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JP4964063B2 - 冷間鍛造性および結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼およびそれから得られる機械部品 - Google Patents

冷間鍛造性および結晶粒粗大化防止特性に優れた肌焼鋼およびそれから得られる機械部品 Download PDF

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Description

本発明は、自動車などの輸送機器や、建設機械、その他の産業機械などにおいて、浸炭処理して使用される機械部品の素材となる肌焼鋼、およびそれから得られる機械部品に関するものである。殊に本発明の肌焼鋼は、歯車などの素材として用いた場合に、冷間鍛造の際の変形抵抗が小さく、且つ冷間鍛造後に浸炭処理を行なった場合でも結晶粒が粗大化しないという特性(以下、「結晶粒粗大化防止特性」と省略することがある。)に優れている。
自動車、建設機械、その他の各種産業機械用として用いられる機械部品において、特に耐摩耗性、高疲労強度が要求される部品には、従来から浸炭、窒化および浸炭窒化などの表面硬化熱処理(肌焼き処理)が行なわれている。これらの用途には、通常、JIS規格で定められた肌焼鋼、例えばSCM420Hが使用され、鍛造・切削などの機械加工により所望の部品形状に成形した後、浸炭、浸炭窒化などの表面硬化熱処理を施し、その後、研磨などの仕上工程を経て製造される。
自動車、建設機械、産業機械等に使用される部品、殊に歯車の製造では、切削コストが、製造コストの大部分を占めている。そこで製造コストを削減するために、切削から鍛造への変更が進められている。しかし熱間鍛造だけでは、歯車などの精密部品を精度良く製造することが難しい。そのため切削工程を省略して冷間鍛造のみで、歯車などの精密部品を製造できるようにすることが望まれている。
しかし熱間鍛造に比べて冷間鍛造では、変形抵抗が高いという問題がある。そこで近年、冷間鍛造性に優れた肌焼鋼、殊に金型寿命を改善するために冷間鍛造時の変形抵抗が低い肌焼鋼が求められている。この点、B(ボロン)を添加して、他の合金元素を低減した低合金ボロン鋼が、冷間鍛造性に優れていることは知られている。しかし低合金ボロン鋼は、浸炭処理時にオーステナイト結晶粒が粗大化しやすいという問題があった。そこで冷間鍛造性だけでなく、結晶粒粗大化防止特性にも優れた肌焼鋼が求められている。
そのため肌焼鋼の技術分野では、冷間鍛造性と結晶粒粗大化防止特性との両立を図るため、様々な研究がなされている。例えば特許文献1は、(1)合金元素量を適正範囲に調整すること、(2)Tiの微細析出物を一定量以上で確保すること、(3)硬さを制限すること、(4)脱炭深さを一定以下に抑えることにより、肌焼鋼の冷間加工性と結晶粒粗大化防止特性とを向上させることを開示している(特許請求の範囲参照)。特許文献1は、冷間加工性を向上させるために、Cr量を1.25%以下、好適には1.0%以下に抑えることを提案している(段落[0025]参照)。
特開2004−183064号公報(特許請求の範囲、段落[0025])
本発明の目的は、冷間鍛造性および結晶粒粗大化防止特性の両方に優れた肌焼鋼を提供することにあり、詳しくは、従来鋼であるJIS規格のSCM420Hに比べて、冷間鍛造時の変形抵抗が低減されているが、結晶粒粗大化防止特性は良好に維持されている肌焼鋼を提供することにある。
上記目的を達成することができた本発明の肌焼鋼とは、C:0.1〜0.3%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.1%以下(0%を含まない)、Mn:0.6%以下(0%を含まない)、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.02%以下(0%を含まない)、Cr:1.25〜2%、Al:0.1%以下(0%を含まない)、Ti:0.07%以下(0%を含まない)、B:0.0005〜0.005%、およびN:0.008%以下(0%を含まない)を含有し、且つ下記式(1):
0.01≦[Ti]−3.42[N]≦0.05 ・・・ (1)
〔式中、[Ti]および[N]は、それぞれ鋼中のTiおよびN含有量(質量%)を表す。〕
を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、直径が0.01〜0.2μmであるTiC析出物の個数が5〜30個/μm2であることを特徴とするものである。
