[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る検知素子である酸素濃度検査チップ1の構造を示す断面図である。このチップ1は、紫外光源2からエネルギhν1の励起光を照射すると、エネルギhν2の光を発し、その光の波長が酸素濃度に応じて、図2で示すように変化することを利用して、酸素濃度を概略検知可能にするものである。
前記チップ1は、サファイア基板3上に、GaNナノコラム4がアレイ状に形成されている。個々のGaNナノコラム4は、n型GaN層5、GaN/InGaNヘテロ構造の井戸層(発光層)6、およびp型GaN層7を備える。前記GaNナノコラム4は、たとえば以下のようにして作製することができる。
先ず、サファイア基板3上に、電子線蒸着によって、カタリスト材料層となるNi薄膜を5nm蒸着する。通常のリソグラフィ技術とArイオンエッチングなどのドライエッチング技術を用いて、前記Ni薄膜を、2次元フォトニック結晶による回折格子パターン状のNi薄膜パターンに形成する。図7に示すように、このNi薄膜パターンPは、直径100nmの柱径で、一片230nmの三角形を基本単位としている。続いて、これをMOCVD装置に入れて温度を900℃に設定した状態で、GaN結晶成長の成長ガスであるトリメチルガリウム(Ga(CH3)3)およびアンモニア(NH3)を供給することにより、Ni薄膜パターンの表面に、GaとNとを吸着させる。GaN結晶成長のGa原料はトリメチルガリウムであり、N原料はアンモニアである。吸着されたGaとNとは、Ni薄膜内に取り込まれ、該Ni薄膜内を拡散して基板1との界面に達し、ここで互いに結合してGaN単結晶を形成する。一方、サファイア基板3上に直接堆積したGaとNとは、互いに結合することができず、したがって、該サファイア基板3上にはGaN単結晶は形成されない。こうしてNi薄膜とサファイア基板3との間にのみGaN単結晶が成長する。
所定時間この状態を維持することにより、長さが約1μmほどのGaNの柱状結晶、すなわちGaNナノコラム4が形成される。このGaNナノコラム4の頂上には、最初に定めたコラム径で2次元フォトニック結晶パターンに配列されたNi薄膜が存在している。成長条件を適切に保つことで、前記GaNナノコラム4は、定められた位置において、同じ径で成長してゆく。このGaNナノコラム4の成長の際に、シラン(SiH4)、トリメチルインジウム(In(CH3)3)、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)などを供給することで、前記GaNナノコラム4に、n型GaN層5、井戸層発光層6およびp型GaN層7を形成することができる。シランはn型を形成するためのSi原料であり、トリメチルインジウムは量子井戸を形成するためのIn原料であり、ビスシクロペンタジエニルマグネシウムはp型を形成するためのMg原料である。
第1実施形態では、ナノコラム4の材料としてGaNを例にしているが、これに限定されるものではなく、酸化物、窒化物、酸窒化物などを含む化合物半導体総てを対象とすることができる。また、ナノコラム4の成長には、有機金属気相成長(MOCVD)装置を用いたが、分子線エピタキシー(MBE)装置、ハイドライド気相成長(HVPE)装置等を用いても、ナノコラム4を成長させることができる。
図3A及び図3Bは、上述のように構成される酸素濃度検査チップ1の動作原理を説明するための図である。図3Aは、被検体である酸素ガスがないときのGaNナノコラム4とそのエネルギバンドを示す図である。GaNナノコラム4は、前述のように、n型GaN層5、GaN/InGaNヘテロ構造の井戸層6、およびp型GaN層7を備える。ここで、井戸層6のエネルギバンド図は、表面準位、および内部ピエゾ抵抗のために、一般にフラットバンドに対して傾いている構造を有する。この状態で、外部励起光によりキャリアを発生させて、電子8と正孔9とを井戸層6に供給した場合、或る緩和時間を経て両者は結合し、バンドギャップエネルギhν2に相当する光を発生する。
次に図3Bに、被検体である酸素ガス10が存在する時のGaNナノコラム4とそのエネルギバンドを示す。ここでの井戸層6のエネルギバンド図は、表面準位、および内部ピエゾ抵抗に加えて、酸素ガス10がGaNナノコラム4の表面に吸着し、イオン化することによって、酸素ガス10が存在しない場合に比べて、より一層顕著に、フラットバンドに対して傾いている構造に変化する。このため、外部励起光によりキャリアを発生させて、ヘテロ構造の井戸層6に電子8と正孔9とを供給した場合、電子8と正孔9とが結合して発生するエネルギhν2は、酸素ガス10が吸着していない場合に発生するエネルギhν2と異なる。したがって、酸素ガス10が吸着している場合と酸素ガス10が吸着していない場合では異なる波長の光が放出される。一般に、酸素ガス10が吸着している場合の波長は酸素ガス10が吸着していない場合に比べると長波長側にシフトする。この波長のシフト量から、酸素ガス10の濃度を検知することができる。
