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JP5055711B2 - 有機el素子の製造方法、有機el素子 - Google Patents

有機el素子の製造方法、有機el素子 Download PDF

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Description

本発明は、面光源やディスプレイパネル等として利用される有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)素子の製造方法及びこの方法で作製された有機EL素子に関する。
近年、有機物質を使用した有機EL素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視されており、活発な研究開発が進められている。有機EL素子は、基板上に形成された第1電極(陽極又は陰極)と、その上に積層された有機発光物質を含有する有機化合物層(単層部又は多層部)即ち発光層と、この発光層上に積層された第2電極(陰極又は陽極)とを有する薄膜型の素子である。この様な有機EL素子に電圧を印加すると、有機化合物層に陰極から電子が注入され陽極から正孔が注入される。この電子と正孔が発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出することにより発光が得られることが知られている。
この様に、有機EL素子は薄膜型の素子であるため、1個又は複数個の有機EL素子を基板上に形成した有機ELパネルをバックライト等の面光源として利用した場合には、面光源を備えた装置を容易に薄型にすることが出来る。又、画素としての有機EL素子を基板上に所定個数形成した有機ELパネルをディスプレイパネルとして用いて表示装置を構成した場合には視認性が高い、視野角依存性がないなど、液晶表示装置では得られない利点がある。
一方、有機EL素子の有機化合物層を形成する際には、特開平9−102393号公報、特開2002−170676号公報に記載されている様に、蒸着法、スパッタ法、CVD、PVD、溶剤を用いた塗布法等の様々な方法が使用出来るが、これらの方法の中で、製造工程の簡略化、製造コストの低減、加工性の改善、バックライトや照明光源等のフレキシブルな大面積素子への応用等の観点からは塗布法等の湿式成膜法が有利であることが知られている。例えば、特開2002−170676号公報に枚葉のガラス基板上にスピンコート法により有機化合物層を形成する方法が記載されている。特開2003−142260号公報に枚葉の基板上にインクジェット方式で順次有機化合物層を形成する方法が記載されている。これらの方式は何れも基板として枚葉基板を使用しているため大面積フルカラー表示素子を作製するのは装置が大きくなり、コストも高くなるという欠点を有しているため、固体発光型の大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視されている有機EL素子について安価な製造方法が検討されている。例えば、透光性基板としてプラスチックフィルムを使用し、このプラスチックフィルム上に陰極と、有機物質からなる一つ又は複数の発光層と、陽極層を設けた有機ELディスプレイを製造する方法として、有機物質からなる一つ又は複数の発光層のパターニング及び陰極のパターニングを真空蒸着方式でロールツーロール方式により作製する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。又、有機発光層にポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子材料中に低分子の発光色素を分散又は溶解させたものや、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリアルキルフルオレン誘導体等の高分子材料を使用し、適当な溶媒を用いることで塗布法により巻き取り生産をする方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載のロールツーロール方式による有機EL素子の作製は生産効率の向上の点からは好ましい方法であるが次の欠点を有している。有機EL素子の膜面はわずかなゴミの付着や傷等が付いた場合、ゴミの付着や傷が付いた箇所がリーク、短絡し発光不良の原因となるため、巻き取り時に有機EL素子の膜面と支持面が擦れ有機EL素子の膜面に傷が付かないように、巻き取り張力、巻き取り速度等を管理しながら行うため生産効率が上がらない原因の一つになっている。
この様な状況から、ロールツーロール方式により有機EL素子を作製する際、有機EL素子の膜面に傷が付くことを防止し、煩雑な巻き取り管理が必要としない有機EL素子の製造方法の開発が望まれている。
国際公開第01/5194号パンフレット 特開2003−77669号公報
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ロールツーロール方式により有機EL素子を作製する際、有機EL素子の膜面に傷が付くことを防止し、煩雑な巻き取り管理を必要としない有機EL素子の製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
帯状可撓性支持体の上に、少なくとも第1電極と、正孔輸送層と、発光層と、電子注入層と、第2電極と、封止層又は封止フィルムをこの順番で有する有機EL素子の製造方法であって、
少なくとも、前記帯状可撓性支持体の供給工程と、
A)前記第1電極を形成する第1電極形成工程と、
B)前記正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、
C)前記発光層を形成する発光層形成工程と、
D)前記電子注入層を形成する電子注入層形成工程と、
E)前記第2電極を形成する第2電極形成工程と、
F)前記封止層を形成する封止層形成工程又は前記封止フィルムを貼着する封止フィルム貼着工程と、
G)前記有機EL素子の回収工程とを有する有機EL素子の製造方法において、
前記A)からG)の何れかの工程のうち、少なくとも一つの工程を経た前記帯状可撓性支持体を巻き取る時、前記帯状可撓性支持体の幅方向の両端に、巻き取り補助部材として所定幅の可撓性高分子フィルムを付与し巻き取ることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
(請求項2)
前記巻き取り補助部材は、清掃手段と帯電防止手段とにより処理されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
(請求項3)
前記帯電防止手段が非接触式帯電防止装置と接触式帯電防止装置とを有していることを特徴とする請求項2に記載の有機EL素子の製造方法。
(請求項
前記巻き取り補助部材は、JIS P 8127に準じて測定した含水量が1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
(請求項
前記巻き取り補助部材は、厚さが有機EL素子の総厚に対して10〜200%であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
(請求項6)
前記巻き取り補助部材を付与し巻き取る際、露点温度−90〜−20、JIS B 9920に準じて測定した清浄度クラスが5以下の環境条件で行われることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
(請求項
前記巻き取り補助部材を付与し巻き取られた有機EL素子は、酸素濃度1〜100ppm、水分濃度1〜100ppmの環境下に保管されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
(請求項
請求項1〜7の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機EL素子。
ロールツーロール方式により有機EL素子を作製する際、有機EL素子の膜面に傷が付くことを防止し、煩雑な巻き取り管理を必要としない有機EL素子の製造方法を提供することが出来、高品質の有機EL素子の製造が可能となり、作業効率の向上も可能となり生産効率向上も可能となった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図7を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は有機EL素子の層構成の一例を示す概略断面図である。図1の(a)は封止膜が形成された有機EL素子の構成層を示す概略断面図である。図1の(b)は接着剤を介して封止フィルムを貼着することで形成された有機EL素子の構成層を示す概略断面図である。
図1の(a)に示される有機EL素子の層構成に付き説明する。図中、1aは有機EL素子を示す。有機EL素子1aは、基材101上に、第1電極102と、正孔輸送層103と、発光層104と、電子注入層105と、第2電極106と、封止層107とをこの順番に有している。
図1の(b)に示される有機EL素子の層構成に付き説明する。
図中、1bは有機EL素子を示す。有機EL素子1bは、基材101上に、第1電極102と、正孔輸送層103と、発光層104と、電子注入層105と、第2電極106と、接着剤層108と、封止フィルム109とをこの順番に有している。本図に示される有機EL素子において、第1電極102と正孔輸送層103の間に正孔注入層(不図示)を設けてもよい。又、発光層104と電子注入層105との間に電子輸送層(不図示)を設けてもよい。本図に示される有機EL素子1a及び有機EL素子1bでは、第1電極102と基材101との間にガスバリア膜(不図示)を設けてもかまわない。
