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JP5012745B2 - ハードコート層付積層体 - Google Patents

ハードコート層付積層体 Download PDF

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JP5012745B2 JP2008239113A JP2008239113A JP5012745B2 JP 5012745 B2 JP5012745 B2 JP 5012745B2 JP 2008239113 A JP2008239113 A JP 2008239113A JP 2008239113 A JP2008239113 A JP 2008239113A JP 5012745 B2 JP5012745 B2 JP 5012745B2
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Description

本発明は、膜硬度が高く、平滑性、耐擦過性、密着性に優れた積層構造を有するハードコート層付積層体に関する。本発明は、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)等のディスプレイの表面や家電製品等のタッチパネル、各種窓、例えば、住宅用窓、ショーウインドウ、車両用窓、車両用風防、遊戯機械等のガラス保護フィルム、あるいはガラス代替樹脂製品として利用できる。
近年、プラスチック製品が、加工性、軽量化の観点でガラス製品と置き換わりつつあるが、これらプラスチック製品の表面は傷つきやすいため、耐擦傷性を付与する目的でハードコートフィルムを貼合して用いる。また、従来のガラス製品についても、飛散防止のためにプラスチックフィルムを貼合する場合が増えており、これらのフィルム表面の硬度強化のために、その表面にハードコート層を形成することが広く行われている。しかしながら、前記従来のハードコートフィルムは、そのハードコート層の硬度が不十分であったこと、また、その塗膜厚みが薄いことに起因して、十分に満足できるものではなかった。
そこでハードコート層に無機質の装填材料を含む技術が開示されている。例えば、特許文献1には、透明基材フィルムの少なくとも片面に活性エネルギー線重合性樹脂を主体とするハードコート層を塗設してなるハードコートフィルムであって、該ハードコート層にモース硬度6以上の無機微粒子と、モース硬度4以下の微粒子および/または弾性率Eが6GPa以下を有する微粒子を含有するハードコートフィルムが開示されている。
また、特許文献2には、透明ハードコート層が、合成樹脂と、該樹脂中に分散された表面被覆処理された金属酸化物微粒子とを含むことを特徴とするハードコートフィルムが開示されている。
一方ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などの透明プラスチック成形体も、ガラスの代替品として、多岐にわたる分野において基材として使用されるようになってきている。例えば、各種窓ガラス代替品、眼鏡に代表されるレンズ類、屋根材、透明防音壁、電灯保護材、車輌用の照明灯・風防、フラットパネルディスプレイ部材などに使用されている。このような分野においても、例えば、特許文献3において、ポリカーボネート樹脂成型体の表面にイソシアネート基またはブロックイソシアネート基を有する化合物にコロイダルシリカから選ばれる化合物を含有し、硬度の高い樹脂成型体を得る技術が開示されている。
しかしこれらのいずれの技術においてもハードコート層に無機微粒子を含有させるのみでは、硬くて耐傷性が高いながらもクラックなど割れが生じにくく、基材との密着性能が優れたハードコートフィルムとして満足できるものではなかった。
特開2002−107503号公報 特開2006−159853号公報 特開2006−8776号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、簡便に作製でき、膜硬度が高く、平滑性、耐擦過性、密着性に優れたハードコート層付積層体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.樹脂基材の少なくとも一方の面に、ハードコート層および金属酸化物層をこの順で積層したハードコート層付積層体において、該ハードコート層は、表面硬度が異なる二つの層が交互に積層された構造であり、表面硬度が高い層群をA層ユニット、表面硬度が低い層群をB層ユニットとしたとき、該A層ユニット及びB層ユニットの少なくとも1つの層ユニットは、乾燥膜厚が異なる少なくとも2層で構成され、該A層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣAhと該B層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣBhとが、ΣAh≧ΣBhの関係を満たすことを特徴とするハードコート層付積層体。
2.前記A層ユニットの表面硬度が、0.5GPa以上、9.0GPa以下で、前記B層ユニットの表面硬度が0.1GPa以上、1.0GPa以下であることを特徴とする前記1に記載のハードコート層付積層体。
3.前記A層ユニットの表面硬度が0.7GPa以上、2.0GPa以下で、前記B層ユニットの表面硬度が0.1GPa以上、0.7GPa以下であることを特徴とする前記1または2に記載のハードコート層付積層体。
4.前記A層ユニットを構成する各層の乾燥膜厚が、前記金属酸化物層に向かって増加することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
5.前記A層ユニットを構成する層のうち、前記金属酸化物層に最も近接した位置にある層の乾燥膜厚が、3.0μm以上、10μm以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
6.前記B層ユニットを構成する各層の乾燥膜厚が、前記金属酸化物層に向かって減少することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
7.前記B層ユニットを構成する層のうち、前記金属酸化物層に最も近接した位置にある層の乾燥膜厚が、0.1μm以上、10μm以下であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
8.前記ハードコート層の少なくとも1層が無機粒子を含有し、該無機粒子が、酸化珪素粒子であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
9.前記無機粒子の平均粒子径が、5nm以上、1.0μm以下であることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
10.前記ハードコート層が、湿式塗布法により形成されたことを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
11.前記湿式塗布法が、複数の層を同時に塗布する多層同時塗布法であることを特徴とする前記10に記載のハードコート層付積層体。
12.前記金属酸化物層の主成分が、酸化珪素であることを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
13.前記金属酸化物層が、プラズマCVD法により形成されたことを特徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
14.前記プラズマCVD法が、大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ処理する大気圧プラズマCVD法であることを特徴とする前記13に記載のハードコート層付積層体。
本発明により、簡便に作製でき、膜密着性に優れ、かつ高い膜強度、耐擦過性に優れたハードコート層付積層体を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、樹脂基材の少なくとも一方の面に、ハードコート層および金属酸化物層をこの順で積層したハードコート層付積層体において、該ハードコート層は、表面硬度が異なる二つの層が交互に積層された構造であり、表面硬度が高い層群をA層ユニット、表面硬度が低い層群をB層ユニットとしたとき、該A層ユニット及びB層ユニットの少なくとも1つの層ユニットは、乾燥膜厚が異なる少なくとも2層で構成され、該A層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣAhと該B層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣBhが、ΣAh≧ΣBhの関係を満たすことを特徴とするハードコート層付積層体により、簡便に作製でき、膜硬度が高く、平滑性、耐擦過性、密着性に優れたハードコート層付積層体を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
〔ハードコート層〕
本発明のハードコート層付積層体においては、ハードコート層は、表面硬度が異なる二つの層が交互に積層された構造であり、表面硬度が高い層群をA層ユニット、表面硬度が低い層群をB層ユニットとしたとき、該A層ユニット及びB層ユニットの少なくとも1つの層ユニットは、乾燥膜厚が異なる少なくとも2層で構成され、該A層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣAhと該B層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣBhとが、ΣAh≧ΣBhであることを特徴とする。
(ハードコート層の構成)
本発明者は、樹脂基材上にハードコート層及び金属酸化物層を設けたハードコート層付積層体の特性について検討を進めた結果、樹脂基材上に、均一組成から構成される所定の膜厚を有するハードコート層を設置し、その上に金属酸化物層を形成した場合、樹脂基材とハードコート層間、あるいはハードコート層と金属酸化物層間での各材料の剛性率、や界面特性の違いにより、例えば、過酷な環境下で長期間にわたり保存した際に各界面で剥離を生じることにより、密着性の低下、あるいは、ハードコート層付積層体が激しい衝撃を受けた際に、それぞれの界面で両者間の組成が大きく異なる場合には、積層された構成層間を破断振動がスムーズに伝播しないため、膜破断を生じることが判明した。
