本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の記憶装置が有する記憶素子の一構成例に関して図面を用いて説明する。より具体的には、記憶装置の構成がパッシブマトリクス型の場合に関して示す。
本発明の記憶素子とその動作機構を、図1を用いて説明する。図1において、第1の導電層50の端部を覆うように隔壁(絶縁層)51a、隔壁(絶縁層)51bを有している。隔壁(絶縁層)51a、隔壁(絶縁層)51bは、他の記憶素子間を隔てる隔壁のような役目も果たす。本実施の形態では、絶縁層52がガラス転移温度において流動性を有する組成物となった場合、その組成物に対してぬれ性が異なる領域を第1の導電層50上に形成するため、撥液層56を形成する。この撥液層56は、絶縁層52を形成する材料の流動体を有する組成物に対して低いぬれ性を示すので、第1の導電層上の撥液層56は、周囲の第1の導電層表面と比較して、相対的に低ぬれ性領域となる。よって、撥液層56の形成されない周囲の第1の導電層表面は高ぬれ性領域となる。隔壁(絶縁層)51a、隔壁(絶縁層)51b、第1の導電層50、撥液層56上に、絶縁層である絶縁層52を形成し、絶縁層52上に第2の導電層53を形成する。
第1の導電層50と第2の導電層53の材料には導電性の高い元素や化合物等用いる。本実施の形態で絶縁層52の材料には電気的作用や光学的作用により、結晶状態や導電性、形状が変化する物質を用いる。上記構成を有する記憶素子は電圧印加前後で導電性が変化するので、「初期状態」と「導電性変化後」とに対応した2つの値を記憶させることができる。電圧印加前後での記憶素子の導電性の変化について説明する。
絶縁層を形成する絶縁性材料を含む物質は、その材料のガラス転移温度まで温度が上昇すると、流動性を有するようになる。よって絶縁層は、ガラス転移温度以上では、一定の形状を保たない流動性を有する組成物となり、液体状態に近い挙動を示す。流動性を有するようになると、固体の状態では大きな影響を受けなかった被形成領域表面のぬれ性が、その形状に影響を与えるようになり、組成物の流動する方向や速度などに大きく関係する。
被形成物質である固体表面のぬれ性は、表面の化学的性質に影響をうける。流動性を有する組成物に対して、ぬれ性が低い物質であるとその表面は流動性を有する組成物に対して低ぬれ性領域となり、逆に流動性を有する組成物に対して、ぬれ性の高い物質であるとその表面は、流動性を有する組成物に対して高ぬれ性領域となる。本発明においては、絶縁層が、電圧印加後、ガラス転移温度以上になり流動性を有する組成物に変化した場合、異なるぬれ性を有する領域にわたって形成されるように、被形成領域表面のぬれ性を、材料や加工処理によって制御する。具体的には、第1の導電層表面に、流動性を有する組成物に対するぬれ性の異なる領域を形成する。
ぬれ性の異なる領域とは、流動性を有する組成物に対して、ぬれ性に差を有する領域であり、流動性を有する組成物の接触角が異なることである。流動性を有する組成物の接触角が大きい領域はよりぬれ性が低い領域となり、接触角が小さい領域はぬれ性の高い領域となる。接触角が大きいと、流動性を有する組成物は、領域表面上で広がらず、組成物をはじくので、表面をぬらさないが、接触角が小さいと、表面上で流動性を有する組成物は広がり、よく表面をぬらすからである。よって、ぬれ性が異なる領域は、表面エネルギーも異なる。ぬれ性が低い領域における表面の、表面エネルギーは小さく、ぬれ性の高い領域表面における表面エネルギーは大きい。
本実施の形態では、記憶装置に含まれる記憶素子を構成する絶縁層52を、第1の導電層50上に形成する。第1の導電層50と第2の導電層53との間に電圧を印加すると、共に絶縁層52に電流が流れて熱が発生する。そして、絶縁層の温度が、ガラス転移温度まで上昇すると、絶縁層52を形成する材料は、流動性を有する組成物となる。撥液層56を形成することで第1の導電層50表面は、流動性を有する組成物に対するぬれ性が異なる領域を有するように制御されており、ぬれ性に差を有する2種類の領域(高ぬれ性領域と低ぬれ性領域)を有している。
