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JP5072901B2 - 薬剤耐性マーカーおよびその利用 - Google Patents

薬剤耐性マーカーおよびその利用 Download PDF

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JP5072901B2 JP2009111725A JP2009111725A JP5072901B2 JP 5072901 B2 JP5072901 B2 JP 5072901B2 JP 2009111725 A JP2009111725 A JP 2009111725A JP 2009111725 A JP2009111725 A JP 2009111725A JP 5072901 B2 JP5072901 B2 JP 5072901B2
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Description

本発明は、癌の薬剤耐性マーカーおよびその利用に関する。
多発性骨髄腫(MM)は、骨髄での低い増殖度と長期化した寿命を有する形質細胞の蓄積を特徴とするB細胞悪性疾患である。自己幹細胞移植によって事故がなく長期生存が可能になったという最近の進歩にもかかわらず、MMは、臨床的には、患者間での治療に対する応答や生存期間の広範な変動性をもつ疾患である(非特許文献1を参照) 。
すべてのMM患者に染色体異常が観察されている(非特許文献2を参照)。初期の転座は、MMの病因の早期かつおそらくは開始事象として生じる(非特許文献3を参照)。転位のブレークポイントのクラスタリングは、 14q32, 16q11,および 22q11で検出されている(非特許文献4を参照)。しかしながら、このような転座だけでは、本疾患の悪性への進行には不十分であり(非特許文献5を参照)、腫瘍関連遺伝子(癌原遺伝子および癌抑制遺伝子を含む)に影響を及ぼすさらなる遺伝子の変化が、十分な悪性表現型の出現に必要である。実際、核型解析および最近の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)解析により、MMの疾患の進行と二次的な非無作為染色体異常の出現とが関連していることが示されている(非特許文献3、6を参照)。
染色体DNA配列の増幅は、種々のタイプの腫瘍の発現と進行において腫瘍関連遺伝子を活性化可能な機構の1つである。MMにおいて、 CyclinD1 (11q13) およびMYCC (8q24) を含むいくつかの癌遺伝子が増幅機構を通して活性化されることが知られている(非特許文献7、8を参照)。しかしながら、MMにおける細胞遺伝的異常の同定は、高分解度バンディング解析用の高品質な分裂中期細胞を十分量生成させることを制限する低増殖度により非常に困難である。比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)は、慣用的な細胞遺伝的解析を行う必要性がなく、腫瘍の染色体コピー数異常を同定することが可能である(非特許文献9を参照)。このアプローチは、特に予後との関係で、染色体コピー数異常を得るためにMMの臨床検体および細胞株に適用されており(非特許文献10〜12を参照)、増幅領域を含むさらなる再現異常が示された。これらの増幅領域はMMの病原に関連するさらなる遺伝子を含む可能性があるが、これらの領域内の特異的標的遺伝子はほとんど知られていない。
N. Engl. J. Med., 335: 91−97, 1996 Cancer Res., 53: 5320−5327, 1993 Oncogene, 20: 5611−5622, 2001 Genes Chromosomes Cancer, 18: 84−93,1997 Nature, 349: 254−256, 1991 Genes Chromosomes Cancer, 32: 250−264, 2001 Br. J. Haematol., 109: 30−38, 2000 Oncogene, 5: 1359−1364, 1990 Science, 258: 818−821, 1992 Genes Chromosomes Cancer, 19: 124−133, 1997 Blood, 91: 3007−3010, 1997 Leukemia, 15: 840−845, 2001
本発明の目的は、MMをはじめとする種々の癌の悪性度の指標となりうる遺伝子マーカーおよびその用途を提供することにある。
CGH解析は、評価できる分裂中期の生成が制限されるMMを初めとする低増殖画分を有する腫瘍においてゲノム増幅および欠失の領域を定義する有用な方法である。本発明者らは、MMの進行に影響を及ぼす可能性のある遺伝子変化を探索するため、37種のMM細胞株をCGHにより調べたところ、第1染色体において最高頻度の高レベル増加(HLG)を示す最小領域1q12−q21領域を見出し、本発明を完成させるに至った。1q12−q21領域近辺での増加/増幅は、高頻度であること以外に、以下のように注目されるものである。
(a)前記領域を含む異常の高罹患率が多数の腫瘍型で観察されていること、
(b)前記異常が前記腫瘍において腫瘍の進展および/または治療に対する応答に関連していること。
即ち、本発明の要旨は、
(1) PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の塩基配列において、連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドからなる、薬剤耐性マーカー、
(2) 固形癌の薬剤耐性の検出用プローブまたはプライマーとして使用される、前記(1)記載の薬剤耐性マーカー、
(3) 非固形癌の薬剤耐性の検出用プローブまたはプライマーとして使用される、前記(1)記載の薬剤耐性マーカー、
(4)前記(1)〜(3)いずれか記載の薬剤耐性マーカーを含む複数のポリヌクレオチドを基盤上に配置してなるDNAマイクロアレイ、
(5)下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、薬剤耐性の検出方法:
(a)被験者の生体試料から調製されたRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドと請求項1〜3いずれか記載の薬剤耐性マーカーとを結合させる工程、
(b)該薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドを、上記薬剤耐性マーカーを指標として測定する工程、
(c)上記(b)の測定結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程、
(6)下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、薬剤耐性の検出方法:
(a)被験者の生体試料から調製されたRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドと請求項4に記載のDNAマイクロアレイとを接触させる工程、
(b)該マイクロアレイの基盤上の薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドを検出する工程、
(c)上記(b)の検出結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程、
(7)工程(c)における薬剤耐性の獲得の判断が、被験者について得られる測定結果を正常者または治療前の被験者について得られる測定結果と対比して、薬剤耐性マーカーへの結合量が増大していることを指標として行われる、前記(5)または(6)に記載の薬剤耐性の検出方法、
(8)PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1を認識する抗体を含有する薬剤耐性マーカー、
(9)固形癌における薬剤耐性の検出においてプローブとして使用される前記(8)記載の薬剤耐性マーカー、
(10) 非固形癌における薬剤耐性の検出においてプローブとして使用される前記(8)記載の薬剤耐性マーカー、
(11)前記(8)〜(10)いずれか記載の薬剤耐性マーカーを含む複数の抗体を基盤上に配置してなるプロテインチップ、
(12)下記の工程(a)、(b)および(c)を含む薬剤耐性の検出方法:
(a)被験者の生体試料から調製されたタンパク質と前記(8)〜(10)いずれに記載の薬剤耐性マーカーとを結合させる工程、
(b)該薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のタンパク質を、上記薬剤耐性マーカーを指標として測定する工程、
(c)上記(b)の測定結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程、
(13)下記の工程(a)、(b)および(c)を含む薬剤耐性の検出方法:
(a)被験者の生体試料から調製されたタンパク質と前記(11)に記載のプロテインチップとを接触させる工程、
(b)該プロテインチップの基盤上の薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のタンパク質を検出する工程、
(c)上記(b)の測定結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程、
(14)工程(c)における薬剤耐性の獲得の判断が、被験者について得られる測定結果を正常者または治療前の被験者について得られる測定結果と対比して、薬剤耐性マーカーへの結合量が増大していることを指標として行われる前記(12)または(13)記載の薬剤耐性の検出方法、
(15)下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現を抑制する物質のスクリーニング方法:
(a) 被験物質と、PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子を発現可能な細胞とを接触させる工程、
(b) 被験物質を接触させた細胞におけるPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現量を測定し、該発現量を被験物質を接触させない対照細胞における上記に対応する遺伝子の発現量と比較する工程、
(c) 上記(b)の比較結果に基づいて、PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現量を減少させる被験物質を選択する工程、
(16)下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1の発現を抑制する物質のスクリーニング方法:
(a) 被験物質と、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1を発現可能な細胞とを接触させる工程、
(b) 被験物質を接触させた細胞におけるPDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1の発現量を測定し、発現量を被験物質を接触させない対照細胞における上記に対応するタンパク質の発現量と比較する工程、
(c) 上記(b)の比較結果に基づいて、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1の発現量を減少させる被験物質を選択する工程、
(17)下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1の過剰発現に基づく細胞の薬剤耐性を低減する物質のスクリーニング方法:
(a) 被験物質および薬剤と、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1を過剰発現する細胞とを接触させる工程、
(b) 上記(a)の工程に起因して生じる細胞の薬剤耐性度を測定し、被験物質を接触させない場合の上記(a)の細胞の薬剤耐性度と比較する工程、
(c) 上記(b)の比較結果に基づいて、上記(a)の細胞の薬剤耐性を低減させる被験物質を選択する工程、
(18)固形癌における薬剤耐性を低減する成分を探索するための方法である、前記(15)〜(17)いずれかに記載のスクリーニング方法、
(19)非固形癌における薬剤耐性を低減させる成分を探索するための方法である、前記(15)〜(17)いずれかに記載のスクリーニング方法、
(20)PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の増幅に起因する薬剤耐性を示す癌においてPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現を抑制するアンチセンスヌクレオチド、
(21)PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の増幅に起因する薬剤耐性を示す癌においてPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現を抑制する二本鎖RNA、
に関する。
本発明の薬剤耐性マーカーによると、PDZK1(遺伝子)、MCL1(遺伝子)、KCNN3(遺伝子)、MGC4365(遺伝子)、FLJ22530(遺伝子)、IRTA2(遺伝子)、FLJ23221(遺伝子)、S100A6(遺伝子)またはSPAP1(遺伝子)を特異的に検出することにより、MMをはじめとする種々の癌の悪性度の指標となりうる薬剤耐性を検出することができる。前記PDZK1遺伝子を初めとする遺伝子の位置する第1染色体最小領域1q12−q21領域は、MMにおいて最高頻度の高レベル増加(HLG)を示す最小領域であるとともに、前記領域を含む異常の高罹患率が多数の腫瘍型で観察されていることならびに前記異常が前記腫瘍において腫瘍の進展および/または治療に対する応答に関連していることにより、癌の悪性度に対する有用なマーカーとなりうる。本発明の薬剤耐性マーカーを用いた癌の薬剤耐性の検出方法によれば、癌の化学療法前または療法中に薬剤耐性の獲得の有無を容易に検出することができ、個々の癌患者に対してより適した化学療法を採用する判断が容易になる。本発明の薬剤マーカーを用いるPDZK1(遺伝子) 、MCL1(遺伝子) 、KCNN3(遺伝子) 、MGC4365(遺伝子) 、FLJ22530(遺伝子) 、IRTA2(遺伝子) 、FLJ23221(遺伝子) 、S100A6(遺伝子) 、またはSPAP1(遺伝子) の発現を抑制する物質のスクリーニング方法によれば、薬剤耐性を抑制する薬剤候補を選択することが容易になり、このような候補物質に基づいて薬剤耐性を抑制する医薬品の開発が促進される。本発明のアンチセンスヌクレオチドまたは二本鎖RNAによると、PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子、またはSPAP1遺伝子の増幅に起因する薬剤耐性を示す癌においてこれら遺伝子の発現を特異的に抑制することができ、薬剤耐性を抑制する効果を奏する。
