、一定である場合に限らず、外径が先端に向かって漸減しているものでもよい。
また、テーパ部34の長さは、ガイドワイヤ1の用途や種類により種々異なり、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜300mm程度、より好ましくは30〜250mm程度とすることができる。
また、小径部36の長さは、特に限定されるものではないが、好ましくは0〜100mm程度、より好ましくは10〜50mm程度とすることができる。
なお、テーパ部34のテーパ角度(外径の減少率)は、芯線3(ワイヤ本体2)の長手方向に沿って一定でもよく、また、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。また、テーパ部34は、1箇所に限らず、2箇所以上に設けられていてもよい。
また、芯線3の外表面、特に、後述する隆起部形成領域40における隆起部形成層4が形成されていない部分の芯線3の外表面(被覆層5の直下の表面)には、微小な凹凸(後述する隆起部81や窪み部82に対して十分小さい凹凸)が形成されているのが好ましい。これにより、特に、芯線3と被覆層5との密着性が向上し、被覆層5の剥離を防止することができる。
芯線3の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、Ni−Ti系合金、Ni−Al系合金、Cu−Zn系合金等の超弾性合金等の種々の金属材料や、比較的高剛性の樹脂材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、本発明では、ガイドワイヤ1の用途は、特に限定されないが、ガイドワイヤ1は、例えば、内視鏡を介して使用されるもの、より詳しくは、内視鏡のルーメンに挿入されたカテーテルを生体管腔等の目的部位まで誘導するのに用いられるガイドワイヤ(以下、「経内視鏡ガイドワイヤ」と言う)に適用することができる。以下、本実施形態では、代表的に、ガイドワイヤ1を経内視鏡ガイドワイヤに適用した場合を説明する。
経内視鏡ガイドワイヤでは、ガイドワイヤの外表面に視認マーカを設け、内視鏡を介してその視認マーカを視認する。本実施形態では、隆起部形成層4は、ガイドワイヤ1の外表面を部分的に隆起させる(隆起部81と窪み部82とを設ける)手段として機能するとともに、視認マーカとしても機能する。
ガイドワイヤ1には、隆起部形成層4が形成される領域である隆起部形成領域(形成領域)40が設定されており、この隆起部形成領域40における芯線3(ワイヤ本体2)の外周(外表面)には、隆起部形成層4が部分的に設けられている。隆起部形成層4は、芯線3(ワイヤ本体2)の外表面と異なる色を有しており、視認マーカとしても機能する。
隆起部形成領域40は、芯線3の長手方向に沿って、その全体でもよく(全長に渡っていてもよく)、また、一部でもよい。本実施形態では、隆起部形成領域40は、芯線3の全長に渡っている。
なお、隆起部形成領域40を芯線3の一部に設定する場合、隆起部形成領域40は、芯線3の先端からその途中まで設定されるのが好ましく、また、隆起部形成領域40の長手方向の長さは、5cm以上とするのが好ましく、10〜50cm程度とするのがより好ましく、20〜40cm程度とするのがさらに好ましい。
隆起部形成層4は、樹脂と顔料とを含む材料で構成されている。この隆起部形成層4の色は、主に、隆起部形成層4に含まれる顔料の種類や特性と、樹脂材料の組成や特性(特に色調等)と、顔料の含有量とによって決まり、これらを調整することにより、自在に設定することができるようになっている。
ここで、内視鏡を通してガイドワイヤ1の動きを認識するには、隆起部形成層4の色は、重要な要素の1つであり、これは、下地となる芯線3(ワイヤ本体2)の色との組み合わせを考慮すべきである。
1例として、芯線3またはその酸化被膜が、銀白色(金属色)、灰色または黒色であり、隆起部形成層4が、赤色または黄色の場合、両者の色の明度の差は大きく(高コントラスト)、これにより、隆起部形成層4の視認性は高く、好ましい。また、両者の色が例えば補色の関係にある場合も同様に、隆起部形成層4の視認性は高く、好ましい。また、例えば、黒または濃色(チャコールグレー、こげ茶色、紺色、紫色等)に対して、黄色、黄緑色、オレンジ色等や、青に対して、赤色、オレンジ色、ピンク色等、明確なコントラストを発現する組み合わせを選択することは、特に好ましい。また、濃淡が異なる同系色、例えば紺色と水色、小豆色とピンク色であってもよい。
隆起部形成層4の構成材料に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、下記(1)または(2)であるのが好ましい。
(1)隆起部形成層4の構成材料に含まれる樹脂としては、融点が200℃以上の樹脂(耐熱樹脂)を用いるのが好ましく、融点が200〜300℃程度の樹脂を用いるのがより好ましい。
融点が200℃以上の樹脂としては、例えば、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレンケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミドスルホン、ポリアリルスルホン、ポロアリルエーテルスルホン、ポリエステル、ポリエーテルスルホンや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(2)隆起部形成層4の構成材料に含まれる樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、隆起部形成層4中の顔料の含有量は、顔料の種類や特性、樹脂材料の組成や特性にもよるが、良好な色を得るためには、隆起部形成層4全体に対し、10〜99重量%程度であるのが好ましく、50〜95重量%程度であるのがより好ましい。
隆起部形成層4中における顔料は、均一に分散されているのが好ましいが、例えば隆起部形成層4の外表面側に偏在していてもよい。
なお、顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用(特に混合)してもよい。
隆起部形成層4の形状(パターン)、寸法は、特に限定されず、形成する隆起部81や窪み部82の形状(パターン)、寸法等に応じて適宜設定されるが、隆起部形成層4の厚さは、1〜30μm程度とするのが好ましく、2〜10μm程度とするのがより好ましい。これにより、ガイドワイヤ1の細径化を図ることができる。
また、図示の構成では、隆起部形成層4は、螺旋状に設けられている。螺旋状(または環状)の隆起部形成層4の場合、その幅は、0.3〜10mm程度であるのが好ましく、ピッチ(間隔)は、0.5〜10mm程度であるのが好ましい。