本発明は、図1の(a)、図1の(b)に示される有機EL素子1a(1b)の製造方法及びこれらの製造方法により作製された有機EL素子に関するものである。
本図に示す有機EL素子の層構成は一例を示したものであるが、他の代表的な有機EL素子の層構成としては次の構成が挙げられる。
(1)基材/陽極/発光層/電子輸送層/陰極/封止層
(2)基材/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極/封止層
(3)基材/陽極/正孔輸送層(正孔注入層)/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極/封止層
(4)基材/陽極/陽極バッファー層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極/封止層
有機EL素子を構成している各層については後に説明する。
図2は有機EL素子を作製する製造装置の一例を示す模式図である。
図2の(a)は有機EL素子を作製する工程の一例を示す模式図である。図2の(b)は図2の(a)のGで示される部分の拡大模式図である。尚、本図で示す製造装置の説明は、有機EL素子の一例として、帯状可撓性支持体上にガスバリア層、第1電極、正孔輸送層、発光層、電子注入層、第2電極、封止層の順番に形成されている照明用(面発光)有機EL素子の場合について行う。本図では、帯状可撓性支持体上にガスバリア層、第1電極が既に形成されたものを使用するため、第1電極形成工程は省略してある。
図中、2aは有機EL素子の製造装置を示す。製造装置2aは、帯状可撓性支持体の供給工程3と、正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程4と、発光層を形成する発光層形成工程5と、電子注入層を形成する電子注入層形成工程6と、第2電極を形成する第2電極形成工程7と、封止層を形成する封止層形成工程8と、回収工程9とを有している。本図で示される製造装置は、供給工程3〜発光層形成工程5迄を連続して大気圧条件下で行い、一旦巻き取った後、電子注入層形成工程6〜回収工程9迄を連続して減圧条件下で行う場合を示している。
供給工程3は、繰り出し部301と表面処理部302とを有している。繰り出し部301では、ガスバリア膜と第1電極を含む陽極層とがこの順番で既に形成された帯状可撓性支持体301a(以下、帯状可撓性支持体Aとする)が巻き芯に巻き取られロール状態で供給される様になっている。301a1は帯状可撓性支持体301aの元巻きロールを示す。表面処理部302は洗浄表面改質処理装置302aと、第1帯電防止手段302bとを有している。洗浄表面改質処理装置302aは、正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に供給工程301から送られてきた帯状可撓性支持体Aの第1電極(不図示)表面を洗浄改質を行うため、例えば、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置等を使用することが好ましい。低圧水銀ランプによる洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、波長184.2nmの低圧水銀ランプを、照射強度5〜20mW/cm2で、距離5〜15mmで照射し洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。プラズマ洗浄装置による洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、大気圧プラズマが好適に使用される。洗浄条件としてはアルゴンガスに酸素1〜5体積%含有ガスを用い、周波数100KHz〜150MHz、電圧10V〜10KV、照射距離5〜20mmで洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。
第1帯電防止手段302bは、非接触式除電防止装置302b1と接触式除電防止装置302b2とを有している。非接触式除電防止装置302b1としては例えば、非接触式のイオナイザーが挙げられイオナイザーの種類については特に制限はなく、イオン発生方式はAC方式、DC方式どちらでも構わない。ACタイプ、ダブルDCタイプ、パルスACタイプ、軟X線タイプが用いることが出来るが、特に精密除電の観点から、ACタイプが好ましい。ACタイプの使用の際に必要となる噴射気体については、空気かN2が用いられるが、十分に純度が高められたN2で行うことが好ましい。又、インラインで行う観点より、ブロワータイプもしくはガンタイプより選ばれる。
接触式除電防止装置302b2としては、除電ロール又はアース接続した導電性ブラシを用いて行われる。除電器としての除電ロールは、接地されており、除電された表面に回転自在に接触して表面電荷を除去する。この様な除電ロールとしては、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属製ロールの他に、カーボンブラック、金属粉、金属繊維等の導電性材料を混合した弾性のあるプラスチックやゴム製のロールが使用される。特に、帯状可撓性連続シートとの接触をよくするため、弾性のあるものが好ましい。アース接続した導電性ブラシとは、一般には、線状に配列した導電性繊維からなるブラシ部材や線状金属製のブラシを有する除電バー又は除電糸構造のものを挙げることが出来る。除電バーについては、特に限定はないが、コロナ放電式のものが好ましく用いられ、例えば、キーエンス社製のSJ−Bが用いられる。除電糸についても、特に限定はないが、通常フレキシブルな糸状のものが好ましく用いられ、例えば、ナスロン社製の12/300×3をその一例として挙げることが出来る。
非接触式帯電防止装置302b1は帯状可撓性支持体Aの第1電極面側に使用し、接触式帯電防止装置302b2は帯状可撓性支持体Aの裏面側に使用することが好ましい。第1帯電防止手段により基材の帯電除去が図られ、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留まりの向上が図られる。
正孔輸送層形成工程4は、帯状可撓性支持体Aを保持するバックアップロール401aと、バックアップロール401aに保持された帯状可撓性支持体Aに正孔輸送層形成用塗布液を塗布する第1湿式塗布機401bと、帯状可撓性支持体A上の第1電極(不図示)上に形成された正孔輸送層aの溶媒を除去する第1乾燥装置401cと、溶媒が除去された正孔輸送層aを加熱する第1加熱処理装置401dと、第2帯電防止手段401eとを有している。
第1湿式塗布機401bによる正孔輸送層形成用塗布液は、既に形成されている第1電極の片方の端部の一部を除いて第1電極上に塗布される。
第2帯電防止手段401eは、非接触式帯電防止装置401e1と接触式帯電防止装置401e2とを有している。非接触式帯電防止装置401e1は正孔輸送層側に使用し、接触式帯電防止装置401e2は帯状可撓性支持体の裏面側に使用することが好ましい。第2帯電防止手段により、正孔輸送層面及び帯状可撓性支持体の裏面の帯電除去が図られ、ゴミの付着や絶縁破壊が防止されるため、素子の歩留まりの向上が図られる。第2帯電防止手段401eに使用される非接触式帯電防止装置401e1と接触式帯電防止装置401e2は第1帯電防止手段302bに使用した非接触式帯電防止装置302b1、接触式帯電防止装置302b2と同じものが好ましい。
第1乾燥装置401cは、乾燥風を吐出する吐出口401c3と、乾燥風の供給口401c2とを有する乾燥風供給ヘッダー401c1と、排気口401c4と、搬送用ロール401c5とを有している。第1加熱処理装置401dは装置本体401d1と、正孔輸送層aが形成された帯状可撓性支持体の裏面側から正孔輸送層aを裏面伝熱方式で加熱する複数の加熱ローラ401d2とを有している。
発光層形成工程5は、バックアップロール502aに保持された正孔輸送層aを有する帯状可撓性支持体に発光層形成用塗布液を塗布する第2湿式塗布機502bと、正孔輸送層a上に形成された発光層bの溶媒を除去する第2乾燥装置502cと、溶媒が除去された発光層cを加熱する第2加熱処理装置502dと、第3帯電防止手段502eと、第1巻き取り部502fとを有している。
第2湿式塗布機502bは第1湿式塗布機401bと同じ型式のものが好ましい。尚、本図は照明用に使用する有機EL素子を1例にしているため第2湿式塗布機402bは全面塗工タイプとなっているが、有機EL素子がフルカラー方式の場合は、パターン化されて形成されている第1電極のパターンに合わせて第1電極上に発光層をパターン塗布するため、例えば、インクジェット方式、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、マスクを用いたスプレー塗布方式等に使用する各種塗布装置を使用することが可能である。
第2乾燥装置502cは第1乾燥装置501cと同じ構造をしている。第2加熱処理装置502dは第1加熱処理装置501dと同じ構造をしており、正孔輸送層b上に形成された、発光層bを帯状可撓性支持体の裏面側から裏面伝熱方式で加熱する様になっている。
第3帯電防止手段502eは、非接触式帯電防止装置502e1と接触式帯電防止装置502e2とを有している。非接触式帯電防止装置502e1は発光層側に使用し、接触式帯電防止装置502b2は帯状可撓性支持体の裏面側に使用することが好ましい。第3帯電防止手段により、発光層面及び帯状可撓性支持体の裏面の帯電除去が図られ、第1巻き取り部502fで巻き取る時、ゴミの付着等による故障が防止されるため素子の歩留まりの向上が図られる。第3帯電防止手段502eに使用される非接触式帯電防止装置502e1と接触式帯電防止装置502e2は第1帯電防止手段302bに使用した非接触式帯電防止装置302b1、接触式帯電防止装置302b2と同じものが好ましい。
