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JP4828032B2 - 疎水性シリカ粉末およびその製造方法 - Google Patents

疎水性シリカ粉末およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な疎水性シリカ粉末に関する。詳しくは、優れた疎水性、流動性を安定して保持することが可能であり、各種有機、無機粉体の流動化剤や、樹脂等の増粘剤、補強充填剤として有用な疎水性シリカ粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリカ粉末は、樹脂等の増粘剤、補強充填剤や各種無機、有機粉体用の流動化剤として用いられているが、これらの用途には、しばしば表面が疎水化処理された疎水性シリカ粉末が好適に使用される。
【0003】
即ち、樹脂等の増粘剤、補強充填剤として疎水性シリカ粉末を用いる場合には、樹脂等のマトリクスとの濡れ性が変化することにより、増粘性の向上や充填量の増加といった効果が発現する。これらの用途においては、樹脂等のマトリクスとの接触によってもこれらの効果が低下しない、高度な安定性が要求される。
【0004】
また粉体の流動化剤として疎水性シリカ粉末を用いる場合には、親水性のシリカ粉末を用いた場合と比較すると、シリカ表面のシラノール基(−SiOH)による水素結合性の付着力が低減されるため、流動性が改善される。特に、複写機、レーザープリンターに代表される電子写真技術においてトナー樹脂の流動化剤として用いられる場合には、吸湿により帯電性が変化するため、流動性と共に高度な疎水性が要求される。
【0005】
従来、疎水性シリカ粉末を製造する方法として、原体シリカ粉末を反応処理剤、例えばジメチルジクロロシラン、あるいはヘキサメチルジシラザンといったシリル化剤の気体を原体シリカ粉末に接触させ処理することが行われている。
【0006】
上記処理法により得られた疎水性シリカ粉末は、処理が均一になされており、流動性が高いシリカ粉末が得られる。しかしながら、処理剤由来の表面修飾基はある立体的な大きさをもつため、反応点であるシリカ表面のシラノール基のすべてを処理することはできず、未反応のシラノール基が必ず残存する。残存シラノール基をさらに少なくし、疎水性を向上することが望まれている。
【0007】
粉体の疎水性を向上させるという意味では、ポリシロキサンのような適度に大きな分子量を持つ化合物を微細な液滴の形で噴霧してシリカ粉末にコーティングするのが有効である。しかしこの方法では、疎水度は上がるものの均一な処理を行うことが難しく、また、過剰のポリシロキサンによる流動性の悪化が問題となっている。
【0008】
以上のことから均一性、流動性、疎水性を兼備する疎水性シリカ粉末を製造するために、ヘキサメチルジシラザンのような処理剤ガスで処理した後にポリシロキサンによるコーティングを行う方法が提案されている(特公平7−113783)。しかし、この方法で得られた疎水性シリカ粉末の表面に付着したポリシロキサンは脱離し易く、安定性の面で未だ改良の余地がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、優れた疎水性と流動性を有し、且つこれらの特性が高度に安定化された、疎水性シリカ粉末を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、上記疎水性シリカ粉末を簡便な方法により製造することができる、好適な製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、前記ヘキサメチルジシラザンの如きトリメチルシリル化剤で処理した後にポリシロキサンで処理したシリカ粉末は、トリメチルシリル基によりシリカ表面が覆われてしまった後にポリシロキサンで処理するため、ポリシロキサンとシリカ表面との結合力が弱く、例えばクロロホルム溶媒による抽出試験により、殆どのポリシロキサンが抽出されてしまうという知見を得た。
【0012】