本発明者は、上記課題を解決する方法について鋭意検討を行った結果、表面硬度が異なる二つの層を交互に積層した構造でハードコート層を構成し、更に、表面硬度が高いA層ユニット及び表面硬度が低いB層ユニットの少なくとも1つの層ユニットを乾燥膜厚が異なる少なくとも2層で構成され、A層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣAh≧B層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣBhの関係を満たす条件とすることにより、本発明が目的する効果が得られることを見出したものである。
本発明に係るハードコート層は、主には、後述する活性光線硬化樹脂から構成されていることが好ましく、更に好ましくは活性光線硬化樹脂及び無機粒子から構成されるが、本発明においては、ハードコート層ユニットを形成するA層ユニット、B層ユニットで表面硬度が異なり、A層ユニットを構成する各層の表面硬度が、B層ユニットを構成する各層の表面硬度より高くすることを特徴とする。
更に好ましくは、A層ユニットを構成する各層の表面硬度を0.5GPa以上、9.0GPa以下とし、B層ユニットを構成する各層の表面硬度を0.1GPa以上、1.0GPa以下とすることであり、更に好ましくは、A層ユニットを構成する各層の表面硬度を0.7GPa以上、2.0GPa以下とし、B層ユニットを構成する各層の表面硬度を0.1GPa以上、0.7GPa以下とすることである。
本発明でいうハードコート層の表面硬度とは、層ユニットを構成する各層表面における硬度である。
薄膜表面の表面硬度は、公知の測定方法により求めることができるが、本発明に係る表面硬度は、ナノインデンテーションによる測定した値を用いる。
ナノインデンテーションとは、試料に対して超微小な荷重で圧子を連続的に負荷、除荷し、得られた荷重−変位曲線から硬さ(Hardness、以下、Hと略記)や弾性率(Reduced Modulus、以下、Erと略記)を測定する方法である。
ナノインデンテーションの硬さ(H)と弾性率(Er)の違いについては、試料の直接的な表面の硬さの値が(H)であり、弾性率(Er)は試料の変形度合いを表している。したがって、ナノインデンテーションの硬さ(H)が表面硬度の指標として適している。
〈ナノインデンテーション硬度(H)の測定〉
本発明のハードコート層付積層体の各層のナノインデンテーション硬度(H)の測定は、Hysitron社製TriboscopeをDigital Instruments社製NanoscopeIIIに装着し測定した。測定には、圧子としてベルコビッチ型圧子(先端稜角142.3°)と呼ばれる三角錘型ダイヤモンド製圧子を用いる。
三角錘型ダイヤモンド製圧子を試料表面に直角に当て、徐々に荷重を印加し、最大荷重到達後に荷重を0にまで徐々に戻した。この時の最大荷重Pを圧子接触部の投影面積Aで除した値P/Aをナノインデンテーション硬度(H)として算出した。この時の最大荷重の条件は100μNで行う。なお、ナノインデンテーションによる表面硬度測定の原理に関する詳細は、例えば、Handbook of Micro/Nano Tribology(Bharat Bhushan編 CRC)に記載されている。
本発明に係るハードコート層においては、A層ユニットを構成する層は、単層であっても、あるいは2層以上で構成されていても良いが、例えば、B層ユニットが単層である場合には、A層ユニットは2層以上で構成される。また、B層ユニットを構成する層は、単層であっても、あるいは2層以上で構成されていても良いが、例えば、A層ユニットが単層である場合には、B層ユニットは2層以上で構成され、それぞれ表面硬度の異なるA層ユニットを構成する各層と、B層ユニットを構成する各層が交互に積層された形態をとる。
以下、本発明に係るハードコート層の層構成について、図を用いて説明する。
図1に、本発明のハードコート層付積層体の代表的な構成断面図を示すが、本発明はここで例示する構成にのみ限定されるものではない。
図1のa)は、表面硬度の異なる3層のハードコート層を積層したハードコート層付積層体の断面図である。
図1のa)において、表面硬度の高いA層ユニットをA1、A2の2つの層で構成し、表面硬度の低いB層ユニットをB1の単層で構成した例を示してある。
具体的には、ハードコート層付積層体1は、樹脂基材2上に、表面硬度の高いA層ユニットのA1を配置し、次いで表面硬度の低いB層ユニットのB1を積層し、その上に表面硬度の高いA層ユニットのA2を配置し、更にその上に、金属酸化物層3を形成したハードコート層付積層体である。この時、A層ユニットを構成するA1、A2の2つの層の総乾燥膜厚が、B層ユニットを構成するB1の乾燥膜厚より厚く設計することを特徴とする。
更に、A1、A2の2層から構成されるA層ユニットにおいては、金属酸化物層3に向かって、A1、A2の順に乾燥膜厚を厚くする構成とすることが好ましい。
更に、本発明に係るハードコート層においては、A層ユニットを構成する層のうち、金属酸化物層3に最も近接した位置にある層(図1のa)におけるA2)の乾燥膜厚は、3μm以上、10μm以下であることが好ましい。
更に、本発明に係るハードコート層においては、B層ユニットを構成する層のうち、金属酸化物層3に最も近接した位置にある層(図1のa)におけるB1)の乾燥膜厚は、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。
図1のb)は、表面硬度の異なる3層のハードコート層を積層したハードコート層付積層体の他の一例を示す断面図である。
図1のb)において、表面硬度の高いA層ユニットをA1のみの単層で構成し、表面硬度の低いB層ユニットをB1、B2の2つの層で構成した例を示してある。
具体的には、ハードコート層付積層体1は、樹脂基材2上に、表面硬度の低いB層ユニットのB1を配置し、次いで表面硬度の高いA層ユニットのA1を積層し、その上に表面硬度の低いB層ユニットのB2を配置し、更にその上に、金属酸化物層3を形成したハードコート層付積層体である。この時、A層ユニットを構成するA1の乾燥膜厚が、B層ユニットを構成するB1、B2の総乾燥膜厚より厚く設計することを特徴とする。
更に、B1、B2の2層から構成されるB層ユニットにおいては、金属酸化物層3に向かって、B1、B2の順に乾燥膜厚を減少する構成とすることが好ましい。
更に、本発明に係るハードコート層においては、A層ユニットを構成する層のうち、金属酸化物層3に最も近接した位置にある層(図1のb)におけるA1)の乾燥膜厚は、3.0μm以上、10μm以下であることが好ましい。
更に、本発明に係るハードコート層においては、B層ユニットを構成する層のうち、金属酸化物層3に最も近接した位置にある層(図1のb)におけるB2)の乾燥膜厚は、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。
図1のc)は、表面硬度の異なるA層ユニット及びB層ユニットをそれぞれ3層で構成し、それぞれを交互に積層したハードコート層付積層体の断面図である。
図1のc)において、表面硬度の高いA層ユニットをA1、A2、A3の3つの層で構成し、表面硬度の低いB層ユニットをB1、B2、B3の3層で構成した例を示してある。
具体的には、ハードコート層付積層体1は、樹脂基材2上に、表面硬度の低いB層ユニットのB1を配置し、次いで表面硬度の高いA層ユニットのA1を積層し、次いで、順次B2、A2、B3、A3の順に交互に積層した後、更にその上に、金属酸化物層3を形成したハードコート層付積層体である。この時、A層ユニットを構成するA1、A2、A3の3層の総乾燥膜厚が、B層ユニットを構成するB1、B2、B3の3層の総乾燥膜厚より厚く設計することを特徴とする。
更に、A1、A2、A3の3層から構成されるA層ユニットにおいては、金属酸化物層3に向かって、A1、A2、A3の順に乾燥膜厚を厚くする構成とすることが好ましい。
更に、本発明に係るハードコート層においては、A層ユニットを構成する層のうち、金属酸化物層3に最も近接した位置にある層(図1のc)におけるA3)の乾燥膜厚は、3.0μm以上、10μm以下であることが好ましい。
更に、B1、B2、B3の3層から構成されるB層ユニットにおいては、金属酸化物層3に向かって、B1、B2、B3の順に乾燥膜厚を減少する構成とすることが好ましい。
更に、本発明に係るハードコート層においては、B層ユニットを構成する層のうち、金属酸化物層3に最も近接した位置にある層(図1のc)におけるB3)の乾燥膜厚は、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましい。
(ハードコート層の構成材料)
本発明に係るハードコート層を構成するA層ユニット、B層ユニットの各層は、主に、活性光線硬化樹脂と、必要に応じて無微粒子を含む構成で形成される。
〈活性光線硬化樹脂〉
本発明に適用可能な活性光線硬化樹脂としては、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートと記載した場合、メタクリレートを包含するものとする)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151110号等を参照)。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることが出来る(例えば、特開昭59−151112号を参照)。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1−105738号)。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して使用することが出来る。
また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出来る。
これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることが出来る。塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応開始剤また光増感剤は該組成物の通常1〜10質量%添加することが出来、2.5〜6質量%であることが好ましい。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来る。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることが出来る。
