(調査結果について)
本実施形態の説明に先立ち、本願発明者が行った調査結果について説明する。
強誘電体酸化物よりなるキャパシタ誘電体膜は、FeRAMの製造時に様々な要因でダメージを受ける。
例えば、キャパシタ誘電体膜の上方に酸化シリコンよりなる層間絶縁膜を成膜する工程では、成膜雰囲気中に水素等の還元性物質が含まれるので、その水素によってキャパシタ誘電体膜が還元して劣化してしまう。
更に、本願発明者の経験によれば、その層間絶縁膜をプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成する場合には、キャパシタ誘電体膜にプラズマダメージが入ることも知られている。このプラズマダメージは、上部電極に電気的に接続されている配線がプラズマに曝されることで顕著に発生することが実験的に明らかとなっている。また、上部電極若しくはキャパシタ誘電体膜がプラズマ雰囲気に露出している場合でもキャパシタ誘電体膜にプラズマダメージが入る。
これら還元性物質及びプラズマダメージに起因したキャパシタ誘電体膜の劣化は、配線上に絶縁性水素バリア膜を形成することによって回避されると考えられる。
以下に、そのような絶縁性水素バリア膜を備えたFeRAMについて説明する。
図1〜図4は、本願発明者が調査に用いたFeRAMの製造途中の断面図である。
最初に、図1(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法によりシリコン基板1に素子分離絶縁膜11を形成する。そして、この素子分離絶縁膜11で画定されたシリコン基板1の活性領域にMOSトランジスタTRを形成する。
次いで、シリコン基板1の上側全面に、窒化シリコン(SiN)よりなるカバー絶縁膜11と酸化シリコン(SiO2)よりなる下地絶縁膜13とをプラズマCVD法により形成する。
更に、下地絶縁膜13の上に強誘電体キャパシタQを形成する。そのキャパシタQは、下から順に、プラチナよりなる下部電極15、PZTよりなるキャパシタ誘電体膜16、及び酸化イリジウム(IrO2)よりなる上部電極17をこの順に積層してなる。
その後、還元性物質からキャパシタ誘電体膜16を保護するために、アルミナよりなる第1絶縁性水素バリア膜18でキャパシタQを覆う。
そして、その第1絶縁性水素バリア膜18の上に酸化シリコンよりなる第1の層間絶縁膜19を形成した後、フォトリソグラフィにより第1の層間絶縁膜19をパターニングし、図示のように第1〜第3ホール19a〜19cを形成する。
その後、トランジスタTRに至る第3ホール19c内に、タングステンを主にして構成される導電性プラグ20を埋め込む。
次に、図1(b)に示すように、第1、第2ホール19a、19b内と第1の層間絶縁膜19の上に、アルミニウム膜を主体とする金属積層膜21をスパッタ法により形成する。
更に、金属積層膜21の上にフォトレジスト塗布し、それを露光、現像してレジストパターン22を形成する。
続いて、図2(a)に示すように、レジストパターン22をマスクにして金属積層膜21をパターニングし、配線23を形成する。
そして、図2(b)に示すように、レジストパターン23をアッシングして除去し、その後、薬液と純水を用いたウエット処理によりレジスト残渣を除去する。
そのようなウエット処理により配線23は水分を吸収した状態となる。また、ウエット処理によりレジスト残渣を完全に除去するのは困難であるため、ハイドロカーボン等のようなレジストに起因した不純物が配線23の表面に付着している可能性がある。
このように水分やハイドロカーボンが配線23に付着していると、次に形成される膜と配線23との間に膜剥がれが発生する可能性がある。
そこで、次の工程では、図3(a)に示すように、窒素雰囲気中において配線23に対してアニールを行うことにより、配線23に付着している水分やハイドロカーボン等の不純物を蒸散させ、配線23の表面を清浄化する。このアニールは、例えば基板温度350℃、窒素流量20リットル/分、処理時間30分の条件で行われる。
続いて、図3(b)に示すように、配線23と第1の層間絶縁膜19のそれぞれの上に、第2絶縁性水素バリア膜25としてスパッタ法でアルミナ膜を形成する。
その第2絶縁性水素バリア膜25と配線23との密着性は、図3(a)の工程で配線23に対してアニールを行い不純物を蒸散させたことで、良好に保たれる。
次に、図4に示すように、TEOS(Tetraethoxysilane)ガスを用いるプラズマCVD法により第2絶縁性水素バリア膜25の上に酸化シリコン膜を形成し、その酸化シリコン膜を第2の層間絶縁膜26とする。プラズマCVD法は、減圧CVD法等と比べて成膜温度を低くできるため、キャパシタ誘電体膜16が熱で劣化し難いという利点がある。
この第2の層間絶縁膜26を成膜するとき、配線23は、第2絶縁性水素バリア膜25で覆われているため、第2の層間絶縁膜26を成膜する際のプラズマ雰囲気に直接曝されない。これにより、配線23と電気的に接続されているキャパシタQにおいて、キャパシタ誘電体膜16が受けるプラズマダメージを低減できる。
この後に、第2の層間絶縁膜26の上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により研磨し、この調査で用いられたFeRAMの基本構造を完成させる。
以上説明したFeRAMの製造方法によれば、配線23を覆うようにして第2絶縁性水素バリア膜25を形成することにより、第2の層間絶縁膜26を成膜するときのプラズマ雰囲気から配線23を隔離し、配線23を通じてキャパシタ誘電体膜16にプラズマダメージを入るのを防止している。
しかしながら、この方法では、第2絶縁性水素バリア膜25と配線23との膜剥がれを防止するために、図3(a)で説明したようなアニールを行う必要がある。キャパシタQを形成した後にこのようなアニールを行うと、熱によってキャパシタ誘電体膜16が劣化するという新たな問題が発生する。本願発明者が行った調査によれば、このアニールを行うと、アニールを行わない場合と比較してキャパシタ誘電体膜16の残留分極電荷量が3%〜8%程度低下することが明らかとなった。
更に、第2の層間絶縁膜19に水分が残留している場合には、このアニールによってキャパシタQが蒸し焼きになり、キャパシタ誘電体膜16の劣化が一層甚だしくなってしまう。特に、外部雰囲気中の水素がキャパシタQに到達するのを効果的に防ぐべく、第2の層間絶縁膜19の途中の深さにアルミナ膜を挿入する場合に、このような蒸し焼きの問題が顕著となる。
なお、残留分極電荷量を回復させるべく、配線23を形成後にキャパシタ誘電体膜16を高温の酸素含有雰囲気中でアニールし、キャパシタ誘電体膜16の酸素欠損を補償することも考えられる。しかし、これでは酸化され易いタングステンを主にして構成される導電性プラグ20が酸化したり、配線23自身が酸化したりするので、配線23と導電性プラグ20とのコンタクト抵抗が上昇するという新たな問題が発生する。
本願発明者は、このように新たに発見された問題を解決すべく、以下に説明するような本実施形態に想到した。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る半導体装置について、その製造工程を追いながら説明する。
図5〜図31は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図では、一つの半導体チップにおける周辺回路領域Rperipheral、ロジック回路領域Rlogic、セル領域Rcell、パッド領域Rpadを併記してある。
この半導体装置はプレーナ型のFeRAMであって、以下のようにして製造される。
最初に、図5(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、n型又はp型のシリコン(半導体)基板30の表面を熱酸化することにより素子分離絶縁膜31を形成し、この素子分離絶縁膜31でトランジスタの活性領域を画定する。素子分離絶縁膜31の膜厚は、例えば、シリコン基板30の上面から測って約200nm程度である。このようなLOCOSによる素子分離構造に代えて、STI(Shallow Trench Isolation)を採用してもよい。
次いで、シリコン基板30の活性領域にp型不純物、例えばボロンを導入して第1、第2pウェル32、33を形成した後、その活性領域の表面を熱酸化することにより、ゲート絶縁膜34となる熱酸化膜を約6〜7nmの厚さに形成する。
続いて、シリコン基板30の上側全面に、厚さ約50nmの非晶質シリコン膜と厚さ約150nmのタングステンシリサイド膜を順に形成する。なお、非晶質シリコン膜に代えて多結晶シリコン膜を形成してもよい。その後に、フォトリソグラフィによりこれらの膜をパターニングして、ロジック回路領域Rlogicとセル領域Rcellのシリコン基板30上にゲート電極35を形成すると共に、周辺回路領域Rperipheralの素子分離絶縁膜31上に配線36を形成する。
