JP5166845B2 - インクジェット記録用インクセット - Google Patents
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Description
その中でも、印刷物の耐候性や耐水性の観点から、着色剤に顔料系インクを用いるものが主流となってきている。
特許文献2には、色材を含有する記録インクおよび光沢性を向上させるための無色インクを記録ヘッドにより記録媒体に吐出して画像形成を行う、インクジェット記録方法が開示されている。
特許文献3には、顔料インク組成物と、樹脂成分を含むクリアインク組成物とを吐出して記録媒体に記録し、前記顔料インク組成物及び/又はクリアインク組成物の吐出量を調整するインクジェット記録方法、および前記顔料インク組成物とクリアインク組成物を含むインクジェット記録方法用インクセットが開示されている。
しかしながら、上記のインクジェット記録方法およびインクセットは、光沢性、及び写像性において満足できるものではない。
本発明のインクジェット記録用インクセットを用いることより、前記のドットの高さの差をなくすことができ、光沢性、及び写像性を向上させることができる。更に、本発明では着色インクとクリアインクとに架橋ポリマー粒子を用いており、粒子の安定性が高く、印刷面上に着弾し、着色インクとクリアインクとが重なった場合でも、該インクに含有される該ポリマー粒子同士が融着するのに充分な時間、インクの増粘が抑制されるため、印字面が平滑化されて、光沢性、及び写像性がより向上すると考えられる。以下に、本発明のインクセットに用いる各成分について説明するが、本明細書において、着色剤を含有する架橋ポリマー粒子を「着色剤含有架橋ポリマー粒子」ということがあり、着色剤を含有する架橋ポリマー粒子(A)を含む着色インクを、単に「着色インク」ということがあり、架橋ポリマー粒子(B)を含むクリアインクを、単に「クリアインク」ということがある。
本発明のインクセットを構成する着色インクに用いられる着色剤としては、特に制限はないが、顔料、疎水性染料等を用いることができるが、耐水性、分散安定性及び耐擦過性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。中でも、近年要求が強い高耐候性を発現させるためには、顔料を用いることが好ましい。
顔料及び疎水性染料は、水系インクに使用する場合には、界面活性剤、ポリマーを用いて、インク中で安定な微粒子にする必要がある。特に、耐滲み性、耐水性等の観点から、ポリマーの粒子中に顔料及び/又は疎水性染料を含有させることが好ましい。
顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
疎水性染料としては、油溶性染料、分散染料等が挙げられ、これらの中では油溶性染料が好ましい。
油溶性染料としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック、C.I.ソルベント・イエロー、C.I.ソルベント・レッド、C.I.ソルベント・バイオレット、C.I.ソルベント・ブルー、C.I.ソルベント・グリーン、及びC.I.ソルベント・オレンジからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられ、オリエント化学株式会社、BASF社等から市販されている。
上記の着色剤は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
ポリマーの量と着色剤の量との重量比〔着色剤/ポリマー〕は、光沢性、写像性、及び分散安定性の観点から、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは50/50〜85/15、更に好ましくは60/40〜80/20である。
本発明に用いられる着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)及び架橋ポリマー粒子(B)に用いられるポリマーは、水不溶性ポリマーであることが好ましい。ここで、水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。溶解量は、ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
用いるポリマーとしては、ポリエステル、ポリウレタン、ビニルポリマー等が挙げられるが、その分散安定性の観点から、ビニル単量体(ビニル化合物、ビニリデン化合物、ビニレン化合物)の付加重合により得られるビニルポリマーが好ましい。
ビニルポリマーとしては、(a)塩生成基含有モノマー(以下「(a)成分」ということがある)と、(b)マクロマー(以下「(b)成分」ということがある)及び/又は(c)疎水性モノマー(以下「(c)成分」ということがある)とを含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ということがある)を共重合させてなるビニルポリマーが好ましい。このビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位と、(b)成分由来の構成単位及び/又は(c)成分由来の構成単位を有する。より好適なビニルポリマーは、(a)成分由来の構成単位、又は(a)及び(c)成分由来の構成単位を主鎖として有し、(b)成分由来の構成単位を側鎖として有するグラフトポリマーであり、更に好ましくは(a)成分及び(c)成分由来の構成単位を主鎖として有し、(b)成分由来の構成単位を側鎖として有するグラフトポリマーである。
(a)塩生成基含有モノマーは、得られる分散体の分散安定性を高める観点から用いられる。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。
塩生成基含有モノマーとしては、特開平9−286939号公報段落〔0022〕等に記載されているカチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
(b)マクロマーは、架橋ポリマー粒子の分散安定性を高める観点から用いられる。マクロマーとしては、数平均分子量500〜100,000、好ましくは1,000〜10,000の重合可能な不飽和基を有するモノマーであるマクロマーが挙げられる。なお、(b)マクロマーの数平均分子量は、溶媒として50mmol/Lの酢酸を含有するテトラヒドロフランを用いたゲルクロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
(b)マクロマーの中では、架橋ポリマー粒子の分散安定性等の観点から、片末端に重合性官能基を有する、スチレン系マクロマー及び芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマーが好ましい。
スチレン系マクロマーとしては、スチレン系モノマー単独重合体、又はスチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。スチレン系モノマーとしては、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられる。
また、それらのマクロマーの片末端に存在する重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基が好ましく、共重合される他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が好ましい。
スチレン系マクロマー中におけるスチレン系モノマー、又は芳香族基含有(メタ)アクリレート系マクロマー中における芳香族基含有(メタ)アクリレートの含有量は、顔料との親和性を高める観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
CH2=C(CH3)−COOC3H6−〔Si(CH3)2O〕t−Si(CH3)3 (1)
(式中、tは8〜40の数を示す。)。
(b)成分として商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成株式会社の商品名、AS−6(S)、AN−6(S)、HS−6(S)等が挙げられる。
(c)疎水性モノマーは、印字濃度の向上の観点から用いられる。疎水性モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族基含有モノマー等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜18のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、メタクリレート又はそれらの両方を示す。
(c)成分の中では、印字濃度向上の観点から、スチレン系モノマー(c−1成分)が好ましく、スチレン系モノマーとしては特にスチレン及び2−メチルスチレンが好ましい。(c)成分中の(c−1)成分の含有量は、印字濃度向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。