37種のMM細胞株においてCGHにより検出されたゲノム不均衡の概要図。22個の常染色体およびX染色体は、G−バンディングパターンを示すイディオグラムにより表わす。各イディオグラムの左側に位置する垂線は、示した細胞株におけるゲノムマテリアルの減少を示し、右側に位置する垂線は、コピー数の増加に相当する。高レベル増加(HLG)は、白抜き矩形で示す。各垂線の上方に示す数字は、それぞれ変化を記録した細胞株に相当する(表1を参照)。 MM細胞株における 1q12−q21 領域のアンプリコンマップを示す図。図2A、1q12−q21領域で異なる増幅を示すAMO1細胞株の第1染色体の代表的CGHイメージ(左図)および対応する緑色(増加)と赤色(減少)のプロファイル(右図)。図2B、AMO1細胞由来の分裂中期染色体でのFISH解析の代表的イメージ。当該イメージは RP11−315I20 (1q21)との15コピー(左図) およびpUC1.77 (1q12 特異的プローブ)との4コピー(右図)を示す。図2C、3つの異なる細胞株におけるFISHによる1q12−q24でのDNAコピー数解析の結果を要約したグラフ。縦軸は、水平軸で示したBACプローブで得られたFISHシグナルを示す。3つの細胞株において最高かつ共通の増幅を有する重複の最小領域(SRO)は、黒塗り矢印で示す。各BACの位置および長さは、NCBIにより格納された情報から編集した。また、PDZK1とMCL1の位置も下端に示す。 MM細胞株におけるPDZK1とMCL1のコピー数と発現レベルとの相関ならびにMMの臨床検体におけるPDZK1のコピー数を示す図。図3A、PDZK1遺伝子(左)とMCL1遺伝子(右)のコピー数と相対的発現レベルとの相関を、9種のMM細胞株で決定した。DNAコピー数はFISHで決定し、相対的発現レベルは 1q12−q21 の増幅を有する4種の増幅細胞株( AMO1 (●), KMS−11 (◆), KMS−21BM (■),および KM−5 (▲) )ならびに増幅のない5種の細胞株(KMS−34 (○), KMS−12PE (◇), U266 (□), KMS−12BM (△),および KM−6 (▽))でリアルタイム定量PCRにより決定した。図3B、29種のMM臨床検体におけるPDZK1のコピー数比は、リアルタイム定量PCRにより決定された。各試料のゲノムDNAにおけるPDZK1遺伝子の存在量は、対応する内在性対照HBB値により標準化し、コピー数比として記録した。5名の別々の健常ボランティア由来のDNAを正常コントロール(N)として使用した。棒線;正常コントロールの平均+SD。横線;コピー数増加に関するカットオフ比を示す平均+2− SD。CC;相関係数、P;確率。 1q12−q21増幅を有するMM細胞はASOを用いるPDZK1発現のダウンレギュレーションにより薬剤に感受性となることを示す図。図4A、1q12−q21増幅細胞株 AMO1(●) およびKMS−11(■) 、ならびに非増幅細胞株 KMS−34(○) およびKMS−12PE(□) におけるMEL−, cDDP−, VCR−, DEX−, ADM−, DNR−, MIT− およびTHAL− 誘導性細胞死に対する用量応答曲線。細胞の生存は、マイクロタイタープレート比色アッセイにより評価した。各点は、3 つの別々の実験の平均値を示す。100%は、薬剤なし(賦形剤のみ) での平均値に相当する。各薬剤に対する各細胞株の IC50 値を示す。図4B、ASOによるPDZK1のmRNA発現レベルの特異的ダウンレギュレーション。細胞をASO(AS)、対照オリゴヌクレオチド(SC) または Oligofectamine TM単独(mock)でトランスフェクションした。mRNAレベルの定量は、リアルタイム定量PCRによりトランスフェクション後24時間で決定した。棒線;SD。a:P<0.05( 対mock), b:P<0.05( 対SC) 。図4C、PDZK1−ASOにより処理したKMS−11細胞を各薬剤の存在下 (MEL 10μg/ml, VCR 0.01μg/ml, および cDDP 300 ng/ml)または非存在下に48時間インキュベートした。各値は、3 つの別々の実験の平均値を示し、各実験は三連で行った。100%は、薬剤なし( 賦形剤のみ) での平均値に相当する。棒線;SD。a:P<0.05( 対mock), b:P<0.05( 対SC) 。
本発明者らは、CGH解析により最も高頻度の高レベル増加(HLG)を示す最小領域1q12−q21をMM細胞株で見出し、前記最小領域は、MMのみならず悪性度の高い腫瘍や化学療法耐性の腫瘍で高頻度に増幅されており、前記領域内で癌の悪性度と相関する遺伝子を初めて単離したものである。
以下、本明細書において、アミノ酸、(ポリ)ペプチド、(ポリ)ヌクレオチドなどの略号による表示は、IUPAC−IUBの規定〔IUPAC−IUB Communication on Biological Nomenclature, Eur. J. Biochem., 138: 9 (1984) 〕、「塩基配列またはアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(日本国特許庁編)、および当該分野における慣用記号に従う。
本明細書において「遺伝子」または「DNA」とは、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖およびアンチセンス鎖といった各1本鎖DNAを包含する趣旨で用いられる。またその長さによって特に制限されるものではない。従って、本明細書において遺伝子(DNA) とは、特に言及しない限り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNAおよびcDNAを含む1本鎖DNA(正鎖)ならびに該正鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(相補鎖)、およびこれらの断片のいずれもが含まれる。また当該「遺伝子」または「DNA」には、特定の塩基配列(配列番号:1、3、9、11、13、15、17、19または21)で示される「遺伝子」または「DNA」だけでなく、これらによりコードされるタンパク質と生物学的機能が同等であるタンパク質(例えば同族体(ホモログやスプライスバリアントなど)、変異体および誘導体)をコードする「遺伝子」または「DNA」が包含される。かかる同族体、変異体または誘導体をコードする「遺伝子」または「DNA」としては、具体的には、後述の(1−1) 項に記載のストリンジェントな条件下で、前記の配列番号:1、3、9、11、13、15、17、19または21で示されるいずれかの特定塩基配列の相補配列とハイブリダイズする塩基配列を有する「遺伝子」または「DNA」を挙げることができる。
例えばヒト由来のタンパク質のホモログをコードする遺伝子としては、当該タンパク質をコードするヒト遺伝子に対応するマウスやラットなど他生物種の遺伝子が例示でき、これらの遺伝子(ホモログ)は、HomoloGene(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/HomoloGene/ )により同定することができる。具体的には、特定ヒト塩基配列をBLAST (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873−5877, 1993 、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)にかけて一致する(Score が最も高く、E−value が0 でかつIdentityが100%を示す)配列のアクセッション番号を取得する。そのアクセッション番号をUniGene (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/UniGene/)に入力して得られたUniGene Cluster ID(Hs. で示す番号)をHomoloGeneに入力する。結果として得られた他生物種遺伝子とヒト遺伝子との遺伝子ホモログの相関を示したリストから、特定の塩基配列で示されるヒト遺伝子に対応する遺伝子(ホモログ)としてマウスやラットなど他生物種の遺伝子を選抜することができる。
なお、遺伝子またはDNAは、機能領域の別を問うものではなく、例えば発現制御領域、コード領域、エキソン、またはイントロンを含むことができる。
従って本明細書において「PDZK1遺伝子」または「PDZK1のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:1)で示されるヒトPDZK1遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号:1に記載のヒトPDZK1遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「MCL1遺伝子」または「MCL1のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:3)で示されるヒトMCL1遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号: 3に記載のヒトMCL1遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「KCNN3遺伝子」または「KCNN3のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:9)で示されるヒトKCNN3遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号: 9に記載のヒトKCNN3遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「MGC4365遺伝子」または「MGC4365のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:11)で示されるヒトMGC4365遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号: 11に記載のヒトMGC4365遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「FLJ22530遺伝子」または「FLJ22530のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:13)で示されるヒトFLJ22530遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号: 13に記載のヒトFLJ22530遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「IRTA2遺伝子」または「IRTA2のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:15)で示されるヒトIRTA2遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号: 15に記載のヒトIRTA2遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「FLJ23221遺伝子」または「FLJ23221のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:17)で示されるヒトFLJ23221遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号: 17に記載のヒトFLJ23221遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「S100A6遺伝子」または「S100A6のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:19)で示されるヒトS100A6遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号: 19に記載のヒトS100A6遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「SPAP1遺伝子」または「SPAP1のDNA」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:21)で示されるヒトSPAP1遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号: 21に記載のヒトSPAP1遺伝子や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「ポリヌクレオチド」とは、RNAおよびDNAのいずれをも包含する趣旨で用いられる。なお、上記DNAには、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAのいずれもが含まれる。また上記RNAには、 totalRNA、mRNA、rRNAおよび合成のRNAのいずれもが含まれる。
