以下、図1から図12を参照し、この発明に係る表示装置について、テレビジョン受像機を事例として具体的に説明する。なお、同一部位や同一矢印などは同一符号を付して、重複した説明を省略する。
先ず、図1を参照して、この実施形態に係るテレビジョン受像機の概略構造を説明する。図1は、テレビジョン受像機の部品展開図であり、中央に部品展開図、左上に部分断面図、右下に外観図を示している。図1において、符号1で総括的に示すテレビジョン受像機は、40インチ程度の液晶モニタ装置10を備えた薄型のテレビジョン受像機1を想定している。このテレビジョン受像機1は、液晶モニタ装置10を備えた本体筐体100と、この本体筐体100を下方より支持するスタンド200とから構成している。このスタンド200は、本体筐体100に対して着脱可能であり、スタンド200を取り付けた際には、床面や図示しないテレビ台に設置することができ、このスタンド200を取り外せば、取付金具等を介して本体筐体100を壁面などに取り付けることができる。この実施形態では、正面下部にスピーカ30を設けたボトムスピーカタイプで説明するが、これに限定されるものではなく、正面の両側にスピーカ30を設けたサイドスピーカタイプや、スピーカ30を持たないモニタにも主要な構成を適用することができる。
本体筐体100は、この本体筐体100の前面を構成するフロントケース101と、この本体筐体100の後部を構成するバックケース102と、このバックケース102とフロントケース101との間に収められる液晶モニタ装置10とを含んで構成される。
前記フロントケース101は、液晶モニタ装置10の表示画面10aの周囲を囲むようにロ字状に形成されるフロントベゼル103と、このフロントベゼル103とバックケース102とを連結するロ字状のベゼルベース104とから構成される。この実施形態では、フロントベゼル103を透明な樹脂材料または顔料が混入された透光性のある樹脂材料で形成し、その裏面に塗装を施している。また、ベゼルベース104は、樹脂材料で形成され、その裏面にバックケース102とネジ止めする構造を備えている。一方、バックケース102は、樹脂材料で形成され、ベゼルベース104との間に液晶モニタ装置10を保持している。
この実施形態では、液晶モニタ装置10を公知の技術で形成しているため詳細な説明は省略するが、その裏面を金属板11で形成するとともに、この金属板11に金属材料で形成される補強柱12を複数本設けることで、この液晶モニタ装置10自身を主要な強度部材としている。そして、この強度部材に前記フロントベゼル103とベゼルベース104及びバックケース102を取り付けることで、本体筐体100の全体の強度を維持している。
また、前記スタンド200は、その上部に一対の取付部材201を備えており、この取付部材201を前記補強柱12に挿入して取り付けることで、下方より本体筐体100を支持することができる。なお、壁面取り付けの場合は、前記補強柱12に図示しない取付金具をバックケース102から取り付け、この取付金具を介して壁面に取り付けるようにする。
そして、この実施形態に係るテレビジョン受像機1の大きな特徴の1つは、立体感や奥行感を創出することができる透明樹脂材料で形成されるフロントベゼル103を採用した点である。即ち、フロントベゼル103を透明樹脂材料で形成する場合、幾つかの大きな課題がある。
透明樹脂材料の1つの課題は、この透明樹脂材料自身が透明なために、裏面に形成する取付リブや補強リブが正面から見えてしまう点である。そこで、この実施形態では、フロントベゼル103をバックケース102や液晶モニタ装置10に直接ネジ止めする構造ではなく、ベゼルベース104を介して取り付け、このベゼルベース104とフロントベゼル103との取り付けを両面テープで接着するようにしている。しかし、両面テープだけでの接着では、大きなフロントベゼル103を取り付けるのには課題がある。
そこで、この実施形態では、フロントベゼル103の内周面105と外周面106とを分断する裏面側の位置に、ロ字状の全周にわたって連続して形成される突出リブ107を形成し、この突出リブ107の内周面105に前記ベゼルベース104を嵌合する構造としている。この構造によれば、フロントベゼル103を突出リブ107を介してベゼルベース104に確り保持させることができるとともに、ロ字状のフロントベゼル103全体の歪みを補正することができる。
