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JP4922757B2 - 改良型ニトリルヒドラターゼ - Google Patents

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Description

本発明は耐熱性の向上した又は基質特異性が変化した改良型ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子DNA、該遺伝子DNAを含む組換えベクター、該組換えベクターを有する形質転換体または形質導入体、該形質転換体または形質導入体の培養物から採取されたニトリルヒドラターゼおよびその製造方法並びに該培養物又は該処理物を用いたアミド化合物の製造方法に関する。
近年、ニトリル基を水和しアミド基に変換するニトリル水和活性を有する酵素であるニトリルヒドラターゼが発見され、該酵素または該酵素を含有する微生物菌体等を用いてニトリル化合物より対応するアミド化合物を製造する方法が開示されている。この製造方法は、従来の化学合成法と比較し、ニトリル化合物から対応するアミド化合物への転化率および選択率が高いことで知られている。
ニトリルヒドラターゼを生産する微生物としては、例えば、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレビシエラ(Klebsiella)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属等に属する微生物を挙げることができる。中でもロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1株はアクリルアミドの工業的生産に使用されており、有用性が実証されている。また、その菌株が産生するニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子も明らかとなっている(文献1参照)。さらに耐熱性の向上した酵素の取得は、反応時の酵素量の削減およびコスト削減等の観点から開発が望まれていた。
一方、自然界に存在する微生物から単離したニトリルヒドラターゼやその遺伝子を利用するのみならず、ニトリルヒドラターゼに対して、活性、基質特異性、Vmax、Km、熱安定性、基質に対する安定性、生成物に対する安定性等を変化させる目的でニトリルヒドラターゼに変異を導入することが試みられている(文献2及び3参照)。
特許第3162091号公報 国際公開2004/056990号パンフレット 特開2004-222538号公報
ニトリルヒドラターゼは既にアクリルアミドの工業的生産に使用されている酵素であるが、現在使用されている酵素と比較し、さらに耐熱性などの性質を向上させた酵素を取得することは、酵素反応時におけるコストを削減できる点で有用である。
そこで、本発明の目的は、ニトリルヒドラターゼをさらに改良し、より耐熱性の向上したニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子DNA、該遺伝子DNAを有する組換えベクター、該組換えベクターを有する形質転換体または形質導入体、該形質転換体または形質導入体の培養物から採取されたニトリルヒドラターゼおよびその製造方法並びに該培養物又は該処理物を用いたアミド化合物の製造方法を提供することにある。
さらに、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1株のニトリルヒドラターゼはアクリロニトリルを原料とするアクリルアミドの工業的生産に使用されているが、アロマティックなニトリルに対しては反応性が低く、アロマティックなニトリルに対する反応性の高い酵素が望まれていると共に、触媒のコスト削減の観点から、熱に対して安定で失活しにくい酵素が望まれていた。そこで、本発明は、ニトリルヒドラターゼを改良し、耐熱性の向上した酵素を取得すること、及び/又はアロマティックなニトリルに対する反応性の向上した酵素を取得することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1株由来のニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列において、少なくとも一つ以上のアミノ酸残基を天然アミノ酸のグループから選択される残基で置換することにより、該酵素の耐熱性が向上すること、及び/又はアロマティックなニトリルに対する反応性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 以下の(a)、(b)又は(c)のタンパク質。
(a) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列において、第24番目のフェニルアラニン残基、第88番目のイソロイシン残基、第92番目のグルタミン酸残基、第93番目のグルタミン酸残基、第96番目のヒスチジン残基、第103番目のグルタミン酸残基、第167番目のアスパラギン残基及び第225番目のチロシン残基から選ばれる少なくとも1個のアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(b) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列のうち第167番目のアスパラギン残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(c) 上記(a)若しくは(b)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(2) 以下の(a)又は(b)のタンパク質。
(a) 野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列において、第42番目のアスパラギン残基、第80番目のアラニン残基、第118番目のアラニン残基及び第132番目のアスパラギン酸残基から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(b) 上記(a)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(3) 以下の(a)、(b)又は(c)のタンパク質。
(a) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列のうち第167番目のアスパラギン残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列において、第144番目のロイシン残基又は第219番目のバリン残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(b) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列のうち第167番目のアスパラギン残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列、及び野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列において第129番目のバリン残基又は第196番目のロイシン残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(c) 上記(a)又は(b)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(4) 以下の(a)又は(b)のタンパク質。
(a) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列において第26番目のヒスチジン残基及び第48番目のトリプトファン残基のうち少なくとも一方のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(b) 上記(a)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
(5) 第26番目のヒスチジン残基がアルギニン残基に置換された、(4)記載のタンパク質。
(6) 第48番目のトリプトファン残基が、アルギニン、バリン及びロイシンから選ばれるいずれかのアミノ酸残基に置換された、(4)記載のタンパク質。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のタンパク質をコードする遺伝子DNA。
(8) 以下の(a)、(b)又は(c)の遺伝子DNA。
(a) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列において、第70〜72番目、第262〜264番目、第274〜276番目、第277〜279番目、第286〜288番目、第307〜309番目、第499〜501番目及び第673〜675番目の塩基のうち少なくとも1個の塩基が他の異なる塩基に置換された塩基配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(b) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列のうち第499〜501番目の少なくとも1個の塩基が他の異なる塩基に置換された塩基配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(c) 上記(a)若しくは(b)の遺伝子DNAの塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(9) 以下の(a)又は(b)の遺伝子DNA。
(a) 野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列において、第124〜126番目、第238〜240番目、第352〜354番目及び第394〜396番目の塩基のうち少なくとも1個の塩基が他の異なる塩基に置換された塩基配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(b) 上記(a)の遺伝子DNAの塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(10) 以下の(a)、(b)又は(c)の遺伝子DNA。
(a) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列のうち第499〜501番目の塩基の少なくとも1個の塩基が他の異なる塩基に置換された塩基配列において、第430〜432番目及び第655〜657番目の塩基の少なくとも1個の塩基が他の異なる塩基に置換された塩基配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(b) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列のうち第499〜501番目の塩基、並びに野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列のうち第385〜387番目及び586〜588番目の塩基の少なくとも1個の塩基が他の異なる塩基に置換された塩基配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(c) 上記(a)若しくは(b)の遺伝子DNAの塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(11) 以下の(a)又は(b)の遺伝子DNA。
(a) 野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列において第76〜78番目及び第142〜144番目の塩基のうち少なくとも1個の塩基が他の異なる塩基に置換された塩基配列を含み、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(b) 上記(a)の遺伝子DNAの塩基配列に相補的な塩基配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ、耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
(12) 第77番目の塩基AがGに置換された(11)記載の遺伝子DNA。
(13) 第142番目の塩基TがCに置換された(11)記載の遺伝子DNA。
(14) 上記(7)〜(13)のいずれか1項に記載の遺伝子DNAを含む組換えベクター。
(15) 上記(14)記載の組換えベクターを含む形質転換体または形質導入体。
(16) 上記(15)記載の形質転換体または形質導入体を培養し、得られる培養物から採取されたニトリルヒドラターゼ。
(17) 上記(15)記載の形質転換体または形質導入体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とするニトリルヒドラターゼの製造方法。
(18) 上記(15)の形質転換体を培養して得られる培養物又は該処理物をニトリル化合物に接触させ、当該接触により生成されるアミド化合物を採取することを特徴とするアミド化合物の製造方法。
本発明により野生型ニトリルヒドラターゼより耐熱性の向上した及び/またはアロマティックなニトリルに対する反応性が向上した変異型ニトリルヒドラターゼ及び該酵素をコードする遺伝子が提供される。さらには、上記変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む組換えDNA、該組換えDNAを含む形質転換(導入)体、該形質転換(導入)体を用いたアミド化合物の製造法が提供される。
本発明により、効率よくアクリルアミドを製造することが可能となる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本明細書において引用された文献、公開公報、国際公開公報その他の特許公報は、参照として本明細書に組込むものとする。
<ニトリルヒドラターゼ>
本発明は、野生型ニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列の一部を変異させることにより、野生型ニトリルヒドラターゼよりも耐熱性及び/又は基質特異性が向上した改良型ニトリルヒドラターゼを提供するものである。