本発明の肌焼鋼は、さらに(1)Ca:0.005%以下(0%を含まない)、および/または(2)Nb:0.015%以下(0%を含まない)を含有していても良い。また冷間鍛造時の割れを防止するために、鋼中に存在するTiN析出物の最大直径が30μm以下であることが好ましい。
本発明は、さらに上記肌焼鋼から得られた機械部品、例えば歯車、無段変速機(CVT)用プーリー、シャフトも提供する。
本発明によれば、鋼の化学成分量(合金元素量)およびTiC析出物の個数を適正範囲に調整することにより、優れた冷間鍛造性を有しながら、結晶粒粗大化防止特性が良好に維持された肌焼鋼を得ることができた。本発明の肌焼鋼は、各種機械部品、殊に歯車の素材として有用である。
本発明者らは、従来鋼であるJIS規格のSCM420Hよりも冷間鍛造時の変形抵抗が低い肌焼鋼を製造するため、SCM420H中に含まれる合金元素(C、Si、Mn、CrおよびMo)、または含まれ得る合金元素(Ni)が変形抵抗に及ぼす影響に着目した。これらの元素の含有量、特にMn、Ni、CrおよびMo量を低減させれば、肌焼鋼の変形抵抗を低減させることができる。しかしこれらの合金元素量を単に低減させるだけでは焼入性が不充分になり、浸炭焼入れを行っても、部品として求められる強度を得ることができない。そこで本発明者らは、これらの合金元素の中でもCrに着目した。なぜなら以下に示すように、Crは変形抵抗の増加に寄与する割合が低いからである。
具体的には、以下の表1に示す化学成分組成の鋼材試料No.1〜10の変形抵抗を測定し(表1参照)、該変形抵抗(kgf/mm2)を従属変数とし、C、Si、MnおよびCr含有量(質量%)を独立変数として、重回帰分析することにより、下記式(2)で示す重回帰式を求めた。なお各試料の変形抵抗は、下記表1の化学成分組成の棒鋼圧延材(直径25mm)を球状化焼鈍した後、旋盤切削して、直径15mm×高さ22.5mmである円柱状の試験片を作製し、300トンのプレス機を用いて、端面拘束圧縮で室温下、70%の加工率(=(h1−h2)/h1×100、h1:圧縮前の試験片高さ、h2:圧縮後の試験片高さ)での変形抵抗を測定した。
Figure 0004964063
変形抵抗=45.9[C]+21.5[Si]+10.5[Mn]+8.6[Cr]+39.1 ・・・ (2)
〔式中、[ ]は、鋼材試料中の各元素の含有量(質量%)を表す。自由度調製済み寄与率R*2は0.994である。〕
上記式(2)、殊に回帰係数から示されるように、C(回帰係数:45.9)、Si(回帰係数:21.5)およびMn(回帰係数:10.5)に比べて、Cr(回帰係数:8.6)は、変形抵抗の増加に寄与する割合が低い。このような知見に基づき本発明は、従来、例えば前述した特許文献1に記載されているように冷間鍛造性に悪影響を及ぼすと考えられていたCr量を、あえて増やしたことを主要な特徴の1つとする。
さらに本発明は、Cr量を増加させたことに伴い、(I)従来鋼のSCM420Hに比べてSiおよびMn量を低減させたこと、および(II)SCM420Hに含まれるMoおよび含まれ得るNiを、肌焼鋼中に添加しないことを特徴とする。そしてMn、NiおよびMoを低減ないし省略したために焼入性は低下するが、その低下を、鋼中にBを含有させることで補っていることも本発明の特徴の1つである。
しかし合金元素を低減させたボロン鋼は、結晶粒粗大化防止特性が不充分であるという欠点を有する。そのため本発明者らは、微細なTiC析出物によるピンニング効果を利用することで、この欠点を補うことを試みた。しかし鋼中に微細なTiCを充分に生成させるために、Tiを過剰に添加すると、変形抵抗が大幅に向上し、本発明の目的である冷間鍛造性に優れた肌焼鋼を達成することができない。そこで本発明は、肌焼鋼中にTiを含有させるが、その含有量もある程度抑えていることを主要な特徴の1つとする。
上記のように本発明では肌焼鋼中のMn量を低減しているため、Mnで充分にトラップされないSがTiと結びつき、TiSまたはTi422(以下、「Ti系炭硫化物」と省略することがある。)が生成されやすくなっている。これらのTi系炭硫化物は、充分なピンニング効果を発揮しない。さらに本発明では、冷間鍛造性を向上させるために、Ti量をある程度制限しているため、TiがSにより消費されると、ピンニング効果を発揮する微細なTiCが充分に生成せず、良好な結晶粒粗大化防止特性を達成することができなくなる。そこで本発明は、製造条件、殊に分塊圧延条件およびその後の圧延条件(例えば棒鋼を製造する場合は、分塊圧延後の棒鋼圧延条件)を調整することにより、Ti系炭硫化物の生成を抑制して、適正量の微細TiCを確保していることを主要な特徴の1つとする。