ゲート電極35のゲート長は、例えば360μm程度である。
更に、ゲート電極35をマスクにするイオン注入により、ゲート電極35の横のシリコン基板30にn型不純物としてリンを導入し、第1〜第3ソース/ドレインエクステンション37a〜37cを形成する。
その後に、シリコン基板30の上側全面に絶縁膜を形成し、その絶縁膜をエッチバックしてゲート電極35と配線36の横に絶縁性サイドウォール38として残す。その絶縁膜として、例えばCVD法により酸化シリコン膜を45nmの厚さに形成する。
続いて、この絶縁性サイドウォール18とゲート電極35をマスクにしながら、シリコン基板30に砒素等のn型不純物を再びイオン注入することにより、ゲート電極35の側方のシリコン基板30に第1〜第3ソース/ドレイン領域39a〜39cを形成する。
更に、シリコン基板30の上側全面に、スパッタ法によりコバルト膜等の高融点金属膜を形成する。そして、その高融点金属膜を加熱させてシリコンと反応させることにより、第1〜第3ソース/ドレイン領域39a〜39cにおけるシリコン基板30上にコバルトシリサイド層等の高融点シリサイド層41を形成し、各ソース/ドレイン領域39a〜39cを低抵抗化する。なお、このような高融点金属シリサイド層は、ゲート電極35や配線36の表層にも形成される。
その後に、素子分離絶縁膜31の上等で未反応となっている高融点金属層をウエットエッチングして除去する。
ここまでの工程により、シリコン基板30のセル領域Rcellとロジック回路領域Rlogicには、それぞれゲート絶縁膜34、ゲート電極35、及び第1〜第3ソース/ドレイン領域39a〜39c等によって構成される第1〜第3MOSトランジスタTR1〜TR3が形成されたことになる。
次に、図5(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面に、プラズマCVD法で酸窒化シリコン(SiON)膜を厚さ約200nmに形成し、それを下地絶縁膜44とする。
更に、TEOSガスと酸素ガスとの混合ガスを使用するプラズマCVD法により、この下地絶縁膜44の上に第1の層間絶縁膜45として酸化シリコン膜を厚さ約600nmに形成する。その後に、第1の層間絶縁膜45の上面を平坦化するために、CMP法によりその上面を研磨する。その研磨量は、例えば200nm程度である。
次いで、図6(a)に示すように、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、第1の層間絶縁膜45の上に再びシリコン酸化膜を約100nmの厚さに形成し、このシリコン酸化膜を第1キャップ絶縁膜46とする。
そして、これらの絶縁膜45、46の脱水処理として、窒素雰囲気中において基板温度を約650℃とするアニールを約30分間行った後、第1キャップ絶縁膜26上にスパッタ法によりアルミナ膜40を厚さ約20nmに形成する。
その後、このアルミナ膜40に対し、基板温度を650℃、処理時間を60秒とするRTA(Rapid Thermal Annealing)を酸素雰囲気中で行う。
このように、アルミナ膜40の形成前に第1キャップ絶縁膜46を予め形成することで、CMP時に研磨パッドとの接触でついた第1の層間絶縁膜45の上面の微細な傷(マイクロスクラッチ)が第1キャップ絶縁膜46によって埋め込まれ、第1キャップ絶縁膜46の上面にアルミナ膜40が良好な平坦性で形成される。
次に、図6(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、アルミナ膜40の上に、スパッタ法により第1導電膜47としてプラチナ膜を形成する。この第1導電膜47は、後でパターニングされてキャパシタ下部電極になり、その膜厚は約155nmである。
更に、第1導電膜47の上に、スパッタ法によりPZT膜を150〜200nmの厚さに形成して、このPZT膜を強誘電体膜48とする。
なお、強誘電体膜48の成膜方法としては、スパッタ法の他に、MOCVD(Metal Organic CVD)法やゾル・ゲル法もある。更に、強誘電体膜48の材料は上記のPZTに限定されず、SBT(SrBi2Ta2O9)、SrBi2(TaxNb1-x)2O9、Bi4Ti2O12等のBi層状構造化合物や、PZTにランタンをドープしたPLZT(Pb1-xLaxZr1-yTiyO3)、或いはその他の金属酸化物強誘電体で強誘電体膜48を構成してもよい。
ここで、スパッタ法で形成されたPZTは、成膜直後では殆ど結晶化しておらず、強誘電体特性に乏しい。そこで、強誘電体膜48を構成するPZTを結晶化させるための結晶化アニールとして、酸素流量が0.025リットル/分の酸素含有雰囲気中で基板温度を約585℃とするRTA(Rapid Thermal Anneal)を約90秒間行う。なお、MOCVD法で強誘電体膜28を形成する場合は、この結晶化アニールは不要である。
次に、上記の強誘電体膜48の上に、スパッタ法で第1酸化イリジウム膜を厚さ約50nmに形成し、この第1酸化イリジウム膜に対してRTAを施す。そのRTAの条件は特に限定されないが、本実施形態では、酸素流量が0.025リットル/分の酸素含有雰囲気中で基板温度を725℃、処理時間を20秒とする。
その後に、第1酸化イリジウム膜の上にスパッタ法により第2酸化イリジウム膜を厚さ約200nmに形成し、これら第1、第2酸化イリジウム膜よりなる積層膜を第2導電膜49とする。
ここで、アルミナ膜40の上に第1導電膜47を形成することにより、アルミナ膜40を省いて第1キャップ絶縁膜46の上に第1導電膜47を直接形成する場合と比較して、第1導電膜47を構成するプラチナの配向性が良好となる。その第1導電膜47の配向の作用によって、強誘電体膜48を構成するPZTの配向が揃えられ、強誘電体膜48の強誘電体特性が向上する。
次に、図7(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、フォトリソグラフィにより第2導電膜49をパターニングして上部電極49aを形成する。そして、このパターニングにより強誘電体膜48が受けたダメージを回復させるために、強誘電体膜48に対する回復アニールを縦型炉内で行う。この回復アニールは、酸素流量が20リットル/分の酸素含有雰囲気において行われ、その条件は、例えば、基板温度650℃、処理時間60分である。
次いで、フォトリソグラフィで強誘電体膜48をパターニングすることにより、PZT等の強誘電体材料で構成されるキャパシタ誘電体膜48aを形成する。このパターニングでキャパシタ誘電体膜48aが受けたダメージは回復アニールによって回復される。この回復アニールは、縦型炉を用いて酸素含有雰囲気中で行われ、その条件として酸素流量20リットル/分、基板温度350℃、及び処理時間60分が採用される。
続いて、図7(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面に、水素や水分等の還元性物質からキャパシタ誘電体膜48aを保護するための第1絶縁性水素バリア膜51としてアルミナ膜をスパッタ法で厚さ約50nmに形成する。
なお、アルミナ膜に代えて、酸化チタン(TiOx)膜、酸化ジルコニウム(ZrOx)膜、酸化マグネシウム(MgOx)膜、及び酸化チタンマグネシウム(MgTiOx)膜のいずれかを第1絶縁性水素バリア膜51として形成してもよい。
そして、このスパッタによりキャパシタ誘電体膜28aが受けたダメージを回復させるために、酸素流量が20リットル/分の酸素含有雰囲気中で基板温度を550℃とする回復アニールを約60分間行う。この回復アニールは、縦型炉を用いて行われる。
次に、図8(a)に示すように、フォトリソグラフィで第1導電膜47と第1絶縁性水素バリア膜51とをパターニングすることにより、キャパシタ誘電体膜48aの下の第1導電膜47を下部電極47aにすると共に、この下部電極47aを覆うように第1絶縁性水素バリア膜51を残す。
なお、このパターニングでは、下部電極47aで覆われていない部分のアルミナ膜40も除去される。
その後に、プロセス中にキャパシタ誘電体48aが受けたダメージを回復させるために、基板温度650℃、処理時間60分の条件で、酸素流量が20リットル/分の酸素含有雰囲気中においてキャパシタ誘電体膜48aに回復アニールを施す。その回復アニールは、例えば縦型炉を用いて行われる。
ここまでの工程により、第1の層間絶縁膜45の上には、下部電極47a、キャパシタ誘電体膜48a、及び上部電極49aをこの順に積層してなるキャパシタQが形成されたことになる。なお、そのキャパシタQは、セル領域Rcellに複数形成されるが、本実施形態では簡略化のために一つのキャパシタQのみを図示している。