また、芳香族基含有(メタ)アクリレート(c−2)成分としては、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。(c)成分中の(c−2)成分の含有量は、印字濃度、光沢性、及び写像性の向上の観点から、好ましくは10〜100重量%、より好ましくは20〜80重量%である。また、(c−1)成分と(c−2)成分を併用することも好ましい。
モノマー混合物には、更に、(d)水酸基含有モノマー(以下「(d)成分」ということがある)が含有されていてもよい。(d)水酸基含有モノマーは、分散安定性を更に高めるために用いられる。
(d)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(n=2〜30、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。以下同じ。)(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(n=2〜30)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール(n=1〜15)・プロピレングリコール(n=1〜15))(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートが好ましい。
モノマー混合物には、更に、(e)下記式(2)で表されるモノマー(以下「(e)成分」ということがある)が含有されていてもよい。
CH2=C(R10)COO(R20O)qR30 (2)
(式中、R10は、水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基、R20は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の2価の炭化水素基、R30は、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜30の1価の炭化水素基、qは、平均付加モル数を意味し、1〜60の数、好ましくは1〜30の数を示す。)
(e)成分は、吐出性を更に向上させるために用いられる。
向上するという優れた効果を発現する。
式(2)において、ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、ハロゲン原子及び硫黄原子が挙げられる。
R10の好適例としては、メチル基、エチル基、(イソ)プロピル基等が挙げられる。
R20O基の好適例としては、オキシエチレン基、オキシトリメチレン墓、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシテトラメチレン基、オキシヘプタメチレン基、オキシヘキサメチレン基及びこれらの2種以上の組合せからなる炭素数2〜7のオキシアルカンジイル基(オキシアルキレン基)が挙げられる。
R30の好適例としては、炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜8の脂肪族アルキル基、芳香族環を有する炭素数7〜30のアルキル基及びヘテロ環を有する炭素数4〜30のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
上記(a)〜(e)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
(a)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは2〜40重量%、より好ましくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜20重量%である。
(b)成分の含有量は、特に着色剤との相互作用を高める観点から、好ましくは1〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%である。
(c)成分の含有量は、印字濃度向上の観点から、好ましくは5〜98重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
(d)成分の含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは7〜20重量%である。
(e)成分の含有量は、吐出性向上の観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%である。
モノマー混合物中における〔(a)成分+(d)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%である。〔(a)成分+(e)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜75重量%、より好ましくは13〜50重量%である。また、〔(a)成分+(d)成分+(e)成分〕の合計含有量は、得られる分散体の分散安定性及び吐出性の観点から、好ましくは6〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%である。
また、〔(a)成分/[(b)成分+(c)成分]〕の重量比は、得られる分散体の分散安定性及び印字濃度の観点から、好ましくは0.01〜1、より好ましくは0.02〜0.67、更に好ましくは0.03〜0.50である。
本発明で用いられるポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はこれらの1種以上と水との混合溶媒が好ましい。
重合の際には、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。
重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加してもよい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離することができる。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
前記ビニルポリマーは、(a)塩生成基含有モノマー由来の塩生成基を有している場合は中和剤により中和して用いる。中和剤としては、ポリマー中の塩生成基の種類に応じて、酸又は塩基を使用することができる。例えば、塩酸、酢酸、プロピオン酸、リン酸、硫酸、乳酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、グリセリン酸等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン等の塩基が挙げられる。
ここで中和度は、塩生成基がアニオン性基である場合、下記式(3)、(4)によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーの酸価 (KOHmg/g)×
ポリマーの重量(g)/(56×1000)]}×100 (3)
塩生成基がカチオン性基である場合は、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[ポリマーのアミン価 (HCLmg/g)×ポリマーの重量(g)/(36.5×1000)]}×100 (4)
酸価やアミン価は、ポリマーの構成単位から、計算で算出することができる。または、適当な溶剤(例えばメチルエチルケトン)にポリマーを溶解して、滴定する方法でも求めることができる。ポリマーの酸価又はアミン価は、50〜200が好ましく、50〜150が更に好ましい。
(A)着色剤含有架橋ポリマー粒子及び(B)架橋ポリマー粒子の製造に用いられる架橋剤は、ポリマーを適度に架橋し、保存安定性を向上する観点から、分子中に2以上の反応性官能基を有する化合物(以下、単に「架橋剤」ともいう)が好ましい。
架橋剤の分子量は、反応のし易さ、及び得られる架橋ポリマー粒子の保存安定性の観点から、120〜2000が好ましく、125〜1500が更に好ましく、130〜1000より更に好ましく、150〜1000が特に好ましい。
反応性官能基の数は、分子量を制御して光沢性、及び写像性を向上する観点から、2〜6が好ましく、2〜4が更に好ましい。反応性官能基としては、水酸基、エポキシ基、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシ基、オキサゾリン基、及びイソシアネート基からなる群から選ばれる1以上が好ましく挙げられる。
(a)分子中に2つ以上の水酸基を有する化合物:例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングルコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルアルコール、ジエタノールアミン、トリジエタノールアミン、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、グルコース、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブドウ糖等の多価アルコール。
(b)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物:例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル。
(c)分子中に2つ以上のアルデヒド基を有する化合物:例えば、グルタールアルデヒド、グリオキザール等のポリアルデヒド。
