JP4810761B2 - 車両用ブレーキ液圧発生装置 - Google Patents
車両用ブレーキ液圧発生装置Info
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、車両用ブレーキ液圧発生装置に関し、特に、ブレーキ操作部材に対するブレーキ操作とは無関係に所定の液圧を発生し出力する液圧発生装置と、ブレーキ操作部材に連動する入力部材と、液圧発生装置から供給される液圧を入力部材から付与されるブレーキ操作力に応じた液圧に調圧し出力する調圧弁とを備えた車両用ブレーキ液圧発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来装置として、特開昭52−101376号公報に記載されたものや、特開昭58−110357号公報に記載されたものがある。
【0003】
特開昭52−101376号公報に記載されたものは、ブレーキ操作とは無関係に所定の液圧を発生し出力する液圧発生装置と、ブレーキ操作力が加えられる入力部材と、この入力部材と同軸的に配置されて液圧発生装置から供給される液圧を入力部材から付与されるブレーキ操作力に応じた液圧に調圧し出力する調圧弁とを備えており、ブレーキ操作力に応じたストロークを入力部材にもたらすために、圧縮可能な弾性部材が入力部材と調圧弁の弁部材との間に介装されている。
【0004】
また、特開昭58−110357号公報に記載されたものは、ブレーキ操作とは無関係に所定の液圧を発生し出力する液圧発生装置と、ブレーキ操作力が加えられる入力部材と、この入力部材と非同軸的に配置されて液圧発生装置から供給される液圧を入力部材から付与されるブレーキ操作力に応じた液圧に調圧し出力する調圧弁とを備えており、ブレーキ操作力に応じたストロークを入力部材にもたらすために、曲げ変形可能な弾性部材が入力部材と調圧弁の弁部材との間に介装されているとともに入力部材と調圧弁の弁ボデーの張出し部との間に圧縮可能な弾性部材が介装されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車両用ブレーキ液圧発生装置におけるブレーキ操作力と調圧弁の出力液圧との相関が搭載される車種によって異なる。
【0006】
しかしながら、特開昭52−101376号公報に記載されたものは、ブレーキ操作力と調圧弁の出力液圧との相関を変更するためには調圧弁の出力液圧が作用する弁部材の径を変更することが必要であり、これに伴って弁ボデーの対応する内径も変更することになり、ブレーキ操作力と調圧弁の出力液圧との相関変更に要する費用が嵩む問題がある。
【0007】
これに対し、特開昭58−110357号公報に記載されたものは、2つの弾性部材によってブレーキ操作力が調圧弁の弁部材と弁ボデーとの分配されるため、2つの弾性部材の一方または両方の特性を変更することでブレーキ操作力と調圧弁の出力液圧との相関を変更でき、従って少ない費用で相関の変更ができる。しかしながら、2つの弾性部材がストロークシミュレータとブレーキ操作力分配装置として機能するため、ストロークシミュレータ特性とブレーキ操作力分配特性をそれぞれ最適な特性に設定することができない。
【0008】
この出願の発明は、ストロークシミュレータ特性とブレーキ操作力分配特性をそれぞれ最適な特性に設定することができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の請求項1の発明は、ブレーキ操作部材に対するブレーキ操作とは無関係に所定の液圧を発生し出力する液圧発生装置と、前記ブレーキ操作力に連動する入力部材と、この入力部材と同軸的に配置されて前記液圧発生装置から供給される液圧を前記入力部材から付与されるブレーキ操作力に応じた液圧に調圧し出力する調圧弁とを備えた車両用ブレーキ液圧発生装置において、前記ブレーキ操作力を前記入力部材から前記調圧弁に伝達するブレーキ操作力伝達経路に介装されて前記ブレーキ操作力を前記調圧弁の弁部材とこの弁部材を収容する弁ボデーとに分配する分配装置を備え、該分配装置が、前記ブレーキ操作力により押動される可動部材と、この可動部材内に収容されて可動部材と前記弁部材および前記弁ボデーとの間で圧縮されるゴム部材とを備えたことを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置である。
【0010】
この出願の請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記ブレーキ操作力伝達経路の前記ブレーキ操作部材と前記分配装置との間に介装されて前記ブレーキ操作力に応じたストロークを前記入力部材にもたらすストロークシミュレータを備えたことを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置である。