なお、隆起部形成層4の形状は、螺旋状や環状に限らず、視認マーカとしても機能するように構成する場合は、視認可能な模様であればよく、具体的には、視認可能な幅を有する連続した線であったり、視認可能な面積を有する非連続体である。例えば、直線、波形、水玉模様、格子模様(格子状)、網目模様等の他、数字、文字、記号、目盛り等、視認できるものであればいかなるものでもよい。さらに、螺旋状に続いて環状の隆起部形成層4を設けるなど、異なる模様(パターン)を2種類以上組み合わせることによって、位置確認を可能としてもよい。
顔料は、無機顔料、有機顔料のいずれでもよいが、耐熱性の点で好ましくは無機顔料である。無機顔料としては、カーボンブラック、雲母、二酸化チタン、ニッケルチタンイエロー、プルシアンブルー、ミロリーブルー、コバルトブルー、ウルトラマリン、ヴィリジアン等が使用可能である。
被覆層5は、隆起部形成層4を視認可能な程度の透明性(光透過性)を有し、少なくとも隆起部形成領域40において、隆起部形成層4および芯線3(ワイヤ本体2)を被覆している。本実施形態では、被覆層5は、隆起部形成層4および芯線3の全体を(全長に渡って)被覆している。
そして、被覆層5の外表面(ガイドワイヤ1の外表面)において、隆起部形成層4が設けられている部位が、隆起部形成層4が設けられていない部位に対して隆起している。すなわち、隆起部形成層4が設けられている部位に、隆起部(隆起している部分)(凸部)81が形成され、隆起部形成層4が設けられていない部位に、窪み部(窪んだ部分)(凹部)82が形成されている。これは、被覆層5の厚さが比較的薄いので、被覆層5の外表面は、隆起部形成層4の影響を受けて、その隆起部形成層4の形状やパターンに対応して隆起する(対応した形状になる)ためである。
これにより、被覆層5の外表面と、カテーテルの内腔や内視鏡のルーメンとの接触面積が小さくなり、摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、ガイドワイヤ1の操作性が良好なものとなる。
また、隆起部81および窪み部82は、被覆層5を直接加工して形成されるものではなく、被覆層5の直下の隆起部形成層4の影響を受けて形成されるので、被覆層5の外表面には尖った角部や頂部等は形成されず、その外表面は滑らかになる。すなわち、隆起部81および窪み部82は、丸みを帯びる。これにより、摺動性がさらに向上し、また、安全性が非常に高い。
また、隆起部81および窪み部82形状(パターン)、寸法は、特に限定されないが、図示の構成では、隆起部81は、螺旋状に形成されている。
螺旋状または環状等のように、芯線3(ワイヤ本体2)の長手方向に沿って、隆起部81と窪み部82とが交互に形成されている場合、芯線3(ワイヤ本体2)の長手方向に隣接する隆起部81同士の間隔(ピッチ)aは、0.5〜10mm程度とするのが好ましく、1〜5mm程度とするのがより好ましい。
また、隆起部81の高さ(平均高さ)hは、1〜30μm程度とするのが好ましく、2〜10μm程度とするのがより好ましい。
被覆層5は、樹脂を含む材料で構成されている。
この被覆層5の構成材料に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、その少なくとも1つは、隆起部形成層4の構成材料に含まれる樹脂に対して相溶性を有する樹脂を用いるのが好ましい。すなわち、被覆層5の構成材料と、隆起部形成層4の構成材料とに、互いに相溶性を有する樹脂が含まれているのが好ましい。これにより、隆起部形成層4と被覆層5とが強固に密着(結合)し、これにより、ガイドワイヤ1に対して曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、被覆層5の剥離を防止することができる。
ここで、相溶性を有するとは、熱力学的な相互溶解性が良好であることであり、言い換えれば、硬化後、両者間において安易に分離しないことを示すものである。
相溶性を有する樹脂の組み合わせとしては、同種(共通)(同一)の樹脂同士は、もちろんのこと、異種の樹脂同士でもよく、その異種の樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリアミドイミドとポリイミド、ポリエーテルイミドとポリイミド、ポリアミドイミドとポリエーテルイミドのように、互いに「イミド基」を有するもの、ポリスルホンとポリエーテルスルホンのように、互いに「スルホン基」を有するもの等、共通(同一)の基を有するものが挙げられる。
隆起部形成層4中の前記相溶性を有する樹脂の含有量は、隆起部形成層4全体に対し、1〜90重量%程度であるのが好ましく、5〜50重量%程度であるのがより好ましい。これにより、隆起部形成層4と被覆層5との密着性を向上させることができる。
また、被覆層5中の前記相溶性を有する樹脂の含有量は、被覆層5全体に対し、1〜50重量%程度であるのが好ましく、3〜35重量%程度であるのがより好ましい。これにより、隆起部形成層4と被覆層5との密着性を向上させることができる。
被覆層5の厚さは、特に限定されず、形成する隆起部81や窪み部82の寸法等に応じて適宜設定されるが、1〜20μm程度とするのが好ましく、2〜10μm程度とするのがより好ましい。
また、被覆層5の厚さと前記隆起部形成層4の厚さの合計値は、特に限定されないが、隆起部81における被覆層5の厚さと隆起部形成層4の厚さの合計値は、50μm以下とするのが好ましく、2〜40μm程度とするのがより好ましく、4〜20μm程度とするのがさらに好ましい。
これにより、ガイドワイヤ1の細径化を図ることができる。なお、従来の着色された螺旋縞模様や複数の縞模様を有する中空のチューブを芯線の上から熱収縮させて包むことにより付着させてなる視認マーカでは、その厚さが100μm程度になってしまい、前記の厚さを実現するのは困難であるが、本実施形態では、前記の構成(構造)や後述する製造方法により、容易かつ確実に、前記の厚さの隆起部形成層4および被覆層5を形成することができる。
なお、ガイドワイヤ1の製造方法の説明は、ここでは省略し、後述する第2実施形態におけるガイドワイヤ1の製造方法の説明において、併せて説明する。
以上説明したように、このガイドワイヤ1によれば、ガイドワイヤ1の外表面に、隆起部81および窪み部82が形成されているので、被覆層5の外表面と、カテーテルの内腔や内視鏡のルーメン等との接触面積が小さくなり、摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上する。これにより、操作性に優れたガイドワイヤを提供することができる。
また、隆起部81および窪み部82は、被覆層5を直接加工して形成されるものではなく、被覆層5の直下の隆起部形成層4の影響を受けて形成されるので、被覆層5の外表面には尖った角部や頂部等は形成されず、その外表面は滑らかになり、隆起部81および窪み部82は、丸みを帯びる。これにより、摺動性がさらに向上し、また、安全性が非常に高い。