例えば、紫外線硬化樹脂としては、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化工業株式会社製)、あるいはコーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学工業株式会社製)、あるいはセイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業株式会社製)、あるいはKRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー株式会社)、あるいはRC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、大日本インキ化学工業株式会社製)、あるいはオーレックスNo.340クリヤ(中国塗料株式会社製)、あるいはサンラッドH−601(三洋化成工業株式会社製)、あるいはSP−1509、SP−1507(昭和高分子株式会社製)、あるいはRCC−15C(グレース・ジャパン株式会社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成株式会社製)あるいはこの他の市販のものから適宜選択して利用出来る。
〈無機粒子〉
本発明に係るハードコート層においては、無機粒子を含有することが好ましく、本発明に係るハードコート層の構成層に適用できる無機粒子としては、例えば、Si、Ti、Mg、Ca、Zr、Sn、Sb、As、Zn、Nb、In、Alから選択される金属の酸化物微粒子が好ましく、具体的には、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。特に、本発明においては、無機粒子として、酸化珪素を用いることが好ましい。
本発明に好ましく適用することができる酸化珪素としては、例えば、好ましく用いられる酸化珪素粒子は、富士シリシア化学(株)製のサイリシア、日本シリカ(株)製のNipsil E、日本アエロジル(株)製のアエロジルシリーズ、日産化学工業(株)製のコロイダルシリカ、オルガノシリカゾル等を適用することができる。
本発明に係るハードコート層に適用できる無機粒子の平均粒子径としては、5nm以上、1.0μm以下であることが好ましく、更に好ましくは5nm以上、500nm以下である。無機粒子の平均粒子径は、無機粒子を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の一次粒子の粒径を求め、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
本発明に係るハードコート層において、ハードコート層における無機粒子の含有量は、本発明で規定する条件を満たす範囲であれば特に制限はない。
〈ハードコート層の形成方法〉
本発明においては、樹脂基材上にA層ユニットを構成する層と、B層ユニットを構成する層とを交互に積層して構成することを特徴とするが、各構成層を樹脂基材上に形成する方法としては、薄膜を形成する公知の方法を適用することができるが、特に、湿式塗布法により形成することが好ましい。
湿式塗布法とは、例えば、活性光線硬化樹脂を溶媒、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒に溶解した後、無機粒子を添加して無機粒子を含有する層塗布液、あるいは活性光線硬化樹脂を溶媒に溶解した無機粒子を含有しない層塗布液を調製し、この塗布液を用いて、ウェット状態の薄膜を樹脂基材上等に形成する方法である。
この様な湿式塗布法に用いられる塗布方式としては、例えば、スピンコート塗布、ディップ塗布、エクストルージョン塗布、ロールコート塗布スプレー塗布、グラビア塗布、ワイヤーバー塗布、エアナイフ塗布、スライドポッパー塗布、カーテン塗布等の公知の溶液を用いた塗布方法(塗布装置)を適用することができる。
上記の塗布方式により樹脂基材上に形成したハードコート層(ハードコート層)は、膜を硬化する目的で、活性光線が照射される。活性光線硬化樹脂を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用することができ、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を挙げることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cmである。近紫外線領域〜可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用出来る。
紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率とから3秒〜2分がより好ましい。
本発明に係るA層ユニットを構成する層とB層ユニットを構成する層とを交互に積層した構成とする場合には、樹脂基材上に湿式塗布法により、第1の層(例えば、図1のc)においてはB1)を塗設し、次いで活性光線を照射した後、第1の層上に、第2の層(例えば、図1のc)においてはA1)を塗設した後、活性光線を照射する。そして、図1のc)で示した構成とする場合には、同様にしてB2、A2、B3、A3をそれぞれ所定の膜厚となるように塗布、硬化して形成することができる。
また、本発明に係る積層したハードコート層を形成する湿式塗布法として、例えば、図1のc)で示した構成では、計6層を同時に塗布する多層同時塗布法を適用することが、高い生産性が得られる観点で好ましい。
多層同時塗布法に適用可能な塗布装置としては、複数の塗布液を供給できる供給口あるいは供給スリットを備え、所望の乾燥膜厚となるように各供給口あるいは供給スリットへの塗布液の供給量を制御する手段を備えた装置であり、例えば、エクストルージョン塗布、スライドホッパー塗布、カーテン塗布等の塗布装置を適用することができる。
〔金属酸化物層〕
上記方法に従って樹脂基材上のハードコート層を形成した後、金属酸化物層をその上に形成することで、本発明のハードコート層付積層体を得ることができる。
本発明に係る金属酸化物層は、その構成材料の主成分が金属酸化物により構成されていることが、高い硬度を備えた最表層を形成できる観点から好ましい。
本発明でいう主成分とは、金属酸化物層の80質量%以上が金属酸化物で構成されていることであり、好ましくは90質量%以上が金属酸化物で構成されていることであり、特に好ましくは95質量%以上が金属酸化物で構成されていることである。
本発明に係る金属酸化物層を構成する金属酸化物としては、特に制限はなく、例えば、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化チタン、酸化窒化チタン、窒化チタン、酸化ホウ素又は酸化アルミニウム等の金属酸化物膜が挙げられるが、これらの中でも、高い硬度を備えた表面層が得られる観点から酸化珪素膜であることが、特に好ましい。
本発明に係る金属酸化物層は、例えば、原材料をスプレー法、スピンコート法、スパッタリング法、イオンアシスト法、プラズマCVD法、大気圧または大気圧近傍の圧力下での大気圧プラズマCVD法等を適用して形成することができる。
しかしながら、スプレー法やスピンコート法等の湿式塗布方式では、分子レベル(nmレベル)の平滑性を得ることが難しく、また溶剤を使用するため、本発明に適用する樹脂基材が有機材料であることから、使用可能な樹脂基材または溶剤が限定されるという欠点がある。そこで、本発明のハードコート層付積層体においては、酸化物層の形成方法としては、プラズマCVD法を適用することが好ましく、特に、大気圧または大気圧近傍の圧力下での大気圧プラズマCVD法は、減圧チャンバー等が不要で、高速製膜ができ生産性の高い製膜方法である点から好ましい。本発明に係る金属酸化物層を大気圧プラズマCVD法で形成することにより、均一かつ表面の平滑性を有する膜を比較的容易に形成することが可能となるからである。尚、大気圧プラズマCVD法の層形成条件の詳細については、後述する。
プラズマCVD法、大気圧または大気圧近傍の圧力下でのプラズマCVD法により得られる金属酸化物層は、原材料(原料ともいう)である有機金属化合物、分解ガス、分解温度、投入電力などの条件を選ぶことで、様々な特性を備えた各種金属酸化物を生成することができるため好ましい。例えば、珪素化合物を原料化合物として用い、分解ガスに酸素を用いれば、珪素酸化物が生成する。これは、プラズマ空間内では非常に活性な荷電粒子・活性ラジカルが高密度で存在するため、プラズマ空間内では多段階の化学反応が非常に高速に促進され、プラズマ空間内に存在する元素は熱力学的に安定な化合物へと非常な短時間で変換されるためである。
このような無機物の原料としては、典型または遷移金属元素を有していれば、常温常圧下で気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合にはそのまま放電空間に導入できるが、液体、固体の場合は、加熱、バブリング、減圧、超音波照射等の手段により気化させて使用する。又、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール,エタノール,n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響は殆ど無視することができる。
本発明においては、金属酸化物の形成に用いる有機金属化合物は、
珪素化合物としては、例えば、シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラn−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)カルボジイミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアミノジメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘプタメチルジシラザン、ノナメチルトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、テトラキスジメチルアミノシラン、テトライソシアナートシラン、テトラメチルジシラザン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリエトキシフルオロシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリメチルシラン、ベンジルトリメチルシラン、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、1,4−ビストリメチルシリル−1,3−ブタジイン、ジ−t−ブチルシラン、1,3−ジシラブタン、ビス(トリメチルシリル)メタン、シクロペンタジエニルトリメチルシラン、フェニルジメチルシラン、フェニルトリメチルシラン、プロパルギルトリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメチルシリルアセチレン、1−(トリメチルシリル)−1−プロピン、トリス(トリメチルシリル)メタン、トリス(トリメチルシリル)シラン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、Mシリケート51等が挙げられる。