流動性を有する組成物は、よりぬれ性の高い方へ移動するので、流動性を有する組成物は固体状態の形状を維持せずに、矢印54a、矢印54bの方向に示すように、ぬれ性の低い撥液層表面に留まらず、周囲のぬれ性の高い領域へ流動する。よって、絶縁層の膜厚は不均一となり、絶縁層が変形し、図1(C)に示す領域55のように第1の導電層50と第2の導電層53とが接してしまい、結果第1の導電層50と第2の導電層53とが短絡する。また、絶縁層の膜厚の薄い領域に電界が集中し、絶縁破壊が生じて第1の導電層と第2の導電層とが短絡する場合もある。よって、電圧印加前後での記憶素子の導電性が変化する。また、本実施の形態のように隔壁(絶縁層)51a、隔壁(絶縁層)51bも、絶縁層52を形成する流動性を有する組成物に対するぬれ性が高ければ、引き寄せられる力が強く働くので、組成物はより移動しやすくなり、好ましい。
この結果、低消費電力で書き込みを行うことが可能である。
第1の導電層50表面の高ぬれ性領域と低ぬれ性領域との絶縁性材料が流動化した組成物に対する接触角の差は、30度以上が好ましく、40度以上であるとより好ましい。
ぬれ性の違いは両領域の相対的な関係であり、粗面を有する層上に、選択的に低ぬれ性領域を形成することで、ぬれ性の異なる2種類の領域を形成することができる。選択的に低ぬれ性領域を形成する方法としては、マスク層を形成し、そのマスク層を用いて、選択的に低ぬれ性物質を形成する方法、マスク層を用いて選択的にぬれ性を低める表面処理方法などを用いることができる。また、低ぬれ性領域を形成した後、その低ぬれ性効果を選択的に無くす方法(ぬれ性が低い物質の除去、や分解)などを用いることができる。
表面のぬれ性を変化させ、制御する方法として、光照射のエネルギーによって、表面の物質を分解し、領域表面を改質し、ぬれ性を変化させる方法がある。ぬれ性が低い物質として、フッ化炭素鎖を含む物質、あるいはシランカップリング剤を含む物質を用いることができる。シランカップリング剤は単分子膜を形成することができるため、分解、改質を効率よく行え、短時間でぬれ性を変化させることができる。また、上記単分子膜は自己組織化膜とも言える。また、シランカップリング剤は、フッ化炭素鎖を有するもののみでなく、アルキル基を有するものも基板に配列させることで、低ぬれ性を示すため、用いることが可能である。
図3に示したのは本発明の記憶装置が有する一構成例であり、メモリセル721がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ722、カラムデコーダ726aと読み出し回路726bとセレクタ726cを有するビット線駆動回路726、ロウデコーダ724aとレベルシフタ724bを有するワード線駆動回路724、書き込み回路等を有し外部とのやりとりを行うインターフェース723を有している。なお、ここで示す記憶装置716の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
メモリセル721は、ワード線Wy(1≦y≦n)を構成する第1の導電層と、ビット線Bx(1≦x≦m)を構成する第2の導電層と、絶縁層とを有する。絶縁層は、第1の導電層と第2の導電層の間に単層または積層して設けられている。
メモリセルアレイ722の上面図を図2(A)に、図2(A)における線A−Bの断面図を図2(B)、及び図2(C)に示す。また、図2(A)には、絶縁層752及び絶縁層754は省略され図示されていないが、図2(B)で示すようにそれぞれ設けられている。
メモリセルアレイ722は、第1の方向に延びた第1の導電層751a、第1の導電層751b、第1の導電層751c及び隔壁(絶縁層)755、第1の導電層751a、第1の導電層751b、第1の導電層751c及び隔壁(絶縁層)755を覆って設けられた絶縁層752と、第1の方向と垂直な第2の方向に延びた第2の導電層753a、第2の導電層753b、第2の導電層753cとを有している(図2(A)参照。)。第1の導電層751a、第1の導電層751b、第1の導電層751cと第2の導電層753a、第2の導電層753b、第2の導電層753cとの間に絶縁層752が設けられている。また、第2の導電層753a、第2の導電層753b、第2の導電層753cを覆うように、保護膜として機能する絶縁層754を設けている(図2(B)参照。)。第1の導電層751a、第1の導電層751b、第1の導電層751c上には、撥液層756a、撥液層756b、撥液層756cが形成され、第1の導電層751a、第1の導電層751b、第1の導電層751c表面がぬれ性の異なる領域を有するように制御している。なお、隣接する各々のメモリセル間において横方向への電界の影響が懸念される場合は、各メモリセルに設けられた絶縁層752を分離してもよい。