【0013】
この出願の請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記ゴム部材が、前記可動部材から前記ストロークシミュレータ側へ突出して前記ストロークシミュレータを形成する突出部を備えたことを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置である。
【0014】
この出願の請求項4の発明は、請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記分配装置が、その分配割合を前記ブレーキ操作力の変化に応じて変化するように構成されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置である。
【0015】
この出願の請求項5の発明は、請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記ゴム部材と前記弁部材との当接面積および前記ゴム部材と前記弁ボデーとの当接面積の少なくとも一方が前記ブレーキ操作力の変化に応じて変化することを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置である。
【0016】
この出願の請求項6の発明は、請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記調圧弁の出力液圧が所定値以下の状態では前記ゴム部材と前記弁ボデーとの間に隙間が存在するように構成されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置である。
【0017】
この出願の請求項7の発明は、請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記弁ボデーが前記可動部材の内径側に摺動可能に嵌合する筒状の突出部を有し、この突出部が前記弁ボデーとは別体に形成されて前記弁ボデーに固定されており、且つ、この突出部の内径側には前記ゴム部材と前記弁部材との間に介在する伝達部材が摺動可能に嵌合されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、この出願の発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置10の概略構成を示す図である。図1において、車両用ブレーキ液圧発生装置10は、ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)11の操作、即ちブレーキ操作とは無関係に所定の液圧P1を発生し出力する液圧発生装置12を備える。この液圧発生装置12は、作動液を加圧状態で蓄積するためのアキュームレータ12aと、このアキュームレータ12aに蓄積されている液圧を検出して電気的制御装置12cに出力する圧力センサ12bと、電気的制御装置12cにより圧力センサ12bの検出出力に応じて駆動される直流電動機12dと、この直流電動機12dにより駆動されることでリザーバ13内の作動液をアキュームレータ12aに圧送する液圧ポンプ12eとを備えており、アキュームレータ12aの液圧は所定の上限値と下限値の間に維持される。
【0019】
液圧発生装置12が出力する液圧は、調圧弁14の入口14aに供給される。この調圧弁14は、入口14a、出口14bおよび戻し口14cを有する弁ボデー14dと、この弁ボデー14dの内孔に摺動可能に嵌合した弁スプール(弁部材)14eと、この弁スプール14eを右方へ復帰させるコイルスプリング14fとを備える所謂スプール弁構造のものである。弁ボデー14d内に弁スプール14eにより形成される出力液圧室14gは出口14bに常時連通する。弁スプール14eが図に示す位置に位置する状態が調圧弁14の出力減少状態であり、出力液圧室14gが入口14aから遮断され且つ低圧室14hに連通される。弁スプール14eが図の位置から左方へ所定量摺動した状態が調圧弁14の出力保持状態であり、出力液圧室14gが入口14aおよび低圧室14hの両方から遮断される。弁スプール14eが出力保持状態の位置から左方へ摺動した状態が調圧弁14の出力増加状態であり、出力液圧室14gが低圧室14hから遮断され且つ入口14aに連通する。出口14bは、図示しないホイールシリンダと接続される。また、低圧室14hは、戻し口14cを介してリザーバ13に連通する。
【0020】
弁ボデー14dの右側部分の内部には、低圧室14hの右端を限定し且つブレーキペダル11に連動する入力部材15が摺動自在に設置される。この入力部材15と弁スプール14eとは互いに同軸であり、入力部材15と弁スプール14eとの間には分配装置16が介装される。入力部材15とブレーキペダル11とは、機械的または液圧的に連結される。