本明細書において「タンパク質」または「(ポリ)ペプチド」には、特定のアミノ酸配列(配列番号:2、4、10、12、14、16、18、20または22)で示される「タンパク質」または「(ポリ)ペプチド」だけでなく、これらと生物学的機能が同等であることを限度として、その同族体(ホモログやスプライスバリアント)、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などが包含される。ここでホモログとしては、ヒトのタンパク質に対応するマウスやラットなど他生物種のタンパク質が例示でき、これらはHomoloGene(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/HomoloGene/ )により同定された遺伝子の塩基配列から演繹的に同定することができる。また変異体には、天然に存在するアレル変異体、天然に存在しない変異体、および人為的に欠失、置換、付加および挿入されることによって改変されたアミノ酸配列を有する変異体が包含される。なお、上記変異体としては、変異のないタンパク質または(ポリ)ペプチドと、少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは95%、さらにより好ましくは97%相同なものを挙げることができる。またアミノ酸修飾体には、天然に存在するアミノ酸修飾体、天然に存在しないアミノ酸修飾体が包含され、具体的にはアミノ酸のリン酸化体が挙げられる。
従って本明細書において「PDZK1タンパク質」または単に「PDZK1」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号2)で示されるヒトPDZK1やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号:2(GenBank Accession No. NM_002614)に記載のアミノ酸配列を有するヒトPDZK1や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「MCL1タンパク質」または単に「MCL1」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号4)で示されるヒトMCL1やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号4(GenBank Accession No. AF147742)に記載のアミノ酸配列を有するヒトMCL1や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「KCNN3タンパク質」または単に「KCNN3」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号10)で示されるヒトKCNN3やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号10(GenBank Accession No. NM_002249)に記載のアミノ酸配列を有するヒトKCNN3や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「MGC4365タンパク質」または単に「MGC4365」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号12)で示されるヒトMGC4365やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号12(GenBank Accession No. NM_024330)に記載のアミノ酸配列を有するヒトMGC4365や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「FLJ22530タンパク質」または単に「FLJ22530」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号14)で示されるヒトFLJ22530やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号14(GenBank Accession No. NM_024568)に記載のアミノ酸配列を有するヒトFLJ22530や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「IRTA2タンパク質」または単に「IRTA2」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号16)で示されるヒトIRTA2やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号16(GenBank Accession No. NM_031281)に記載のアミノ酸配列を有するヒトIRTA2や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「FLJ23221タンパク質」または単に「FLJ23221」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号18)で示されるヒトFLJ23221やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号18(GenBank Accession No. NM_024579)に記載のアミノ酸配列を有するヒトFLJ23221や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「S100A6タンパク質」または単に「S100A6」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号20)で示されるヒトS100A6やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号20(GenBank Accession No. NM_014624)に記載のアミノ酸配列を有するヒトS100A6や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書において「SPAP1タンパク質」または単に「SPAP1」といった用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定アミノ酸配列(配列番号22)で示されるヒトSPAP1やその同族体、変異体、誘導体、成熟体およびアミノ酸修飾体などを包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号22(GenBank Accession No. NM_030764)に記載のアミノ酸配列を有するヒトSPAP1や、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
本明細書でいう「抗体」には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、またはFab フラグメントやFab 発現ライブラリーによって生成されるフラグメントなどのように抗原結合性を有する上記抗体の一部が包含される。
さらに本明細書において「薬剤耐性マーカー」とは、癌における薬剤耐性の有無、薬剤耐性の程度もしくは改善の有無や改善の程度を診断するために、または薬剤耐性を示す癌の治療に有用な候補物質をスクリーニングするために、直接または間接的に利用されるものをいう。これには、癌の薬剤耐性に関連して生体内組織や細胞において、発現が変動する遺伝子またはタンパク質を特異的に認識し、または結合することのできる(ポリ)(オリゴ)ヌクレオチドまたは抗体が包含される。これらの(ポリ)(オリゴ)ヌクレオチドおよび抗体は、上記性質に基づいて、生体組織や細胞で発現した上記遺伝子およびタンパク質を検出するためのプローブとして、また(オリゴ)ヌクレオチドは生体内で発現した上記遺伝子を増幅するためのプライマーとして有効に利用することができる。
本明細書において「癌」とは、特に限定されるものではなく、例えば胃癌、食道癌、大腸癌、肺癌、乳癌、子宮癌、腎癌、膵臓癌、肝癌、前立腺癌、皮膚癌などの固形癌、ならびに白血病、多発性骨髄腫などの非固形癌が挙げられる。
本明細書において「薬剤耐性」とは、癌細胞が癌の化学療法に用いられる薬剤に対して抵抗性を示し、これらの薬剤を投与しても癌細胞の生存率を有意に低減できない状態をいう。前記薬剤としては特に制限されるものではないが、例えば、メルファラン(MEL) 、シスプラチン(cDDP)、ビンクリスチン(VCR) 、デキサメタゾン(DEX) 、アドリアマイシン(ADM) 、ミトザントロン(MIT) 、ダウノルビシン(DNR) 、およびサリドマイド(THAL)などが挙げられる。MMにおいては、メルファラン(MEL) 、シスプラチン(cDDP)、ビンクリスチン(VCR) 、およびデキサメタゾン(DEX) が耐性を示す好ましい薬剤として例示される。
以下、本発明遺伝子(PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子およびSPAP1遺伝子)、ならびにこれらの発現産物(PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6およびSPAP1、以下これらのタンパク質を併せて本発明タンパク質と称する場合がある)、およびそれらの派生物について、具体的な用途を説明する。
(1)薬剤耐性マーカーおよびその応用
(1−1) ポリヌクレオチド
本発明におけるPDZK1遺伝子は、細胞膜においてタンパク質のオーガナイゼーションに関与すると報告されているPDZドメイン含有タンパク質をコードする遺伝子であり、膜貫通タンパク質のアクチン骨格へのリンクに関与するとも報告されているPDZドメイン含有タンパク質をコードする公知の遺伝子である。例えばヒト由来のPDZK1遺伝子としては、配列番号:1 に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No.NM_002614)。
本発明におけるMCL1遺伝子は、Myeloid cell differentiation protein遺伝子またはMyeloid cell leukemia−1 遺伝子とも呼ばれる公知の遺伝子である。例えばヒト由来のMCL1遺伝子としては、配列番号:3に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No. AF147742 )。
本発明におけるKCNN3遺伝子は、Potassium intermediate/small conductance calcium−activated channel, subfamily N, member3遺伝子とも呼ばれる公知の遺伝子である。例えばヒト由来のKCNN3遺伝子としては、配列番号:9に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No. NM_002249)。
本発明におけるMGC4365遺伝子は、Solute carrier family 27(fatty acid transporter) member3(FATP3) 遺伝子とも呼ばれる長鎖脂肪酸の輸送を媒介する脂肪酸輸送タンパク質をコードする公知の遺伝子である。例えばヒト由来のMGC4365遺伝子としては、配列番号:11に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No. NM_024330)。
本発明におけるFLJ22530遺伝子は、Chromodomain helicase DNA binding protein−1 like(CHD1L) 遺伝子とも呼ばれる公知の遺伝子である。例えばヒト由来のFLJ22530遺伝子としては、配列番号:13に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No. NM_024568)。
本発明におけるIRTA2遺伝子は、Immunoglobulin superfamily recepter translocation associated 2遺伝子とも呼ばれる公知の遺伝子である。例えばヒト由来のIRTA2遺伝子としては、配列番号:15に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No. NM_031281) 。
本発明におけるFLJ23221遺伝子は、Hypothetical protein FLJ23221 遺伝子とも呼ばれる公知の遺伝子である。例えばヒト由来のFLJ23221遺伝子としては、配列番号:17に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No. NM_024579)。
本発明におけるS100A6遺伝子は、S100 calcium binding protein A6 遺伝子とも呼ばれる公知の遺伝子である。例えばヒト由来のS100A6遺伝子としては、配列番号:19に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No. NM_014624)。
本発明におけるSPAP1遺伝子は、SH2 domain containing phosphatase anchor protein 1遺伝子、または前記IRTA2遺伝子と同じファミリーのメンバーであるIRTA4遺伝子とも呼ばれる公知の遺伝子である。例えばヒト由来のSPAP1遺伝子としては、配列番号:21に示すポリヌクレオチドが知られている(RefSeq Accession No. NM_030764)。
本発明は、前述するように、多発性骨髄腫の患者由来の細胞株において、正常細胞に比して、本発明遺伝子が特異的に発現上昇しているという知見を発端に、これらの遺伝子発現の有無や発現の程度を検出することによって癌における薬剤耐性の有無や耐性の程度が特異的に検出でき、薬剤耐性の診断を行うことができるものである。
上記ポリヌクレオチドは、従って、被験者における上記遺伝子の発現の有無またはその程度を検出することによって、該被験者が薬剤耐性を獲得しているか否かまたはその耐性の程度を診断することのできるツール(薬剤耐性マーカー)として有用である。
また上記ポリヌクレオチドは、後述の(3−1) 項に記載するような薬剤耐性の予防、改善または薬剤耐性癌の治療に有用な候補物質のスクリーニングにおいて、本発明遺伝子の発現変動を検出するためのスクリーニングツール(薬剤耐性マーカー)としても有用である。
本発明の薬剤耐性マーカーは、前記PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の塩基配列において、連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチドおよび/またはそれに相補的なポリヌクレオチドからなることを特徴とするものである。