本図に示される、正孔輸送層形成工程4は湿式塗布装置、乾燥装置、加熱処理装置がそれぞれ1台の場合を示しているが、必要に応じて増加することが可能となっている。又、発光層形成工程5も、湿式塗布装置、乾燥装置、加熱処理装置がそれぞれ1台の場合を示しているが、必要に応じて増加することが可能となっている。
第1巻き取り部502fでは発光層bが形成された帯状可撓性支持体を、発光層bを内側にして巻き芯に巻き取りロール状の帯状可撓性支持体502g(以下、帯状可撓性支持体Bとする)とする。
電子注入層形成工程6は、供給部601と、電子注入層形成部602とを有している。供給部601では、前工程で作製された帯状可撓性支持体Bが繰り出され電子注入層形成部602へ供給される。電子注入層形成部602では、発光層b上に電子注入層cが形成される。602aは蒸着装置を示し、602bは蒸発源容器を示す。電子注入層cが形成された帯状可撓性支持体は、引き続き、第2電極形成工程7へ送られる。
第2電極形成工程7は、第2電極形成部701で電子注入層形成部602で形成された電子注入層c上に第2電極dが形成される。701aは蒸着装置を示し、701bは蒸発源容器を示す。第2電極dが形成された帯状可撓性支持体は、引き続き、封止層形成工程8に送られる。
封止層形成工程8は、第2電極形成工程7で形成された第2電極dの端部を除いて第2電極d上に封止層形成装置801aに封止層eが形成された帯状可撓性支持体C(照明用(面発光)有機EL素子)が作製される。封止層形成工程8は、封止層形成装置801aと、第4帯電防止手段801bとを有している。第4帯電防止手段801bは、非接触式帯電防止装置801b1と接触式帯電防止装置801be2とを有している。非接触式帯電防止装置801b1は封止層d側に使用し、接触式帯電防止装置801b2は帯状可撓性支持体の裏面側に使用することが好ましい。第4帯電防止手段801bにより、封止層面及び帯状可撓性支持体の裏面の帯電除去が図られ、回収部10で巻き取る時、ゴミの付着等による故障が防止されるため素子の歩留まりの向上が図られる。第4帯電防止手段801bに使用される非接触式帯電防止装置801b1と接触式帯電防止装置801b2は第1帯電防止手段302bに使用した非接触式帯電防止装置302b1、接触式帯電防止装置302b2と同じものが好ましい。
回収工程9は、巻き取り補助部材供給部9aと、巻き取り部9bとを有している。
巻き取り補助部材供給部9aは、巻き取り部9bで帯状可撓性支持体C(照明用(面発光)有機EL素子)を巻き取る際、巻き取り部9bへ巻き取り補助部材902を供給する工程であり、巻き取り補助部材の繰り出し部9a1と、清掃手段9a2と、第5帯電防止手段9a3とを有している。903は巻き取り補助部材902の元巻きロールを示す。巻き取り補助部材供給部9aは図3で詳細に説明する。
第4帯電防止手段801bで処理された帯状可撓性支持体Cに、巻き取り補助部材の供給部9aから供給された巻き取り補助部材902が帯状可撓性支持体Cに付与され、帯状可撓性支持体Cと共に巻き取られロール状の帯状可撓性支持体901が作製される。
回収工程9で帯状可撓性支持体C(照明用(面発光)有機EL素子)に巻き取り補助部材9a4を付与し巻き取る時の、巻き取り張力は、巻き崩れ、搬送時、取り扱い時による有機EL素子面と帯状可撓性支持体の裏面とのコスレによる有機EL素子の膜面の擦り傷の発生、巻き締めによる有機EL素子の膜面の擦り傷の発生等を考慮し、10〜1,000N/m幅が好ましい。
回収されたロール状の帯状可撓性支持体C(照明用(面発光)有機EL素子)は、性能維持、ダークスポット(未発光部分)等を考慮し、酸素濃度1〜100ppm、水分濃度1〜100ppmの環境下に保管することが好ましい。
本図では、電子注入層形成工程6、第2電極形成工程7、が蒸着装置の場合を示したが、電子注入層及び第2電極の形成方法については、特に限定はなく、例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来る。
又、本図に示す封止層の代わりに、封止フィルムを貼着する方式であってもかまわない。但し、この場合は封止フィルムの供給部と、貼着部と、回収部とは大気圧条件下で連続的に行われる様にすることが好ましい。
図3は図2のHで示される部分の拡大概略斜視図である。
清掃手段9a2としては、巻き取り補助部材の供給工程9が減圧条件下に配設されているため、粘着ロール、掻き取りブレード等の接触式清掃手段が好ましく、特に、巻き取り補助部材にダメージを与え難く、管理が容易な粘着ロールが好ましい。本図は、巻き取り補助部材902の表を粘着ロール9a21、裏を粘着ロール9a22で挟持した場合を示している。第5帯電防止手段9a3としては、非接触式帯電防止装置9a31と、接触式帯電防止装置9a32とを有している。第1帯電防止手段302b(図2を参照)と同じものを使用することが好ましい。巻き取り補助部材902に対しては非接触式帯電防止装置、接触式帯電防止装置の何れも使用可であり、使用する巻き取り補助部材902の特性に合わせ適宜使用することが可能である。他の符号は図2と同義である。
図4は有機EL素子を作製する製造装置の他の一例を示す模式図である。尚、本図で示す製造装置と図2で示される製造装置2aとの違いは、1)発光層形成工程の後の第1巻き取り部で巻き取る際、巻き取り補助部材を付与し巻き取るために、巻き取り補助部材の供給部の配設、2)電子注入層形成工程の供給部に巻き取り補助部材の回収部の配設、3)第2電極形成工程で第2電極が形成された後、巻き取り補助部材を付与し巻き取る巻き取り部の配設、4)封止層形成工程に代わり封止フィルム貼着工程の配設、5)封止フィルム貼着工程の供給部に巻き取り補助部材の回収部の配設、6)回収部で清掃手段の異なる方式で清掃された巻き取り補助部材付与でありその他は図2と同じであるため説明は省略し、図2と異なった部分についてのみ説明する。
図中、2bは有機EL素子の製造装置を示す。図中、502f1は巻き取り部502fに設けられた第1巻き取り補助部材供給部を示す。503は巻き取り補助部材を示し、503aは巻き取り補助部材の元巻きロールを示す。第1巻き取り補助部材供給部502f1は第1清掃手段502f11と、帯電防止手段502f12とを有している。第1巻き取り部502fで、発光層bが形成された帯状可撓性支持体Bが巻き取り補助部材503と共に巻き取られロール状の帯状可撓性支持体Bが作製される。
601aは、供給部601で帯状可撓性支持体Bを巻き出す際、共に巻かれていた巻き取り補助部材503を回収する回収部を示す。
第2電極形成工程7は、第2電極形成部701と、帯電防止手段702と、第2巻き取り部703とを有している。第2巻き取り部703は、清掃手段703b1と、帯電防止手段703b2とを有する第2巻き取り補助部材供給部703bを有している。703c1は巻き取り補助部材703cの元巻きロールを示す。第2巻き取り部703では、第2電極dが形成された帯状可撓性支持体と巻き取り補助部材703cとが共に巻き取られロール状の帯状可撓性支持体703a(以下、帯状可撓性支持体Dとする)が作製される。
11は封止フィルム貼着工程を示す。封止フィルム貼着工程11は、帯状可撓性支持体Dの供給部11aと、貼着部11bとを有している。11a1は、供給部11aで第2電極dが形成された帯状可撓性支持体Dを巻き出す際、共に巻かれていた巻き取り補助部材703cを回収する回収部を示す。貼着部11bは第2電極上に接着剤を塗工する塗工装置11b1と、封止フィルム供給部11b2と、圧着ロール11b3と、硬化処理部11b4とを有している。11b5は封止フィルム11b6の元巻きロールを示す。
供給部11aから巻き出され、塗工装置11b1で帯状可撓性支持体703aの第2電極の端部の一部を除いて第2電極上に接着剤が連続的に塗工された後、封止フィルム11b6が連続的に貼合され圧着ロール11b3を通過することで第2電極上に封止フィルムが接着剤を介して連続的に貼着される。封止フィルム11b6が接着剤を介して貼着された後、硬化処理部11b4により接着剤の硬化処理が行われる。接着剤の硬化処理が終了した段階で封止フィルム11b6で保護された帯状可撓性支持体D(照明用(面発光)有機EL素子)が作製され、回収工程12に送られる。
回収工程12は帯電防止手段12a、第3巻き取り補助部材供給部12bと、巻き取り部12cとを有している。第3巻き取り補助部材供給部12bは、巻き取り部12cで帯状可撓性支持体D(照明用(面発光)有機EL素子)を巻き取る際、巻き取り部12cへ巻き取り補助部材を供給する工程であり、巻き取り補助部材の繰り出し部12b1と、清掃手段12b2と、帯電防止手段12b3とを有している。巻き取り補助部材供給部12bは図5で詳細に説明する。帯電防止手段12aで処理された帯状可撓性支持体Dに、繰り出し部12b1から供給された巻き取り補助部材12b4が帯状可撓性支持体Cに付与され、帯状可撓性支持体Dと共に巻き取られロール状の帯状可撓性支持体1201(ロール状の照明用(面発光)有機EL素子)が作製される。12b5は巻き取り補助部材12b4の元巻きロールを示す。
回収工程12で帯状可撓性支持体C(照明用(面発光)有機EL素子)に巻き取り補助部材12b4を付与し巻き取る時の、巻き取り張力は、図2に示した回収工程9における場合と同じである。他の符号は図2と同義である。
本図に示される第1巻き取り補助部材供給部502f1には、図3、図5、図6、に示される巻き取り補助部材供給部の適用が可能であり、適宜選択し使用することが好ましい。第2巻き取り補助部材供給部703bには、図3に示される巻き取り補助部材供給部の適用が好ましい。
図5は図4のIで示される部分の拡大概略斜視図である。