チタン化合物としては、例えば、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンテトライソポロポキシド、チタンn−ブトキシド、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−エチルアセトアセテート)、チタンジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタンアセチルアセトネート、ブチルチタネートダイマー等が挙げられる。
ジルコニウム化合物としては、ジルコニウムn−プロポキシド、ジルコニウムn−ブトキシド、ジルコニウムt−ブトキシド、ジルコニウムトリ−n−ブトキシドアセチルアセトネート、ジルコニウムジ−n−ブトキシドビスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn−ブトキシド、アルミニウムs−ブトキシド、アルミニウムt−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、トリエチルジアルミニウムトリ−s−ブトキシド等が挙げられる。
硼素化合物としては、ジボラン、テトラボラン、フッ化硼素、塩化硼素、臭化硼素、ボラン−ジエチルエーテル錯体、ボラン−THF錯体、ボラン−ジメチルスルフィド錯体、三フッ化硼素ジエチルエーテル錯体、トリエチルボラン、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリ(イソプロポキシ)ボラン、ボラゾール、トリメチルボラゾール、トリエチルボラゾール、トリイソプロピルボラゾール、等が挙げられる。
錫化合物としては、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等が挙げられる。
また、その他の有機金属化合物としては、例えば、アンチモンエトキシド、ヒ素トリエトキシド、バリウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、ベリリウムアセチルアセトナート、ビスマスヘキサフルオロペンタンジオネート、ジメチルカドミウム、カルシウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、クロムトリフルオロペンタンジオネート、コバルトアセチルアセトナート、銅ヘキサフルオロペンタンジオネート、マグネシウムヘキサフルオロペンタンジオネート−ジメチルエーテル錯体、ガリウムエトキシド、テトラエトキシゲルマン、テトラメトキシゲルマン、ハフニウムt−ブドキシド、ハフニウムエトキシド、インジウムアセチルアセトナート、インジウム2,6−ジメチルアミノヘプタンジオネート、フェロセン、ランタンイソプロポキシド、酢酸鉛、テトラエチル鉛、ネオジウムアセチルアセトナート、白金ヘキサフルオロペンタンジオネート、トリメチルシクロペンタジエニル白金、ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート、ストロンチウム2,2,6,6−テトラメチルヘプタンジオネート、タンタルメトキシド、タンタルトリフルオロエトキシド、テルルエトキシド、タングステンエトキシド、バナジウムトリイソプロポキシドオキシド、マグネシウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート、ジエチル亜鉛、などが挙げられる。
また、これらの金属を含む原料ガスを分解して金属酸化物を得るための分解ガスとしては、水素ガス、メタンガス、アセチレンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス、窒素ガス、などが挙げられる。
金属元素を含む原料ガスと、分解ガスを適宜選択することで、各種の金属酸化物を得ることができる。
これらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合し、プラズマ放電発生装置にガスを送りこむ。
このような放電ガスとしては、窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
上記放電ガスと反応性ガスを混合し、混合ガスとしてプラズマ放電発生装置(プラズマ発生装置)に供給することで膜形成を行う。放電ガスと反応性ガスの割合は、得ようとする膜の性質によって異なるが、混合ガス全体に対し、放電ガスの割合を50%以上として反応性ガスを供給する。
以上のように、上記のような原料ガスを放電ガスと共に使用することにより様々な無機薄膜を形成することができる。
次いで、本発明のハードコート層付積層体の製造方法において、本発明に係る金属酸化物層の形成に好適に用いることのできるプラズマCVD法及び大気圧プラズマCVD法について、更に詳細に説明する。
本発明に係るプラズマCVD法について説明する。
プラズマCVD法(化学的気相成長法)は、揮発・昇華した有機金属化合物が高温の基材表面に付着し、熱により分解反応が起き、熱的に安定な無機物の薄膜が生成されるというものである。このような通常のCVD法(熱CVD法とも称する)では、通常500℃以上の基板温度が必要であるため、プラスチック基材への製膜には使用することが難しい。
一方、プラズマCVD法は、基材近傍の空間に電界を印加し、プラズマ状態となった気体が存在する空間(プラズマ空間)を発生させ、揮発・昇華した有機金属化合物がこのプラズマ空間に導入されて分解反応が起きた後に基材上に吹きつけられることにより、金属酸化物の薄膜を形成するというものである。プラズマ空間内では、数%の高い割合の気体がイオンと電子に電離しており、ガスの温度は低く保たれるものの、電子温度は非常な高温のため、この高温の電子、あるいは低温ではあるがイオン・ラジカルなどの励起状態のガスと接するために無機膜の原料である有機金属化合物は低温でも分解することができる。したがって、金属酸化物を製膜する樹脂基材についても低温化することができ、樹脂基材上へも十分製膜することが可能な製膜方法である。
しかしながら、プラズマCVD法においては、ガスに電界を印加して電離させ、プラズマ状態とする必要があるため、通常は、0.10kPa〜10kPa程度の減圧空間で製膜していたため、大面積のフィルムを製膜する際には設備が大きく操作が複雑であり、生産性の課題を抱えている方法である。
これに対し、大気圧近傍でのプラズマCVD法では、真空下のプラズマCVD法に比べ、減圧にする必要がなく生産性が高いだけでなく、プラズマ密度が高密度であるために製膜速度が速く、更にはCVD法の通常の条件に比較して、大気圧下という高圧力条件では、ガスの平均自由工程が非常に短いため、極めて平坦な膜が得られ、そのような平坦な膜は、光学特性が良好である。以上のことから、本発明においては、大気圧プラズマCVD法を適用することが、真空下のプラズマCVD法よりも好ましい。
またこの方法によれば、樹脂基材上、更に詳しくはハードコート層上に金属酸化物膜を形成させたときの膜密度が緻密であり、安定した性能を有する薄膜が得られる。また残留応力が圧縮応力で、0.01MPa以上、100MPa以下という範囲の金属酸化物膜が安定に得られることが特徴である。
以下、大気圧あるいは大気圧近傍での大気圧プラズマCVD法を用いた金属酸化物層の形成方法について述べる。
先ず、本発明に係る金属酸化物層の形成に使用されるプラズマ製膜装置の一例について、図2〜図5に基づいて説明する。図中、符号Fはハードコート層を有する基材樹脂の一例としての長尺フィルムである。
図2または図3等に述べるプラズマ放電処理装置においては、ガス供給手段から、前記金属を含む原料ガス、分解ガスを適宜選択して、またこれらの反応性ガスに対して、主にプラズマ状態になりやすい放電ガスを混合してプラズマ放電発生装置にガスを送りこむことで前記セラミック膜を得ることができる。
放電ガスとしては、前記のように窒素ガスおよび/または周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
図2はジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置であり、プラズマ放電処理装置、二つの電源を有する電界印加手段の他に、図2では図示してない(後述の図3に図示してある)が、ガス供給手段、電極温度調節手段を有している装置である。
プラズマ放電処理装置10は、第1電極11と第2電極12から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極11からは第1電源21からの周波数ω、電界強度V、電流Iの第1の高周波電界が印加され、また第2電極12からは第2電源22からの周波数ω、電界強度V、電流Iの第2の高周波電界が印加されるようになっている。第1電源21は第2電源22より高い高周波電界強度(V>V)を印加出来、また第1電源21の第1の周波数ωは第2電源22の第2の周波数ωより低い周波数を印加出来る。
第1電極11と第1電源21との間には、第1フィルタ23が設置されており、第1電源21から第1電極11への電流を通過しやすくし、第2電源22からの電流をアースして、第2電源22から第1電源21への電流が通過しにくくなるように設計されている。
また、第2電極12と第2電源22との間には、第2フィルタ24が設置されており、第2電源22から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源21からの電流をアースして、第1電源21から第2電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