また、このガイドワイヤ1では、細径化が図れるとともに、隆起部形成層4の色は、隆起部形成層4に含まれる顔料の種類や樹脂材料の組成、顔料の含有量等を調整することで、容易に、任意の色に設定することができる。このため、視認マーカの色の選択の幅が広く、様々な色の芯線3(ワイヤ本体2)に対して、視認性の良い隆起部形成層4を設けることができる。これにより、視認性に優れた視認マーカを有するガイドワイヤ1を提供することができる。
また、被覆層5の構成材料と、隆起部形成層4の構成材料とに、互いに相溶性を有する樹脂(例えば、共通の樹脂)が含まれているので、隆起部形成層4と被覆層5とが強固に密着(結合)し、これにより、ガイドワイヤ1に対して曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、被覆層5の剥離を防止することができる。
なお、本発明では、隆起部形成層4は、視認マーカとして機能しなくてもよい。この場合は、隆起部形成層4の構成材料に、顔料が含まれていなくてもよい。すなわち、隆起部形成層4は、例えば、芯線3(ワイヤ本体2)と同じ色を有していてもよく、また、透明であってもよく、また、不透明であってもよい。また、被覆層5は、例えば、不透明であってもよい。また、隆起部形成層4の形状は、例えば、位置確認が不可能な形状であってもよい。
また、本実施形態では、芯線3によりワイヤ本体2が構成され、その芯線3の外表面に、直接、隆起部形成層4および被覆層5が設けられているが、本発明では、これに限定されず、例えば、芯線3の外表面に、1つまたは複数の層が設けられ、その層の外表面に、隆起部形成層4および被覆層5が設けられていてもよい。すなわち、ワイヤ本体2は、芯線3の外周に設けられ、その外周の一部または全体を覆う1つまたは複数の層等を有していてもよい。
<第2実施形態>
図3は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態における外表面の近傍の部分を示す縦断面図、図4は、図3に示すガイドワイヤの製造方法を説明するための図であって、ガイドワイヤの外表面の近傍の部分を示す縦断面図である。
以下、第2実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態のガイドワイヤ1は、被覆層5を被覆し、隆起部形成層4を視認可能な程度の透明性(光透過性)を有する外層6を備えている。外層6は、被覆層5の一部を被覆していてもよく、また、全体を(全長に渡って)被覆していてもよい。そして、外層6の外表面(ガイドワイヤ1の外表面)において、隆起部形成層4が設けられている部位が、隆起部形成層4が設けられていない部位に対して隆起し、隆起部81および窪み部82が形成されている。
また、外層6は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させることが挙げられる。
ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)の低減を図るためには、外層6の構成材料に、以下に述べるような摩擦を低減し得る樹脂(第2の樹脂)が含まれているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内腔や内視鏡のルーメンとの摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、カテーテルの内腔や内視鏡のルーメンでのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1をカテーテルの内腔や内視鏡のルーメンで移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれをより確実に防止することができる。
外層6の厚さは、特に限定されないが、1〜15μm程度とするのが好ましく、2〜10μm程度とするのがより好ましい。外層6の厚さが厚すぎると、ガイドワイヤ1の物理的特性に影響を与えるおそれがあり、また、ガイドワイヤ1の細径化に不利である。
また、ガイドワイヤ1の隆起部形成層4は、第1の樹脂と、顔料とを含む材料で構成されている。また、被覆層5は、前記第1の樹脂と互いに相溶性を有する樹脂と、この相溶性を有する樹脂と異なる第2の樹脂とを含む材料で構成され、好ましくは、前記第1の樹脂と、第1の樹脂と異なる第2の樹脂とを含む材料で構成されている。また、外層6は、前記第2の樹脂と互いに相溶性を有する樹脂を含む材料、好ましくは、前記第2の樹脂を含む材料で構成されている。
これにより、被覆層5が、隆起部形成層4と外層6とを接着する接着層(接着剤)として機能する。このため、外層6に含まれる第2の樹脂として、他の部材に密着し難い樹脂を用いても、外層6の剥離を防止することができる。すなわち、被覆層5の構成材料と、隆起部形成層4の構成材料とに、互いに相溶性を有する樹脂、特に、共通の樹脂(第1の樹脂)が含まれているので、隆起部形成層4と被覆層5とが強固に密着(結合)し、また、外層6の構成材料と、被覆層5の構成材料とに、互いに相溶性を有する樹脂、特に、共通の樹脂(第2の樹脂)が含まれているので、被覆層5と外層6とが強固に密着し、これにより、ガイドワイヤ1に対して曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、被覆層5および外層6の剥離を防止することができる。
隆起部形成層4中の第1の樹脂の含有量は、隆起部形成層4全体に対し、50重量%以上であるのが好ましく、1〜90重量%程度であるのがより好ましく、5〜50重量%程度であるのがさらに好ましい。これにより、隆起部形成層4と被覆層5との密着性を向上させることができる。
また、被覆層5中の第1の樹脂と互いに相溶性を有する樹脂(例えば、第1の樹脂)の含有量は、被覆層5全体に対し、1〜50重量%程度であるのが好ましく、3〜35重量%程度であるのがより好ましい。これにより、隆起部形成層4と被覆層5との密着性を向上させることができる。
また、被覆層5中の第2の樹脂の含有量は、被覆層5全体に対し、50重量%以上であるのが好ましく、50〜99重量%程度であるのがより好ましく、65〜97重量%程度であるのがさらに好ましい。これにより、被覆層5と外層6との密着性を向上させることができる。
また、外層6中の第2の樹脂と互いに相溶性を有する樹脂(例えば、第2の樹脂)の含有量は、外層6全体に対し、1〜30重量%程度であるのが好ましく、3〜20重量%程度であるのがより好ましい。また、外層6を第2の樹脂と互いに相溶性を有する樹脂、特に、第2の樹脂で構成するのも好ましい。これにより、被覆層5と外層6との密着性を向上させつつ、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)をより低減することができる。
第1の樹脂としては、特に限定されないが、下記(1)または(2)であるのが好ましい。
(1)第1の樹脂としては、融点が200℃以上の樹脂(耐熱樹脂)を用いるのが好ましく、融点が200〜300℃程度の樹脂を用いるのがより好ましい。
