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JP5108311B2 - 酸化物結合炭化珪素質焼結体、及びその製造方法 - Google Patents

酸化物結合炭化珪素質焼結体、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸化物結合炭化珪素質焼結体、及びその製造方法に関する。更に詳しくは、耐クリープ性及び耐熱衝撃性に優れるとともに、焼成クラックや焼成反りが少なく、従来よりも低い焼成温度にて製造することが可能な酸化物結合炭化珪素質焼結体、及びその製造方法を提供することにある。
従来、炭化珪素(SiC)質耐火物は、その優れた耐熱性及び耐火性から工業上重要な位置を占めており、例えば、陶磁器焼成用の棚板(セッター)、敷板、サヤ、セッター支柱、ビームやローラー、その他の窯道具などに多用されている。このようなSiC質耐火物の一種として、SiC粒子を微量の金属酸化物等とともに混練・成形し、酸化性雰囲気で焼成することにより、SiC粒子を部分的に酸化させ、その部分酸化により生じた二酸化珪素(SiO)によってSiC粒子を結合させてなる、いわゆる酸化物結合炭化珪素質耐火物(「酸化物結合炭化珪素質焼結体」ともいう)が知られている。この酸化物結合炭化珪素質耐火物は、安価であることなどから、陶磁器焼成用の窯道具として広く使用されている。
しかしながら、酸化物結合炭化珪素質耐火物は、炭化珪素粒子(SiC粒子)を窒化珪素等からなる結合材で結合させてなる、いわゆるSi含浸型SiCや再結晶型SiC質耐火物と比較すると、強度レベルが低く、耐スポール性も悪いため、一般的に短寿命であった。
また、最近では、生産効率の向上や省エネなどのため迅速焼成が行われることが多く、窯道具に対する負荷も大きくなってきている。このような背景から、酸化物結合炭化珪素質耐火物の耐スポール性、耐酸化性、耐クリープ性等の特性改善が求められているが、これらの諸特性の改善には相反する要素が多く、互いにバランスよく向上させることが難しかった。
上記の問題点を解消するため、例えば、最大粒子径が4mm以下であるSiC粉末に対し、0.01〜0.7質量%のV、0.01〜0.7質量%のCaO及び0.01〜5質量%の粘土を添加して得た粉体を用いて作製された酸化物結合SiC質の窯道具とその製造方法等が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、炭化珪素から実質的に構成され、前記炭化珪素の結晶粒子とその粒界部及び気孔とを有し、且つ前記炭化珪素の結晶粒子を、二酸化珪素を主成分とする酸化物で結合した構造を有し、常温及び高温時における曲げ強度が100MPa以上であり、且つ嵩比重が2.65以上である酸化物結合炭化珪素質材料も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3373312号公報 特開平7−187785号公報 特開2006−335594号公報
しかしながら、上記した特許文献1及び2に示すような酸化物結合SiC質耐火物は、Si含浸型SiCや再結晶型SiC質耐火物と比較すると強度が低いため、製品として用いる場合、重厚にする必要があるとともに、耐クリープ性や耐熱衝撃性の面でも十分であるとはいえなかった。
また、特許文献1〜3に示すような従来の酸化物結合SiC質耐火物は、予め原料に添加する酸化珪素や、焼成過程で生成される酸化珪素の結晶化を進めるために、比較的高温、例えば、1300℃を超える温度で焼成して製造するものであったが、焼成時の焼成費用が増大するとともに、二酸化炭素の排出量も多く問題となっていた。また、このように従来の酸化物結合SiC質耐火物は、上記したような高温で焼成を行っているため、焼成過程において生成される酸化物に起因して、焼成クラックや焼成反り等が多く発生するという問題もあった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、耐クリープ性及び耐熱衝撃性に優れるとともに、焼成クラックや焼成反りが少なく、更に、従来の焼結体よりも低い焼成温度にて製造することが可能な酸化物結合炭化珪素質焼結体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子を結合する結合部として、二酸化珪素の結晶相を主相とし、特定のバナジウムの酸化物の結晶相を含有するものを用いることによって、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、以下に示す酸化物結合炭化珪素質焼結体、及びその製造方法が提供される。
[1] 炭化珪素を主成分とし、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子と、前記骨材粒子を結合する二酸化珪素を含む結合部とから構成される、多孔質構造の酸化物結合炭化珪素質焼結体であって、前記結合部は、前記二酸化珪素の結晶相を主相とし、NaV15及びVを、NaV15の結晶相及びVの結晶相の状態でそれぞれ含有するものである酸化物結合炭化珪素質焼結体。
[2] 前記NaV15の結晶相及びVの結晶相におけるバナジウム(V)の総量が、前記酸化物結合炭化珪素質焼結体に対して、0.05〜2.8質量%である前記[1]に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