続いて、図8(b)に示すように、シリコン基板30の上側全面に、キャパシタQを保護するための第2絶縁性水素バリア膜53としてアルミナ膜をスパッタ法で約20nmの厚さに形成する。この第2絶縁性水素バリア膜53は、その下の第1絶縁性水素バリア膜51と協同して、水素や水分等の還元性物質がキャパシタ誘電体膜48aに至るのを防止し、キャパシタ誘電体膜48aが還元されてその強誘電体特性が劣化するのを抑えるように機能する。
このような機能を有する膜には、アルミナ膜の他に、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウム膜、及び酸化チタンマグネシウム膜があり、これらのいずれかを第2絶縁性水素バリア膜53として形成してもよい。
そして、基板温度550℃、処理時間60分の条件で、酸素含有雰囲気となっている縦型炉内においてキャパシタ誘電体膜48aに対して回復アニールを施す。この回復アニールにおける酸素流量は、例えば、酸素流量が20リットル/分である。
次いで、図9に示すように、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、上記の第2絶縁性水素バリア膜53上に酸化シリコン膜を約1500nmの厚さに形成し、その酸化シリコン膜を第2の層間絶縁膜55とする。
その後に、第2の層間絶縁膜55に対する脱水処理として、CVD装置を用いたN2Oプラズマ処理を行う。この場合、基板温度は350℃に設定され、処理時間は2分とされる。
このようなN2Oプラズマ処理により第2の層間絶縁膜55が脱水されると共に、第2の層間絶縁膜55の上面が窒化されて水分の再吸着を防止することができる。
次に、図10に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2の層間絶縁膜55の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、ホール形状の第1窓57aを備えた第1レジストパターン57を形成する。
次いで、この第1レジストパターン57をマスクに用いながら、第2の層間絶縁膜55から下地絶縁膜44までをドライエッチングすることにより、第1窓57aの下のこれらの絶縁膜に第1ホール58aを形成する。
このドライエッチングは、平行平板型プラズマエッチング装置(不図示)において行われる。そして、酸化シリコンよりなる第1及び第2の層間絶縁膜45、55と第1キャップ絶縁膜46に対しては、エッチングガスとしてC4F8、O2、及びArの混合ガスが使用される。なお、場合によっては、これらのガスにCOガスを添加してもよい。また、アルミナよりなる第2絶縁性水素バリア膜53もこのエッチングガスのスパッタ作用によってエッチングされる。
一方、酸窒化シリコンよりなる下地絶縁膜44に対しては、エッチングガスとしてCHF3、O2、及びArの混合ガスが使用される。
このようなエッチングが終了後、第1レジストパターン57は除去される。
次に、図11に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1ホール58aの内面と第2の層間絶縁膜55の上面に、スパッタ法によりチタン(Ti)膜と窒化チタン(TiN)膜をそれぞれ厚さ20nm、50nmに形成し、これらの膜をグルー膜とする。そして、このグルー膜の上に、六フッ化タングステンガスを使用するCVD法でタングステン膜を500nmの厚さに形成し、このタングステン膜で第1ホール58aを完全に埋め込む。
その後に、第2の層間絶縁膜55上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法で研磨して除去し、これらの膜を第1ホール58a内に第1導電性プラグ60として残す。
これらの導電性プラグのうち、セル領域Rcellに形成された第1導電性プラグ60は、第1、第2ソース/ドレイン領域39a、39bと電気的に接続される。一方、ロジック回路領域Rlogicに形成された第1導電性プラグ60は第3ソース/ドレイン領域39cと電気的に接続される。そして、周辺回路領域Rperipheralに形成された第1導電性プラグ60は配線36と電気的に接続される。
なお、第1導電性プラグ60を形成した後に、CVD装置を用いたN2Oプラズマ処理を第2の層間絶縁膜55に対して行い、第2の層間絶縁膜55の脱水と水分の再吸着の防止とを行ってもよい。その脱水処理は、例えば、基板温度を350℃、処理時間を2分とする条件で行われる。
ところで、第1導電性プラグ60は、非常に酸化され易いタングステンを主に構成されているため、酸素含有雰囲気中で容易に酸化してコンタクト不良を引き起こす恐れがある。
そこで、次の工程では、図12に示すように、第1導電性プラグ60が酸化するのを防止するために、第1導電性プラグ60と第2の層間絶縁膜55のそれぞれの上面に、酸化防止絶縁膜61としてCVD法により酸窒化シリコン膜を厚さ約100nmに形成する。
次に、図13に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、酸化防止絶縁膜61上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第2レジストパターン63とする。図示のように、上部電極49aと下部電極47aのそれぞれの上の第2レジストパターン63には、ホール形状の第2、第3窓63a、63bが形成される。
次いで、第2レジストパターン63をマスクにしながら、酸化防止絶縁膜61、第2の層間絶縁膜55及び第1、第2絶縁性水素バリア膜51、53をエッチングすることにより、上部電極49aの上に第2ホール55aを形成すると共に、下部電極47aのコンタクト領域上に第3ホール55bを形成する。
そして、第2レジストパターン63を除去した後、ここまでの工程でキャパシタ誘電体膜48aが受けたダメージを回復させるために、酸素含有雰囲気となっている縦型炉にシリコン基板30を入れ、基板温度500℃、処理時間60分の条件で、キャパシタ誘電体膜48aに対して回復アニールを施す。このとき、酸素の流量は例えば20リットル/分とされる。
その後に、酸化防止絶縁膜61をエッチバックして除去する。
次に、図14に示すように、第2の層間絶縁膜55と第1導電性プラグ60のそれぞれの上面、及び第2、第3ホール55a、55bの内面に、スパッタ法により金属積層膜(導電膜)65を形成する。本実施形態では、その金属積層膜65として、約150nmの厚さの窒化チタン膜、約550nmの厚さの銅含有アルミニウム膜、約5nmの厚さのチタン膜、及び約150nmの厚さの窒化チタン膜をこの順に形成する。
この金属積層膜65は、その成膜直後では表面に水分やハイドロカーボン等の不純物を殆ど吸着していない。そのため、これらの不純物を蒸散させる目的でレジスト除去後に行われるようなアニールを金属積層膜65に対して行わずに、引き続き金属積層膜65の上に膜を形成することができる。このようにアニールを省くことで、熱によるキャパシタ誘電体膜48aの劣化を防止できる。
次いで、図15に示すように、スパッタ法によりアルミナ膜を厚さ約20nmに形成し、このアルミナ膜を保護膜64とする。
保護膜64は、後述の第3の層間絶縁膜を形成する際のプラズマ雰囲気に金属積層膜65が直接曝されないようにし、金属積層膜65に接続されたキャパシタQがプラズマによって劣化するのを防止するプラズマ保護膜としての役割を果たす。
したがって、保護膜64の成膜方法としては成膜雰囲気がプラズマ雰囲気とならない方法を用い、保護膜64の成膜時にもキャパシタQがプラズマで劣化しないようにするのが好ましい。
なお、スパッタ法では成膜雰囲気がプラズマ雰囲気となるが、プラズマは基板と対向したスパッタターゲットに向かって引き付けられ、基板側にはプラズマはあまり引き付けられないので、スパッタ法で保護膜64を形成しても、キャパシタQはプラズマダメージを殆ど受けない。
また、アルミナ膜以外の絶縁性酸化金属膜で保護膜64を構成してもよい。そのような絶縁性酸化金属膜としては、アルミナ膜の他に、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウム膜、酸化チタンマグネシウム膜等がある。これらの絶縁性酸化金属膜は、外部雰囲気中の水素がキャパシタ誘電体膜48aに至るのを防止する水素拡散防止膜としての機能をも有する。
更に、既述のように、保護膜64を形成する前の金属積層膜65の表面には、水分やハイドロカーボン等の不純物が付着していないので、これらの不純物が原因で発生する保護膜64と金属積層膜65との膜剥がれを防止でき、これらの膜の密着性を良好に保つことができる。
続いて、図16に示すように、保護膜64の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第3レジストパターン62とする。
