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JP4969030B2 - 耐溶融金属用部材およびその製造方法 - Google Patents

耐溶融金属用部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱的特性と機械的特性に優れ、溶融金属中への不純物の混入を抑制したり、溶融金属の付着を抑制したりできる窒化珪素質焼結体からなる耐溶融金属用部材、特に金属溶湯用部材、例えばアルミニウム、亜鉛、銅およびこれらの各金属の合金の溶湯に直接浸漬することができる金属溶湯用部材、溶接用部材、例えば溶接用ノズルに関する。また、この耐溶融金属用部材の製造方法に関する。
従来より、各金属の合金の溶湯に直接浸漬する金属溶湯用部材や、溶接用ノズル等の溶接用部材等の耐溶融金属用部材として窒化珪素質焼結体やサイアロン系セラミックスが用いられている。
このような耐溶融金属用部材として、特許文献1には、内部が周期律表第3族元素酸化物および酸化アルミニウムを含有するサイアロン系セラミック焼結体であって、表面層がBN−SiO−Al−Yからなり、金属溶湯の温度を測定するための熱電対保護管が記載されている。この熱電対保護管は、サイアロン系セラミックスの前駆体である成形体表面にBN粉末とSiO粉末を塗布後、焼成することにより製造されている。また、特許文献2には、その表面のAl濃度が内部のAl濃度より高い表面層が形成されている窒化珪素質焼結体およびこれを用いた金属溶湯用部材と、Y濃度が内部よりもその表面において低く、Y以外の希土類元素の濃度がその内部よりも表面において高い窒化珪素質焼結体およびこれを用いた金属溶湯用部材とが記載されている。特許文献2の金属溶湯用部材は、窒化珪素質焼結体の前駆体である成形体に多量の酸化アルミニウムを含む粉体や、多量の酸化セリウムを含む粉末を塗布後、焼成することにより製造されている。さらに、特許文献3には、Al溶湯に直接浸漬する溶湯用部材として、窒化珪素粉末、酸化アルミニウム粉末および酸化マグネシウム粉末を含む混合物を成形、焼成することにより得られたMgを含有する窒化珪素質焼結体を用いることが提案されている。
このような耐溶融金属用部材には、高い耐熱衝撃性、金属溶湯への高い耐浸食性、さらには溶湯中に混在する不純物やゴミが固着しにくいことが求められ、これらの部材として用いられる窒化珪素質焼結体として、特許文献4には不純物としてFeを含み、さらにWを少量添加することにより、高強度で特性のばらつきを抑制した窒化珪素質焼結体が、また、特許文献5にはW、Mo、Cu、Mn、FeおよびNbのうち少なくとも1種の金属珪化物の結晶粒子を粒界層に分散させてなる窒化珪素質焼結体が、さらに、特許文献6には高融点金属−Fe−Si−Oからなる化合物を粒界層に形成させた窒化珪素質焼結体が記載されている。さらに、特許文献7には粒界層にW、Fe等の珪化物、Ti化合物(窒化物、炭窒化物、炭酸窒化物)からなる粒子を含有し、W、Fe等の珪化物をTi化合物の周囲に凝集させた窒化珪素質焼結体がそれぞれ提案されている。
特開昭63−11574号公報 特開平8−73286号公報 特開平6−322457号公報 特開平5−148031号公報 特開2001−206774号公報 特開2001−106576号公報 特開平11−267538号公報
しかし、従来の耐溶融金属用部材として用いられる窒化珪素質焼結体には種々の問題点があった。
上記特許文献1〜3の耐溶融金属用部材は、部材の表面にBNを塗布するとBNが脱離して金属溶湯に混入し、金属溶湯を用いて鋳造される金属の品質が低下するという問題があった。表面にAl化合物が多い部材をAl溶接用のノズルとして用いると、ノズルにAlが固着して溶接の精度が低下したりノズルが使用不能になったりするという問題があった。
また、粒界層にMg化合物を多く含有する部材は、Pb、Cu、Mg、Zn、Sn等の溶湯とMg化合物が反応し、この反応によって、例えばAl溶湯の場合は酸化アルミニウムやAlなどの固着物が部材表面に固着するため、部材の寿命が短くなるという問題があった。
そのため、特許文献1〜3に記載されている以外の方法で、溶融金属への不純物の混入を抑制したり、溶融金属との反応を抑制したりすることが求められていた。
しかし、溶融金属との反応を抑制するための層(BN層やAl層等)を設けていない特許文献4〜7の窒化珪素質焼結体を耐溶融金属用部材、例えば金属溶湯用部材として用いた場合には、粒界層に存在する金属珪化物等の金属化合物に含まれる金属成分(Fe、W等)が、焼成中に表面の粒界層に拡散、移動しやすいため、この金属化合物が部材の内部より表面側に多く存在し、金属化合物の濃度勾配ができる。この金属化合物は窒化珪素の結晶に比べて金属溶湯と化学反応を起こしやすいため、金属溶湯と表面側の金属化合物が反応し、金属溶湯中に金属化合物が不純物となって多く混入することとなる。その結果、金属溶湯によって鋳造される金属の品質が低下するという問題があった。
また、例えば溶接用ノズルとして用いた場合にも同様に、粒界層に存在する金属珪化物等が部材の表面に多く存在するため、溶融金属と反応してノズルに溶融金属が付着し、付着した金属が堆積して繰返しの使用にともなって溶接用ノズルが使用不能になるという問題があった。
また、特許文献5〜7の窒化珪素質焼結体は、金属珪化物の原料である複数の金属化合物のみを製造過程で予備混合せずに製造されていたため、その粒界層にはFe珪化物やW珪化物等の珪化物が単独で存在していた。この窒化珪素質焼結体を耐溶融金属用部材として用いた場合、部材の表面に複数の金属珪化物が単独で多く存在することとなり、これら金属珪化物に機械的応力や熱応力が集中しやすく、この単独の金属珪化物が破壊源となって窒化珪素質の結晶と金属珪化物との間に亀裂が生じ、その結果、機械的強度が低下するという問題点や耐熱衝撃性が低下するという問題点も有していた。
本発明は上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、機械的特性及び熱的特性、特に機械的強度及び耐熱衝撃性を向上させ、溶融金属中への不純物の混入を抑制したり、溶融金属の付着を抑制したりできる窒化珪素質焼結体からなる耐溶融金属用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の耐溶融金属用部材は、窒化珪素の結晶と、融点が1000℃以上の金属元素と珪素とからなる金属珪化物を含む粒界層とを有する窒化珪素質焼結体からなる耐溶融金属用部材であって、前記金属珪化物として、Fe、Cuのいずれかと珪素とからなる第1金属珪化物およびW、Moのいずれかと珪素とからなる第2金属珪化物を含有し、前記第1金属珪化物と前記第2金属珪化物とが隣り合って接してなる隣接金属珪化物を含有しているとともに、前記窒化珪素質焼結体の表面における前記金属珪化物の濃度が内部より低いことを特徴とする。
e、Cuの金属元素での含有量の合計0.01〜10質量%であることを特徴とする。
前記窒化珪素質焼結体の表面における前記金属珪化物の濃度が内部に比べて1/2以下であることを特徴とする。
前記粒界層に周期律表第3族元素(RE)、AlおよびOからなる非晶質相を含有することを特徴とする。
前記REがY、Er、Yb、Luのうち少なくとも1種であることを特徴とする。
前記粒界層に含まれるSiとREの比率が、SiO/REのモル比換算で0.2〜10であることを特徴とする。
前記粒界層に含まれるAlとREの比率が、Al/REのモル比換算で0.2〜5であることを特徴とする。
前記窒化珪素の結晶が針状結晶からなり、該針状結晶の長径の平均粒径が30μm以下、前記針状結晶の短径の平均粒径が2μm以下であることを特徴とする。
本発明の耐溶融金属用部材の製造方法は、Si粉末と窒化珪素粉末の混合粉末に、Fe、Cuの少なくともいずれかを含む第1の金属化合物粉末と、W、Moの少なくともいずれかを含む第2の金属化合物粉末とを湿式混合して乾燥させた予備混合粉末を、混合して原料粉末を作製する原料作製工程と、前記原料粉末に有機結合剤を加えて造粒した造粒粉体を用いて成形して成形体を得る成形体作製工程と、前記成形体を窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの混合ガスからなる雰囲気中で脱脂して脱脂体を得る脱脂工程と、前記脱脂体を窒素ガス雰囲気中で窒化させて窒化体を得る窒化工程と、前記窒化体を窒素ガスを含有する非酸化性雰囲気中で焼成して焼結体を得る焼成工程と、前記焼結体をpH3以下の水溶液に浸漬する浸漬工程、またはハロゲン化物からなる気体に暴露する暴露工程とを有することを特徴とする。
本発明の耐溶融金属用部材によれば、窒化珪素の結晶と、融点が1000℃以上の金属元素と珪素とからなる金属珪化物を含む粒界層とを有する窒化珪素質焼結体からなり、窒化珪素質焼結体の表面における金属珪化物の濃度が内部より低いため、耐熱性と機械的特性に優れ、溶融金属に曝された場合に、溶融金属が付着しにくく、かつ溶融金属への不純物の混入を抑制できるものとすることができる。また、金属珪化物として、Fe、Cuのいずれかと珪素とからなる第1金属珪化物およびW、Moのいずれかと珪素とからなる第2金属珪化物を含有するとともに、前記第1金属珪化物と前記第2金属珪化物とが隣り合って接してなる隣接金属珪化物を含有していることにより、窒化珪素に対してそれぞれヤング率が大きく、温度に対する熱膨張係数の変化率が小さいため、高温での耐溶融金属用部材の機械的特性、耐熱衝撃性をさらに向上させることができる。