[3] 前記NaV15の結晶相及びVの結晶相は、いずれも最高温度が800〜1300℃の焼成の降温過程に析出されたものである前記[1]又は[2]に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
[4] 前記酸化物結合炭化珪素質焼結体中に占める、炭化珪素以外の成分の割合が、1〜15質量%である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
[5] 前記結合部は、前記骨材粒子を結合するとともに、前記骨材粒子の表面の少なくとも一部を被覆している前記[1]〜[4]のいずれかに記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
[6] 前記結合部は、炭化珪素の結晶相を更に含有するものである前記[1]〜[5]のいずれかに記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
[7] 炭化珪素を主成分とし、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子を、二酸化珪素を含む結合部によって結合した、多孔質構造の酸化物結合炭化珪素質焼結体を製造する方法であって、前記骨材粒子に、二酸化珪素粉末と五酸化バナジウム(V)粉末とNaV 15 の生成に必要なNa化合物とを加えて混合して混合物を調製する工程(A)と、得られた前記混合物を成形して成形体を得る工程(B)と、得られた前記成形体を、最高温度が800〜1300℃の焼成条件で焼成して、前記骨材粒子を、二酸化珪素を含む前記結合部によって結合して焼結体を得る工程(C)と、得られた前記焼結体を降温することにより、二酸化珪素の結晶相を主相とする前記結合部に、NaV15の結晶相及びVの結晶相をそれぞれ析出させる工程(D)と、を備えた酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法。
[8] 前記工程(C)において、600℃から800℃までに焼成温度を昇温する時間を10〜20時間とする前記[7]に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法。
[9] 前記工程(C)において、大気雰囲気下にて前記成形体を焼成する前記[7]又は[8]に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法。
[10] 前記工程(A)において、前記骨材粒子100質量部に対して、二酸化珪素粉末を0.5〜5.0質量部、及び五酸化バナジウム粉末を0.1〜5.0質量部加えて前記混合物を得る前記[7]〜[9]のいずれかに記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法。
本発明の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、耐クリープ性及び耐熱衝撃性に優れるとともに、焼成クラックや焼成反りが少なく、従来よりも低い焼成温度にて製造することができる。また、本発明の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法は、このような酸化物結合炭化珪素質焼結体を簡便に、且つ低コストに製造することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
[1]酸化物結合炭化珪素質焼結体:
まず、本発明の酸化物結合炭化珪素質焼結体の一の実施形態について具体的に説明する。本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、炭化珪素を主成分とし、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子と、骨材粒子を結合する二酸化珪素を含む結合部とから構成される、多孔質構造の酸化物結合炭化珪素質焼結体であって、結合部は、二酸化珪素の結晶相を主相とし、NaV15及びVを、NaV15の結晶相及びVの結晶相の状態でそれぞれ含有するものである。
従来の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、通常、1300℃を超える焼成温度で成形体を焼成することによって製造されているため、二酸化珪素の結晶相を主相とする結合部にバナジウムが含まれている場合であっても、NaV15及びVのそれぞれが結晶相の状態で含有されていることはなく、例えば、Vの結晶相のみであったり、バナジウムの酸化物が非晶質(例えば、ガラス質)の状態となっている。このような結合部によって骨材粒子が結合された酸化物結合炭化珪素質焼結体は、耐クリープ性が低いものであったり、耐熱衝撃性が低いものであったりする。
本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、骨材粒子を結合する結合部が、二酸化珪素の結晶相を主相とし、NaV15及びVを、NaV15の結晶相及びVの結晶相の状態でそれぞれ含有するものであるため、耐クリープ性及び耐熱衝撃性に優れるとともに、焼成クラックや焼成反りが少なくなる。更に、従来の酸化物結合炭化珪素質焼結体よりも低い焼成温度にて製造することが可能となる。