図中、12b11は巻き取り補助部材12b4の元巻きロールを示す。巻き取り補助部材12b4は封止フィルムが貼着された帯状可撓性支持体(照明用(面発光)有機EL素子)と同じ幅を有しており、供給部12b1から封止フィルム面に接触する様に供給され、重ね合わされ、封止フィルムが貼着された帯状可撓性支持体(照明用(面発光)有機EL素子)と一緒に巻き取られる。清掃手段12b2は、気体吹き付け部12b21と、吸引部12b22とを有している。12b23は気体供給管を示し、気体供給管12b23から供給された気体は気体吹き付け部12b21の巻き取り補助部材12b4側と対向する面に設けたスリット(不図示)から巻き取り補助部材12b4に向けて噴出される。噴出される気体の圧力は、巻き取り補助部材の清浄度、厚さ、種類、幅等を考慮し、1〜20kPaが好ましい。
吸引部12b22は、気体吹き付け部12b21で供給され、ゴミ等を含んだ気体を吸引するため吸引量は、膜面への再付着、飛散等を考慮して、気体の供給量に対して100〜105%が好ましい。尚、吸引は吸引部12b22に取り付けた吸引ポンプに繋がっている吸引管(付図示)を介して行われる。清掃手段12b2は、ゴミの飛散、膜面への再付着を避けるため外部と閉鎖した室(不図示)で行うことが好ましい。
帯電防止手段12b3としては、第1帯電防止手段302b(図2を参照)と同じものを使用することが好ましい。非接触式帯電防止装置、接触式帯電防止装置の何れも使用可であり、使用する巻き取り補助部材12b4の特性に合わせ適宜使用することが可能である。本図に示される巻き取り補助部材の供給部12bの代わりに、図3に示される巻き取り補助部材の供給部の使用も可能である。
図6は図5の広幅巻き取り補助部材に代わり、細幅の巻き取り補助部材を両端に巻き込む場合の概略斜視図である。
図中、12b12は細幅の巻き取り補助部材12b5の元巻きロールを示す。その他の符号は図5同義である。本図に示す様に、細幅の巻き取り補助部材を使用する時は、左右均等の位置に巻き込むことが必要である。
図7は図5、図6のロール状帯状可撓性支持体(照明用(面発光)有機EL素子)の拡大概略部分断面図である。図7の(a)は、図5のA−A′に沿った拡大概略部分断面図である。図7の(b)は、図6のB−B′に沿った拡大概略部分断面図である。
図中、13は帯状可撓性支持体を示し、14は帯状可撓性支持体13の上に形成された有機EL素子を構成している構成層を示す。13aは帯状可撓性支持体13の有機EL素子を構成している構成層14が設けられていない端部を示し、帯状可撓性支持体13の両端に設けられている。このため、図7の(a)の場合は、巻き取り補助部材12b4と帯状可撓性支持体13の両端には構成層14の厚さ分の空隙が出来る。図7の(b)の場合は、巻き取り補助部材12b5が帯状可撓性支持体14の両端に巻き取られるため、巻き取り補助部材12b5の厚さから構成層14の厚さを差し引いた分の空隙15が構成層14の表面と帯状可撓性支持体13の裏側の間に出来る。細幅巻き取り補助部材12b5を使用する場合の巻き込み位置は特に限定はなく、有機EL素子を構成している構成層14が形成された帯状可撓性支持体の幅方向の中心から同じ位置にすることが好ましい。図5の(a)、図5の(b)で示される方式は、必要に応じて適宜選択することが可能である。
巻き取り補助部材としては、有機EL素子を構成している構成層と巻き取り補助部材との密着性、巻き取り性、巻き出し性、有機EL素子を構成している構成層への擦り傷防止等を考慮し、JIS P 8147に準じて測定した静摩擦係数は、0.1〜0.5を有していることが好ましい。
巻き取り補助部材は、巻き取り補助部材のシワの発生に伴う巻き取り均一性、均一な供給性、巻き締まりの防止、巻き取りトルクの安定化、有機EL素子の膜面及び裏面に傷発生防止等を考慮し、クラーク柔軟度が10〜300を有していることが好ましい。
巻き取り補助部材は、静電気が発生、巻き取り時、巻き出し時のスタチックの発生、有機EL素子の品質安定化等を考慮し、JIS P 8127に準じて測定した含水量が1〜10質量%であることが好ましい。
巻き取り補助部材は、取り扱い性、巻き取り径の肥大化防止、巻き取り時のトルク安定化を考慮し、厚さが有機EL素子の総厚に対して10〜200%であることが好ましい。
本発明に係わる巻き取り補助部材としては、帯状可撓性連続シートの有機EL素子の構成層を好適に保護出来、且つ、その形成面(塗布膜)からの剥離性が良好であれば、具体的な構成は特に限定されるものではなく、安価な材質で構成されていてもかまわない。例えば、合成紙、クラフト紙、上質紙、ポリプロピレン、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、塩化ビニル、PEラミネート紙等など特に制限はないが、含水量を低く抑えることが出来るPEラミネート紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、塩化ビニル等の可撓性高分子フィルムが好ましい。
巻き取り補助部材の芯となる原紙に樹脂を被覆させたものであってもかまわない。樹脂被覆に適用される樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチック、それらの混合物、エチレンとのランダム共重合体又はブロック共重合体等のポリプロピレン;その他ポリ−3−メチルペンテン−1、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エバール、ポリイソブチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を単独、或いは混合して使用出来る。
図2〜図4に示す製造装置を使用し、巻き取り補助部材と封止層が形成された帯状可撓性支持体(照明用(面発光)有機EL素子)を一緒に巻き取り、図5に示す断面形状を有するロール状帯状可撓性支持体(照明用(面発光)有機EL素子)とすることで次の効果が得られる。
1)有機EL素子の膜面を保護することが可能となり、安定した品質の有機EL素子の製造が可能となった。
2)有機EL素子を構成している各層の形成段階で巻き取り補助部材を付与し巻き取ることで膜面の保護及び次工程へ安定した品質の搬送が出来、生産効率の向上が可能となった。
3)巻き取り時の張力、速度等の煩雑な厳密な巻き取り管理が不要となり生産効率の向上が可能となった。
4)巻き取り補助部材を付与し、巻き取ったロール体は、取り扱い時振動、外圧等の外乱に対しても耐性が付与されるので製造方法の幅を広げることが可能となった
以下、本発明に係わる有機EL素子を構成しているガスバリア層、第1電極、正孔輸送層、発光層、電子注入層、第2電極、封止層等に付き説明する。
本発明に係わるガスバリア層と第1電極が既に形成された帯状可撓性支持体に使用する帯状可撓性支持体としては、透明樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル或いはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)或いはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
帯状可撓性支持体として使用する樹脂フィルムの表面にはガスバリア膜が必要に応じて形成されることが好ましい。ガスバリア膜としては無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が挙げられる。ガスバリア膜の特性としては、水蒸気透過度が0.01g/m2・day・atm以下であることが好ましい。更には、酸素透過度10-3ml/m2/day以下、水蒸気透過度10-5g/m2/day以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素などを用いることが出来る。更に該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来るが、特開2004−68143号に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
第1電極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。この様な電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。又、IDIXO(In23・ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィ法で所望の形状のパターンを形成してもよく、或いはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。或いは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式など湿式成膜法を用いることも出来る。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、又陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
第1電極と発光層又は正孔輸送層の間、正孔注入層(陽極バッファー層)を存在させてもよい。正孔注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に詳細に記載されている。陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
第1湿式塗布機401bにより塗布され形成される正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層又は複数層設けることが出来る。