図2は、紫外励起光(360nm)に対するGaNナノコラム4の発光スペクトラムを示すグラフである。横軸は波長で、縦軸は標準化された発光強度(輝度)を示す。参照符号α1は酸素がない真空時のデータであり、参照符号α2は酸素ガス10が充填された雰囲気中でのデータである。前述のとおり、酸素雰囲気においては、発光スペクトルが長波長側(440→450nm)にシフトしていることが理解される。これらのスペクトル範囲は青色の可視光なので、目視により、このスペクトルの差を充分認識することができる。
以上のように、第1実施形態の酸素濃度検査チップ1は、紫外光源2からの励起光により励起されて、酸素濃度に対応した波長と輝度の光を発生する。このチップ1は、サファイア基板3上に、ヘテロ構造の井戸層6を有するGaNナノコラム4を備えている。GaNナノコラム4は酸素分子または原子が吸着した場合、ヘテロ構造の井戸層6においてバンドギャップ幅の小さい方の構造体(材料)のバンドが歪み、該歪みにより遷移エネルギ(見掛けのバンドギャップ幅)に変化が生じ、該変化により井戸層6で発生する光の強度(輝度)と波長の少なくとも一方の変化によって、酸素濃度を示している。
GaNナノコラム4は成長温度が高いので、高温の環境(少なくとも500℃)で使用することができ、しかも酸素ガス10に対して安定(腐食や変質が少なく)なので、繰り返して使用することができる。特に、波長(色)を利用して酸素濃度を検知する場合、感度劣化が少ないので、定量性に優れ、また校正が不要になる。
また、第1実施形態に係る酸素濃度検査チップ1では、井戸層6で発生する光(エネルギhν2)は、上述のように可視光の領域に設定されているので、人間が目視によって、すぐに酸素ガス10の存在の有無、および濃度を知ることができる。
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係る検知装置である酸素濃度センサ11の構造を示す図である。このセンサ11は、ペン状に形成されるハンディタイプの検知装置である。センサ11のペン先部には酸素濃度検査チップ12が設けられている。センサ11の本体部16には、測定結果を表示する表示部13、測定釦14および後述するリフレッシュ釦15が設けられている。本体部16にキャップ18を嵌めることにより、前記チップ12を保護している。本体部16とキャップ18はケーブル17で接続されている。
このセンサ11に好適なチップ12は、たとえば図5で示すように構成される。シリコン基板23上に、GaNナノコラム24がアレイ状に形成されている。シリコン基板23とGaNナノコラム24はいずれも導電性を有する。個々のGaNナノコラム24は、n型GaN層25、GaN/InGaNヘテロ構造の井戸層(発光層)26、およびp型GaN層27を備える。p型GaN層27の上部では径を大きくすることにより、隣り合うp型GaN層27が電気的に接触している。これにより、p型GaN層27の形状は上から見ればプレーナ状になっている。井戸層26にキャリアを供給するために、p型GaN層27上にはp型電極28が接続され、n型GaN層25にはシリコン基板23を介してn型電極29が接続され、これらの電極28,29が外部の直流電源30に接続されている。キャリアを供給することにより、ヘテロ構造の井戸層26のバンドギャップエネルギに相当するエネルギhν3を有する光が発生する。その光は、GaNナノコラム24の表面に吸着した酸素分子、原子の濃度の違いが原因で、図3で説明した原理により、波長が変化する。図4に示す本体部16は、上記波長の変化を基にして酸素濃度を演算して、その値を表示部13に表示する。GaNナノコラム24の作製方法は、第1実施形態と同様である。
図6は、前記センサ11の電気的構成を示すブロック図である。本体部16に配置された測定釦14を押すことにより、前記本体部16内に設けられた励起手段である前述の直流電源30からチップ12に電流が供給されて、該チップ12は発光する。その光は光ファイバ31を通り、本体部16内のフィルタ32によって分光された後、対応するフォトダイオード33で光電変換される。検知手段である前記フィルタ32およびフォトダイオード33は、前記GaNナノコラム24の光を分光するために、赤色用のフィルタ32とフォトダイオード33、緑色用のフィルタ32とフォトダイオード33、青色用のフィルタ32とフォトダイオード33の少なくとも三種類が設けられる。演算手段である信号処理部34は、前記各フォトダイオード33の出力から分光分布を演算し、その分光分布を、予め測定されて格納されている酸素濃度のデータと対照して実際の酸素濃度を算出し、前記表示部13に、図4で示すように表示させる。