このような本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、例えば、陶磁器焼成用の棚板(セッター)、敷板、サヤ、セッター支柱、ビームやローラー、その他の窯道具等に用いることができる。
なお、本発明における「主成分」とは、その全成分中の70質量%以上を示す成分のことをいう。即ち、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、その70質量%以上が炭化珪素であり、残部が結合部を構成する二酸化珪素やバナジウム等からなるものである。
また、「主相」とは、複数の成分の少なくとも一部がそれぞれ結晶相として存在する相において、最も成分比率が高い結晶相のことである。本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体の結合部においては、非晶質の成分を含む結合部全体に対して、5質量%以上が二酸化珪素であることが好ましい。
NaV15の結晶相とVの結晶相とのそれぞれが、上記した結合部に含有されていることの有無は、X線回折(XRD)によって測定することができる。具体的には、例えば、X線回折で粉末法にて測定し、X線源CuKαに対する2θ(回折角)が12.2°であるNaV15の回折ピークと、2θ(回折角)が27.8°であるVの回折ピークの有無で存在を確認することができる。
上記したNaV15の結晶相及びVの結晶相は、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子と、二酸化珪素粉末と、五酸化バナジウム粉末を含む混合物からなる成形体を、最高温度が800〜1300℃となるように焼成した後、得られた焼成体を降温することによって結合部中に析出させたものであることが好ましい。このように構成することによって、NaV15の結晶相及びVの結晶相を、結合部中に良好な状態で含有させることができるとともに、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体を比較的低温で製造することが可能となり、焼成クラックや焼成反りが少なく、更に、焼成時の焼成費用を抑制し、且つ二酸化炭素の排出量を少なくすることができる。
また、特に限定されることはないが、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体においては、上記した結晶相中には、五酸化バナジウム(V)の結晶相を含まないことが好ましい。なお、五酸化バナジウムの結晶相を含まないということは、上記したX線回折の条件によって、五酸化バナジウムの結晶相に由来する回折ピークが検出されないということである。
また、特に限定されることはないが、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、常温及び高温時、具体的には、20〜1400℃における曲げ強度が30MPa以上であることが好ましく、40〜300MPaであることが更に好ましく、45〜300MPaであることが特に好ましい。また、20℃と1400℃での曲げ強度の差異が50%以内であることが好ましい。
また、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、嵩比重が2.65以上であることが好ましく、2.65〜2.90であることが更に好ましく、2.65〜2.85であることが特に好ましい。
更に、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、板形状での耐熱衝撃温度が600℃以上であることが、製品として実使用する上で好ましい。
[1−1]骨材粒子:
本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体の骨材粒子は、実質的に炭化珪素からなる粒子である。なお、「実質的に炭化珪素からなる骨材粒子」とは、この炭化珪素に含まれる不純物以外は、意図的にその他の成分を含まない炭化珪素からなる骨材粒子のことである。なお、このような骨材粒子は、従来の酸化物結合炭化珪素質焼結体に用いられる骨材粒子と同様のものを好適に用いることができる。
本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体に用いられる骨材粒子の大きさについては特に制限はなく、一般的な酸化物結合炭化珪素質焼結体に用いられる程度の大きさであれば、例えば、比較的に粒子径の小さい粒子であっても、また、比較的に粒子径の大きい粒子であっても用いることができる。より具体的には、骨材粒子の最大粒子径は、10〜4000μmであることが好ましく、30〜4000μmであることが更に好ましく、50〜4000μmであることが特に好ましい。
なお、骨材粒子の最大粒子径が10μm未満であると、骨材粒子の充填が悪く、十分な嵩比重が得られないことがあり、骨材粒子の最大粒子径が4000μmを超えると、小さい場合と同様に、この骨材粒子の充填が悪く、十分な嵩比重が得られないことがある。また、大きな骨材粒子で製造した場合、骨材粒子の粒内破壊を生じるため強度が低下し、更には耐熱衝撃性が低下する問題が生じることがある。