融点が200℃以上の樹脂としては、例えば、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレンケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミドスルホン、ポリアリルスルホン、ポロアリルエーテルスルホン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
(2)第1の樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)の低減を図るための第2の樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
次に、ガイドワイヤ1の製造方法について説明する。
<1>
隆起部形成層4の構成材料および溶媒等で構成された隆起部形成層4用の液状の材料(隆起部形成層用液状材料)と、被覆層5の構成材料および溶媒等で構成された被覆層5用の液状の材料(被覆層用液状材料)と、外層6の構成材料および溶媒等で構成された外層6用の液状の材料(外層用液状材料)とをそれぞれ用意する。
まず、芯線3(ワイヤ本体2)の外周の隆起部形成領域40内に(本実施形態では芯線3の全長に渡って)、隆起部形成層用液状材料を塗布し、その塗膜(被膜)を形成する。この場合、隆起部形成領域40の全体(全領域)に、隆起部形成層用液状材料を塗布し、その塗膜を形成する。そして、前記塗膜を乾燥させる。
なお、隆起部形成層4、被覆層5および外層6の厚さ等の各部の寸法については、既に述べたので、ここでは、その説明は、省略する。
<2>
隆起部形成層用液状材料で形成された塗膜を部分的に除去し、隆起部形成層4のパターンを形成する。
また、この塗膜を除去する際、同時に、芯線3の外表面のうちの塗膜が除去された部分(隆起部形成領域40における隆起部形成層4が形成されていない部分の被覆層5の直下の表面)に、微小な凹凸を形成するのが好ましい。
これにより、芯線3と被覆層5との密着性が向上し、被覆層5の剥離を防止することができる。また、塗膜を除去する際、同時に、微小な凹凸を形成するので、製造工程を増加させることもない。
前記隆起部形成層用液状材料の塗膜を除去する方法は、特に限定されないが、例えば、グラインダー等の研削工具(切削工具)を用いて研削(切削)する方法、レーザ照射装置を用い、レーザ光を照射して除去する方法等を用いることができ、これらの方法を用いることで、前記塗膜を除去する際、同時に、前記微小な凹凸を形成することができる。
また、前記研削工具で研削して除去する方法は、図4に示すように、研削工具で隆起部形成層用液状材料の塗膜41を研削すると、研削後の塗膜41の縁部(端部)42は、なだらかになる(丸みを帯びる)。これにより、後述する被覆層用液状材料を塗布する工程で、塗膜41の除去部43に気泡が残存してしまうのを防止することができ、その除去部43全体に被覆層用液状材料を充填することができる。これにより、被覆層5の剥離をより確実に防止することができる。
<3>
隆起部形成層用液状材料の塗膜および芯線3の外周に、その芯線3の全長に渡って、被覆層用液状材料を塗布し、その塗膜(被膜)を形成する。これにより、被覆層用液状材料の塗膜によって、隆起部形成層用液状材料の塗膜および芯線3が、その芯線3の全長に渡って被覆される。そして、前記被覆層用液状材料の塗膜を乾燥させる。
<4>
被覆層用液状材料の塗膜の外周に、芯線3の全長に渡って、外層用液状材料を塗布し、その塗膜(被膜)を形成する。これにより、外層用液状材料の塗膜によって、被覆層用液状材料の塗膜が、芯線3の全長に渡って被覆される。そして、前記外層用液状材料の塗膜を乾燥させる。なお、前述した第1実施形態では、この工程<4>を省略する。
<5>
芯線3に形成(積層)された各塗膜を焼成(加熱)し、隆起部形成層4、被覆層5および外層6を形成する。
この処理における各条件(焼成温度、処理時間等)は、それぞれ、特に限定されず、例えば、隆起部形成層4、被覆層5および外層6の構成材料(例えば、樹脂材料の組成等)等の諸条件に応じて適宜設定されるが、焼成温度は、330〜600℃程度であるのが好ましく、380〜500℃程度であるのがより好ましい。また、処理時間(焼成時間)は、1〜60分程度であるのが好ましく、3〜30分程度であるのがより好ましい。
そして、必要に応じて、親水潤滑性コーティングや疎水潤滑性コーティング等を設け、ガイドワイヤ1が得られる。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第1実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
なお、隆起部形成層4が視認マーカとして機能しなくてもよい場合は、外層6は、例えば、不透明であってもよい。
<第3実施形態>
図5は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態における外表面の近傍の部分を示す縦断面図である。
以下、第3実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5に示す第3実施形態のガイドワイヤ1では、被覆層5が、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減する機能を有しており、これにより、ガイドワイヤ1の摺動性を向上させ、これによって、ガイドワイヤ1の操作性を向上させる。
ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)の低減を図るためには、被覆層5の構成材料に、以下に述べるような摩擦を低減し得る樹脂(第2の樹脂)が含まれているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内腔や内視鏡のルーメンとの摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、カテーテルの内腔や内視鏡のルーメンでのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1をカテーテルの内腔や内視鏡のルーメンで移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれをより確実に防止することができる。
また、ガイドワイヤ1の隆起部形成層4は、第1の樹脂と、第1の樹脂と異なる第2の樹脂と、顔料とを含む材料で構成されている。また、被覆層5は、前記第2の樹脂を含む材料で構成されている。すなわち、被覆層5の構成材料と、隆起部形成層4の構成材料とに、共通の樹脂(第2の樹脂)が含まれている。これにより、隆起部形成層4と被覆層5とが強固に密着(結合)し、これにより、被覆層5に含まれる第2の樹脂として、他の部材に密着し難い樹脂を用いても、ガイドワイヤ1に対して曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、被覆層5の剥離を防止することができる。