ここで相補的なポリヌクレオチド(相補鎖、逆鎖)とは、前記PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の塩基配列からなるポリヌクレオチドの全長配列、または該塩基配列において少なくとも連続した15塩基長の塩基配列を有するその部分配列(ここでは便宜上、これらを「正鎖」ともいう)に対して、A:T およびG:C といった塩基対関係に基づいて、塩基的に相補的な関係にあるポリヌクレオチドを意味するものである。ただし、かかる相補鎖は、対象とする正鎖の塩基配列と完全に相補配列を形成する場合に限らず、対象とする正鎖とストリンジェントな条件でハイブリダイズすることができる程度の相補関係を有するものであってもよい。なお、ここでストリンジェントな条件は、Berger and Kimmel (1987, Guide to Molecular Cloning Techniques Methods in Enzymology, Vol. 152, Academic Press, San Diego CA) に教示されるように、複合体或いはプローブを結合する核酸の融解温度(Tm)に基づいて決定することができる。例えばハイブリダイズ後の洗浄条件として、通常「1×SSC 、0.1%SDS 、37℃」程度の条件を挙げることができる。相補鎖はかかる条件で洗浄しても対象とする正鎖とハイブリダイズ状態を維持するものであることが好ましい。特に制限されないが、より厳しいハイブリダイズ条件として「0.5 ×SSC 、0.1%SDS 、42℃」程度、さらに厳しいハイブリダイズ条件として「0.1 ×SSC 、0.1%SDS 、65℃」程度の洗浄条件を挙げることができる。具体的には、このような相補鎖として、対象の正鎖の塩基配列と完全に相補的な関係にある塩基配列からなる鎖、ならびに該鎖と少なくとも90%、好ましくは95%の相同性を有する塩基配列からなる鎖を例示することができる。
ここで、正鎖側のポリヌクレオチドには、前記PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子もしくはSPAP1遺伝子の塩基配列、またはその部分配列を有するものだけでなく、上記相補鎖の塩基配列に対してさらに相補的な関係にある塩基配列からなる鎖を含めることができる。
さらに上記正鎖のポリヌクレオチドおよび相補鎖(逆鎖)のポリヌクレオチドは、各々一本鎖の形態で薬剤耐性マーカーとして使用されても、また二本鎖の形態で薬剤耐性マーカーとして使用されてもよい。
本発明の薬剤耐性マーカーは、具体的には、前記PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の塩基配列(全長配列)からなるポリヌクレオチドであってもよいし、その相補配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。またこれら本発明遺伝子もしくは該遺伝子に由来するポリヌクレオチドを選択的に(特異的に)認識するものであれば、上記全長配列またはその相補配列の部分配列からなるポリヌクレオチドであってもよい。この場合、部分配列としては、上記全長配列またはその相補配列の塩基配列から任意に選択される少なくとも15個の連続した塩基長を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。
なお、ここで「選択的に(特異的に)認識する」とは、例えばノーザンブロット法においては、PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子もしくはSPAP1遺伝子またはこれらに由来するポリヌクレオチドが特異的に検出できること、またRT−PCR法においては、PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子もしくはSPAP1遺伝子またはこれらに由来するポリヌクレオチドが特異的に生成されることを意味するが、それに限定されることなく、当業者が上記検出物または生成物がこれらの遺伝子に由来するものであると判断できるものであればよい。
本発明の薬剤耐性マーカーは、例えば配列番号:1に記載のPDZK1遺伝子の塩基配列、配列番号:3に記載のMCL1遺伝子、配列番号:9に記載のKCNN3遺伝子、配列番号:11に記載のMGC4365遺伝子、配列番号:13に記載のFLJ22530遺伝子、配列番号:15に記載のIRTA2遺伝子、配列番号:17に記載のFLJ23221遺伝子、配列番号:19に記載のS100A6遺伝子または配列番号:21に記載のSPAP1遺伝子の塩基配列をもとに、例えばprimer3 (HYPERLINK http://www.genome.wi.mit.edu/cgi−bin/primer/primer3.cgi )あるいはベクターNTI (Infomax 社製)を利用して設計することができる。具体的には前記本発明遺伝子の塩基配列を primer 3 またはベクターNTI のソフトウエアにかけて得られる、プライマーまたはプローブの候補配列、若しくは少なくとも該配列を一部に含む配列をプライマーまたはプローブとして使用することができる。
本発明の薬剤耐性マーカーは、上述するように連続する少なくとも15塩基の長さを有するものであればよいが、具体的にはマーカーの用途に応じて、長さを適宜選択し設定することができる。
(1−2)プローブまたはプライマーとしてのポリヌクレオチド
本発明において癌における薬剤耐性の検出(診断)は、被験者の生体組織または細胞におけるPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現の有無または発現レベル(発現量)を評価することによって行われる。この場合、上記本発明の薬剤耐性マーカーは、上記遺伝子の発現によって生じたRNAまたはそれに由来するポリヌクレオチドを特異的に認識し増幅するためのプライマーとして、または該RNAまたはそれに由来するポリヌクレオチドを特異的に検出するためのプローブとして利用することができる。
本発明薬剤耐性マーカーを癌における薬剤耐性の検出(遺伝子診断)においてプライマーとして用いる場合には、通常15bp〜100bp 、好ましくは15bp〜50bp、より好ましくは15bp〜35bpの塩基長を有するものが例示できる。また検出プローブとして用いる場合には、通常15bp〜全配列の塩基数、好ましくは15bp〜1kb 、より好ましくは100bp 〜1kb の塩基長を有するものが例示できる。
本発明の薬剤耐性マーカーは、ノーザンブロット法、RT−PCR法、in situ ハイブリダーゼーション法などといった、特定遺伝子を特異的に検出する公知の方法において、常法に従ってプライマーまたはプローブとして利用することができる。該利用によって癌におけるPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現の有無または発現レベル(発現量)を評価することができる。
測定対象試料としては、使用する検出方法の種類に応じて、被験者の生体組織の一部または細胞を採取するか、そこから常法に従って調製したtotal RNAを用いてもよいし、さらに該RNAをもとにして調製される各種のポリヌクレオチドを用いてもよい。
また、生体組織における本発明遺伝子の遺伝子発現レベルは、DNAマイクロアレイを利用して検出あるいは定量することができる。この場合、本発明の薬剤耐性マーカーは当該DNAマイクロアレイのプローブとして使用することができる(例えば、アフィメトリックス社の Gene Chip Human Genome U95 A,B,C,D,E の場合、25bpの長さのポリヌクレオチドプローブとして用いられる)。かかるDNAマイクロアレイを、生体組織から採取したRNAをもとに調製される標識DNAまたはRNAとハイブリダイズさせ、該ハイブリダイズによって形成された上記プローブ(本発明薬剤耐性マーカー)と標識DNAまたはRNAとの複合体を、該標識DNAまたはRNAの標識を指標として検出することにより、生体組織中での本発明遺伝子の発現の有無または発現レベル(発現量)が評価できる。本発明は、本発明の薬剤耐性マーカーを含む複数のポリヌクレオチドを基盤上に配置してなるDNAマイクロアレイを提供する。
上記DNAマイクロアレイは、1 種または2種以上の本発明薬剤耐性マーカーを含んでいればよい。複数の薬剤耐性マーカーを含むDNAマイクロアレイは、ひとつの生体試料について、同時に多数の薬剤耐性遺伝子の発現の有無または発現レベルの評価が可能である。
本発明の薬剤耐性マーカーは、癌における薬剤耐性の診断、検出(耐性の有無や耐性の程度の診断)に有用である。具体的には、該薬剤耐性マーカーを利用した薬剤耐性の診断は、被験者の生体組織と正常者の生体組織または治療前の被験者の生体組織とにおける本発明遺伝子の遺伝子発現レベルの違いを判定することによって行うことができる。この場合、遺伝子発現レベルの違いには、発現のある/なしの違いだけでなく、被験者の生体組織と正常者の生体組織の両者ともに発現がある場合でも、両者間の発現量の格差が1.5倍以上、好ましくは2倍以上の場合が含まれる。具体的にはPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子およびSPAP1遺伝子は癌での薬剤耐性獲得により発現が増加するので、該発現量が正常者の生体組織の発現量と比べて1.5倍以上、好ましくは2倍以上多ければ、被験者について薬剤耐性が疑われる。
(1−3 )抗体
本発明は、薬剤耐性マーカーとして、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1を特異的に認識することのできる抗体を提供する。
ここで、PDZK1としては配列番号1に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質、MCL1としては配列番号3に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質、KCNN3としては配列番号10に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質、MGC4365としては配列番号12に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質、FLJ22530としては配列番号14に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質、IRTA2としては配列番号16に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質、FLJ23221としては配列番号18に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質、S100A6としては配列番号20に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質、SPAP1としては配列番号22に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質を挙げることができる。
なお、配列番号1に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、配列番号3に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、配列番号9に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号10で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、配列番号11に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号12で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、配列番号13に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号14で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、配列番号15に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号16で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、配列番号17に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号18で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、配列番号19に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号20で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、配列番号21に示されるポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質の具体的様態としては配列番号22で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質を、例示することができる。
上記抗体は、被験者における上記タンパク質の発現の有無またはその程度を検出することによって、該被験者が薬剤耐性を獲得しているか否かまたはその耐性の程度を診断することのできるツール(薬剤耐性マーカー)として有用である。
また上記抗体は、後述の(3−2) 項に記載するような癌における薬剤耐性の予防、改善または薬剤耐性癌の治療に有用な候補物質のスクリーニングにおいて、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1のいずれかの発現変動を検出するためのスクリーニングツール(薬剤耐性マーカー)としても有用である。
本発明の抗体は、その形態に特に制限はなく、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1を免疫抗原とするポリクローナル抗体であっても、またそのモノクローナル抗体であってもよい。さらにこれら本発明タンパク質のアミノ酸配列のうち少なくとも連続する、通常8アミノ酸、好ましくは15アミノ酸、より好ましくは20アミノ酸からなるポリペプチドに対して抗原結合性を有する抗体も、本発明の抗体に含まれる。