本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体に用いられる骨材粒子の粒度分布については特に制限はないが、例えば、酸化物結合炭化珪素質焼結体に用いられる炭化珪素からなる粒子全体を100質量%とした場合に、粒子径が100μm超で200μm以下の粒子が30〜55質量%であり、50μm超で100μm以下の粒子が2〜18質量%であり、1μm超で10μm未満の粒子が10〜40質量%であり、1μm以下の粒子が15〜50質量%である。なお、これらの粒子のうち、粒子径が10μm以上の粒子が主として骨材粒子となる範囲であることが好ましい。
また、全骨材粒子を100質量%とした場合に、粒子径が2000μm超で4000μm以下の粒子が2〜20質量%の範囲であり、500μm超で2000μm以下の粒子が30〜60質量%の範囲であり、250μm超で500μm以下の粒子が2〜20質量%の範囲であり、90μm超で250μm以下の粒子が5〜20質量%の範囲であり、90μm以下の粒子が20〜35質量%の範囲であるものも好適な製品を得ることができる。このように構成することによって、耐クリープ性及び耐熱衝撃性に優れた酸化物結合炭化珪素質焼結体を得ることができる。
[1−2]結合部:
本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体に用いられる結合部は、二酸化珪素を含み、上記した骨材粒子の間隙に配置されて骨材粒子同士を結合させるものである。この結合部は、二酸化珪素の結晶相を主相とし、NaV15及びVを、NaV15の結晶相及びVの結晶相の状態でそれぞれ含有するものである。
本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体においては、この酸化物結合炭化珪素質焼結体中に占める、炭化珪素以外の成分の割合が、1〜15質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることが更に好ましく、5〜10質量部であることが特に好ましい。この炭化珪素以外の成分の割合が1質量部未満であると、結合部を構成する二酸化珪素の量が少なすぎて、骨材粒子を結合させる働きが低下し、曲げ強度が低下してしまうことがある。一方、炭化珪素以外の成分の割合が15質量部を超えると、酸化物結合炭化珪素質焼結体全体に占める二酸化珪素の含有量が多くなりすぎて、酸化物結合炭化珪素質焼結体の耐クリープ性が低下してしまうことがある。
なお、結合部に含まれる二酸化珪素の含有量としては、酸化物結合炭化珪素質焼結体全体に対して、0.45〜10質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることが更に好ましく、5〜10質量%であることが特に好ましい。
また、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体においては、NaV15の結晶相及びVの結晶相におけるバナジウム(V)の総量が、酸化物結合炭化珪素質焼結体全体に対して、0.05〜2.8質量%であることが好ましく、0.5〜2質量%であることが特に好ましい。バナジウム(V)の総量が2.8質量%を超えると、焼成過程で表面の酸化が著しく進行するため表面で酸化皮膜が形成され、内部への酸素供給が不十分となり、結果として内部の焼結が進まず焼結体の曲げ強度が低下し、耐酸化性や耐クリープ性も低下してしまうことがある。一方、バナジウム(V)の総量が0.05質量%未満であると、結合部の焼結が進まず耐酸化性が低下してしまうことがある。
また、この結合部は、骨材粒子の間隙に配置されて骨材粒子同士を結合させるためのものであるが、例えば、骨材粒子を結合するとともに、この骨材粒子の表面の少なくとも一部を被覆しているものであってもよい。このように構成することによって、酸化物結合炭化珪素質焼結体を陶磁器焼成用の棚板として使用する過程で生じる酸化や、骨材粒子(具体的には、炭化珪素の粒子)と陶磁器等が直接接触する場合に生じる反応等の問題を回避することができる。
また、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体においては、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子とは別に、結合部が、炭化珪素の結晶相を更に含有するものであってもよい。結合部に含有される炭化珪素の結晶相は、最大粒子径が10μm未満(より好ましくは、0.05μm以上で、10μm未満、更に好ましくは、1μm以下)の炭化珪素の微小粒子から構成されたものを挙げることができる。このように構成することによって、骨材粒子の粒界の空隙に炭化珪素の微小粒子(炭化珪素の結晶相)が充填されることとなり、最密充填を実現し、酸化物結合炭化珪素質焼結体の常温時及び高温時における曲げ強度の高強度化に寄与することができる。
なお、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体においては、上記した結合部に、微量成分として、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びバリウム(Ba)からなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物を更に含有していてもよい。このように構成することによって、曲げ強度、耐酸化性、及び耐クリープ性を更に向上させることができる。また、NaV15、及びV以外の状態で、バナジウム(V)元素を含む酸化物を含んでいてもよい。