隆起部形成層4中の第2の樹脂の含有量は、隆起部形成層4全体に対し、1〜30重量%以上であるのが好ましく、3〜20重量%程度であるのがより好ましい。これにより、隆起部形成層4と被覆層5との密着性を向上させることができる。
また、被覆層5中の第2の樹脂の含有量は、被覆層5全体に対し、1〜30重量%程度であるのが好ましく、3〜20重量%程度であるのがより好ましい。また、被覆層5を第2の樹脂で構成するのも好ましい。これにより、隆起部形成層4と被覆層5との密着性を向上させつつ、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)をより低減することができる。
第1の樹脂としては、特に限定されないが、下記(1)または(2)であるのが好ましい。
(1)第1の樹脂としては、融点が200℃以上の樹脂(耐熱樹脂)を用いるのが好ましく、融点が200〜300℃程度の樹脂を用いるのがより好ましい。
融点が200℃以上の樹脂としては、例えば、ポリスルホン、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレンケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミドスルホン、ポリアリルスルホン、ポロアリルエーテルスルホン、ポリエステル、ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
(2)第1の樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第2の樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
また、隆起部形成領域40において、隆起部形成層4の外表面の面積は、隆起部形成層4が形成されていない部分の芯線3の外表面(被覆層5の直下の表面)の面積より大きく設定されている。
これにより、隆起部形成層4と被覆層5との接触面積が大きくなり、隆起部形成層4と被覆層5とがより強固に密着し、これにより、被覆層5の剥離をより確実に防止することができる。
また、隆起部形成領域40における隆起部形成層4の外表面の面積をS1、隆起部形成領域40における隆起部形成層4が形成されていない部分の芯線3の外表面(被覆層5の直下の表面)の面積をS2としたとき、この比S1/S2は、1.5〜10程度であるのが好ましく、3〜8程度であるのがより好ましい。
前記S1/S2が前記上限値より大きいと、他の条件によっては、隆起部形成層4の視認性が低下することがあり、また、また、前記S1/S2が前記下限値より小さいと、他の条件によっては、隆起部形成層4と被覆層5との密着性が低下することがある。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第1実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
<第4実施形態>
図6は、本発明のガイドワイヤの第4実施形態における外表面の近傍の部分を示す縦断面図である。
以下、第4実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図6に示すように、第4実施形態のガイドワイヤ1は、隆起部形成層4と異なる色の下地層7を備えており、隆起部形成層4は、この下地層7の外周(下地層7上)に部分的に設けられている。
下地層7は、少なくとも隆起部形成領域40において、芯線3(ワイヤ本体2)の外周を被覆している。例えば、隆起部形成領域40が芯線3の一部に設定されている場合、下地層7は、例えば、隆起部形成領域40のみにおいて芯線3の外周を被覆していてもよく、また、芯線3の全体を(全長に渡って)被覆していてもよい。
また、隆起層形成領域40において、隆起部形成層4が設けられていない部位では、被覆層5は、下地層7に密着している。
ガイドワイヤ1の隆起部形成層4は、第1の樹脂と、顔料とを含む材料で構成されており、下地層7は、前記第1の樹脂と互いに相溶性を有する樹脂と、マーカ形成層4の顔料と異なる色の顔料とを含む材料で構成され、好ましくは、前記第1の樹脂と、隆起部形成層4の顔料と異なる色の顔料とを含む材料で構成されている。この下地層7の色は、主に、下地層7に含まれる顔料の種類や特性と、樹脂材料の組成や特性(特に色調等)と、顔料の含有量とによって決まり、これらを調整することにより、自在に設定することができるようになっている。
また、下地層7の構成材料と、隆起部形成層4の構成材料とに、互いに相溶性を有する樹脂、特に、共通の樹脂(第1の樹脂)が含まれていので、下地層7と隆起部形成層4とが強固に密着(結合)し、これにより、ガイドワイヤ1に対して曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、隆起部形成層4の剥離を防止することができる。
下地層7中の第1の樹脂と互いに相溶性を有する樹脂(例えば、第1の樹脂)の含有量は、下地層7全体に対し、1〜90重量%程度であるのが好ましく、5〜50重量%程度であるのがより好ましい。これにより、下地層7と隆起部形成層4との密着性を向上させることができる。
また、下地層7中の顔料の含有量は、顔料の種類や特性、樹脂材料の組成や特性にもよるが、良好な色を得るためには、下地層7全体に対し、10〜99重量%程度であるのが好ましく、5〜95重量%程度であるのがより好ましい。
下地層7中における顔料は、均一に分散されているのが好ましいが、例えば下地層7の外表面側に偏在していてもよい。
なお、顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用(特に混合)してもよい。
下地層7の厚さは、特に限定されないが、1〜20μm程度とするのが好ましく、2〜10μm程度とするのがより好ましい。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第2実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
そして、このガイドワイヤ1では、隆起部形成層4の色は、隆起部形成層4に含まれる顔料の種類や樹脂材料の組成、顔料の含有量等を調整することで、容易に、任意の色に設定することができ、また、下地層7の色は、下地層7に含まれる顔料の種類や樹脂材料の組成、顔料の含有量等を調整することで、容易に、任意の色に設定することができる。このため、視認マーカおよびその下地の色の選択の幅が広く、芯線3(ワイヤ本体2)の色に関わらず、視認性の良い隆起部形成層4と下地層7との組み合わせを選択することができる。これにより、視認性に優れた視認マーカを有するガイドワイヤ1を提供することができる。
なお、この第4実施形態は、前述した第1および第3実施形態にも適用することができる。