上記知見に基づき、更に研究を重ねた結果、トリメチルシリル化剤とポリシロキサンとの2重処理を特定の方法によって実施することによって、シリカ粉末表面に存在するトリメチルシリル基の量が特定の範囲にコントロールされた新規な疎水性シリカ粉末を得ることに成功し、かかる疎水性シリカ粉末は、優れた疎水性と流動性を有すると共に、クロロホルム溶媒による抽出試験におけるポリシロキサンの抽出量が極めて少ない、化学的に極めて安定化した特性を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式で示されるポリシロキサンを、原体シリカ粉末100重量部に対して、A/20〜A/5重量部(但し、Aは原体シリカ粉末の比表面積(m /g)である。)の割合で該原体シリカ粉末に付着せしめ、且つ、クロロホルムを溶媒として用い、ソックスレー抽出法により8時間抽出後のポリシロキサンの残存量が原体シリカ粉末100重量部に対して、A/25重量部以上となるように、ポリシロキサンの分解温度未満で加熱処理を行い、次いで、ヘキサメチルジシラザンよりなるトリメチルシリル化剤で処理することを特徴とする疎水性シリカ粉末の製造方法、及び、上記製造方法により得られた疎水性シリカ粉末であって、トリメチルシリル基が該原体シリカ粉末の表面積1nmあたり0.3〜1.5個の割合で存在し、且つ、ポリシロキサンが該原体シリカ粉末100重量部に対して、A/20〜A/5重量部(但し、Aは原体シリカ粉末の比表面積(m/g)である。)の割合で付着し、且つ、クロロホルムを溶媒として用い、ソックスレー抽出法により8時間抽出後のポリシロキサンの残存量が原体シリカ粉末100重量部に対して、A/25重量部以上であることを特徴とする疎水性シリカ粉末である。
【0013】
【化3】
Figure 0004828032
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において、処理する前のシリカ粉末である原体シリカ粉末は、公知の方法によって得られたシリカ粉末が特に制限なく使用されるが、乾式シリカ、湿式シリカ、ゾル−ゲル法シリカなどが代表的である。また、これらのシリカは一部又は全部が溶融されたシリカ粉末であっても良い。
【0015】
上記乾式シリカは、一般に、四塩化珪素等の珪素化合物を酸水素炎中で燃焼させて得られる。一般的には、フュームドシリカとも称されている。乾式シリカは製造条件を変えることにより、比表面積がおよそ50〜500m2/gの範囲のシリカが得られる。比表面積より計算されるシリカの一次粒子径は、およそ5〜200nmの範囲であるが、通常は1μm以上の凝集体として存在している。
【0016】
また、湿式シリカとしては、珪酸ソーダを鉱酸で中和することによって溶液中でシリカを析出させる沈澱法シリカが代表的である。一般的には、ホワイトカーボンとも称されている。
【0017】
尚、同様に珪酸ソーダを酸で中和することによって作るゲル法シリカも湿式シリカの一種であり、これを粉砕したものは本発明の原体シリカ粉末として用いることができる。
【0018】
湿式シリカも製造条件を変えることにより各種のシリカが得られており、比表面積がおよそ50〜1000m2/gの範囲のものが得られている。湿式シリカは、その製造方法より、一次粒子径がおよそ3〜50nmの微細粒子が合成途中で凝集した凝集粒子であると考えられている。これらの湿式シリカは、通常、中和反応後に濾過や洗浄を行い、乾燥後、必要により粉砕して粉末として得られる。一般的に、入手可能な湿式シリカ粒子の平均粒子径は1〜数100μmである

【0019】
更に、ゾル−ゲル法シリカは、テトラメトキシシランやテトラエトキシシランなどの珪素のアルコキシドを酸性あるいはアルカリ性の含水有機溶媒中で加水分解することによって作るものである。珪素のアルコキシドは高価であるが、原料が蒸留によって高純度化できるため極めて高純度のシリカが得られるという特徴がある。加水分解を酸性もしくはアルカリ性の濃厚溶液中で行うと、バルク状のシリカが得られ、それを粉砕することによって、1〜数100μmの不定形のシリカ粒子が得られる。
【0020】
上記のゾル−ゲル法シリカとしては、シリカ−チタニア、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニアなどのいわゆるシリカ系複合酸化物も本発明の疎水性シリカ粉末の原体シリカ粉末として使用できる。これらは、珪素のアルコキシドとチタニウム、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属アルコキシドを共加水分解することによって得られる。これらのシリカ系複合酸化物は、用いる珪素以外の金属酸化物の化学的及び物理的性質によって通常のシリカにはない有用な特性を発現できる。例えば、金属酸化物の含有量を変えることによってシリカ系複合酸化物の屈折率を調節することができる。