「ニトリルヒドラターゼ」とは、ニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する水和反応(RCN+H2O→RCONH2)を触媒する酵素である。また、「ニトリルヒドラターゼ」の構造は、αサブユニットおよびβサブユニットが集まった高次構造をとる。「野生型ニトリルヒドラターゼ」とは、その酵素源となる微生物の野生株(親株)由来のアミノ酸配列を有するニトリルヒドラターゼおよび野生株(親株)由来の遺伝子配列でコードされるニトリルヒドラターゼのことである。「野生型βサブユニット」又は「野生型αサブユニット」とは、野生株(親株)由来のアミノ酸配列を有するβサブユニット又はαサブユニットおよび野生株(親株)由来の遺伝子配列でコードされるβサブユニット又はαサブユニットのことである。
「野生型ニトリルヒドラターゼ」は、各種微生物の野生型由来のニトリルヒドラターゼが挙げられる。微生物は、ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子を有する微生物である限り特に限定されるものではない。好ましくは、ロドコッカス属に属する微生物、例えばロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1(FERM BP-1478)、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) M8(SU1731814)、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)M33(VKM Ac-1515D)、またはロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC39484(特開平2001-292772)などに由来のアミノ酸配列を有するニトリルヒドラターゼ、およびその遺伝子配列でコードされるニトリルヒドラターゼが挙げられる。あるいは、バチルス・スミシ(Bacillus smithii)(特開平09-248188)由来のニトリルヒドラターゼであってもよい。特に好ましくは、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1またはロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)M8に由来のアミノ酸配列を有するニトリルヒドラターゼおよびその遺伝子配列でコードされるニトリルヒドラターゼが挙げられる。なお、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)M33(VKM Ac-1515D)菌は、M8(SU1731814)菌から自然突然変異によって構成的にニトリルヒドラターゼを発現する株として選抜された菌株である。そのニトリルヒドラターゼ自体のアミノ酸配列および遺伝子配列に変異はない(米国特許第5,827,699号)。
ここで耐熱性の向上とは、加熱処理した変異株由来酵素の残存活性が、同じ処理を行った親株由来酵素の残存活性より10%以上高いことを意味する。「残存活性」とは、加熱処理した菌体を用いて活性測定したアミド化合物の生成量と、同量の無処理の菌体を用いて活性測定したアミド化合物の生成量との比を示す。加熱処理の方法としては、培養液、または集菌・洗浄した培養菌体を容器に入れ、これをウォーターバスやインキュベーター等の加熱装置に入れて一定時間保温すればよい。この時、酵素の安定性を高めるためのニトリル化合物やアミド化合物を添加して加熱処理を施してもよい。加熱処理の条件としては処理温度と処理時間を適宜検討し、親株の活性が50%以下に低下する条件を設定するのが好ましい。具体的には50℃から70℃の範囲で、5分から30分加熱処理を行う。無処理の菌体は培養液、または集菌・洗浄した培養菌体を4℃で保冷したものを用いる。活性測定は加熱処理または無処理の菌体を用い、基質であるニトリル化合物を該菌体と接触させ、対応するアミド化合物に変換して該アミド化合物を定量する。基質としてはニトリルヒドラターゼが反応すればいかなるニトリル化合物でも使用できるが、アクリロニトリルが好ましい。反応条件としては、例えば基質濃度は2.5%、反応温度は10℃から30℃、反応時間は10分から30分の範囲で行う。酵素反応はリン酸を添加して停止させ、HPLC、またはガスクロマトグラフィーによって生成したアクリルアミドを分析する。
本発明の改良型ニトリルヒドラターゼは、例えば、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococus rhodochrous)J-1株由来のニトリルヒドラターゼのアミノ酸配列を改変し、親株のニトリルヒドラターゼ活性と比較し耐熱性の向上した改良型ニトリルヒドラターゼを選択することにより得られる。その改変方法としては、J1菌にハイドロキシルアミンや亜硝酸等の変異源となる薬剤を接触・作用させる方法、紫外線照射により変異を誘発する方法、J1菌由来のニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子(以下、ニトリルヒドラターゼ遺伝子)にPCRを用いてランダムに変異を導入する方法等を採用することができる。
本発明においては、野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列(例えば配列番号2)のうち、第167番目のアスパラギンがセリンに置換された改良型ニトリルヒドラターゼを見出した。本発明ではこの改良型ニトリルヒドラターゼに加え、さらに耐熱性の向上した改良型ニトリルヒドラターゼを選択した。その選択方法は、上記「耐熱性」の定義に該当する変異体(変異遺伝子)を選抜することで行った。
このようにして得られた酵素としては、ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列(例えば配列番号2)において、第24番目のフェニルアラニン残基、第88番目のイソロイシン残基、第92番目のグルタミン酸残基、第93番目のグルタミン酸残基、第96番目のヒスチジン残基、第103番目のグルタミン酸残基、第167番目のアスパラギン残基、及び第225番目のチロシン残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質である。
また、ニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列(例えば配列番号4)において、第42番目のアスパラギン残基、第80番目のアラニン残基、第118番目のアラニン残基、及び第132番目のアスパラギン酸残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質である。
さらに、本発明は、野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニット(配列番号2)のうち第167番目のアスパラギン残基が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列において、βサブユニットのアミノ酸配列の第144番目のロイシン残基、第219番目のバリン残基、並びにαサブユニットのアミノ酸配列(配列番号4)の第129番目のバリン残基および第196番目のロイシン残基のうち少なくとも1つのアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を有し、且つ、ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質である。
上述の複合変異体を作製する手段は如何なる方法でもよく、例えば、合成一本鎖オリゴヌクレオチドを用いて部位特異的な置換を生じさせる方法、複数の異なる単変異個所を含むDNA断片を制限酵素で切断して連結させる方法により作成することができる。
耐熱性を損なわない限り、上記の変異に加えて、1もしくは複数個(例えば1個または数個)のアミノ酸が置換、欠失および/または付加されていても構わない。例えば、野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列(例えば配列番号2)又は野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列(例えば配列番号4)の1〜2個、あるいは、野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子(例えば配列番号3)又は野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットをコードする遺伝子(例えば配列番号3)に示される塩基配列によりコードされるアミノ酸配列の1〜2個のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換してもよい。
次に、好ましいアミノ酸変異の態様を示す。本発明においては、便宜上、アミノ酸の1文字表記とαまたはβサブユニットのアミノ酸配列のアミノ酸番号を使用して変異の態様を説明することができる。例えば、Fβ24Lという表記は、「βサブユニット(例えば配列番号2)のアミノ酸配列のうち第24番目のアミノ酸がフェニルアラニンからロイシンに置換される変異」を意味する。また、Nβ167Sという表記は、「βサブユニット(例えば配列番号2)のアミノ酸配列のうち第167番目のアミノ酸がアスパラギンからセリンに置換される変異」を意味する。
<変異と置換の態様(1)>
この態様は、ニトリルヒドラターゼのαまたはβサブユニットのアミノ酸残基を少なくとも1個変異させるものである。
単変異
1. Fβ24L
2. Iβ88F
3. Eβ92K
4. Eβ93G
5. Hβ96R
6. Eβ103D
7. Nβ167S
8. Yβ225H
9. Nα42D
10. Aα80T
11. Aα118V
12. Dα132N
複合変異
1. Eβ93G、Eβ103D
2. Eβ93G、Dα132N
3. Hβ96R、Nα42D
4. Eβ92K、Aα80T
上記のアミノ酸置換を生じさせるときの塩基置換は以下の通りである。なお、βサブユニット、αサブユニットをコードする遺伝子DNAは、それぞれ配列番号1、配列番号3に示すものを例として説明する。
単変異1:配列番号1において、70〜72番目の塩基配列「TTC」をCTT、CTC、CTA又はCTGとなるように塩基を置換させる。特に、70番目のTをCに置換すること(TTC→CTC)が好ましい。
単変異2:配列番号1に示す塩基配列において262〜264番目の塩基配列「ATC」を、TTT又はTTCに置換させる。特に、262番目のAをTに置換させること(ATC→TTC)が好ましい。
単変異3:配列番号1に示す塩基配列において274〜276番目の塩基配列「GAA」を、AAA又はAAGに置換させる。特に、274番目のGをAに置換させること(GAA→AAA)が好ましい。
単変異4:配列番号1に示す塩基配列において277〜279番目の塩基配列「GAG」を、GGG、GGC、GGA又はGGTに置換させる。特に、278番目のAをGに置換させること(GAG→GGG)が好ましい。
単変異5:配列番号1に示す塩基配列において286〜288番目の塩基配列「CAC」を、CGC、CGG、CGA又はCGTに置換させる。特に、287番目のAをGに置換させること(CAC→CGC)が好ましい。
単変異6:配列番号1に示す塩基配列において307〜309番目の塩基配列「GAG」を、GAC又はGATに置換させる。特に、309番目のGをTに置換させること(GAG→GAT)が好ましい。
単変異7:配列番号1に示す塩基配列において499〜501番目の塩基配列「AAC」を、AGC又はAGTに置換させる。特に、500番目のAをGに置換させること(AAC→AGC)が好ましい。
単変異8:配列番号1に示す塩基配列において673〜675番目の塩基配列「TAC」を、CAC又はCATに置換させる。特に、673番目のTをCに置換させること(TAC→CAC)が好ましい。
単変異9:配列番号3に示す塩基配列において124〜126番目の塩基配列「AAC」を、GAC又はGATに置換させる。特に、124番目のAをGに置換させること(AAC→GAC)が好ましい。
単変異10:配列番号3に示す塩基配列において238〜240番目の塩基配列「GCC」を、ACC,ACG,ACA又はACTに置換させる。特に、238番目のGをAに置換させること(GCC→ACC)が好ましい。
単変異11:配列番号3に示す塩基配列において352〜354番目の塩基配列「GCC」を、GTC、GTG、GTA又はGTTに置換させる。特に、353番目のCをTに置換させること(GCC→GTC)が好ましい。
単変異12:配列番号3に示す塩基配列において394〜396番目の塩基配列「GAC」を、AAC又はAATに置換させる。特に、394番目のGをAに置換させること(GAC→AAC)が好ましい。
複合変異1〜4の塩基配列の置換に関しては、単変異の置換と同様である。
<変異と置換の態様(2)>
この態様は、ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列を少なくとも2箇所変異させるか、あるいはβサブユニットのアミノ酸配列を少なくとも1箇所、かつ、αサブユニットのアミノ酸配列をを少なくとも1箇所変異させる態様である。
1. Nβ167S、Lβ144H
2. Nβ167S、Vβ219A
3. Nβ167S、Vα129A
4. Nβ167S、Lβ144H、Vβ219A
5. Nβ167S、Lβ144H、Vβ219A Vα129A Lα196P
上記のアミノ酸置換を生じさせるときの塩基置換は以下の通りである。
Nβ167S:配列番号1に示す塩基配列において499〜501番目の塩基配列「AAC」を、AGC又はAGTに置換させる。特に、500番目のAをGに置換させること(AAC→AGC)が好ましい。
Lβ144H:配列番号1に示す塩基配列において430〜432番目の塩基配列「CTC」を、CAC又はCATに置換させる。特に、431番目のTをAに置換させること(CTC→CAC)が好ましい。
Vβ219A:配列番号1に示す塩基配列において655〜657番目の塩基配列「GTC」を、GCT、GCC、GCA又はGCGに置換させる。特に、656番目のTをCに置換させること(GTC→GCC)が好ましい。
Vα129A:配列番号3に示す塩基配列において385〜387番目の塩基配列「GTG」を、GCT、GCC、GCA又はGCGに置換させる。特に、386番目のTをCに置換させること(GTG→GCG)が好ましい。
Lα196P:配列番号3に示す塩基配列において586〜588番目の塩基配列「CTC」を、CCT、CCC、CCA又はCCGに置換させる。特に、587番目のTをCに置換させること(CTC→CCC)が好ましい。