一方、裏面側の全周にわたって連続する突出リブ107を形成すると、この突出リブ107が正面から見えてしまう前記課題を解決することができない。そこで、この実施形態では、この突出リブ107の裏面108を含む内周面105にマスキング塗装(塗装層109)を施すようにしている。この手法によれば、突出リブ107を正面から目立たなくすることができるとともに、フロントベゼル103の裏面側に存在するベゼルベース104や両面テープを隠蔽することができる。
また、板状の透明材料をフロントベゼル103に採用すると、観察者はフロントベゼル103の裏面側の面(塗装層109)に反射した光を視認するため奥行感を出すことができる。しかし、透明な樹脂材料には、前面側に大きな円弧を備えた立体造形を施しても、その奥行感は出せるものの立体感を出すことができないという課題がある。つまり、観察者はフロントベゼル103の裏面側の面(塗装層109)に反射した光を視認することから、裏面側の面(塗装層109)を立体造形にしないと、立体的な奥行感を得ることができない。しかし、裏面側の面(塗装層109)を立体造形にすると、シルク印刷の手法が使えないため、マスキング塗装を施す必要がある。このマスキング塗装は、塗装を施さない部分をマスキングしなければならないため、立体造形の場合、その精度に課題がある。
そこで、この実施形態では、塗装を施す内周面105に立体造形を施し、塗装面と塗装しない部分との境110を、前記突出リブ107の裏面108の角部110aとする。この手法によれば、立体的な奥行感を出すことができるとともに、マスキングのための治具をセットするのが容易である。
また、上記特徴を備えたテレビジョン受像機1によれば、透明樹脂材料の裏面に多様な色彩を施すことにより、多様な色彩感覚の立体的な奥行感のあるフロントベゼル103を提供することができるから、デザインの自由度を向上させることができる。また、前記多様な色彩の塗装に加えて、フロントベゼル103の樹脂材料を透明材料としたり、あるいは顔料を混入させて色彩を有する透光性を備えた樹脂材料を採用することにより、更に多様なデザインを提供することができる。
以下、図2から図12を参照して、この実施形態に係るテレビジョン受像機を具体的に説明する。ここで、図2はテレビジョン受像機の外観図であり、図2(a)が平面図、図2(b)が正面図、図2(c)が右側面図、図2(d)が背面図、図2(e)が左側面図、図2(f)が底面図である。図3は本体筐体の組み立て工程図である。図4はフロントベゼルの成型工程図である。図5はフロントベゼルのマスキング工程図である。図6はフロントベゼルの視覚の作用説明図である。図7はフロントベゼルの他の応用例を示す断面図である。図8は、本体筐体の部分断面を示す斜視図である。図9は透明材料の通光性の課題を示す説明図である。図10はスピーカ部近傍の断面図である。図11はスタンドの取付部材の外観図であり、図11(a)が平面図、図11(b)が正面図、図11(c)が使用状態の側面図、図11(d)が外観斜視図である。
先ず、図2を参照して、このテレビジョン受像機1の外観形状を説明する。この実施形態では、液晶モニタ装置10の表示画面10aを矩形状に露出させ、その周囲を囲うようにロ字状のフロントベゼル103を設けている。このフロントベゼル103は、透明樹脂材料または顔料を混入させることで、色彩を備えた透光性のある樹脂材料で形成される。そして、このフロントベゼル103は、その裏面に設けた突出リブ107(図3参照)を介して、塗装層109(図3参照)を備えた内周面105と、塗装層109を備えない外周面106に分割され、この外周面106が本体筐体100の外周にツバ状に張り出した形状としている。
したがって、観察者は表示画面10aの周囲に透明樹脂材料を通して塗装層109を視認し、更にその外側の透明樹脂材料を通して背景を視認することができる。特に、この実施形態では、本体筐体100の後部を構成するバックケース102の周囲を先細り形状とするケース傾斜面111(大きな湾曲面)を設けているので、観察者は、前記ツバ状に張り出した透光性のあるフロントベゼル103を介してバックケース102を見ることになるので、本体筐体100の薄型感を実感することができる。
加えて、この実施形態では、塗装層109に多彩な色彩や模様を施すことができ、この塗装層109を透光性のある樹脂材料を介して見ることとなるので、観察者に奥行感を与えることができる。更に、フロントベゼル103は、内周側がフラットで、外周側が傾斜する形状を備え、その内周面105(図1参照)は立体感のある湾曲した形状としているので、観察者に立体感を抱かせることができる。