【0021】
分配装置16は、弁ボデー14dの筒状突出部14d1が摺動自在に嵌入する孔を有した可動部材16aと、この可動部材16a内に収容されて可動部材16aと弁スプール14eおよび弁ボデー14dとの間で圧縮されるゴム部材16bとで構成される。
【0022】
可動部材16aと入力部材15との間には、ブレーキ操作力に応じたストロークを入力部材15にもたらすストロークシミュレータ17を形成する圧縮可能なコイルスプリング(弾性部材)17aおよび圧縮可能なゴム部材(弾性部材)17bが介装される。コイルスプリング17aは調圧弁14のコイルスプリング14fの取付荷重よりも弱いものであり、ブレーキペダル11にブレーキ操作力が加えられていない図の状態では、コイルスプリング14fにより弁スプール14e、入力部材15、可動部材16a、ゴム部材16b、コイルスプリング17aおよびゴム部材17bが図の復帰位置に復帰される。ゴム部材17bの右端は入力部材15に保持されており、図の状態ではゴム部材17bの左端と可動部材16aとの間に隙間がある。
【0023】
図2は、入力部材15に加えられるブレーキ操作力Fと調圧弁14の出力液圧Pとの相関を示す特性線図である。ブレーキペダル11を介して入力部材15にブレーキ操作力Fが加えられた場合、先ずは入力部材15とゴム部材17bがコイルスプリング17aを圧縮させながら一体的に左方へ移動する。その後、可動部材16a、ゴム部材16b、弁スプール14eが、コイルスプリング14fの力に抗して、一体的に左方へ移動し、調圧弁が出力減少状態から出力保持状態を経て出力増加状態に切り換わり、出力液圧室14gの液圧の上昇が始まる。この時点の状態を図3に示す。図3に示されるように、調圧弁14が出力減少状態から出力保持状態を経て出力増加状態に切り換わった時点では、弁ボデー14dの突出部14d1と分配装置16のゴム部材16bとの間に隙間が残存する。
【0024】
出力液圧室14gの液圧によって弁スプール14eを右方へ押し戻す力が発生する。出力液圧室14gの液圧の上昇によって弁スプール14eの押し戻し力が増大することにより弁スプール14eが右方へ摺動されて調圧弁14が出力保持状態に切り換わる。この時、弁スプール14eの押し戻し力が増大するのとに伴ってゴム部材16bが、ゴム部材16bの外周寄り部分が突出部14d1に向かって膨出するように、弾性変形する。出力液圧室14gの液圧の上昇に伴うゴム部材16bの変形量の増大によりゴム部材16bの外周寄り部分が突出部14d1に当接する。この状態になる前の状態、即ちゴム部材16bが突出部14d1から離間している状態では、入力部材15に加えられたブレーキ操作力Fは全てゴム部材16bを介して弁スプール14eに加えられる。これに対し、ゴム部材16bが突出部14d1に当接した状態では、入力部材15に加えられたブレーキ操作力Fは、ゴム部材16bを介して弁スプール14eと突出部14d1、即ち弁ボデー14dとに分配される。この分配比率は、ゴム部材16bと弁スプール14eとの当接面積S1と、ゴム部材16bと突出部14d1との当接面積S2との比率(S2/S1)で決まる。ゴム部材16bと弁スプール14eとの当接面積が常時一定であるのに対し、ゴム部材16bと突出部14d1との当接面積はゴム部材16bの変形量の増大に伴って、所定の一定値に向かって増大する。ゴム部材16bと突出部14d1との当接面積の増大は、図2においてブレーキ操作力FがF1からF2へ増大する過程で生じる。従って、ブレーキ操作力Fが図2でF2より大きい状態では、ゴム部材16bと弁スプール14eとの当接面積と、ゴム部材16bと突出部14d1との当接面積との比率が一定となり、分配装置16の分配比率が一定値に安定する。また、ブレーキ操作力FがF1からF2へ増大する過程では、分配装置16の分配比率がゼロから上記一定値に向かって増大する。ブレーキ操作力F1は、調圧弁14をコイルスプリング14fに抗して出力減少状態から出力増加状態に切り換えるために必要なブレーキ操作力である。
【0025】
入力部材15に加えられるブレーキ操作力Fが増大されると、調圧弁14が出力保持状態から出力増加状態に切り換わり、これによる調圧弁14の出力液圧Pの上昇に応じて出力保持状態に戻る。
【0026】
入力部材15に加えられるブレーキ操作力Fに応じてコイルスプリング17aが圧縮されることで入力部材15が弁ボデー14dに対して図1の位置から左方へ摺動する。そして、弁ボデー14dに対する入力部材15の左方への摺動によりゴム部材17bの左端が可動部材16aに当接した状態では、入力部材15に加えられるブレーキ操作力Fに応じてコイルスプリング17aおよびゴム部材17bが圧縮されることで入力部材15が弁ボデー14dに対して左方へ更に摺動される。従って、入力部材15にはブレーキ操作力Fに応じたストロークがもたらされる。入力部材15と連結されたブレーキペダル11にもストロークがもたらされる。ゴム部材17bの左端が可動部材16aに当接していない状態でのブレーキ操作力Fの単位量変化に対する入力部材15のストローク変化量と、ゴム部材17bの左端が可動部材16aに当接している状態でのブレーキ操作力Fの単位量変化に対する入力部材15のストローク変化量とを比べると、その前者の方がその後者より大きい。