<変異と置換の態様(3)>
この態様は、ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列のうち少なくとも第26番目または第48番目のアミノ酸残基を他のアミノ酸に置換する態様である。
すなわち、本発明は、アロマティックなニトリルに対する反応性が向上した、及び/又は耐熱性の向上したニトリルヒドラターゼを提供するものである。「ニトリルヒドラターゼ」とは、ニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する水和反応(RCN+2H2O→RCONH2)を触媒する酵素である。
ここで、「アロマティックなニトリルへの反応性が向上したニトリルヒドラターゼ」とは、3−シアノピリジンに対する比活性が1.5倍以上向上しているものを意味する。
その選択方法は、上記「変異」の定義に該当する変異体(変異遺伝子)を選抜する。
上記の手法により得られたアロマティックなニトリルに対する反応性の向上した酵素としては、配列番号2(βサブユニット)のアミノ酸配列において、第48番目のトリプトファン残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質である。
また、耐熱性の向上した酵素としては、配列番号2(βサブユニット)のアミノ酸配列において、第26番目のヒスチジン残基が他のアミノ酸に置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質である。
配列番号2に示されるアミノ酸配列(野性型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列)の第48番目のトリプトファンがアルギニンに置換された場合、ニトリルヒドラターゼの耐熱性が向上する効果に加え、アクリロニトリル(短鎖脂肪族ニトリル)に対する基質特異性において、3-シアノピリジン(芳香族ニトリル)に対する反応性が向上する。
次に、好ましいアミノ酸変異の態様を示す。例えば、Wβ48Rという表記は、「βサブユニット(配列番号1)の48番目のアミノ酸残基がトリプトファンからアルギニンに置換される変異」を意味する。
(1)アロマティックなニトリルに対する反応性向上変異
Wβ48R
(2)耐熱性の向上変異
Hβ26R
(3)複合変異
Wβ48R、Hβ26R
上記のアミノ酸置換を生じさせるときの塩基置換は以下の通りである。
Wβ48R:配列番号1において、142〜144番目の塩基配列「TGG」をCGT、CGC、CGA、CGG、AGA又はAGGとなるように塩基を置換させる。特に、142番目のTをCに置換すること(TGG→CGG)が好ましい。
Hβ26R:配列番号1において、76〜78番目の塩基配列「CAC」をCGT、CGC、CGA、CGG、AGA又はAGGとなるように塩基を置換させる。特に、77番目のAをGに置換すること(CAC→CGC)が好ましい。
<複合変異>
さらに、上記「変異と置換の態様」の(1)〜(3)項に記載した変異の複数を組み合わせて複合変異体とすることにより、両性質を備えた変異酵素を創製することもできる。
複合変異体を作製する手段は如何なる方法でもよく、例えば、合成一本鎖オリゴヌクレオチドを用いて部位特異的な置換を生じさせる方法、複数の異なる単変異個所を含むDNA断片を制限酵素で切断して連結させる方法により作成することができる。
変異の性質を損なわない限り、上記の変異に加えて、アミノ酸配列の欠失、置換、付加等が起こっていても構わない。例えば、上記変異が施された態様のアミノ酸配列の1個または数個、例えば1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸残基が欠失してもよく、上記変異が施された態様のアミノ酸配列に1個または数個、例えば1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸残基が付加してもよく、あるいは、上記変異が施された態様のアミノ酸配列の1個または数個、例えば1〜10個、好ましくは1〜5個のアミノ酸が他のアミノ酸残基に置換してもよい。
<変異導入法>
上記の単変異又は複合変異が導入されたニトリルヒドラターゼ遺伝子の調製は、Kunkel法や Gapped duplex法等の公知手法により、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット、例えばQuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)、GeneTailorTM Site-Directed Mutagenesis System(インビトロジェン社製)、TaKaRa Site-Directed Mutagenesis System(Mutan-K、Mutan-Super Express Km等:タカラバイオ社製)を用いて行うことができる〔Nucleic. Acid. Res. 10, 6487 (1982)、Molecular Cloning 2nd Edt, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕。
J1菌以外のニトリルヒドラターゼにおいても上述の変異の位置、変異するアミノ酸種、DNA配列によって耐熱性が向上すると考えられる。その様な菌としては、前述のロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)M8(SU1731814)、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous) M33(VKM Ac-1515D)、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC39484(特開平2001-292772)、バチルス・スミシ(Bacillus smithii)(特開平09-248188)等が例示される。
さらに、上記配列番号1または3に示す塩基配列に変異を導入した態様の塩基配列に対し相補的な塩基配列からなるDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるDNAも本発明の遺伝子DNAに含まれる。ストリンジェントな条件とは、例えば、塩(ナトリウム)濃度が150〜900mMであり、温度が55〜75℃、好ましくは塩(ナトリウム)濃度が250〜450mMであり、温度が68℃での条件をいう。
<アミド化合物耐性>
本発明の改良型ニトリルヒドラターゼは、さらにアミド化合物耐性としての性質を有する。ここで、「アミド化合物耐性」とは、他の野生株由来のニトリルヒドラターゼと比較して、アミド化合物存在下でニトリルヒドラターゼ活性を維持することができることを意味する。本発明の変異型ニトリルヒドラターゼが耐性であるアミド化合物しては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の化学式で表されるアミド化合物:
R-CONH2
(ここで、Rは、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又は無置換のアリール基、あるいは、置換又は無置換の飽和又は不飽和複素環基を意味する)
が挙げられる。特に、式中、RがCH2=CHであるアクリルアミドが好ましい。
アミド化合物耐性は、例えば、本発明の改良型ニトリルヒドラターゼを有する形質転換体の培養物又は形質転換体から単離したニトリルヒドラターゼを、アクリルアミド等のアミド化合物(例えば、30〜50%等の高濃度)存在下で、基質であるアクリロニトリル等のニトリル化合物の消費量又は消費速度を分析することによって評価することできる。そして、親株由来のニトリルヒドラターゼと比較して、例えば、消費量又は消費速度が1.1倍を超えた場合に、アミド化合物耐性であると評価することができる。
<組換えベクターおよび形質転換(導入)体の調製>
上述のニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む組換えベクターおよび形質転換(導入)体の調製方法に関して説明する。
ニトリルヒドラターゼ遺伝子は、形質転換又は形質導入される宿主生物において、発現可能なように、ベクターに組み込むことが必要である。
例えば、ベクターとしてはプラスミドDNA、バクテリオファージDNA、レトロトランスポゾンDNA、人工染色体DNAなどが挙げられる。
宿主としては、例えば、大腸菌、枯草菌等の細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞等を用いることができる。
大腸菌を宿主とする場合、発現効率の高い発現ベクター、例えばtrcプロモーターを有する発現ベクターpKK233-2(アマシャムバイオサイエンス社製)、又はpTrc99A(アマシャムバイオサイエンス社製)などを用いることが好ましい。
ベクターには、ニトリルヒドラターゼ遺伝子のほか、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)等を連結することができる。なお、選択マーカーとしては、例えばカナマイシン耐性遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子等が挙げられる。
以下、宿主の種類および宿主への組換えベクター導入方法に関して説明する。
細菌を宿主とする場合、大腸菌としては、例えばエシェリヒア・コリ(Esche richia coli)等が挙げられ、ロドコッカス(Rhodococcus)菌としては、例えばロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC12674、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC17895、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)ATCC19140等が挙げられる。これらのATCC株はアメリカンタイプカルチャーコレクションから入手できる。
細菌への組換えベクターの導入方法としては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法、エレクトロポレーション法等が挙げられる。
酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)等が用いられる。酵母への組換えベクターの導入方法としては、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定されず、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。
動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞COS-7、Vero、CHO細胞、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞等が用いられる。動物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法、リポフェクション法等が挙げられる。
昆虫細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞、Sf21細胞等が用いられる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、エレクトロポレーション法等が用いられる。
植物細胞を宿主とする場合は、タバコBY-2細胞等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。植物細胞への組換えベクターの導入方法としては、例えばアグロバクテリウム法、パーティクルガン法、PEG法、エレクトロポレーション法等が用いられる。
<ニトリルヒドラターゼの製造>
次にニトリルヒドラターゼおよびその製造方法に関して説明する。
本発明のニトリルヒドラターゼは、上記方法で調製されたニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む形質転換(導入)体を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。
ここで、「培養物」とは、培養上清、培養細胞若しくは培養菌体、又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。
本発明の形質転換(導入)体を培養する方法は、以下に例示した宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得られた形質転換体を培養する培地は、微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源としては、グルコース、フラクトース、スクロース、デンプン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類が挙げられる。窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカー等が挙げられる。無機物としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等が挙げられる。培養は、通常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、30〜40℃で行う。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
さらに、培地にはニトリルヒドラターゼの補欠金属であるコバルトイオンや鉄イオンを添加し、酵素の誘導剤となるニトリル類やアミド類を添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、イソプロピル-β-D-チオガラクトシド(IPTG)で誘導可能なプロモーターを有する発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときには IPTG等を培地に添加することができる。また、インドール酢酸(IAA)で誘導可能なtrpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはIAA等を培地に添加することができる。