第1電極11と第2電極12との対向電極間(放電空間)13に、後述の図3に図示してあるようなガス供給手段からガスGを導入し、第1電極11と第2電極12から高周波電界を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない基材の元巻き(アンワインダー)から巻きほぐされて搬送して来るか、あるいは前工程から搬送して来る基材Fの上に、処理位置14付近で薄膜を形成させる。薄膜形成中、後述の図3に図示してあるような電極温度調節手段から媒体が配管を通って電極を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の基材樹脂の温度によっては、得られる金属酸化物膜の物性や組成等は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材樹脂の温度ムラが出来るだけ生じないように電極の内部の温度を均等に調節することが望まれる。
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置を複数基接して直列に並べて同時に同じプラズマ状態のガスを放電させることが出来るので、何回も処理され高速で処理することも出来る。また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった層の積層薄膜を形成することも出来る。
図3は、本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
本発明に係る大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、二つの電源を有する電界印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。
図3は、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との対向電極間(放電空間)32で、基材Fをプラズマ放電処理して薄膜を形成するものである。
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との間の放電空間(対向電極間)32に、ロール回転電極(第1電極)35には第1電源41から周波数ω、電界強度V、電流Iの第1の高周波電界を、また角筒型固定電極群(第2電極)36には第2電源42から周波数ω、電界強度V、電流Iの第2の高周波電界をかけるようになっている。
ロール回転電極(第1電極)35と第1電源41との間には、第1フィルタ43が設置されており、第1フィルタ43は第1電源41から第1電極への電流を通過しやすくし、第2電源42からの電流をアースして、第2電源42から第1電源への電流を通過しにくくするように設計されている。また、角筒型固定電極群(第2電極)36と第2電源42との間には、第2フィルタ44が設置されており、第2フィルタ44は、第2電源42から第2電極への電流を通過しやすくし、第1電源41からの電流をアースして、第1電源41から第2電源への電流を通過しにくくするように設計されている。
なお、本発明においては、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい。何れにしろ、第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より高い高周波電界強度(V>V)を印加することが好ましい。また、周波数はω<ωとなる能力を有している。
また、電流はI<Iとなることが好ましい。第1の高周波電界の電流Iは、好ましくは0.3mA/cm〜20mA/cm、さらに好ましくは1.0mA/cm〜20mA/cmである。また、第2の高周波電界の電流Iは、好ましくは10mA/cm〜100mA/cm、さらに好ましくは20mA/cm〜100mA/cmである。
ガス供給手段50のガス発生装置51で発生させたガスGは、流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。
基材Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送し、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との両方から電界をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。基材Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより薄膜を形成する。基材Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送する。
放電処理済みの処理排ガスG′は排気口53より排出する。
薄膜形成中、ロール回転電極(第1電極)35及び角筒型固定電極群(第2電極)36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。なお、68及び69はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
図4は、図3に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図4において、ロール電極35aは導電性の金属質母材35Aとその上に誘電体35Bが被覆されたものである。プラズマ放電処理中の電極表面温度を制御するため、温度調節用の媒体(水もしくはシリコンオイル等)が循環できる構造となっている。
図5は、角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図5において、角筒型電極36aは、導電性の金属質母材36Aに対し、図4同様の誘電体36Bの被覆を有しており、該電極の構造は金属質のパイプになっていて、それがジャケットとなり、放電中の温度調節が行えるようになっている。
なお、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されており、該電極の放電面積はロール回転電極35に対向している全角筒型固定電極面の面積の和で表される。
図5に示した角筒型電極36aは、円筒型電極でもよいが、角筒型電極は円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明に好ましく用いられる。
図4及び図5において、ロール電極35a及び角筒型電極36aは、それぞれ導電性の金属質母材35A及び36Aの上に誘電体35B及び36Bとしてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。セラミックス誘電体は片肉で1mm程度被覆あればよい。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。また、誘電体層が、ライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
導電性の金属質母材35A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることが出来るが、後述の理由からはチタン金属またはチタン合金が特に好ましい。
対向する第1電極および第2の電極の電極間距離は、電極の一方に誘電体を設けた場合、該誘電体表面ともう一方の電極の導電性の金属質母材表面との最短距離のことを言う。双方の電極に誘電体を設けた場合、誘電体表面同士の距離の最短距離のことを言う。電極間距離は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電界強度の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.2〜2mmである。
本発明に有用な導電性の金属質母材及び誘電体についての詳細については後述する。
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(登録商標)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。図3において、平行した両電極の両側面(基材面近くまで)を上記のような材質の物で覆うことが好ましい。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
A1 神鋼電機 3kHz SPG3−4500
A2 神鋼電機 5kHz SPG5−4500
A3 春日電機 15kHz AGI−023
A4 神鋼電機 50kHz SPG50−4500
A5 ハイデン研究所 100kHz* PHF−6k
A6 パール工業 200kHz CF−2000−200k
A7 パール工業 400kHz CF−2000−400k
等の市販のものを挙げることが出来、何れも使用することが出来る。
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数 製品名
B1 パール工業 800kHz CF−2000−800k
B2 パール工業 2MHz CF−2000−2M
B3 パール工業 13.56MHz CF−5000−13M
B4 パール工業 27MHz CF−2000−27M
B5 パール工業 150MHz CF−2000−150M
等の市販のものを挙げることが出来、何れも好ましく使用出来る。
なお、上記電源のうち、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。それ以外は連続サイン波のみ印加可能な高周波電源である。
本発明においては、このような電界を印加して、均一で安定な放電状態を保つことが出来る電極を大気圧プラズマ放電処理装置に採用することが好ましい。
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極(第2の高周波電界)に1W/cm以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを薄膜形成ガスに与え、薄膜を形成する。第2電極に供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm、より好ましくは20W/cmである。下限値は、好ましくは1.2W/cmである。なお、放電面積(cm)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