正孔輸送材料としては、正孔の注入又は輸送、電子の障壁性の何れかを有するものであり、有機物、無機物の何れであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することが出来るが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。又、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することが出来る。
又、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂p型正孔輸送材料を用いることも出来る。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることから、これらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。又、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号、特開2000−196140号、特開2001−102175号、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)などに記載されたものが挙げられる。この様なp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の有機EL素子を作製することが出来るため好ましい。
第2湿式塗布機402bにより形成される発光層が多層の場合は、積層する数に合わせて塗布・乾燥部のユニットを配設する必要がある。例えば、発光層を多層にすることで白色素子の作製が可能である。本発明において、発光層とは青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を指す。発光層を積層する場合の積層順としては、特に制限はなく、又各発光層間に非発光性の中間層を有していてもよい。本発明においては、少なくとも一つの青発光層が、全発光層中最も陽極に近い位置に設けられていることが好ましい。又、発光層を4層以上設ける場合には、陽極に近い順から、例えば青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層、青色発光層/緑色発光層/赤色発光層/青色発光層/緑色発光層/赤色発光層のように青色発光層、緑色発光層、赤色発光層を順に積層することが、輝度安定性を高める上で好ましい。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性、発光に必要な電圧等を考慮し、通常2nm〜5μm、好ましくは2〜200nmの範囲で選ばれる。更に10〜20nmの範囲にあるのが好ましい。膜厚を20nm以下にすると電圧面のみならず、駆動電流に対する発光色の安定性が向上する効果があり好ましい。個々の発光層の膜厚は、好ましくは2〜100nmの範囲で選ばれ、2〜20nmの範囲にあるのが更に好ましい。青、緑、赤の各発光層の膜厚の関係については、特に制限はないが、3発光層中、青発光層(複数層ある場合はその総和)が最も厚いことが好ましい。
発光層は発光極大波長が各々430〜480nm、510〜550nm、600〜640nmの範囲にある発光スペクトルの異なる少なくとも3層以上の層を含む。3層以上であれば、特に制限はない。4層より多い場合には、同一の発光スペクトルを有する層が複数層あってもよい。発光極大波長が430〜480nmにある層を青発光層、510〜550nmにある層を緑発光層、600〜640nmの範囲にある層を赤発光層と言う。又、前記の極大波長を維持する範囲において、各発光層には複数の発光性化合物を混合してもよい。例えば、青発光層に、極大波長430〜480nmの青発光性化合物と、同510〜550nmの緑発光性化合物を混合して用いてもよい。
発光層に使用する材料は特に限定はなく、例えば、株式会社 東レリサーチセンター フラットパネルディスプレイの最新動向 ELディスプレイの現状と最新技術動向 228〜332頁に記載されている如き各種材料が挙げられる。
第2湿式塗布機206bで発光層形成用塗布液を塗布し、乾燥することで形成された発光層は、電極又は電子注入層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
第1湿式塗布機203bと、第2湿式塗布機206bとに使用可能な湿式塗布機としては、例えば、ダイコート方式、スクリーン印刷方式、フレキソ印刷方式、インクジェット方式、メイヤーバー方式、キャップコート法、スプレー塗布法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の塗布機の使用が可能である。これらの湿式塗布機の使用は有機化合物層の材料に応じて適宜選択することが可能となっている。
第1乾燥装置401cにおける正孔輸送層の溶媒を除去する乾燥条件としては、乾燥ムラ、塗膜表面の吹き荒れ等を考慮し、吐出口からの乾燥風の吐出風速0.1〜5m/s、幅手方向の風速分布が0.1〜10%の気流乾燥が挙げられる。第2乾燥装置402cにおける発光層の溶媒を除去する乾燥条件は第1乾燥装置401cの条件と同じであってもよい。
第1加熱処理部401dにおける正孔輸送層の加熱処理条件として、正孔輸送層の平滑性向上、残留溶媒の除去、正孔輸送層の硬化等を考慮し、正孔輸送層のガラス転移温度に対して−30〜+30℃、且つ、正孔輸送層を構成している有機化合物の分解温度を超えない温度で裏面伝熱方式の熱処理を行うことが好ましい。
第2加熱処理部502dにおける発光層の加熱処理条件として、発光層の平滑性向上、残留溶媒の除去、発光層の硬化等を考慮し、発光層のガラス転移温度に対して−30〜+30℃、且つ、発光層を構成している有機化合物の分解温度を超えない温度で裏面伝熱方式の熱処理を行うことが好ましい。
第1湿式塗布機401bで正孔輸送層形成用塗布液を塗布する時の帯状可撓性支持体の搬送速度のバラツキと、第2湿式塗布機502bで発光層形成用塗布液を塗布する時の帯状可撓性支持体の搬送速度のバラツキは、長手方向の塗膜厚みムラに伴う発光輝度ムラ、等を考慮し、平均搬送速度に対して0.2〜10%であることが好ましい。
第1湿式塗布機401で使用する正孔輸送層形成用塗布液、及び第2湿式塗布機502bで使用する発光層形成用塗布液は、少なくとも1種の有機化合物材料と少なくとも1種の溶媒とを有し、塗布時のハジキ、塗布ムラ等を考慮し、表面張力が15×10-3〜55×10-3N/mであることが好ましい。
本図で示される有機EL素子の構成層である正孔輸送層及び発光層を形成する工程は、正孔輸送層及び発光層の性能維持、異物付着に伴う故障欠陥の防止等を考慮し、露点温度−20℃以下、且つJISB 9920に準拠し、測定した清浄度がクラス5以下で、且つ、第1乾燥部、第2乾燥部を除き10〜45℃の大気圧条件下で形成されることが好ましい。本発明において清浄度がクラス5以下とは、クラス3〜クラス5を示す。
収納期間は、正孔輸送層及び発光層の劣化に起因する酸素や微量水分の除去を考慮し、1時間〜200時間が好ましい。場合によっては加熱環境下で保存してもよい。
電子注入層形成工程で形成される電子注入層とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり広い意味で電子輸送層に含まれる。電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されている。電子注入層(陰極バッファー層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
他に発光層側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることが出来、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来る。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、又はこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることも出来る。
又、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることが出来る。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることが出来る。又、ジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることが出来るし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることが出来る。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種又は2種以上からなる一層構造であってもよい。
又、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることも出来る。その例としては、特開平4−297076号公報、特開平10−270172号公報、特開2000−196140号公報、特開2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)などに記載されたものが挙げられる。この様なn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することが出来るため好ましい。電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、湿式塗布、真空蒸着法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することも出来る。