また、Fe、Cuのいずれかと珪素とからなる第1金属珪化物を含有することによって、機械的応力や熱応力によって耐溶融金属用部材全体に大きな歪が生じた場合でも粒界層での亀裂の発生を抑制でき、その結果耐溶融金属用部材が割れることを抑制することができる。
e、Cuの金属元素での含有量の合計0.01〜10質量%であることによって、より高温においても粒界層の破壊靱性を高くすることができるので、より一層高温で熱応力がかかった場合でも、耐溶融金属用部材が割れることを抑制することができる。
前記窒化珪素質焼結体の表面における金属珪化物の濃度を内部に比べて1/2以下とすることによって、溶融金属に曝された場合、さらに溶融金属が付着しにくく、溶融金属への不純物の混入をさらに抑制できる耐食性部材とすることができる。
前記粒界層に周期律表第3族元素(RE)、AlおよびOからなる非晶質相を含有することによって、焼成中に液相が低温で生成するので、窒化珪素の結晶が微細で粒径が揃ったものとなり、その結果さらに耐熱衝撃性に優れ、機械的強度の高い耐溶融金属用部材を得ることができる。
前記REがY、Er、Yb、Luのうち少なくとも1種とすることによって、高温においても機械的強度を向上させることができる。
前記粒界層に含まれるSiとREの比率を、SiO/REのモル比換算で0.2〜10とすることによって耐溶融金属用部材の機械的特性をさらに向上させることができる。前記粒界層に含まれるAlとREの比率を、Al/REのモル比換算で0.2〜5とすることによって、耐溶融金属用部材の焼結性をさらに向上させ、かつ、破壊靱性を向上させることができる。
前記窒化珪素の結晶が針状結晶からなり、該針状結晶の長径の平均粒径が30μm以下、前記針状結晶の短径の平均粒径が2μm以下とすることによって、破壊靭性が向上し、機械的強度が向上した耐溶融金属用部材とすることができる。
本発明の耐溶融金属用部材の製造方法によればSi粉末と窒化珪素粉末の混合粉末に、Fe、Cuの少なくともいずれかを含む第1の金属化合物粉末と、W、Moの少なくともいずれかを含む第2の金属化合物粉末とを湿式混合して乾燥させた予備混合粉末を、混合して原料粉末を作製する原料作製工程と、前記原料粉末に有機結合剤を加えて造粒した造粒粉体を用いて成形して成形体を得る成形体作製工程と、前記成形体を窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの混合ガスからなる雰囲気中で脱脂して脱脂体を得る脱脂工程と、前記脱脂体を窒素ガス雰囲気中で窒化させて窒化体を得る窒化工程と、前記窒化体を窒素ガスを含有する非酸化性雰囲気中で焼成して焼結体を得る焼成工程と、前記焼結体をpH3以下の水溶液に窒化珪素質焼結体を浸漬する浸漬工程、またはハロゲン化物からなる気体に窒化珪素質焼結体を暴露する暴露工程とを有することによって、窒化珪素質焼結体の表面の金属珪化物の濃度を低くすることができるので、機械的特性と耐熱衝撃性を向上させたまま、溶融金属が付着しにくく、かつ溶融金属への不純物の混入を抑制できる耐溶融金属用部材を製造することができる。
以下に本発明について詳述する。
本発明の耐溶融金属用部材は、窒化珪素の結晶と、融点が1000℃以上の金属元素と珪素とからなる金属珪化物を含む粒界層とを有する窒化珪素質焼結体からなるものである。
窒化珪素の結晶としては、主に針状に形成されたものであり、β型窒化珪素結晶、又はβ型窒化珪素と同じ結晶構造を有するβ’−サイアロン結晶がある。
また、融点が1000℃以上の金属元素としては、例えばCr、Co、Cu、Hf、Fe、Mn、Mo、Ni、Ru、Ta、Ti、W、Zrが好ましく、これらの金属元素と珪素とからなる金属珪化物としては、例えば、CrSi、CrSi、CrSi、CoSi、CuSi、HfSi、FeSi、FeSi、FeSi、FeSi
MnSi、MoSi、NiSi、Ru、TaSi、SiTi、WSi、WSi、WSi、WSi、ZrSiがある。これらの金属珪化物は、融点1000℃以上の金属元素と珪素とからなるため、窒化珪素の結晶と特に強固に結合し、かつ溶融金属に曝されることにより高温となった場合でも熱力学的に安定であるので、溶融金属に曝されることによって部材に大きな熱応力がかかった場合でも、これらの金属珪化物を含む粒界層と窒化珪素の結晶の界面でマイクロクラックが進展することをさらに抑制する。その結果、耐熱衝撃性などの熱的特性をさらに優れたものとすることができる。
ここで、本発明の耐溶融金属用部材は、表面における金属珪化物の濃度を内部より低くすることを特徴とするものであり、溶融金属に曝された場合、部材の表面において金属珪化物を構成する金属元素と溶融金属との反応が抑制できるとともに、内部に多く含まれる金属珪化物によって、機械的特性と熱的特性を向上させることができる。このため、機械的特性と熱的特性に優れるとともに、耐溶融金属用部材の表面への溶融金属の付着が抑制され、金属珪化物と溶融金属との化学的反応が抑制されるので、金属珪化物に含まれる金属成分が不純物となって系外へ放出されにくくなり、その結果、不純物が溶融金属中に混入しにくいものとできる。なお、上記粒界層とは、窒化珪素の結晶間に囲まれる領域を示す。
また、本発明の耐溶融金属用部材を構成する窒化珪素質焼結体は、焼成後のものであっても、焼結後に研磨等の加工を施したものでもよい。いずれの場合も表面の金属珪化物の濃度が内部よりも低ければよい。
なお、本発明の耐溶融金属用部材の表面と内部の金属珪化物の濃度を比較する方法を金属珪化物がFe珪化物とCu珪化物を含む場合を例として説明する。
例えば、耐溶融金属用部材の表面と内部の金属珪化物の濃度の比較は、蛍光X線分析装置により次のように行う。
先ず、耐溶融金属用部材の表面と、所定位置である内部を研磨した面とに各々、X線を照射し、これによって発生するFe、Cuの各元素の蛍光X線(特性X線)の強度を次のように測定する。Fe、Cuの各元素の蛍光X線(特性X線)を高分解能比例計数管に入射、プリアンプ等の増幅回路で増幅後、さらにマルチチャンネルアナライザーによってエネルギー毎に分解する。ここで、測定する元素(Fe、Cu)を指定し、これらの元素固有のエネルギー窓が設定され計数された蛍光X線のカウント数(強度)を出力する。測定条件を同一にするために試料の面積、照射するX線の強度、蛍光X線をカウントする時間等を同じとする。このように測定した表面のFe、Cuの各元素の蛍光X線のカウント数をCFe1、CCu1、内部のFe、Cuの各元素の蛍光X線のカウント数をCFe2、CCu2、とする。さらに、耐溶融金属用部材の内部に金属珪化物からなる結晶相が含まれていることをX線回折法、微小X線回折法、透過型電子顕微鏡等により分析する。耐溶融金属用部材の表面に金属珪化物が含まれている場合は、結晶相をX線回折法、微小部X線回折法、透過型電子顕微鏡等で分析することにより確認することができる。表面と内部の金属珪化物の濃度の比は、Fe珪化物についてはCFe1/CFe2、Cu珪化物についてはCCu1/CCu2により計算する。そして本発明の耐溶融金属用部材において、金属珪化物の表面における濃度が焼結体内部よりも低いということは、前記CFe1/CFe2、CCu1/CCu2のうち少なくとも一方が1よりも小さい場合と定義する。このように、金属珪化物が複数の金属元素を含む場合は、少なくとも1つの金属珪化物の濃度が表面で内部より低いときに、金属珪化物の耐溶融金属用部材の表面における濃度が内部よりも低いと定義する。また、前記金属珪化物の濃度が内部に比べて1/n(nは1よりも大きい任意の数値)であるとは、前記CFe1/CFe2、CCu1/CCu2のいずれか小さい方が1/n以下である場合と定義する。但し、金属珪化物からなる結晶相が耐溶融金属用部材表面に存在しない場合も本発明の好ましい形態のひとつであり、この場合CFe1/CFe2、CCu1/CCu2の値はゼロと定義する。
また、耐溶融金属用部材の内部とは、耐溶融金属用部材の表面と表面近傍を除く部位である。具体的には、内部とは、耐溶融金属用部材が溶融金属に曝された場合、溶融金属が、耐溶融金属用部材表面の気孔から拡散等によって浸透しない部位までを示し、耐溶融金属用部材の表面から略0.2mm以上内部を言う。
なお、本発明の耐溶融金属用部材の表面における金属珪化物の濃度を制御するには、詳細は製造方法において後述するが、先ず、一般的な方法によって得られた窒化珪素を主成分とする焼結体を得た後、pH3以下の水溶液に浸漬するか、ハロゲン化物からなる気体に暴露することで表面の金属珪化物の濃度を小さくすることができる。水溶液に浸漬する場合は、そのpHと浸漬時間を変化させ、pHを小さくする程、また浸漬時間を長くする程、表面における金属珪化物の濃度は小さくなる傾向がある。ハロゲン化物からなる気体に暴露する場合は暴露時間を変化させ、暴露時間が長い程、表面における金属珪化物の濃度は小さくなる傾向がある。