また、この実施形態では、操作スイッチ部31と外部コネクタ部32を本体筐体100の底面部に設けている。従来技術においては、操作スイッチ部31を表示画面の下部のフレームに設けた蓋内や、本体筺体100の側面や上面に納めるのが一般的である。また、外部コネクタ部32は、表示画面の下部のフレームに設けた蓋内に納めたり、あるいは、本体筐体100の側面、更には裏面側に設けるのが一般的である。特に、本体筐体100の正面に操作スイッチ部31や外部コネクタ部32を設けたものにあっては、開閉蓋がデザイン性を損なわせたり、あるいは、外部装置との配線が見えてしまうという課題があった。
そこで、この実施形態では、図1に示すように、操作基板31aと外部コネクタ基板32aをそれぞれ補強柱12の間に設ける構造を採用している。これにより、本体筐体100の底面に操作スイッチ部31と外部コネクタ部32を左右に分けて設けたことにより、開閉蓋をフロントベゼル103に設ける必要が無いので、デザイン性を向上させることができ、かつ操作性や配線処理にも支障をきたすことがない。
次に、図3をベースに図4から図8を参照して、この実施形態に係るテレビジョン受像機1の透明樹脂材料を特徴とした筐体構造を更に説明する。
図3において、フロントベゼル103は、基本的な形状を薄い板状とし、その裏面側に内周面105と外周面106を分断するように後方に張り出して形成される突出リブ107が形成されている。この実施形態では、フロントベゼル103の前面形状は、内周側がフラット面112で形成され、その外周側が後方に傾いた傾斜面113で形成される。そして、前記突出リブ107は、前記傾斜面113の中央部分に形成される。
一方、フロントベゼル103の裏面側の形状は、フラット面112の内側が、このフラット面112と平行となるようにフラットに形成され、前記傾斜面113の内側となる部分が、その前面の傾斜面113より後方に大きく倒れるような湾曲面115で形成される。即ち、フロントベゼル103は、その内周側(表示画面10a側)が略同じ肉厚で形成され、その外周側の前記外周面106に至る形状が突出リブ107に向かって徐々に肉厚が増える形状に形成される。他方、突出リブ107の外側は、外周面106が直立のフラット面に形成されるため、上方に尖った(クサビ形の断面)形状となっている。この断面形状を備えたフロントベゼル103は、図4に示すような成型方法で製造する。
図4において、この実施形態では、金型300を、フロントベゼル103の前面側を構成する第1金型301と、フロントベゼル103の裏面側を構成する第2金型302とで構成する。そして、前記突出リブ107の先端部に設けた樹脂射出口303から樹脂を射出して成型する。成型後は、突出リブ107の先端部に設けた押出しピン304を介して成型したフロントベゼル103を金型300から取り出し、突出リブ107の先端部を後処理して成型を終了する。
この成型方法によれば、樹脂射出口303や押出しピン304を突出リブ107の先端部に集中して配置しているので、この突出リブ107を後処理して切削加工を施せば、他のフロントベゼル103の周側面から成型時の痕跡をなくすことができる。なお、突出リブ107の周囲は、ヒケが発生する可能性があるので、この実施形態では、圧力を加えたままの状態で樹脂材料を固まらせ、その後、金型300から外すようにしている。
また、図5に示すように、この実施形態では、内周面105に塗装手段500を用いてマスキング塗装を施している。これは、前記したように、フロントベゼル103の裏面に突出リブ107を設けたり、内周面105を立体形状としたことに起因する。マスキング塗装を施すに当たっては、フロントベゼル103に、その内周面105のみを露出させる治具320を取り付ける。ここで、この実施形態では、突出リブ107の裏面108の外周側の角部110aを、塗装層109と、塗装層109のない部分との境110としているので、マスキング塗装の精度を向上させている。
更に、この実施形態では、マスキング塗装の境110となる角部110aに段差溝114を形成することで、治具320の取り付けを容易にするとともに、マスキング塗装の精度を一層向上させている。
なお、この実施形態では、角部110aに段差溝114を設けているが、この角部110aに段差溝114を設けなくてもマスキング塗装を行うことができるようになっている。
図3に戻り、ベゼルベース104は、その表面側は前記フロントベゼル103の内周面105に嵌合する外形状を備えて形成され、その内側には他の部材とのネジ取付部104aなどが形成される。一方、前記バックケース102の内側にも前記ネジ取付部104aと合うネジ取付部102aが設けられている。