第1実施形態の酸素濃度検査チップ1では発光の色(波長)を目視して、酸素濃度を判断するので、酸素濃度は大まかにしか分らなかった。一方、第2実施形態では酸素濃度を表示するので、酸素濃度を高精度に定量化して知ることができる。第2実施形態の構成でも、高温の環境で使用することができる。しかも酸素ガス10に対して安定(腐食や変質が少なく)なので、繰り返して使用することができる。特に、上述のように波長(色)でパラメータを検知する場合、感度劣化が少ないので、定量性に優れ、また校正が不要になる。
光ファイバ31および励起光の電源線35を設けることにより、チップ12をセンサ11の残余の構成を内蔵する本体部16から離すことができる。チップ12の大きさは一辺が1mm以下にすることができるので、光ファイバ31および電源線35を内包し、チップ12を支持する導入部36を注射針のように細くすることができる。これにより、化学実験室などで液体内の化学物質を手軽に測定することができる。また、チップ12は生体に有害な物質を含んでいないので、チップ12を生体内に差込むことが可能となる。
また注目すべきは、前記チップ12の保護用のキャップ18内には、前記チップ12に対向して、紫外線ランプ37が設けられている。キャップ18を本体部16に嵌めた状態で、好ましくは減圧下で、前記リフレッシュ釦15を押すことにより、前記直流電源30からこの紫外線ランプ37に電流が供給されて該紫外線ランプ37が点灯する。紫外線の照射によって、チップ12のGaNナノコラム24に付着した前記酸素等の分子または原子が蒸散するので、リフレッシュすることができる。これによって、センサ11の感度を常に良好に保つことができるとともに、繰返し使用が可能となるので、対環境性に優れ、コストパーフォーマンスの高いセンサを実現することができる。
上述の説明では、主として酸素濃度センサの例を挙げたが、GaNナノコラム4,24の表面に、たとえばポリエチルイミン(PEI)を設けることでCO2の検知が可能であり、半透明の白金層を設けることでH2の検知が可能になる。さらに半透明の金膜をGaNナノコラム4,24の表面に設けることで、DNAの検知も可能である。以上は検知できる物質の例であり、本発明の対象被検体は、O2、CO2、H2、DNAに限られず、本発明の原理が適用できるすべての被検体に適用できることは言うまでもない。また、温度、湿度、及び液体の検知に用いることも可能である。
また、上述の説明では、ナノスケールの結晶構造体として、前記GaNナノコラム4,24、すなわち柱状の構造で説明したけれども、シート(ウォール)状の構造でもよい。その場合、最薄部がナノスケールであればよい。しかしながら、同じチップ面積でも、ナノコラムの方が表面積は広いので、被検体の吸着に敏感であり、高感度の検知素子を実現できる。
なお、特開2004−151093号公報には、微小共振器レーザダイオードを流路の脇に設置したセンサが開示されている。このセンサでは、流体又は環境の変化により微小共振器レーザダイオードの共振条件が変化し、この変化によりダイオードから出力される光が変化し、この変化を検知することによって、濃度又は温度を求めている。しかし、このセンサは特殊な用途に用いられ、汎用性はない。
第1実施形態では酸素濃度検査チップ1、第2実施形態では酸素濃度センサ11を説明した。しかしながら図2に示すように、酸素がない真空時のデータ(α1)と酸素ガス10が充填された雰囲気中でのデータ(α2)を比べると分かるように、酸素の有無により井戸層6で発生する光の波長及び輝度が異なっている。したがって、酸素濃度検査チップ1、酸素濃度センサ11ではなく、酸素の有無を検知する酸素有無検知チップ、酸素有無検知センサとした実施形態も可能である。
本発明の第1の局面に係る検知素子は、励起光により励起されて周囲雰囲気に対応した光を発生することによって、前記周囲雰囲気における予め定める気体または液体のパラメータを検知する検知素子であって、基板と、前記基板上に形成された、ヘテロ構造の井戸層を有する化合物半導体発光素子により構成されるナノスケールの結晶構造体と、を備えており、前記ナノスケールの結晶構造体は、前記予め定める気体または液体の分子または原子が吸着した場合、前記井戸層においてバンドギャップ幅の小さい方の構造体(材料)のバンドが歪み、該歪みにより遷移エネルギ(見掛けのバンドギャップ幅)に変化が生じ、該変化により前記井戸層で発生する光の強度と波長の少なくとも一方の変化によって、前記気体または液体のパラメータを示すことを特徴とする。