以上をまとめると、本発明の肌焼鋼は、(i)焼入性をある程度確保しながら冷間鍛造性を向上させるために、Si、Mn、NiおよびMoを低減ないし省略させ、且つCrを増量し、Bを含有させたこと、(ii)冷間鍛造性および結晶粒粗大化防止特性を両立するために、Tiをある程度抑えた量で含有させたこと、および(iii)分塊圧延条件およびその後の圧延条件を調整して、鋼中に適正量の微細TiCを形成させ、ピンニング効果により、良好な結晶粒粗大化防止特性を実現したことを特徴とする。以下、(ア)Crなどの鋼の化学成分(合金元素)の含有量、(イ)TiCなどのTi系析出物、並びに(ウ)製造条件を、順に説明する。
(ア)化学成分(合金元素)の含有量について
〈C:0.1〜0.3%〉
Cは、鋼の変形抵抗を低下させるために、低減することが好ましい。そこで本発明において、C量の上限を0.3%と定めた。C量は、好ましくは0.28%以下、より好ましくは0.23%以下である。しかしC量を、あまりに低減しすぎると、浸炭部品に要求される強度を確保することができなくなる。そこでC量の下限を0.1%と定めた。C量は、好ましくは0.12%以上、より好ましくは0.15%以上である。
〈Si:0.1%以下(0%を含まない)〉
Siは、鉄中に固溶し、材料の変形抵抗を増大させるために、低減することが好ましい。そこでSi量の上限を0.1%と定めた。Si量は、好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.07%以下である。しかしSiは、脱酸剤としての作用を有し、また焼戻し処理時の硬さ低下を抑えて浸炭部品の表層硬さを確保する作用も持つ。このような作用を充分に発揮させるためにSiは、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上、さらに好ましくは0.03%以上の量で鋼中に含まれていることが推奨される。
〈Mn:0.6%以下(0%を含まない)〉
Mnは、鉄やセメンタイト中に固溶し、鋼の変形抵抗を増大させる。またMn量の増大に伴い、縞状の偏析が顕著となり、材質のバラツキが大きくなる結果、冷間鍛造時に割れが発生しやすくなる。そこでMn量は低減することが好ましい。よってMn量の上限を、0.6%と定めた。Mn量は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.4%以下である。しかしMnは、脱酸剤として作用し、酸化物系介在物量を低減して鋼材の内部品質を高める作用も持つ。このような作用を充分に発揮させるためにMnは、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.10%以上、さらに好ましくは0.15%以上の量で鋼中に含まれていることが推奨される。
〈P:0.03%以下(0%を含まない)〉
Pは、鋼中に不可避的に含まれる元素であり、結晶粒界に偏析して部品の衝撃特性を低下させるため、できるだけ低減することが好ましい。そのためP量の上限を0.03%と定めた。P量は、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下である。
〈S:0.02%以下(0%を含まない)〉
Sは、鋼中に不可避的に含まれる元素であり、Tiと結合して、Ti硫化物(TiS)やTi炭硫化物(Ti422)を形成し得る。このようにTiがSにより消費されると、結晶粒粗大化防止に有効な微細TiC量が減少するため、結晶粒粗大化防止特性が低下する。そこでS量は、できるだけ低減することが好ましく、その上限を0.02%と定めた。S量は、好ましくは0.015%以下であり、さらに好ましくは0.012%以下である。
〈Cr:1.25〜2%〉
Crは、焼入性を向上させる作用を有するが、他の合金元素(Si、Mn、Ni、MoおよびMn等)と比べ、変形抵抗を増大させない元素である。そこで鋼の変形抵抗を極力低く抑え、且つ肌焼鋼の焼入性を、JIS規格鋼、例えばSCM420Hと同程度に保持するために、本発明は、他の合金元素を低減または省略し、且つCrを増量したこと、即ちその下限を1.25%と定めたことを特徴の1つとする。Cr量は、好ましくは1.30%以上、より好ましくは1.40%以上である。しかしCr量があまりにも過剰になると、変形抵抗に悪影響を及ぼし、また焼入性も過剰となる。そこでCr量の上限を2%と定めた。Cr量は、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.6%以下である。
〈Al:0.1%以下(0%を含まない)〉