(d)分子中に2つ以上のアミノ基を有する化合物:例えば、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン等のポリアミン。
(e)分子中に2つ以上のカルボキシ基を有する化合物:例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸の等多価カルボン酸。
(f)分子中に2以上のオキサゾリン基を有する化合物:例えば、脂肪族基又は芳香族基に2個以上、好ましくは2〜3個のオキサゾリン基が結合した化合物、より具体的には、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,3−フェニレンビスオキサゾリン、1,3−ベンゾビスオキサゾリン等のビスオキサゾリン化合物、該化合物と多塩基性カルボン酸とを反応させて得られる末端オキサゾリン基を有する化合物。
(g)分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物:例えば、有機ポリイソシアネート又はイソシアネート基末端プレポリマー。
これらの中では、(b)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、特にトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
ポリマーの反応性基がカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等の酸性基の場合は、架橋剤は前記(a)、(b)、(d)及び(f)化合物が好ましい。
また、ポリマーの反応性基がアミノ基、水酸基の場合は、架橋剤は前記(b)、(c)及び(e)化合物が好ましい。
ポリマーの反応性基がイソシアネート基、エポキシ基の場合は、架橋剤は前記(a)、(d)及び(e)化合物が好ましい。
上記の組合せの中では、ポリマーに適度な架橋構造を付与するように制御する観点から、酸性基(カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等)、アミノ基及び水酸基から選ばれる1種以上の反応性基を有するポリマーと、(b)分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物との組合せが特に好ましい。
前記架橋剤と反応しうる反応性基を有するポリマーとして、酸性基、アミノ基等の塩生成基を有するポリマーは、前述の塩生成基含有モノマーを共重合したポリマーを用いることができ、水酸基を有するポリマーは、前述の水酸基含有モノマーを共重合したポリマーを用いることができる。
エポキシ基を有するポリマーとしては、エポキシ基を有するモノマー、具体的にはグリシジル(メタ)アクリレートを共重合したポリマーを用いることができる。イソシアネート基を有するポリマーとしては、(i)イソシアネート基を有するモノマー、例えばイソシアネートエチル(メタ)アクリレートを共重合したポリマー、(ii)不飽和ポリエステルポリオールとイソシアネートから得られるイソシアネート末端プレポリマーを共重合したポリマー等を用いることができる。
(A)着色剤含有架橋ポリマー粒子及び(B)架橋ポリマー粒子の製造に、光沢性、及び写像性を向上させる観点から、2以上の反応性不飽和基を分子中に有する架橋性モノマー(以下、単に「架橋性モノマー」ともいう)を用いることが好ましい。
これらの中では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミドが特に好ましい。
本発明において、(A)着色剤含有架橋ポリマー粒子は、着色インク用の架橋ポリマー粒子として、水系インク中の保存安定性を向上させ、(B)架橋ポリマー粒子による光沢性、及び写像性を向上させるために用いられる。
(A)着色剤含有架橋ポリマー粒子の製造方法としては、(i)着色剤とポリマーを用いて、着色剤を含有するポリマー粒子を得る工程Iと、工程Iで得られた着色剤含有ポリマー粒子と架橋剤とを混合し、ポリマーを架橋させて、着色剤含有架橋ポリマー粒子を得る工程IIとにより製造する方法と、(ii)ポリマーを架橋剤で架橋させて架橋ポリマーを得る工程IIIと、工程IIIで得られた架橋ポリマーと着色剤とを用いて、着色剤含有架橋ポリマー粒子を得る工程IVとにより製造する方法が挙げられる。これらの中では、光沢性、写像性、及び製造し易さから、前記(i)による方法が好ましい。
工程(1):ポリマー、有機溶媒、着色剤、水、及び必要なら中和剤を含有する混合物を分散処理して、着色剤を含有するポリマー粒子の分散体を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた分散体から前記有機溶媒を除去して、着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体を得る工程
工程(3):工程(2)で得られた着色剤を含有するポリマー粒子のポリマーを架橋剤で架橋させて、着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)を得る工程
ポリマーが塩生成基を有する場合、中和剤を用いることが好ましい。中和剤を用いて中和する場合の中和度には、特に限定がない。通常、最終的に得られる水分散体の液性が中性、例えば、pHが4.5〜10であることが好ましい。前記ポリマーの望まれる中和度により、pHを決めることもできる。中和剤としては、前記のものが挙げられる。また、ポリマーを予め中和しておいてもよい。
混合物を予備分散させる際には、アンカー翼等の一般に用いられている混合撹拌装置を用いることができる。混合撹拌装置の中では、ウルトラディスパー〔浅田鉄鋼株式会社、商品名〕、エバラマイルダー〔株式会社荏原製作所、商品名〕、TKホモミクサー、TKパイプラインミクサー、TKホモジェッター、TKホモミックラインフロー、フィルミックス〔以上、プライミクス株式会社、商品名〕、クリアミックス〔エム・テクニック株式会社、商品名〕、ケイディーミル〔キネティック・ディスパージョン社、商品名〕等の高速攪拌混合装置が好ましい。
本分散の剪断応力を与える手段としては、例えば、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕、ミニラボ8.3H型〔Rannie社、商品名〕に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社、商品名〕、ナノマイザー〔ナノマイザー株式会社、商品名〕、アルティマイザー〔スギノマシン株式会社、商品名〕、ジーナスPY〔白水化学株式会社、商品名〕、DeBEE2000 〔日本ビーイーイー株式会社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。これらの中では、着色剤として顔料を用いる場合に、顔料の小粒子径化の観点から、高圧ホモジナイザーが好ましい。
得られた着色剤を含有するポリマー粒子の水分散体は、着色剤を含有するポリマーの固体分が水を主溶媒とする中に分散しているものである。ここで、ポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤とポリマーにより粒子が形成されていればよい。例えば、ポリマーに着色剤が内包された粒子形態、ポリマー中に着色剤が均一に分散された粒子形態、ポリマー粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等が含まれる。
架橋剤の使用量は、光沢性、及び写像性の観点から、ポリマー100重量部に対して、0.5〜15重量部が好ましく、0.6〜12重量部がより好ましく、0.7〜12重量部が更に好ましく、0.75〜10重量部がより更に好ましく、0.75〜8重量部が特に好ましく、0.8〜6重量部が最も好ましい。
また、ポリマーの架橋工程としては、前記工程(1)で得られた着色剤含有ポリマー粒子の分散体と架橋剤とを混合して、ポリマーを架橋させることもできる。この場合は、該架橋工程で得られた架橋ポリマー粒子の分散体から、有機溶媒を除去する工程を前記工程(2)と同様に行うことにより、着色剤を含有する架橋ポリマー粒子の水分散体を得ることができる。
架橋率(モル%)=[ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数×100/ポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数] (5)
ここで、「ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数」とは、ポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル数に架橋剤1分子中の反応性基の数を乗じた値である。
本発明に用いられる架橋ポリマー粒子(B)は、クリアインク用の架橋ポリマー粒子として、光沢性、及び写像性を向上させるために用いられる。