この構成による検知素子は、励起光により励起されて周囲雰囲気に対応した光を発することにより、前記周囲雰囲気における予め定める気体または液体のパラメータ(種類、濃度、温度、湿度)を検知する。検知素子は、基板上に、ヘテロ構造の井戸層を有する化合物半導体発光素子により構成されるナノスケールの結晶構造体を備えている。前記ナノスケールの結晶構造体は、柱状又はシート(ウォール)状に形成され、最薄部がナノスケールであればよい。前記化合物半導体発光素子が前記励起光を受けて発光する場合、前記ナノスケールの結晶構造体に前記予め定める気体または液体(被検体)の分子または原子が吸着していれば、前記井戸層においてバンドギャップ幅の小さい方の構造体(材料)のバンドが歪んでいるので、該歪みにより遷移エネルギ(見掛けのバンドギャップ幅)に変化が生じ、該変化により前記井戸層で発生する光の強度(輝度)および波長が変化する。該強度と該波長の少なくとも一方の変化によって、前記気体または液体(被検体)の所定のパラメータを検知する。
前記化合物半導体発光素子により構成される前記ナノスケールの結晶構造体は、成長温度が高いので、高温の環境で使用することができ、しかも多くの気体または液体(被検体)に対して安定(腐食や変質が少なく)なので、繰り返して使用することができる。特に、波長でパラメータを検知する場合、感度劣化が少ないので、定量性に優れ、また校正が不要になる。
本発明の第1の局面に係る検知素子において、前記井戸層で発生する光は可視光の領域に設定される、ようにすることができる。
この構成によれば、検知素子からの光が可視光なので、人間が目視によって、すぐに被検体(前記予め定める気体または液体)の存在の有無、および濃度を知ることができる。
本発明の第1の局面に係る検知素子において、前記ナノスケールの結晶構造体は、GaN/InGaNヘテロ構造の前記井戸層を有するGaNナノコラムである、ようにすることができる。
本発明の第1の局面に係る検知素子において、前記ナノスケールの結晶構造体は、直径100nmの柱径で、一片230nmの三角形を基本単位としており、前記GaNナノコラムの長さは1μmである、ようにすることができる。
本発明の第2の局面に係る検知装置は、予め定める気体または液体のパラメータを検知する検知装置であって、ヘテロ構造の井戸層を有する化合物半導体発光素子により構成されるナノスケールの結晶構造体を、基板上に備える検知素子と、前記化合物半導体発光素子を発光させる励起手段と、前記化合物半導体発光素子から発した光を受光し、該光の強度と波長の少なくとも一方を検知する検知手段とを含み、前記ナノスケールの結晶構造体は、前記予め定める気体または液体の分子または原子が吸着した場合、前記井戸層においてバンドギャップ幅の小さい方の構造体(材料)のバンドが歪み、該歪みにより遷移エネルギ(見掛けのバンドギャップ幅)に変化が生じ、前記検知手段は、前記井戸層で発生する光の強度と波長の少なくとも一方の変化を検知することによって、前記気体または液体のパラメータを検知することを特徴とする。
この構成によれば、気体または液体(被検体)の所定のパラメータ、たとえば種類、濃度、温度、湿度等を検知する検知装置において、検知素子は、基板上に、ヘテロ構造の井戸層を有する化合物半導体発光素子により構成されるナノスケールの結晶構造体を備えている。前記ナノスケールの結晶構造体は、柱状又はシート(ウォール)状に形成され、最薄部がナノスケールであればよい。前記化合物半導体発光素子が励起手段で励起されて発光する場合、前記ナノスケールの結晶構造体に前記予め定める気体または液体(被検体)の分子または原子が吸着していれば、前記井戸層においてバンドギャップ幅の小さい方の構造体(材料)のバンドが歪んでいるので、該歪みにより遷移エネルギ(見掛けのバンドギャップ幅)に変化が生じ、該変化により前記井戸層で発生する光の強度(輝度)および波長に変化が生じる。その少なくとも一方の変化を、検知手段が検知する。そして、予め測定されているその強度と波長との少なくとも一方に対する前記気体または液体(被検体)の所定のパラメータ値と対照し、実際のパラメータ値を算出する。
前記化合物半導体発光素子により構成される前記ナノスケールの結晶構造体は、成長温度が高いので、高温の環境で使用することができ、しかも多くの気体または液体(被検体)に対して安定(腐食や変質が少なく)なので、繰り返して使用することができる。特に、波長でパラメータを検知する場合、感度劣化が少ないので、定量性に優れ、また校正が不要になる。