Alは、脱酸剤として作用し、酸化物系介在物量を低減して鋼の内部品質を高める元素である。そこでAlは、好ましくは0.004%以上、より好ましくは0.006%以上、さらに好ましくは0.010%以上の量で鋼中に含まれていることが推奨される。特に、Tiを0.05%以上含有させて冷間鍛造性を一段と改善する場合は、溶鋼中の酸素や窒素の活量を下げてTi系介在物(例えば、TiNやTiO2など)の生成を抑制するために、Alを多めに含有させることが好ましい。この場合は、Al量は、例えば、0.04%以上、より好ましくは0.045%以上とすればよい。しかしAl量が過剰になると、粗大で硬い非金属介在物(Al23)が生成し、鋼の疲労特性が低下する。そこでAl量の上限を0.1%と定めた。Al量は、好ましくは0.07%以下、より好ましくは0.05%以下である。
〈Ti:0.07%以下(0%を含まない)〉
Tiは、ピンニング効果により浸炭処理時の結晶粒粗大化を抑制する微細なTiCを形成させるために、鋼中に含有させる必要がある。しかしTi量が過剰になると、鋼の変形抵抗が増大してしまう。そこでTi量の上限を、0.07%と定めた。Ti量は、好ましくは0.06%以下、より好ましくは0.05%以下、更に好ましくは0.045%以下、特に好ましくは0.040%以下である。
〈0.01≦[Ti]−3.42[N]≦0.05 ・・・ (1)〉
上記のようにTiは、ピンニング効果を発揮する微細なTiCを形成させるために必要な元素であり、ある程度その量を確保する必要がある。しかしTiがNと化合して形成されるTiN析出物は、結晶粒粗大化防止にほとんど寄与しない。そこで本発明では、Ti量とN量との関係を規定した。具体的にはN(原子量:14.0)は、1質量%あたり、3.42質量%のTi(原子量:47.9)と結合して、TiNを形成し得る。そこで全てのNがTiと結合してTiNが形成されたとしても、適正量の微細TiCを形成させるために必要なTi量を確保するために、上記式(1)の関係を定めた。良好な結晶粒粗大化防止特性を実現するために[Ti]−3.42[N]は、0.01以上、好ましくは0.015以上、より好ましくは0.02以上である。しかし[Ti]−3.42[N]の値が大きくなりすぎると、Ti量および微細なTiC量が過剰になり、変形抵抗が増大する。そこで[Ti]−3.42[N]は、0.05以下、好ましくは0.04以下、より好ましくは0.035以下、特に好ましくは0.030以下である。
〈N:0.008%以下(0%を含まない)〉
Nは、鋼中に不可避的に含まれる元素であり、Tiと結びついてTiNを形成し、その結果、結晶粒粗大化防止に有効な微細TiC量を低減させるという悪影響を有する。さらにN量が過剰であると、粗大なTiN析出物が生成して、冷間鍛造時に割れが発生しやすくなり、またTiと結びつかないNは、鉄中に固溶して変形抵抗を著しく増大させることがある。よってN量は、できるだけ少ないことが好ましく、その上限を0.008%と定めた。N量は、好ましくは0.006%以下、より好ましくは0.004%以下である。
〈B:0.0005〜0.005%〉
Bは、鋼の変形抵抗を増大させず、微量で鋼の焼入性を大幅に向上させる作用を有する元素である。焼入性向上作用を充分に発揮させるために、B量の下限を0.0005%と定めた。B量は、好ましくは0.0008%以上、より好ましくは0.0010%以上である。しかしB量が過剰になっても、焼入性向上作用は飽和し、またB窒化物が形成され、冷間鍛造時に割れが発生しやすくなる。そこでB量の上限を0.005%と定めた。B量は、好ましくは0.0025%以下、より好ましくは0.0020%以下である。
本発明の肌焼鋼の基本成分組成は上記の通りであり、残部は実質的にFeである。但し原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避不純物が鋼中に含まれることは、当然に許容される。
〈Ca:0.005%以下〉
本発明の肌焼鋼の基本成分組成は、上記の通りであるが、必要に応じて、鋼中にCaを含有させても良い。Caは、鋼中で酸化物または硫化物として存在し、鋼の切削性を向上させる作用を有するからである。この作用を充分に発揮させるために、必要に応じて、Caを、好ましくは0.0005%以上、より好ましくは0.0007%以上、さらに好ましくは0.0010%以上の量で含有させることが望ましい。しかしCa量が過剰になると、粗大な酸化物が生成して、冷間鍛造時に割れが発生しやすくなる。そこでCaを含有させる場合、その上限を0.005%と定めた。含有させる場合のCa量は、好ましくは0.004%以下、より好ましくは0.003%以下である。
〈Nb:0.015%以下〉