第2電極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この様な電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することが出来る。又、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の第1電極(陽極)又は第2電極(陰極)の何れか一方が、透明又は半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
又、第2電極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、第1電極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明又は半透明の第2電極(陰極)を作製することが出来、これを応用することで第1電極(陽極)と第2電極(陰極)の両方が透過性を有する素子を作製することが出来る。
使用する封止フィルムとしては、ガスバリア膜と同じ材質のバリアフィルム及び金属膜を使用することが可能である。接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステルなどの湿気硬化型等の接着剤、エポキシ系などの熱及び化学硬化型(二液混合)等の接着剤、又、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン系のホットメルト型接着剤、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることが出来る。
尚、素子を構成する有機層が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化出来るものが好ましい。又、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
封止膜を形成する場合は、基板のガスバリア層で記載した材料及び方法を用いることにより第2電極上に形成することが可能である。
封止部材(図1に示される封止膜、封止フィルム)と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体や、フッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。又、真空とすることも可能である。又、内部に吸湿性化合物を封入することも出来る。吸湿性化合物としては例えば金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
本発明の有機EL素子を構成している発光層には、発光層の発光効率を高くするために公知のホスト化合物と公知のリン光性化合物(リン光発光性化合物とも言う)を含有することが好ましい。
ホスト化合物とは、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であり、且つ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物と定義される。好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。ホスト化合物を複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することが出来る。又、リン光性化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることが出来る。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することで白色発光が可能であり、照明、バックライトへの応用も出来る。
これらのホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、尚且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。公知のホスト化合物としては、例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等に記載の化合物が挙げられる。
複数の発光層を有する場合、これら各層のホスト化合物の50質量%以上が同一の化合物であることが、有機層全体に渡って均質な膜性状を得やすいことから好ましく、更にはホスト化合物のリン光発光エネルギーが2.9eV以上であることが、ドーパントからのエネルギー移動を効率的に抑制し、高輝度を得る上で有利となることからより好ましい。リン光発光エネルギーとは、ホスト化合物を基板上に100nmの蒸着膜のフォトルミネッセンスを測定し、そのリン光発光の0−0バンドのピークエネルギーを言う。
ホスト化合物は、有機EL素子の経時での劣化(輝度低下、膜性状の劣化)、光源としての市場ニーズ等を考慮し、リン光発光エネルギーが2.9eV以上且つTgが90℃以上のものであることが好ましい。即ち、輝度と耐久性の両方を満足するためには、リン光発光エネルギーが2.9eV以上且つTgが90℃以上のものであることが好ましい。Tgは、更に好ましくは100℃以上である。
リン光性化合物(リン光発光性化合物)とは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物である。先に説明したホスト化合物と合わせ使用することで、より発光効率の高い有機EL素子とすることが出来る。
本発明に係るリン光性化合物は、リン光量子収率は好ましくは0.1以上である。上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定出来る。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定出来るが、本発明に用いられるリン光性化合物は、任意の溶媒の何れかにおいて上記リン光量子収率が達成されればよい。
リン光性化合物の発光は原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上出来ャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光性化合物に移動させることでリン光性化合物からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光性化合物がキャリアトラップとなり、リン光性化合物上でキャリアの再結合が起こりリン光性化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、何れの場合においても、リン光性化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光性化合物は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることが出来る。リン光性化合物としては、好ましくは元素の周期表で8族−10族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、又は白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
本発明においては、リン光性化合物のリン光発光極大波長としては特に制限されるものではなく、原理的には中心金属、配位子、配位子の置換基等を選択することで得られる発光波長を変化させることが出来る。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当て嵌めた時の色で決定される。
本発明で言うところの白色素子とは、2℃視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000cd/m2でのCIE1931 表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にあることを言う。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
又、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
本発明の有機EL素子は、発光層で発生した光を効率よく取り出すために以下に示す方法を併用することが好ましい。有機EL素子は、空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光の内15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことが出来ないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として、光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435)。基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)。素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)。基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)。基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)。基板、透明電極層や発光層の何れかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)などがある。