図2(C)は、図2(B)の変形例であり、基板790上に、メモリセル791、第1の導電層791a、第1の導電層791b、第1の導電層791c、絶縁層792、第2の導電層793b、保護層である絶縁層794を有している。第1の導電層791a、第1の導電層791b、第1の導電層791c上には、撥液層796a、撥液層796b、撥液層796cが形成され、第1の導電層791a、第1の導電層791b、第1の導電層791c表面がぬれ性の異なる領域を有するように制御している。図2(C)の第1の導電層791a、第1の導電層791b、第1の導電層791cのように、第1の導電層は、テーパーを有する形状でもよく、曲率半径が連続的に変化する形状でもよい。第1の導電層791a、第1の導電層791b、第1の導電層791cのような形状は、液滴吐出法などを用いて形成することができる。このような曲率を有する曲面であると、積層する絶縁層や導電層のカバレッジがよい。
前述したように隔壁(絶縁層)を形成し、隔壁(絶縁層)の流動性を有する組成物に対するぬれ性が高ければ、引き寄せられる力が強く働くので、組成物はより移動しやすくなり、好ましい。図15(A)、(B)に第1の導電層の端部を隔壁(絶縁層)で覆う構造を示す。
図15(A)にぬれ性が低い物質よりなる撥液層776a、撥液層776b、撥液層776cを、第1の導電層771a、第1の導電層771b、第1の導電層771c上に形成した例を示す。本実施の形態では、隔壁となる隔壁(絶縁層)775を、第1の導電層771a、第1の導電層771b、第1の導電層771cの端部を覆うようにテーパーを有する形状で形成される。基板770上に設けられた第1の導電層771a、第1の導電層771b、第1の導電層771c、撥液層776a、撥液層776b、撥液層776c上に蒸着法などのドライプロセスによって、絶縁層772、第2の導電層773b、隔壁(絶縁層)774を形成する。図15(B)に示す記憶装置は、隔壁(絶縁層)765が曲率を有し、その曲率半径が連続的に変化する形状であり、第1の導電層761a、第1の導電層761b、第1の導電層761c上にはそれぞれ撥液層766a、撥液層766b、撥液層766c、撥液層766d、撥液層766e、撥液層766fが2つずつ形成されている。基板760上に設けられた第1の導電層761a、第1の導電層761b、第1の導電層761c、撥液層766a、撥液層766b、撥液層766c、撥液層766d、撥液層766e、撥液層766f上に絶縁層762、第2の導電層763b、絶縁層764が形成される。このように、第1の導電層上に形成される撥液層は複数形成されていても良く、ぬれ性の異なる領域を有するように制御すればよいのでその形状や大きさは、記憶素子の大きさや要求される特性に応じて決定すればよい。また撥液層は、膜厚が数ナノメートルのような薄膜でもよくその形成方法により膜としての連続性を有さなくてもよい。
また、本明細書において撥液層とは、撥液層上に形成される絶縁層が流動化した時の流動化物に対して、撥液性を示す(流動化物をはじく)性質を有する膜という意味であり、液体をはじく固体の膜である。また撥液層は第1の導電層と第2の導電層の間に設ければ良く、第1の導電層に接して形成しても、第2の導電層に接して形成してもよく、絶縁層中に含まれても良い。
ぬれ性が低い物質として、フッ化炭素基(フッ化炭素鎖)を含む物質、あるいはシランカップリング剤を含む物質を用いることができる。シランカップリング剤は単分子膜を形成することができるため、分解、改質を効率よく行え、短時間でぬれ性を変化させることができる。また、シランカップリング剤は、フッ化炭素基(フッ化炭素鎖)を有するもののみでなく、アルキル基を有するものも基板に配列させることで、低ぬれ性を示すため、用いることが可能である。またシランカップリング剤は含まれる官能基がフッ化炭素基かアルキル基によって、そのぬれ性を低める効果が異なるので、必要なぬれ性が得られるように材料によって適宜設定することができる。
ぬれ性が低い物質として、フッ化炭素基(フッ化炭素鎖)を含む物質、あるいはシランカップリング剤を含む物質を用いることができる。シランカップリング剤は、Rn−Si−X(4−n)(n=1、2、3)の化学式で表される。ここで、Rは、アルキル基などの比較的不活性な基を含む物である。また、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基又はアセトキシ基など、基質表面の水酸基あるいは吸着水との縮合により結合可能な加水分解基からなる。