Nbは、Tiと並存した場合、変形抵抗を増大させる作用が大きい。Nbは、Tiと並存しない場合は、変形抵抗に、それほど大きな影響を及ぼさない。しかしNbとTiとが並存すると、微細析出して、変形抵抗を大きく増大させることがある。そのためTiを用いる本発明では、鋼中にNbを含有させないことが好ましい。しかしNbは、原料から不純物として鋼中に混入することがある。よってNbが不純物として含まれる場合も、その量を制限する必要があり、本発明ではNb量の上限を0.015%と定めた。Nb量は、好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.008%以下に抑えることが推奨される。
(イ)Ti系析出物について
〈直径が0.01〜0.2μmであるTiC析出物の個数が5〜30個/μm2
次にTiCなどのTi系析出物について説明する。本発明の肌焼鋼は、結晶粒粗大化を防止するために、適正量の微細TiCが析出していることを特徴の1つとする。TiCが、微細で多数析出するほど、結晶粒粗大化を防止するピンニング効果が良好に発揮される。しかしTiC析出物があまりにも微細であると、ピンニング効果も発揮されず、またその個数を明確に特定することができない。そこで本発明は、直径が0.01〜0.2μmであるTiC析出物(以下、「微細TiC」と省略することがある。)に着目し、その個数を適正に調整したことを特徴とする。具体的には結晶粒粗大化を防止するために、微細TiCの個数下限を5個/μm2と定めた。微細TiCは、好ましくは10個/μm2以上、より好ましくは15個/μm2以上である。しかし微細TiCの個数が過剰になると、変形抵抗が増大しすぎる。そこで微細TiCの個数上限を30個/μm2と定めた。微細TiCは、好ましくは25個/μm2以下、より好ましくは20個/μm2以下である。
上記のように結晶粒粗大化を防止するTiCのピンニング効果は、TiCが粗大になると充分に発揮することができない。さらに粗大なTiC析出物が形成されると、その分だけ微細TiC量が低減し、結晶粒粗大化防止特性がさらに損なわれる。そこで本発明において、鋼中の微細TiCを一定量以上確保するために、直径が0.2μmを超えるTiC析出物(以下、「粗大TiC」と省略することがある。)を、0.2個/μm2以下に抑えていることが好ましい。
本発明において、鋼中の微細TiCおよび粗大TiCの個数は、透過型電子顕微鏡(TEM)により測定した値を採用する。具体的には、まず肌焼鋼が円柱状の場合は高さ方向の中央部のD/4位置(D:直径)、肌焼鋼が角形状または板状の場合は長手方向および幅方向の中央部のD/4位置(D:厚み)から、抽出レプリカ法にて観察用サンプルを作製する。このサンプルを用いて、5万倍以上の観察倍率および2.5μm以上×3.5μm以上の観察視野で、少なくとも4視野を観察し、直径が0.01〜0.2μmであるTiC析出物、および直径が0.2μmを超えるTiC析出物の各視野での個数を計測する。そして各視野での単位面積(1μm2)あたりの個数を求め、これらの平均値を、微細TiCおよび粗大TiCの個数として採用する。
本発明の肌焼鋼中では、Crを増量し、且つMnを減量したため、MnによるSのトラップ量が低減しており、Ti系炭硫化物(TiSまたはTi422)が形成されやすくなっている。Ti系炭硫化物が生成すると、微細TiC量が低減するため、本発明の肌焼鋼中において、Ti系炭硫化物は存在しないことが好ましい。ここで本発明において「Ti系炭硫化物が存在しない」とは、肌焼鋼が円柱状の場合は高さ方向の中央部のD/4位置(D:直径)、肌焼鋼が角形状または板状の場合は長手方向および幅方向の中央部のD/4位置(D:厚み)から、400倍の観察倍率および20μm×20μmの1視野を観察して、該視野でTi系炭硫化物を見つけることができない状態をいう。
Ti系炭硫化物は、光学顕微鏡で観察すると、その形状はJIS G 0555「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」に規定されているグループB系介在物と同一であり、且つ薄いピンク色を呈しているため、容易に他の介在物と区別することができる。なおTiNも、同じように薄いピンク色で観察されるが、形状はグループD系介在物に分類されるため、Ti系炭硫化物と区別することができる。しかしTiNは、圧延等で加工が加わった際に砕けて、グループB系介在物のように見えることがあり、顕微鏡観察だけではTiNとTi系炭硫化物との区別が紛らわしい場合がある。区別が困難である析出物が存在する場合、それを、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)を備えた走査型電子顕微鏡(SEM)により、TiNまたはTi系炭硫化物のいずれであるか判定することができる。
〈鋼中に存在するTiN析出物の最大直径が30μm以下〉