動物細胞を宿主として得られた形質転換体を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI1640培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清等を添加した培地等が挙げられる。培養は、通常、5%CO2存在下、37℃で1〜30日行う。培養中は必要に応じてカナマイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加してもよい。
培養物からのニトリルヒドラターゼの採取方法は、超音波処理、凍結融解の繰り返し、ホモジナイザー処理などを施して菌体又は細胞を破砕することにより目的のタンパク質を採取する。
形質転換体が植物細胞又は植物組織である場合は、培養は、通常の植物培養用培地、例えばMS基本培地、LS基本培地等を用いることにより行うことができる。培養方法は、通常の固体培養法、液体培養法のいずれをも採用することができる。
培養物からのニトリルヒドラターゼの採取方法は、まず、セルラーゼ、ペクチナーゼ等の酵素を用いた細胞溶解処理、超音波破砕処理、磨砕処理等により細胞を破壊する。次いで、濾過又は遠心分離等を用いて不溶物を除去し、粗タンパク質溶液を得る。上記粗溶液から本発明のタンパク質を精製するには、塩析、各種クロマトグラフィー(例えばゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等)、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動等を単独で又は適宜組み合わせて実施する。
また、本発明のタンパク質が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から本発明のタンパク質を単離精製することができる。
また、本発明においては、本発明の変異型ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子DNA又は上記ベクターから、生細胞を全く使用することなく無細胞タンパク質合成系を採用して、目的のタンパク質を採取することも可能である。
無細胞タンパク質合成系とは、細胞抽出液を用いて試験管などの人工容器内でタンパク質を合成する系であり、例えばmRNAの情報を読み取って、リボソーム上でタンパク質を合成するというものである。なお、本発明において使用される無細胞タンパク質合成系には、DNAを鋳型としてRNAを合成する無細胞転写系も含まれる。
上記細胞抽出液は、真核細胞由来又は原核細胞由来の抽出液、例えば、小麦胚芽、ウサギ網状赤血球、マウスL-細胞、HeLa細胞、CHO細胞、出芽酵母、大腸菌などの抽出液を使用することができる。なお、これらの細胞抽出液は濃縮されたものであっても濃縮されないものであってもよい。
ここで、DNA 上に暗号化された遺伝情報は、転写によりmRNAとなり、さらに翻訳されてタンパク質に変換される。人工容器内でこの翻訳過程を再現してタンパク質を合成するためには、リボソーム、tRNA、各種タンパク質因子など、翻訳因子群を安定化し、目的に応じてmRNA を生産するシステムを構築することが必要である。細胞抽出液は、例えば限外濾過、透析、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿等によって得ることができる。
本発明において、無細胞タンパク質合成は、市販のキットを用いて行うこともできる。そのようなキットとしては、例えば試薬キットPROTEIOSTM(東洋紡)、TNTTM System(プロメガ)、合成装置のPG-MateTM(東洋紡)、RTS(ロシュ・ダイアグノスティクス)などが挙げられる。
無細胞タンパク質合成によって得られる変異型ニトリルヒドラターゼは、適宜クロマトグラフィーを選択して、精製することができる。また、変異型ニトリルヒドラターゼが単離精製されたことの確認は、SDS-PAGE等により、活性の測定はニトリル化合物からアミド化合物への変換率を測定すること等により行うことが可能である。
<アミド化合物の製造>
次に、形質転換(導入)体を利用したアミド化合物の製造方法について説明する。
上記の培養法で得られた培養物、酵素等は、ニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換する際の生体触媒として使用される。変換反応の基質として使用するニトリル化合物としては、生体触媒の基質特異性により適宜選択される。例えば、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1株由来のニトリルヒドラターゼであれば、好適な基質はアクリロニトリルである。
生体触媒の使用形態、反応様式は、生体触媒の種類等により適宜選択される。
例えば、生体触媒の使用形態としては、上記の培養物、精製酵素をそのまま使用しても良いし、それらを適当な担体に保持し固定化酵素として使用することもできる。
実施例
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1株は、FERM BP-1478として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている(原寄託日:1987年9月18日)。
改良型ニトリルヒドラターゼ遺伝子の取得(I)
(1)染色体DNAの調製
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1株を100mlのMYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、1% グルコース、0.2% K2HPO4、0.2% KH2PO4、pH7.0)中、30℃にて72時間振盪培養した。
培養後、集菌し、集菌された菌体をSaline-EDTA溶液(0.1M EDTA、0.15M NaCl(pH8.0))4mlに懸濁した。懸濁液にリゾチーム8mgを加えて37℃で1〜2時間振盪した後、-20℃で凍結した。
次に、10mlのTris-SDS液(1%SDS、0.1M NaCl、0.1M Tris-HCl(pH9.0))を穏やかに振盪しながら加え、さらにプロテイナーゼK(メルク社)(終濃度0.1mg)を加えて37℃で1時間振盪した。
次に、等量のTE飽和フェノールを加え撹拌後(TE:10mM Tris-HCl、1mM EDTA(pH8.0))遠心し、上層をとり2倍量のエタノールを加えたのちガラス棒でDNAを巻きとり、90%、80%、70%のエタノールで順次フェノールを取り除いた。
次に、DNAを3mlのTE緩衝液に溶解させ、リボヌクレアーゼA溶液(100℃、15分間の加熱処理済)を10μg/mlになるよう加え37℃で30分間振盪した。さらに、プロテイナーゼKを加え37℃で30分間振盪した後、等量のTE飽和フェノールを加えて遠心し、上層と下層に分離させた。
上層についてこの操作を2回繰り返した後、同量のクロロホルム(4%イソアミルアルコール含有)を加え同様の抽出操作を繰り返した(以後この操作をフェノール処理と呼ぶ)。その後、上層に2倍量のエタノールを加えガラス棒でDNAを巻きとり回収し、染色体DNA標品を得た。
(2)プラスミドの構築
まず、耐熱性評価のコントロールとして用いるため、通常のPCRにて野生型ニトリルヒドラターゼ遺伝子を増幅した。
下記反応液組成、反応条件でPCRを行った。
なお、プライマーJH1-02(配列番号5)およびプライマーNH-17(配列番号6)の各々には、制限酵素NcoI切断認識部位および制限酵素HindIII切断認識部位が導入されており、増幅DNA産物を両制限酵素で切断することにより、後述する発現ベクターpTrc99AのNcoI部位−HindIII部位間に容易に挿入することが可能となる。
<反応溶液組成>
─────────────────────────────
鋳型DNA(染色体DNA) 1μl
10× ExTaq Buffer(宝酒造社製) 10μl
プライマーJH1-02 1μl
プライマーNH-17 1μl
2.5mM dNTPmix 8μl
滅菌水 78μl
ExTaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社製) 1μl
─────────────────────────────

<プライマー>
JH1-02:GGAATGAGGCCATGGATGGTATCC(配列番号5)
NH-17:GCGTAAGCTTCCGCGAGATCAGTATCCACCG(配列番号6)
PCRは、Thermalcycler personal(宝酒造)を用いて(94℃ 30秒、65℃ 30秒、72℃ 3分)を30サイクル行った。
PCR終了後、反応液5μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、3kbの増幅断片の検出を行った。反応終了液をGFX column(アマシャムバイオサイエンス)で精製し、制限酵素NcoIとHindIIIで切断を行った。制限酵素処理を行ったPCR産物は0.7%アガロースゲルで電気泳動を行い、3kb付近のバンドを回収した。回収したPCR産物はLigation Kit(宝酒造)を用いてベクター(pTrc99AのNcoI-HindIII部位)に結合し、JM109を形質転換した。得られた形質転換体コロニーより数クローンをLB-Amp培地1.5mlに接種し、37℃で12時間振盪培養した。培養後、この培養物を遠心分離により集菌した後、Flexi Prep(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いることにより、プラスミドDNAを抽出した。得られたプラスミドDNAを制限酵素NcoIとHindIIIで切断後、0.7%アガロースゲル電気泳動に供し確認した後、ニトリルヒドラターゼ遺伝子断片(3kb)が正しく連結されているクローンを選んでpJH601(図1)と命名した。このpJH601を用いてJM109を形質転換した(JM109/pJH601)。
なお、プラスミドpJH 601は野生型ニトリルヒドラターゼの発現プラスミドであり、受領番号FERM ABP-10314として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている(原寄託日:2002年12月26日)。
(3)変異遺伝子ライブラリーの構築
上記工程(2)で得られたプラスミドpJH601を基に、野生型ニトリルヒドラターゼ遺伝子へのランダム変異導入を行った。変異導入は、PCRにおけるヌクレオチドの誤取り込みによる塩基置換を利用した。下記反応液組成、反応条件でPCRを行った。
<反応液組成>
──────────────────────────────────
鋳型DNA(上記工程で調製したpJH601) 1μl
10× PCR Buffer(GIBCO社製) 10μl
50mM MgCl2(GIBCO社製) 3μl
プライマーTrc-02 1μl
プライマーTrc-03 1μl
2.5mMdNTP mix 8μl
10mM dITP 2μl
10mM dBraUTP 2μl
滅菌水 71μl
Taq DNAポリメラーゼ(GIBCO社製) 1μl
──────────────────────────────────

<プライマー>
TRC-02:GGAATTCGTATAATGTGTGGAATTGTGAGC(配列番号7)
TRC-03:GGCTGAAAATCTTCTCTCATCCGCC(配列番号8)
PCRはThermalcycler personal(宝酒造)を用いて(94℃ 30秒、65℃ 30秒、72℃ 3分)を30サイクル行った。
PCR終了後、反応液5μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、3kbの増幅断片の検出を行った。反応終了液をGFX column(アマシャムバイオサイエンス)で精製し、制限酵素NcoIとHindIIIで切断を行った。制限酵素処理を行ったPCR産物は0.7%アガロースゲルで電気泳動し、3Kb付近のバンドを回収した。回収したPCR産物はLigation Kit(宝酒造)を用いてベクター(pTrc99AのNcoI-HindIII部位)に結合し、この結合生成物を用いてJM109を形質転換した。
(4)耐熱性ニトリルヒドラターゼのスクリーニング及び変異箇所の同定
上記工程(3)で得られた変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含むJM109形質転換体およびJM109/pJH601を、LB-Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl2含有)を1mlずつ入れた96穴ディープウェルプレートにそれぞれ接種し、37℃にて12時間液体培養した。得られた培養物を、55℃の温度下、30分間の熱処理に供した後、残存ニトリルヒドラターゼ活性の測定を行った。
活性測定は5%アクリロニトリルを含む50mMリン酸緩衝液pH7.7を菌体懸濁液と等量加え、30℃で30分反応させた。0.1Mリン酸を等量加え反応を停止し、遠心分離によって菌体を除去し、上清をHPLCに供し、生成したアクリルアミド濃度を分析した(WAKOSIL 5C8(和光純薬)、5mMリン酸を含む10%アセトニトリル、移動相の流速1ml/minおよび紫外吸収検出器波長260nm)。比較対照として熱処理を行わず4℃で保冷したものをそれぞれの無処理菌として残存活性を求めた。
数千株の形質転換体についてスクリーニングを行った結果、野生型酵素と比較して高い残活性を示す株が16株得られた。また、それら菌株を培養してプラスミドを回収し、塩基配列の決定を行った。塩基配列の決定はBeckmanCEQ-2000XLを使用した。結果を表1に示した。
Figure 0004922757
改良型ニトリルヒドラターゼの性質
実施例1で得られたプラスミドp3を用いてJM109を再形質転換し(JM109/p3)、得られたコロニーをLB培地(アンピシリン、IPTG、コバルト含有)で37℃、一晩培養した。菌体を遠心分離によって回収し、50mMリン酸緩衝液で2回洗浄し、菌体懸濁液とした。
得られた菌体懸濁液0.5mlを試験管に入れ、50℃〜60℃の各温度の水浴中で5〜20分間保温し、その後氷中で冷却した。
菌体の活性測定は実施例1(4)の方法で行った。
比較対照としてJM109/pJH601を用い、熱処理を行わず4℃で保冷したものをそれぞれの無処理菌として残存活性を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0004922757
野生型酵素では60℃、5分の熱処理で残存活性が6%に対し、改良型酵素ではほぼ100%の残存活性を保持していることから、改良型酵素で耐熱性が向上していることが認められた。
ロドコッカス組換え体の作製