本発明の第2の局面に係る検知装置において、前記ナノスケールの結晶構造体は、GaN/InGaNヘテロ構造の井戸層を有するGaNナノコラムである、ようにすることができる。
本発明の第2の局面に係る検知装置において、前記ナノスケールの結晶構造体は、直径100nmの柱径で、一片230nmの三角形を基本単位としており、前記GaNナノコラムの長さは1μmである、ようにすることができる。
本発明の第2の局面に係る検知装置において、前記励起手段は、前記化合物半導体発光素子を光励起(PL:フォトルミネッセンスを用いる)する発光素子である、ようにすることができる。
本発明の第2の局面に係る検知装置において、前記ナノスケールの結晶構造体の両端には電極が取付けられており、前記励起手段は直流電源である、ようにすることができる。
本発明の第2の局面に係る検知装置において、前記検知手段は、前記化合物半導体発光素子から発した光を分光する少なくとも3つの光学フィルタと、前記各光学フィルタに対応して設けられ、対応する光学フィルタを通過した光の強度を検知するフォトダイオードと、前記各フォトダイオードの出力から分光分布を演算し、前記予め定める気体または液体のパラメータ値を演算する演算手段とを備える、ようにすることができる。
この構成によれば、上記分光分布を基にするので、所望とする気体または液体のパラメータ値を高精度に求めることができる。
本発明の第2の局面に係る検知装置において、前記検知装置は、さらに、ペン状に形成されており、前記検知素子が設けられたペン先部を有する本体部を備えており、前記本体部には、残余の構成および前記検知手段の検知結果を表示する表示手段が設けられている、ようにすることができる。
この構成によれば、ハンディタイプの検知装置を実現することができる。
本発明の第2の局面に係る検知装置において、前記ペン先部を覆うキャップに、紫外線発生手段を備える、ようにすることができる。
この構成によれば、検知素子に付着した前記所定の気体または液体の分子または原子を 紫外線の照射によって蒸散させることにより、検知素子をリフレッシュさせることができる。
本発明の第3の局面に係る酸素濃度検査装置は、GaN/InGaNヘテロ構造の井戸層を有する化合物半導体により構成されるナノスケールの結晶構造体を含んでおり、雰囲気中の酸素濃度に応じて発光波長及び輝度が異なる発光素子と、前記発光素子に励起エネルギを供給する供給部と、前記供給部から励起エネルギが供給されることにより、前記発光素子から発した光を受光する光受光部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、酸素濃度検査装置を高温環境で使用することができる。ここで、発光素子は本実施形態の酸素濃度検査チップ1,12に対応している。供給部は本実施形態の紫外光源2及び直流電源30に対応している。光受光部は本実施形態のフォトダイオード33に対応している。
本発明の第3の局面に係る酸素濃度検査装置において、前記発光素子は、前記井戸層を挟むGaN層をさらに含んでおり、前記井戸層と前記GaN層から構成される構造体は、基板上に垂直に形成されたナノコラム形状を有する、ようにすることができる。
この構成によれば、井戸層とGaN層から構成される構造体の表面積を広くできるので、高感度の酸素濃度検査装置を実現することができる。
本発明の第3の局面に係る酸素濃度検査装置において、前記ナノスケールの結晶構造体は、直径100nmの柱径で、一片230nmの三角形を基本単位としており、前記ナノコラムの長さは1μmである、ようにすることができる。
本発明の第3の局面に係る酸素濃度検査装置において、前記酸素濃度検査装置は、さらに前記発光素子と前記光受光部の間の光路に配置されており、前記発光素子から発した光を赤青緑の三色に分光する光学フィルタを備えており、前記受光部は、前記光学フィルタで分光された赤色光を受光する赤受光部、前記光学フィルタで分光された緑色光を受光する緑受光部及び前記光学フィルタで分光された青色光を受光する青受光部に分けられており、前記酸素濃度検査装置は、さらに前記赤受光部、前記緑受光部、前記青受光部のそれぞれの出力から求められた分光分布を基にして酸素濃度を演算する演算部を備える、ようにすることができる。
この構成によれば、上記分光分布を基にするので、酸素濃度を高精度に求めることができる。ここで、光学フィルタ、赤受光部、緑受光部及び青受光部により構成されるユニットは、本実施形態の赤色用のフィルタ32とフォトダイオード33、緑色用のフィルタ32とフォトダイオード33及び青色用のフィルタ32とフォトダイオード33により構成されるユニットと対応している。