架橋ポリマー粒子(B)は、(i)前記ポリマーを、架橋剤により架橋して得られるポリマー粒子(着色剤を含有しないことを除いて前記架橋ポリマー粒子(A)と同じ製法により得られるポリマー粒子)又は(ii)架橋性モノマー及び前記(c)疎水性モノマーを含むモノマー混合物を重合させて得られるポリマー粒子が挙げられる。前記(i)の場合、架橋剤の使用量及び架橋率は、前記架橋ポリマー粒子(A)と同じ範囲が好ましい。前記(ii)の場合、架橋性モノマーの使用量は、光沢性、及び写像性の向上の観点から、疎水性モノマーと前記架橋性モノマーとの合計量100重量部に対して、0.5〜15重量部、より好ましくは0.7〜13重量部、更に好ましくは1.0〜11重量部であり、特に好ましくは1.5〜9重量部が特に好ましい。
このように、クリアインクに含有するポリマーが、着色インクに含有するポリマーと同じモノマー種に由来する構成単位を2以上有することにより、専用紙上に印字された際のポリマー同士の混和性が良好となり、光沢性、及び写像性をより向上させることができる。
(A)着色剤を含有する架橋ポリマー粒子、及び(B)架橋ポリマー粒子は、コアシェル構造を有する架橋コアシェルポリマー粒子とすることもできる。
本発明において、前記(A)及び(B)に用いられる架橋コアシェルポリマー粒子とは、コア部を構成するポリマーにシェル部を構成するポリマーが物理的又は化学的に結合した構造を有するポリマーであり、コア部のポリマー及びシェル部のポリマーの少なくともいずれか一方が架橋されてなるポリマーを意味する。
ここで、コア部のポリマーとシェル部のポリマーとは、架橋以外にも、その求められる性能の観点から、構成単位の種類(原料となるモノマーの種類)及び/又は構成単位の重量比(モノマーの重量比)の点で異なるものである。
クリアインクに用いられる(B)架橋ポリマー粒子が、架橋コアシェルポリマー粒子である場合、光沢性、及び写像性の観点から、コア部が架橋されてなる架橋コアシェルポリマー粒子であれば、シェル部が架橋されている必要は必ずしもないが、光沢性、写像性、及び保存安定性の向上の観点から、コア部のポリマーとシェル部のポリマーとがいずれも架橋されてなるポリマーからなる架橋コアシェルポリマー粒子が好ましい。
工程1:着色剤を含有するポリマー粒子、2以上の反応性不飽和基を有する架橋性モノマー、及び疎水性モノマーを混合し、該架橋性モノマーと該疎水性モノマーの少なくとも一部を、該着色剤を含有するポリマー粒子中に含有させる工程
工程2:前記架橋性モノマーと前記疎水性モノマーとを重合して、コア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子を得る工程
工程3:工程2で得られたコア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子と、架橋剤とを反応させ、コア部とシェル部がいずれも架橋されてなる架橋コアシェルポリマー粒子を得る工程
着色剤含有ポリマー粒子の分散体は、前記の(A)着色剤含有架橋ポリマー粒子欄に記
載した工程(1)と同様の方法で得ることができる。
混合物を分散させる際の混合撹拌装置、剪断応力を与える手段としては、前記の(A)着色剤含有架橋ポリマー粒子欄に記載したものと同様のものを使用することができる。
疎水性モノマーの使用量は、印字濃度、光沢性、及び写像性の向上の観点から、疎水性モノマー/着色剤を含有するポリマー粒子の重量比が0.1〜1が好ましく、0.2〜0.5が更に好ましい。
この工程2で得られるコアシェルポリマー粒子は、疎水性モノマー由来の構成単位を有するポリマーが、架橋性モノマーによって架橋されてなるコア部と、着色剤を含有するポリマー粒子由来のポリマーからなるシェル部を有する。
得られた分散体から有機溶媒を留去して水系にすることで、所望の平均粒径を有する顔料を含有するコア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子の水分散体を得ることができる。水分散体に含まれる有機溶媒の除去は、前記の(A)着色剤含有架橋ポリマー粒子欄の説明と同じである。なお、有機溶媒は、工程2の後、除去してもよく、工程3で除去してもよい。
前記反応における触媒、溶媒、反応温度、反応時間は、用いる架橋剤を考慮して適宜決定することができる。反応時間は、好ましくは0.5〜10時間、更に好ましくは1〜5時間であり、反応温度は、好ましくは40〜95℃である。
得られた着色剤含有架橋コアシェルポリマー粒子を含む水分散体をろ過することで、粗大粒子を除去することが好ましい。着色剤含有架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体は、着色剤を含有する架橋コアシェルポリマーの固体分が水を主媒体とする中に分散しているものである。ここで、着色剤含有架橋コアシェルポリマー粒子の形態は特に制限はなく、少なくとも着色剤と架橋コアシェルポリマーにより粒子が形成されていればよい。例えば、架橋コアシェルポリマーに着色剤が内包された粒子形態、架橋コアシェルポリマー中に着色剤が均一に分散された粒子形態、架橋コアシェルポリマー粒子表面に着色剤が露出された粒子形態等がいずれも含まれる。
工程I:水、有機溶媒及びポリマーの存在下に、疎水性モノマー及び2以上の反応性不飽和基を有する架橋性モノマーを重合して、コア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子の分散体を得る工程
工程II:工程Iで得られたコアシェルポリマー粒子を、2以上の反応性官能基を有する架橋剤を用いて架橋して、コア部とシェル部がいずれも架橋されてなる架橋コアシェルポリマー粒子を得る工程
工程Iにおける乳化方法に特に制限はないが、超音波分散法等によりモノマー混合物Bを十分に乳化させておくことが好ましい。超音波分散機としては、周波数20〜2000kHz、反応総液量の1リットル当たりのワット数が好ましくは20〜1000W、より好ましくは50〜800Wであるものが望ましく、かかる超音波分散機は、株式会社日本精機製作所、アレックス社等から市販されている。工程Iの乳化条件は、温度が5〜50℃が好ましく、時間は0.5〜3時間程度が好ましい。
反応時間は、好ましくは0.5〜10時間、更に好ましくは1〜5時間であり、反応温度は、好ましくは40〜95℃である。
工程Iで得られるコア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子の分散体は、疎水性モノマーと架橋性モノマーとが重合して得られる架橋ポリマー粒子がコア部として、塩生成基を有するポリマーからなるシェル部中に含有されたコアシェルポリマー粒子が、水を主媒体とする中に分散しているものである。
上記反応における触媒、溶媒、温度、時間は、用いる架橋剤を考慮して適宜決定することができる。反応時間は、好ましくは0.5〜10時間、更に好ましくは1〜5時間であり、反応温度は、好ましくは40〜95℃である。なお、工程IIは、前述の工程3と条件は同じである。
得られた架橋コアシェルポリマー粒子を含む水分散体をろ過することで、粗大粒子を除去することが好ましい。工程IIで得られた架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体は、コア部とシェル部がいずれも架橋されてなる架橋コアシェルポリマーの固体分が水を主媒体とする中に分散しているものである。
架橋コアシェルポリマー粒子は、下記式(6)で表されるコア部の架橋度が、印字濃度、光沢性、及び写像性の観点から、好ましくは0.5〜15重量%であり、より好ましくは0.7〜13重量%であり、更に好ましくは1.0〜11重量%であり、特に好ましくは1.5〜9重量%である。
コア部の架橋度(重量%)=(架橋性モノマー量/架橋コア部のポリマー量)×100 (6)
式(6)において、架橋コア部のポリマー量は、架橋したポリマー量であり、架橋性モノマーと疎水性モノマーとの合計仕込み計算量である。
シェル部の架橋度(重量%)=(架橋剤量/シェル部のポリマー量)×100 (7)
(7)において、シェル部のポリマー量は、架橋する前のポリマー量であり、架橋剤量を含まない。
架橋率(モル%)=[シェル部のポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数×100/シェル部のポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数](8)
架橋ポリマー全体の架橋度(重量%)=[(架橋性モノマー量+架橋剤量)/架橋ポリマー全体量]×100 (9)
架橋ポリマー全体量は、架橋後のポリマー量である。
具体的には、コアシェルポリマー粒子である場合、架橋ポリマー全体量は、架橋性モノマー、架橋剤、シェル部を形成するポリマー、及びコア部の形成に用いられる疎水性モノマーを含む合計仕込み計算量であり、架橋が、コア又はシェルだけの場合、架橋性モノマー量又は架橋剤量のいずれかが0となる。
コアシェルポリマー粒子でない場合、架橋ポリマー全体量は、ポリマーと架橋剤とを含む合計仕込み計算量、あるいはポリマー粒子を形成するに用いられる疎水性モノマーと架橋性モノマーを含む合計仕込み計算量である。
架橋性モノマーと架橋剤を両方用いることもできる。
本発明においては、架橋ポリマー粒子の柔軟性を改良し、印字物の光沢性、及び写像性を向上させる観点から、水不溶性有機化合物を用いることができる。水不溶性有機化合物は、着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)及び架橋ポリマー粒子(B)の製造工程中又は工程後に添加することができる。