また、本発明の耐溶融金属用部材となる窒化珪素質焼結体の有する粒界相に含まれる前記金属珪化物として、Fe、Cuのいずれかと珪素とからなる第1金属珪化物を含有していることを特徴とする
これよって、優れた機械的特性、熱的特性を備えるのみならず、粒界層に破壊靱性の高い金属珪化物を生成させることができるので、耐溶融金属用部材に応力がかかった際、機械的応力や熱応力によって耐溶融金属用部材全体に大きな歪が生じた場合でも粒界層での亀裂の発生を抑制でき、その結果耐溶融金属用部材が割れることを抑制することができる。また、この耐溶融金属用部材を金属溶湯用部材として用いた場合、金属溶湯が酸素等と反応して生じる金属酸化物や金属溶湯中のゴミや不純物等の固着物が部材の表面に固着するのを抑制し、さらに脱離物の発生をも抑制することができる。これは、通常、AlやCu等の金属の溶融や、溶融した金属溶湯の鋳型への注入は空気中で行われる。金属溶湯用部材表面に金属珪化物が存在すると、この金属珪化物が空気中の酸素と反応して酸化物、例えばFeやCuOとなる。これらの酸化物は、金属溶湯が例えばAl溶湯の場合、Al溶湯とテルミット反応を引き起こしやすい。この反応式は、次式で表される。
Fe+2Al→Al+2Fe(式1)
3CuO+2Al→Al+3Cu(式2)
この式1、2の反応により生成したAlは、金属溶湯用部材の表面に固着する。金属溶湯用部材表面に一旦Alが固着してしまうと、固着したAlの上にさらに溶湯中の不純物やゴミが固着され易くなる。この固着物の固着を抑制するためには、金属溶湯用部材表面の金属珪化物の存在量を低減させる必要がある。本発明の耐溶融金属用部材は、機械的特性を向上させることができる金属珪化物を含有させ、金属酸化物等の不純物の固着の原因となる窒化珪素質焼結体表面の金属珪化物の濃度を内部よりも低くすることによって、機械的特性を向上させたまま、溶湯中の不純物やが固着しにくい金属溶湯用部材とすることができる。また、本発明の耐溶融金属用部材は、Al溶湯以外の金属溶湯、例えば、Pb、Cu、Mg、Zn、Sn等の金属溶湯用の部材として用いた場合でも固着物が固着しにくい。
また、Fe、Cuの金属元素での含有量の合計0.01〜10質量%であることが好ましく、より高温の環境下でも粒界層の破壊靱性を高くすることができるので、さらに高温で熱応力がかかった場合でも、耐溶融金属用部材が割れることを抑制することができる。また、金属珪化物としては、FeSi、FeSi、FeSi、CuSiのうち少なくとも1種が選ばれる。特に、粒界層にFe珪化物を含有し、かつ耐溶融金属用部材表面におけるFe珪化物の濃度が焼結体内部のFe珪化物の濃度よりも低いことが好ましい。
また、耐溶融金属用部材の表面における金属珪化物の濃度が内部に比べて1/2以下であることが好ましく、溶融金属に曝された場合、さらに溶融金属が付着しにくく、溶融金属への不純物の混入をさらに抑制することができる。特に、耐溶融金属用部材をAl溶湯用部材として用いた場合、上記(式1)、(式2)の反応をさらに抑制することができるので、固着物の固着をさらに抑制することができる。特に表面の金属珪化物の濃度が内部の1/4以下であることがさらに好ましい。金属溶湯用部材においては、金属珪化物が実質的に耐溶融金属用部材表面に存在しないことがあるが、この金属溶湯用部材は本発明の耐溶融金属用部材の好ましい実施形態の1つである。
なお、耐溶融金属用部材の表面における金属珪化物の濃度を内部の1/2以下にするためには、詳細は製造方法にておいて後述するが、窒化珪素を主成分とする焼結体をpH2.5以下の水溶液に10分以上浸漬させるか、フッ素、塩素の少なくとも1つを含む気体に20分以上暴露させる。
また、前記粒界層に周期律表第3族元素(RE)、AlおよびOからなる非晶質相を含有することが好ましい。これによって、焼成中に液相が低温で生成するので、窒化珪素の結晶が微細で粒径が揃ったものとなり、その結果さらに耐熱衝撃性に優れ、機械的強度の高い耐溶融金属用部材を得ることができる。非晶質相は、例えば、周期律表第3族元素(以下REと称す)の酸化物と酸化アルミニウム粉を製造過程で添加後、成形、焼成することにより焼結体中に生成させることができる。好ましくは、本発明の耐溶融金属用部材にREをRE換算で1〜20質量%、AlをAl換算で0.1〜10質量%含有する。なお、この第3族元素とは、Sc、Y、ランタノイド元素、アクチノイド元素から選ばれるうち少なくとも1種の元素を意味する。
また、前記REがY、Er、Yb、Luのうち少なくとも1種であることが好ましい。これにより、焼成中に液相が低温で生成すると共に、生じる非晶質相の熱膨張係数と窒化珪素の結晶との熱膨張の差を小さくできる傾向がある。このため、窒化珪素の結晶を微細で粒径が揃ったものとするだけでなく、高温で機械的応力や熱応力がかかった場合でも、窒化珪素と粒界層の熱膨張係数の違いによって粒界層でマイクロクラックが発生することを抑制できる。その結果、耐熱衝撃性を維持しつつ高温での機械的強度を向上させることができる。また、これにより、高温酸化雰囲気中での耐酸化性を向上させることもできる。REがYの場合には、REがY以外の場合よりも焼成中にREの蒸発を抑制できるため耐溶融金属用部材の材料組成を高精度に制御でき、これによって機械的特性のばらつきを低減させることができるため特に好ましい。
この粒界層にアパタイト相、ボラストナイト相およびダイシリケート相の少なくとも1種を含有することが好ましい。これにより耐溶融金属用部材の機械的強度をさらに向上させることができる。また、アパタイト相はRE(SiN、ボラストナイト相はRESiON、ダイシリケート相はRESiで表される化合物である。また、粒界層がアパタイト相またはボラストナイト相を含有する場合は、高温強度、耐高温クリープ特性、耐熱衝撃性が向上する。また、粒界層がダイシリケート相を含有する場合は、高温での耐酸化特性が向上する。
また、RE、Alを含む粒界層が耐溶融金属用部材内部よりも表面に少なく存在することが好ましい。これによって、本発明の耐溶融金属用部材を金属溶湯用部材として用いた場合、固着物の固着をさらに抑制できると共に、この粒界層が耐溶融金属用部材から金属溶湯へ脱離物となって混入しにくい金属溶湯用部材を得ることができる。好ましくは耐溶融金属用部材表面のRE、Alを含む粒界層の量は内部の1/2以下、特に好ましくは1/4以下である。
RE、Alを含む耐溶融金属用部材内部の粒界相の量に対する耐溶融金属用部材表面の粒界相の量を測定するには、例えば、蛍光X線分析装置により次のように行う。
耐溶融金属用部材の表面と、耐溶融金属用部材内部を研磨した面とに各々、X線を照射し、これによって発生するRE、Alの各元素の蛍光X線(特性X線)の強度を次のように測定する。RE、Alの各元素の蛍光X線(特性X線)を高分解能比例計数管に入射、プリアンプ等の増幅回路で増幅後、さらにマルチチャンネルアナライザーによってエネルギー毎に分解する。ここで、測定する元素(RE、Al)を指定し、これらの元素固有のエネルギー窓が設定され計数された蛍光X線のカウント数(強度)を出力する。測定条件を同一にするために試料の面積、照射するX線の強度、蛍光X線をカウントする時間等を同じとする。このように測定した耐溶融金属用部材表面のRE、Alの各元素の蛍光X線のカウント数をCRE1、CAl1、耐溶融金属用部材内部のRE、Alの各元素の蛍光X線のカウント数をCRE2、CAl2とする。但し、複数のREの蛍光X線が検出された場合は、複数のREの蛍光X線のカウント数の合計を耐溶融金属用部材表面、耐溶融金属用部材内部についてそれぞれCRE1、CRE2と定義する。RE、Alの各々についての耐溶融金属用部材の表面と内部の濃度の比は、REについてはCRE1/CRE2、AlについてはCAl1/CAl2により計算する。そして本発明の耐溶融金属用部材において、RE、Alを含む粒界層が耐溶融金属用部材内部よりも表面に少なく存在するということは、前記CRE1/CRE2、CAl1/CAl2のうち少なくとも一方が1よりも小さい場合と定義する。但し、RE、Alを含む粒界層が耐溶融金属用部材表面に存在しない場合は、CRE1/CRE2、CAl1/CAl2の値はゼロとする。
また、前記粒界層に含まれるSiとREの比率が、SiO/REのモル比換算で0.2〜10であることが好ましい。これにより、耐溶融金属用部材の機械的特性をさらに向上させることができる。SiO/REのモル比換算で0.2〜4とすることが耐溶融金属用部材の焼結性を向上させるためにさらに好ましい。このモル比は、次のように求めることができる。上記の方法により体積%換算したREとAlに含まれる酸素量(質量%)の合計をG(質量%)とする。LECO社製酸素分析装置で耐溶融金属用部材中の全酸素含有量を測定し、全酸素含有量(質量%)からG(質量%)を差し引き、残りの酸素量(質量%)をSiO量(質量%)に換算する。このSiO量(質量%)と、REの質量換算での含有量(質量%)との比をSiO/REのモル比換算でのSiとREの比率とする。