ぬれ性が低い物質として、シランカップリング剤のRに、アルキル基を有する物質であるアルコキシシランも用いることができ、例えば有機シランとしてオクタデシルトリメトキシシラン等を用いることができる。アルコキシシランとしては、炭素数2〜30のアルコキシシランが好ましい。代表的には、デシルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン(ODS)、エイコシルトリエトキシシラン、トリアコンチルトリエトキシシランがあげられる。なお、長鎖アルキル基を有するシラン化合物は、特にぬれ性を低下させることが可能であり好ましい。また、デシルトリクロロシラン、テトラデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロシラン、エイコシルトリクロロシラン、ドコシルトリクロロシラン等も用いることができる。
また、シランカップリング剤の代表例として、Rにフルオロアルキル基を有するフッ素系シランカップリング剤(フルオロアルキルシラン(FAS))を用いることにより、よりぬれ性を低めることができる。FASのRは、(CF3)(CF2)x(CH2)y(x:0以上10以下の整数、y:0以上4以下の整数)で表される構造を持ち、複数個のR又はXがSiに結合している場合には、R又はXはそれぞれすべて同じでも良いし、異なっていてもよい。代表的なFASとしては、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロテトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(以下、FASともいう。)が挙げられる。また、トリデカフルオロオクチルトリクロロシラン等の加水分解基がハロゲンであるカップリング剤も用いることができる。もちろん例示の化合物に限定される物ではない。
また、ぬれ性が低い物質としてチタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤を用いてもよい。例えば、イソプロピルトリイソオクタノイルチタネート、イソプロピル(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
上記のようなぬれ性が低い物質を被形成領域に膜として形成するには、液状の物質を蒸発させ、被形成領域(例えば基板など)に形成する気相成膜法などを用いることができる。また、ぬれ性が低い物質はスピンコート法、ディップ法、液滴吐出法、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷など)を用いて形成することもでき、溶媒に溶解した溶液としてもよい。
ぬれ性が低い物質を含む溶液の溶媒としては、水、アルコール、ケトン、炭化水素系溶媒(脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素など)、及びエーテル系化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ブタノン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワラン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエタン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン又はテトラヒドロフランなどを用いる。上記溶液の濃度は特に限定はないが、0.001〜20wt%の範囲とすればよい。
また、上記ぬれ性が低い物質に、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン等のアミンを混合してもよい。更に、ギ酸、酢酸等のカルボン酸を触媒として添加してもよい。
上記のようにぬれ性が低い物質を液状の状態で被形成領域に付着させるスピンコート法等を用いて単分子膜を形成する際の処理は、処理温度は室温(約25℃)から150℃、処理時間は数分から12時間とすればよい。処理条件は、ぬれ性が低い物質の性質、溶液の濃度、処理温度、処理時間によって適宜設定すればよい。
また、形成する薄膜(形成方法問わず)を上記ぬれ性が低い物質を含む溶液を作成する際に用いることのできる溶媒で洗浄すると、未反応のぬれ性が低い物質を除去することができる。この場合、超音波洗浄器等を用いてもよい。