水不溶性有機化合物は、水系インクの光沢性、及び写像性の向上の観点から、分子量100〜2,000のものが好ましく、分子量100〜1,200のものがより好ましい。
水100gに溶解しうる水不溶性有機化合物の最大重量(20℃)は、好ましくは5g以下、より好ましくは3g以下、更に好ましくは1g以下、特に好ましくは0.5g以下である。
水不溶性有機化合物は、専用紙に印字した際の印字物の光沢性、及び写像性を向上させると共に、水分散体の保存安定性を向上させる観点から、そのLogP値(水不溶性有機化合物の1−オクタノール/水の分配係数の対数値)が好ましくは4〜16、より好ましくは5〜16、特に好ましくは6〜15である。
エステル化合物の中では、1価カルボン酸又はその塩と多価アルコールから得られるエステル、多価酸(多価カルボン酸、リン酸)又はその塩と1価アルコールから得られるエステルが好ましく、エーテル化合物の中では、多価アルコールのエーテルが好ましい。塩としては、アルカリ金属塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
1価アルコールとしては、炭素数1〜18、好ましくは炭素数2〜10の直鎖又は分岐鎖の脂肪族アルコール(例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ドデシルアルコール)、炭素数6〜12の芳香族アルコール(例えば、フェノール)及びこれらのアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の炭素数2〜12の多価アルコール及びこれらのアルキレンオキサイド化合物等が挙げられる。脂肪酸やアルコールとしては飽和又は不飽和のいずれのものも使用できる。
これらの中では、光沢性、及び写像性向上の観点から、前記(1)〜(5)、(8)及び(10)の化合物が好ましく、(1)脂肪族カルボン酸エステル、(2)芳香族カルボン酸エステル、(3)シクロアルカン(ケン)カルボン酸エステル及び(4)リン酸エステルからなる群より選ばれる1種以上であることがより好ましく、脂肪族ジカルボン酸エステル、芳香族ジ又はトリカルボン酸エステル、シクロアルカン(ケン)ジカルボン酸エステル、及びリン酸エステルからなる群より選ばれる1種以上であることが特に好ましい。
(1)脂肪族カルボン酸エステル、(2)芳香族カルボン酸エステル、及び(3)シクロアルカン(ケン)カルボン酸エステルは、下記式(11)で表される化合物が好ましい。
m及びnは、それぞれ独立に、好ましくは0〜20、より好ましくは0〜15、更に好ましくは1〜15、特に好ましくは2〜14、最も好ましくは2〜12である。
R1〜R3が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基、フェニルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基等のオキシカルボニル基、アセチル、ベンゾイル基等のアシル基、アセチルオキシ基等のアシルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシ基、オキソ基、エポキシ基、エーテル基、エステル基等が例示できる(これらを総称して「置換基」という)。これらの置換基は1つであっても2つ以上を組み合わせてもよい。
R3が有していてもよい置換基としては、−CO(O)−(AO)L−R4が好ましい。式中、AOは前記と同じである。Lは、前記のmと同じ意味を示し、好ましい範囲も同じである。R4は、前記のR1と同じ意味を示し、好ましい範囲も同じである。この場合、R3は、芳香族炭化水素基であることが好ましい。
脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、ジメチルアジペート、ジエチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ビス(ブチルジエチレングリコール)アジペート、ジメチルセバケート、ジエチルセバケート、ジブチルセバケート、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジエチルサクシネート、ビス(2−エチルヘキシル)アゼレート等の脂肪族二塩基酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、ジエチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ビス(ブチルジエチレングリコール)アジペート、ビス(オクトキシポリエチレングリコール)アジペート(R1及びR2は共に2-エチルヘキシル、EOの各平均付加モル数m及びn=1〜4)、ビス(オクトキシポリプロピレングリコール)アジペート(R1及びR2は共に2-エチルヘキシル、POの各平均付加モル数m及びn=1〜6)、ビス(オクトキシポリエチレングリコール・ポロプロピレングリコール)アジペート(R1及びR2は共に2-エチルヘキシル、EO及びPOの各合計平均付加モル数m及びn=4〜12、ブロック付加)、ビス[オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)]アジペート(R1及びR2は共に2-エチルヘキシル、EO及びPOの各合計平均付加モル数m及びn=4〜12、ランダム付加)、ジエチルセバケート、ジブチルセバケート、ジイソブチルセバケート等の炭素数6〜14の脂肪族二塩基酸のジエステルが特に好ましい。
芳香族カルボン酸エステルの具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、オクチルベンジルフタレート、ノニルベンジルフタレート、ステアリルベンジルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジフェニルフタレート、ビス(ジメチルシクロヘキシル)フタレート、ビス(t−ブチルシクロヘキシル)フタレート、エチルフタリルエチルグリコレート等のフタル酸エステル、トリブチルトリメリテート、トリイソブチルトリメリテート、トリ(2−エチルヘキシル)トリメリテート等のトリメリット酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート等の炭素数1〜5の脂肪族アルコール残基を有するフタル酸ジエステル、オクチルベンジルフタレート、ノニルベンジルフタレート、ステアリルベンジルフタレート等の炭素数3〜18のアルキル基を有するベンジルフタレート、ビス(オクトキシポリエチレングリコール)フタレート(R1及びR2は共に2-エチルヘキシル、EOの各平均付加モル数m及びn=1〜5)、ビス(オクトキシポリプロピレングリコール)フタレート(R1及びR2は共に2-エチルヘキシル、POの各平均付加モル数m及びn=1〜4)、ビス(オクトキシポリエチレングリコール・ポロプロピレングリコール)フタレート(R1及びR2は共に2-エチルヘキシル、EO及びPOの各合計平均付加モル数m及びn=4〜12、ブロック付加)、ビス[オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)]フタレート(R1及びR2は共に2-エチルヘキシル、EO及びPOの各合計平均付加モル数m及びn=4〜12、ランダム付加)等のフタル酸エステル、及びトリブチルトリメリテート、トリイソブチルトリメリテート等の炭素数3〜5の脂肪族アルコール残基を有するトリメリット酸ジエステルが特に好ましい。
シクロアルカン(ケン)カルボン酸エステルの具体例としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジブチルエステル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル等のシクロヘキサンカルボン酸エステル類、3,4−シクロヘキセンジカルボン酸ジブチルエステル、3,4−シクロヘキセンカルボン酸ジイソノニルエステル等のシクロヘキセンカルボン酸エステル等が挙げられる。
(4)リン酸エステルは下記式(14)で表される化合物が好ましい。
リン酸エステルの具体例としては、トリブチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等が挙げられる。これらの中でも、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート等の炭素数5〜9のアルコキシアルキル基を有するリン酸エステル、トリブチルホスフェート等の炭素数4〜12の脂肪族炭化水素基を有するリン酸エステル、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等の炭素数7〜12の芳香族炭化水素基を有するリン酸エステルが特に好ましい。リン酸エステルは、リン酸ジ又はトリエステルが好ましい。
オキシ酸エステルの具体例としては、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルリシノール酸メチル等が挙げられる。
(7)エポキシ系エステルの具体例としては、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル等が挙げられる。
スルホンアミドの具体例としては、o−及びp−トルエンスルホンアミド、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等が挙げられる。