また、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体においては、結合部に含まれる二酸化珪素の一部が、クリストバライトやトリジマイトの結晶相として含有されていてもよい。
[2]酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法:
次に、本発明の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法の一の実施形態について具体的に説明する。本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法は、炭化珪素を主成分とし、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子を、二酸化珪素を含む結合部によって結合した、多孔質構造の酸化物結合炭化珪素質焼結体を製造する方法である。
そして、この本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法は、実質的に炭化珪素からなる前記骨材粒子に、二酸化珪素粉末と五酸化バナジウム(V)粉末とを加えて混合して混合物を調製する工程(A)と、得られた混合物を成形して成形体を得る工程(B)と、得られた成形体を、最高温度が800〜1300℃の焼成条件で焼成して、骨材粒子を、二酸化珪素を含む前記結合部によって結合して焼結体を得る工程(C)と、得られた焼結体を降温することにより、二酸化珪素の結晶相を主相とする前記結合部に、NaV15の結晶相及びVの結晶相をそれぞれ析出させる工程(D)と、を備えたものである。
このように構成することによって、これまでに説明した本発明の酸化物結合炭化珪素質焼結体を簡便且つ低コストに製造することができる。特に、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法は、従来の製造方法と比較して、低い焼成温度にて酸化物結合炭化珪素質焼結体を製造することができるため、焼結体の焼成クラックや焼成反りを少なくすることができる。更に、焼成時の焼成費用を抑制し、且つ二酸化炭素の排出量を少なくすることができる。
以下、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法の各工程について、更に具体的に説明する。
[2−1]工程(A):
工程(A)は、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子に、二酸化珪素粉末と五酸化バナジウム(V)粉末とを加えて混合して混合物を調製する工程である。なお、この混合物を調製する際には、水等の液体に分散させて混合物を混練する。
骨材粒子、二酸化珪素粉末、及び五酸化バナジウム粉末等の各原料の配合割合は、焼成して得られる酸化物結合炭化珪素質焼結体の構成に応じて適宜決定することができるが、本実施形態においては、骨材粒子100質量部に対して、二酸化珪素粉末を0.5〜5.0質量部、及び五酸化バナジウム粉末を0.1〜5.0質量部加えて混合物を得ることが好ましい。このように構成することによって、得られる酸化物結合炭化珪素質焼結体の骨材粒子と結合部の割合が良好となり、耐クリープ性及び耐熱衝撃性に優れた酸化物結合炭化珪素質焼結体を得ることができる。
工程(A)に用いる骨材粒子は、最大粒子径が10〜4000μmの粒子であることが好ましく、30〜4000μmの粒子であることが更に好ましく、50〜4000μmの粒子であることが特に好ましい。
二酸化珪素粉末及び五酸化バナジウム(V)粉末の粒子の大きさについては特に制限はないが、二酸化珪素粉末は、平均粒子径が1〜30μmであることが好ましく、五酸化バナジウム粉末は、平均粒子径が10〜50μmであることが好ましい。
なお、工程(A)にて調製する混合物には、分散材及び/又はバインダーを更に添加することが好ましい。このとき、混合物は、分散材が添加されていることが好ましいが、バインダーが必ずしも添加されている必要はない。分散材としては、特に限定されないが、ポリカルボン酸アンモニウム、アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレンイミン、珪酸ナトリウム等を好適に用いることができる。また、バインダーとしては、特に限定されないが、ポリアクリル酸エマルジョン、カルボキシメチルセルロースやポリビニルアルコール等を好適に用いることができる。
また、酸化物結合炭化珪素質焼結体として、結合部に炭化珪素の結晶相を更に含有するものを製造する場合には、上記した骨材粒子の他に、炭化珪素の微小粒子を更に加えてもよい。この炭化珪素の微小粒子は、骨材粒子よりも粒子径の小さな粒子であり、最大粒子径が10μm未満(より好ましくは、0.05μm以上で、10μm未満、更に好ましくは、1μm以下)の炭化珪素の微小粒子を好適に用いることができる。
上記した混合物の原料を混合する方法については特に制限はなく、従来の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法において混合物を得る方法、例えば、所定の原料調合を行った原料をトロンメル、ニーダー、アトライター、フレット等に投入して混合する方法を挙げることができる。また泥漿化させた後にスプレードライヤーによる造粒を実施することもできる。
[2−2]工程(B):
工程(B)は、工程(A)にて得られた混合物を成形して成形体を得る工程である。成形体を得る方法については特に制限はなく、例えば、油圧プレス、振動成形、鋳込み成形等の公知の成形方法を挙げることができる。