実施例1で取得した改良型酵素の性質をロドコッカス菌組換え体で確認した。
(1)ロドコッカス菌導入用プラスミドの構築
以下の方法でp3の変異(Eβ93G)を有するロドコッカス菌導入用プラスミドを作製した。変異の導入は部位特異的変異導入法を用い、市販キット:QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)を使用した。実験は操作マニュアルに従った。変異を導入する鋳型プラスミドとしてpSJ034を使用した。pSJ034はロドコッカス菌においてニトリルヒドラターゼを発現するプラスミドであり、pSJ034はpSJ023より特開平10-337185号公報に示す方法で作製した。なお、pSJ023は形質転換体「R. rhodochrous ATCC12674/pSJ023」として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている(FERM BP-6232)(原寄託日:1997年3月4日)。
変異を導入するための2種のプライマーを合成した。下線部は変異導入部位を示す。
NHM-F:gatcatcaccgaagaagggcgaaagcaccgtgtgc (配列番号9)
NHM-R:gcacacggtgctttcgcccttcttcggtgatgatc (配列番号10)
変異を導入するためのPCRは以下の条件で、GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて95℃ 1分、(95℃ 50秒、60℃ 50秒、68℃ 20分)×18サイクル、68℃ 20分の反応を行った。
<反応液組成>
─────────────────────────────────
pSJ034(10ng) 2μl
10× 反応Buffer 5μl
プライマーNHM-F(100ng/μl) 1μl
プライマーNHM-R(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
QuickSolution 3μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
─────────────────────────────────
PCR終了後、反応液10μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、約11kbの増幅断片の検出を行った。増幅断片を確認した後、1μl のDpnI(キットに付属)をPCR反応液に添加して37℃で1時間反応し、鋳型DNAの除去を行った。
次に、XL10-GOLD ultracompetent cell(キットに付属)を用いて形質転換を行った。2μlのDpnI処理済みのPCR反応液と45μlのコンピテントセルを混ぜ、4℃で30分保温し、42℃で30秒ヒートショックを行った後、0.5mlのNZY+培地(1% NZアミン、0.5% 酵母エキス、0.5% NaCl、12.5mM MgCl2、12.5mM MgSO4、0.4% グルコース、pH7.5)を添加し、さらに37℃で1時間培養した。この培養液250μlをLBプレート(1% NaCl、1% トリプトン、0.5% 酵母エキス、2% 寒天、50mg/Lアンピシリン)にプレーティングし、37℃で1日培養した。
得られたコロニー数個をLB培地(50mg/Lアンピシリン)1.5mlで培養し、FlexiPrep Kit(アマシャムバイオサイエンス)を使用しプラスミドを調製した。最後に、得られたプラスミドの塩基配列の決定を行い、目的の変異が導入されていることを確認した。このようにしてEβ93Gの変異導入プラスミド:p3Rを得た(図2)。
(2)変異酵素遺伝子を導入したロドコッカス菌組換え体(形質転換体)の取得
ロドコッカス・ロドクロウス ATCC 12674 株の対数増殖期の細胞を遠心分離器により集菌し、氷冷した滅菌水にて3回洗浄し、滅菌水に懸濁した。(1)で調製したプラスミドp3R 1μlと菌体懸濁液10μlを混合し、氷冷した。キュベットにDNAと菌体の懸濁液を入れ、遺伝子導入装置 Gene Pulser (BIO RAD)により2.0KV、200 OHMSで電気パルス処理を行った。電気パルス処理液を氷冷下10分静置し、37℃で10分間ヒートショクを行い、MYK培地(0.5%ポリペプトン、0.3%バクトイーストエキス、0.3%バクトモルトエキス、0.2%K2HPO4 、0.2% KH2PO4)500μl を加え、30℃、5時間静置した。その後、50μg/mlカナマイシン入りMYK寒天培地に塗布し、30℃で3日間培養した。このようにして得られたロドコッカス属細菌組換え体(ATCC 12674/p3R)をMYK培地(50μg/mlカナマイシン含有)10mlに接種し、30℃で72時間の前培養を行った。本培養はMYK培地(50μg/mlカナマイシン、5μg/ml CoCl2、0.1% 尿素含有)100mlで行い、前培養から1%接種し、30℃で96時間培養した。遠心分離により集菌し、100mMリン酸緩衝液(pH8.0)で菌体を洗浄し、最後に少量の緩衝液に懸濁した。
(3)ロドコッカス菌組換え体の耐熱性確認
得られたロドコッカス菌組換え体を用い耐熱性を調べた。比較対照として野生型ニトリルヒドラターゼを有するATCC12674/pSJ034を用意した。
得られた菌体懸濁液0.5mlを試験管に入れ、65℃、70℃の各温度の水浴中で10分間保温し、その後氷中で冷却した。比較対照として熱処理を行わず4℃で保冷したものを無処理菌として残存活性を求めた。結果を表3に示す。
活性測定は10℃で10分間反応させた以外は実施例1(4)と同様の方法で行った。結果を表3に示す。
Figure 0004922757
このようにATCC12674/pSJ034では70℃、10分の熱処理で残存活性が4%しか保持していなかったのに対し、ATCC 12674/p3Rでは46%の残存活性を保持していることから、改良型酵素で耐熱性が向上していることが認められた。
部位特異的なランダム変異
特定の変異場所について、ランダム変異を行った。
(1)部位特異的なランダム変異導入
実施例3の部位特異的変異導入キットを用いて、pJH601にランダム変異を導入した。
変異を導入する場所としてβサブユニットのアミノ酸配列のうち第93番目を選び、変異を導入するための2種のプライマーを合成した。下線部は変異導入部位を示す。
β93RM-F: caagatcatcaccgaagaaNNScgaaagcaccgtgtgcaag(配列番号11)
β93RM-R: cttgcacacggtgctttcgSNNttcttcggtgatgatcttg(配列番号12)
N:A+T+G+C S:G+C
PCRは以下の条件で、GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて95℃1分、(95℃ 50秒、60℃ 50秒、68℃ 14分)×18サイクル、68℃ 7分の反応を行った。
<反応組成液>
────────────────────────────────
pJH601(10ng) 2μl
10× 反応Buffer 5μl
プライマーβ93RM-F(100ng/μl) 1μl
プライマーβ93RM-R(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
QuickSolution 3μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
────────────────────────────────
PCR終了後、反応液10μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、約6kbの増幅断片の検出を行った。増幅断片を確認した後、1μl のDpnI(キットに付属)をPCR反応液に添加して37℃で1時間反応し、鋳型DNAの除去を行った。次に、XL10-GOLD ultraconpetent cell(キットに付属)を用いて形質転換を行った。2μlのDpnI処理済みのPCR反応液と45μlのコンピテントセルを混ぜ4℃で30分保温し、42℃で30秒ヒートショックを行った後、0.5mlのNZY+培地(1% NZアミン、0.5% 酵母エキス、0.5% NaCl、12.5mM MgCl2、12.5mM MgSO4、0.4% グルコース、pH7.5)を添加し、さらに37℃で1時間培養した。この培養液250μlをLBプレート(1% NaCl、1% トリプトン、0.5% 酵母エキス、2% 寒天、50mg/Lアンピシリン)にプレーティングし、37℃で1日培養した。
(2)部位特異的ランダム変異導入株の評価
上記工程(1)で得られたコロニーおよびXL10/pJH601を、LB-Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl2含有)を1mlずつ入れた96穴ディープウェルプレートにそれぞれ接種し、37℃にて12時間液体培養した。得られた培養物を、55℃の温度下、30分間の熱処理に供した後、残存ニトリルヒドラターゼ活性の測定を行った。
活性測定は実施例1(4)と同様の方法で行った。比較対照として熱処理を行わず4℃で保冷したものをそれぞれの無処理菌として残存活性を求めた。
コントロールに対し残存活性が高かったものについては、さらに塩基配列の決定を行った。
結果を表4に示す。
Figure 0004922757
表4から明らかなように、βサブユニット93番目のアミノ酸は他のアミノ酸に置換しても耐熱性は向上していた。
βサブユニット167番目のアミノ酸にランダム変異を導入した。
変異を導入するための2種のプライマーのみを変更し、その他は実施例4と同様の操作を行った。下線部は変異導入部位を示す。結果を表5に示す。
β167RM-F: gtgcccgaaatatgtgcggNNSaagatcggggaaatcgtcg(配列番号13)
β167RM-R: cgacgatttccccgatcttSNNccgcacatatttcgggcac(配列番号14)
N:A+T+G+C S:G+C
Figure 0004922757
表5から明らかなように、βサブユニット167番目のアミノ酸は他のアミノ酸に置換しても耐熱性は向上していた。
ロドコッカス・ロドクロウス M8株由来ニトリルヒドラターゼへの変異導入
(1)ニトリルヒドラターゼ遺伝子のクローニング
ロドコッカス・ロドクロウス M8株を実施例1に示す方法と同様の方法で培養し、培養菌体から染色体DNAを調製した。次に、以下の条件でPCRを行い、ニトリルヒドラターゼ遺伝子を増幅した。なお、ロドコッカス・ロドクロウス M8株はロシア菌株センターIBFM(VKPM S-926)から容易に入手することができる。
<反応溶液組成>
───────────────────────────────
鋳型DNA(染色体DNA) 1μl
10× ExTaq Buffer(宝酒造社製) 10μl
プライマーMH-01 1μl
プライマーMH-02 1μl
5mMdNTPmix 8μl
滅菌水 78μl
ExTaqDNAポリメラーゼ(宝酒造社製) 1μl
───────────────────────────────

<プライマー>
MH-01:ccatggatggtatccacgacacaggcggcatgacc(配列番号15)
MH-02:aagcttcacgctggcctcgagcgcctttgtccag(配列番号16)
PCRは、Thermalcycler personal(宝酒造)を用いて(94℃ 30秒、65℃ 30秒、72℃ 3分)を30サイクル行った。
PCR終了後、反応液5μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、1.5kbの増幅断片(配列番号17)の検出を行った。反応終了液をGFX column(アマシャムバイオサイエンス)で精製し、制限酵素NcoIとHindIIIで切断を行った。制限酵素処理を行ったPCR産物は0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、1.5kb付近のバンドを回収した。回収したPCR産物はLigation Kit(宝酒造)を用いてベクター(pTrc99AのNcoI-HindIII部位)に結合し、JM109へ形質転換を行った。得られた形質転換体コロニーより数クローンをLB-Amp培地1.5mlに接種し、37℃で12時間振盪培養した。培養後、この培養物を遠心分離により集菌した。Flexi Prep(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いることにより、集菌した菌体からプラスミドDNAを抽出した。得られたプラスミドDNAを制限酵素NcoIとHindIIIで切断後、0.7%アガロースゲルにより電気泳動を行い、ニトリルヒドラターゼ遺伝子断片(1.5kb)が正しく連結されているクローンを選んでpMH301(図3)と命名した。pMH301を用いてJM109の形質転換を行った(JM109/pMH301)。
(2)部位特異的変異の導入
部位特異的変異の導入は実施例3に示す方法に従い、βサブユニットの93番目に変異を導入した。プライマーの塩基配列のうち下線部は変異導入部位を示す。
NHM-F:gatcatcaccgaagaagggcgaaagcaccgtgtgc (配列番号9)
NHM-R:gcacacggtgctttcgcccttcttcggtgatgatc (配列番号10)
PCRは以下の条件で、GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて95℃ 1分、(95℃ 50秒、60℃ 50秒、68℃ 14分)×18サイクル、68℃ 7分の反応を行った。
<反応組成液>
───────────────────────────────
pMH301(10ng) 2μl
10× 反応Buffer 5μl
プライマーNHM-F(100ng/μl) 1μl
プライマーNHM-R(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
QuickSolution 3μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
───────────────────────────────