(10)グリセリルアルキルエーテルの具体例としては、グリセリルモノエーテル、グリセリルジエーテル、グリセリルトリエーテルが挙げられる。これらの中では、炭素数8〜30の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するグリセリルモノエーテルが好ましい。アルキル基の炭素数は8〜30であるが、好ましくは8〜22、更に好ましくは8〜14である。
アルキル基として、例えば2−エチルヘキシル、(イソ)オクチル、(イソ)デシル、(イソ)ドデシル、(イソ)ミリスチル、(イソ)セチル、(イソ)ステアリル、(イソ)ベヘニル基が挙げられる。
アルキル基の位置については、特に制限はなく、1−アルキルグリセリルモノエーテル、2−アルキルグリセリルモノエーテルいずれであってもよい。
(12)グリコールアルキルエーテルとしては、モノアルキルエーテル、ジアルキルエーテルがあり、グリコールとしては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。また、アルキル基としては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられる。
着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)を含む着色インクは、着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)の水分散体をそのまま着色インクとして用いることもできる。着色インクの水分散体は、好ましくは前記工程(1)〜(3)、又は工程1〜3で得ることができる。同様に架橋ポリマー粒子(B)を含むクリアインクは、架橋ポリマー粒子(B)の水分散体をそのままクリアインクとして用いることもできる。クリアインクの水分散体は、好ましくは前記工程(1)〜(3)又は前記工程I、IIで得ることができる。水分散体にインクジェット記録用水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加してもよい。
着色剤含有架橋ポリマー粒子の含有量は、1〜20重量%が好ましく、1.5〜15重量%が更に好ましく、1.5〜12重量%が好ましい。
水の含有量は、40〜90重量%が好ましく、50〜80重量%が更に好ましく、60〜80重量%がより更に好ましい。
着色剤の含有量は、1〜15重量%が好ましく、2〜10重量%が更に好ましい。
水不溶性有機化合物の含有量は、好ましくは0.03〜3重量%、更に好ましくは0.05〜2重量%、特に好ましくは0.1〜1.5重量%である。
前記水分散体及びクリアインク中の架橋ポリマー粒子、水、及び水不溶性有機化合物の含有量は、光沢性、及び写像性向上の観点から次のとおりである。
架橋ポリマー粒子の含有量は、0.3〜20重量%が好ましく、0.5〜12重量%が更に好ましく、0.7〜10重量%が特に好ましい。水及び水不溶性有機化合物の好ましい含有量については、着色インクについてした前記説明と同じである。
測定条件:温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力、測定濃度 通常5×10-3重量%程度
着色インク及びクリアインクの表面張力(20℃)は、好ましくは25〜50mN/m、更に好ましくは27〜45mN/mである。
着色インク及びクリアインクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持する観点から、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましい。また、水系インクのpHは4〜10が好ましい。
前記水分散体の固形分10重量%における粘度(20℃)は、着色インク又はクリアインクとした時に良好な粘度とするために、2〜6mPa・sが好ましく、2〜5mPa・sが更に好ましい。また、水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましい。また、着色インク及びクリアインクのpHは4〜10が好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクセットは、着色剤含有架橋ポリマー粒子(A)を含む着色インクと架橋ポリマー粒子(B)を含むクリアインクとを含有するインクセットである。
着色インクとしては、好ましくは1種以上の色、より好ましくは2種以上の異なる色、更に好ましくは2種以上の有彩色のインクを備えていることが好ましい。ここで、「異なる色」とは、日本電色工業株式会社製の分光式色差計SE−2000等を用いて、印刷物をD65/2の光の波長で反射光を測定し、L*a*b*表色系で表示したとき、a*(赤−緑方向の色度)とb*(黄−青方向の色度)が同一でない色をいう。例えば、シアン、イエロー、マゼンタ、ライトシアン、ダークイエロー、及びライトマゼンタからなる群から選ばれる2種以上の有彩色等が挙げられる。
本発明のインクセットは、これらの有彩色等から選ばれる1色以上の着色インクと、クリアインクとの組み合わせを含むことが好ましく、2色インクセット、3色インクセット、4色インクセット、5色インクセット、6色インクセット、7色インクセット以上のいずれであってもよい。
より好ましくは、減法混色の3原色であるマゼンタインク、イエローインク及びシアンインクからなる群から選ばれる1色以上の着色インクとクリアインクとを備えたインクセットであり、これら着色インクとして、2色以上の着色インクを備えたインクセットが更に好ましく、3色の着色インクを備えたインクセットが特に好ましい。本発明のインクセットは、更に、ブラックインクを備えていてもよい。
本発明のインクセットは、インクジェット用プリンターの各色用インクカートリッジにクリアインク及び着色インクをそれぞれ充填し、各インクカートリッジに対応する各微小ノズルからインク液滴をそれぞれ吐出させて印刷することができる。この場合、着色インクを印字面積率(デューティ、DUTY)10〜80%で印刷する箇所は、専用紙印字面上全てが着色インクで覆われず、着色インク由来のドットの高さが形成され、紙表面との段差が発生する。その段差を埋めるようにクリアインクを合わせて印刷する方法が好ましい。着色インクとクリアインクとを印刷する順序に特に制限はない。すなわち、着色インクを予め印刷し、その後からクリアインクを重ねて印刷しても、逆にクリアインクを予め印刷し、その後から着色インクを印刷することもできる。
本発明のインクセットを適用するインクジェットの方式は制限されないが、特にピエゾ方式のインクジェットプリンターに好適である。
(1)ポリマーの重量平均分子量
溶媒として、60mmol/Lのリン酸と50mmol/Lのリチウムブロマイドを含有するN,N−ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8120GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSK-GEL、α-M×2本)、流速:1mL/min〕により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。
反応容器内に、メチルエチルケトン20部及び重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03部、表1に示す各モノマーの200部の10%を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロートに、表1に示すモノマーの残りの90%を仕込み、前記重合連鎖移動剤0.27部、メチルエチルケトン60部及びラジカル重合開始剤(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))1.2部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に滴下した。滴下終了から65℃で2時間経過後、前記ラジカル重合開始剤0.3部をメチルエチルケトン5部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。ポリマーの重量平均分子量を上記に示す方法により測定した。その結果を表1に示す。
(b)スチレンマクロマー:東亜合成株式会社製、商品名:AS−6(S)(50%トルエン溶液、固形分15部)数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクリロイルオキシ基
(d)ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(プロピレンオキシド平均付加モル数=9、末端:水酸基):日本油脂株式会社製、商品名:ブレンマーPP−500
(e)ポリエチレングリコールモノメタクリレート(エチレンオキシド平均付加モル数=9、末端:メチル基):新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステルM−90G
(クリアインク用架橋ポリマー粒子の水分散体の製造)