【0027】
入力部材15に加えられるブレーキ操作力Fが減少されると、調圧弁14の弁スプール14eが出力液圧室14gの液圧により右方へ摺動され、調圧弁14が出力保持状態から出力減少状態に切り換わり、これによる調圧弁14の出力液圧Pの低下に応じて出力保持状態に戻る。
【0028】
ブレーキ操作力Fと調圧弁14の出力液圧Pとの相関は、基本的には、分配装置16の一定分配比率が変わることによって変わる。この一定分配比率は、弁スプール14eの径が一定の状態下で可動部材16a、ゴム部材16b及び突出部14d1の径が変わることによって変わる。
【0029】
また、分配装置16の分配比率が一定分配比率に安定するまでの間のブレーキ操作力Fと調圧弁14の出力液圧Pとの相関は、ゴム部材16bと突出部14d1、弁スプール14eとの対向面の形状が変わることによって変わる。図4の第2実施形態は、図1において分配装置16を分配装置116に置換したものであり、分配装置116の可動部材116a内のゴム部材116bは、突出部14d1との対向面が概ねテーパ状に形成された点で第1実施形態と相違する。図5は、第2実施形態のブレーキ操作力Fと調圧弁出力液圧Pとの相関を示す特性線図である。図5の特性を図2の特性と比べた場合、ブレーキ操作力FがF1からF3(F3>F2)に増大する過程で調圧弁出力液圧Pが曲線状に増加する。
【0030】
図6の第3実施形態は、図1において分配装置16を分配装置216に置換したものであり、可動部材216a内のゴム部材216bと対向する弁スプール14eの端面の中央部分が窪んでいる点で図1のものと相違する。図7は、第3実施形態のブレーキ操作力Fと調圧弁出力液圧Pとの相関を示す特性線図である。この第3実施形態においては、ブレーキ操作力FがF1からF2に増大するのに伴ってゴム部材216bの外周寄り部分が突出部14d1に向かって膨出してゴム部材216bと突出部14d1との当接面積が増大し、ブレーキ操作力Fがブレーキ操作力F4から更に増大するのに伴ってゴム部材216bの中央部分が弁スプール14eの端面のくぼみ内へ膨出してゴム部材216bと弁スプール14eとの当接面積が増大するものである。この分配装置216の分配比率は、ブレーキ操作力FがF1からF2に増大する過程でゼロから一定比率へ増大し、ブレーキ操作力FがF2からF4へ増大する過程では一定比率を保ち、ブレーキ操作力FがF4から増大する過程では減少する。
【0031】
図8は、第4実施形態を示す。この第4実施形態においては、弁ボデー14dの突出部14d1が弁ボデー14dと別体とされて弁ボデー14dに固定される。そして、分配装置316は、可動部材316aとゴム部材316bの他にゴム部材316bと弁スプール14eとの間に介在する伝達部材316cを備える。この第4実施形態では、突出部14d1をその内径が異なるものと交換すると共にこれに応じて伝達部材316cをその外径が異なるものと交換することで、分配装置316の一定分配比率を変えることができ、ブレーキ操作力Fと調圧弁14の出力液圧Pとの相関を変えることができる。
【0032】
分配装置16、116、216、316の分配比率の変更は、ストロークシミュレータ17の特性には何ら影響しない。
【0033】
図9は、第5実施形態の概略構成を示す。この第5実施形態は、固定シリンダ418の内部に調圧弁414、入力部材415、分配装置416、ストロークシミュレータ417が収容されている点と、ストロークシミュレータ417のゴム部材417bが分配装置416のゴム部材416bと一体に形成されている点で図1の第1実施形態と相違する。そして、シリンダ418の左方部内にマスターシリンダピストン419が設置され、調圧弁414の出力液圧がマスターシリンダピストン419の右側の補助液圧室420を介してホイールシリンダ421a、421bに供給されることでマスターシリンダピストン419の左側のマスターシリンダ液圧室422に調圧弁414の出力液圧と同等のマスターシリンダ液圧が発生してホイールシリンダ421c、421dに供給される。423はマスターシリンダピストン419の復帰用コイルスプリングを示す。その他の構成は、第1実施形態と実質的に同じであり、第1実施形態の構成要素に対応する構成要素には第1実施形態の説明で用いた符号に400を加えた符号が付してある。
【0034】