また、第1電極(第1の高周波電界)にも、1W/cm以上の電力(出力密度)を供給することにより、第2の高周波電界の均一性を維持したまま、出力密度を向上させることが出来る。これにより、更なる均一高密度プラズマを生成出来、更なる製膜速度の向上と膜質の向上が両立出来る。好ましくは5W/cm以上である。第1電極に供給する電力の上限値は、好ましくは50W/cmである。
ここで高周波電界の波形としては、特に限定されない。連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モード等があり、そのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側(第2の高周波電界)は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
このような大気圧プラズマによる薄膜形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10−6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10−6/℃以下、更に好ましくは5×10−6/℃以下、更に好ましくは2×10−6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
1:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
2:金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング
3:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
4:金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
5:金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
6:金属質母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
7:金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
8:金属質母材がセラミックスおよびアルミの複合材料で、誘電体がガラスライニング
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記1項または2項および5〜8項が好ましく、特に1項が好ましい。
本発明において、金属質母材は、上記の特性からはチタンまたはチタン合金が特に有用である。金属質母材をチタンまたはチタン合金とすることにより、誘電体を上記とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることが出来る。
本発明に適用できる大気圧プラズマ放電処理装置としては、上記説明し以外に、例えば、特開2004−68143号公報、同2003−49272号公報、国際特許第02/48428号パンフレット等に記載されている大気圧プラズマ放電処理装置を挙げることができる。
以上の様な方法に従って、ハードコート層を有する樹脂基材に設けられる金属酸化物層の膜厚は、構成する金属酸化物の種類により異なるが、概ね、50〜2000nmの範囲であることが好ましい。
また、上記方法に従って形成される金属酸化物層の硬度としては、ナノインデンテーション法により測定した硬度が6GPa以上、10GPa以下であることが好ましい。
金属酸化物層の硬度を上記範囲とすることで、表面にクラックも発生することを抑制することができ、ハードコート層と金属酸化物層との接着性向上、金属酸化物層のひび割れを防止することができる。
ここでいうナノインデンテーション法による硬度の測定方法は、微小なダイヤモンド圧子を薄膜に押し込みながら荷重と押し込み深さ(変位量)の関係を測定し、測定値から塑性変形硬さを算出する方法である。特に1μm以下の薄膜の測定に対して、基体の物性の影響を受けにくく、又、押し込んだ際に薄膜に割れが発生しにくいという特徴を有している。一般に非常に薄い薄膜の物性測定に用いられている。
〔樹脂基材〕
本発明のハードコート層付積層体を構成する樹脂基材としては、特に制限はないが、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体等のポリオレフィン(PO)樹脂、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド系(PA)樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等のポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、ポリサルホン(PS)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルブチラート(PVB)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)、パーフルオロエチレン−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル−共重合体(EPA)等のフッ素系樹脂等を用いることができる。
また、上記に挙げた樹脂以外にも、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物によりなる樹脂組成物や、上記アクリルレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物よりなる樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマーを多官能アクリレートモノマーに溶解せしめた樹脂組成物等の光硬化性樹脂およびこれらの混合物等を用いることも可能である。
上記例示した樹脂基材は、市販品として入手することができ、例えば、ゼオネックスやゼオノア(日本ゼオン(株)製)、非晶質シクロポリオレフィン樹脂フィルムのARTON(ジェイエスアール(株)製)、ポリカーボネートフィルムのピュアエース(帝人(株)製)、セルローストリアセテートフィルムのコニカタックKC4UX、KC8UX(コニカミノルタオプト(株)製)などを挙げることができる。
さらに、これらの樹脂の1または2種以上をラミネート、コーティング等の手段によって積層させたものを樹脂フィルム基材として用いることも可能である。
また、本発明に係る樹脂基材は、シート状であってもフィルム状であっても、あるいはその他の形態であってもよく、特にその形態には制限はない。また、樹脂基材の膜厚は、使用する樹脂の種類や、目的用途等の各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常10μm〜10mm、好ましくは100μm〜5mmの範囲である。
〔適用分野〕
以上の方法に従って作製されるハードコート層付積層体は、高い硬度と耐久性(密着性)に優れた特性を備えており、例えば、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界放出ディスプレイ(FED)等のディスプレイの表面材料や家電製品等のタッチパネル、各種の建築用の窓、例えば、住宅用窓、ショーウインドウ、車両用窓、車両用風防、遊戯機械等のガラス保護フィルム、あるいはガラス代替樹脂製品して、広い分野に適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《ハードコート層用塗布液の調製》
(ハードコート層用塗布液Aの調製)
活性エネルギー線硬化樹脂:B−1405(アクリレート系樹脂、新中村化学工業社製) 13.25g
光反応開始剤(イルガキュア184、チバ・ジャパン社製) 0.66g
メチルエチルケトン 21.75g
上記各添加剤を順次混合して30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して、ハードコート層用塗布液Aを得た。
(ハードコート層用塗布液Bの調製)
活性エネルギー線硬化樹脂:575CB(ウレタンアクリレート系樹脂、荒川化学工業社製) 10.97g
光反応開始剤(イルガキュア184、チバ・ジャパン社製) 0.55g
メチルエチルケトン 24.03g
上記各添加剤を順次混合して30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して、ハードコート層用塗布液Bを得た。
(ハードコート層用塗布液Cの調製)
活性エネルギー線硬化樹脂:B−1405(アクリレート系樹脂、新中村化学工業社製) 5.82g
光反応開始剤(イルガキュア184、チバ・ジャパン社製) 0.29g
無機粒子分散液1(酸化珪素を30質量%含有するメチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学(株)製、商品名IPA−ST−ZL、酸化珪素粒子の平均一次粒径:100nm) 30.18g
上記各添加剤を順次混合して30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して、ハードコート層用塗布液Cを得た。
(ハードコート層用塗布液Dの調製)
活性エネルギー線硬化樹脂:575CB(ウレタンアクリレート系樹脂、荒川化学工業社製) 5.02g
光反応開始剤(イルガキュア184、チバ・ジャパン社製) 0.25g
無機粒子分散液1(酸化珪素を30質量%含有するメチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学(株)製、商品名IPA−ST−ZL、酸化珪素粒子の平均一次粒径:100nm) 30.45g
メチルエチルケトン 0.52g
上記各添加剤を順次混合して30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して、ハードコート層用塗布液Dを得た。
(ハードコート層用塗布液Eの調製)
活性エネルギー線硬化樹脂:575CB(ウレタンアクリレート系樹脂、荒川化学工業社製) 5.02g
光反応開始剤(イルガキュア184、チバ・ジャパン社製) 0.25g
無機粒子分散液2(酸化珪素を30質量%含有するメチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学(株)製、商品名MEK−ST、酸化珪素粒子の平均一次粒径:10nm)