本発明で用いることのできるぬれ性が低い物質を含む膜は膜厚0.3nm以上10nm以下という薄膜でもよい。なお、ぬれ性が低い物質を液状の状態で被形成領域に付着させるスピンコート法等を用いて形成するぬれ性が低い物質の薄膜は非常に薄く、膜厚が0.3nm以上10nm以下の範囲の単分子膜となり得る。
また、ぬれ性を低めるように制御し、低ぬれ性領域を形成する組成物の一例として、フッ化炭素(フルオロカーボン)基(フッ化炭素鎖)を有する材料(フッ素系樹脂)を用いることができる。フッ素系樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE;四フッ化エチレン樹脂)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA;四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、パーフルオロエチレンプロペンコーポリマー(PFEP;四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE;四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF;フッ化ビニリデン樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE;三フッ化塩化エチレン樹脂)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE;三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソールコポリマー(TFE/PDD)、ポリビニルフルオライド(PVF;フッ化ビニル樹脂)等を用いることができる。
また、無機材料、有機材料にCF4プラズマ等による処理を行うと、ぬれ性を低めることができる。例えば、有機材料としてポリビニルアルコール(PVA)のような水溶性樹脂を、H2O等の溶媒に混合した材料を用いることができる。また、PVAと他の水溶性樹脂を組み合わせて使用してもよい。
第1の導電層上の撥液層を所望の形状に加工する方法としてマスクを用いて光照射を行うことができる。基板600上に第1の導電層601を形成し、スピンコート法などによって、ぬれ性が低い物質からなる撥液層602を形成する(図16(A)参照。)。光源603より照射された光606は、基板604を通過し、基板604上に形成された金属膜605がマスクとなる。マスクに遮断されない光606は、撥液層602の領域607a、607b、607c、607dに存在する撥液層を分解し、その領域を改質処理する(図16(B)参照。)。よって第1の導電層601上に撥液層608a、撥液層608b、撥液層608cが形成される(図16(C)参照。)。
光照射による処理効率を向上させるため、撥液層に、その光の波長領域に吸収域を有する光吸収体を混入してもよい。光の波長領域に吸収域を持つ光吸収体は、照射された光を吸収し、周囲に熱などのエネルギーを放射(輻射)する。その放射エネルギーは、周囲の物質に作用し、結果として物質の物性を変化させ、改質する。本発明を用いると、光の波長に合わせて、光吸収体を選択すればよいので光の選択の幅が広がる。よって、光の波長を選択することができ、制御性の良い表面改質処理をするための光照射をすることができる。また光の照射効率も向上できるので、光自体が低エネルギーであっても十分に処理を行うことができる。よって、装置や工程が簡略化するので、コストや時間が軽減し、生産性も向上させることができる。
光吸収体としては、有機材料、無機材料、無機材料及び有機材料を含む物質などを用いることができ、用いる光の波長によって、その波長に吸収領域を持つものを選択すればよい。金属等の導電性材料でもよいし、有機樹脂などの絶縁性材料であってもよい。無機材料としては、鉄、金、銅、珪素やゲルマニウム、有機材料としては、ポリイミド、アクリルなどのプラスチックや色素などを用いることができ、例えば、光の波長が532nmに対応する色素としては、ローダミンB、エオシンY、メチルオレンジ、ローズベンガルなど、光の波長が300nmから400nmに対応する色素としては、クマリン系(クマリン6H、クマリン30、クマリン102、クマリン152、クマリン153、クマリン545Tなど)、Bis−MSB(l,4−bis(o−methylstyryl)benzeneの略称)をそれぞれ用いることができる。また、色素としては黒色のカーボンブラックなどや顔料系の黒色樹脂なども用いることができる。また、他の色素として、ローダミン6Gやジシアノメチレンピラン誘導体(DCM)なども用いることができる。