<第5実施形態>
図7は、本発明のガイドワイヤの第5実施形態における外表面の近傍の部分を示す縦断面図である。
以下、第5実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図7に示す第5実施形態のガイドワイヤ1は、その隆起部形成層4が、視認マーカとしては機能せず、ガイドワイヤ1の外表面を部分的に隆起させる(隆起部81と窪み部82とを設ける)手段として機能するように構成されている。
このガイドワイヤ1の隆起部形成層4は、隆起部形成領域40における芯線3(ワイヤ本体2)の外周(外表面)に被覆形成され、その外表面側が部分的に突出している。すなわち、隆起部形成層4の外表面側には、部分的に突出部44が形成されている。
突出部44は、前述した第2実施形態における隆起部形成層4に相当する部分であり、外層6の外表面(ガイドワイヤ1の外表面)において、突出部44が設けられている部位(隆起部形成層4の突出した部分に対応する部位)が、突出部44が設けられていない部位(隆起部形成層4の突出していない部分に対応する部位)に対して隆起し、隆起部81および窪み部82が形成されている。
このガイドワイヤ1によれば、視認マーカに関する効果を除き、前述した第2実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
なお、この第5実施形態は、前述した第1および第3実施形態にも適用することができる。
<第6実施形態>
図8は、本発明のガイドワイヤの第6実施形態を示す部分縦断面図、図9は、図8に示すガイドワイヤの外表面の近傍の部分を示す縦断面図である。なお、説明の都合上、図8中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図8中では、理解を容易にするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは異なる。
以下、第6実施形態のガイドワイヤ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図8および図9に示すように、ガイドワイヤ1は、芯線(線材)3で構成されたワイヤ本体2と、螺旋状のコイル12と、樹脂被覆層11と、環状部材(段差埋め部材)9と、下地層7と、隆起部形成層4と、被覆層5と、親水性潤滑層13とを備えている。
芯線3(ワイヤ本体2)の先端部の外周、すなわち、図示の構成では、芯線3の小径部36の外周には、コイル12が配置されている。このコイル12は、素線(細線)(線材)を螺旋状に巻回(形成)してなる部材であり、芯線3(ワイヤ本体2)の小径部36を覆うように設置されている。図示の構成では、コイル12の隣接する素線同士は、接触しており、いわゆる密巻きの状態となっている。すなわち、コイル12(素線)は、隣接する素線同士が接触するように密巻きに巻かれている。これらの素線同士は、自然状態で互いにワイヤ本体2の軸方向に押し合う力(圧縮力)が生じている。ここで、「自然状態」とは、外力が付与していない状態を言う。なお、自然状態で前記圧縮力が生じていなくてもよいことは、言うまでもない。
また、コイル12(素線)は、その素線が芯線3の小径部36の外周に接触するように巻かれている。すなわち、コイル12の内面は、芯線3の小径部36の外周に接触している。
なお、図示の構成と異なり、芯線3の小径部36は、コイル12の内面と非接触で、コイル12内に挿通されていてもよい。すなわち、コイル12の素線は、芯線3の外周から離間していてもよい。また、コイル12は、外力を付与しない状態で、螺旋状に巻回された素線同士の間に隙間が空いていてもよい。
コイル12は、金属材料で構成されているのが好ましい。コイル12を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金や、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金(例えば白金−イリジウム合金)等が挙げられる。特に、貴金属のようなX線不透過材料(X線造影性を有する材料)で構成した場合には、ガイドワイヤ1にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができ、好ましい。また、コイル12は、その先端側と基端側とを異なる材料で構成してもよい。例えば、先端側をX線不透過材料のコイル、基端側をX線を比較的透過する材料(ステンレス鋼など)のコイルにて各々構成してもよい。コイル12の全長は、特に限定されないが、5〜500mm程度であるのが好ましい。
なお、本実施形態の場合、コイル12は、素線の横断面が円形のものを用いているが、これに限らず、素線の横断面が例えば楕円形、四角形(特に長方形)等のものであってもよい。
また、芯線3の最先端部は、扁平形状をなしている。すなわち、芯線3は、その小径部36の先端に、扁平形状をなす扁平部37を有している。図示の構成では、扁平部37は、略四角形の平板状をなしている。
この扁平部37の幅(コイル12の径方向の長さ)Lは、コイル12の内径a(小径部36の外径D2)よりも大きく設定されている。そして、扁平部37は、コイル12の先端部よりも先端側に位置している。すなわち、コイル12は、扁平部37と後述する環状部材9との間に配置され、その先端部は、扁平部37に当接(係合)し、基端部は、環状部材9の先端面93に当接している。
これにより、芯線3(ワイヤ本体2)の先端からコイル12が抜けて離脱してしまうのを防止することができる。これによって、コイル12を芯線3に固定(固着)する固定材料を省略することができる。なお、コイル12を、例えば、半田(ろう材)や接着剤等の固定材料により芯線3に固定してもよいことは、言うまでもない。また、コイル12の固定方法は、これらに限らず、例えば、溶接でもよい。
この扁平部37は、例えば、プレス成形等で形成することができる。具体例としては、例えば、芯線3の小径部36の長さを扁平部37の分だけ長くしておき、その芯線3の最先端部に対して、プレス成形を行う。これにより、小径部36の先端に、扁平部37が形成される。
また、ガイドワイヤ1は、芯線3(ワイヤ本体2)の先端部、すなわち、小径部36および扁平部37と、コイル12の外周(外表面)を覆う樹脂被覆層11を有している。この樹脂被覆層11は、芯線3の扁平部37およびコイル12の外周に密着している。
樹脂被覆層11は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1を生体管腔等に挿入する際の安全性の向上を目的として設けることができる。この目的のためには、樹脂被覆層11は、柔軟性に富む材料(軟質材料、弾性材料)で構成されているのが好ましい。そして、樹脂被覆層11は、特に、後述する下地層7、隆起部形成層4および被覆層5よりも柔軟な材料で構成されているのが好ましい。