【0021】
本発明において、原体シリカ粉末は、上述した種類の中から、用途に応じて好適なシリカ、及び粒径(比表面積)のものを選択して使用すればよい。好適には、乾式シリカを用いることができる。
【0022】
本発明の疎水性シリカ粉末において、導入されているトリメチルシリル基の量は、原体シリカ粉末の表面積1nm2あたり0.3〜1.5個に調整されることが本発明の目的を達成するために極めて重要である。
【0023】
上記トリメチルシリル基の導入量が原体シリカ粉末の表面積1nm2あたり1.5個の範囲よりも多い場合には、他の疎水化剤であるポリシロキサンが脱離し易くなり、疎水性シリカ粉末の効果が安定して維持されない。ポリシロキサンの脱離しやすさは、クロロホルムによる抽出試験により確かめることができ、該トリメチルシリル基の数が1.5個を超えたものは、抽出試験におけるポリシロキサンの残存量が極端に低下する。
【0024】
因みに、一般的な方法によりヘキサメチルジシラザンなどのトリメチルシリル化剤を用いてシリカ表面を処理する場合には、原体シリカ粉末の表面積1nm2あたり2.2個程度のトリメチルシリル基が導入されて飽和に達し、本発明の効果を達成することができない 本発明の疎水性シリカ粉末は、上記構成により、クロロホルムによる抽出試験によっても、後で詳述する疎水性シリカにおけるポリシロキサンの付着量のうち、A/25以上(但し、Aは原体シリカ粉末の比表面積(m2/g)である。)が残存する、極めて高い安定性を得ることが可能である。
【0025】
また、本発明の疎水性シリカ粉末は、上記トリメチルシリル基の割合が本発明の範囲の上限を超える疎水性シリカ粉末に対して、ポリシロキサンの含有量が同じであっても、疎水性が大きく向上するという、驚くべき効果を発揮する。
【0026】
一方、トリメチルシリル基の導入量が原体シリカ粉末の表面積1nm2あたり0.3個の範囲よりも少ない場合には、ポリシロキサンと協同して発揮される流動性及び疎水性の向上効果が十分現れず、本発明の目的を達成することができない。
【0027】
本発明の疎水性シリカ粉末において、シリカ粉末に付着せしめるポリシロキサンの量は、原体シリカ粉末100重量部に対しA/20〜A/5、好ましくはA/14〜A/6(但し、Aは原体シリカ粉末の比表面積(m2/g)である。)である。
【0028】
即ち、ポリシロキサンの量が、原体シリカ粉末100重量部に対しA/5よりも多い場合には、シリカに凝集が生じ流動性が著しく低下する。また、上記ポリシロキサンの量がA/20より少ない場合には、ポリシロキサンによる疎水性の向上効果が十分に発揮されない。
【0029】
本発明の疎水性シリカ粉末において、付着しているポリシロキサンは、原体シリカ粉末の表面と化学的な結合をしているものと、化学的な結合をしていないものを含有する。
本発明において、ポリシロキサンは、下記一般式で示されるものが使用される。
【0030】
【化4】
Figure 0004828032
【0031】
(但し、Rは、アルキル基、R’は、アルキル基及びフェニル基より選ばれた同種又は異種の基、R’’R’’’はアルキル基をそれぞれ示す。)
そのうち、安価であり、取り扱いが容易である、ジメチルポリシロキサン(式中のR、R’、R’’、R’’’ がすべてメチル基)が最も好適である。
【0032】
本発明の疎水性シリカ粉末について、トリメチルシリル基の原体シリカ粉末の表面積1nm2における存在量、ポリシロキサンのシリカ粉末への付着量、抽出後に残るポリシロキサンの量は、以下の方法により測定することができる。
【0033】
(1)疎水性シリカ粉末を電気炉に入れ、窒素雰囲気中において500℃で1時間以上保持する。表面に付着している処理剤が無くなったことを、水に浮かべてシリカ粉末が水に混ざることにより確認する。この方法により熱処理されたシリカ粉末の比表面積をBET法で測定することにより、原体シリカ粉末の比表面積を確認できる。
【0034】
この原体シリカ粉末の比表面積をS(m2/g)とする。また、熱処理前の質量をW1、熱処理後の質量をW2とし、原体シリカ粉末が疎水性シリカ粉末の重量に占める割合(G)を算出する。
【0035】
G=W2/W1