本発明の肌焼鋼において、鋼中に存在するTiN析出物の最大直径は30μm以下であることが好ましい。TiN析出物の最大直径は、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。最大直径が30μmを超えるTiN析出物が存在すると、冷間鍛造時に割れが発生しやすくなるからである。本発明において「TiN析出物の最大直径」は、以下に記載する方法で観察された値を採用する。まず肌焼鋼が円柱状の場合は高さ方向の中央部のD/4位置(D:直径)、肌焼鋼が角形状または板状の場合は長手方向および幅方向の中央部のD/4位置(D:厚み)から、10mm×10mmの面積を有する観察用サンプルを採取する。この観察用サンプルの全面積から、TiN析出物を、大きい順に20個抽出し、それぞれの長径および短径を測定し、その面積(=長径×短径)を算出する。そしてこの面積に相当する円の直径を各TiN析出物の直径とし、これら20個の直径の平均値を、本発明における「TiN析出物の最大直径」として採用する。
(ウ)製造条件について
次に本発明の肌焼鋼の製造方法について説明する。まず本発明の化学成分組成の要件を満たすように鋼材を溶製し、これを、好ましくは200℃/hr以上の冷却速度で鋳造する。本発明の化学成分組成の要件を満たし、且つ鋳造時の冷却速度が200℃/hr以上であれば、TiN析出物の最大直径を30μm以下に抑えることができる。鋳造時の冷却速度は、より好ましくは230℃/hr以上、さらに好ましくは250℃/hr以上である。なお冷却速度が大きすぎると、割れが生じ鋼材の品質に悪影響を及ぼすことがあるため、鋳造時の冷却速度を、好ましくは500℃/hr以下、より好ましくは400℃/hr以下、さらに好ましくは350℃/hr以下に設定することが推奨される。
本発明の肌焼鋼の製造方法において、分塊圧延の加熱温度およびその後の圧延の加熱温度は、微細TiCの個数に大きく影響するため重要である。まず分塊圧延の加熱温度は1200℃以上にする必要がある。この加熱温度が低すぎると、Ti系炭硫化物や粗大TiCが形成されて、微細TiCの個数を充分に確保できないおそれがあるからである。分塊圧延の加熱温度は、好ましくは1220℃以上、より好ましくは1250℃以上である。一方、分塊圧延の加熱温度は、好ましくは1400℃以下、より好ましくは1350℃以下、さらに好ましくは1320℃以下に抑えることが推奨される。分塊圧延の加熱温度が高すぎると、鋼片表面の酸化が激しくなり、表面品質の低下および歩留まりの低下を招くからである。
分塊圧延後の圧延、例えば棒鋼圧延の加熱温度は830℃以上にする必要がある。この加熱温度が低すぎると、微細TiCが過剰に生成し、肌焼鋼の変形抵抗が増大しすぎるおそれがあるからである。この加熱温度は、好ましくは850℃以上、より好ましくは870℃以上である。一方、分塊圧延後の圧延加熱温度は950℃以下に抑える必要がある。この加熱温度が高すぎると、Ti系炭硫化物や粗大TiCが形成されて、微細TiCの個数を充分に確保できないおそれがあるからである。この加熱温度は、好ましくは930℃以下、より好ましくは900℃以下である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表2に示す化学成分組成の鋼材を、真空誘導溶製炉によって溶製した。なお下記表2に示す組成No.D、H、J、L、MおよびNが、本発明の化学成分の要件を満たすものである。また組成No.A1は、従来鋼のSCM420Hの組成に対応する。こうして得られた溶鋼を、鋳型のサイズを変えて、230℃/hr、80℃/hrおよび40℃/hrの冷却速度で鋳造した。次に実機の分塊圧延を模擬して、断面が155×155mmの鋼塊に鍛造した。このときの分塊圧延の加熱温度を、1150℃、1220℃および1300℃に調整した。鋼塊を直径30mmに棒鋼圧延することにより、肌焼鋼(直径30mmの棒鋼)を製造した。このときの棒鋼圧延加熱温度を、800℃、925℃、1050℃および1150℃に調整した。各肌焼鋼の具体的な鋳造時の冷却速度、分塊圧延加熱温度および棒鋼圧延加熱温度を、下記表3に示す。
上記のようにして得られた肌焼鋼中において、直径が0.01〜0.2μmであるTiC析出物(微細TiC)および直径が0.2μmを超えるTiC析出物(粗大TiC)の個数を、肌焼鋼(棒鋼)の高さ方向の中央部のD/4(30mm/4=7.5mm)位置から、抽出レプリカ法にて観察用サンプルを作製し、このサンプルを用いて、5万倍の観察倍率および2.9μm×3.6μmの観察視野で4視野を観察して測定した。また肌焼鋼の中央部のD/4位置から、400倍の観察倍率および20μm×20μmの1視野を観察して、Ti系炭硫化物の有無を判定した。なお実施例における肌焼鋼中には、Ti系炭硫化物と区別することが困難なTiNは存在しなかった。これらの結果を下記表3に示す。