次に、図17に示すように、第3レジストパターン62をマスクにして保護膜64と金属積層膜65とをドライエッチングすることにより、金属積層膜65を第1金属配線65aとする。
保護膜64に対するドライエッチングは、平行平板エッチング装置において、エッチングガスとしてC4F8、Ar、及び酸素の混合ガスを用いて行われる。その場合は、各ガスの流量は、例えばC4F8が20sccm、Arが500sccm、及び酸素が12sccmとされる。また、これらのガスにCF4、CHF3、及びCOのいずれかを添加してもよい。
一方、金属積層膜65に対するドライエッチングは、ECR(Electron Cyclotron Resonance)エッチング装置において、エッチングガスとしてBCl3とCl2との混合ガスを用いて行われる。各ガスの流量は、例えば、BCl3が105sccm、Cl2が45sccmとされる。
酸化シリコンよりなる第2の層間絶縁膜55は、このエッチングガスに対して殆どエッチングされず、エッチングのストッパとして機能する。
なお、第1金属配線65aのうち、キャパシタQの上に形成されたものは、第1、第2ホール55a、55bを介してそれぞれ上部電極49a、下部電極47aと電気的に接続される。
この後に、第3レジストパターン62をアッシングして除去する。
なお、このアッシングの後に、薬液と純水を用いたウエット処理により第3レジストパターン62の残渣を除去するようにしてもよい。
このようにウエット処理を行っても、第1金属配線65aの上に既に保護膜64が形成されているので、ウエット処理に起因する水分やハイドロカーボンが原因で保護膜64と第1金属配線65aとの密着性が低下することはない。
これにより、水分やハイドロカーボンを蒸散させて保護膜64と第1金属配線65aとの密着性を向上させるアニールを金属配線65aに対して行う必要がなくなる。このようにアニールを省くことで、本実施形態では、アニール時の熱でキャパシタ誘電体膜48aが劣化するのを抑制できる。
次いで、図18に示すように、第1金属配線65aと第2の層間絶縁膜55とを覆う第3絶縁性水素バリア膜66として、スパッタ法によりアルミナ膜を5nm〜30nm、例えば20nmの厚さに形成する。
この第3絶縁性水素バリア膜66は、水素や水分等の還元性物質をブロックしてキャパシタ誘電体膜48aを保護する機能を有する。このような機能を有する膜には、アルミナ膜の他に、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウム膜、及び酸化チタンマグネシウム膜があり、これらのいずれかを第3絶縁性水素バリア膜66として形成してもよい。
還元性物質に対するバリア性を十分に維持するには、5nm以上の厚さに第3絶縁性水素バリア膜66を形成するのが好ましい。
また、窒化シリコン(SiN)膜や酸窒化シリコン(SiON)膜のような窒素を含んだシリコン含有絶縁膜を第3絶縁性水素バリア膜66として形成してもよい。そのようなシリコン含有絶縁膜は、絶縁性酸化金属膜には及ばないものの、実用的に十分な水素バリア性を有している。
そのシリコン含有絶縁膜のうち、窒化シリコン膜は、酸窒化シリコン膜よりも水素のバリア性に富んでいるため、第3絶縁性水素バリア膜66として好適である。
なお、水素によるキャパシタ誘電体膜48aの劣化が問題にならない場合には、第3絶縁性水素バリア膜66を省いてもよい。
次に、図19に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
図33は、本工程で使用されるプラズマCVD装置の構成図である。
このプラズマCVD装置200は、チャンバ201内に、複数枚のシリコン基板30を保持するウエハステージ201を備える。ウエハステージ201の下には、成膜中のシリコン基板30を所定の温度に加熱するヒータ205が設けられる。また、ウエハステージ201は、回転軸207を介してモータ206と機械的に接続されており、成膜中に所定の回転数で回転可能となっている。
また、チャンバ201には、ブロッキングコンデンサ203を介して低周波電源204が電気的に接続されており、成膜雰囲気に低周波電力が印加できる構造となっている。
そして、チャンバ201の下部には排気配管211が設けられる。その排気配管211は、バタフライバルブ209を介して排気ポンプ210と接続される。排気配管211の途中には圧力計208が設けられており、その圧力計208からの出力信号に基づきバタフライバルブ209の開き具合が調節され、チャンバ201内が所定の圧力に維持される。
プラズマCVDは、減圧CVD法等と比べて成膜温度を低くできるため、キャパシタ誘電体膜48aが熱で劣化し難いという利点がある。
本実施形態では、TEOSガスと酸素との混合ガスを反応ガスとしてチャンバ201に供給し、プラズマCVD法により第3絶縁性水素バリア膜66上に酸化シリコン膜を形成して、この酸化シリコン膜を第3の層間絶縁膜68とする。この第3の層間絶縁膜68の膜厚は、例えば第1金属配線65a上で約2600nmである。
なお、第3の層間絶縁膜68の成膜条件は特に限定されないが、本実施形態では低周波電源204からチャンバ201に印加する低周波電力の周波数を250Hzとし、パワーを600Wとする。なお、低周波電源204に加え、不図示の高周波電源から高周波電力をチャンバ201に印加してもよい。その場合、高周波電力の周波数を13.56MHz、パワーを400Wとする。また、ヒータ205によるシリコン基板30の加熱温度を250℃〜400℃、例えば350℃とする。そして、酸素ガスの流量を800sccm、TEOSガスの流量を1800sccm、圧力を約2.2Torrとする。
このようにプラズマCVD法で第3の層間絶縁膜68を成膜しても、第1金属配線65aの上面は保護膜64によって成膜時のプラズマ雰囲気に直接曝されない。したがって、第1金属配線65aと電気的に接続されたキャパシタQがプラズマによって受ける成膜ダメージを低減でき、キャパシタQが製造途中に劣化するのを防止できる。
なお、第1金属配線65aの側面には保護膜64が形成されていないが、プラズマのダメージの大部分はシリコン基板30の表面の垂直方向からキャパシタQに及ぶため、本実施形態のように第1金属配線65aの上面だけに保護膜64を形成するだけでも、プラズマのダメージからキャパシタQを十分に保護することができる。
しかも、本実施形態では、第3絶縁性水素バリア膜66を予め形成しているので、第3の層間絶縁膜68の成膜雰囲気に含まれる水素がキャパシタ誘電体膜48aに至るのを防止でき、キャパシタ誘電体膜48aが水素によって還元されてその強誘電体特性が低下するのを抑制できる。
更に、その第3絶縁性水素バリア膜66を第1金属配線65aの側面に形成することにより、該側面が受ける可能性のあるプラズマダメージを低減でき、プラズマ雰囲気から強誘電体キャパシタQを一層効果的に保護することができる。
この後に、第3の層間絶縁膜68の上面を平坦化すべくCMPにより該上面を研磨した後、基板温度約350℃、処理時間約4分の条件で、CVD装置内において第3の層間絶縁膜68の表面に対してN2Oプラズマ処理を行う。このようなN2Oプラズマ処理により、第3の層間絶縁膜68は脱水されると共に、その表面が窒化されて、水との親和性が高い酸化シリコンが水分を吸湿するのが防止される。
次に、図20に示すように、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により、第3の層間絶縁膜68の上に第2キャップ絶縁膜69として酸化シリコン膜を厚さ約100nmに形成する。
ここで、第3の層間絶縁膜68の上面には、CMPを行った際にCMP装置のパッドとの接触で発生したマイクロスクラッチが形成されているが、上記の第2キャップ絶縁膜69はこのマイクロスクラッチを埋め込んで平坦化する役割を担う。
その後、この第2キャップ絶縁膜69の上に、キャパシタ誘電体膜48aを還元性物質から保護するための第4絶縁性水素バリア膜70として、水素や水分等の還元性物質に対するブロック性に優れたアルミナ膜を厚さ約20nmに形成する。
更に、第4絶縁性水素バリア膜70の上に、TEOSガスを使用するプラズマCVD法により第1カバー絶縁膜71として酸化シリコン膜を約100nmの厚さに形成する。
なお、第1カバー絶縁膜71の脱水と水分の再吸着の防止のために、CVD装置内において第1カバー絶縁膜に対してN2Oプラズマ処理を行ってもよい。そのN2Oプラズマ処理は、例えば基板温度350℃、処理時間2分の条件で行われる。
次に、図21に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1カバー絶縁膜71の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、第1金属配線65aの上にホール形状の第4窓73aを備えた第4レジストパターン73を形成する。