(2)次いで、トリメチルシリル基のシリカ粉末における存在量は、まずトリメチルシリル基の量が既知の疎水性シリカ粉末を不活性ガス中において590℃の温度で熱分解させ、放出されるガスをガスクロマトグラフィーによりヘキサメチルジシロキサンのピークを測定し検量線をひく。目的の疎水性シリカ粉末を同様の方法により測定することにより確認できる。この時、測定時に導入する疎水性シリカ粉末の質量は、前記(1)により求めたGにより原体シリカ粉末の質量に補正する必要がある。トリメチルシリル基の原体シリカ粉末100重量部に対する存在量をT(重量部)とする。
【0036】
原体シリカ粉末1nm2あたりのトリメチルシリル基の個数(N;個)は以下の式により求められる。
【0037】
N=T×82.2/S
(3)疎水性シリカ粉末の炭素含有量を微量炭素分析計(Horiba社製EMIA)により測定する。測定した炭素含有量をC1(%)とする。
【0038】
(4)表面に付着しているポリシロキサンの量は、まず表面に付着しているポリシロキサンをクロロホルムにより抽出し、抽出液のクロロホルムを蒸発させポリシロキサンをのみとし、ポリシロキサンの炭素含有量をCHNコーダー(YANACO社製 MT−5)により測定する。求めた炭素含有量を C2(%)とする。次式によりポリシロキサンの原体シリカ粉末100重量部に対する付着量(P1;重量部)を算出する。
【0039】
1=(49.2T− 100C1−C1T)/(C1−C2
(5)抽出後に残るポリシロキサンの量は、疎水性シリカ粉末を溶剤にクロロホルムを用い、ソックスレー抽出法により8時間抽出する。抽出後の疎水性シリカ粉末の炭素含有量を微量炭素分析計(Horiba社製EMIA)により測定する。測定した炭素含有量をC3(%)とする。次式により抽出後に残るポリシロキサンの原体シリカ粉末100重量部に対する付着量(P2;重量部)を算出する。
【0040】
2=(49.2T−100C3−C3T)/(C3−C2
上記方法によって算出されたトリメチルシリル基の原体シリカ粉末の表面積1nm2における存在量、ポリシロキサンのシリカ粉末への付着量、及び抽出後に残るポリシロキサンの量は、後記の実施例に示すように、製造方法から算出した値とほぼ一致するものであり、これらの量を正確に求めることが可能であることが理解される。
【0041】
本発明の疎水性シリカ粉末の製造方法は、特に制限されるものではないが、下記の方法が好適である。
【0042】
即ち、本発明によれば、シリカ粉末を、ポリシロキサンで処理した後、トリメチルシリル化剤で処理することを特徴とする疎水性シリカ粉末の製造方法が提供される。
【0043】
本発明の疎水性シリカ粉末の製造方法において、ポリシロキサンによる処理は、公知の方法により行うことができる。例えば、シリカ粉末をミキサーに入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら前記ポリシロキサンを噴霧し、所定温度で一定時間保持することにより行うことができる。
【0044】
上記噴霧するポリシロキサンは溶剤にあらかじめ溶かしておいても良い。
【0045】
上記処理時の温度はポリシロキサンの種類によるが、ポリシロキサンの分解温度未満で行うことが必要である。また、処理温度が低すぎるとポリシロキサンと原体シリカ粉末の結合力が低く、処理の効果が得られない。よって処理剤にあわせた適切な温度で処理を行う必要がある。例えば、ジメチルポリシロキサンで行う場合には200〜300℃ の範囲で行われる。
【0046】
更に、保持時間は処理剤の種類、処理温度にもよるが、例えばジメチルポリシロキサンを250℃で反応させた場合には10分から120分、好適には、30分から60分である。
【0047】
また、上記ポリシロキサンの原体シリカ粉末に対する付着量は、上記処理における添加量によって適宜調整することができる。
【0048】
上記方法で使用し得る、ポリシロキサンは特に限定されるものではなく、公知のものが特に制限なく使用される。そのうち、25℃において10〜1000cStの粘度を有するものが好適である。更にはジメチルポリシロキサンが最も好適である。
【0049】
一方、トリメチルシリル化剤による処理は、ポリシロキサンによる処理後行われる。トリメチルシリル化剤による処理は、例えば、ポリシロキサンで処理されたシリカ粉末をミキサーに入れ、トリメチルシリル化剤を一定量ミキサーに導入し、所定温度で一定時間保持することにより得られる。
【0050】