前記粒界層に含まれるAlとREの比率が、Al/REのモル比換算で0.2〜5であることが好ましい。これにより、耐溶融金属用部材の焼結性をさらに向上させ、かつ、破壊靱性を向上させることができるからである。さらに好ましくは、Al/REのモル比換算で0.4〜3である。AlとREのモル比は、次のようにICP発光分光分析により測定することができる。
ICP発光分光分析により耐溶融金属用部材中のREおよびAlの含有量(質量%)を測定し、この含有量をREおよびAl換算での含有量(質量%)に換算する。さらにREおよびAlの質量換算での含有量と理論密度(例えばYは5.02g/cm、Alは3.98g/cm)を用いて、REおよびAlの体積%換算での含有量を求める。
また、前記窒化珪素の結晶が針状結晶からなり、該針状結晶の長径の平均粒径が30μm以下、前記針状結晶の短径の平均粒径が2μm以下であることが好ましい。これによって、微細な亀裂の進展を該針状結晶がより効果的に抑制するので、破壊靭性が向上し、機械的強度が向上した耐溶融金属用部材とすることができる。特に、機械的特性、例えば、機械的強度をさらに向上するためには該針状結晶の長径の平均粒径を15μm以下とするのが好ましい。平均粒径が15μmを超えた場合には破壊靭性を著しく向上できないので、機械的強度を著しく向上できないからである。
なお、窒化珪素の結晶の平均粒径の測定には次のような種々の方法がある。即ち、耐溶融金属用部材の断面を鏡面研磨し、この鏡面をSEM(走査型電子顕微鏡)写真に撮り、SEM写真に写っている窒化珪素の結晶の長径を測定する方法、X線マイクロアナライザーを併用して窒化珪素の結晶を特定し、その結晶の長径を測定する方法、又は鏡面加工した耐溶融金属用部材の面にある粒界層を熱処理によるエッチングや化学的エッチング処理により表面から除去後に長径を測定する方法があり、いずれにしても、測定された複数の長径データを平均化して算出される。
また、前記粒界層に融点が1400℃以上の金属元素と珪素とからなる金属珪化物を含み、粒界層を20体積%未満含有することが好ましい。これにより、高温での耐クリープ特性に優れた金属珪化物が、耐溶融金属用部材を製造する過程で行う焼成中に粒界層に生成する。その結果、耐溶融金属用部材を製造する過程で行う焼成中で変形を抑制できるので、寸法精度の高い耐溶融金属用部材を得ることができる。粒界層の含有量が20体積%以上の場合は、焼成工程中に変形が起こりやすいため寸法精度の高い耐溶融金属用部材を作製することが困難となり好ましくない。また、粒界層が15体積%を越え20体積%未満の場合は、変形を著しく低減させることができない。また、粒界層が5体積%未満の場合、緻密な耐溶融金属用部材を得るために高温で焼成する必要があり、高温で焼成すると窒化珪素の結晶が一部粗大化するため、機械的強度や耐摩耗性を著しく向上させることができない。このため、粒界層の含有量は5〜15体積%であることが特に好ましい。
また、本発明の耐溶融金属用部材は、粒界層において金属珪化物が、Fe、Cuのいずれかと珪素とからなる第1金属珪化物およびW、Moのいずれかと珪素とからなる第2金属珪化物を含有するとともに、第1金属珪化物と第2金属珪化物とが隣合って接してなる隣接金属珪化物を含有していることを特徴とする
ここで、隣接金属珪化物とは、第1金属珪化物と第2金属珪化物とが隣り合って一部で接している状態であればよく、これにより、耐溶融金属用部材の機械的特性、耐熱衝撃性をさらに向上させることができ、第1、第2金属珪化物の一方が他方の金属珪化物の一
部又は全部を取り囲んでいる状態であるのがより好ましい。
さらに、粒界、第1金属珪化物、第2金属珪化物の他にさらにこれら第1金属珪化物を成す金属元素と第2金属珪化物を成す金属元素を含む複数金属成分からなる第3金属珪化物を含んでいることが好ましい。第3金属珪化物は、第1、第2金属珪化物と結晶構造が近似しているので、第1金属珪化物と第2金属珪化物とが隣り合って接してなる隣接金属珪化物に含まれやすいだけでなく、隣接金属珪化物を熱力学的に安定にすることができるので、耐溶融金属用部材として高温で用いられた場合に、相変態を起こしにくくなり、高温での機械的特性や耐熱衝撃性向上させることができる。
ここで、第1金属珪化物と第2金属珪化物とが隣り合って接してなる隣接金属珪化物を、図1を用いて具体的に説明する。
図1は本発明の耐溶融金属用部材を構成する窒化珪素質焼結体の断面10の一例であり、断面10を鏡面研磨し、この鏡面をSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した写真の模式図を示している。断面10は窒化珪素の結晶12間に粒界層20を有し、粒界層20中に第1金属珪化物16、第2金属珪化物18、第1金属珪化物16と第2金属珪化物18とが隣合って接している隣接金属珪化物14を具備している。ここで隣接金属珪化物14は、第1金属珪化物16と第2金属珪化物18とが隣り合って接して存在するものであり、第1金属珪化物16が第2金属珪化物18を取り囲むもの、第1金属珪化物16第2金属珪化物18が取り囲むものがある。
第1金属珪化物は、窒化珪素に対してそれぞれヤング率が大きく、温度に対する熱膨張係数の変化率が小さいので、これらが隣り合って接してなる隣接金属珪化物を含有していることにより、高温での耐溶融金属用部材の機械的特性や耐熱衝撃性を向上させることができるものと考えられる。
従って、耐溶融金属用部材に微細な亀裂が発生しても隣接金属珪化物窒化珪素の結晶の亀裂の進展を抑制したり、耐溶融金属用部材の割れやクラックの発生を抑制したりすることがきる
なお、第1金属珪化物の好ましい形態としては、FeSi、FeSi、Fe Si、FeSi よびCuSiのうち少なくとも1つから選ばれたものである。また、第2金属珪化物の好ましい形態としては、WSi、WSi、WSi、WSiおよびMoSiうち少なくとも1つから選ばれたものである。さらに、第3金属珪化物の好ましい形態としては、FeとWを含む複数金属成分(化合物)、例えば、固溶体からなるものである。これらの金属珪化物が選ばれる理由は、第1〜第3金属珪化物のうちでもこれらの金属珪化物が熱力学的な安定相であるため、機械的応力や熱応力がかかった場合でも相変態を起こしにくいので、相変態に伴う更なる機械的応力や熱応力の増大のおそれがないからである。特に、第1の金属元素がFe、第2の金属元素がWであることが好ましい。
また、第1の金属元素がFeであるとき、第1金属珪化物FeSi 、第2の金属元素がWであるとき、第2金属珪化物WSi であることが好ましい。
の理由としては、WSiとFeSiは共に熱力学的に特に安定な相であり、また両者の結晶構造が特に近似していることから、第1金属珪化物と第2金属珪化物とがり合って接し易いため、耐熱衝撃をさらに向上させることができるからである。
また、隣接金属珪化物に第3金属珪化物が含まれる場合、第3金属珪化物はFeとWを含むことが好ましい。この理由は、FeとWを含む第3金属珪化物は隣接金属珪化物に含まれやすく、その結果、隣接金属珪化物の破壊靱性が向上するので、熱衝撃が耐溶融金属用部材にかかった場合に隣接金属珪化物がマイクロクラックの進展を抑制するので、耐熱衝撃性に優れた耐溶融金属用部材を得ることができる。
また、隣接金属珪化物の平均粒径は30μm以下が好ましく、特に好ましくは1〜5μmである。平均粒径が30μmより大きいと、機械的、熱応力を隣接金属珪化物が十分緩和することができないため、耐熱衝撃性を著しく向上させることができないからである。この場合、隣接金属珪化物の平均粒径は、焼結体を走査型電子顕微鏡(SEM)等で拡大して観察し、複数の隣接金属珪化物の粒径を測定し平均した値であり、上述の窒化珪素の結晶の平均粒径を測定したのと同じように測定することができる。さらに、隣接金属珪化物の含有量は0.01〜10体積%であることが耐熱衝撃性および機械的強度を特に向上させることができるので好ましく、特に好ましくは、0.1〜5体積%、最適は、0.1〜1体積%である。
なお、第1金属珪化物、隣接金属珪化物の存在およびそれらの含有量については以下のように測定する。図1に示す第1金属珪化物16、第2金属珪化物18、隣金属珪化物14の存在は、X線回折法、微小部X線回折法、X線マイクロアナライザー(例:波長分散型EPMA(Electron Probe Micro−Analyzer))、TEM(透過型電子顕微鏡)等により確認することができる。X線回折法を用いる場合は、X線マイクロアナライザーまたはTEMを併用して測定することが好ましい。TEMによる分析する場合は、耐溶融金属用部材を薄片に加工後に測定する。
隣接金属珪化物14の含有量は、例えば、耐溶融金属用部材の断面を鏡面研磨し、この鏡面の500μm×500μm程度の部分(以下、この部分の面積を「面積A」という)にX線マイクロアナライザーを用いて電子ビームを照射し、焼結体から発生する特性X線の種類と強度を測定することによって、Si、第1、第2の金属元素(Fe、Cu、W、Mo)の各元素の強度をマッピングし、(1)Siを含有し、かつ、第2の金属元素のうち少なくとも1つがリッチな第1の部分(第2金属珪化物18)と、(2)Siを含有し、かつ、第1の金属元素のうち少なくとも1つがリッチな第2の部分(第1金属珪化物16)との存在を確認し、これらが隣り合って接してなる隣接金属珪化物の面積Bを測定し、面積Aに対する面積Bの割合を計算し、この割合を隣接金属珪化物14の含有量(体積%)とする。面積Aは、第1,第2珪化物、隣接金属珪化物14が識別できる程度に測定の際の倍率を適宜変更しても良い。なお、X線マイクロアナライザーとTEMを併用して隣接金属珪化物14に含まれる結晶相を確認することが好ましい。