抗体の製造方法は公知であり(Current Protocol in Molecular Biology, Chapter 11.12〜11.13(2000) )、本発明の抗体も常法に従って製造することができる。具体的には、本発明の抗体がポリクローナル抗体の場合には、常法に従って大腸菌等で発現し精製した本発明タンパク質を用いて、あるいは常法に従ってこれら本発明タンパク質の部分アミノ酸配列を有するオリゴペプチドを合成して、家兎等の非ヒト動物に免疫し、該免疫動物の血清から常法に従って得ることが可能である。一方、モノクローナル抗体の場合には、常法に従って大腸菌等で発現し精製した本発明タンパク質またはこれらタンパク質の部分アミノ酸配列を有するオリゴペプチドをマウス等の非ヒト動物に免疫し、得られた脾臓細胞と骨髄腫細胞とを細胞融合させて調製したハイブリドーマ細胞の中から得ることができる(Current protocols in Molecular Biology edit. Ausubel et al. (1987) Publish. John Wiley and Sons. Section 11.4 〜11.11 )。
抗体の作製に免疫抗原として使用される本発明タンパク質は、本発明により提供される遺伝子の配列情報(配列番号1、3、9、11、13、15、17、19、21)に基づいて、DNAクローニング、各プラスミドの構築、宿主へのトランスフェクション、形質転換体の培養および培養物からのタンパク質の回収の操作により得ることができる。これらの操作は、当業者に既知の方法、あるいは文献記載の方法(Molecular Cloning, T.Maniatis et al., CSH Laboratory (1983), DNA Cloning, DM. Glover, IRL PRESS (1985))などに準じて行うことができる。
具体的には、本発明タンパク質をコードする遺伝子が所望の宿主細胞中で発現できる組み換えDNA(発現ベクター)を作製し、これを宿主細胞に導入して形質転換し、該形質転換体を培養して、得られる培養物から、目的タンパク質を回収することによって、本発明抗体の製造のための免疫抗原としてのタンパク質を得ることができる。また、これら本発明タンパク質の部分ペプチドは、本発明により提供されるアミノ酸配列の情報(配列番号2、4、10、12、14、16、18、20、22)に従って、一般的な化学合成法(ペプチド合成)によって製造することもできる。
なお、本発明タンパク質には、配列番号2、4、10、12、14、16、18、20または22に示す各アミノ酸配列に関わるタンパク質のみならず、その相同物も包含される。該相同物としては、上記配列番号2、4、10、12、14、16、18、20または22のいずれかで示されるアミノ酸配列において、1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、且つ改変前の元のタンパク質と免疫学的に同等の活性を有するタンパク質を挙げることができる。
ここで同等の免疫学的活性を有するタンパク質としては、適当な動物あるいはその細胞において特定の免疫反応を誘発し、かつ本発明タンパク質に対する抗体と特異的に結合する能力を有するタンパク質を挙げることができる。
なお、タンパク質におけるアミノ酸の変異数や変異部位は、その免疫学的活性が保持される限り制限はない。免疫学的活性を喪失することなくアミノ酸残基が、どのように、何個置換、挿入あるいは欠失されればよいかを決定する指標は、当業者に周知のコンピュータプログラム、例えばDNA Star software を用いて見出すことができる。例えば変異数は、典型的には、全アミノ酸の10%以内であり、好ましくは全アミノ酸の5%以内であり、さらに好ましくは全アミノ酸の1%以内である。また置換されるアミノ酸は、置換後に得られるタンパク質が本発明タンパク質と同等の免疫学的活性を保持している限り、特に制限されないが、タンパク質の構造保持の観点から、残基の極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性ならびに両親媒性など、置換前のアミノ酸と似た性質を有するアミノ酸であることが好ましい。例えば、Ala 、Val 、Leu 、Ile 、Pro 、Met 、Phe およびTrp は互いに非極性アミノ酸に分類されるアミノ酸であり、Gly 、Ser 、Thr 、Cys 、Tyr 、Asn およびGln は互いに非荷電性アミノ酸に分類されるアミノ酸であり、Asp およびGlu は互いに酸性アミノ酸に分類されるアミノ酸であり、またLys 、Arg およびHis は互いに塩基性アミノ酸に分類されるアミノ酸である。ゆえに、これらを指標として同群に属するアミノ酸を適宜選択することができる。
本発明の抗体は、また、本発明タンパク質の部分アミノ酸配列を有するオリゴペプチドを用いて調製されるものであってよい。かかる抗体の製造のために用いられるオリゴ(ポリ)ペプチドは、機能的な生物活性を有することは要しないが、本発明タンパク質と同様な免疫原特性を有するものであることが望ましい。好ましくはこの免疫原特性を有し、且つ本発明タンパク質のアミノ酸配列において少なくとも連続する8アミノ酸、好ましくは15アミノ酸、より好ましくは20アミノ酸からなるオリゴ(ポリ)ペプチドを例示することができる。
かかるオリゴ(ポリ)ペプチドに対する抗体の製造は、宿主に応じて種々のアジュバントを用いて免疫学的反応を高めることによって行うこともできる。限定はされないが、そのようなアジュバントには、フロイントアジュバント、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル、ならびにリゾレシチン、プルロニックポリオル、ポリアニオン、ペプチド、油乳剤、キーホールリンペットヘモシアニンおよびジニトロフェノールのような表面活性物質、BCG(カルメット−ゲラン桿菌)やコリネバクテリウム− パルヴムなどのヒトアジュバントが含まれる。
本発明の抗体は、本発明タンパク質に特異的に結合する性質を有することから、該抗体を利用することによって、被験者の組織内に発現した上記タンパク質を特異的に検出することができる。すなわち、当該抗体は被験者の組織内におけるPDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1のタンパク発現の有無を検出するためのプローブとして有用である。
具体的には、患者の生体組織の一部をバイオプシ等で採取するか、または血液から血球成分を分離し、そこから常法に従ってタンパク質を調製して、例えばウェスタンブロット法、ELISA法など公知の検出方法において、上記抗体を常法に従ってプローブとして使用することによって、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1を検出することができる。
薬剤耐性の診断に際しては、被験者の癌組織における本発明タンパク質のいずれかと正常な組織におけるこれらのタンパク質との量の違いを判定すればよい。この場合、タンパク量の違いには、タンパク質の有無、あるいはタンパク量の違いが1.5倍以上、好ましくは2倍以上の場合が含まれる。具体的には、本発明タンパク質は薬剤耐性を獲得する際に発現が増加するので、被験者の癌組織で該遺伝子の発現産物(PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1)が存在しており、該量が正常な組織の発現産物量と比べて1.5倍以上、好ましくは2倍以上多いことが判定されれば、薬剤耐性が疑われる。
(2)薬剤耐性の検出方法(診断方法)
本発明は、前述した本発明薬剤耐性マーカーを利用した癌における薬剤耐性の検出方法(診断方法)を提供するものである。
具体的には、本発明の検出方法(診断方法)は、被験者の組織の一部をバイオプシ等で採取するか、血液から血球成分を分離し、そこに含まれる薬剤耐性に関連するPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子のいずれかの遺伝子発現レベル、およびこれらの遺伝子に由来するタンパク質(PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1)を検出し、その発現量またはそのタンパク質量を測定することにより、薬剤耐性獲得の有無またはその程度を診断するものである。また本発明の検出(診断)方法は、例えば癌患者において、薬剤耐性の改善のための処置を施した後における薬剤耐性の改善の有無またはその程度を検出(診断)することもできる。
本発明の検出方法は次の(a) 、(b) および(c) の工程を含むものである:
(a) 被験者の生体試料と本発明の薬剤耐性マーカーを接触させる工程、
(b) 生体試料中の本発明遺伝子の遺伝子発現レベルまたは本発明タンパク質のタンパク質量を、上記薬剤耐性マーカーを指標として測定する工程、
(c) (b) の結果をもとに、薬剤耐性の獲得を判断する工程。
ここで用いられる生体試料としては、具体的には、生体組織から調製されるRNA含有試料、若しくはそれからさらに調製されるポリヌクレオチドを含む試料、または生体組織から調製されるタンパク質を含む試料を挙げることができる。かかるRNA、ポリヌクレオチドまたはタンパク質を含む試料は、被験者の組織の一部をバイオプシ等で採取するか、血液から血球成分を分離し、そこから常法に従って調製することができる。
本発明の診断方法は、測定対象として用いる生体試料の種類に応じて、具体的には下記のようにして実施される。
(2−1) 測定対象の生体試料としてRNAを利用する場合
測定対象物としてRNAを利用する場合、薬剤耐性獲得の検出は、具体的に下記の工程(a) 、(b) および(c) を含む方法によって実施することができる:
(a) 被験者の生体試料から調製されたRNAまたはそれから転写された相補的ポリヌクレオチドと、前記本発明の薬剤耐性マーカー(PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の塩基配列において連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチドおよび/または該ポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチド)とを結合させる工程、
(b) 該薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドを、上記薬剤耐性マーカーを指標として測定する工程、
(c) 上記(b) の測定結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程。
この場合、本発明の検出方法(診断方法)は、該RNA中の本発明遺伝子のいずれかの発現レベルを検出し、測定することによって実施される。具体的には、本発明の検出方法(診断方法)は、本発明の薬剤耐性マーカーをプライマーまたはプローブとして用いて、ノーザンブロット法、RT−PCR法、DNAマイクロアレイ解析法、in situ ハイブリダイゼーション解析法などにより前記薬剤耐性マーカーへのRNAまたはその転写物の結合量が増大していることを指標として行うことにより実施できる。
ノーザンブロット法を利用する場合は、本発明の上記薬剤耐性マーカーをプローブとして用いることによって、RNA中の本発明遺伝子の発現の有無やその発現レベルを検出、測定することができる。具体的には、本発明の薬剤耐性マーカー(相補鎖)を放射性同位元素(32P 、33P など:RI)や蛍光物質などで標識し、それを、常法に従ってナイロンメンブレン等にトランスファーした被験者の生体組織由来のRNAとハイブリダイズさせた後、形成された薬剤耐性マーカー(DNA)とRNAとの二重鎖を、薬剤耐性マーカーの標識物(RI若しくは蛍光物質)に由来するシグナルを放射線検出器(BAS−1800II、富士フィルム社製)または蛍光検出器で検出、測定する方法を例示することができる。また、AlkPhos Direct Labelling and Detection System (Amersham PharamciaBiotech社製) を用いて、該プロトコールに従って薬剤耐性マーカー(プローブDNA)を標識し、被験者の生体組織由来のRNAとハイブリダイズさせた後、薬剤耐性マーカーの標識物に由来するシグナルをマルチバイオイメージャーSTORM860(Amersham Pharmacia Biotech社製)で検出、測定する方法を使用することもできる。
RT−PCR法を利用する場合は、本発明の上記薬剤耐性マーカーをプライマーとして用いることによって、RNA中の本発明遺伝子の発現の有無や発現レベルを検出、測定することができる。具体的には、被験者の生体組織由来のRNAから常法に従ってcDNAを調製して、これを鋳型として標的のPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の領域が増幅できるように、本発明の薬剤耐性マーカーから調製した一対のプライマー(上記cDNA(−鎖)に結合する正鎖、+鎖に結合する逆鎖)をこれとハイブリダイズさせて、常法に従ってPCR法を行い、得られた増幅二本鎖DNAを検出する方法を例示することができる。なお、増幅された二本鎖DNAの検出は、上記PCRを予め放射性同位元素や蛍光物質で標識しておいたプライマーを用いて行うことによって産生される標識二本鎖DNAを検出する方法、産生された二本鎖DNAを常法に従ってナイロンメンブレン等にトランスファーさせて、標識した薬剤耐性マーカーをプローブとして使用してこれとハイブリダイズさせて検出する方法などを用いることができる。なお、生成された標識二本鎖DNA産物はアジレント2100バイオアナライザ(横河アナリティカルシステムズ社製)などで測定することができる。また、SYBR Green RT−PCR Reagents (Applied Biosystems社製) で該プロトコールに従ってRT−PCR反応液を調製し、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System (Applied Biosystems社製) で反応させて、該反応物を検出することもできる。