図10は、第6実施形態の概略構成を示す。この第6実施形態は、マスターシリンダピストン519が入力部材を形成し、入力部材519と分配装置516の可動部材516aとの間にマスターシリンダ液圧室522が形成され、調圧弁514の出力液圧がホイールシリンダ521a、521bに供給されるとともにマスターシリンダピストン519と弁ボデー514dの右端との間に形成された補助液圧室524に供給されてブレーキ操作力Fと一緒になってマスターシリンダピストン519を左方へ押し、マスターシリンダ液圧室522に発生したマスターシリンダ液圧がホイールシリンダ521c、521dに供給される点と、マスターシリンダ液圧室522内にマスターシリンダピストン519の復帰要コイルスプリング525を設けた点で第1実施形態と相違する。その他の構成は、第1実施形態と実質的に同じであり、第1実施形態の構成要素に対応する構成要素には第1実施形態の説明で用いた符号に500を加えた符号が付してある。この第5実施形態では、マスターシリンダ液圧室522からホイールシリンダへ作動液が吐出されることでストロークシミュレータ機能が果たされる。
【0035】
図11は、第7実施形態の概略構成を示す。この第7実施形態は、図1において分配装置16を分配装置616に置換したものである。この第7実施形態においても、図8の第4実施形態と同様に弁ボデー14dの筒状の突出部14d1が弁ボデー14dと別体とされて弁ボデー14dに固定される。そして、分配装置616は、可動部材616aとゴム部材616bの他にゴム部材616bと弁スプール14eとの間に介在する伝達部材616cとこの伝達部材616cの弁スプール側の端面中央に固定されて弁スプール14eの端面に当接する鋼球616dと、突出部14d1のゴム部材616b側の端面に隣接配置された樹脂製の環状板616eを備える。この第4実施形態では、突出部14d1をその内径が異なるものと交換すると共にこれに応じて伝達部材616cをその外径が異なるものと交換することで、分配装置616の一定分配比率を変えることができ、ブレーキ操作力Fと調圧弁14の出力液圧Pとの相関を変えることができる。また、伝達部材616cを長さが異なるものと交換することによって、図2のブレーキ操作力F2に対する調圧弁出力液圧Pの値を変更することができる。従って、ブレーキ操作力に対する調圧弁出力液圧の相関の変更要求を、少ない部品変更により満たすことができる。更に、図2のブレーキ操作力F2以上の状態ではゴム部材616bが環状板616eを介して突出部14d1の端面に圧接し、樹脂製である環状板616eが圧縮されてその外径を増大するとともにその内径を減少させるので、ゴム部材616bが突出部14d1と可動部材616aとの摺動部の隙間や突出部14d1と伝達部材616cとの摺動部の隙間に食み出すことが抑制され、ゴム部材616bが突出部14d1と可動部材616aとの摺動部の隙間や突出部14d1と伝達部材616cとの摺動部の隙間に食み出すことに原因するゴム部材616bの損傷が抑制される。このように樹脂製の環状板を設置することによりゴム部材の損傷を抑制する構成は、第1〜6実施形態の全てに適用することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、この出願の発明に係る車両用ブレーキ液圧発生装置は、ブレーキ操作部材に対するブレーキ操作とは無関係に所定の液圧を発生し出力する液圧発生装置と、ブレーキ操作部材に連動する入力部材と、この入力部材と同軸的に配置されて液圧発生装置から供給される液圧を入力部材から付与されるブレーキ操作力に応じた液圧に調圧し出力する調圧弁とを備えた構成において、ブレーキ操作力を入力部材から前記調圧弁に伝達するブレーキ操作力伝達経路に介装されてブレーキ操作力を調圧弁の弁部材とこの弁部材を収容する弁ボデーとに分配する分配装置を備えたことにより、ストロークシミュレータ特性とブレーキ操作力分配特性をそれぞれ最適な特性に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の第1実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の車両用ブレーキ液圧発生装置におけるブレーキ操作力Fと調圧弁出力液圧Pとの相関を示す図である。
【図3】図1の車両用ブレーキ液圧発生装置の作用を説明する図である。
【図4】この出願の発明の第2実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置の要部を示す図である。
【図5】図4の車両用ブレーキ液圧発生装置におけるブレーキ操作力Fと調圧弁出力液圧Pとの相関を示す図である。
【図6】この出願の発明の第3実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置の概略構成を示す図である。
【図7】図6の車両用ブレーキ液圧発生装置におけるブレーキ操作力Fと調圧弁出力液圧Pとの相関を示す図である。