かくして、本発明の耐溶融金属用部材は機械的強度が高く、また耐熱衝撃性にも優れているため冷熱サイクルが加わっても破損したり、亀裂が入ったりすることなく、さらに溶融金属の付着が抑制できるので、溶融金属を鋳造するために用いる容器、ラドル、ヒーターチューブ、ストーク、ダイカストスリーブ、溶鍛スリーブ、熱電対保護管、溶融金属に曝される溶接用のノズル部材としても好適に使用できる。特に、Al溶湯用部材として好適に用いることができる。
次に本発明の耐溶融金属用部材の製造方法について説明する。
本発明の耐溶融金属用部材の製造方法は、Si粉末と窒化珪素粉末の混合粉末に、FeまたはCuを含む金属化合物粉末と、WまたはMoを含む金属化合物粉末とを湿式混合して乾燥させた予備混合粉末を混合して原料粉末を作製する原料作製工程と、前記原料粉末に有機結合剤を加えて造粒した造粒粉体を用いて成形して成形体を得る成形体作製工程と、前記成形体を窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの混合ガスからなる雰囲気中で脱脂して脱脂体を得る脱脂工程と、前記脱脂体を窒素ガス雰囲気中で窒化させて窒化体を得る窒化工程と、前記窒化体を窒素ガスを含有する非酸化性雰囲気中で焼成して焼結体を得る焼成工程と、前記焼結体をpH3以下の水溶液に浸漬する浸漬工程、またはハロゲン化物からなる気体に暴露する暴露工程とを有することを特徴とするものである。
のように、耐溶融金属用部材の表面の金属珪化物の濃度を内部より低くすることにより、機械的特性と耐熱衝撃性を向上させたまま、溶融金属が付着しにくく、かつ溶融金属への不純物の混入を抑制できる耐溶融金属用部材を製造することができる。
ここで粒界相に金属珪化物を含む窒化珪素質焼結体の製造方法を具体的に説明する。
先ず、公知の製造方法、例えば、窒化珪素粉末と、融点が1000℃以上の金属元素(Siを除く)からなる金属化合物とを混合して原料粉末を作製する原料作製工程と、前記原料粉末有機結合剤を加えて造粒した造粒粉体を用いて成形して成形体をる成形体作製工程と、実質的に窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの混合ガスからなる雰囲気中で前記有機結合を脱脂して脱脂体をる脱脂工程と、前記脱脂体を窒素ガスを含有する非酸化性雰囲気中で焼成して焼結体を得る焼成工程とを有する製造方法によって焼結体を作製する。この焼結体は、β型窒化珪素結晶、又はβ型窒化珪素と同じ結晶構造を有するβ’−サイアロン結晶を主成分とする窒化珪素質焼結体である。また、融点が1000℃以上のうち少なくとも1つの金属元素としては、上述した金属元素が選ばれることが好ましい。
次いで、耐溶融金属用部材の表面の金属珪化物の濃度を内部より低くするには、得られた焼結体をpH3以下の水溶液に浸漬する浸漬工程、またはハロゲン化物からなる気体に暴露する暴露工程を経る。
浸漬工程としては、焼結体表面に存在する金属珪化物をpH3以下の水溶液と反応させて焼結体表面からその少なくとも一部を除去する。pH3以下の水溶液としては、HCl、HNO、HSO、HF、H、HClOの各々の水溶液およびこれらのうち少なくとも2種を混合した水溶液が挙げられる。前記水溶液の中でも、HCl水溶液単独、もしくは混酸水溶液としてHNO+HSO、HF+HNO+HSO、HF+H、HF+HNO、HNO+HF、HNO+HF+HSO、HNO+HF+HCl、HNO+HF+HClOのいずれかの水溶液を用いることが好ましい。焼結体を前記水溶液に浸漬することにより、金属珪化物が焼結体表面から除去される。前記水溶液のうち、経済性と製造過程における安全性を向上させることができるHCl水溶液が特に好ましい。なお、浸漬工程において用いるpH3以下の水溶液が例えばHClのみ(水を含まない)の場合でも、浸漬工程において焼結体表面の金属珪化物を除去できる。浸漬工程において用いるpH3以下の水溶液に水を含有するのは、経済性と製造過程における安全性を向上させるためである。また、焼結体をpH3以下の水溶液に暴露する時間は5分以上が好ましい。
暴露工程としては、焼結体をハロゲン化物に暴露するものであり、ハロゲン化物としては、フッ化物からなる気体が好ましく、特にClF、CFCl、CFCl、CFCl、CF、NF、SF、SiF、BF、PF、PFのいずれかを含む気体が好ましい。これにより、焼結体の表面に含まれる金属珪化物が除去される。特に、金属珪化物としてW、Moを含む金属珪化物を効率良く除去することができる。これらのハロゲン化物の気流を形成し、この気流に焼結体を1分以上暴露することがより好ましい。
また、焼結体表面の金属珪化物を低減させる方法として、前記浸漬工程または暴露工程が選ばれる理由について説明する。窒化珪素質焼結体表面の金属珪化物を低減する方法には多くの方法があり、その中でも前記浸漬工程、前記暴露工程を用いることが好ましい。窒化珪素質焼結体の表面に存在する金属珪化物を除去する他の方法としては、例えば酸化ナトリウムと焼結後の窒化珪素質焼結体とをAu、Fe、Ni、Ag、Zrのいずれかからなる金属容器に入れたまま500℃程度に加熱する方法がある。しかし、この方法は、容器が浸食されやすいという問題、容器に含まれる金属成分が窒化珪素質焼結体に固着するという問題、用いた酸化ナトリウムが窒化珪素質焼結体に固着するという問題等がある。このため、この方法は耐溶融金属用部材として用いるための窒化珪素質焼結体表面から金属珪化物を除去する方法として用いることはできない。
また、表面における金属珪化物の濃度を内部に比べて1/2以下に制御するためには、例えば前記水溶液としてpH2.5以下の水溶液を用い、この溶液に焼結体を10分以上浸漬するか、またはフッ素、塩素の少なくとも1つを含む気体に20分以上暴露させる。
さらに、融点が1000℃以上の金属元素(Siを除く)が、Fe、Cuの少なくともいずれかであって粒界相中にFe珪化物、Cu珪化物の少なくともいずれかを含んでいるとき、Fe、Cuの金属元素での含有量の合計0.01〜10質量%であれば、さら
に高温でも粒界層の破壊靱性を高くすることができるので、さらに高温で熱応力がかかった場合でも、割れにくい耐溶融金属用部材を製造することができる。
また、前記原料粉末に、さらに周期律表第3族元素(RE)の酸化物(RE)、酸化アルミニウムを添加することによって、焼成工程で液相が低温で生成し、粒界層にRE、AlおよびOからなる非晶質相を含有させることができる。その結果、窒化珪素の結晶が微細で粒径が揃い、さらに耐熱衝撃性に優れ、機械的強度の高い耐溶融金属用部材を製造することができる。また、粒界層に前記非晶質相を均一に分散させることにより、窒化珪素の結晶を焼結体全体に渡って微細で粒径の揃ったものとするためには、焼成工程で、最高温度を経た後、800℃までの降温速度を100℃/時間よりも大きくすることが好ましい。
さらに、前記REとしてY、Er、Yb、Luのうち少なくとも1種を用いることにより、高温での機械的強度と耐酸化性が向上した耐溶融金属用部材を製造することができる。さらに、焼成工程で、降温速度を200℃/時間よりも大きくすることにより、粒界層に含まれるSiとREの比率を、SiO/REのモル比換算で0.2〜10とすることができるので、機械的特性がさらに向上した耐溶融金属用部材を製造することができる。
また焼結体中にAlとREの比率が、Al/REのモル比換算で0.2〜5となるよう、REと酸化アルミニウムを原料粉末に添加することによって、前記非晶質相を粒界層全体に渡って均一に形成させ、非晶質相の偏在を抑制することができるので焼結性が向上し、破壊靱性が向上した耐溶融金属用部材を製造することができる。
また、前記脱脂体の比表面積を1〜30m/gとすることによって、焼結体に含まれる窒化珪素の結晶を針状結晶からなり、該針状結晶の長径の平均粒径が30μm以下、前記針状結晶の短径の平均粒径が2μm以下とすることができる。その結果、破壊靭性が向上し、機械的強度がさらに向上した耐溶融金属用部材を製造することができる。
また、原料粉末中に含まれる窒化珪素以外の化合物の含有量を制御することにより、焼結体中に含まれる粒界層の含有量を20体積%未満に制御することが好ましく、焼成工程中での変形を抑制できるので、寸法精度の高い耐溶融金属用部材を製造することができる。
また、前記脱脂工程、窒化工程、焼成工程を同一の炉内で連続して実施することが、窒化珪素質焼結体の製造コストを特に低減するので好ましい。
ここで、粒界層に隣接金属珪化物を含有する耐溶融金属用部材を得るための製造方法について説明する。