DNAマイクロアレイ解析を利用する場合は、本発明の上記薬剤耐性マーカーを含む多数のDNAをプローブ(1本鎖または2本鎖)として貼り付けたDNAチップを用意し、これに被験者の生体組織由来のRNAから常法によって調製されたcRNAとハイブリダイズさせて、形成されたDNAとcRNAとの二本鎖を、本発明の薬剤耐性マーカーから調製される標識プローブと結合させて検出する方法を挙げることができる。かかる遺伝子の発現レベルを検出、測定することができるDNAチップとしては、Affymetrix社のGene Chip Human Genome U95 A, B,C, D, E を挙げることができる。
(2−2) 測定対象の生体試料としてタンパク質を用いる場合
測定対象物としてタンパク質を用いる場合は、本発明の薬剤耐性の獲得の検出方法(診断方法)は、生体試料中の本発明タンパク質を検出し、その量を測定することによって実施される。具体的には下記の工程(a) 、(b) および(c) を含む方法によって実施することができる:
(a) 被験者の生体試料から調製されたタンパク質と本発明の薬剤耐性マーカー(PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1を認識する抗体)とを結合させる工程、
(b) 該薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のタンパク質を、上記薬剤耐性マーカーを指標として測定する工程、
(c) 上記(b) の測定結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程。
より具体的には、本発明の薬剤耐性の獲得の検出方法(診断方法)は、本発明の薬剤耐性マーカーを用いて、ウエスタンブロット法などにより当該マーカーへの本発明タンパク質の結合量が増大していることを指標として行うことにより実施できる。
ウエスタンブロット法は、一次抗体として本発明マーカーを用いた後、二次抗体として125 Iなどの放射性同位元素、蛍光物質、ホースラディッシュペルオキシターゼ(HRP )などの酵素等で標識した標識抗体(一次抗体に結合する抗体)を用い、得られる標識化合物の放射性同位元素、蛍光物質などに由来するシグナルを放射線測定器(BAS−1800II:富士フィルム社製など)、蛍光検出器などで検出し、測定することによって実施できる。また、一次抗体として本発明薬剤耐性マーカーを用いた後、ECL Plus Western Blotting Detection System (アマシャム ファルマシアバイオテク社製) を用いて、該プロトコールに従って検出し、マルチバイオイメージャーSTORM860( アマシャム ファルマシアバイオテク社製) で測定することもできる。
また、本発明マーカーを含む多数の抗体をプローブとして貼り付けたプロテインチップを用意し、これに被験者の生体組織由来のタンパク質を接触させて、形成された抗体とタンパク質(抗原)との複合体を検出する方法を挙げることができる。
本発明は、前記プロテインチップを提供する。かかるプロテインチップとしては、Ciphergen 社のバイオロジカルチップなどを挙げることができる。
(3)候補薬のスクリーニング方法
(3−1) 遺伝子発現レベルを指標とするスクリーニング方法
本発明は、PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現を抑制する物質のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法は次の工程(a) 、(b) および(c) を含む:
(a) 被験物質と本発明遺伝子を発現可能な細胞とを接触させる工程、
(b) 被験物質を接触させた細胞における本発明遺伝子の発現量を測定し、該発現量を被験物質を接触させない対照細胞における上記に対応する遺伝子の発現量と比較する工程、
(c) 上記(b) の比較結果に基づいて、本発明遺伝子の発現量を減少させる被験物質を選択する工程。
かかるスクリーニングに用いられる細胞としては、内在性および外来性を問わず、本発明遺伝子を発現する培養細胞全般を挙げることができる。培養細胞においてこれら本発明遺伝子が発現しているか否かは、公知のノーザンブロット法やRT−PCR法にてこれらの遺伝子発現を検出することにより、容易に確認することができる。
具体的には、例えば癌患者より単離、調製した生体組織や血球由来の細胞、または本発明遺伝子のいずれかを導入した細胞等を挙げることができる。
前記遺伝子導入細胞としては、通常遺伝子導入に用いられる宿主細胞、すなわちCOP 、L 、C127、Sp2/0 、NS−1、NIH3T3、ST2 等のマウス由来細胞、ラット由来細胞、BHK 、CHO 等のハムスター由来細胞、COS1、COS3、COS7、CV1 、Vero等のサル由来細胞、HeLa、293 等のヒト由来細胞、およびSf9 、Sf21、High Five 等の昆虫由来細胞などが例示される。
さらに、本発明のスクリーニング方法に用いられる細胞には、細胞の集合体である組織なども含まれる。
本発明のスクリーニング方法によってスクリーニングされる被験物質(候補物質)は、制限されないが、核酸(本発明のアンチセンスヌクレオチドおよび二本鎖RNAを含む)、ペプチド、タンパク質、有機化合物、無機化合物などであり、本発明スクリーニングは、具体的にはこれらの被験物質またはこれらを含む試料(被験試料)を上記細胞および/または組織と接触させることにより行われる。かかる被験試料としては、被験物質を含む細胞抽出液、遺伝子ライブラリーの発現産物、合成低分子化合物、合成ペプチド、天然化合物などが挙げられるが、これらに制限されない。
また本発明スクリーニングに際して、被験物質と細胞とを接触させる条件は、特に制限されないが、該細胞が死滅せず且つ本発明遺伝子を発現できる培養条件(温度、pH、培地組成など)を選択するのが好ましい。
このスクリーニング方法によって、薬剤耐性を薬剤感受性にする候補物質を提供することができる。
候補物質の選別は、具体的には本発明遺伝子が発現している細胞を用いる場合は、被験物質(候補物質)を添加した細胞における前記本発明遺伝子の発現レベルが、被験物質(候補物質)を添加しない細胞のそのレベルに比して低くなることをもって行うことができる。
このような本発明のスクリーニング方法における遺伝子発現レベルの検出および定量は、前記細胞から調製したRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドと本発明の薬剤耐性マーカーとを用いて、前記(2−1) 項に記述したように、ノーザンブロット法、RT−PCR法など公知の方法、あるいはDNAマイクロアレイを利用する方法に従って実施できる。指標とする遺伝子発現レベルの低下(抑制、減少)の程度は、被験物質(候補物質)を接触させた細胞における本発明遺伝子の発現が、被験物質(候補物質)を接触させない対照細胞における発現量と比較して10%、好ましくは30%、特に好ましくは50%以上の低下(抑制、減少)を例示することができる。
また本発明遺伝子の発現レベルの検出および定量は、これら本発明遺伝子の発現を制御する遺伝子領域(発現制御領域)に、例えばルシフェラーゼ遺伝子などの発現マーカー遺伝子をつないだ融合遺伝子を導入した細胞株を用いて、発現マーカー遺伝子由来のタンパク質の活性を測定することによっても実施できる。本発明のPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子のいずれかの発現抑制物質のスクリーニング方法には、かかる発現マーカー遺伝子の発現量を指標として標的物質を探索する方法も包含されるものであり、この意味において、前記「PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子」の概念には、これら本発明遺伝子の発現制御領域と発現マーカー遺伝子などとの融合遺伝子が含まれる。
なお、上記発現マーカー遺伝子としては、発光反応や呈色反応を触媒する酵素の構造遺伝子が好ましい。具体的には、上記のルシフェラーゼ遺伝子のほか、分泌型アルカリフォスファターゼ遺伝子、クロラムフェニコール・アセチルトランスフェラーゼ遺伝子、βグルクロニダーゼ遺伝子、βガラクトシダーゼ遺伝子、およびエクオリン遺伝子などのレポーター遺伝子が例示できる。
ここで前記本発明遺伝子の発現制御領域は、例えば該遺伝子の転写開始部位上流約1kb、好ましくは約2kb を用いることができる。
融合遺伝子の作成、および発現マーカー遺伝子由来の活性測定は公知の方法で行うことができる。
本発明のスクリーニング方法により選別される物質は、本発明遺伝子の遺伝子発現抑制剤として位置づけることができる。これらの物質が有する本発明遺伝子に対する発現抑制作用は、癌の薬剤耐性を含む癌の悪性度に深く関わっているものと考えられる。よってこれらの物質は、癌を緩和または抑制(改善、治療)する薬物の有力な候補物質となる。
(3−2)タンパク質の発現量を指標とするスクリーニング方法
本発明は、PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1のいずれかの発現を抑制する(減少させる)物質をスクリーニングする方法を提供する。
本発明スクリーニング方法は、次の工程(a) 、(b) および(c) を含む:
(a) 被験物質と本発明タンパク質のいずれかを発現可能な細胞とを接触させる工程、
(b) 被験物質を接触させた細胞における本発明タンパク質の発現量を測定し、該発現量を被験物質を接触させない対照細胞における上記に対応するタンパク質の発現量と比較する工程、
(c) 上記(b)の比較結果に基づいて、本発明タンパク質の発現量を減少させる被験物質を選択する工程。
本発明スクリーニングに用いられる細胞は、内在性および外来性を問わず、本発明遺伝子を発現し、発現産物としての本発明タンパク質を有する培養細胞全般を挙げることができる。ここで本発明タンパク質の発現は、遺伝子産物であるタンパク質を公知のウエスタンブロット法にて検出することにより、容易に確認することができる。該細胞としては、具体的には、前記(3−1)に記載した細胞が挙げられる。また当該細胞の範疇には、その細胞膜画分、細胞質画分、細胞核画分なども含まれる。
本発明スクリーニング方法によってスクリーニングされる被験物質(候補物質)は、制限されないが、核酸(本発明のアンチセンスヌクレオチドおよび二本鎖RNAを含む)、ペプチド、タンパク質、有機化合物、無機化合物などであり、本発明スクリーニングは、具体的にはこれらの被験物質またはこれらを含む試料(被験試料)を上記細胞や細胞膜画分と接触させることにより行われる。かかる被験試料としては、被験物質を含む細胞抽出液、遺伝子ライブラリーの発現産物、合成低分子化合物、合成ペプチド、天然化合物などが挙げられるが、これらに制限されない。
本発明のスクリーニング方法は、本発明タンパク質の発現量を低下させる物質を探索することによって、癌の薬剤耐性を含む癌の悪性度を緩和または抑制(改善、治療)する候補物質を提供するものである。
本発明のスクリーニング方法により選別される物質は、本発明タンパク質の発現抑制剤として位置づけることができる。これらの物質が有する本発明タンパク質に対する発現抑制作用は、癌の薬剤耐性を含む癌の悪性度に深く関わっているものと考えられる。よってこれらの物質は、癌の悪性度を緩和または抑制(改善、治療)する薬物の有力な候補物質となる。
候補物質の選別は、具体的にはPDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1を発現産生している細胞を用いる場合は、被験物質(候補物質)を添加した細胞における前記本発明タンパク質のタンパク量(レベル)が、被験物質(候補物質)を添加しない細胞のその量(レベル)に比して低くなることを指標として行うことができる。
本発明のスクリーニング方法にかかる本発明タンパク質の産生量は、前述したように、例えば本発明薬剤耐性マーカーなどの抗体を用いたウエスタンブロット法などの公知方法に従って定量できる。
(3−3) タンパク質の機能(活性)を指標とするスクリーニング方法
本発明は、本発明タンパク質の過剰発現に基づく細胞の薬剤耐性を低減する物質をスクリーニングする方法を提供する。本発明のスクリーニング方法は次の工程(a) 、(b) および(c) を含む:
(a) 被験物質および薬剤と、本発明タンパク質を過剰発現する細胞とを接触させる工程、
(b) 上記(a)の工程に起因して生じる細胞の薬剤耐性度を測定し、被験物質を接触させない場合の上記(a)の細胞の薬剤耐性度と比較する工程、
(c) 上記(b)の比較結果に基づいて、上記(a)の細胞の薬剤耐性を低減させる被験物質を選択する工程。
また、本発明のスクリーニング方法に用いられる細胞としては、内在性および外来性を問わず、本発明タンパク質を過剰発現する細胞を挙げることができる。該細胞としては、具体的には、前記(3−1)項に記載した細胞の中から本発明タンパク質を高発現する細胞を選択して用いることができる。
薬剤耐性/感受性に用いる薬剤としては、癌の化学療法に用いられる薬剤が制限なく用いられるが、例えば、メルファラン(MEL) 、シスプラチン(cDDP)、ビンクリスチン(VCR) 、デキサメタゾン(DEX) 、アドリアマイシン(ADM) 、ミトザントロン(MIT) 、ダウノルビシン(DNR) 、およびサリドマイド(THAL)などが挙げられる。MMの薬剤耐性に関しては、メルファラン(MEL) 、シスプラチン(cDDP)、ビンクリスチン(VCR) 、およびデキサメタゾン(DEX) などが好ましい。前記薬剤は、市販品を好適に使用することができる。
本発明のスクリーニング方法は、本発明タンパク質の過剰発現に基づく細胞の薬剤耐性を低減させる物質を探索することによって、癌の薬剤耐性を含む癌の悪性度を緩和または抑制(改善、治療)する候補物質を提供するものである。
候補物質の選別は、具体的には本発明タンパク質を発現し、前記いずれかの薬剤に対する耐性を獲得している細胞を用いて、被験物質(候補物質)と耐性薬剤とを添加した細胞の生存能が、被験物質(候補物質)を添加せずに耐性薬剤を添加した細胞の生存能に比して低くなることを指標として行うことができる。
前記細胞の生存能は、MTTアッセイなどの公知の方法により調べることができる。MTTアッセイは、実施例に詳細に記載されている。