導入するトリメチルシリル化剤の量は、目的の反応量以上に加える必要がある。また、トリメチルシリル化剤の沸点以上の温度で処理を行う場合には、トリメチルシリル化剤のミキサー内の分圧を一定以上に保つことが処理時間を短縮する上で好ましい。例えば、トリメチルシリル化剤にヘキサメチルジシラザンを用い、処理温度を250℃とした場合には、ミキサー内の分圧を5kPa以上に保つことが好ましい。
【0051】
トリメチルシリル化剤の導入に先立ち、水蒸気を導入することも可能である。処理温度は処理剤の分解温度以下であれば良いが、好ましくは、トリメチルシリル化剤の沸点以上の温度で行われる。又、処理時間は、処理剤の種類、処理温度、及び処理剤の添加量にもよるが、ヘキサメチルジシラザンを250℃で反応させ、ミキサー内のヘキサメチルジシラザンの分圧を20kPaとした場合には、5分以上、好ましくは、15分以上行われる。
【0052】
本発明で使用しうるトリメチルシリル化剤は、ヘキサメチルジシラザンである。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明の疎水性シリカ粉末は、トリメチルシリル基の存在量を特定の範囲に制限することにより、同時に表面に付着せしめるポリシロキサンの結合力を向上させることが可能となり、極めて高い安定性を示すと共に、流動性及び疎水性においても優れた性能を発揮するものである。
【0054】
従って、トナー用等における流動化剤を始め、樹脂等の増粘剤、充填剤としての用途において、良好な性能を発揮することが可能であり、その工業的価値は極めて高いといえる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものでは無い。
【0056】
尚、試料(実施例または比較例によるシリカ粉末)の特性は以下の値を測定することにより評価した。
【0057】
1.得られた疎水性シリカ粉末(試料)についてのトリメチルシリル基の量、ポリシロキサンの付着量、及び抽出後に残るポリシロキサンの量の測定
前記の測定方法に従って行った。
【0058】
2.上記トリメチルシリル基の量、ポリシロキサンの付着量、及び抽出後に残るポリシロキサンの量は、製造方法から下記の方法によって確認し、上記測定値の右の( )内に確認値を示した。
【0059】
(1)疎水性シリカ粉末の炭素含有量を微量炭素分析装置(Horiba製EMIA)により測定し求めた。求めた炭素含有量の値をC1%とする。
【0060】
(2)ポリシロキサンのシリカ粉末の付着量は、添加したポリシロキサンの量と同じである。該疎水性シリカ粉末においてポリシロキサンの原体シリカ粉末100重量部に対する付着量をP1(重量部)とする。
【0061】
(3)トリメチルシリル基の原体シリカ粉末100重量部に対する量(T;重量部)及び原体シリカ粉末の表面積1nm2当りの個数(N;個)は以下の式により算出した。この時付着しているポリシロキサンの分子式より計算できるポリシロキサンの炭素含有量をC2とし、原体シリカ粉末の比表面積をS(m2/g)とする。
【0062】
T=(C21―100C1−C11)/(C1−49.2)
N=T×82.2/S
(4)抽出後に残るポリシロキサンの量は、疎水性シリカを溶剤にクロロホルムを用い、ソックスレー抽出法により8時間抽出した。抽出後の疎水性シリカの微量炭素分析装置(Horiba製EMIA)により測定し求めた。求めた炭素含有量をC3(%)とし、次式により抽出後に残るポリシロキサンの原体シリカ100重量部に対する割合(P2;重量部)を計算した。抽出後に残存するポリシロキサンの量をP2とする。
【0063】
2=(49.2T−100C3−C3T)/(C3−C2
3.疎水性試験
以下の方法により疎水化度を測定し、疎水性の指標とした。疎水性シリカ粉末0.2gを容量250mlのビーカー中の50mlの水に添加した。メタノールをビューレットからシリカ全量が懸濁するまで加えた。この時メタノールが直接試料に触れない様に、チューブで溶液内に導いた。ビーカー内の溶液をマグネティックスターラーで常時攪拌した。疎水性シリカ粉末の全量が溶液中に懸濁された時点を終点とし、終点におけるメタノール水中のメタノール容量の百分率を疎水化度とした。
【0064】
4.流動性試験
試料の流動性を以下の方法により調べた。粒径が10μmの球状アクリル樹脂に対して疎水性シリカ粉末を1%添加し、ミキサーで十分に混合し、35℃、湿度85%の条件下で2日間放置した。混合粉の流動性をパウダテスタ(ホソカワミクロン社製、PT−R型)にて、圧縮度を測定することにより評価した。圧縮度とは次式で示される。また式中のゆるみ見掛比重とは、100mlのカップに混合粉を入れタッピングをしない状態で測定した見掛け比重であり、固め見掛比重とは180回タッピングした後の見掛け比重である。