次いで、C4F8、Ar、及びO2の混合ガスをエッチングガスにする平行平板型プラズマエッチングチャンバ(不図示)を用い、第4窓73aの下の各絶縁膜66、68〜71をエッチングすることにより、第1金属配線65aの上に第4ホール74aを形成する。
ここで、エッチングの対象となる第3絶縁性水素バリア膜66が厚いと、エッチングによる第4ホール74aの形成が困難となる。このエッチングを容易に行うために、第3絶縁性水素バリア膜66の厚さは30nm以下とするのが好ましい。
また、上記のエッチングガスを使用すると、第1金属配線65aの最上層に形成した窒化チタン膜がエッチングのストッパになるので、第4ホール74aが窒化チタン膜を突き抜けて形成されるのが防止され、第4ホール74aの底面に第1金属配線65aを構成する銅含有アルミニウム膜が露出することがない。これにより、第4ホール74a内に後で形成される導電性プラグと第1金属配線65aとのコンタクト抵抗が、アルミニウムによって上昇するのを抑制できる。
このエッチングが終了後、第4レジストパターン73は除去される。
次に、図22に示すように、基板温度を約200℃に保持しながら、第4ホール74aの内面と第1カバー絶縁膜71の上面にスパッタ法により窒化チタン膜を厚さ約150nmに形成し、それを第1グルー膜76とする。
続いて、六フッ化タングステンガスを使用するプラズマCVD法により、この第1グルー膜76の上に、第4ホール74aを完全に埋め込む厚さ、例えば約650nmの厚さのタングステン膜77aを形成する。
次いで、図23に示すように、上記のタングステン膜77aをエッチバックして第1カバー絶縁膜71の上面から除去し、第4ホール74a内のみに残す。これにより、第4ホール74a内には、第1金属配線65aと電気的に接続され且つタングステンを主にして構成される第2導電性プラグ77が形成されたことになる。
なお、この例ではタングステン膜をエッチバックしたが、エッチバックに変えてCMPを採用してもよい。
次に、図24に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、上記の第2導電性プラグ77と第1グルー膜76のそれぞれの上面に、スパッタ法により金属積層膜を形成する。その金属積層膜は、例えば、下から厚さ約550nmの銅含有アルミニウム膜、厚さ約5nmのチタン膜、そして厚さ約150nmの窒化チタン膜である。
その後に、フォトリソグラフィによりこの金属積層膜と第1グルー膜76とをパターニングして、これらの膜で構成される第2金属配線78を第1カバー絶縁膜71上に形成する。
このパターニングでは、第1カバー絶縁膜71上にエッチングの残膜を残さないために、上記の金属積層膜と第1グルー膜76に対するエッチングをオーバーエッチとする。
このようにオーバーエッチとしても、第4絶縁性水素バリア膜70は第1カバー絶縁膜71で覆われているので、上記のパターニングの際に第4絶縁性水素バリア膜70がエッチングされてその膜厚が薄くなるのが防止される。これにより、上記のパターニングを終了した後でも第4絶縁性水素バリア膜70の厚さを十分に維持でき、水素等の還元性物質を第4絶縁性水素バリア膜70で効果的にブロックすることができる。
続いて、図25に示すように、第1カバー絶縁膜71と第2金属配線78のそれぞれの上に、TEOSガスと酸素との混合ガスを使用するプラズマCVD法で酸化シリコン膜を厚さ約2200nmに形成し、この酸化シリコン膜を第4の層間絶縁膜82とする。
そして、第4の層間絶縁膜82の上面をCMP法により研磨して平坦化した後、基板温度350℃、処理時間4分の条件で第4の層間絶縁膜82に対してN2Oプラズマ処理を行うことにより、この第4の層間絶縁膜82を脱水すると共にその表面を窒化し、水分の再吸着を防止する。そのN2Oプラズマ処理は、例えばCVD装置を用いて行われる。
次に、図26に示すように、既述の絶縁膜69〜71と同じようにして、第4の層間絶縁膜82の上に第3キャップ絶縁膜83、第5絶縁性水素バリア膜84、及び第2カバー絶縁膜85を形成する。
このうち、第3キャップ絶縁膜83と第2カバー絶縁膜85は、TEOSガスを使用するプラズマCVD法で形成され、その膜厚は約100nmである。一方、第5絶縁性水素バリア膜84は、スパッタ法で形成された厚さ約50nmのアルミナ膜よりなる。
なお、第3キャップ絶縁膜83と第2カバー絶縁膜85のそれぞれの成膜を終了した後に、これらの膜に対してN2Oプラズマ処理を行い、これらの絶縁膜を脱水してもよい。そのN2Oプラズマ処理は、例えば、基板温度を350℃として2分間行われる。
次に、図27に示すように、第2カバー絶縁膜85の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像することにより、第2金属配線78の上にホール形状の第5窓88aを備えた第4レジストパターン88を形成する。
そして、平行平板型プラズマエッチングチャンバ内において、第4レジストパターン88をマスクにしながら各絶縁膜82〜85をエッチングすることにより、第2金属配線78上のこれらの絶縁膜に第5ホール87aを形成する。そのエッチングでは、例えば、C4F8、Ar、及びO2の混合ガスがエッチングガスとして使用される。
このエッチングが終了後、第4レジストパターン88は除去される。
続いて、図28に示すように、第5ホール87aの内面と第2カバー絶縁膜85の上面に、第2グルー膜90としてスパッタ法により窒化チタン膜を厚さ約50nmに形成する。そして、第2グルー膜90の上にCVD法でタングステン膜91aを形成し、このタングステン膜91aで第5ホール87aを完全に埋め込む。そのタングステン膜91aは、例えば約650nmの厚さに形成される。
次に、図29に示すように、第2カバー絶縁膜85の上の余分なタングステン膜91aをエッチバックして除去し、第5ホール87a内にのみタングステン膜91aを第3導電性プラグ91として残す。なお、エッチバックに代えて、CMP法でタングステン膜91aを除去するようにしてもよい。
次に、図30に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2グルー膜90と第3導電性プラグ91のそれぞれの上面に、下から厚さ約500nmの銅含有アルミニウム膜、及び厚さ約150nmの窒化チタン膜をこの順にスパッタ法に形成する。そして、フォトリソグラフィによりこの金属積層膜とその下の第2グルー膜90とをパターニングして、セル領域Rcellに第3金属配線92を形成すると共に、パッド領域Rpadにボンディングパッド92aを形成する。
次に、図31に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第2カバー絶縁膜85と第3金属配線92のそれぞれの上に、第1パッシベーション膜95を構成する絶縁膜としてCVD法で酸化シリコン膜を約100nmの厚さに形成する。
なお、第1パッシベーション膜95に対し、脱水処理と吸湿防止処理のためのN2Oプラズマ処理を行ってもよい。そのN2Oプラズマ処理は、例えばCVD装置内で行われ、その処理条件は基板温度が350℃、処理時間が2分である。
更に、この第1パッシベーション膜95上に、第2パッシベーション膜96として厚さが約350nmの窒化シリコン膜をCVD法で形成する。
そして、これら第1、第2パッシベーション膜95、96を選択的にドライエッチングして、パッド領域Rpadのボンディングパッド92aが露出する第6ホール96aを形成する。
次いで、シリコン基板30の上側全面に、感光性ポリイミドを約3μmの厚さに形成し、ポリイミド塗膜よりなる保護層97を形成する。次に、保護層97を露光、現像し、ボンディングパッド92aが露出する第7ホール97aを保護層97に形成する。その後に、基板温度310℃、N2流量100リットル/分、処理時間40分の条件で保護層97を熱硬化する。
以上により、本実施形態に係る半導体装置の基本構造が完成したことになる。
上記した本実施形態によれば、図19に示したように、第3の層間絶縁膜68をプラズマCVD法で成膜するときに、第1金属配線65aの上に保護膜64を予め形成してあるので、第1金属配線65aがプラズマ雰囲気に直接曝されない。このように保護膜64をプラズマ保護膜として機能させることで、第1金属配線65aを通じて成膜ダメージがキャパシタ誘電体膜48aに及ぶのを防止することができ、キャパシタ誘電体膜48aの強誘電体特性を高い状態に維持することができる。
特に、保護膜64を構成するアルミナ等の絶縁性酸化金属膜は、水素のバリア性に富んでいるため、水素によってキャパシタ誘電体膜48aが還元して劣化するのを防止できるという利点も得られる。