隣接金属珪化物を有する耐溶融金属用部材は、Si粉末と窒化珪素粉末の混合粉末に、予め平均粒径0.1〜20μmのFe、Cuの少なくともいずれかの第1の金属元素の化合物、平均粒径0.1〜30μmのW、Moの少なくともいずれかの第2の金属元素の化合物を湿式混合して乾燥させた予備混合粉末を混合して原料粉末を作製する原料作製工程と、前記原料粉末に有機結合剤を加えて造粒した造粒粉体を用いて成形して成形体をる成形体作製工程と、実質的に窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの混合ガスからなる雰囲気中で前記有機結合を脱脂して脱脂体をる脱脂工程と、前記脱脂体を実質的に窒素ガス雰囲気中で窒化させて窒化体を得る窒化工程と、前記窒化体を窒素ガスを含有する非酸化性雰囲気中で焼成して焼結体をる焼成工程と、前記焼結体をpH3以下の水溶液に浸漬する浸漬工程、またはハロゲン化物からなる気体に暴露する暴露工程を有する。この製造方法において、焼成工程で得られる焼結体の粒界層中に隣接金属珪化物を含有させるプロセスは次のようになる。
予め第1、第2の金属元素の化合物を湿式混合して乾燥することによって、得られた予備混合粉末は、第1、第2の金属元素の化合物の粒子がそれぞれ均一分散すると共に、互いの粒子が固着したものとなる。なお、この均一分散と固着を達成するために、湿式混合に用いる溶媒としては水、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノールのうち少なくとも1つが好適である。溶媒中に水を含有させることが、第1、第2の金属元素の化合物の粒子を、乾燥過程で互いに強固に固着させることができるのでさらに好ましい。
次に、Si粉末と窒化珪素粉末の混合粉末に、上述の予備混合粉末を混合することにより、第1、第2の金属元素の化合物の粒子が互いに固着し、均一分散した予備混合粉末が混合粉末中に分散した原料粉末を作製させることができる。
そして、窒化工程中に、第1の金属元素の化合物、第2の金属元素の化合物、第1および第2の金属元素の化合物がそれぞれSi成分と反応し、それぞれ第1金属珪化物前駆体、第2金属珪化物前駆体となり、さらに、第1金属珪化物前駆体と第2金属珪化物前駆体とがり合ってしてなる隣接金属珪化物前駆体を形成する。ここで、第12および隣接金属珪化物前駆体とは、非晶質あるいは一部結晶化していない物質を示している。窒化工程で、隣接金属珪化物前駆体が形成されるのは、原料粉末中に、第1の金属元素の化合物からなる粒子と、第2の金属元素の化合物からなる粒子が互いに固着しているため、互いに固着した粒子が隣接しながら窒化されるからである。原料粉末中にSi粉末を含有
させるのは、窒化工程において、第1、第2の金属元素とSiとの反応を促進して隣接金属珪化物前駆体を形成させるためである。原料粉末にSi粉末を含まないと、第1、第2の金属元素とSiとの反応が促進されないので隣接金属珪化物前駆体を含む窒化体を得ることができない。
このような窒化体に含まれる隣接金属珪化物前駆体は、焼成工程で結晶化し、隣接金属珪化物となる。なお、耐溶融金属用部材中の第1、第2の金属元素の含有量が同じ場合でも、特に窒化工程の温度、保持時間を制御することにより隣接金属珪化物の含有量を制御することができる。
上述のように第1の金属元素の化合物からなる平均粒径が0.1〜20μmの粉末と、第2の金属元素の化合物からなる平均粒径0.1〜30μmの粉末が用いられる。この理由としては、これらの粒径範囲とすることによって窒化工程での上述の隣接金属珪化物前駆体の形成が促進され、隣金属珪化物の形成に寄与する割合を増加させることができるからであると考えられる。この割合は、上述の粉末混合工程において各粉末をより均一に混合する程増加させることができる。なお、予備混合粉末の比表面積は3〜30m/gの範囲内であることが好ましい。この理由は、これによって、窒化工程における窒化を促進させると共に、第1金属珪化物第2金属珪化物とが隣り合って接してなる隣接金属珪化物の形成に寄与する割合を増加させることができるからである。
また、出発原料であるSi粉末と窒化珪素粉末の質量比(Si粉末の質量)/(Si粉末と窒化珪素粉末の質量の合計)が0.4〜0.95であることが好ましい。この比が0.4より小さいと第1,第2金属珪化物前駆体および隣接金属珪化物前駆体が生成しにくくなるおそれがあるからであり、また、得られる耐溶融金属用部材の寸法精度を高精度に制御することができなくなる。この比が0.95より大きいと肉厚の大きい脱脂体を窒化する場合、窒化時間が多大となり製造コストが増加するため、好ましくないからである。
混合粉末に有機結合剤を加えて造粒した造粒粉体を用いて成形して成形体を作製するのは、成形体を高密度にしかつ成形体内の密度のばらつきを小さくするためである。これによって、焼成中に窒化体の焼結が耐溶融金属用部材全体に渡って均一に進行するので、機械的強度、耐熱衝撃性を向上させることができる。
実質的に窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの混合ガスからなる雰囲気中で有機結合を脱脂して脱脂体を作製するのは、脱脂体に含まれる炭素を低減することにより、焼結性を向上させることができるからである。また、上述の脱脂は成形体を炉内へ載置して行う。
Si粉末を含む成形体は、窒化工程において成形体の表面のSi粉末から窒化が始まり、時間の経過と共に成形体のより内部に存在するSi粉末の窒化が進行する。したがって第1の窒化工程の途中または終了時には成形体表面よりも内部のSi量が多い状態が存在する。成形体をこの状態から完全に窒化させるには、低温での窒化(第1の窒化工程)の後、高温での窒化(第2の窒化工程)を行う必要がある。
特に、第2の窒化工程の温度を制御することにより、隣接金属珪化物の存在量(含有量)を制御することができる。すなわち、前記第2の窒化工程の温度を1200℃以上1400℃未満とすることにより、耐溶融金属用部材に隣接金属珪化物を0.1〜5体積%含有させることができる。前記第2の窒化工程の温度が1100℃以上1200℃未満、または1400℃以上1500℃以下の場合は、前記隣接金属珪化物が0.1体積%未満しか含有させることができないため、機械的特性の著しく優れた耐溶融金属用部材を製造することができず好ましくない。
耐溶融金属用部材を致密化させることによって機械的特性を向上させるためには、前記焼成工程における最高温度が1600℃以上であることが好ましい。1600℃以上で焼成することにより、相対密度が97%以上の緻密な耐溶融金属用部材を作製することができ、機械的特性を向上させることができる。また、窒化珪素の結晶の異常粒成長を抑制することにより機械的強度の低下を抑制するためには、焼成の最高温度の上限を1850℃とすることが好ましい。
次に、第金属珪化物が、第2金属珪化物を取り囲むように形成されている隣接金属珪化物とするには、第1の金属元素を第2の金属元素よりも多くし、かつ第1の金属元素を計0.2〜10質量%、第2の金属元素を計0.1〜3質量%耐溶融金属用部材中に含有させるよう、前記粉末混合工程における第1の金属元素の化合物および第2の金属元素の化合物の添加量を制御する。
この製造方法によって、窒化工程で、第金属珪化物前駆体が、第2金属珪化物前駆体を取り囲むように形成された隣接金属珪化物前駆体が生成されるからである。なお、第1
、第2の金属元素が製造過程で不純物として混入する場合は、その不純物を除去する等して第1、第2の金属元素の含有量を制御してもよい。具体的には、例えば、粉末混合工程において使用する機械の摩耗によって金属のFe成分が原料粉末中に混入する場合、粉末混合工程の後、この粉末に磁場を印加してFe成分を吸着し、除去することにより、最終的に耐溶融金属用部材に含まれるFeの含有量を制御することができる。
また、第1の金属元素の化合物からなる粉末の平均粒径を1〜20μm、第2の金属元素の化合物からなる粉末の平均粒径を0.1〜5μmとすることにより、取り囲む第金属珪化物の含有量を増加させることができるので、さらに機械的特性に優れた耐溶融金属用部材を製造することができる。
さらに好ましくは、出発原料であるSi粉末の平均粒径を2〜50μmとし、脱脂体の比表面積を2〜30m/gとすることにより、耐溶融金属用部材に含まれる窒化珪素の結晶の長径の平均粒径を15μm以下に制御する。Si粉末の平均粒径が2μm未満であると、窒化工程中のSi粉末の急激な窒化反応に伴う多量の発熱によって、窒化体の温度が急激に上昇し、窒化工程で大きな窒化珪素の結晶が生成するおそれがあり、その結果、この窒化珪素の結晶が焼成工程で異常粒成長するので平均粒径が15μmを超えるおそれがある。また、Si粉末の平均粒径が50μmを超えると、窒化工程で大きなSi粒子が窒化されて大きな窒化珪素の結晶が生成し、この大きな窒化珪素の結晶が焼成工程でさらに異常粒成長し、平均粒径が15μmを超えるおそれがある。脱脂体の比表面積を2〜30m/gとすることによって、窒化工程でSi粉末の急激な窒化反応に伴う多量の発熱を抑制できると共に、窒化工程で大きな窒化珪素の結晶が生成した場合でも、焼成時に窒化珪素の結晶の粒成長が抑制されるので、窒化珪素体の結晶の長径の平均粒径を15μm以下に制御することが可能となる。