【0065】
圧縮度=(固め見掛け比重−ゆるみ見掛け比重)/固め見掛け比重×100 この方法により1%圧縮度が変わった場合、流動性が大きく違うと言える。
【0066】
実施例1
比表面積200m2/gの乾式シリカをミキサーに入れ窒素雰囲気下ジメチルポリシロキサン(動粘度 50cSt)を20重量部添加し、250℃で30分保持した。引き続き、ヘキサメチルジシラザンを10重量部添加後、ミキサーを密閉し250℃で30分保持した。この時、ミキサー内のヘキサメチルジシラザンの分圧は30kPaであった。得られた疎水性シリカ粉末のトリメチルシリル基とポリシロキサンの量を表1、物性を表2に示す。
【0067】
実施例2
ジメチルポリシロキサンの添加量を30重量部とした以外は、実施例1と同じ条件で処理を行った。得られた疎水性シリカ粉末のトリメチルシリル基とポリシロキサンの量を表1、物性を表2に示す。
【0068】
実施例3
処理温度を220℃とした以外は、実施例1と同じ条件で処理を行った。得られた疎水性シリカ粉末のトリメチルシリル基とポリシロキサンの量を表1、物性を表2に示す。
【0069】
実施例4
原体シリカ粉末の比表面積を300m2/gとした以外は、実施例2と同じ条件で処理を行った。得られた疎水性シリカ粉末のトリメチルシリル基とポリシロキサンの量を表1、物性を表2に示す。
【0070】
比較例1
比表面積200m2/gの親水性乾式シリカをミキサーに入れ、窒素雰囲気下ヘキサメチルジシラザンを10重量部添加し、その後ミキサーを密閉し250℃で30分保持した。この時ミキサー内のヘキサメチルジシラザンの分圧は30kPaであった。引き続きジメチルポリシロキサン(動粘度 50cSt)を20重量部添加し、250℃で30分保持した。得られた疎水性シリカ粉末のトリメチルシリル基とポリシロキサンの量を表1、物性を表2に示す。
【0071】
比較例2
比表面積200m2/gの親水性乾式シリカをミキサーに入れ窒素雰囲気下ジメチルポリシロキサン(動粘度 50cSt)を20重量部添加し、250℃で60分保持した。得られた疎水性シリカ粉末のトリメチルシリル基とポリシロキサンの量を表1、物性を表2に示す。
【0072】
比較例3
比表面積200m2/gの親水性乾式シリカをミキサーに入れ窒素雰囲気下ジメチルポリシロキサン(動粘度 50cSt)を30重量部添加し、250℃で60分保持した。得られた疎水性シリカ粉末のトリメチルシリル基とポリシロキサンの量を表1、物性を表2に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0004828032
【0074】
【表2】
Figure 0004828032

Claims (2)

  1. 下記一般式で示されるポリシロキサンを、原体シリカ粉末100重量部に対して、A/20〜A/5重量部(但し、Aは原体シリカ粉末の比表面積(m /g)である。)の割合で該原体シリカ粉末に付着せしめ、且つ、クロロホルムを溶媒として用い、ソックスレー抽出法により8時間抽出後のポリシロキサンの残存量が原体シリカ粉末100重量部に対して、A/25重量部以上となるように、ポリシロキサンの分解温度未満で加熱処理を行い、次いで、ヘキサメチルジシラザンよりなるトリメチルシリル化剤で処理することを特徴とする疎水性シリカ粉末の製造方法。
    Figure 0004828032
    (但し、Rは、アルキル基、R’は、アルキル基及びフェニル基より選ばれた同種又は異種の基、R’’、R’’’は、アルキル基をそれぞれ示す。)
  2. 請求項1記載の製造方法により得られた疎水性シリカ粉末であって、トリメチルシリル基が該原体シリカ粉末の表面積1nm あたり0.3〜1.5個の割合で存在し、且つ、ポリシロキサンが該原体シリカ粉末100重量部に対して、A/20〜A/5重量部(但し、Aは原体シリカ粉末の比表面積(m /g)である。)の割合で付着し、且つ、クロロホルムを溶媒として用い、ソックスレー抽出法により8時間抽出後のポリシロキサンの残存量が原体シリカ粉末100重量部に対して、A/25重量部以上であることを特徴とする疎水性シリカ粉末。
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