しかも、図16及び図17に示したように、金属積層膜65上に保護膜64が形成されている状態で該金属積層膜65をパターニングして第1金属配線65aとするので、パターニング後にレジスト残渣を除去するために行われるウエット処理において、第1金属配線65aの側面に水分やハイドロカーボン等の不純物が残存しても、その不純物によって保護膜64と金属積層膜65との密着性が低下する恐れはない。
そのため、ウエット処理の後に、これらの不純物を蒸散させるためのアニールを第1金属配線65aに対して行う必要がなくなり、そのアニールの熱によってキャパシタ誘電体膜48aの強誘電体特性が劣化するのを防止できる。
図32は、このような効果を検証すべく、キャパシタ誘電体膜48aの残留分極電荷量を実際に調査して得られたグラフである。
この調査では、図1〜図4で説明した製造方法で得られたキャパシタQでの結果を比較例として挙げている。
また、本実施形態に対しては、第3絶縁性水素バリア膜66を省いた場合(本実施形態1)と形成した場合(本実施形態2)のそれぞれにおいて調査を行った。
なお、いずれの場合においても、1224個のキャパシタの残留分極電荷量のウエハ面内での平均値をグラフに示している。更に、ウエハ面内での残留分極電荷量のばらつき(3σ)も併せて示している。
図32に示されるように、比較例では、本実施形態1、2と比べて残留分極電荷量が低下し、25.5μC/cm2程度の残留分極電荷量しか得られない。これは、図3(a)で説明したような、配線23に付着している不純物を蒸散させるためのアニールを行ったことで、アニールの熱によりキャパシタ誘電体膜16が劣化したためと考えられる。
一方、本実施形態1、2では、上記のように第1金属配線65aに対するアニールを省いたことにより、残留分極電荷量の低下が抑制され、比較例よりも3%〜7%程度高い残留分極電荷量を得ることができる。その結果、強誘電体キャパシタQを備えた半導体装置の動作マージンが拡大し、該半導体装置の歩留まりが向上する。
また、この調査から、本実施形態1のように第3絶縁性水素バリア膜66を省いても、残留分極電荷量の低下が抑えられることが明らかとなった。
但し、本実施形態2のように、第3絶縁性水素バリア膜66を形成する方が、残留分極電荷量の低下を効果的に防止することができる。
このように、本実施形態1、2では、残留分極低下量の低下が抑制されることから、第1金属配線65aの形成後にキャパシタ誘電体膜48aの残留分極電荷量を高めるための酸素含有雰囲気中でのアニールを行う必要がなく、該アニールによって第1金属配線65aと第1導電性プラグ60が酸化してこれらの間のコンタクト抵抗が上昇することもない。
更に、本実施形態では、第3絶縁性水素バリア膜66で第1金属配線65aと第2の層間絶縁膜55とを覆うようにした。その第3絶縁性水素バリア膜66により、保護膜64が形成されていない第1金属配線65aの側面が受ける可能性のあるプラズマダメージを低減でき、第3の層間絶縁膜68の形成時におけるキャパシタの劣化を一層効果的に抑制できる。
その第3絶縁性水素バリア膜66は、更に水素の侵入を阻止する機能を有しているため、製品として出荷された半導体装置中の強誘電体キャパシタQが外部雰囲気中の水素によって劣化し難くなり、強誘電体キャパシタQの長期信頼性が向上する。
ところで、プラズマCVD法で第3の層間絶縁膜68を成膜するときには、その成膜雰囲気に含まれる荷電粒子の電気的な作用により、キャパシタ誘電体膜48aが劣化するとも考えられる。そのため、プラズマ雰囲気から第1金属配線65aを隔離するための保護膜64として絶縁膜を形成し、荷電粒子の電気的な作用が第1金属配線65aを通じてキャパシタ誘電体膜48aに及ばないようにするのが好ましい。
以下に、保護膜64として好適な絶縁膜の例について説明する。
・第1例
本例では、保護膜64として、スパッタ法により酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜でも、第3の層間絶縁膜68の形成時に発生するプラズマから第1金属配線65aを保護することができ、第1金属配線65aを通じてキャパシタ誘電体膜48aにダメージが入るのを防止できる。
また、スパッタ法では、基板に対向したスパッタターゲットの方にプラズマが引き付けられるので、プラズマCVDと比較してキャパシタ誘電体膜48aが受ける成膜ダメージは少ない。そのため、酸化シリコンよりなる保護膜64をスパッタ法で形成することで、該保護膜64の形成時にキャパシタQにダメージが入るのを抑制できる。
なお、本例における保護膜64の厚さは特に限定されないが、例えば2nm〜30nmとされる。
膜厚の下限を2nmとしたのは、これよりも薄いとプラズマ雰囲気からキャパシタQを保護する機能が低下するおそれがあるためである。また、上限を30nmとしたのは、これよりも厚いと、図17の工程において保護膜64のエッチングが困難となるからである。
・第2例
本例では、保護膜64として塗布型絶縁膜を形成する。塗布型絶縁膜はSOG(Spin On Glass)とも称される。
塗布法は、保護膜64の形成に際してプラズマが不要であるため、強誘電体キャパシタQに対して優しいプロセスである。
塗布型絶縁膜としては、例えば、ラサ工業社製のアライト211のようなメチルシロキサン系SOGを形成し得る。その他に、燐ドープシリコン系SOGも保護膜64として形成し得る。
メチルシロキサン系SOGの場合は、スピンコートにより金属積層膜65の上にSOG塗膜を形成し、基板温度120℃、処理時間90秒の条件でそのSOG塗膜をベークする。その後に、例えば基板温度200℃〜250℃、処理時間15分の条件でSOG塗膜を熱により架橋させ、保護膜64を形成する。その架橋時にはSOG塗膜から水素や水分が発生するが、この時点ではシリコン基板30の上側全面に金属積層膜65が形成されており(図15参照)、その金属積層膜65によって水素等がブロックされるので、架橋時にキャパシタ誘電体膜48aが還元して劣化するおそれはない。
また、塗布型絶縁膜よりなる保護膜64の膜厚は、例えば10nm〜30nmとされる。膜厚の下限を10nmとしたのは、これよりも薄いと保護膜64にピンホールが発生する危険性が高まり、プラズマ雰囲気からキャパシタQを保護できないおそれがあるからである。また、上限を30nmとしたのは、第1例と同様にエッチングの困難性を考慮したためである。
・第3例
本例では、保護膜64としてポリイミド膜のような樹脂膜を形成する。ポリイミド膜は、感光性と非感光性の如何を問わず、保護膜64として形成し得る。
非感光性のポリイミド膜を形成する場合には、金属積層膜65上にポリイミド塗膜を形成し、その塗膜を窒素雰囲気中において基板温度180℃〜220℃、処理時間20分の条件で架橋して保護膜64とする。
第2例と同様に、ポリイミド塗膜の架橋時にはアルコール、水素、及び水等が発生するが、これらの還元性物質が下方に拡散するのが金属積層膜65によって防止されるので、還元性物質によってキャパシタ誘電体膜48aが劣化する危険性はない。
但し、架橋時の基板温度が高すぎたり、架橋時間が長かったりすると、熱によってキャパシタ誘電体膜48aが劣化するおそれがあるので、180℃〜250℃以下の比較的低温の基板温度において、処理時間15分以下の条件でポリイミド塗膜を架橋させるのが好ましい。
なお、ポリイミドよりなる保護膜64の厚さは、第3例と同様の理由により、10nm〜30nmとするのが好ましい。
このように薄い膜厚のポリイミドを形成するには、保護層97(図31参照)を形成する場合よりもポリイミドを溶媒で薄く希釈し、ポリイミドの粘度を落として塗布すればよい。用いられるポリイミドの種類は特に限定されないが、例えば東レ社製のポリイミドSP-811を使用し得る。
・第4例
本例では、保護膜64としてスパッタ法で酸化物強誘電体膜を形成する。酸化物強誘電体膜は、水素を吸蔵する性質があるので、外部雰囲気に含まれる水素や製造時に発生する水素を吸蔵し、キャパシタ誘電体膜48aが水素によって還元して劣化してしまうのを防止して、強誘電体キャパシタQの長期信頼性の向上に寄与する。
そのような酸化物強誘電体膜としては、PZT、若しくはランタンやカルシウム等の添加物を微量ドープしたPZT(例えばPLZT)がある。また、SBTやBLT等のBi層状化合物よりなる酸化物強誘電体膜を保護膜64として形成してもよい。
更に、プラズマCVD法と比較してプラズマによるダメージが少ないスパッタ法で酸化物強誘電体膜を形成することで、酸化物強誘電体膜の成膜時に金属積層膜65を通じてキャパシタQにダメージが入るのを防止できる。
また、酸化物強誘電体よりなる保護膜64の厚さは特に限定されないが、例えば2nm〜10nmとされる。膜厚の下限と上限の意義については第1例と同様である。