本発明においては、これらの方法を有機EL素子と組み合わせて用いることが出来るが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、或いは基板、透明電極層や発光層の何れかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることが出来る。本発明においては、これらの手段を組み合わせることにより、更に高輝度或いは耐久性に優れた素子を得ることが出来る。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど、外部への取り出し効率が高くなる。低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマーなどが挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は、屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。又、更に1.35以下であることが好ましい。低屈折率媒質の厚みは、媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは、低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。全反射を起こす界面もしくは何れかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は、回折格子が1次の回折や、2次の回折といった所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることが出来る性質を利用して、発光層から発生した光の内、層間での全反射等により外に出ることが出来ない光を、何れかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは、発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述のとおり、何れかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。この時、回折格子の周期は、媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。回折格子の配列は、正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状など、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
更に、本発明の有機EL素子は、発光層で発生した光を効率よく取り出すために、基板の光取り出し側に、例えばマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、或いは、所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることが出来る。マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。この様なシートとして例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)などを用いることが出来る。プリズムシートの形状としては、例えば基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。又、発光素子からの光放射角を制御するために光拡散板・フィルムを、集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)などを用いることが出来る。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
実施例1
(巻き取り補助部材の準備)
巻き取り補助部材として表1に示す様に静摩擦係数を変えた厚さ40μmのPETを準備し、巻き取り補助部材No.1−1〜1−11とした。静摩擦係数はPETの表面を機械的に粗面化することで変えた。尚、巻き取り補助部材の幅は有機EL素子を構成する各層を有する帯状可撓性支持体と同じ幅とし、クラーク柔軟度は100であった。尚、静摩擦係数は、JIS P 8147に準じ、新東科学(株)製表面試験器で測定した値を示す。クラーク柔軟度は、JIS P 8143に準じ、熊谷理機工業(株)製自動クラーク剛度試験器で測定した値を示す。
Figure 0005055711
〈ガスバリア層と第1電極層とをこの順番で有する帯状可撓性支持体の準備〉
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デユポン社製フィルム、以下、PETと略記する)を用い、以下に示す方法でガスバリア層と第1電極とを形成し、巻き芯に巻き取りロール状としたガスバリア層と第1電極とをこの順番で有する帯状可撓性支持体を準備した。
(透明性ガスバリア層の形成)
準備したPET上に、大気圧プラズマ放電処理法で、厚さ約90nmの透明ガスバリア層を形成した。JISk−7129Bに準拠した方法により水蒸気透過率を測定した結果、10-3g/m2/day以下であった。JISk−7126Bに準拠した方法により酸素透過率を測定した結果、10-3g/m2/day以下であった。
(第1電極の形成)
形成したバリア層の上に厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)を蒸着法によりパターニングを行い、第1電極を形成した。
(正孔輸送層、発光層の形成)
図2に示す工程を使用し、準備した巻き芯に巻きりロール状としたガスバリア層と第1電極とをこの順番で有する帯状可撓性支持体の第1電極の上に以下に示す正孔輸送層形成用塗布液をエクストルージョン塗布機を使用した湿式塗布方式により塗布・乾燥した後、帯電処理を行い、引き続き引き正孔輸送層上に、発光層形成用塗布液をエクストルージョン塗布機を使用した湿式塗布方式により塗布・乾燥し発光層を形成した後、帯電処理し、室温と同じ温度になるまで冷却した後、巻き芯に巻き取りロール状とした。尚、搬送速度は、2m/分とした。搬送速度は、三菱電機(株)製 レーザドップラ速度計LV203で測定した。
正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、帯状可撓性支持体の洗浄表面改質処理を、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm2、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用し行った。
正孔輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが100nmになるように塗布した。尚、搬送速度は2m/minで実施した。
正孔輸送層形成用塗布液の準備
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製 Bytron P AI 4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。正孔輸送層形成用塗布液の表面張力は40×10-3N/m(協和界面化学社製:表面張力計CBVP−A3)であった。
発光層形成用塗布液の準備
ホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)にドーパント材Ir(ppy)3を5質量%を1,2−ジクロロエタン中に溶解し10%溶液とし発光層形成用塗布液として準備した。発光層形成用塗布液の表面張力は32×10-3N/m(協和界面化学社製:表面張力計CBVP−A3)であった。発光層のガラス転移温度は225℃であった。尚、本例は緑色の発光を有する材料を用いたが、更に青色、赤色及びドーパント材を使用し積層させることで、白色の有機EL素子を作製することが可能である。
塗布条件
正孔輸送層形成用塗布液の塗布時の温度は、25℃、発光層形成用塗布液の塗布時の温度は、25℃の環境の大気環境下で行った。尚、湿式塗布工程は露点温度−20℃以下且つ清浄度クラス5以下(JIS B 9920)とした。
乾燥及び加熱処理条件
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、図2示す第1乾燥装置及び第1加熱処理装置を使用し、第1乾燥装置ではスリットノズル形式の吐出口から成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、第1加熱処理装置で温度200℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い正孔輸送層を形成した。発光層形成用塗布液を塗布した後、図2の(b)に示す第2乾燥装置及び第2加熱処理装置を使用し、第2乾燥装置ではスリットノズル形式の吐出口から成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した後、引き続き、第2加熱処理装置で温度220℃で加熱処理を行い発光層を形成した。
(電子注入層、第2電極の形成)
引き続き、形成された発光層の上に図2に示す陰極層形成工程、封止層形成工程を使用し、5×10-4Pa真空下にて厚さ0.5nmのLiF層(電子注入層)を全面蒸着し、マスクを介して第1電極とは直交するように幅50μm、も間隔30μmのパターン形成された厚さ100nmのアルミ層(第2電極)を蒸着方式で形成した後、引き続き封止層の形成を蒸着で行い、室温まで冷却した。
(ロール状有機EL素子の作製)
引き続き、図3に示す巻き取り補助部材重ね合わせ装置を使用し、準備した巻き取り補助部材1−1〜1−11を使用し、巻き芯に巻き取りロール状有機EL素子を作製し試料101〜111とした。尚、巻き取り時の張力は、400〜500N/m幅の範囲で巻き径に応じて可変とし150mを巻き取った。又、巻き取り補助部材を付与し巻き取る際、露点温度−35°、JIS B 9920に準じて測定した清浄度クラスを5の環境条件で行った。
評価