反応容器内に、A液(水酸化ナトリウム0.1%のイオン交換水)73.99部を投入し、攪拌(約100rpm)しながら、室温下、スチレン溶液〔スチレン、ジビニルベンゼン(スチレン100部に対して6.4部、ジビニルベンゼンの純分:81重量%、商品名:DVB−810、新日鐵化学株式会社製)、及び重合開始剤として2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(スチレン100部に対して2.2部、商品名:V−65、和光純薬工業株式会社製)〕11.4部と、製造例1で得られたポリマーの35%メチルエチルケトン溶液11.14部とを混合したB液22.11部を滴下した後、超音波分散装置(株式会社日本精機製作所製、Ultrasonic Generater Nissei ModelUSS-300T、300μA)を用いて超音波分散を1時間行うことで乳化させ、その後75℃に昇温し、3時間攪拌して重合を行い、その後有機溶媒を除去して、コア部が架橋されてなる架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体を得た。得られた水分散体(シェル部のポリマー3.90部)に、架橋剤(デナコールEX−321:エポキシ当量140:ナガセケムテックス株式会社製)0.156部(架橋剤/ポリマー重量比4/100)を加えた後、更に90℃で1.5時間攪拌して架橋させ、次に冷却して、イオン交換水で調整することにより固形分濃度が10%のクリアインク用架橋コアシェルポリマー粒子(シェル部の架橋率:17モル%、コアシェル重量比:2.81、架橋ポリマー全体の架橋度:4.6重量%)の水分散体を得た。
架橋率(モル%)=[シェル部のポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数×100/シェル部のポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数] (8)
式(8)において、「シェル部のポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル当量数」とは、シェル部のポリマー1モルと反応させる架橋剤のモル数に架橋剤1分子中の反応性基の数を乗じた値である。
(0.156/140)/(3.90/180000)=51となる。
ここで、架橋剤(デナコールEX−321)は、カルボキシ基、水酸基と反応するため、ポリマー1モルが有する架橋剤と反応できる反応性基のモル数は、ポリマー1モルが有するメタクリル酸(分子量86)、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(PP−500、分子量612)の合計モル数である。
180000×0.12/86+180000×0.15/612=295モル
よって、そのシェル部の架橋率は、51×100/295=17モル%となる。
得られたクリアインク用架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体15.00部に、グリセリン25部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGMBE)7部、サーフィノール465(日信化学工業株式会社製)1部、トリエタノールアミン1部、プロキセルXL2(アビシア株式会社製)0.3部、及びイオン交換水50.70部を混合し、得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、表2に示すクリアインクを得た。
調製例1と同様にして、固形分濃度が10%のクリアインク用架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体を得た。得られたクリアインク用架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体10.00部に、水不溶性有機化合物〔(i)フタル酸と2−エチルヘキシルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数4、日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール1004)とのジエステル25部と(ii)トリメリット酸とラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数4、日本乳化剤株式会社製)とのトリエステル75部からなる〕0.05部を混合、攪拌して、水不溶性有機化合物をポリマー粒子中に含有させた。この混合液に、グリセリン27部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGMBE)7部、サーフィノール465(日信化学工業株式会社製)1部、トリエタノールアミン1部、プロキセルXL2(アビシア株式会社製)0.3部、およびイオン交換水53.65部を混合し、得られた混合液を1.2μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジで濾過し、粗大粒子を除去することにより、表2に示すクリアインクを得た。
インク成分の配合量を表2に記載の量に変更した以外は、調製例2と同様に行い、表2に示すクリアインクを得た。
(ベース分散体の調製)
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー68部をメチルエチルケトン281部に溶かした後、中和剤1(5N水酸化ナトリウム水溶液)12.4部(中和度55%)と中和剤2(25%アンモニア水溶液)6.5部(中和度100%)及びイオン交換水975部加えて塩生成基を中和し、更に銅フタロシアニン系顔料(ピグメント・ブルー15:3)157部を加え、浅田鉄工株式会社製のピコミルにて周速15m/sにて2時間分散処理を施した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、商品名)で150MPaの圧力で5パス分散処理した。
得られた分散液200部(固形分濃度14%)に、スチレン9.3部、ジビニルベンゼン0.49部(純度81%:商品名:DVB−810:新日鐵化学株式会社製)、ラジカル重合開始剤(2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部を混合した溶液を加え、ディスパー翼で20℃で1時間混合した。得られた混合物をマイクロフルイダイザー(Microfluidics社製、商品名)で150MPaの圧力で5パス分散処理した。
得られた分散液を、窒素雰囲気下の反応容器内に投入し、撹拌しながら77℃で3時間反応を行い、シアン顔料を含有しコア部に架橋部位を有するポリマー粒子の分散体を得た。
得られた分散体から、減圧下60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が22%のシアン顔料含有水不溶性ポリマー粒子の水分散体を得た。
得られた水分散体200部(シェル部のポリマー9.8部)を窒素雰囲気下の反応容器内に投入し、更に、架橋剤(トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ナガセケムテックス株式会社製、デナコールEX−321、エポキシ当量140)を0.40部、イオン交換水を47.4部加え、撹拌しながら90℃で1.5時間反応を行い、イオン交換水で濃度調整して、シェル部を架橋(架橋率:17.8モル%)したシアン顔料含有架橋コアシェルポリマー粒子分散体(固形分濃度20%、コアシェル重量比:1.1、架橋ポリマー全体の架橋度:4.0重量%)を得た。
調製例1において、クリアインク用架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体を前記で得られたシアン顔料含有架橋コアシェルポリマー粒子分散体に変更し、インク成分の配合量を表3に記載の量に変更した以外は、調製例1と同様に行い、表3に示す着色インクを得た。
(ベース分散体の調製)
製造例1で得られたポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー200部をメチルエチルケトン400部に溶かし、その中に中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)16部(中和度60%)及びイオン交換水1600部加えて塩生成基を中和し、更にキナクリドン顔料(C.I.ピグメント・バイオレット19、クラリアントジャパン株式会社製、商品名:Hostaperm Red E5B02)680部を加え、ビーズミル型分散機UAM05型(寿工業株式会社製)を用いて20℃で2時間混合分散した。得られた分散液をマイクロフルイダイザー(Microfluidics 社製、商品名)で200MPaの圧力でさらに10パス分散処理した。
得られた分散液に、イオン交換水250部を加え、攪拌した後、減圧下60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去し、5μmのフィルター(アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士フイルム株式会社製)を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ(テルモ株式会社製)で濾過し、粗大粒子を除去することにより、固形分濃度が18%のマゼンタ顔料を含有するポリマー粒子の水分散体を得た。