そして、この実施形態では、フロントベゼル103の内周面105にベゼルベース104を図示しない両面テープなどで接着し、その後、ベゼルベース104の内側に液晶モニタ装置10を取り付ける。更に、ネジ取付部102aとネジ取付部104aとを、ネジ116を介してバックケース102側より挿入してネジ止めすることで、本体筐体100を組み立てている。
このように、この実施形態によれば、ベゼルベース104とバックケース102とをネジ止めすることで、その内部に液晶モニタ装置10を確り保持することができる。そして、ベゼルベース104に塗装層109を備えた透明樹脂材料のフロントベゼル103を接着することにより、ネジ止め跡やベゼルベース104の痕跡を塗装層109で隠蔽することができる。しかも、フロントベゼル103は、接着と突出リブ107を介してベゼルベース104に取り付けることができる。
この構造によれば、表示画面10aの外側に、立体感と奥行感のある表面層が形成され、更にその外側に透明感のある表面層が形成されるので、デザイン性を向上させることができる。
ここで、この実施形態では、フロントベゼル103の取り付けに当たってネジを使わない構造を実現しているが、塗装層109に暗い色調の色彩を施した場合、突出リブ107の外側から同色の暗い色彩を施したネジ116aを挿入してベゼルベース104に取り付けることができる。このような特殊な場合は、フロントベゼル103とベゼルベース104とをネジ止めして両部材を強固に連結することができる。
次に、図6を参照して、透明樹脂材料の見え方について説明する。ここで、図6(a)が本実施形態に係る本体筐体100を示し、図6(b)が同じ厚みを備えた透明樹脂材料の事例を示し、図6(c)が図6(b)の板状部材を本体に回り込ませた事例を示し、図6(d)が図6(c)の板状の部材に厚みの違いを備えるようにした事例を示している。どの事例も、透明材の裏面に印刷面(塗装面を含む)を備えるものとしている。
先ず、図6(b)の事例は、同じ厚さの透明樹脂材料400で形成しているので、観察者は、裏面側の印刷面401を見ることとなり、奥行感を得ることができるものの、平坦面に施された印刷面401では立体感を得ることはできない。そして、その外側には透明部分があるので、観察者は奥行感から急に透明な部分を見ることになり、奥行感を受ける部分402と、透明感を受ける部分403が明確に分離された感じを受けることとなる。しかも、両部分の境404がはっきり観察されるので、その見切り線の精度はデザイン性に大きく影響することとなる。
一方、図6(c)の事例は、透明樹脂材料400の端部が本体に回り込んでいるので、観察者は、この端部の端面405を見ることになる。この端面405は、観察者の観察面であるとともに、後方からの光も拾うため、観察者からは輝いた帯にように見える。したがって、この事例では、同じ厚さの透明樹脂材料400で形成した部分で提供される奥行感を受ける部分402の外側に、輝いた縁が見えるように観察される。しかも、この事例では、裏面側が屈曲して形成されるためマスキング塗装の手法を採用することとなる。
また、図6(d)の事例は、奥行感を受ける部分402の表面が円弧形状で形成されるものの、観察者は、その裏面側の印刷面401を見ることになるので、立体感を得るまでに至らない。そして、前記図6(c)の事例のように、奥行感を受ける部分402の外側に輝いた縁が見えるので、外観上好ましくない。しかも、この事例も、裏面側が屈曲して形成されるためマスキング塗装の手法を採用することとなる。
なお、この図6(d)の事例では、着色が施された透光性のある透明樹脂材料を採用すれば、透過度の違いにより立体感を得ることはできる。
これに対し、図6(a)に示す、本発明の実施形態によれば、観察者は、手前から徐々に後方に後退する内周面105に施された立体造形の塗装層109を見ることになるので、奥行感があり、かつ立体感のある造形を視認することができる。しかも、突出リブ107の裏面108も後方からの光を拾わないので、奥行感があり、かつ立体感のある造形の延長線上で認識することができる。
一方、この奥行感があり、かつ立体感のある造形の外側には透明層が形成されるので、奥行感があり、かつ立体感のある造形と本体筺体100の背景との間を柔らかな質感で緩和してインテリアに本体筺体100を馴染ませることができる。