なお、上記した第1〜第4例のいずれの絶縁膜を保護膜64として形成する場合でも、図17の保護膜64のエッチングは、上記した本実施形態と同じエッチングガスを用いて行うことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態をスタック型のFeRAMに適用したものである。
図34〜図53は、本実施形態に係る半導体装置の製造途中の断面図である。なお、これらの図において、第1実施形態で説明したのと同じ要素には第1実施形態におけるのと同じ符号を付し、以下ではその説明を省略する。
最初に、図34(a)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、第1実施形態の図5(a)、(b)の工程を行った後、下地絶縁膜44と第1の層間絶縁膜45とをパターニングすることにより、これらの絶縁膜に第1ホール45aを形成する。次いで、第1ホール45a内と第1の層間絶縁膜45上にグルー膜としてチタン膜と窒化チタン膜をこの順に形成する。これらの膜はスパッタ法により形成され、チタン膜の厚さは約20nm、窒化チタン膜の厚さは約50nmとされる。
更に、このグルー膜の上にCVD法でタングステン膜を形成し、そのタングステン膜で第1ホール45aを完全に埋め込む。そして、CMP法により第1の層間絶縁膜45上の余分なグルー膜とタングステン膜を研磨して除去し、これらの膜を第1ホール45a内にのみ第1導電性プラグ100として残す。
その後に、第1の層間絶縁膜45をN2Oプラズマに曝して脱水すると供に、その表面を窒化して水分の再吸着を防止する。そのN2Oプラズマ処理の条件は特に限定されないが、本実施形態では基板温度を350℃として2分間その処理を行う。
次に、図34(b)に示すように、第1導電性プラグ100の酸化を防ぐ第1酸化防止絶縁膜102として、CVD法により酸窒化シリコン膜を厚さ約100nmに形成する。
なお、酸窒化シリコン膜に代えて窒化シリコン膜を第1酸化防止絶縁膜102として形成してもよい。
更に、後述のキャパシタの下部電極との密着性を高めるべく、第1酸化防止絶縁膜102の上に酸化シリコン膜を厚さ約100nmに形成し、その酸化シリコン膜を絶縁性密着膜103とする。
続いて、図35(a)に示すように、各絶縁膜102、103をパターニングして第1ソース/ドレイン領域39a上のこれらの絶縁膜に第2ホール103aを形成し、更にこの第2ホール103a内に第2導電性プラグ104を形成する。
その第2導電性プラグ104は、チタン膜と窒化チタン膜との積層膜よりなるグルー膜と、タングステン膜とをこの順に形成してなり、その形成方法は第1導電性プラグ100と同様である。
その後、基板温度350℃、処理時間2分の条件で、N2Oプラズマ処理により絶縁性密着膜103の脱水と水分の再吸着防止を図る
次に、図35(b)に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、絶縁性密着膜103の上に、スパッタ法で厚さ約20nmのチタン膜105xを形成する。このチタン膜105xは、自身の配向の作用によってその上方に形成される強誘電体膜の配向を揃える役割を果たす。
次いで、チタン膜105xの上に、スパッタ法により厚さ約100nmの窒化チタンアルミニウム(TiAlN)膜105yと厚さ約100nmの酸化イリジウム膜105zとをこの順に形成し、各膜105x〜105yで第1導電膜95を構成する。
このように第1導電膜105中に窒化チタンアルミニウム膜105yを形成することで、後述の酸素含有雰囲気中での回復アニールの際に酸素が酸化イリジウム膜105zを透過しても、その酸素を窒化チタンアルミニウム膜105yでブロックすることができ、第2導電性プラグ104が酸化してコンタクト不良を起こすのを抑制できる。なお、窒化チタンアルミニウム膜105yは、酸化しても導電性を保つので、このようにプラグ104上で酸素をブロックする膜として好適である。
次に、この第1導電膜105の上にMOCVD法によりPZT膜を厚さ約120nmに形成し、そのPZT膜を強誘電体膜106とする。
そして、強誘電体膜106の上に、スパッタ法で第1酸化イリジウム膜を厚さ約50nmに形成し、この第1酸化イリジウム膜に対して酸素含有雰囲気中でRTAを施す。そのRTAの条件は、例えば、基板温度が725℃で処理時間が60秒である。また、アニール雰囲気には0.025リットル/分の酸素ガスが供給される。
その後に、第1酸化イリジウム膜の上にスパッタ法により第2酸化イリジウム膜を厚さ約100nmに形成し、これら第1、第2酸化イリジウム膜よりなる積層膜を第2導電膜107とする。
そして、この第2導電膜107に対し、基板温度700℃、酸素流量0.025リットル/分、処理時間60秒の条件で、酸素含有雰囲気中においてRTAを行う。
続いて、図36に示すように、第2導電膜107の上に、第1マスク材料層108としてスパッタ法により窒化チタン膜を厚さ約200nmに形成する。
更に、TEOSガスを用いるCVD法により、この第1マスク材料層108の上に酸化シリコン膜を厚さ約700nmに形成し、この酸化シリコン膜を第2マスク材料層109とする。
その後に、図37に示すように、第2マスク材料層109上にキャパシタ平面形状の第1レジストパターン110を形成する。
次に、図38に示すように、第1レジストパターン110をマスクにして第2マスク材料層109をエッチングし、第2ハードマスク109aを形成する。
更に、図39に示すように、第2ハードマスク109aをマスクにしながら第1マスク材料層108をエッチングすることにより、第1ハードマスク108aを形成する。第1レジストパターン110は、このエッチングの雰囲気に曝されることで膜減りし、エッチングの終了時には殆ど消失する。
次いで、図40に示すように、第1、第2ハードマスク108a、109aをマスクにしながら、第1導電膜105、強誘電体膜106、及び第2導電膜107を一括エッチングする。これにより、下部電極105a、キャパシタ誘電体膜106a、及び上部電極107aをこの順に積層してなるキャパシタQが図示のように形成される。
このキャパシタQを構成する下部電極105aは、第2導電性プラグ104と直接接続されており、更にその下の第1導電性プラグ100を介して第1ソース/ドレイン領域39aと電気的に接続される。
また、このようにキャパシタQの直下において第1、第2導電性プラグ100、104の二段プラグとし、これらのプラグが埋め込まれるホール45a、103aを別々に形成することで、これらのホールのアスペクト比が小さくなり、ホール形成が容易となる。
この後に、第1、第2ハードマスク108a、109aをドライエッチングとウエットエッチングによって除去する。
そして、ここまでの工程においてキャパシタ誘電体膜106aが受けたダメージを回復するため、酸素含有雰囲気となっている縦型炉においてキャパシタ誘電体膜106aに対して回復アニールを行う。その回復アニールの条件は特に限定されない。本実施形態では、基板温度350℃、酸素流量20リットル/分、処理時間40分の条件でそのアニールを行う。
次に、図41に示す断面構造を得るまでの工程について説明する。
まず、シリコン基板30の上側全面に、水分や水素等の還元性物質からキャパシタ誘電体膜106aを保護するために、これらの還元性物質をブロックする能力に優れたアルミナ膜をALD(Atomic Layer Deposition)法で厚さ約50nmに形成し、そのアルミナ膜を第1絶縁性水素バリア膜110とする。
次いで、この第1絶縁性水素バリア膜110の上に、第2の層間絶縁膜111として酸化シリコン膜を約1500nmの厚さに形成する。この酸化シリコン膜は、隣接するキャパシタQ間の狭い空間を埋め込むため、埋め込み特性に優れたHDPCVD(High Density Plasma CVD)法で形成するのが好ましい。
そして、この第2の層間絶縁膜111の上面をCMP法により研磨して平坦化した後、還元性物質からキャパシタ誘電体膜106aを保護するための第2絶縁性水素バリア膜112としてアルミナ膜をALD法で約50nmの厚さに形成する。
更に、第2絶縁性水素バリア膜112の上に、バッファ絶縁膜113として厚さが約100nmの酸化シリコン膜を形成する。その酸化シリコン膜は、TEOSガスを使用するCVD法により形成され得る。
次いで、図42に示すように、バッファ絶縁膜113の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第2レジストパターン115を形成する。
そして、この第2レジストパターン115をマスクにしてバッファ絶縁膜113から第1酸化防止絶縁膜102までをエッチングすることにより、第1導電性プラグ100の上のこれらの絶縁膜に第3ホール117を形成する。
その後に、第2レジストパターン115は除去される。