次にこの分散体80部(うちポリマー3.3部)に対して架橋剤としてデナコールEX−810(分子量:216、ナガセケムテックス株式会社製、エポキシ当量113)0.11部を加え、イオン交換水を0.80部添加して80℃で3時間攪拌して、固形分濃度が18%のマゼンタ顔料含有架橋ポリマー粒子分散体(架橋率:18モル%、架橋ポリマー全体の架橋度:3.2重量%)を得た。
調製例2において、クリアインク用架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体を前記で得られたマゼンタ顔料含有架橋ポリマー粒子分散体に変更し、インク成分の配合量を表3に記載の量に変更した以外は、調製例2と同様に行い、表3に示す着色インクを得た。
(インクの調製)
調製例2において、クリアインク用架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体を前記調製例4で得られたシアン顔料含有架橋コアシェルポリマー粒子分散体に変更し、インク成分の配合量を表3に記載の量に変更した以外は、調製例2と同様に行い、表3に示す着色インクを得た。
反応容器内に、A液(水酸化ナトリウム0.1%のイオン交換水)351.63部を投入し、攪拌(約100rpm)、冷却しながら、製造例1で得られたポリマーの35%メチルエチルケトン溶液28.57部を滴下した後、超音波分散(株式会社日本精機製作所製、Ultrasonic Generater Nissei ModelUSS-300T、300μA)1時間行うことで乳化させた。その後有機溶媒を除去し、冷却して、イオン交換水で調整することにより固形分が10%のクリアインク用未架橋ポリマー粒子の水分散体を得た。
調製例1のコアとシェルいずれも架橋した架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体の製造において、架橋剤によるシェル架橋を行わない以外は、調製例1と同様に行い、コアを架橋した架橋コアシェルポリマー粒子の水分散体を得た。
次に、インク成分の配合量を表2に記載の量に変更した以外は、調製例8及び9については調製例1と同様に、調製例10及び11については調製例2と同様に行い、表2に示すクリアインクを得た。
調製例2において、インク成分の配合量を表2に記載の量に変更した以外は、調製例2と同様に行い、表2に示すクリアインクを得た。
調製例4において、インク成分の配合量を表3に記載の量に変更した以外は、調製例4と同様に行い、表3に示す着色インクを得た。
調製例6において、インク成分の配合量を表3に記載の量に変更した以外は、調製例6と同様に行い、表3に示す着色インクを得た。
調製例5において、インク成分の配合量を表3に記載の量に変更した以外は、調製例5と同様に行い、表3に示す着色インクを得た。
調製例5において、使用したキナクリドン顔料をアゾ顔料(C.I.ピグメント・イエロー74、山陽色素株式会社製、商品名:FY7413)に変更し、インク成分の配合量を表3に記載の量に変更した以外は、調製例5と同様に行い、表3に示す着色インクを得た。
表4に示すように、クリアインク、及び着色インクを用いて、クリアインクをイエローヘッド、着色インクをマゼンタ又はシアンヘッドにセットし、専用紙に二次色のレッド(RGB値がR:255、G:0、B:0)、又はグリーン(RGB値がR:0、G:255、B:0)を印字し、下記の方法で光沢性を評価した。結果を表4に示す。
例えば、実施例1では、クリアインクをイエローヘッドより、シアンインクをシアンヘッドより印字したことを示す。その場合、クリアインクとシアンインクとの混合は、グリーンを印字されるように指示すればよい。この印字部分における光沢度を測定することにより、クリアインクとシアンインクとの混合部の光沢性を評価することができる。なお、イエローヘッドにはクリアインクを用いているために、印字物は、実際にはDUTY50%相当の印字濃度で印字される。
表4及び5に示すように、クリアインク、及び着色インクを用いて、クリアインクをイエローヘッド、着色インクをマゼンタヘッドにセットし、専用紙に二次色のレッド(RGB値がR:255、G:0、B:0)を印字し、下記の方法で光沢性、及び写像性を評価した。結果を表4及び5に示す。
なお、クリアインクをイエローヘッドより、着色インクをマゼンタヘッドにセットし、レッドを印字されるように指示するため、この印字部分における光沢度値、及び写像性を測定することにより、クリアインクと着色インクとの混合部の光沢性、及び写像性を評価することができる。印字物は、実際には50%Duty相当の印字濃度を示す。
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型番:PX-A650、ピエゾ方式)を用い、市販のインクジェット写真用紙(セイコーエプソン株式会社製 商品名:写真用紙<光沢> 型番:KA450PSK)に、ベタ印字し〔印字条件=用紙種類:EPSON写真用紙、モード設定:フォト〕、25℃で24時間放置後、20°の光沢度を光沢計(日本電色工業株式会社製、商品名:HANDY GLOSSMETER、品番:PG−1)で5回測定し、平均値を求めた。数値が大きい方が、光沢性が高い。
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型番:PX-A650、ピエゾ方式)を用い、市販のインクジェット写真用紙(セイコーエプソン株式会社製 商品名:写真用紙<光沢> 型番:KA450PSK)に、ベタ印字し〔印字条件=用紙種類:EPSON写真用紙、モード設定:フォト〕、25℃で24時間放置後、45°の写像性を写像性測定器(スガ試験機株式会社製、商品名:写像性測定器、品番:ICM−1T)で3回測定し、平均値を求めた。数値が大きい方が、光沢性が高い。
Claims (10)
- 着色剤を含有する架橋ポリマー粒子(A)を含む着色インクと、架橋ポリマー粒子(B)を含むクリアインクとを含有するインクジェット記録用インクセットであって、クリアインク中の架橋ポリマー粒子(B)が、コアシェル構造を有する架橋コアシェルポリマー粒子であり、該架橋コアシェルポリマー粒子コア部が架橋されてなるポリマー粒子であり、シェル部が分子中に2以上の反応性官能基を有する化合物で架橋されたものである、インクジェット記録用インクセット。
- 着色剤が、マゼンタ、シアン及びイエローからなる群から選ばれる一種以上である、請求項1に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 着色剤を含有する架橋ポリマー粒子(A)の架橋ポリマー全体の架橋度が、0.5〜15重量%である、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 着色剤を含有する架橋ポリマー粒子(A)のポリマーの構成単位と架橋ポリマー粒子(B)のポリマーの構成単位とが、2以上の同じモノマー種に由来する構成単位を含む、請求項の1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
- 着色剤を含有する架橋ポリマー粒子(A)のポリマーと、架橋ポリマー粒子(B)のポリマーとの少なくともいずれか一方が、塩生成基含有モノマー(a)由来の構成単位及び疎水性モノマー(c)由来の構成単位を主鎖に有し、マクロマー(b)由来の構成単位を側鎖に有する、グラフトポリマーである、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
- 着色剤を含有する架橋ポリマー粒子(A)が、着色剤を含有するポリマー粒子と架橋剤とを混合し、ポリマーが架橋された架橋ポリマー粒子である、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
- 着色剤を含有する架橋ポリマー粒子(A)が、着色剤を含有するポリマー粒子のポリマー100重量部に対して架橋剤を0.5〜15重量部使用して架橋されたポリマー粒子である、請求項6に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 架橋剤が、分子中に2以上の反応性官能基を有する化合物である、請求項6又は7に記載のインクジェット記録用インクセット。
- 架橋コアシェルポリマー粒子のコア部とシェル部との重量比(コア部/シェル部)が、0.3〜15である、請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録用インセット。
- クリアインク中の架橋ポリマー粒子(B)が、下記工程I及びIIを有する方法により製造されてなる、請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用インセット。
工程I:水、有機溶媒及びポリマーの存在下に、疎水性モノマー及び2以上の反応性不飽和基を有する架橋性モノマーを重合して、コア部が架橋されてなるコアシェルポリマー粒子の分散体を得る工程
工程II:工程Iで得られたコアシェルポリマー粒子を、分子中に2以上の反応性官能基を有する化合物を用いて架橋して、コア部とシェル部がいずれも架橋されてなる架橋コアシェルポリマー粒子を得る工程
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