本発明スクリーニング方法によってスクリーニングされる被験物質(候補物質) は、制限されないが、核酸、ペプチド、蛋白質(PDZK1、MCL1、KCNN3、MGC4365、FLJ22530、IRTA2、FLJ23221、S100A6またはSPAP1に対する抗体を含む)、有機化合物、無機化合物などであり、本発明スクリーニングは、具体的にはこれらの被験物質またはこれらを含む試料(被験試料) を上記細胞と接触させることにより行われる。被験試料としては、被験物質を含む、細胞抽出液、遺伝子ライブラリーの発現産物、合成低分子化合物、合成ペプチド、天然化合物などが挙げられるが、これらに制限されない。
本発明は、本発明遺伝子の増幅に起因する薬剤耐性を示す癌において本発明遺伝子の発現を抑制するアンチセンスヌクレオチドを提供する。前記アンチセンスヌクレオチドは、例えば、PDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の少なくとも8塩基以上の部分に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチド、アンチセンスRNA、アンチセンスDNAなどが含まれる。具体的には、配列番号:1 、3、9、11、13、15、17、19または21のいずれかに記載の塩基配列の少なくとも8塩基以上の部分に対応するアンチセンスオリゴヌクレオチド、アンチセンスRNA、アンチセンスDNAなどが含まれる。
また、前記アンチセンスヌクレオチドには化学修飾体を含んでもよく、当該化学修飾体としては例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホトリエステル、アルキルホスホナート、アルキルホスホアミデートなどの、細胞内への移行性または細胞内での安定性を高め得る誘導体("Antisense RNA and DNA" WILEY−LISS刊、1992年、pp.1−50 、J. Med. Chem. 36, 1923−1937(1993) )が含まれる。これらは常法に従い合成することもできるし、市販品を好適に使用することもできる。
アンチセンスヌクレオチドの長さは目的に応じて適宜設定することができ、含まれる化学修飾体の数も適宜設定することができる。遺伝子の発現の抑制のためには、通常8〜200塩基程度である。
アンチセンスヌクレオチドは、細胞内でセンス鎖mRNAに結合して、目的遺伝子の発現、即ちPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現を抑制することができる。
本発明は、本発明遺伝子の増幅に起因する薬剤耐性を示す癌において本発明遺伝子の発現を抑制する二本鎖RNAを提供する。
前記二本鎖RNAは、RNAi(interference) ともいわれるものであり、前記アンチセンスヌクレオチドと同等以上の発現抑制効果を有するものである。
前記二本鎖RNAは、例えば、Tuschl Tら、Genes Dev, 1999, 13(24):3191−3197 に記載の方法に従って選択することができる。具体的には、PDZK1遺伝子(配列番号:1)、MCL1遺伝子(配列番号:3)、KCNN3遺伝子(配列番号:9)、MGC4365遺伝子(配列番号:11)、FLJ22530遺伝子(配列番号:13)、IRTA2遺伝子(配列番号:15)、FLJ23221遺伝子(配列番号:17)、S100A6遺伝子(配列番号:19)またはSPAP1遺伝子(配列番号:21)のいずれかに記載の塩基配列の開始コドンの50から100ヌクレオチド下流の領域を選択する。次に、選択した領域からAA(N19)TT またはAA(N21) となる配列を探し、その配列のGC含量を計算する。GC含量は、少なくとも30% から70% の間になるものを選択する。このような基準で選択した配列が特定の遺伝子のみをターゲットとして負活性化するかを、BLAST(例えばNCBIのEST データベース) 検索で確認する。
二本鎖RNAは、細胞内でmRNAに結合して、目的遺伝子の発現、即ちPDZK1遺伝子、MCL1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、S100A6遺伝子またはSPAP1遺伝子の発現を抑制することができる。
本発明のアンチセンスヌクレオチドまたは二本鎖RNAは、本発明遺伝子の発現抑制作用を通じて、これら遺伝子の増幅に起因する癌の薬剤耐性を低減する効果を有する。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
[多発性骨髄腫の細胞株および臨床検体]
ヒト多発性骨髄腫(MM)細胞株37種はすべて、臨床検体から樹立したものであり、10%ウシ胎児血清を補足したRPMI−1640培地で維持した。29名の別々の患者から採取したMM臨床検体は、各患者からの書面によるインフォームドコンセントを添付して、大学の倫理委員会の承認を得た後に川崎医科大学病院より供与された。臨床検体は、4.7〜87.0%(平均48.9%)の腫瘍細胞を含んでいた。
[CGH解析]
CGH(comparative genomic Hybridization)は、Kallioniemi らの方法(Science, 258: 818−821, 1992) を多少変更した方法(Genes Chromosomes Cancer, 29: 315−324, 2000 )により、蛍光色素標識DNAを直接用いて行った。すなわち、腫瘍細胞由来のDNAおよび正常細胞由来のDNAを、ニックトランスレーションによりそれぞれSpectrum Green−dUTP および Spectrum Orange−dUTP (Vysis社) で標識した。標識した腫瘍DNAおよび正常DNAを10μg のCot−1 DNAとともに変性させ、正常オス分裂中期染色体塗抹標本とハイブリダイズさせた。前記標本のスライドを洗浄し、4',6'−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)で対比染色した。CGHプロファイルでのシフトは、閾値が少なくとも1.2および0.8に達した場合にそれぞれ増加および減少として評価した。また、蛍光比が1.5を越えた場合は、過剰表示を高レベル増加(HLG)とみなした。
[CGH解析の結果]
CGHにより検出されたMM細胞株におけるDNAコピー数の異常
図1に、37種のMM細胞株で観察された遺伝子変化の概観を示す。すべての細胞株で、検出可能なコピー数の異常が示された。細胞株当たり異常の平均数は9.3 (範囲、 1 to 23) であり、増加および減少の平均数はそれぞれ 5.6(範囲、 0 to 14) および3.8 (範囲、 0 to 11) であった。最も高頻度に含まれる増加領域の共通最小領域は、1q12−q23 (37中31, 83.8%), 7q31−q36 (37中13, 35.1%), 18q21−q23 (37 中11, 29.7%), 8q23−q24 (37中10, 27.0%), 19p (37 中9, 24.3%) および16p12.1−p12.2 (37 中8, 21.6%) であった。一方、減少領域の共通最小領域は、13q14−q32 (37 中25, 67.6%), 14q21−q24 (37 中17, 45.9%), 4pおよび4q (各37中10, 27.0%)ならびに6q22−q23 (37中8, 21.6%) であった (図1,表2)。 HLGの最小領域は、 1q12−q21 (37 中11, 29.7%), 7q31−q32および8q23−q24 (各37中4, 10.8% )で見出された (表1) 。
[FISH解析]
分裂中期染色体の標本スライドを調製し、FISH実験に用いた(Genes Chromosomes Cancer, 29: 315−324, 2000 、J. Hum. Genet., 43: 187−190, 1998 )。対象とする領域内の各細菌人工染色体(BAC)の位置は、国立バイオテクノロジーインフォメーションセンター(NCBI,http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)により格納された情報に従い、正常な分裂中期染色体を用いたFISHの結果に応じて確認または修正した。プローブは、ニックトランスレーションによりビオチン−16−またはジゴキシゲニン−11−dUTP( ロシュダイアグノスティックス社) で標識した。染色体インサイチュサプレッションハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションシグナルの蛍光検出は、上記文献に記載のように行った。対象とする領域のコピー数と分子構成は、分裂中期染色体と間期染色体の両方に観察されたハイブリダイゼーションパターンにしたがって評価した。
[FISH解析の結果]
FISHによるMM細胞株における1q12−q21のアンプリコンの定義付け
前記CGH解析でのHLGである1q12−q21の増幅領域は、最も頻度が高い最小領域であったので、さらにこの領域について集中的に調べた。 1q12−q21 のアンプリコンのマップを詳細に描くため、CGH解析で最高強度かつ最小領域の顕著な増加コピー数をもつ3 種類のMM細胞株(AMO1, KMS−11 および KM−5)でFISH解析を行った(図1, 2A)。FISH解析のため、1q21−1q23 領域を包含する26の BACおよび1q12用プローブとして pUC1.77を選択した(図2B,C) 。12のBAC (640M16, 315I20, 373C9, 300L20, 94I2, 565E6, 47D6, 325P15, 301M17, 91G11, 763B22および54A4) は、AMO1細胞株で15コピーもの高コピーシグナルを産生した (図2B,C)。前記と同じ細胞株において、325P15と301M17の間に位置する 3つの BAC (337C18, 533N14, および123P3)が 9コピーであったことに注目すべきである(図2B,C) 。別の2 種類の細胞株(KMS−11 および KM−5)では、pUC1.77 と26N3 (KMS−11) 、およびpUC1.77 と138F3 (KM−5)間で一定のコピー数を示す大きな( 約25 Mb)増幅領域が観察された (図2C)。このようにして、本発明者らは、2 つの共通する影響を受けた領域 (重複最小領域, SRO) を定義した。SROは、1q12のpUC1.77 と337C18の間の約2 Mbのアンプリコンと、123P3 と188M11の間の 1.5 Mb のアンプリコンであり、PDZK1とMCL1を保持する領域である (図2) 。MM患者でのFISH解析により、すべてがアンバランス( 転座または重複) である1q切断と 1q 転位を伴う1q12領域での切断が 89%の症例で観察され、その結果症例の大半で異常なヘテロクロマチン/真正染色質連結と1qマテリアルの増加を生じさせることがわかった(Genes Chromosomes Cancer, 32: 250−264, 2001) 。これらの知見と一致して、19細胞株の内の4 つ(AMO1, KM7, KMS11 およびKMS20)(21.0 %)で、1q12−q21領域の切断により形成された派生染色体のタンデム重複が観察され、その詳細な分裂中期染色体は、詳細なFISH解析に利用可能である (図2B, 3A) 。
実施例1
MM細胞株におけるリアルタイム定量ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
mRNAの発現レベルとゲノムDNAのコピー数の定量は、リアルタイム蛍光検出法を用いて行った(Biotechniques, 22: 130−138, 1997 、Br. J. Haematol., 111: 618−625 2000 、Jpn. J. Cancer Res., 93: 1114−1122, 2002) 。一本鎖相補的DNA(cDNA) は、SuperScript TM First−Strand Synthesis System( インビトロジェン社) を用いて製造者の指示に従い、MM細胞株の全RNAから作出した。リアルタイム定量PCRは、SYBR GreenとLightCycler(ロシュダイアグノスティックス社) を用いて製造者の指示に従って行った。PDZK1遺伝子とMCL1遺伝子に対するプライマー配列は、必要に応じて合成した。グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子(GAPDH)をmRNA発現レベルの内在性対照とした。各試料中の各遺伝子のmRNA発現レベルは、対応するGAPDHレベルに基づいて標準化し、相対的発現レベルとして記録した。一方、β−グロビン(HBB)は、ゲノムDNAコピー数の解析の内在性対照とした。各腫瘍試料中の各ゲノムのコピー数は、対応するHBB値で除することにより標準化し、コピー数比として記録した。各試料につき、二連のPCR増幅を行った。
[結果:MM細胞株でのPDZK1およびMCL1の増幅と過剰発現]
1q21近傍での局所的増加/ 増幅は種々の腫瘍での転移表現型または化学療法耐性と関連していることが報告されている。したがって、前記アンプリコン内に位置する標的遺伝子は、そのコピー数が増加することにより活性化され、MMにおける化学療法剤耐性および/またはその他のアポトース性刺激耐性などの悪性表現型に関与しうる。
細胞の薬剤耐性に寄与すると思われる2つの候補遺伝子PDZK1およびMCL1は、NCBIデータベースと文献(Blood, 99: 1885−1893, 2002 、Blood, 100: 194−199, 2002 、Lab. Invest., 79: 1161−1170, 1999)の検索により明らかになった。PDZK1およびMCL1が増幅の別箇の標的であるかどうかを決定するために、MM細胞株におけるこれらの遺伝子の増幅状態と発現レベルを調べた。図3Aに示すように、遺伝子特異的BAC (PDZK1 に対して373C9 、MCL1に対して54A4) を用いたFISHにより決定したPDZK1およびMCL1のコピー数は、それぞれリアルタイム定量PCRにより決定された発現レベルと正に相関していた。PDZK1およびMCL1の増幅を伴う4 つの細胞株 (AMO1, KMS−11, KMS−21BM, および KM−5)は、増幅を伴わない細胞株(KMS−34, KMS−12PE, U266, KMS−12BM,およびKM−6) に比べて前記遺伝子の発現レベルが高かった。
実施例2
MM臨床検体におけるリアルタイム定量PCR