更に、この実施形態では、透明樹脂材料に色彩を施した透光性を備えた樹脂材料を採用することができる。この透光性を備えた樹脂材料を採用すれば、樹脂の厚みを違わせることで、塗装面109の見え方を見えにくくしたり、見えやすくしたりすることができる。したがって、透光性を備えた樹脂材料と塗装面109の色彩や模様を組み合わせることにより、奥行感と立体感と多様な模様を組み合わせることができる。
なお、図6(c)および図6(d)の事例においても、端面405に本実施形態と同種の手法を用いて塗装面を設けることにより、奥行感を受ける部分402の周りに形成される輝いた縁を消すことができる。また、本体に回りこむアール部を大きく形成することで、立体感のある造形を観察者に提供することができる。
図7において、フロントベゼル103は、図1から図6で説明した形態に限定されるものではない。例えば、図7に示すような他の形状を備えるものでも同様な作用効果を得ることができる。
図7(a)に示す実施形態は、フロントベゼル103の前面をフラットに形成したものである。この実施形態によれば、フロントベゼル103の外見はフラットな形状を取りながらも深みのある素材感を観察者に提供することができる。
図7(b)に示す実施形態は、内周面105に凹凸模様を施したものである。この実施形態では、その前面がフラットな形状を備えつつも、深みのある色彩面(塗装層109)が見る角度によって影を作り、立体感ある素材感を観察者に提供することができる。
また、図7(c)に示す実施形態は、フロントベゼル103の前面を立体形状とするものである。この実施形態によれば、表面で視認できる形状と、この奥に見える色彩面(塗装層109)との組み合わせで多様な素材感を観察者に提供することができる。
また、図7(d)に示す実施形態は、フロントベゼル103をロ字状に形成するのではなく、表示画面10a全体を覆うようなフラット面で形成したものである。この場合、もちろん表示画面10aの表面は塗装層109を設けないようにする。このようにすれば、本体筺体100の前面をフラットな形状としながらも奥に潜んだ塗装層109が浮かび上がる素材感を提供することができる。
以上述べた実施形態は、一実施例であり、これに限定されるものではない。前記のような形状を備えることにより、表示画面10aの周囲に奥行感と立体感を得る枠体が提供され、その周囲に背景との調和が図れる透明枠を備えたテレビジョン受像機1を提供することができる。また、前記作用効果は、透明樹脂材料と色彩を備えた透光性の樹脂材料とを組み合わせることで、更に多様な素材感を備えたテレビジョン受像機1を提供することができる。加えて、透明樹脂材料や色彩を備えた樹脂材料に光の透過性を損なわない程度に混入物を混ぜた樹脂材料を採用してもよい。
また、図8は、本体筺体100を後方より見た一部断面を備えた斜視図を示している。前記したように、この本体筺体100の構造によれば、正面側から見た場合は、表示画面10aの周囲にロ字状の深みがある奥行感と立体感を備えた筺体面が提供され、更に、その周囲に背景と融合する透明な素材感を備えた枠体が提供される。
そして、この構造は、本体筺体100を背面から見ても、そのデザイン性を高める効果がある。即ち、この実施形態では、本体筺体100の周囲にツバ状に張り出した透明な枠体(フロントベゼル103)が形成されるので、その透明体が不透明な筺体部分と周囲の背景との仲介となって、この本体筺体100を背景に溶け込ませることができる。しかも、この実施形態では、バックケース102の周囲にケース傾斜面111を形成することで、ツバ状に張り出した透明な枠体(フロントベゼル103)と連続する形状としているので、本体筺体100を薄く見せることができる。
加えて、この実施形態では、前記ケース傾斜面111は、その外周にロ字状の斜面部111aを残して、その内側にロ字状の一段落ち込んだ凹部111bを形成し、この凹部111bにシボ加工処理を施すことにより、斜線部111aとバック平面部111cにより凹部111bを挟み込んだ構成とし、本体筺体100を更に薄く見せることができる。しかも、この斜面部111aとケース傾斜面111の内側のバック平面部111cに光沢処理を施すことにより、本体筐体100の背面のデザイン性を高めて、その周囲に形成されるツバ状に張り出した透明な枠体(フロントベゼル103)との調和を図っている。しかも、この実施形態では、放熱効果を向上させるために放熱穴117を凹部111bとバック平面部111cに設けているが、凹部111bに放熱穴117を集中配置させれば、デザイン性を一層高めることができる。
なお、この実施形態では、斜面部111aに光沢処理を施しているが、斜面部111aにシボ加工処理を施すことによっても、光沢処理を施した場合と同様の作用効果を得ることができる。