次に、第2金属珪化物が、第1金属珪化物を取り囲むように形成されている隣接金属珪化物を含有する耐溶融金属用部材とするためには、第2の金属元素を第1の金属元素よりも多くし、かつ第1の金属元素を計0.01〜2質量%、第2の金属元素を計1〜10質
量%耐溶融金属用部材中に含有させるよう、上述の粉末混合工程における第1の金属元素の化合物および第2の金属元素の化合物の添加量を制御する。
この製造方法によって、窒化工程で、第2金属珪化物前駆体が、第1金属珪化物前駆体を取り囲むように形成された隣接金属珪化物前駆体を生成させることができる。なお、第1、第2の金属元素が製造過程で不純物として混入する場合は、上記と同様にしてその不純物を除去する等して第1、第2の金属元素の含有量を制御する。
また、第1の金属元素の化合物からなる粉末の平均粒径を0.1〜5μm、第2の金属元素の化合物からなる粉末の平均粒径を1〜30μmとすることにより、取り囲む第2金属珪化物の含有量を増加させることができるので、さらに耐熱衝撃性に優れた耐溶融金属用部材を製造することができる。
この理由は次のように考えられる。即ち、第2の金属元素の化合物からなる粉末の平均粒径を1〜30μmに制御すると、焼成工程中の高温で第2金属珪化物は大きな結晶となって粒界層中に分散する。また、第1の金属元素の化合物からなる粉末の平均粒径を0.1〜5μmに制御すると、焼成工程中の高温で、第2金属珪化物よりも極めて小さな第1の金属元素または第1、第2の金属元素を含む液相または金属珪化物が粒界層に生成する。さらに、焼成工程での冷却過程で、第1金属珪化物が大きな第2金属珪化物の結晶に隣接しながら結晶化するので、第2金属珪化物が、第1金属珪化物を取り囲むように形成されている隣接金属珪化物の含有量が増加する。
第1、第2の金属元素の化合物を構成する粒子の平均粒径は、それぞれ、例えばSEM写真により個々の粒子の粒径を測定し、これらの粒径を平均して求めることができる。
また、前記浸漬工程または暴露工程によって得られる耐溶融金属用部材は、その表面の金属珪化物(第1〜第3のうち少なくとも1つの金属珪化物)の濃度が低いので、機械的特性と耐熱衝撃性を向上させたまま、固着物の固着、金属溶湯への脱離物の混入を抑制できる金属溶湯用部材となる。
また、上述したように本発明の耐溶融金属用部材は、金属溶湯に曝される金属溶湯用部材として用いた場合、金属溶湯用部材に固着物が固着しにくい。しかしながら、この金属溶湯用部材は従来の金属溶湯用部材に比べて固着物が固着しにくいものの、例えばAl溶湯用ストーク等の金属溶湯用部材として使用すると、若干ではあるが固着物が固着する。このように固着した固着物は、前記浸漬工程による浸漬または前記暴露工程による暴露を行うことによって除去することができる
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更は何等差し支えない。
先ず、表1に示す如く種々の粒界層を有する窒化珪素質焼結体にて溶湯用部材であるストークを作製し、熱衝撃試験を行った。
表1に示す金属化合物粉末(粉末1、粉末2)と、原料粉末である高純度窒化珪素(Si)粉末(平均粒径1μm、α化率90%)、高純度Si粉末(平均粒径3μm)、平均粒径1μmのY粉末、平均粒径0.7μmのAl粉末とを混合して混合粉末を作製した。この際、金属化合物粉末である粉末1と粉末2とを水を用いて湿式粉砕し、湿式粉砕後の粉体の平均粒径を0.8〜1μmにした後、乾燥して予備混合粉末を作製後、予備混合粉末と原料粉末を作製する予備混合工程を経た試料も作製した。得られた混合粉末と、エタノールと、窒化珪素質粉砕用メディアとをバレルミルに投入して混合した。その後、得られたスラリーに、有機結合材としてポリビニルアルコール(PVA)を添加混合し、さらにスプレードライヤーで造粒後した。得られた造粒粉体を外径180mm、内径157mm、長さ1205mm程度の円筒状の成形体を複数得た後、成形体を窒素雰囲気中600℃で3時間保持することにより脱脂した。なお、表1で、金属化合物粉末の含有量は金属元素換算、Si粉末の質量比はSi換算である。また、脱脂体の比表面積をBET法により測定した所、10〜15m/gであった。
得られた脱脂体を、表面が窒化珪素質の焼結結晶粒子で覆われたカーボン製のこう鉢中に載置し、実質的に窒素からなる150kPaの窒素分圧中、1050℃で20時間、1250℃で10時間順次保持して窒化し、さらに昇温して120kPaの窒素分圧中1500℃で3時間、1770℃で10時間、200kPaの窒素分圧中1800℃で3時間、順次保持後、200℃/時間で降温して焼成し、β型窒化珪素質焼結体からなる焼結体を得た。作製した焼結体を表1に示す浸漬工程または暴露工程を用いて表面処理し、本発明の耐溶融金属用部材である円筒状ストーク(外径150mm、内径130mm、長さ1000m)を得た。浸漬工程は表1に示すpHの塩酸水溶液に所定時間浸漬し、水洗、乾燥する方法とした。暴露工程は、試料をチャンバーに入れ、このチャンバー中にCFガスを流しながら試料を所定時間暴露後、水洗、乾燥する方法とした。
以上のようにして作製した本発明の試料であるストークを用いて次の評価を行った。
まず、試料中の粒界層の結晶相を調べ、粒界層に金属珪化物が含まれている場合、この結晶構造を同定した。すなわち、試料をTechnoorg− Linda製イオンシニング装置を用いて加工し、JEOL社の透過型電子顕微鏡JEM2010Fを用いて粒界層の電子線回折による格子像を観察し、この格子像を解析した。なお、1つの試料に複数の金属珪化物を含有する場合は、最も多く含まれている金属珪化物の結晶構造を同定した。
また、試料の表面と、試料の内部を鏡面研磨した面の金属珪化物の濃度をX線マイクロアナライザー(日本電子株式会社製JXA−8600M)を用いて、次のように測定した。
試料表面と、試料内部を鏡面研磨した面に各々、X線を照射し、これによって発生するFe、Cu等の金属元素(E)の蛍光X線(特性X線)の強度を次のように測定した。各金属元素(E)の蛍光X線(特性X線)を高分解能比例計数管に入射、プリアンプ等の増幅回路で増幅後、さらにマルチチャンネルアナライザーによってエネルギー毎に分解した。ここで、測定する元素(Fe、Cu等)を指定し、これらの元素固有のエネルギー窓が設定され計数された蛍光X線のカウント数(強度)を出力した。測定条件を同一にするために試料の面積、照射するX線の強度、蛍光X線をカウントする時間等を同じとした。このように測定した試料表面の各金属元素の蛍光X線のカウント数を例えばFe、CuについてCFe1、CCu1、焼結体内部のFe、Cuの各元素の蛍光X線のカウント数をCFe2、CCu2、とした。焼結体表面と内部の前記金属珪化物の濃度の比は、例えばFe珪化物についてはCFe1/CFe2、Cu珪化物についてはCCu1/CCu2により計算した。これら以外の金属珪化物についても同様に表面と内部の比を求めた。金属珪化物が複数の金属元素を含む場合は、少なくとも1つの金属珪化物の濃度が表面で内部より低いときに、金属珪化物の焼結体表面における濃度が焼結体内部よりも低い場合とした。また、前記金属珪化物の濃度が内部に比べて1/n(nは1よりも大きい任意の数値)であるとは、例えば前記CFe1/CFe2、CCu1/CCu2のいずれか小さい方が1/n以下である場合とした。
また、窒化珪素の粒子径は、鏡面研磨した焼結体断面の任意の200μm×200μmの領域内の粒子の長径を測定し平均して求めた。
また、試料のストークを恒温槽に入れて25℃に保持した後、700℃、800℃のそれぞれのAl溶湯に投入して熱衝撃を与え、ストークの割れまたはクラックの有無を確認した。
また、得られたストークを、それぞれAl溶湯に浸漬(溶湯液面とストークの長さ方向は垂直)しながら、ストークの内周を通して、ストークの上部に設けた鋳造用金型にAl溶湯を鋳込みする方法で1000回鋳込み後、ストークの内周を観察した。なお、鋳込みを開始する前、各試料のストークを200〜300℃まで徐々に加熱した後、鋳込み試験を行った。
また、試料からJIS R1601に準ずる試験片を切り出し、4点曲げ試験にて曲げ強度(7本平均)を測定した。また、SEPB(single edge pre-cracked beam)法により破壊靱性値を測定した。また次のように各試料の隣接金属珪化物の有無を測定した。試料断面を鏡面研磨し、この鏡面の500μm×500μm程度の部分(「面積A」)にX線マイクロアナライザーを用いて電子ビームを照射し、試料から発生する特性X線の種類と強度を測定することによって、Si、第1、第2の金属元素(Fe、W)の各元素の強度をマッピングし、(1)Siを含有し、かつ、第2の金属元素Wがリッチな第1の部分(W珪化物)、(2)Siを含有し、かつ、Feがリッチな第2の部分(Fe珪化物)との存在を確認し、これらが隣り合ってしてなる隣接金属珪化物の面積Bを測定し、面積Aに対する面積Bの割合を計算し、この割合を隣接金属珪化物の含有量(体積%)とした。
結果を表1、2に示す。