このような柔軟性に富む材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、シリコーン樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等の熱可塑性エラストマー、ラテックスゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム材料、またはこれらのうちに2以上を組み合わせた複合材料が挙げられる。
特に、樹脂被覆層11が前述した熱可塑性エラストマーや各種ゴム材料で構成されたものである場合には、ガイドワイヤ1の先端部の柔軟性がより向上するため、生体管腔等への挿入時に、その内壁等を傷つけることをより確実に防止することができ、安全性が極めて高い。
また、樹脂被覆層11中には、X線不透過材料(X線造影性を有する材料)で構成された粒子(フィラー)が分散されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができる。
前記粒子の構成材料としては、X線不透過材料であれば特に限定されないが、例えば、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金(例えば白金−イリジウム合金)等を用いることができる。
樹脂被覆層11の厚さは、特に限定されず、樹脂被覆層11の形成目的や構成材料、形成方法等を考慮して適宜されるが、通常は、その厚さ(平均)は、20〜500μm程度であるのが好ましく、30〜300μm程度であるのがより好ましい。樹脂被覆層11の厚さが薄すぎると、樹脂被覆層11の形成目的が十分に発揮されないことがある。また、樹脂被覆層11の厚さが厚すぎると、ワイヤ本体2(ガイドワイヤ1)の物理的特性に影響を与えるおそれがある。
なお、樹脂被覆層11は、2層以上の積層体でもよい。
また、後述する下地層7および被覆層5の先端と樹脂被覆層11の基端とは、所定距離離間している(接触していない)。そして、樹脂被覆層11の基端側には、樹脂被覆層11の基端部とワイヤ本体2との間の段差空間を埋めるように、環状部材9が設けられている。この環状部材9は、芯線3のテーパ部34の外周に設けられている(密着している)。また、環状部材9の先端92は、樹脂被覆層11の基端に位置し、基端91は、下地層7および被覆層5の先端に位置している。
なお、樹脂被覆層11の基端の外径は、その樹脂被覆層11の基端におけるワイヤ本体2の外径より大きく、前記段差空間は、これらの外径の差により生じるものである。
また、環状部材9の先端92の外径は、樹脂被覆層11の基端の外径と略等しく、樹脂被覆層11の基端面111に、環状部材9の先端面93が接合(密着)している。この場合、樹脂被覆層11は、環状部材9の先端92を基端側に越えて、環状部材9に被らないようになっている。すなわち、環状部材9の先端92と樹脂被覆層11の基端との間で、段差のない連続面を形成している。
また、環状部材9の外径は、先端側から基端側に向かって(基端方向に向かって)漸減しており、環状部材9の基端91の外径は、先端92の外径より小さい。そして、環状部材9の基端91の外径は、その環状部材9の基端91における被覆層5の外径と略等しい。すなわち、被覆層5と環状部材9の基端91との間で、段差のない連続面を形成している。環状部材9の基端91の外径は、芯線3の本体部32の外径よりも小さい。環状部材9の基端91は、テーパ部基端341(図1参照)よりも先端側に位置している。環状部材9は、0.5〜15mmの長さを有している。
また、環状部材9の基端91の内径は、先端92の内径より大きい。これは、環状部材9が、芯線3のテーパ部34に位置しているためである。なお、基端91の内径が先端92の内径と同じであってもよい。
この環状部材9により、樹脂被覆層11の基端部が、ガイドワイヤ1と組み合わせて使用するカテーテルの先端や内視鏡の起上台等の医療器具に引っ掛かってしまうのを防止することができ、これによって、樹脂被覆層11が剥離してしまのを防止することができる。また、前記段差によるガイドワイヤ1の摺動性の低下を防止することができる。
また、環状部材9の硬度(硬さ)は、樹脂被覆層11の硬度よりも高く設定されているのが好ましい。これにより、環状部材9が、ガイドワイヤ1と組み合わせて使用するカテーテルの先端や内視鏡の起上台等の医療器具に引っ掛かってしまうのを防止することができる。
また、環状部材9の先端面93と内周面とのいずれか一方または両方が、粗面化されていてもよい。環状部材9の先端面93が粗面化されていると、樹脂被覆層11との密着性が向上し、また、内周面が粗面化されていると、芯線3および後述する固定材料14との密着性が向上する。
また、環状部材9の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等を用いることができる。例えば、樹脂被覆層11と同一の構成材料を用いることもでき、また、樹脂被覆層11と異なる構成材料を用いることもできる。
但し、環状部材9は、金属材料(金属)または硬質の樹脂材料(樹脂)で構成されているのが好ましく、特に、金属材料で構成されているのが好ましい。
環状部材9を構成する硬質の樹脂材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド等を用いることができる。
また、環状部材9を構成する金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、チタン合金、Ni−Ti合金、アルミニウム、金、白金等を用いることができる。金や白金などの貴金属、またはその合金にて構成することによってX線造影性が向上する。
また、環状部材9を金属材料で構成する場合は、その環状部材9の外周を図示しない被覆層で覆ってもよい。この被覆層の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料、各種セラミックス、各種金属材料等を用いることができるが、特に、絶縁材料を用いるのが好ましい。
また、環状部材9は、芯線3のテーパ部34の外周に設けられた固定材料14により、芯線3(ワイヤ本体2)に固定(固着)されている。
固定材料14としては、例えば、半田(ろう材)や接着剤等を用いることができるが、特に、絶縁性の接着剤を用いるのが好ましい。
なお、環状部材9の固定方法は、固定材料によるものに限定されないことは、言うまでもない。
また、図示の構成では、環状部材9の全部(全体)が、テーパ部34に位置しているが、これに限らず、環状部材9の一部のみが、テーパ部34に位置していてもよい。
この環状部材9は、ワイヤ本体2の環状部材9より基端側と先端側との剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)の差を緩和する機能を有しており、環状部材9により、樹脂被覆層11の基端における剛性の急激な増大が防止され、その樹脂被覆層11の基端におけるキンク(折れ曲がり)を防止することができる。