次に、図9と図10を参照して、スピーカ30の具体的な構造について説明する。ここで、図9は透明樹脂材料の課題説明図であり、図9(a)から(c)は右側の断面形状と左側の正面形状とが対になって図示されている。図10はスピーカ近傍の断面図である。
図9において、透明樹脂材料は、前記したように、内部が透けて見えるために造形処理が大変難しい素材である。この透明樹脂材料にスピーカネット40を取り付ける場合は、この課題を考慮する必要がある。これを図9で説明する。
図9(a)は、極一般的なスピーカネット40をフロントベゼル103に取り付けた状態の断面図を示している。スピーカネット40を取り付ける場合、フロントベゼル103にスピーカネット40の厚さt1を吸収する凹部41を形成することになる。フロントベゼル103は、凹部41を形成すると強度が落ちるので、この対策としてフロントベゼル103の内側に凹部41の深さを吸収する一回り大きい張出部42を形成するのが一般的である。この場合、張出部42の長さQ1は、凹部41の長さQ2より大きくなって、凹部41の上下(図面上)に断面形状が屈折した段差部43が形成される。
観察者が透明樹脂材料を観察する場合、観察者の目には、フロントベゼル103の裏面側の造形が見えてしまう課題がある。図9(a)の右側の断面形状を左側の正面図で見ると、フロントベゼル103の裏面側に形成される段差部43を形成する屈曲線43aが正面側から見えてしまうこととなる。
この屈曲線43aを見えなくしようとして、図9(b)のように、屈曲線43aとスピーカネット40との距離を小さくしようとすると、フロントベゼル103の強度が弱くなる。また、図9(c)のように、段差部43を傾斜面44で形成しても、屈曲線43aは見えてしまう。図示しないが、同様に、傾斜面44を大きなアール形状で処理しても、アール形状の稜線が光の反射として見えてしまう。
このように、スピーカネット40のような部材の厚さを吸収するための凹部41を透明樹脂材料に形成する場合、この透明樹脂材料の強度を維持し、かつ凹部41の深さを吸収するための張出部42を、透明樹脂材料の裏面に形成する。しかしながら、張出部42を形成するための段差部43の屈曲線43aが凹部41の周囲に見えてしまう課題がある。
そこで、この実施形態に係るテレビジョン受像機1では、スピーカネット40の周囲に形成される屈曲線43aを見えにくくする工夫を施している。この工夫を、図10を参照して説明する。
図10において、この実施形態では、スピーカ30の前部を構成するスピーカネット40を、透明樹脂材料のフロントベゼル103に取り付けるに当たって、フロントベゼル103の正面側に2段構造の凹部41を形成する。この凹部41は、高さ(長さ)Q2の第1凹部41aを形成し、その中に高さ(長さ)Q2より短い高さ(長さ)Q3を備え、その周囲(少なくとも上下)に取付面45を備えた第2凹部41bを形成する。一方、フロントベゼル103の裏面側には、第1凹部41aに対応する位置に張出部42を形成する。この張出部42の裏面側への張出量は、第2凹部41bの深さt2にフロントベゼル103の厚さt3を加えた寸法としている。
即ち、この実施形態では、張出部42の周囲(少なくとも上下)に形成される段差部43の前方に、前記第1凹部41aが形成されるようにする。このため、段差部43の屈曲線43aは、その前面に形成される第1凹部41aの端部と一致することになるので、この屈曲線43aを前方から見えにくくすることができる。一方、この凹部41の強度は、第1凹部41aと第2凹部41bとの間に形成される接続段差部46によって維持することができる。そして、この実施形態では、第2凹部41bに放音穴48bを形成し、張出部42の裏面側にスピーカ本体47を位置させるようにする。
一方、この実施形態では、凹部41に取り付けられる部材を、この2段構造の凹部41に対応して多くの微細な穴が形成される不透明なスピーカネット40と、樹脂材料で形成される装飾部材48とで構成する。この実施形態では、スピーカ30の装飾性を増すために、スピーカ30の下端部にその長手方向に沿って細い装飾ライン48aを形成し、この装飾ライン48aを装飾部材48で形成している。装飾部材48は、その上部が第2凹部41bの厚さt4を備えており、第2凹部41bに嵌まり込む大きさを備えているものの、その下端部は、第1凹部41aの取付面45に嵌まり込み、この嵌まり込んだ前部が前方に張り出して前記装飾ライン48aを形成している。また、この装飾部材48は、装飾ライン48aの上方の位置に放音穴48bが形成されている。一方、スピーカネット40は、前記第1凹部41aの取付面45と、装飾ライン48aの上部の装飾部材48に嵌まり込むように取り付けられる。