例えば、鋳込み成形を用いた場合には、大型のプレス装置や押出し成形機等の投資を必要とせず生産が可能になるという利点がある。また、得られる成形体の密度を必要レベルに確保できるとともに、複雑形状の成形体を比較的容易に作製できるという利点もある。なお、鋳込み成形とは、セラミックス等の粉体を水等の液体に分散してスラリー状とし、それを成形型内に流し込んで硬化させることにより、粉体を所定の形状に成形する方法である。
なお、この工程(B)においては、工程(C)における焼成の前に、得られた成形体を乾燥することが好ましい。乾燥方法について特に制限はなく、従来公知の方法、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥法を用いることができる。
[2−3]工程(C):
工程(C)は、工程(B)にて得られた成形体を、最高温度が800〜1300℃の焼成条件で焼成して、骨材粒子を、二酸化珪素を含む結合部によって結合して焼結体を得る工程である。具体的には、工程(C)における焼成によって、焼成過程で炭化珪素が酸化して生成した二酸化珪素と、原料に含有された二酸化珪素粉末と、五酸化バナジウム(V)粉末とが一旦軟化又は溶解し、これらが一体となって骨材粒子を結合して結合部を構成する。これによって焼結体が形成される。
最高温度が800〜1300℃の焼成条件で焼成することによって、後の工程(D)において、結合部にNaV15の結晶相及びVの結晶相をそれぞれ析出させることが可能となる。例えば、1300℃を超える温度まで焼成を行うと、降温過程においてNaV15の結晶相が析出しなくなってしまう。また、最高温度が800℃未満では、混合物中の二酸化珪素粉末及び五酸化バナジウム粉末が十分に軟化又は溶解しないため、骨材粒子を強固に結合するができず、耐クリープ性及び耐熱衝撃性が低下してしまう。
また、本実施形態における焼成温度(最高温度)は、従来の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法における焼成温度(最高温度)と比較して低い温度であるため、焼結体の焼成クラックや焼成反りを少なくすることができる。更に、焼成時の焼成費用を抑制し、且つ二酸化炭素の排出量を少なくすることができる。
この工程(C)においては、600℃から800℃までに焼成温度を昇温する時間を10〜20時間とすることが好ましい。このように、600℃から800℃までの温度範囲においては、十分に時間をかけて昇温することにより、降温過程においてNaV15の結晶相及びVの結晶相を良好に析出させることができる。例えば、この600℃から800℃までの温度範囲における昇温を急速に行うと、上記結晶相の析出量が減少し、本来析出されるべき成分が非晶質や他の組成の結晶相となってしまうことがある。なお、ここでの昇温は、一定の昇温速度で行われる必要はなく、適宜昇温速度を変化させたり、昇温の途中である温度に一定時間キープする過程を設けるようにしてもよい。
工程(C)では、上記温度範囲(600〜800℃)においての焼成に引き続き、最高温度が800〜1300℃となるように更に焼成を行うが、この焼成においては、最高温度までの昇温を50℃/hrの昇温速度で行うことが好ましい。このように構成することによって、表層部分の骨材粒子の酸化量を制限することができる。
また、工程(C)は、酸化性雰囲気や還元性雰囲気のいずれの雰囲気下で焼成を行ってもよい。本実施形態においては、大気雰囲気下にて成形体を焼成することが好ましい。例えば、Si含浸型SiCや再結晶型SiC質耐火物を製造する場合には、雰囲気調整炉が必要不可欠であるが、本実施形態の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法においては大気雰囲気下での焼成が可能であるため、高価な設備を必要とせず、製造コストを大幅に削減することができるとともに、生産性を大きく向上させることができる。焼成窯の加熱方式としては電気ヒータによる抵抗加熱や誘導加熱、燃焼式バーナーによる加熱等を用いることができる。
[2−4]工程(D):
工程(D)は、得られた焼結体を降温することにより、二酸化珪素の結晶相を主相とする結合部に、NaV15の結晶相及びVの結晶相をそれぞれ析出させる工程である。具体的には、工程(C)における焼成によって溶解又は軟化した五酸化バナジウム粉末を、結合部中に、NaV15の結晶相及びVの結晶相の状態で再結晶化させる。
降温条件については特に制限はないが、300℃/hr以下の降温速度で降温することが好ましい。
以上のようにして、本発明の酸化物結合炭化珪素質焼結体を簡便且つ低コストに製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、各種物性値の測定方法、及び評価方法を以下に示す。
[結合部の結晶相]:酸化物結合炭化珪素質焼結体を構成する結合部の結晶相を、X線回折(XRD)によって測定した。具体的には、リガク社製のX線回折装置(商品名「RINT−1200」)を用いて、粉末法にて測定した。なお、NaV15の結晶相及びVの結晶相は、X線源CuKαに対する2θ(回折角)が12.2°であるNaV15の回折ピークと、2θ(回折角)が27.8°であるVの回折ピークの有無で確認した。