また肌焼鋼の中央部のD/4位置から、10mm×10mmの面積を有する観察用サンプルを採取し、TiN析出物の最大直径を測定した。さらにTiN析出物の個数も、10mm×10mmの観察用サンプルから、ランダムに1mm×1mmの視野を20視野選択し、これらを光学顕微鏡により観察倍率100倍で観察し、各視野の単位面積(1mm2)あたりの個数を計測し、これらの平均値を各肌焼鋼のTiNの個数として算出した。これらの結果を下記表3に示す。
肌焼鋼の冷間鍛造性を調べるために、まず得られた肌焼鋼(直径30mmの棒鋼)を球状化焼鈍(軟化焼鈍)して軟質化させた後、旋盤切削して、直径15mm×高さ22.5mmである円柱状の試験片を作製した。なお球状化焼鈍は、760℃で5時間保持した後、10℃/hrで徐冷し、温度が680℃に達した後、室温まで空冷することにより行った。
冷間鍛造性の指標として、まず圧縮加工における変形抵抗を測定した。具体的には、上記試験片をプレスで加工率70%まで圧縮し、加工率が10%、20%、30%、40%および50%に達したときの変形抵抗を計測し、これらの平均値を各試験片の変形抵抗として求めた。同様の測定を合計3回行い、各試験片の変形抵抗の平均値を、肌焼鋼の変形抵抗の値として採用した。なおこの加工試験は、端面拘束で行った。結果を下記表3に示す。参考のために、各肌焼鋼のビッカース硬さを測定し、その結果も表3に示す。変形抵抗の基準は、従来鋼であるSCM420Hの組成(組成No.A1)を有する鋼No.9の値(651MPa)とし、これよりも変形抵抗が10%以上低減したもの、即ち586MPa以下の変形抵抗を有するものを、変形抵抗が良好であると判定した。
さらに冷間鍛造性の指標として、肌焼鋼の変形能(割れ限界加工率)を測定した。具体的には、上記試験片を、加工率50%まで圧縮加工したのち、段階的に加工率2.5%ずつ圧縮を加え、割れが発生するまでの加工率を求めた。同様の測定を合計8回行い、各試験片の割れ限界加工率の平均値を、肌焼鋼の割れ限界加工率の値として採用した。なおこの加工試験も、端面拘束で行った。結果を下記表3に示す。割れ限界加工率が70%以上であるものを、変形能が良好であると判定した。
結晶粒粗大化防止特性の指標として、以下のようにして、結晶粒粗大化温度を測定した。まず上記試験片をプレスで加工率70%まで圧縮したものを、浸炭温度T(℃)を、900℃から25℃ずつ上昇させて(T=900℃、925℃、950℃、975℃および1000℃)、各浸炭温度で浸炭処理を行った。浸炭処理後、圧縮試験片のD/4位置のオーステナイト結晶粒を観察し、JIS G 0551「鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法」に規定されている粒度番号が5番未満である粗い結晶粒が観察された浸炭温度を、結晶粒粗大化温度とした。なお具体的な観察位置を詳細に説明すると、直径15mm×高さ22.5mmの試験片を加工率70%まで圧縮すると、直径18.5mm×高さ6.75mmの形状に変形するので、圧縮後試験片において高さ方向の中央部(6.75/2≒3.38mm)のD/4位置(18.5/4≒4.63mm)を観察した。同様の測定を合計3回行い、各試験片の結晶粒粗大化温度の平均値を、肌焼鋼の結晶粒粗大化温度の値として採用した。結果を下記表3に示す。結晶粒粗大化温度の基準は、従来鋼であるSCM420Hの組成(組成No.A1)を有する鋼No.9の値(950℃)とし、この温度以上のものを、結晶粒粗大化防止特性が良好であると判定した。
なお上記の結晶粒粗大化温度の測定において、浸炭温度T=900〜950℃までのものは、ガス浸炭炉(浸炭ガス:RXガス+プロパンガス、表面炭素濃度:0.8質量%狙い)で、所定の浸炭温度T(℃)で180分(浸炭:180分)、次いで860℃で60分保持した後、油冷(油温:60℃)した。また浸炭温度T=975および1000℃のものは、真空浸炭炉(浸炭ガス:アセチレンガス、表面炭素濃度:0.8質量%狙い)で、所定の浸炭温度T(℃)で160分(浸炭:50分、拡散:110分)、次いで860℃で60分保持した後、油冷(油温:60℃)した。
Figure 0004964063
Figure 0004964063
表2および表3の結果から、本発明の化学成分の要件およびTiC析出物の個数の要件を満たす鋼No.1〜4(組成No.D)、鋼No.16(組成No.H)、鋼No.18(組成No.J)、鋼No.20(組成No.L)、鋼No.21(組成No.M)、鋼No.22(組成No.N)は、良好な変形抵抗(586MPa以下)および結晶粒粗大化温度(950℃以上)を有し、本発明の肌焼鋼は、変形抵抗および結晶粒粗大化防止特性の両方に優れていることが分かる。特に鋼No.21(組成No.M)と鋼No.22(組成No.N)は、Tiを0.05%以上含有しているが、Tiと併せてAlを多めに含有しているため、微細TiC量は過剰に生成せず、変形抵抗が小さくなり、冷間鍛造性に優れている。