このように、この実施形態では、透明な樹脂材料(フロントベゼル103)の前面に、第1凹部41aと、周囲(少なくとも上下)に取付面45を残して第1凹部41a内に形成される第2凹部41bとで形成される2段構造の凹部41を形成し、これに対応して第1凹部41aの投影面積内となる樹脂材料(フロントベゼル103)の裏面に張出部42を形成する。そして、この2段構造の凹部41に、一方の取付面45に接触して第2凹部41bに嵌合する第1部材(装飾部材48)を取り付け、他方の取付面45に接触して前記第1部材(装飾部材48)の前部を覆って第1凹部41aに嵌合する第2部材(スピーカネット40)を取り付けるようにしている。
この構造によれば、第1凹部41aを、前記第1部材(装飾部材48)と第2部材(スピーカネット40)とで前方から隠蔽することができる。しかも、凹部41を2段構造とすることで、第1凹部41aと第2凹部41bとで形成される接続段差部46により、後方に張り出した張出部42の強度を向上させることができる。更に、前記第1部材(装飾部材48)を第2凹部41bに接着して嵌合することにより、張出部42の強度を更に向上させることができる。同様に、第2部材(スピーカネット40)を第1部材(装飾部材48)と第1凹部41aに跨って接着することにより、スピーカ30の近傍の強度を更に向上させることができる。
しかも、装飾ライン48aを細い線状の部材で形成すると、剥がれや組立性に課題が残るが、この実施形態では、スピーカネット40の取り付け部材としての機能を持たせているので、前記課題を解決することができる。
次に、図11を参照して、スタンド200の具体的な構造を説明する。図11において、この実施形態に係るスタンド200は、底面に操作スイッチ部31と外部コネクタ部32とを備えた本体筺体100を支持するのに最適な構造を備えたものである。このスタンド200は、上方に張り出した一対の取付部材201を備えたU字筺体202と、このU字筺体202を支持するベース部203とから構成される。ここで、この実施形態では、ベース部203を上面形状が矩形状の薄い板状の形態で図示しているが、これに限定されるものではなく、U字筺体202を支持して、床面や支持ベースを支持するものであれば足りる。
U字筺体202は、棒状に形成された横長のベース連結部204に対して、その中央に配置された第1ベース取付部205と、両端に配置された第2ベース取付部206とが一方向に張り出して、ベース連結部204の長手方向と平行な中心線207に並ぶように配置されている。前記第1ベース取付部205には、ベース部203と連結するネジ穴208が設けられ、第2ベース取付部206には、上方に伸びる取付部材201が設けられている。この一対の取付部材201には、ネジ穴209が設けられており、この取付部材201を補強柱12に挿入してネジ穴209を介して固定することで、スタンド200と本体筺体100とを連結することができる。
ベース連結部204は、中心線207と対向する他の側面は中央が太く両側が細くなるように平面形状が弧状に形成され、その中央部分の太い部分の上面には、凹状の切欠部210が形成されている。
さて、この実施形態に係るU字筺体202の特徴は、第1ベース取付部205と、この第1ベース取付部205の両側に配置される第2ベース取付部206との間に空間部211を形成するように、第1ベース取付部205と一対の第2ベース取付部206とを迂回するベース連結部204で連結した点にある。即ち、この実施形態では、第1ベース取付部205と一対の第2ベース取付部206とを中心線207の軸線上に配列することで、本体筺体100の重量を、取付部材201を介して第2ベース取付部206で支持し、これを同軸上の第1ベース取付部205を介してベース部203で支持することができるので、本体筺体100の重量を無理なくベース部203で支持することができる。
そして何より、前記第1ベース取付部205の両側に設けられた空間部211を開放することで、この位置に対応する本体筺体100の底面を開放することができる。従来例においては、ベース連結部204を直線状とし、この直線状のベース連結部204の中央に第1ベース取付部205、ベース連結部204の両側に第2ベース取付部206をそれぞれ設けている。このため、ベース連結部204と隣接する本体筺体100の底面部は、ベース連結部204に邪魔されることになり、他の配置スペース、例えば、操作スイッチ部31や外部コネクタ部32の配置スペースとして活用できない無効空間となっていた。