作製した試料No.101〜109に付き、擦り傷を以下に示す評価方法に従って計測し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
擦り傷の評価方法
巻き始めから10mの箇所から30cm×30cmの試料を10枚サンプリングし、8倍のルーペにより目視で長さ100μmの擦り傷の数を計測した。10枚の擦り傷の数の平均値を計測した。
擦り傷の評価ランク
○:擦り傷の数の平均値数が5個未満
△:擦り傷の数の平均値数が5個以上、10個未満
×:擦り傷の数の平均値数が10個以上
Figure 0005055711
本発明の有効性が確認された。
実施例2
実施例1で作製した試料No.1−4を作製する時、巻き取り補助部材のクラーク柔軟度を表4に示す様に変えた他は全て同じ条件でロール状有機EL素子を作製し試料201〜206とした。尚、柔軟度は、巻き取り補助部材の厚みを変更することにより変化した。
評価
作製した試料No.201〜206に付き、実施例1と同じ評価項目を同じ評価方法で評価し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。
Figure 0005055711
試料No.201は擦り傷は問題なかったが、取り扱い性が問題となり実用可に際して何らかの対策が必要とされることが判った。本発明の有効性が確認された。
実施例3
実施例1で作製した試料No.1−4を作製する時、巻き取り補助部材を低密度ポリエチレンに変え、巻き取り補助部材の有機EL素子の総厚に対する厚さ(%)を表4に示す様に変えた他は全て同じ条件でロール状有機EL素子を作製し試料301〜309とした。
評価
作製した試料No.301〜309に付き、実施例1と同じ評価項目を同じ評価方法で評価し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
Figure 0005055711
試料No.301は、擦り傷の発生は認められなかったが、巻き取り補助部材の取り扱い難くなり、何らかの対策が必要とすることを確認した。本発明の有効性が確認された。
実施例4
実施例1で作製した試料No.1−4を作製する時、巻き取り補助部材をPEでラミネートしたラミネート紙を使用し、巻き取り補助部材の含水量を表5に示す様に変えた他は全て同じ条件でロール状有機EL素子を作製し試料401〜407とした。尚、含水量は、ラミネート紙を加湿処理又は除湿処理を行うことにより変化した。含水量は、JIS P 8127に準じて測定した値を示す。
評価
作製した試料No.401〜407に付き、ダークスポット(未発光部分)と擦り傷を以下に示す評価方法で計測し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。尚、擦り傷は実施例1と同じ評価方法、同じ評価ランクに従って評価した。
ダークスポットの評価方法
東洋テクニカ(株)製 ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させた。この際、100cd/m2で発光させた時のダークスポットの数(1画素(50μm×150μm)当たりの数)を100倍のルーペを使用し目視で計測した。
ダークスポットの評価ランク
○:ダークスポットが5個未満
△:ダークスポットが5個以上、10個未満
×:ダークスポットが10個以上
Figure 0005055711
本発明の有効性が確認された。
実施例5
実施例1で作製した試料No.1−4を作製する時、工程の露点温度、清浄度クラスを表6に示す様に変えた他は全て同じ条件でロール状有機EL素子を作製し試料501〜509とした。尚、露点温度は、試料を作製する際、空間の雰囲気ガスに使用する気体(N2を使用)の純度及び乾燥条件によって変化した。清浄度クラスは、大気循環システムのフィルターを替えることにより変化した。
評価
作製した試料No.501〜509に付き、実施例1と同じ評価項目を同じ評価方法で評価し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 0005055711
本発明の有効性が確認された。
実施例6
実施例1で作製した試料No.1−4を作製する時、巻き取り張力を表7に示す様に変えた他は全て同じ条件でロール状有機EL素子を作製し試料601〜609とした。尚、巻き取り張力は、巻き取り初期張力に対して150mを巻き取った時の巻き取り張力テーパーが80%となるようにした。巻き取り初期張力とは、巻き取り径がゼロの時の張力を示す。巻き取り張力テーパーとは、150m巻き取った時の巻き取り初期張力との割合を示す。
評価
作製した試料No.601〜609に付き、実施例1と同じ評価項目を同じ評価方法で計測し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
Figure 0005055711
試料No.601は擦り傷の発生は認められなかったが、巻きが緩く取り扱いに注意を必要とした。本発明の有効性が確認された。
実施例7
実施例1で作製した試料No.1−4を表8に示す様に酸素濃度と水分濃度とを変えた保管条件で、3日間保管し試料701〜714とした。尚、酸素濃度及び水分濃度は、閉じた空間を一旦減圧にして真空状態にすることで水分濃度、酸素濃度を十分に下げ、大気に戻す際の雰囲気ガス(N2を使用)の純度により調整した。
酸素濃度、水分濃度は、(株)東京インスツルメンツ製 CIS100型クローズトイオンソースガス分析システムにより測定した値を示す。
評価
作製した試料No.701〜714に付き、実施例5と同じ評価項目を同じ評価方法で計測し、同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
Figure 0005055711
本発明の有効性が確認された。
有機EL素子の層構成の一例を示す概略断面図である。 有機EL素子を作製する製造装置の一例を示す模式図である。 図2のHで示される部分の拡大概略斜視図である。 有機EL素子を作製する製造装置の他の一例を示す模式図である。 図4のIで示される部分の拡大概略斜視図である。 図5の広幅巻き取り補助部材に代わり、細幅の巻き取り補助部材を両端に巻き込む場合の概略斜視図である。 図5、図6のロール状帯状可撓性支持体(照明用(面発光)有機EL素子)の拡大概略部分断面図である。
符号の説明
1a、1b 有機EL素子
101 基材
102 第1電極
103 正孔輸送層
104 発光層
105 電子注入層
106 第2電極
107 封止層
108 接着剤層
109 封止フィルム
2a 製造装置
3 供給工程
4 正孔輸送層形成工程
5 発光層形成工程
502f1 第1巻き取り補助部材供給部
6 電子注入層形成工程
7 第2電極形成工程
703b 第2巻き取り補助部材供給部
8 封止層形成工程
9 回収工程
9a 巻き取り補助部材供給部
902 巻き取り補助部材
9a2、12b2 清掃手段
9a3 第5帯電防止手段
9a31 非接触式帯電防止装置
9a32 接触式帯電防止装置
12b 第3巻き取り補助部材供給部

Claims (8)

  1. 帯状可撓性支持体の上に、少なくとも第1電極と、正孔輸送層と、発光層と、電子注入層と、第2電極と、封止層又は封止フィルムをこの順番で有する有機EL素子の製造方法であって、
    少なくとも、前記帯状可撓性支持体の供給工程と、
    A)前記第1電極を形成する第1電極形成工程と、
    B)前記正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、
    C)前記発光層を形成する発光層形成工程と、
    D)前記電子注入層を形成する電子注入層形成工程と、
    E)前記第2電極を形成する第2電極形成工程と、
    F)前記封止層を形成する封止層形成工程又は前記封止フィルムを貼着する封止フィルム貼着工程と、
    G)前記有機EL素子の回収工程とを有する有機EL素子の製造方法において、
    前記A)からG)の何れかの工程のうち、少なくとも一つの工程を経た前記帯状可撓性支持体を巻き取る時、前記帯状可撓性支持体の幅方向の両端に、巻き取り補助部材として所定幅の可撓性高分子フィルムを付与し巻き取ることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  2. 前記巻き取り補助部材は、清掃手段と帯電防止手段とにより処理されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子の製造方法。
  3. 前記帯電防止手段が非接触式帯電防止装置と接触式帯電防止装置とを有していることを特徴とする請求項2に記載の有機EL素子の製造方法。
  4. 前記巻き取り補助部材は、JIS P 8127に準じて測定した含水量が1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  5. 前記巻き取り補助部材は、厚さが有機EL素子の総厚に対して10〜200%であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  6. 前記巻き取り補助部材を付与し巻き取る際、露点温度−90〜−20、JIS B 9920に準じて測定した清浄度クラスが5以下の環境条件で行われることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  7. 前記巻き取り補助部材を付与し巻き取られた有機EL素子は、酸素濃度1〜100ppm、水分濃度1〜100ppmの環境下に保管されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の有機EL素子の製造方法により製造されたことを特徴とする有機EL素子。
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