[耐クリープ]:酸化物結合炭化珪素質焼結体から、長さ120mm、幅20mm、厚さ5mmの試験体を切り出し、スパン100mmで支持して中央部に1MPaの荷重をかけ、この状態のまま1300℃で200時間保持した後、試験体の曲がり量を測定した。
[焼成クラック]:酸化物結合炭化珪素質焼結体の表面にエチルアルコールをハケで塗布し、クラックの有無を確認した。クラックが発生している場合は、アルコールがクラックの隙間部分に浸透するため目視観察で線状にクラックが確認できる。クラックの無いものを○、クラックがあっても1mm以下の長さのものを△、1mm以上のクラックがあるものを×とした。
[焼成反り]:長さ400mm、幅400mm、厚さ10mmの板形状の製品(成形体)を製作し、各条件下で焼成後、定盤上に置いて、定規を当てて定規と製品との隙間を測定し、最大隙間を測定して焼成反りとした。
[寸法膨張]:長さ400mm、幅400mm、厚さ10mmの板形状の製品(成形体)を製作し、各条件下で焼成前後の400mm部分の長さをノギスで測定し、焼成後の長さから焼成前の長さを除した値を寸法膨張とした。
[耐熱衝撃性]:長さ400mm、幅400mm、厚さ10mmの板形状の製品(成形体)を製作し、各条件下で焼成後、焼成した製品上面の面積の70%相当部分に2kgのアルミナ質の耐火レンガを積載し、炉床部分から100mm高さの支柱を4箇所に配し、この上に製品を積載した。次に、電気炉内にて600℃に加熱後、炉床部分を炉内から25℃の室内に取出し急冷させ、製品のクラックの有無を確認した。クラックの発生しなかったものを○、クラックが発生しても10mm以下の長さのものを△、10mm以上の長さのクラックが発生したものを×とした。
[嵩比重]:「JIS R 2205 耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法」により、酸化物結合炭化珪素質焼結体の密度(嵩比重)を測定した。
[曲げ強度]:「JIS R 1601 ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法」における4点曲げ強さにて測定した。
(実施例1)
炭化珪素粉末100質量部に対して、二酸化珪素粉末1質量部、五酸化バナジウム(V)粉末0.4質量部、粘土0.1質量部、炭酸カルシウム0.01質量部、珪酸ナトリウム0.1質量部、バインダー(物質名:ポリビニルアルコール)0.25質量部、及び水を添加したものを50kgボールミルにて、24時間混合して混合物を得た。得られた混合物を、真空中で30分間脱泡処理を施した後、石膏型に混合物を注泥する鋳込み成形で、成形体をそれぞれ得た。表1に、混合物の配合処方を示す。なお、実施例1に用いた炭化珪素粉末は、骨材となる比較的粒子径の大きな粒子と、酸化物結合炭化珪素質焼結体の結合部中に含有される比較的粒子径の小さい粒子(骨材粒子よりも粒子径の小さい粒子)とを含むものである。
Figure 0005108311
実施例1に用いた炭化珪素粉末の粒度は、粒子径が100μm超で200μm以下の粒子が40質量%であり、50μm超で100μm以下の粒子が5質量%であり、1μm超で10μm未満の粒子が13質量%であり、1μm以下の粒子が42質量%である。なお、これらの粒子のうち、粒子径が10μm以上の粒子が主として骨材粒子となる。
次に、得られた成形体を大気雰囲気下で最高温度が800℃となるように焼成することにより焼結体(サイズ:400mm×400mm×10mm)を得た。この時、20〜600℃まで12時間掛けて昇温し、600〜800℃の昇温時間は15時間掛けて行い、最高温度は3時間保持させ、降温は200℃/hrにて実施した。得られた焼結体を降温することにより、二酸化珪素の結晶相を主相とする結合部に、NaV15の結晶相及びVの結晶相をそれぞれ析出させて酸化物結合炭化珪素質焼結体(実施例1)を製造した。
得られた酸化物結合炭化珪素質焼結体の結合部を構成する結晶相について、X線回折(XRD)によって測定した。X線回折(XRD)による測定結果を表2に示す。なお、表2においては、結晶相が極めて多く確認されたものを◎、結晶相が多く確認されたものを○、結晶相が少しでも確認されたものを△、結晶相が確認されなかったものを×とした。実施例1においては、主相としての二酸化珪素(SiO)と炭化珪素(SiC)の結晶相が極めて多く確認され、NaV15の結晶相が多く確認された。また、V、V、及びクリストバライトの結晶相が少量であるが確認された。
Figure 0005108311
また、得られた酸化物結合炭化珪素質焼結体の特性値(耐クリープ、焼成クラック、焼成反り、寸法膨張、耐熱衝撃性、嵩比重、及び曲げ強度)について、上述した測定方法に従って測定を行った。測定結果を表2に示す。
(実施例2〜5)
成形体を焼成する際の最高温度を表1に示すようにした以外は、実施例1と同様の方法によって酸化物結合炭化珪素質焼結体を得、得られた酸化物結合炭化珪素質焼結体の結合部を構成する結晶相について、X線回折(XRD)によって測定した。また、得られた酸化物結合炭化珪素質焼結体の特性値について、上述した測定方法に従って測定を行った。測定結果を表2に示す。
(実施例6〜10)