しかし、この実施形態では、第1ベース取付部205の両側に開放された空間部211が形成されているので、この空間部211に隣接する本体筺体100の底面部を他の配置スペースとして活用することができる。この実施形態では、この本体筺体100の底面部に操作スイッチ部31と外部コネクタ部32とを左右に分けて配置しているので、使用者は、ベース連結部204によって邪魔されることなく、この操作スイッチ部31と外部コネクタ部32を操作または利用することができる。
なお、この実施形態では、本体筺体100の底面に操作スイッチ部31と外部コネクタ部32を配置しているが、本体筺体100の底面にどちらか一方を配置しただけでも大きな効果を得ることができる。
また、図11(c)に示すように、この実施形態では、第1ベース取付部205と対向するベース連結部204側に切欠部210を設けることで、本体筺体100から伸びるコード類を無理なく(大きく曲げることなど)他の機器に導くようにしている。
次に、図12を参照して、プラズマディスプレイに応用した他の実施形態を説明する。ここで、図12は、プラズマモニタ装置を採用したテレビジョン受像機の部品展開図であり、中央に部品展開図、左上に部分断面図、右下に外観図を示している。なお、説明においては、上述した実施形態と共通する部分は同一符号をもって示し、重複した説明を省略する。
図12において、この実施形態は、図1の液晶モニタ装置10をプラズマモニタ装置20に置き換えたほかは、図1の事例と略同一である。プラズマモニタ装置20は、ロ字状の枠筺体21と、この枠筺体21の前面に取り付けられる画面保護ガラス22と、この枠筺体21の後面に取り付けられるプラズマパネル23と、この枠筺体21にプラズマパネル23を保持するように取り付けられる補強柱12と、補強柱12に取り付けられる基板類24とを含んで構成される。
この実施形態では、枠筺体21を挟んで保持するようにバックケース102とベゼルベース104をネジ止めし、ベゼルベース104に両面テープなどでフロントベゼル103を取り付けるようにする。また、補強柱12を介してスタンド200や図示しない壁面取り付け具を取り付けるようにする。
この実施形態に係るプラズマモニタ装置20を搭載したテレビジョン受像機によれば、上述した実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
なお、上述した実施形態では、テレビジョン受像機を事例に説明したが、パーソナルコンピュータなどと接続されるモニタ装置にも適用することができる。
1…テレビジョン受像機、10…液晶モニタ装置、10a…表示画面、11…金属板、12…補強柱、20…プラズマモニタ装置、21…枠筺体、22…画面保護ガラス、23…プラズマパネル、24…基板類、30…スピーカ、31…操作スイッチ部、31a…操作基板、32a…外部コネクタ基板、32…外部コネクタ部、40…スピーカネット、41…凹部、41a…第1凹部、41b…第2凹部、42…張出部、43…段差部、43a…屈曲線、44…傾斜面、45…取付面、46…接続段差部、47…スピーカ本体、48…装飾部材、48a…装飾ライン、48b…放音穴、100…本体筐体、101…フロントケース、102…バックケース、102a…ネジ取付部、103…フロントベゼル、104…ベゼルベース、104a…ネジ止部、105…内周面、106…外周面、107…突出リブ、108…突出リブ107の裏面、109…塗装層、110…境、110a…角部、111…ケース傾斜面、111a…斜面部、111b…凹部、11c…バック平面部、112…フラット面、113…傾斜面、114…段差溝、115…湾曲面、116…ネジ、117…放熱穴、200…スタンド、201…取付部材、202…U字筺体、203…ベース部、204…ベース連結部、205…第1ベース取付部、206…第2ベース取付部、207…中心線、208、209…ネジ穴、210…切欠部、211…空間部、300…金型、301…第1金型、302…第2金型、303…樹脂射出口、304…押出しピン、320…治具、400…透明樹脂材料、401…印刷面、402…奥行感を受ける部分、403…透明感を受ける部分、404…両部分の境、405…端面、500…塗装手段、t1…厚さ、t2…第2凹部の深さ、t3…フロントベゼルの厚さ、t4…第2凹部の厚さ、Q1…張出部の長さ、Q2…凹部の長さ。