また、ガイドワイヤ1の少なくとも先端部の外表面(外面)は、親水性材料で構成された親水性潤滑層13で被覆されているのが好ましい。本実施形態では、ガイドワイヤ1の先端から環状部材9の基端91(下地層7および被覆層5の先端)に至るまでの領域におけるガイドワイヤ1の外表面(ガイドワイヤ1の環状部材9の基端91より先端側の部位の外表面)、すなわち、樹脂被覆層11および環状部材9の外表面が、親水性潤滑層13で被覆されている。これにより、親水性材料が湿潤して潤滑性を生じ、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)が低減し、摺動性が向上する。従って、ガイドワイヤ1の操作性が向上する。
親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁や内視鏡のルーメンとの摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ1の摺動性が向上し、カテーテル内や内視鏡のルーメンでのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。
また、ガイドワイヤ1は、隆起部形成層4と異なる色の下地層7を備えており、隆起部形成層4は、この下地層7の外周(下地層7上)に部分的に設けられている。図8に示すように、隆起部形成層4は、格子状をなしている。また、隆起部形成領域40は、芯線3の基端からテーパ部34の途中まで(環状部材9よりも基端側の位置まで)設定されているが、これに限らず、例えば、芯線3の全長に渡って設定されていてもよい。
下地層7は、少なくとも隆起部形成領域40において、芯線3(ワイヤ本体2)の外周を被覆している。本実施形態では、下地層7は、芯線3の基端から環状部材9の基端91まで設けられている。また、隆起層形成領域40において、隆起部形成層4が設けられていない部位では、被覆層5は、下地層7に密着している。
なお、下地層7は、これに限らず、例えば、隆起部形成領域40のみにおいて芯線3の外周を被覆していてもよく、また、芯線3の全体を(全長に渡って)被覆していてもよい。
下地層7は、樹脂と、マーカ形成層4の顔料と異なる色の顔料とを含む材料で構成されている。この下地層7の色は、主に、下地層7に含まれる顔料の種類や特性と、樹脂材料の組成や特性(特に色調等)と、顔料の含有量とによって決まり、これらを調整することにより、自在に設定することができるようになっている。
また、下地層7の構成材料に含まれる樹脂としては、特に限定されないが、その少なくとも1つは、隆起部形成層4の構成材料に含まれる樹脂に対して相溶性を有する樹脂を用いるのが好ましく、共通の樹脂を用いるのがより好ましい。すなわち、下地層7の構成材料と、隆起部形成層4の構成材料とに、互いに相溶性を有する樹脂が含まれているのが好ましく、共通の樹脂が含まれているのがより好ましい。これにより、隆起部形成層4と下地層7とが強固に密着(結合)し、これにより、ガイドワイヤ1に対して曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、隆起部形成層4の剥離を防止することができる。
下地層7中の前記相溶性を有する樹脂(特に、共通の樹脂)の含有量は、下地層7全体に対し、1〜90重量%程度であるのが好ましく、5〜50重量%程度であるのがより好ましい。これにより、下地層7と隆起部形成層4との密着性を向上させることができる。
また、下地層7の構成材料と、被覆層5の構成材料とに、互いに相溶性を有する樹脂が含まれているのが好ましく、共通の樹脂が含まれているのがより好ましい。これにより、隆起部形成層4が設けられていない部位で、被覆層5と下地層7とが強固に密着(結合)し、これにより、ガイドワイヤ1に対して曲げや捩れが繰り返し作用した場合でも、被覆層5の剥離を防止することができる。
また、下地層7中の顔料の含有量は、顔料の種類や特性、樹脂材料の組成や特性にもよるが、良好な色を得るためには、下地層7全体に対し、10〜99重量%程度であるのが好ましく、5〜95重量%程度であるのがより好ましい。
下地層7中における顔料は、均一に分散されているのが好ましいが、例えば下地層7の外表面側に偏在していてもよい。
なお、顔料は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用(特に混合)してもよい。
下地層7の厚さは、特に限定されないが、1〜20μm程度とするのが好ましく、2〜10μm程度とするのがより好ましく、3〜8μm程度とするのがさらに好ましい。
また、隆起部形成層4の厚さ(最大厚さ)d1は、特に限定されないが、1〜30μm程度とするのが好ましく、2〜10μm程度とするのがより好ましく、3〜8μm程度とするのがさらに好ましい。
また、被覆層5の厚さと隆起部形成層4の厚さの合計値は、特に限定されないが、隆起部81における被覆層5の厚さと隆起部形成層4の厚さの合計値(最大値)d2は、50μm以下とするのが好ましく、2〜40μm程度とするのがより好ましく、4〜30μm程度とするのがさらに好ましく、15〜25μm程度とするのが特に好ましい。
このガイドワイヤ1によれば、前述した第1実施形態のガイドワイヤ1と同様の効果が得られる。
そして、このガイドワイヤ1では、隆起部形成層4の色は、隆起部形成層4に含まれる顔料の種類や樹脂材料の組成、顔料の含有量等を調整することで、容易に、任意の色に設定することができ、また、下地層7の色は、下地層7に含まれる顔料の種類や樹脂材料の組成、顔料の含有量等を調整することで、容易に、任意の色に設定することができる。このため、視認マーカおよびその下地の色の選択の幅が広く、芯線3(ワイヤ本体2)の色に関わらず、視認性の良い隆起部形成層4と下地層7との組み合わせを選択することができる。これにより、視認性に優れた視認マーカを有するガイドワイヤ1を提供することができる。
なお、この第6実施形態は、前述した第2および第3実施形態にも適用することができる。
以上、本発明のガイドワイヤを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や、工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明のガイドワイヤは、X線等に対する造影性を有するものであるのが好ましい。これにより、生体内での位置を確認することができる。ガイドワイヤに造影性を付与する方法としては、例えば、所定の層の所定の部位の構成材料中に造影剤(造影性を有する材料によるフィラー)を添加することが挙げられる。この造影剤としては、X線等に対し造影機能を有するものであれば特に限定されないが、金属粉末、金属酸化物粉末の少なくとも一方で構成されるものが好ましい。
また、本発明のガイドワイヤの用途は、内視鏡のルーメンに挿入して使用するもの(経内視鏡ガイドワイヤ)に限定されない。