30.45g
メチルエチルケトン 0.52g
上記各添加剤を順次混合して30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して、ハードコート層用塗布液Eを得た。
(ハードコート層用塗布液Fの調製)
活性エネルギー線硬化樹脂:575CB(ウレタンアクリレート系樹脂、荒川化学工業社製) 14.10g
光反応開始剤(イルガキュア184、チバ・ジャパン社製) 0.71g
無機粒子分散液1(酸化珪素を30質量%含有するメチルエチルケトン分散シリカゾル、日産化学(株)製、商品名IPA−ST−ZL、酸化珪素粒子の平均一次粒径:100nm) 21.37g
メチルエチルケトン 0.52g
上記各添加剤を順次混合して30分間撹拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して、ハードコート層用塗布液Fを得た。
(ハードコート層用塗布液Gの調製)
上記ハードコート層用塗布液Dの調製において、無機粒子分散液1に代えて、無機粒子分散液3(酸化ジルコニウムを30質量%含有するメチルエチルケトン分散シリカゾル、酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒径:30nm)に変更した以外は同様にして、ハードコート層用塗布液Gを得た。
以上により調製した各ハードコート層塗布液の詳細と、各特性値を表1に示す。
Figure 0005012745
なお、表1に記載の各特性値は、下記の方法に従って測定して求めた。
〔無機粒子充填率の測定〕
ハードコート層用塗布液における固形分(溶媒以外の成分)に対する無機粒子の割合(固形分比率)については、活性エネルギー線硬化樹脂は、活性エネルギー線の照射による反応で硬化と同時に収縮するため、下記に示す充填率測定法(体積分析法)で求めた。
〈充填率測定法(体積分析法)〉
乾燥後の膜中の無機粒子の充填率は、次の方法で測定した。各塗布液を樹脂基材上に湿式塗布法にて塗布してハードコート層を形成した後、樹脂基材よりハードコート層を剥離して全体積を測定し、次いで、樹脂成分を溶解して無機粒子の体積を測定し、それらの測定値より、無機粒子の充填率(体積%)を求めた。
〔ハードコート層の表面硬度の測定〕
各ハードコート層塗布液がハードコート層を形成した時の表面硬度を、以下の方法に従って測定した。
(1)窒素処理なし条件における表面硬度(以下、表面硬度Iとする)
樹脂基材上に、各ハードコート層用塗布液を用いて、乾燥膜厚が10.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層を形成させた。
次に、形成したハードコート層について、ナノインデンテーションによる表面硬度の測定を行った。硬度(H)の測定は、Hysitron社製TriboscopeをDigital Instruments社製のNanoscopeIIIに装着して測定した。測定には、圧子としてベルコビッチ型圧子(先端稜角142.3°)と呼ばれる三角錘型ダイヤモンド製圧子を用いた。三角錘型ダイヤモンド製圧子を試料表面に直角に当て、徐々に荷重を印加し、最大荷重到達後に荷重を0にまで徐々に戻した。この時の最大荷重Pを圧子接触部の投影面積Aで除した値P/Aをナノインデンテーション硬度(H)として算出した。この時の最大荷重の条件は100μNで行った。
(2)窒素処理を施した表面硬度(以下、表面硬度IIとする)
樹脂基材上に、各ハードコート層用塗布液を用いて、乾燥膜厚が10.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、酸素濃度が1.5体積%含む窒素雰囲気下で30秒間の窒素パージを行った後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層を形成させた。
次いで、上記と同様の方法でナノインデンテーションによる窒素処理を施した条件での表面硬度IIの測定を行った。
《ハードコート層付積層体の作製》
〔樹脂基材〕
樹脂基材としては、厚さ100μmのポリカーボネート樹脂フィルム(帝人化成(株)製)を用いた。
〔試料1の作製〕
下記の方法に従って、ハードコート層付積層体である試料1を作製した。
(ハードコート層の形成)
上記樹脂基材上に、ハードコート層用塗布液Aを用いて、乾燥膜厚が12.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層を作製した。
(金属酸化物層の形成)
図3に示すロール電極型放電処理装置を用いてプラズマ放電処理を実施し、上記樹脂基材上にハードコート層を形成した試料のハードコート層形成面側に、膜厚が150nmで、SiOのみで構成される金属酸化物層1を形成して、試料1を作製した。
放電処理装置は、ロール電極に対向して棒状電極を複数個フィルムの搬送方向に対し平行に設置し、各電極部に原料(下記放電ガス、反応ガス1、2)及び電力を投入出来る構造を有する。
ここで各電極を被覆する誘電体は対向する電極共に、セラミック溶射加工のものに片肉で1mm被覆した。被覆後の電極間隙は、1mmに設定した。また誘電体を被覆した金属母材は、冷却水による冷却機能を有するステンレス製ジャケット仕様であり、放電中は冷却水による電極温度コントロールを行いながら実施した。ここで使用する電源は、応用電機製高周波電源(80kHz)、パール工業製高周波電源(13.56MHz)を使用した。その他処理条件は以下の通りである。
〈金属酸化物層1の形成条件〉
放電ガス:Nガス
反応ガス1:酸素ガスを全ガスに対し5%
反応ガス2:テトラエトキシシラン(TEOS)を全ガスに対し0.1%
低周波側電源電力:80kHz、10W/cm
高周波側電源電力:13.56MHz、10W/cm
〔試料2の作製〕
上記試料1の作製において、ハードコート層の形成を下記の方法に変更した以外は同様にして、試料2を作製した。
(ハードコート層の形成)
上記樹脂基材上に、ハードコート層用塗布液Aを用いて、乾燥膜厚が3.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第1層(B層ユニット)を形成した。次いで、その上に、ハードコート層用塗布液Bを用いて、乾燥膜厚が3.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第2層(A層ユニット)を形成した。次いで、その上に、ハードコート層用塗布液Aを用いて、乾燥膜厚が6.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第3層(B層ユニット)を形成し、A層及びB層が交互に積層したハードコート層を作製した。
〔試料3の作製〕
上記試料2の作製において、ハードコート層の形成に用いたハードコート層用塗布液の種類及び乾燥膜厚を、表2に記載のように変更した以外は同様にして、試料3を作製した。
〔試料4の作製〕
上記試料1の作製において、ハードコート層の形成を下記の方法に変更した以外は同様にして、試料4を作製した。
(ハードコート層の形成)
上記樹脂基材上に、ハードコート層用塗布液Dを用いて、乾燥膜厚が2.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第1層(A層ユニット)を形成した。次いで、その上に、ハードコート層用塗布液Cを用いて、乾燥膜厚が2.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第2層(B層ユニット)を形成した。次いで、その上に、ハードコート層用塗布液Dを用いて、乾燥膜厚が4.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第3層(A層ユニット)を形成した。次いで、その上に、ハードコート層用塗布液Cを用いて、乾燥膜厚が4.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第4層(B層ユニット)を形成し、A層及びB層が交互に積層したハードコート層を作製した。
〔試料5の作製〕
上記試料4の作製において、ハードコート層の形成を下記の方法に変更した以外は同様にして、試料5を作製した。
(ハードコート層の形成)
上記樹脂基材上に、ハードコート層用塗布液Bを用いて、乾燥膜厚が4.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第1層(B層ユニット)を形成した。次いで、その上に、ハードコート層用塗布液Aを用いて、乾燥膜厚が2.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第2層(A層ユニット)を形成した。次いで、その上に、ハードコート層用塗布液Bを用いて、乾燥膜厚が2.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第3層(B層ユニット)を形成した。次いで、その上に、ハードコート層用塗布液Aを用いて、乾燥膜厚が4.0μmとなる条件で、ワイヤーバーで塗布し、90℃で乾燥した後、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層の第4層(A層ユニット)を形成し、A層及びB層が交互に積層したハードコート層を作製した。
〔試料6の作製〕
上記試料5の作製において、ハードコート層のB層ユニット(第1層、第3層)の各層形成時に、紫外線ランプによる硬化前に、酸素を1.5体積%含む窒素雰囲気下で30秒間の窒素パージを行った以外は同様にして、試料6を作製した。
〔試料7の作製〕
上記試料6の作製において、ハードコート層のB層ユニット(第1層、第3層)の形成に用いたハードコート層用塗布液Bを、無機粒子を含むハードコート層用塗布液Dに変更した以外は同様にして、試料7を作製した。
〔試料8、9の作製〕
上記試料7の作製において、ハードコート層のA層ユニット(第2層、第4層)の形成に用いたハードコート層用塗布液Aを、無機粒子を含むハードコート層用塗布液E、Fにそれぞれ変更した以外は同様にして、試料8、9を作製した。
〔試料10の作製〕
上記試料7の作製において、ハードコート層の各層膜厚を、表2に記載の条件に変更した以外は同様にして、試料10を作製した。
〔試料11の作製〕
上記試料7の作製において、ハードコート層のB層ユニット(第1層、第3層)の形成に用いたハードコート層用塗布液Dを、ハードコート層用塗布液Gに変更した以外は同様にして、試料11を作製した。
〔試料12の作製〕