PCR終了後、反応液10μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、約5kbの増幅断片の検出を行った。増幅断片を確認した後、1μl のDpnI(キットに付属)をPCR反応液に添加して37℃で1時間反応し、鋳型DNAの除去を行った。次に、XL10-GOLD ultracompetent cell(キットに付属)を用いて形質転換を行った。2μlのDpnI処理済みのPCR反応液と45μlのコンピテントセルを混ぜ4℃で30分保温し、42℃で30秒ヒートショックを行った。その後、0.5mlのNZY+培地(1% NZアミン、0.5% 酵母エキス、0.5% NaCl、12.5mM MgCl2、12.5mM MgSO4、0.4% グルコース、pH7.5)を添加し、さらに37℃で1時間培養した。この培養液250μlをLBプレート(1% NaCl、1% トリプトン、0.5% 酵母エキス、2% 寒天、50mg/Lアンピシリン)にプレーティングし、37℃で1日培養した。
得られたコロニー数個をLB培地(50mg/Lアンピシリン)で培養した。FlexiPrep Kit(アマシャムバイオサイエンス)を使用し、プラスミドを調製した。最後に、得られたプラスミドの塩基配列の決定を行い、目的の変異が導入されていることを確認した。このようにしてEβ93Gの変異導入プラスミド:pMH404を得た。
同様に、以下のプライマーを用いβサブユニットの167番目に変異を導入した。下線部は変異導入部位を示す。
β167-F:cccgaaatatgtgcggagcaagatcggggaaatcg(配列番号18)
β167-R:cgatttccccgatcttgctccgcacatatttcggg(配列番号19)
得られたコロニー数個をLB培地(50mg/Lアンピシリン)で培養し、プラスミドを抽出した。得られたプラスミドの塩基配列の決定を行い、目的の変異が導入されていることを確認した。このようにしてNβ167Sの変異導入プラスミド:pMH508を得た。
(3)活性測定
工程(2)で得られたXL10/pMH404XL10-Gold/pMH508およびXL10/pMH301を、LB-Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl2含有)10mlに接種し、37℃にて12時間液体培養した。得られた培養物を、55℃の温度下、30分間の熱処理に供した後、残存ニトリルヒドラターゼ活性の測定を行った。
活性測定は実施例1(4)と同様の方法で行った。比較対照として熱処理を行わず4℃で保冷したものをそれぞれの無処理菌として残存活性を求めた。結果を表6に示す。
Figure 0004922757
表6から明らかなように、ロドコッカス・ロドクロウス M8株由来のニトリルヒドラターゼにおいても、Eβ93G、Nβ167Sの導入によって耐熱性が向上していることが認められた。
改良型ニトリルヒドラターゼ遺伝子の取得(II)
(1)変異遺伝子ライブラリーの構築
本実施例では、ロドコッカス・ロドクロウスJ-1株由来のニトリルヒドラターゼ遺伝子へのランダム変異導入を行った。変異導入は、PCRにおけるヌクレオチドの誤取り込みによる塩基置換を利用した。鋳型となるプラスミドは野生型βサブユニットの167番目のアミノ酸がアスパラギンからセリンに変異したプラスミドp52(図4)を用いた。
ニトリルヒドラターゼ遺伝子へのランダム変異導入PCRは、下記反応液組成、反応条件で行った。
<反応液組成>
────────────────────────────────
鋳型プラスミド(p52)(10ng) 1μl
10×PCR Buffer(GIBCO社製) 10μl
50mM MgCl2(GIBCO社製) 3μl
プライマーTrc-02(100ng/μl) 1μl
プライマーTrc-03(100ng/μl) 1μl
2.5mMdNTPmix 8μl
10mM dITP 2μl
10mM dBraUTP 2μl
滅菌水 71μl
Taq DNAポリメラーゼ(GIBCO社製) 1μl
────────────────────────────────
<プライマー>
TRC-02:ggaattcgtataatgtgtggaattgtgagc(配列番号7)
TRC-03:ggctgaaaatcttctctcatccgcc(配列番号8)
PCRはGeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて(94℃ 30秒、65℃30秒、72℃ 3分)を30サイクル行った。
PCR終了後、反応液5μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、3kbの増幅断片の検出を行った。反応終了液をGFX column(アマシャムバイオサイエンス)で精製し、制限酵素Nco IとHind IIIで切断を行った。制限酵素処理を行ったPCR産物は0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、3 Kb付近のバンドを回収した。回収したPCR産物はLigation Kit(宝酒造)を用いてベクター(pTrc99AのNcoI-HindIII部位)に結合した。この結合生成物を用いてJM109を形質転換した。
(2)耐熱性ニトリルヒドラターゼのスクリーニングおよび変異箇所の同定
上記工程(1)で得られた変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含むJM109形質転換体および野生型ニトリルヒドラターゼ産生株としてJM 109/pJH 601を使用して、残存ニトリルヒドラターゼ活性を測定した。
耐熱性の評価は処理温度のみ60℃、20分間に変更し、その他は実施例1(4)と同様の方法で行った。
ランダムに変異導入されたニトリルヒドラターゼ遺伝子を有する数千個の組換え体についてスクリーニングを行った結果、野生型ニトリルヒドラターゼと比較して高い残存活性を示す組換え体が選抜された。残存活性の結果を表7に示した。
Figure 0004922757
該組換え体を培養してプラスミドを回収し、プラスミドpA077 と命名した。プラスミドpA077の塩基配列の決定を行った。塩基配列の決定はBeckmanCEQ-2000XLを使用した。プラスミドpA077の変異遺伝子配列によってコードされるアミノ酸配列は、Nβ167S、Lβ144H 、Vβ219A、Vα129AおよびLα196Pの5箇所に変異を有していた。
大腸菌組換え体の作製と評価
(1)プラスミドの構築
鋳型プラスミドp52(図4)に、実施例7の(2)で得られた変異箇所の情報をもとに変異を導入した。変異導入には部位特異的変異導入法を用い、市販キット:QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)を使用した。実験は操作マニュアルに従った。
変異を導入するための2種のプライマーを合成した。下線部は変異導入部位を示す。
β144-F:ggagccgagtttctctcacggtgacaagatc(配列番号20)
β144-R:gatcttgtcaccgtgagagaaactcggctcc(配列番号21)
変異を導入するためのPCRは以下の条件で、GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて95℃ 1分、(95℃ 50秒、60℃ 50秒、68℃ 14分)×18サイクル、68℃ 7分の反応を行った。
<反応液組成>
────────────────────────────────
鋳型プラスミドp52(10ng) 2μl
10×反応Buffer 5μl
プライマーβ144-F(100ng/μl) 1μl
プライマーβ144-R(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
QuickSolution 3μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
────────────────────────────────
PCR終了後、反応液10μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、約11kbの増幅断片の検出を行った。増幅断片を確認した後、1μl のDpnI(キットに付属)をPCR反応液に添加して37℃で1時間反応し、鋳型プラスミドの除去を行った。
次に、XL10-GOLD ultracompetent cell(キットに付属)を用いて形質転換を行った。2μlのDpnI処理済みのPCR反応液と45μlのコンピテントセルを混ぜ4℃で30分保温し、42℃で30秒ヒートショックを行った。その後、0.5mlのNZY+培地(1% NZアミン、0.5% 酵母エキス、0.5% NaCl、12.5mM MgCl2、12.5mM MgSO4、0.4% グルコース、pH7.5)を添加し、さらに37℃で1時間培養した。この培養液250μlをLBプレート(1% NaCl、1% トリプトン、0.5% 酵母エキス、2% 寒天、50mg/Lアンピシリン)にプレーティングし、37℃で1日培養した。
得られたコロニー数個をLB培地(50mg/Lアンピシリン)1.5mlで培養し、FlexiPrep Kit(アマシャムバイオサイエンス)を使用しプラスミドを調製した。最後に、得られたプラスミドの塩基配列の決定を行い、目的の変異が導入されていることを確認した。このようにしてLβ144Hの変異導入プラスミド:pAB001を得た。
次に、上記と同様の手法を用いp52又はpAB001を鋳型プラスミドとしてVβ219A又はVα129Aの変異を導入した。用いたプライマーを以下に示す。
β219-F:gaaagacgtagtgtgcgccgatctctgggaacc(配列番号22)
β219-R:ggttcccagagatcggcgcacactacgtctttc(配列番号23)
α129-F:gagtaccggtcccgagcggtagcggaccctcg(配列番号24)
α129-R: cgagggtccgctaccgctcgggaccggtactc(配列番号25)
得られたプラスミドはそれぞれpAB002(Nβ167S、Vβ219A)、pAB003(Nβ167S、Vα129A)、pAB004(Nβ167S、Lβ144H、Vβ219A)と命名した。
(2)耐熱性評価
(1)で得られた変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含むプラスミドをそれぞれ大腸菌JM109に形質転換体し、組換え菌を得た。この組換え菌をLB-Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl2含有)1.5mlにそれぞれ接種し、37℃にて12時間液体培養した。得られた培養菌液を、60℃の温度下、20分間の熱処理に供した後、残存ニトリルヒドラターゼ活性の測定を行った。活性測定は実施例1の(4)と同様の方法で行った。残存活性の結果を表8に示した。
Figure 0004922757
表8から明らかなようにLβ144H、Vβ219A、Vβ219Aの導入によって耐熱性が向上していることが明らかとなった。
ロドコッカス(Rhodococcus)菌組換え体の作製と評価
(1)プラスミドの構築
以下の方法でβサブユニットの167番目に変異(Nβ167S)を有するロドコッカス(Rhodococcus)菌用プラスミドを作製した。変異の導入は部位特異的変異導入法を用い、市販キット:QuikChange XL Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)を使用した。実験は操作マニュアルに従った。変異を導入する鋳型プラスミドとしてpSJ034を使用した。
変異を導入するための2種のプライマーを合成した。下線部は変異導入部位を示す。
β167-F: cccgaaatatgtgcggagcaagatcggggaaatcg(配列番号18)
β167-R: cgatttccccgatcttgctccgcacatatttcggg(配列番号19)
変異を導入するためのPCRは実施例3(1)と同様の条件で行った。
<反応液組成>
───────────────────────────────
鋳型プラスミドpSJ034(10ng) 2μl
10× 反応Buffer 5μl
プライマーβ167-F(100ng/μl) 1μl
プライマーβ167-R(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
QuickSolution 3μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
───────────────────────────────
PCR終了後、実施例3(1)と同様の手法によりNβ167Sのロドコッカス(Rhodococcus)菌用変異導入プラスミド:p52Rを得た。
次に、上記と同様の手法を用いp52Rを鋳型プラスミドとしてLβ144H、Vβ219A又はVα129Aの変異を導入した。用いたプライマーを以下に示す。
β144-F:ggagccgagtttctctcacggtgacaagatc(配列番号20)
β144-R:gatcttgtcaccgtgagagaaactcggctcc(配列番号21)
β219-F:gaaagacgtagtgtgcgccgatctctgggaacc(配列番号22)
β219-R:ggttcccagagatcggcgcacactacgtctttc(配列番号23)
α129-F:gagtaccggtcccgagcggtagcggaccctcg(配列番号24)
α129-R: cgagggtccgctaccgctcgggaccggtactc(配列番号25)
得られたプラスミドはそれぞれpAR001(Nβ167S、Lβ144H)、pAR002(Nβ167S、Vβ219A)、pAR003(Nβ167S、Vα129A)と命名した。さらに得られたプラスミドpAR001を鋳型プラスミドとして上記と同様の手法を用いVβ219Aの変異を導入した。得られたプラスミドはpAR004(Nβ167S、Lβ144H、Vβ219A)と命名した。
(2)ロドコッカス(Rhodococcus)菌組換え体の作製
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochlrous)ATCC 12674 株の対数増殖期の細胞を遠心分離器により集菌し、氷冷した滅菌水にて3回洗浄し、滅菌水に懸濁した。(1)で調製したプラスミド 1μlと菌体懸濁液10μlを混合し、氷冷した。
その後実施例3(2)と同様の操作を行った。
(3)ロドコッカス(Rhodococcus)菌組換え体の耐熱性評価
得られたロドコッカス(Rhodococcus)菌組換え体を用いて実施例3(3)の方法と同様に熱処理後の残存ニトリルヒドラターゼ活性を調べた。
ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌組換え体はMYK培地(50μg/mlカナマイシン、5μg/ml CoCl2、0.1% 尿素含有)にそれぞれ接種し、30℃にて3日間振とう培養した。遠心分離により集菌し、100mMリン酸緩衝液(pH8.0)で菌体を洗浄し、最後に少量の緩衝液に懸濁した。
加熱処理は、適宜希釈した菌体懸濁液0.5mlを試験管に入れ、65℃の温度下の水浴中で30分間保温し、その後氷中で冷却した。
活性測定は実施例3(3)と同様の方法で行った。残存活性結果を表9に示した。
Figure 0004922757
ATCC12674/pSJ034では65℃、30分の熱処理で残存活性が31%であったのに対し、ATCC 12674/pAR001〜pAR004では60%以上の残存活性を保持していることから、改良型ニトリルヒドラターゼで耐熱性が向上していることが認められた。
(3)アクリルアミド耐性の評価
実施例9(2)で用いた形質転換体を用いてアクリルアミド耐性を評価した。以下の組成の反応液を調製し、30℃で攪拌しながら反応させた。なお、反応に用いる各菌体懸濁液の菌量は、実施例3(3)の方法で測定した活性の測定結果に従い、同一の酵素活性単位(U)量となるように調製した。比較対照として野生型ニトリルヒドラターゼを有するATCC12674/pSJ034を使用した。
<反応液組成>
─────────────────────────────
30%アクリルアミド溶液 95g
アクリロニトリル 3g
1Mリン酸緩衝液 1g
保存菌液(同一の酵素活性単位(U)量) 1g
─────────────────────────────
反応開始前(0時間)、0.5時間後及び20時間後にそれぞれ反応液1mlをサンプリングし、0.22μmのフィルターを用いて濾過を行った。得られた濾液を、ガスクロマトグラフィーに供して分析した。(分析機器:ガスクロマトグラフGC-14B(島津製作所製)、検出器;FID 、検出温度:200℃、カラム:ポラパックPS(ウォーターズ社製カラム充填剤)を充填した1.1mパックドガラスカラム、カラム温度:190℃、キャリアーガス:N2)
分析の結果、濾液中に残存するアクリロニトリルの割合(%)を表10に示す。
Figure 0004922757
以上のように、改良型ニトリルヒドラターゼは、比較対照のpSJ034より消費したアクリロニトリルが多いことから、改良型ニトリルヒドラターゼは、高濃度のアクリルアミド存在下でも活性が維持され、アクリルアミドに対する耐性が高いことが判った。
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)M8株由来ニトリルヒドラターゼへの変異導入、組換え体作製と評価
(1)変異導入組換え体の作製
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)M8株由来ニトリルヒドラターゼに変異導入を行った。部位特異的変異導入は、使用したプラスミドがロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)M8株由来ニトリルヒドラターゼをコードする遺伝子(配列番号17)を含む発現プラスミドのpMH301(図3)である以外は、実施例6(2)と同様の方法で行った。得られたプラスミドは、それぞれpMH508(β167S)、pMH601(Nβ167S、Lβ144H)、pMH602(Nβ167S、Vβ219A)、pMH603(Nβ167S、Vα129A)と命名した。該プラスミドはJM109に形質転換し、変異導入組換え菌を作製した。得られた組換え菌は、LB-Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl2含有)10mlに接種し、37℃にて12時間液体培養した。
(2)耐熱性評価
得られた培養物は、60℃の温度下、20分間の熱処理に供した後、残存ニトリルヒドラターゼ活性の測定を行った。活性測定は実施例7の(2)と同様の方法で行った。比較対照として熱処理を行わず4℃で保冷したものをそれぞれの無処理菌として残存活性を求めた。残存活性結果を表11に示した。
Figure 0004922757
ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)M8株においても改良型ニトリルヒドラターゼで耐熱性が向上していることが示された。
変異型ニトリルヒドラターゼ遺伝子の取得
(1)プラスミドの構築
実施例1で作製したpJH601から実施例1(3)と同様の方法でランダム変異が導入されたニトリルヒドラターゼ遺伝子を増幅し、3KbのPCR産物を回収した。
回収したPCR産物はLigation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドpFY529のNcoI-HindIII部位に挿入し、JM109の形質転換を行い、形質転換体を得た。なお、pFY529の作成は、参考例1に記載した。
(2)基質特異性変異ニトリルヒドラターゼの取得及び変異箇所の同定
上記工程(1)で得られた変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含むJM109形質転換体およびJM109/pJH601を、実施例1(4)と同様にしてニトリルヒドラターゼ活性の測定を行った。
数百株の形質転換体についてスクリーニングを行った結果、野生株と比較して明らかに3-シアノピリジンに高い活性を示す株が1株(JM109/pNHM101)が得られた。また、その菌株を培養してプラスミドを回収し、塩基配列の決定を行った。塩基配列の決定はBeckmanCEQ-2000XLを使用した。本プラスミドのニトリルヒドラターゼ遺伝子においては、βサブユニットの48番目のトリプトファン残基(TGG)がアルギニン残基(CGG)に変化していた。
ロドコッカス組換え体の作製
実施例11で取得した変異酵素の性質をロドコッカス菌組換え体で確認した。
(1)ロドコッカス菌導入用プラスミドの構築
以下の方法でpNHM101の変異(Wβ48R)を有するロドコッカス菌導入用プラスミドを作製した。変異の導入はKurosawaらの方法(Gene. 1991 15;102:67-70)により行った。変異を導入するプラスミドとしてpSJ034を使用した。pSJ034はロドコッカス菌においてニトリルヒドラターゼを発現するプラスミドであり、pSJ034はpSJ023より特開平10-337185号公報に示す方法で作製した。pSJ023は形質転換体「R. rhodochrous ATCC12674/pSJ023」として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている(FERM BP-6232)。
1stPCR
以下の条件で2種の1stPCR反応を行った。GeneAmp9700(PEバイオサイエンス社)を用いて95℃ 1分、(95℃ 60秒、60℃ 60秒、72℃ 10分)×30サイクル、72℃ 7分の反応を行った。
<反応液組成>
─────────────────────────────
pSJ034(10ng) 2μl
10× 反応Buffer 5μl
プライマー1(100ng/μl) 1μl
プライマー2(100ng/μl) 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
─────────────────────────────
2種のPCRは、プライマー1(NR-01)とプライマー2(NH18)との組合せ、およびプライマー1(NOXbaI-1)とプライマー2(RE1-02)の組合せで行った。
NR-01:AACGTCGACACCGGTGGTGG (配列番号26)
NH18: CCGCGACTTGTCCCGCCACGATATGCCC (配列番号27)
(変異導入用プライマー、変異個所をアンダーラインで示す)
NOXbaI-1:GTACCCGGGGATCCACTAGA (配列番号28)
RE1-02:CCTTAGTCAGCTTCTGTCCG (配列番号29)
PCR終了後、反応液1μlを0.7%アガロースゲル電気泳動に供し、増幅断片の確認を行った後、残りの反応液を同条件によるアガロースゲル電気泳動に供し、増幅断片の精製を行った。
2ndPCR
1stPCRで得られた2種のPCR断片を用いて、下記の条件で2ndPCRを行った。
<反応液組成>
─────────────────────────────
10×反応Buffer 5μl
1st PCR断片1 1μl
1st PCR断片2 1μl
2.5mM dNTPmix 1μl
滅菌水 36μl
Pfu Turbo DNA Polymerase 1μl
─────────────────────────────
酵素を入れない条件で、93℃で10分処理後、1時間かけて37℃に冷却し、37℃で15分間放置し、酵素を加えて1分、(95℃ 60秒、60℃ 60秒、72℃ 10分)×30サイクル、72℃ 7分の反応を行った。
得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動により確認した後、XbaI及びSse8387Iにより処理し、アガロースゲル電気泳動によりDNA断片を精製した。
精製したPCR断片はLigation Kit(宝酒造)を用いてベクターpSJ034(XbaI-Sse8387I部位)に結合し、JM109の形質転換を行った。得られた形質転換体コロニーより数クローンをLB-Amp培地1.5mlに接種し、37℃で12時間振盪培養した。培養後、この培養物を遠心分離により集菌した後、Flexi Prep(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いることにより、プラスミドDNAを抽出した。得られたプラスミドDNAを制限酵素XbaIとSse8387Iで切断後、0.7%アガロースゲルにより電気泳動を行い、ニトリルヒドラターゼ遺伝子を含む断片(約2kb)が正しく連結されているクローンを選んだ。最後に、得られたプラスミドの塩基配列の決定を行い、目的の変異が導入されていることを確認した。このようにしてWβ48Rの変異導入プラスミド:pAJ001を得た。
(2)変異酵素遺伝子を導入したロドコッカス菌組換え体の取得
ロドコッカス・ロドクロウス ATCC 12674 株の対数増殖期の細胞を遠心分離器により集菌し、氷冷した滅菌水にて3回洗浄し、滅菌水に懸濁した。
(1)で調製したプラスミド pAJ001 1μlと菌体懸濁液10μlを混合し、氷冷した。
その後は実施例3(2)と同様の処理を行い、ロドコッカス菌組換え体を得た。
(3)ロドコッカス菌組換え体の活性
得られたロドコッカス菌組換え体を用いて、アクリルアミド及び3−シアノピリジンに対する活性を調べた。LB-Amp培地(1mM IPTG、5μg/ml CoCl2含有)を1mlずつ入れた96穴ディープウェルプレートにそれぞれ接種し、37℃にて12時間液体培養した。得られた培養物のニトリルヒドラターゼ活性の測定を行った。
活性測定は5% アクリロニトリル/50mMリン酸緩衝液pH 7.7又は0.5% 3-シアノピリジン/50mMリン酸緩衝液pH 7.7を菌液に対して等量加え、30℃で30分反応させた。反応終了後、0.1Mリン酸を反応液と等量加え遠心分離し、その上清を適宜希釈しHPLCに供し、生成したアミド濃度を分析した(アクリルアミド:WAKOSIL 5C8(和光純薬)、5mMリン酸を含んだ10%アセトニトリル、ニコチンアミド:WAKOSIL 5C8(和光純薬)、5mMリン酸を含んだ35%アセトニトリル)。
比較対照として野生型ニトリルヒドラターゼを有するATCC12674 /pSJ034 を用意した。
結果を表12に示した。
Figure 0004922757
pNHM101を鋳型にして前記と同様にして変異ニトリルヒドラターゼ遺伝子ライブラリーを作製し、耐熱性を指標にスクリーニングを行った。
スクリーニングは実施例1(4)と同様の処理条件と方法で行った。
数百株の形質転換体についてスクリーニングを行った結果、野生株と比較して高い残活性を示す株が1株得られた(JM109/pNHM111)。これを培養してプラスミドを回収し、塩基配列の決定を行った。塩基配列の決定はBeckmanCEQ-2000XLを使用した。本プラスミドのニトリルヒドラターゼ遺伝子においては、pNHM101の変異に加えて、βサブユニットの26番目のヒスチジン残基(CAC)がアルギニン残基(CGC)に変化していた。
実施例13で取得した耐熱酵素の変異(Hβ26R)の性質をロドコッカス菌組換え体で確認した。
変異プライマーとしてNH-18の代わりにNH-25を用い、実施例12と同様にしてプラスミドを作製した。これをpAJ006と名付け、実施例12と同様にしてロドコッカス ロドクロウスATCC12674株に導入した。
NH25:CCCTCCCACTCGTAGCGGAAGAAGGGCTCG (配列番号30)
(変異導入用プライマー、変異個所をアンダーラインで示す)
得られたロドコッカス菌組換え体を用いて実施例3(3)と同様に耐熱性を調べた。比較対照として野生型ニトリルヒドラターゼを有するATCC12674/pSJ034を用意した。
得られた菌体懸濁液0.5mlを試験管に入れ、65℃、70の各温度の水浴中で10分間保温し、その後氷中で冷却した。残活性は、熱処理を行わず4℃で保冷したもの(無処理区)の初期活性を100%とした相対活性で評価した。
ATCC12674/pSJ034では70℃、10分の熱処理で残活性が4%に対し、ATCC 12674/pAJ006では40%の残活性を保持していたことから、変異酵素(Hβ26R)で耐熱性が向上していることが認められた。
[参考例1]
エステラーゼ発現プラスミドpFY529の作成
プラスミドpFY529にはPseudomonas fluorescens由来のエステラーゼ遺伝子が含まれているが、本プラスミドは特開平1−67190に記載されているプラスミドpFY520より作成した(図5A、図5B)。プラスミドpFY520は形質転換体「JM109/pFY520」として独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に寄託されている(FERM BP-1469)(原寄託日:1987年9月3日)。