さらにTiN析出物の最大直径が30μm以下である鋼No.1、4、16、18、20、21および22は、この要件を満たさない鋼No.2および3に比べて、割れ限界加工率が向上しており、TiN析出物の要件を満たす本発明の好ましい肌焼鋼は、さらに冷間鍛造時に割れにくくなっていることが分かる。なお鋼No.2および3は、鋳造時の冷却速度が低いため、TiN析出物の最大直径が大きくなっている。
一方、鋼No.5〜15、17、19および23は、本発明の要件を満たさないものであり、変形抵抗および結晶粒粗大化防止特性のいずれか、またはその両方が不充分であるものである。
詳しくは鋼No.5(組成No.D)は、分塊圧延の加熱温度が低いため、微細TiCの個数が不充分であり、結晶粒粗大化防止特性が劣っている。
鋼No.6および7(組成No.D)は、棒鋼圧延の加熱温度が高いため、微細TiCの個数が不充分であり、結晶粒粗大化防止特性が劣っている。
鋼No.8(組成No.D)は、棒鋼圧延の加熱温度が低いため、微細TiCが過剰に生成し、変形抵抗が増大している。
鋼No.9(組成No.A1)は、従来鋼のSCM420Hの組成に対応し、SiおよびMnが過剰であるため、変形抵抗が増大している。
鋼No.10(組成No.A2)は、従来鋼のSCM420HにNbを添加したものに対応し、Si、MnおよびNbが過剰であるため、変形抵抗が増大している。
鋼No.11(組成No.B)は、Mn量が過剰であるため、変形抵抗が増大している。
鋼No.12(組成No.C)は、TiとNbとが並存し、且つそれらの量が過剰であり、微細TiC量が過剰に生成して、変形抵抗が増大している。
鋼No.13(組成No.E)は、[Ti]−3.42[N]が0.003であり、TiCを形成するためのTi量が少ないため、微細TiCが充分に生成せず、結晶粒粗大化防止特性が劣っている。
鋼No.14(組成No.F)および鋼No.15(組成No.G)は、Ti量が過剰であるために、微細TiC量が過剰に生成し、変形抵抗が増大している。
鋼No.17(組成No.I)は、[Ti]−3.42[N]が0.002であり、TiCを形成するためのTi量が少ないため、微細TiCが充分に生成せず、結晶粒粗大化防止特性が劣っている。さらにN量が過剰であるため、Nが鉄中に固溶し、変形抵抗が増大している。
鋼No.19(組成No.K)は、S量が過剰であり、Ti系炭硫化物が形成された結果、微細TiCが充分に生成せず、結晶粒粗大化防止特性が劣っている。またS量が過剰であるため、変形能(割れ限界加工率)も劣っている。
鋼No.23(組成No.O)は、Ti量が過剰であり、しかもAl量が比較的少ないため、[Ti]−3.42[N]が0.103となり、微細TiC量が過剰に生成して変形抵抗が増大している。

Claims (5)

  1. C :0.1〜0.3%(質量%の意味、以下同じ)、
    Si:0.1%以下(0%を含まない)、
    Mn:0.6%以下(0%を含まない)、
    P :0.03%以下(0%を含まない)、
    S :0.02%以下(0%を含まない)、
    Cr:1.25〜2%、
    Al:0.1%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.07%以下(0%を含まない)、
    B :0.0005〜0.005%、および
    N :0.008%以下(0%を含まない)
    を含有し、且つ下記式(1):
    0.01≦[Ti]−3.42[N]≦0.05 ・・・ (1)
    〔式中、[Ti]および[N]は、それぞれ鋼中のTiおよびN含有量(質量%)を表す。〕
    を満たし、残部がFeおよび不可避不純物からなり、
    直径が0.01〜0.2μmであるTiC析出物の個数が5〜30個/μm2であることを特徴とする肌焼鋼。
  2. さらにCa:0.005%以下(0%を含まない)を含有する請求項1に記載の肌焼鋼。
  3. さらにNb:0.015%以下(0%を含まない)を含有する請求項1または2に記載の肌焼鋼。
  4. 鋼中に存在するTiN析出物の最大直径が30μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の肌焼鋼。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の肌焼鋼から得られた機械部品。
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