実施例1とは粒度の異なる炭化珪素粉末を用い、成形体を焼成する際の最高温度を表3に示すようにした以外は、実施例1と同様の方法によって酸化物結合炭化珪素質焼結体を得た。炭化珪素粉末の粒度は、粒子径が2000μm超で3000μm以下の粒子が5質量%であり、500μm超で2000μm以下の粒子が45質量%であり、250μm超で500μm以下の粒子が8質量%であり、90μm超で250μm以下の粒子が13質量%であり、90μm以下の粒子が29質量%である。なお、これらの粒子のうち、粒子径が10μm以上の粒子が主として骨材粒子となる。得られた酸化物結合炭化珪素質焼結体の結合部を構成する結晶相について、X線回折(XRD)によって測定した。また、得られた酸化物結合炭化珪素質焼結体の特性値について、上述した測定方法に従って測定を行った。測定結果を表3及び表4に示す。
Figure 0005108311
Figure 0005108311
(考察)
NaV15の結晶相とVの結晶相とをそれぞれ結合部に含有する実施例1〜10の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、耐クリープが0.3〜0.7mmの範囲であり、耐クリープ性に優れたものであった
また、実施例1〜10の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、上記結晶相をそれぞれ結合部に含有するとともに、焼成時の最高温度が800〜1300℃という比較的低温度で焼成を行ったため、焼成クラック、焼成反り、寸法膨張についても問題のない程度であった
更に、実施例1〜10の酸化物結合炭化珪素質焼結体は、耐熱衝撃性も良好な結果を得ることができ、また、曲げ強度についても、陶磁器焼成用の棚板(セッター)、敷板、サヤ、セッター支柱、ビームやローラー、その他の窯道具等として用いるのに十分な値を示すものであった
本発明の酸化物結合炭化珪素質材料は、例えば、陶磁器焼成用の棚板(セッター)、敷板、サヤ、セッター支柱、ビームやローラー、その他の窯道具の他に、SiC特有の耐摩耗材料等の分野で好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 炭化珪素を主成分とし、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子と、前記骨材粒子を結合する二酸化珪素を含む結合部とから構成される、多孔質構造の酸化物結合炭化珪素質焼結体であって、
    前記結合部は、前記二酸化珪素の結晶相を主相とし、NaV15及びVを、NaV15の結晶相及びVの結晶相の状態でそれぞれ含有するものである酸化物結合炭化珪素質焼結体。
  2. 前記NaV15の結晶相及びVの結晶相におけるバナジウム(V)の総量が、前記酸化物結合炭化珪素質焼結体に対して、0.05〜2.8質量%である請求項1に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
  3. 前記NaV15の結晶相及びVの結晶相は、いずれも最高温度が800〜1300℃の焼成の降温過程に析出されたものである請求項1又は2に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
  4. 前記酸化物結合炭化珪素質焼結体中に占める、炭化珪素以外の成分の割合が、1〜15質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
  5. 前記結合部は、前記骨材粒子を結合するとともに、前記骨材粒子の表面の少なくとも一部を被覆している請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
  6. 前記結合部は、炭化珪素の結晶相を更に含有するものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体。
  7. 炭化珪素を主成分とし、実質的に炭化珪素からなる骨材粒子を、二酸化珪素を含む結合部によって結合した、多孔質構造の酸化物結合炭化珪素質焼結体を製造する方法であって、
    前記骨材粒子に、二酸化珪素粉末と五酸化バナジウム(V)粉末とNaV 15 の生成に必要なNa化合物とを加えて混合して混合物を調製する工程(A)と、
    得られた前記混合物を成形して成形体を得る工程(B)と、
    得られた前記成形体を、最高温度が800〜1300℃の焼成条件で焼成して、前記骨材粒子を、二酸化珪素を含む前記結合部によって結合して焼結体を得る工程(C)と、
    得られた前記焼結体を降温することにより、二酸化珪素の結晶相を主相とする前記結合部に、NaV15の結晶相及びVの結晶相をそれぞれ析出させる工程(D)と、を備えた酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法。
  8. 前記工程(C)において、600℃から800℃までに焼成温度を昇温する時間を10〜20時間とする請求項7に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法。
  9. 前記工程(C)において、大気雰囲気下にて前記成形体を焼成する請求項7及び8に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法。
  10. 前記工程(A)において、前記骨材粒子100質量部に対して、二酸化珪素粉末を0.5〜5.0質量部、及び五酸化バナジウム粉末を0.1〜5.0質量部加えて前記混合物を得る請求項7〜9のいずれか一項に記載の酸化物結合炭化珪素質焼結体の製造方法。
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