次に、図43に示すように、第3ホール117内とバッファ絶縁膜113上とにスパッタ法でグルー膜として厚さ約20nmのチタン膜と厚さ約50nmの窒化チタン膜をこの順に形成する。更に、このグルー膜の上にCVD法によりタングステン膜を形成し、そのタングステン膜で第3ホール117を完全に埋め込む。そして、バッファ絶縁膜113上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法により研磨して除去し、これらの膜を第3ホール117内にのみ第3導電性プラグ118として残す。第3導電性プラグ118は、その下の第1導電性プラグ100に直接接続される。
また、第3導電性プラグ118は、酸化され易いタングステンを主にして構成されるので、半導体装置の製造途中で酸化してコンタクト不良を起こし易い。
そこで、次の工程では、図44に示すように、第3導電性プラグ118とバッファ絶縁膜113のそれぞれの上に第2酸化防止絶縁膜120としてCVD法により酸窒化シリコン膜を厚さ約100nmに形成し、酸素含有雰囲気から第3導電性プラグ118を保護するようにする。
次に、図45に示すように、絶縁膜110〜113、120をパターニングすることにより、上部電極107aの上のこれらの絶縁膜に第4ホール122を形成する。
そして、ここまでの工程でキャパシタ誘電体膜106aが受けたダメージを回復させるために、縦型炉を用いて酸素含有雰囲気中においてキャパシタ誘電体膜106aに対して回復アニールを行う。
その回復アニールの条件は、例えば、基板温度500℃、酸素ガス流量20リットル/分、及び処理時間60分である。
このように酸素含有雰囲気でアニールを行っても、第3導電性プラグ118は第2酸化防止絶縁膜120で保護されているため、タングステンを主にして構成される第3導電性プラグ118が酸化してコンタクト不良が発生することはない。
この回復アニールを終了後、第2酸化防止絶縁膜120をエッチングして除去する。
次いで、図46に示すように、上部電極107aと電気的に接続されるように、第4ホール122内に第4導電性プラグ127を形成する。
そのような第4導電性プラグ127を形成するには、第4ホール122内とバッファ絶縁膜113上とにグルー膜として窒化チタン膜をスパッタ法で形成し、更にこのグルー膜の上にCVD法でタングステン膜を形成して、そのタングステン膜で第4ホール122を完全に埋め込む。そして、バッファ絶縁膜113上の余分なグルー膜とタングステン膜とをCMP法により研磨して除去することで、これらの膜で構成される第4導電性プラグ127が第4ホール122内に形成され得る。
次に、図47に示すように、第3、第4導電性プラグ118、127とバッファ絶縁膜113のそれぞれの上にスパッタ法で金属積層膜130を形成する。その金属積層膜130は、下から順に約550nmの厚さの銅含有アルミニウム膜、約5nmの厚さのチタン膜、及び約150nmの厚さの窒化チタン膜である。
次いで、図48に示すように、プラズマ雰囲気から金属積層膜130とキャパシタ誘電体膜106aとを保護する保護膜131として、金属積層膜130の上にスパッタ法によりアルミナ膜を約20nmの厚さに形成する。
保護膜131はアルミナ膜に限定されない。アルミナ膜に代えて、酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウム膜、及び酸化チタンマグネシウム膜等の絶縁性酸化金属膜を保護膜131として形成してもよい。
更に、第1実施形態の第1例〜第4例で説明した絶縁膜を保護膜131として形成してもよい。そのような絶縁膜としては、スパッタ法で形成された酸化シリコン膜(第1例)、塗布型絶縁膜(第2例)、樹脂膜(第3例)、及び酸化物強誘電体膜(第4例)がある。
次に、図49に示すように、保護膜131の上にフォトレジストを塗布し、それを露光、現像して第3レジストパターン132を形成する。
そして、図50に示すように、第3レジストパターン132をマスクにして保護膜131と金属積層膜130とをドライエッチングし、金属積層膜130を第1金属配線130aとする。
保護膜131に対するドライエッチングは、平行平板エッチング装置において、エッチングガスとしてC4F8、Ar、及び酸素の混合ガスを用いて行われる。その場合は、各ガスの流量は、例えばC4F8が20sccm、Arが500sccm、及び酸素が12sccmとされる。また、これらのガスにCF4、CHF3、及びCOのいずれかを添加してもよい。
一方、金属積層膜130に対するドライエッチングは、ECRエッチング装置において、エッチングガスとしてBCl3とCl2との混合ガスを用いて行われる。各ガスの流量は、例えば、BCl3が105sccm、Cl2が45sccmとされる。
このエッチングを終了後、第3レジストパターン132をアッシングして除去し、更に薬液と純粋を用いたウエット処理によりレジスト残渣を除去する。
このようにウエット処理を行うことで、第1金属配線130aの側面に水分やハイドロカーボン等の不純物が吸着するが、第1金属配線130a上に既に形成されている保護膜131の密着性がその不純物によって低下することはない。
したがって、不純物を蒸散させるためのアニールを第1金属配線130aに対して行わずに済み、アニールの熱によってキャパシタ誘電体膜106aが劣化するのを防止できる。
次いで、図51に示すように、第1金属配線130aとバッファ絶縁膜113とを覆う第3絶縁性水素バリア膜133として、スパッタ法によりアルミナ膜を5nm〜30nm、例えば20nmの厚さに形成する。
この第3絶縁性水素バリア膜133は、水素や水分等の還元性物質をブロックしてキャパシタ誘電体膜48aを保護する役割を担うものであり、アルミナ膜に代えて酸化チタン膜、酸化ジルコニウム膜、酸化マグネシウム膜、及び酸化チタンマグネシウム膜のいずれかの絶縁性酸化金属膜を形成するようにしてもよい。
また、窒化シリコン膜や酸窒化シリコン膜のような窒素を含んだシリコン含有絶縁膜を第3絶縁性水素バリア膜133として形成してもよい。
次いで、図52に示すように、TEOSガスと酸素との混合ガスを反応ガスとして使用するプラズマCVD法により、第3の層間絶縁膜135として第3絶縁性水素バリア膜133の上に酸化シリコン膜を形成し、第3の層間絶縁膜135で第1金属配線130aの間の空間を完全に埋め込む。
プラズマCVD法による第3の層間絶縁膜135の成膜は、例えば図33で説明したプラズマCVD装置200を用いて行うことができる。
このようにプラズマCVD法を用いても、第1金属配線130aの上面が保護膜131によって覆われており、その保護膜131がプラズマ保護膜として機能するので、プラズマによる成膜ダメージが第1金属配線130aを通じてキャパシタ誘電体膜106aに及ぶ危険性を低減でき、キャパシタ誘電体膜106aの強誘電体特性を高い状態に維持することができる。
この後に、第3の層間絶縁膜135の上面をCMP法により研磨して平坦化する。
そして、CVD装置内において第3の層間絶縁膜135の表面に対してN2Oプラズマ処理を行うことにより、第3の層間絶縁膜135を脱水すると共に、その表面を窒化して水分の再吸着を防止する。そのN2Oプラズマ処理は、例えば、CVD装置内において基板温度約350℃、処理時間約4分の条件で行われる。
この後は、第1実施形態で説明した図20〜図31の工程を行うことにより、図52に示すような本実施形態に係る半導体装置の基本構造を完成させる。
以上説明した本実施形態によれば、図52を参照して説明したように、保護膜131を形成したことにより、第3の層間絶縁膜135を成膜するときのプラズマ雰囲気に第1金属配線130aが曝されない。そのため、第1実施形態と同様に、第1金属配線130aと電気的に接続されたキャパシタQにプラズマのダメージが及びにくくなり、プラズマCVD法で第3の層間絶縁膜135を形成するときにキャパシタ誘電体膜106aが受けるダメージを低減でき、キャパシタ誘電体膜106aの強誘電体特性が劣化するのを防止できる。
更に、図49に示したように、金属積層膜130をパターニングする前に既に保護膜131を形成するので、金属積層膜130のパターニング後に行われるウエット処理で第1金属配線130aの側面に水分やハイドロカーボン等の不純物が付着しても、その不純物が原因となって第1金属配線130aと保護膜131との密着性が低下することはない。したがって、第1金属配線130aに付着している不純物を蒸散させるためのアニールを省くことができ、該アニールの熱によってキャパシタ誘電体膜106aが劣化するのを防止できる。
また、保護膜131の上に第3絶縁性水素バリア膜133を形成することで、第3の層間絶縁膜135の成膜雰囲気に含まれる水素がキャパシタ誘電体膜106aに至るのを第3絶縁性水素バリア膜133により防止でき、キャパシタ誘電体膜106aが水素によって還元されてその強誘電体特性が低下するのを抑制できる。