実施例1と同様にして、MMの臨床検体におけるPDZK1およびMCL1遺伝子のDNAコピー数を、29名の患者から得られたゲノムDNAを用いるリアルタイム定量PCRにより調べた。まず、二倍体のコピー数の正常コントロールとして、5 名の健常ボランティア由来のDNAで、HBBで標準化した各遺伝子のコピー数比を決定した。増幅の有無で症例を分けるために、正常コントロールでの各遺伝子のコピー数比の平均+2SDをカットオフ比として用いた。臨床検体は、4.7 〜87.0% (平均48.9%)の腫瘍細胞しか含んでいなかったけれども、図3Bに示すように、PDZK1遺伝子の増幅は、26症例中9 例で検出された(34%) 。同様の結果が MCL1遺伝子でも得られた(データは示さず) 。リアルタイム定量PCRにより決定されたKMS−11細胞株のコピー数比は、症例18のもの(コピー数比=4.08) と同様であったことが注目に値する。というのは、この症例から KMS−11 細胞株が樹立されているからである (図3B)。この結果により、PCRに基づく方法は、定量的にゲノムのコピー数の変化を評価することができ、この領域の増幅は細胞株の樹立中または樹立後に獲得された人為的なものではないことを意味する。
実施例3
薬剤感受性の評価およびアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)処理の効果
メルファラン(MEL) 、シスプラチン(cDDP)、ビンクリスチン(VCR) 、デキサメタゾン(DEX) 、アドリアマイシン(ADM) 、ミトザントロン(MIT) 、ダウノルビシン(DNR) 、およびサリドマイド(THAL)は、シグマ社から購入した。前記化学療法剤/細胞傷害剤で誘導した細胞死に対する各MM細胞株の感受性は、マイクロタイタープレートでの比色アッセイ(Cell−counting kit−8; ドウジンドウラボラトリーズ社) により評価した。前記アッセイは、生細胞がテトラゾリウム塩(WST−8) を開裂して水溶性ホルマザンにする能力を測定するものである。すなわち、96ウエル中の3 ×104 個のMM細胞を様々な濃度の前記薬剤に48時間暴露した。WST−8 を培養終了の2 時間前に添加し、マイクロプレートリーダー(Benchmark; バイオラッドラボラトリーズ社) を用いて450nm での吸光度を測定した。実験を3 回繰り返し、各回毎に3 連で行った。
アンチセンス実験は、Hepatology, 35: 1476−1484, 2002 に記載の方法に準じて行った。すなわち、ホスホロチオエート骨格を含むオリゴヌクレオチド( オリゴヌクレオチドホスホロチオエート;エスペックオリゴサービス社) を下記の配列のように合成した。
PDZK1−AS; 5 '−CTGTACCTCTTTGATGAATG−3 ' ( PDZK1 cDNA ヌクレオチド 1308−1327のアンチセンス方向, GenBank accession number NM 002614) (配列番号5)
PDZK1−SC; 5 '−GTAAGTAGTTTCTCCATGTC−3 ' ( PDZK1−AS1に対するスクランブルコントロール) (配列番号6)
MCL1−AS; 5'−CATCCCAGCCTCTTTGTTTA−3 ' (MCL1 cDNA ヌクレオチドのアンチセンス方向, GenBank Accession number AF147742)(配列番号7)
MCL1−SC; 5'−ATTTGTTTCTCCGACCCTAC−3 ' (MCL1−AS1に対するスクランブルコントロール) (配列番号8)。
前記オリゴヌクレオチドを、OligofectamineTM( インビトロジェン社) を用いて製造者の指示に従って細胞に送達した。前記オリゴヌクレオチドのトランスフェクション後24時間目に、前記化学療法剤での処理を開始し、処理後48時間( トランスフェクション後72時間) 目に、前記比色法で生細胞の数を評価した。実験を2 回繰り返し、各回毎に3 連で行った。
[結果]
PDZK1およびMCL1の増幅と過剰発現を有する細胞株AMO1および KMS−11 は、増幅と過剰発現のないKMS−34および KMS−12PE と比べて、MEL, cDDP,およびVCR の細胞傷害性作用に対してより耐性であった (図4A)。一方、前記4 種の細胞株はすべて、DEX, ADM, MIT, DNRおよびTHALに対しては過剰発現と感受性との間の相関が低かった(図4A)。
PDZK1および/またはMCL1がMM細胞株において化学療法剤誘導性細胞死に対する耐性に応答可能かどうかを試験するため、アンチセンス技術を用いて1q12−q21増幅を有するMM細胞株で前記遺伝子のダウンレギュレーションの効果を調べた。KMS−11細胞に送達したPDZK1に対するASOは、この遺伝子のmRNA発現を効果的に抑制した(図4B) が、対照オリゴヌクレオチド (PDZK1−SC) はPDZK1の発現レベルに影響を与えなかった。MCL1に対するASOも同様の効果を示した (データ示さず) 。 PDZK1−AS−処理した KMS−11 細胞は、PDZK1−SC− または Oligofectamine TM 単独− (mock−) 処理細胞に比べて、MEL−, cDDP−,または VCR− 誘導性細胞死に対してより感受性が高かった(図4C) 。このことは、増幅により活性化されたPDZK1は、MM細胞において薬剤耐性に応答可能な分子の少なくとも1 つであることを意味する。他方、MCL1に対するASOは、KMS−11細胞において、DEX に対する感受性を高める効果を示した(データ示さず) 。
実施例4
前記CGH解析でのHLGである1q12−q21の増幅領域を含む1q12−q22について、MM細胞株において遺伝子増幅による発現亢進を示す他の遺伝子群を検索するため、DNAマイクロアレイを用いた遺伝子の発現解析を行なった。
用いたDNAマイクロアレイは、 AceGeneTM Human Oligo chip 30K(日立ソフトウェアエンジニアリング社製) であり、ヒト遺伝子をほぼ網羅する30,000遺伝子に対応するオリゴヌクレオチドを搭載したものである。添付のプロトコルにしたがって、実験を行なった。前記FISH解析の結果1q12−q21の増幅領域で高コピー数を示した2 つの細胞株(AMO1 およびKMS−11) を培養し、それぞれ5 ×107 個の細胞からISOGENTM (日本ジーン社製) を用いて150 μgのtotalRNAを調製した。コントロールとして、正常B細胞株(LCL) から同様にしてtotalRNAを調製した。得られたtotalRNAをオリゴdTプライマーと混合し、逆転写反応によりアミノアリル−dUTP を取り込んだcDNAを合成し、次いでカップリング反応によりCyDye で標識し、標的DNAを調製した。標識した標的DNAを用いてDNAチップ上でハイブリダイゼーションし、洗浄後蛍光を検出し、蛍光強度を数値化した。高レベルのコピー数を有する1q12−q21領域の遺伝子発現のプロファイルを表3に示す。
表3より、2 つの細胞株AMO1およびKMS−11で共に高レベルのコピー数を有する遺伝子群(PDZK1遺伝子、KCNN3遺伝子、MGC4365遺伝子、FLJ22530遺伝子、IRTA2遺伝子、FLJ23221遺伝子、PDZK1遺伝子、S100A6遺伝子、SPAP1遺伝子) を見出した。PDZK1遺伝子は、前記FISH解析およびリアルタイムPCRでその発現亢進がすでに確認されており、このことから、DNAマイクロアレイでの解析により遺伝子増幅に基づく発現亢進を示す遺伝子を網羅的に検出することができることが確認された。
配列表テキスト

Claims (17)

  1. MCL1遺伝子の塩基配列において、連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドと、PDZK1の塩基配列において、連続する少なくとも15塩基を有するポリヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドとからなる、メルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性マーカー。
  2. 固形癌の薬剤耐性の検出用プローブまたはプライマーとして使用される、請求項1記載の薬剤耐性マーカー。
  3. 非固形癌の薬剤耐性の検出用プローブまたはプライマーとして使用される、請求項1記載の薬剤耐性マーカー。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の薬剤耐性マーカーを含む複数のポリヌクレオチドを基盤上に配置してなる、メルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性を検出するためのDNAマイクロアレイ。
  5. 下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、メルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性の検出方法:
    (a)被験者の生体試料から調製されたRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドと請求項1〜3いずれか記載の薬剤耐性マーカーとを結合させる工程、
    (b)該薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドを、上記薬剤耐性マーカーを指標として測定する工程、
    (c)上記(b)の測定結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程。
  6. 下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、メルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性の検出方法:
    (a)被験者の生体試料から調製されたRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドと請求項4に記載のDNAマイクロアレイとを接触させる工程、
    (b)該マイクロアレイの基盤上の薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のRNAまたは該RNAから転写された相補的ポリヌクレオチドを検出する工程、(c)上記(b)の検出結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程。
  7. 工程(c)における薬剤耐性の獲得の判断が、被験者について得られる測定結果を正常者または治療前の被験者について得られる測定結果と対比して、薬剤耐性マーカーへの結合量が増大していることを指標として行われる、請求項5または6に記載の薬剤耐性の検出方法。
  8. MCL1を認識する抗体及びPDZK1を認識する抗体を含有する、メルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性マーカー。
  9. 固形癌における薬剤耐性の検出においてプローブとして使用される請求項8記載の薬剤耐性マーカー。
  10. 非固形癌における薬剤耐性の検出においてプローブとして使用される請求項8記載の薬剤耐性マーカー。
  11. 請求項8〜10いずれか記載の薬剤耐性マーカーを含む複数の抗体を基盤上に配置してなる、メルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性を検出するためのプロテインチップ。
  12. 下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、メルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性の検出方法:
    (a)被験者の生体試料から調製されたタンパク質と請求項8〜10いずれに記載の薬剤耐性マーカーとを結合させる工程、
    (b)該薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のタンパク質を、上記薬剤耐性マーカーを指標として測定する工程、
    (c)上記(b)の測定結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程。
  13. 下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、メルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性の検出方法:
    (a)被験者の生体試料から調製されたタンパク質と請求項11に記載のプロテインチップとを接触させる工程、
    (b)該プロテインチップの基盤上の薬剤耐性マーカーに結合した生体試料由来のタンパク質を検出する工程、
    (c)上記(b)の測定結果に基づいて、薬剤耐性の獲得を判断する工程。
  14. 工程(c)における薬剤耐性の獲得の判断が、被験者について得られる測定結果を正常者または治療前の被験者について得られる測定結果と対比して、薬剤耐性マーカーへの結合量が増大していることを指標として行われる請求項12または13記載の薬剤耐性の検出方法。
  15. 下記の工程(a)、(b)および(c)を含む、MCL1及びPDZK1の過剰発現に基づくメルファラン(MEL)、シスプラチン(cDDP)又はビンクリスチン(VCR)から選ばれる細胞の癌の化学療法に用いられる薬剤に対する薬剤耐性を低減する物質のスクリーニング方法:
    (a) 被験物質および薬剤と、MCL1及びPDZK1を過剰発現する細胞とを接触させる工程、
    (b) 上記(a)の工程に起因して生じる細胞の薬剤耐性度を測定し、被験物質を接触させない場合の上記(a)の細胞の薬剤耐性度と比較する工程、
    (c) 上記(b)の比較結果に基づいて、上記(a)の細胞の薬剤耐性を低減させる被験物質を選択する工程。
  16. 固形癌における薬剤耐性を低減する成分を探索するための方法である、請求項15に記載のスクリーニング方法。
  17. 非固形癌における薬剤耐性を低減させる成分を探索するための方法である、請求項15に記載のスクリーニング方法。
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