上記試料7の作製において、第1層〜第4層の各塗布液を、4層同時重層塗布可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用いて、樹脂基材上に塗布し、10秒間その状態を維持し、90℃で乾燥した後、窒素パージは行わずに、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層ユニットを形成した以外は同様にして、試料12を作製した。
〔試料13の作製〕
上記試料7の作製において、金属酸化物層の形成を、大気圧プラズマCVD法に代えて、下記のプラズマCVD法を用いた以外は同様にして、試料13を作製した。
薄膜形成装置として、サムコ社製プラズマCVD装置Model PD−270STPを用いて製膜を行った。
製膜条件は以下の通りである。
酸素圧力:40Pa
反応ガス:テトラエトキシシラン(TEOS)5sccm(standard cubic centimeter per minute)
電力:13.56MHzで100W
基材保持温度:120℃
〔試料14の作製〕
上記試料7の作製において、金属酸化物層の形成に用いる原料を、テトラエトキシシラン(酸化珪素膜形成)を、テトライソプロポキシチタンに変更して、酸化チタンから構成される金属酸化物層に変更した以外は同様にして、試料14を作製した。
〔試料15の作製〕
上記試料12の作製において、表2に記載のような第1層〜第6層の構成に変更し、6層同時重層塗布可能なスライドホッパー方式の塗布装置を用いて、樹脂基材上に塗布し、10秒間その状態を維持し、90℃で乾燥した後、窒素パージは行わずに、紫外線ランプを用い、照射部の照度が100mW/cmで、照射量を80mJ/cmとして硬化させ、ハードコート層ユニットを形成した以外は同様にして、試料15を作製した。
下記表2に、上記作製した各ハードコート層付積層体の詳細を示す。
Figure 0005012745
なお、表2に略称で記載した各条件の詳細は、以下の通りである。
〈ハードコート層の塗布方法〉
A:単層塗布
B:順次塗布方式
C:同時塗布方式
〈金属酸化物層の形成方法〉
*1:大気圧プラズマCVD法
*2:プラズマCVD法
《ハードコート層付積層体の評価》
上記作製したハードコート層付積層体である試料1〜15について、下記の各評価を行った。
〔表面硬度の評価〕
ハードコート層付積層体の表面硬度を、Hysitron社製TriboscopeをDigital Instruments社製のNanoscopeIIIを用いて測定した。測定には、圧子としてベルコビッチ型圧子(先端稜角142.3°)と呼ばれる三角錘型ダイヤモンド製圧子を用いた。三角錘型ダイヤモンド製圧子を試料表面に直角に当て、徐々に荷重を印加し、最大荷重到達後に荷重を0にまで徐々に戻した。この時の最大荷重Pを圧子接触部の投影面積Aで除した値P/Aをナノインデンテーション硬度(H)として算出した。この時の最大荷重の条件は100μNで行った。
〔密着性の評価〕
上記作製した各ハードコート層付積層体を、JIS K 5400に準拠した碁盤目試験により、密着性の評価を行った。
各ハードコート層付積層体の各層を形成した面に、片刃のカミソリの刃で表面に対して90度の切り込みを1mm間隔で縦横に11本ずつ入れ、1mm角の碁盤目を100個作成した。この碁盤目上に市販のセロファンテープを貼り付け、その一端を手でもって垂直にはがし、切り込み線からの貼られたテープ面積に対するガスバリア層が剥がされた面積の割合を測定し、下記の評価基準に従って密着性を評価した。また、剥離を起こした試料については、剥離した層の確認も同時に行った。
〈密着性ランク〉
5:全く剥離が認められない
4:剥がれた層の面積が1%以上、5%未満であった
3:剥がれた層の面積が5%以上、10%未満であった
2:剥がれた層の面積が、10%以上、20%未満であった
1:剥がれた層の面積が、20%以上である
〈剥離位置〉
a:樹脂基材とハードコート層の第1層間で剥離を生じた
b:ハードコート層の最表層と金属酸化物層間で剥離を生じた
−:剥離を全く起こさなかった
〔耐擦過性の評価〕
上記作製した各ハードコート層付積層体表面(金属酸化物層形成面側)を、摩擦試験機HEIDON−14DRで、スチールウール(ボンスター #0000)を用い、荷重:65kPa、移動速度:15mm/分の条件で、20回の擦過処理を行った後、1cm×1cmの範囲をルーペで観察し、下記の基準に従って、耐擦過性の評価を行った。
◎:全く擦り傷の発生が認められない
○:擦り傷の発生が1本以上、5本以下である
△:擦り傷の発生が6本以上、15本以下である
×:擦り傷の発生が16本以上、25本以下である
××:擦り傷の発生が26本以上である
〔平滑性の評価〕
上記作製した各ハードコート層付積層体表面(金属酸化物層形成面側)の表面状態を目視観察し、下記の基準に則り平滑性の評価を行った。
◎:極めて平滑な表面である
○:ほぼ良好な平面性である
△:僅かに凹凸形状が確認されるが、実用上許容される品質である
×:表面に凹凸形状が確認され、平滑性に劣る品質である
××:表面に明確な凹凸形状が確認され、極めて平滑性に劣る品質である
以上により得られた結果を、表3に示す。
Figure 0005012745
表3に記載の結果より明らかな様に、本発明で規定する無機粒子含有層構成からなるハードコート層を有する本発明のハードコート層付積層体は、比較例に対し、樹脂基材とハードコート層、あるいはハードコート層と金属酸化物層間での密着性に優れ、かつ最表面の表面硬度及び耐擦過性に優れ、高い硬度を備えていることが分かる。
本発明のハードコート層付積層体の代表的な層構成の一例を示す断面図である。 本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。 本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。 ロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。 角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1 ハードコート層付積層体
2 樹脂基材
A1〜A3、B1〜B3 ハードコート層
3 金属酸化物層
10、30 プラズマ放電処理装置
11 第1電極
12 第2電極
14 処理位置
21、41 第1電源
22、42 第2電源
32 放電空間(対向電極間)
35 ロール回転電極(第1電極)
35a ロール電極
35A 金属質母材
35B、36B 誘電体
36 角筒型固定電極群(第2電極)
36a 角筒型電極
36A 金属質母材
40 電界印加手段
50 ガス供給手段
52 給気口
53 排気口
F 基材
G ガス
G° プラズマ状態のガス

Claims (14)

  1. 樹脂基材の少なくとも一方の面に、ハードコート層および金属酸化物層をこの順で積層したハードコート層付積層体において、該ハードコート層は、表面硬度が異なる二つの層が交互に積層された構造であり、表面硬度が高い層群をA層ユニット、表面硬度が低い層群をB層ユニットとしたとき、該A層ユニット及びB層ユニットの少なくとも1つの層ユニットは、乾燥膜厚が異なる少なくとも2層で構成され、該A層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣAhと該B層ユニットの乾燥膜厚の総和ΣBhとが、ΣAh≧ΣBhの関係を満たすことを特徴とするハードコート層付積層体。
  2. 前記A層ユニットの表面硬度が、0.5GPa以上、9.0GPa以下で、前記B層ユニットの表面硬度が0.1GPa以上、1.0GPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のハードコート層付積層体。
  3. 前記A層ユニットの表面硬度が0.7GPa以上、2.0GPa以下で、前記B層ユニットの表面硬度が0.1GPa以上、0.7GPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のハードコート層付積層体。
  4. 前記A層ユニットを構成する各層の乾燥膜厚が、前記金属酸化物層に向かって増加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  5. 前記A層ユニットを構成する層のうち、前記金属酸化物層に最も近接した位置にある層の乾燥膜厚が、3.0μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  6. 前記B層ユニットを構成する各層の乾燥膜厚が、前記金属酸化物層に向かって減少することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  7. 前記B層ユニットを構成する層のうち、前記金属酸化物層に最も近接した位置にある層の乾燥膜厚が、0.1μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  8. 前記ハードコート層の少なくとも1層が無機粒子を含有し、該無機粒子が、酸化珪素粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  9. 前記無機粒子の平均粒子径が、5nm以上、1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  10. 前記ハードコート層が、湿式塗布法により形成されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  11. 前記湿式塗布法が、複数の層を同時に塗布する多層同時塗布法であることを特徴とする請求項10に記載のハードコート層付積層体。
  12. 前記金属酸化物層の主成分が、酸化珪素であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  13. 前記金属酸化物層が、プラズマCVD法により形成されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のハードコート層付積層体。
  14. 前記プラズマCVD法が、大気圧または大気圧近傍の圧力下でプラズマ処理する大気圧プラズマCVD法であることを特徴とする請求項13に記載のハードコート層付積層体。
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