料No.1〜16は、粒界層における金属珪化物の表面と内部との濃度比が0.7以下、平均粒径が23μm以下であり、曲げ強度が750MPa以上、破壊靱性値が5.5MPa・m1/2と高く、700℃のAl溶湯に投入しても割れやクラックが発生しなかった。特に、Fe珪化物、Cu珪化物のいずれかを含有する試料は800℃のAl溶湯に投入しても割れやクラックが発生しなかった。また、固着物が10〜25mmの厚みで形成されていたものの、まだストークとして十分使用可能であった。固着物の厚みは金属珪化物の濃度比が低い程小さくなった。また、隣接金属珪化物を含有する試料は曲げ強度が840MPa以上、破壊靱性値が6.5MPa・m1/2以上と特に高くなった。また、表には示さないが、本発明の全ての試料の粒界層には、RE、Al、Oを含む非晶質相が存在した。
一方、金属珪化物の表面の濃度が内部より低いものの融点が1000℃未満の金属元素と珪素とからなる金属化合物を用いた場合、金属珪化物を有していない場合(試料No.17〜19、20〜22)は、曲げ強度が650MPa以下、破壊靱性が4.8MPa・m1/2以下と低かった。また、厚み40〜65mmの固着物が固着したため、ストークの内側が固着物によってほぼ閉塞され、その結果これ以上ストークとして繰り返して使用することは不可能であることがわかった。また、Al溶湯に投入して行った熱衝撃試験では、全ての試料が割れたり、クラックが発生したりした。
Figure 0004969030
Figure 0004969030
平均粒径0.4μmの酸化鉄(Fe)粉末と平均粒径0.6μmのWO粉末をFeとWの質量換算比で3:1となるよう混合し、実施例1と同様に予備混合粉末を作製した。この予備混合粉末に、実施例1と同じ窒化珪素粉末、Si粉末を混合し、酸化鉄粉末、WO粉末、窒化珪素粉末、Si粉末(Si換算)を、それぞれ1.5質量%、0.5質量%、10質量%、70質量%(小計82質量%)秤量してベース組成とした。
次に、平均粒径0.5μmの第3族元素(RE)の酸化物からなる粉末、平均粒径3μmのAl粉末、平均粒径2μmのSiO粉末を小計18質量%となるように量を変更して添加し、全粉末(合計100質量%)をエタノール中で混合後、実施例1と同様にして造粒、成形、脱脂し、脱脂体を作製した。得られ脱脂体を窒化珪素質のこう鉢中に載置し、実質的に窒素からなる150kPaの窒素分圧中、1050℃で20時間、1120℃で10時間、1170℃で時間、1300℃で3時間の各ステップ(各ステップ間は昇温速度25℃/時間で昇温)で順次保持して、Siをα化率90%以上のSiに窒化後、さらに昇温して120kPaの窒素分圧中1500℃で3時間、1770℃で10時間、200kPaの窒素分圧中1800℃で3時間、順次保持後、降温速度200℃/時間で降温して焼成し、焼結体を得た。得られた焼結体をpH1.5の塩酸水溶液中に60分浸漬、水洗、乾燥し、本発明の試料であるストークを作製した。
実施例1と同様に、得られた試料から試験片を切り出し、曲げ強度、破壊靱性を測定した。また、1000℃での曲げ強度を測定した。
RE、Alの含有量は、RE含有量、Al含有量をICP発光分光分析にて定量分析し、さらにRE、Alに換算した(こうして換算したREとAlの含有量の合計をGとする)。SiO含有量は、LECO社製酸素分析装置で全酸素含有量を測定し、全酸素含有量からREとAlの含有量の合計Gに含まれる酸素量を除外した残部の酸素量を、SiOに換算して求めた。
また実施例1と同様にして隣接金属珪化物の有無を調べた。
結果を表3に示す。全ての試料は隣接金属珪化物を含んでいた。また、室温での強度が780MPa以上、1000℃での曲げ強度が690MPa以上、破壊靱性値が6MPa・m1/2以上と優れていた。特に、REとして、Y、Er、Yb、Luを用いた試料は室温での曲げ強度が830MPa以上、1000℃での曲げ強度が800MPa以上、破壊靱性値が6.5MPa・m1/2以上と特に優れていた。
Figure 0004969030
Fe粉末(平均粒径1μm)、WO粉末(平均粒径1μm)を水で湿式で予備粉砕、乾燥して、平均粒径0.6μmの予備混合粉末を作製した。ここで、Fe粉末、WO粉末の比率は、FeとWに換算した質量比で10:70とした。また、窒化珪素粉末(平均粒径1μm、α化率90%、Fe不純物含有量200ppm)と、Si粉末(平均粒径3μm、Fe不純物含有量300ppm)を準備した。得られた予備混合粉末を用いて、Fe粉末、WO粉末、窒化珪素粉末、Si粉末をそれぞれ質量比で10:70:1:1(酸化鉄粉末の質量比はFe換算、WO粉末の質量比はW換算、Si粉末の質量比はSi換算での質量比)に秤量した粉末100質量部に対して、平均粒径0.5μmのY粉末を15重量部、平均粒径0.7μmのAl粉末を7重量部、平均粒径2μmのSiO粉末を1重量部添加し、混合、造粒した。得られた造粒体を用いて、成形圧力80MPaにて長さ200mm、外径150mm、内径130mmの円筒形状の成形体を作製した。得られた成形体を、実施例1と同様に脱脂、実施例1と同様にして窒化、焼成した。なお、成形体は、成形体の円筒形状の同心軸が横たわる状態で炉内に載置して焼成した。
得られた焼結体を実施例1と同様にしてpH2の塩酸水溶液に60分浸漬、水洗、乾燥後、ストークを作製した。このストークはAl溶湯用に使用することが可能であった。これらの試料は、自重により径方向が潰れた形状をしており、変形率(%)を100×{(最大外径部)−(最小外径部)}/(最大外径部)により求めた。また、得られた試料断面を鏡面研磨し、この鏡面の任意の200μm×200μm(面積40000μm)の領域内から窒化珪素の結晶を除外して粒界層部分の面積を測定し、この粒界層部分の面積を40000μmで割ることにより粒界層の面積比率を求め、この面積比率を100倍して粒界層の含有量(体積%)とした。
表4に示すように、粒界層の含有量が20体積%を超える試料は変形率が極端に大きくなる傾向があったが、粒界層の含有量が20体積%以下の試料は変形率が小さくなることが確認された。
Figure 0004969030
本発明の耐溶融金属用部材のSEM写真の模式図である。
符号の説明
10:耐溶融金属用部材の断面
12:窒化珪素の結晶
14:隣接金属珪化物
6:第1金属珪化物
8:第2金属珪化物
20:粒界層

Claims (9)

  1. 窒化珪素の結晶と、融点が1000℃以上の金属元素と珪素とからなる金属珪化物を含む粒界層とを有する窒化珪素質焼結体からなる耐溶融金属用部材であって、前記金属珪化物として、Fe、Cuのいずれかと珪素とからなる第1金属珪化物およびW、Moのいずれかと珪素とからなる第2金属珪化物を含有し、前記第1金属珪化物と前記第2金属珪化物とが隣り合って接してなる隣接金属珪化物を含有しているとともに、前記窒化珪素質焼結体の表面における前記金属珪化物の濃度が内部より低いことを特徴とする耐溶融金属用部材。
  2. e、Cuの金属元素での含有量の合計0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項に記載の耐溶融金属用部材。
  3. 前記金属珪化物をFe、Cuの合計換算で0.01〜10質量%含有することを特徴とする請求項2に記載の耐溶融金属用部材。
  4. 前記粒界層に周期律表第3族元素(RE)、AlおよびOからなる非晶質相を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の耐溶融金属用部材。
  5. 前記REがY、Er、Yb、Luのうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の耐溶融金属用部材。
  6. 前記粒界層に含まれるSiとREの比率が、SiO/REのモル比換算で0.2〜10であることを特徴とする請求項4または5に記載の耐溶融金属用部材。
  7. 前記粒界層に含まれるAlとREの比率が、Al/REのモル比換算で0.2〜5であることを特徴とする請求項4または5に記載の耐溶融金属用部材。
  8. 前記窒化珪素の結晶が針状結晶からなり、該針状結晶の長径の平均粒径が30μm以下、前記針状結晶の短径の平均粒径が2μm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の耐溶融金属用部材。
  9. 請求項1に記載の耐溶融金属用部材の製造方法であって、Si粉末と窒化珪素粉末の混合粉末に、Fe、Cuの少なくともいずれかを含む第1の金属化合物粉末と、W、Moの少なくともいずれかを含む第2の金属化合物粉末とを湿式混合して乾燥させた予備混合粉
    末を、混合して原料粉末を作製する原料作製工程と、前記原料粉末に有機結合剤を加えて造粒した造粒粉体を用いて成形して成形体を得る成形体作製工程と、前記成形体を窒素ガス、アルゴンガス、またはこれらの混合ガスからなる雰囲気中で脱脂して脱脂体を得る脱脂工程と、前記脱脂体を窒素ガス雰囲気中で窒化させて窒化体を得る窒化工程と、前記窒化体を窒素ガスを含有する非酸化性雰囲気中で焼成して焼結体を得る焼成工程と、前記焼結体をpH3以下の水溶液に浸漬する浸漬工程、またはハロゲン化物からなる気体に暴露する暴露工程とを有することを特徴とする耐溶融金属用部材の製造方法。
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