pFY520を制限酵素NaeIで切断後、HindIIIリンカーとともにライゲーションを行い、pFY520のNaeI部位がHindIII部位に置き換わったプラスミドを得た。これをpCF001と命名した。pCF001を制限酵素HindIIIで切断し、エステラーゼ遺伝子を含む約0.8kbのDNA断片を調製した。本断片を発現ベクターpKK233-2のHindIII部位にtrcプロモーターと同方向になるように挿入し、プラスミドpCF002を得た。pCF002を制限酵素NaeI及びScaIで切断して得られた約1.96kbの断片と、プラスミドpUC18を制限酵素PvuII及びScaIで切断して得られた約1.55kbの断片を結合させ、プラスミドpFY529を得た。pFY529はtrcプロモーターを有する点ではpCF002(pKK233-2ベクター)と同等であるが、コピー数がより高いという特徴を有する。
本発明により改良型ニトリルヒドラターゼが提供される。本発明のニトリルヒドラターゼは、耐熱性が高く、また基質特異性も高い点で、アミド化合物を効率良く製造するために有用である。
図1は、プラスミドpJH601の構成図である。 図2は、プラスミドp3Rの構成図である。 図3は、プラスミドpMH301の構成図である。 図4は、プラスミドp52の構成図である。 図5Aは、プラスミドpCF002の構築図である。 図5Bは、プラスミドpFY529の構築図である。
配列番号5:合成DNA
配列番号6:合成DNA
配列番号7:合成DNA
配列番号8:合成DNA
配列番号9:合成DNA
配列番号10:合成DNA
配列番号11:合成DNA
配列番号11:nはa, c, gまたはtである(存在位置20-21)。
配列番号12:合成DNA
配列番号12:nはa, c, gまたはtである(存在位置21-22)。
配列番号13:合成DNA
配列番号14:合成DNA
配列番号14:nはa, c, gまたはtである(存在位置21-22)。
配列番号15:合成DNA
配列番号16:合成DNA
配列番号18:合成DNA
配列番号19:合成DNA
配列番号20:合成DNA
配列番号21:合成DNA
配列番号22:合成DNA
配列番号23:合成DNA
配列番号24:合成DNA
配列番号25:合成DNA
配列番号26:合成DNA
配列番号27:合成DNA
配列番号28:合成DNA
配列番号29:合成DNA
配列番号30:合成DNA

Claims (18)

  1. 以下の(a)、(b)又は(c)のタンパク質。
    (a) 配列番号2に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列において、
    第24番目のフェニルアラニン残基のロイシン残基への置換
    第88番目のイソロイシン残基のフェニルアラニン残基への置換
    第92番目のグルタミン酸残基のリシン残基への置換
    第96番目のヒスチジン残基のアルギニン残基への置換
    第103番目のグルタミン酸残基のアスパラギン酸残基への置換、
    第167番目のアスパラギン残基のセリン残基への置換、及び
    第225番目のチロシン残基のヒスチジン残基への置換
    から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基の置換を有するアミノ酸配列を含み、かつ、野生型より高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
    (b) 配列番号2に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列のうち第167番目のアスパラギン残基又は93番目のグルタミン酸が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型より高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
    (c) 上記(a)若しくは(b)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型より高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
  2. 以下の(a)又は(b)のタンパク質。
    (a) 配列番号4に示される野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列において、
    第42番目のアスパラギン残基のアスパラギン酸への置換
    第80番目のアラニン残基のトレオニン残基への置換
    第118番目のアラニン残基のバリン残基への置換、及び
    第132番目のアスパラギン酸残基のアスパラギン残基への置換から選ばれる少なくとも1つのアミノ酸残基の置換を有するアミノ酸配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
    (b) 上記(a)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
  3. 以下の(a)、(b)、(c)又は(d)のタンパク質。
    (a) 配列番号2に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列のうち第167番目のアスパラギン残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列において、第144番目のロイシン残基がヒスチジン残基及び/又は第219番目のバリン残基がアラニン残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
    (b) 配列番号2に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列のうち第167番目のアスパラギン残基が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列、及び配列番号4に示される野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列において第129番目のバリン残基がアラニン残基に置換されたアミノ酸配列、あるいは前記アミノ酸配列においてさらにαサブユニットの第196番目のロイシン残基がプロリン残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
    (c) 配列番号2に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列において第167番目のアスパラギン残基がセリン、第144番目のロイシン残基がヒスチジン残基、第219番目のバリン残基がアラニン残基に置換されたアミノ酸配列、及び配列番号4に示される野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットのアミノ酸配列において第129番目のバリン残基がアラニン残基、第196番目のロイシン残基がプロリン残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
    (d) 上記(a),(b)又は(c)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
  4. 以下の(a)又は(b)のタンパク質。
    (a) 配列番号2に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列において第26番目のヒスチジン残基及び第48番目のトリプトファン残基がともにアルギニン残基に置換されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
    (b) 上記(a)のタンパク質のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸残基が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質
  5. 請求項1に記載のタンパク質において、前記(b)のタンパク質が、配列番号2に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットのアミノ酸配列のうち第167番目のアスパラギン残基がセリン、グリシン、イソロイシン、リジン、トリプトファン、チロシン、バリン、プロリン、アラニン、システイン、及びスレオニンから選ばれるいずれかのアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含むタンパク質、又は93番目のグルタミン酸がグリシン、アルギニン、グルタミン、ヒスチジン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、及びチロシンから選ばれるいずれかのアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を含むタンパク質である、前記タンパク質。
  6. 野生型よりも、加熱後の残存活性が10%以上高いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタンパク質。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のタンパク質をコードする遺伝子DNA。
  8. 以下の(a)又は(b)の遺伝子DNA。
    (a) 配列番号1に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列において、
    第70〜72番目がロイシンをコードするような置換
    第262〜264番目がフェニルアラニンをコードするような置換
    第274〜276番目がリシンをコードするような置換
    第286〜288番目がアルギニンをコードするような置換
    第307〜309番目がアスパラギン酸をコードするような置換
    第499〜501番目がセリンをコードするような置換、及び
    第673〜675番目がヒスチジンをコードするような置換から選ばれる少なくとも1つの置換を有する塩基配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
    (b) 配列番号1に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列のうち第499〜501番目の少なくとも1個の塩基が他の異なるアミノ酸をコードするように置換された塩基配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
  9. 配列番号3に示される野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列において、
    第124〜126番目がアスパラギン酸をコードするような置換
    第238〜240番目がトレオニンをコードするような置換
    第352〜354番目がバリンをコードするような置換、及び
    第394〜396番目がアスパラギンをコードするような置換から選ばれる少なくとも1つの置換を有する塩基配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA。
  10. 以下の(a)、(b)又は(c)の遺伝子DNA。
    (a) 配列番号1に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列のうち第499〜501番目の塩基の少なくとも1個の塩基が他の異なるアミノ酸をコードするように置換された塩基配列において、第430〜432番目がヒスチジン及び第655〜657番目がアラニンをコードするように置換された塩基配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
    (b) 配列番号1に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列のうち第499〜501番目の塩基の少なくとも1個の塩基が他の異なるアミノ酸をコードするように置換された塩基配列を含み、並びに、配列番号3に示される野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列のうち第385〜387番目がアラニンをコードするように置換された塩基配列、あるいは前記塩基配列においてさらに第586〜588番目がプロリンをコードするように置換された塩基配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
    (c) 配列番号1に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列において第499〜501番目がセリン、第430〜432番目がヒスチジン、第655〜657番目がアラニンをコードするように置換された塩基配列、及び配列番号4に示される野生型ニトリルヒドラターゼのαサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列において第385〜387番目がアラニン、586〜588番目がプロリン残基をコードするように置換された塩基配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA
  11. 配列番号1に示される野生型ニトリルヒドラターゼのβサブユニットをコードする遺伝子の塩基配列において第76〜78番目及び第142〜144番目の塩基がともにアルギニンをコードするように置換された塩基配列を含み、かつ、野生型よりも高い耐熱性ニトリルヒドラターゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子DNA。
  12. 配列番号1において第77番目の塩基AがGに置換された請求項11記載の遺伝子DNA。
  13. 配列番号1において第142番目の塩基TがCに置換された請求項11記載の遺伝子DNA。
  14. 請求項7〜13のいずれか1項に記載の遺伝子DNAを含む組換えベクター。
  15. 請求項14記載の組換えベクターを含む形質転換体または形質導入体。
  16. 請求項15記載の形質転換体または形質導入体を培養し、得られる培養物から採取されたニトリルヒドラターゼ。
  17. 請求項15記載の形質転換体または形質導入体を培養し、得られる培養物からニトリルヒドラターゼを採取することを特徴とするニトリルヒドラターゼの製造方法。
  18. 請求項15記載の形質転換体を培養して得られる培養物又は該培養物をニトリル化合物に接触させ、当該接触により生成されるアミド化合物を採取することを特徴とするアミド化合物の製造方法。
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