【図8】この出願の発明の第4実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置の要部を示す図である。
【図9】この出願の発明の第5実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置の概略構成を示す図である。
【図10】この出願の発明の第6実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置の概略構成を示す図である。
【図11】この出願の発明の第7実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10、310、410・・車両用圧ブレーキ液圧発生装置
11、311、411・・・ブレーキペダル
12、312、412・・・液圧発生装置
14、314、414・・・調圧弁
15、315、419・・・入力部材
16、116、216、316、416、616・・・分配装置
16a、116a、216a、616a・・・可動部材
16b、116b、216b、616b・・・ゴム部材
17、317、417・・・ストロークシミュレータ
17a、17b・・・圧縮可能な弾性部材
Claims (7)
- ブレーキ操作部材に対するブレーキ操作とは無関係に所定の液圧を発生し出力する液圧発生装置と、前記ブレーキ操作部材に連動する入力部材と、この入力部材と同軸的に配置されて前記液圧発生装置から供給される液圧を前記入力部材から付与されるブレーキ操作力に応じた液圧に調圧し出力する調圧弁とを備えた車両用ブレーキ液圧発生装置において、前記ブレーキ操作力を前記入力部材から前記調圧弁に伝達するブレーキ操作力伝達経路に介装されて前記ブレーキ操作力を前記調圧弁の弁部材とこの弁部材を収容する弁ボデーとに分配する分配装置を備え、該分配装置が、前記ブレーキ操作力により押動される可動部材と、この可動部材内に収容されて可動部材と前記弁部材および前記弁ボデーとの間で圧縮されるゴム部材とを備えたことを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置。
- 請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記ブレーキ操作力伝達経路の前記ブレーキ操作部材と前記分配装置との間に介装されて前記ブレーキ操作力に応じたストロークを前記入力部材にもたらすストロークシミュレータを備えたことを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置。
- 請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記ゴム部材が、前記可動部材から前記ストロークシミュレータ側へ突出して前記ストロークシミュレータを形成する突出部を備えたことを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置。
- 請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記分配装置が、その分配割合を前記ブレーキ操作力の変化に応じて変化するように構成されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置。
- 請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記ゴム部材と前記弁部材との当接面積および前記ゴム部材と前記弁ボデーとの当接面積の少なくとも一方が前記ブレーキ操作力の変化に応じて変化することを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置。
- 請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記調圧弁の出力液圧が所定値以下の状態では前記ゴム部材と前記弁ボデーとの間に隙間が存在するように構成されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置。
- 請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧発生装置であって、前記弁ボデーが前記可動部材の内径側に摺動可能に嵌合する筒状の突出部を有し、この突出部が前記弁ボデーとは別体に形成されて前記弁ボデーに固定されており、且つ、この突出部の内径側には前記ゴム部材と前記弁部材との間に介在する伝達部材が摺動可能に嵌合されていることを特徴とする車両用ブレーキ液圧発生装置。
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