また光吸収体として、光触媒機能を有する物質(以下、単に光触媒物質と表記する)を用いることができる。光触媒物質は光触媒活性を有しているので、光照射によって活性化し、そのエネルギーによって物質表面を改質することができる。
光触媒物質は、酸化チタン(TiOX)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、セレン化カドミウム(CdSe)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化タングステン(WO3)等が好ましい。これら光触媒物質に紫外光領域の光(波長400nm以下、好ましくは380nm以下)を照射し、光触媒活性を生じさせてもよい。
改質処理に用いる光は、特に限定されず、赤外光、可視光、または紫外光のいずれか一またはそれらの組み合わせを用いることが可能である。例えば、紫外線ランプ、ブラックライト、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、または高圧水銀ランプから射出された光を用いてもよい。その場合、ランプ光源は、必要な時間点灯させて照射してもよいし、複数回照射してもよい。
レーザ光を用いてもよく、レーザ光を用いるとより精密なパターンの露光処理ができるので、形成される物体も高繊細化することができる。本実施の形態では、レーザ光を照射する領域を、マスク等を介して選択するのではなく、処理領域を選択して直接照射して処理するため、レーザ光直接描画装置を用いる。レジストの加工にレーザ光を用いる本実施の形態を図17に示す。基板610上に第1の導電層611を形成し、スピンコート法などによって、ぬれ性が低い物質からなる撥液層612を形成する(図17(A)参照。)。撥液層612上にレジスト613を形成し、レーザ光614によって露光し、領域615を感光させる。本実施の形態で用いるレジスト613はネガ型のレジストであるため、エッチャントで処理すると、感光した領域615のみ、レジスト616として撥液層612上に形成される(図17(C)参照。)。レジスト616を用いて撥液層612を所望の形状に加工することによって、撥液層617を形成することができる(図17(D)参照。)。レーザ光により微細かつ正確な形状に加工されたレジストを用いて撥液層をエッチングするため、所望の大きさや形状に撥液層を制御性良く形成することができる。
レーザ光のレーザ発振器としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器としては、KrF、ArF、XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO4、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波、第2高調波、第3高調波を適用するのが好ましい。レーザ発振器から射出されるレーザ光の形状やレーザ光の進路を調整するため、シャッター、ミラー又はハーフミラー等の反射体、シリンドリカルレンズや凸レンズなどによって構成される光学系が設置されていてもよい。
また、撥液層のマスクを液滴吐出法によって形成しても良い。マスクを液滴吐出法を用いて形成する例を図18に示す。基板620上に第1の導電層621を形成し、スピンコート法などによって、ぬれ性が低い物質からなる撥液層622を形成する(図18(A)参照。)。次にマスク層形成材料を含む液状の組成物を液滴吐出装置623より撥液層622上に吐出し、マスク層624を形成する。液状の組成物は、撥液層ではぬれ性が低いので、撥液層表面にぬれ広がらず、ミクロパターンの微細な形状にマスク層624を形成することができる。マスク層624の形状は、撥液層622とのぬれ性の程度により制御すればよい。マスク層624を用いて、撥液層622を所望の形状に加工し、撥液層625を形成することができる。
上記メモリセルの構成において、基板750、基板760、基板770、基板790としては、ガラス基板や可撓性基板の他、石英基板、シリコン基板、金属基板、ステンレス基板等を用いることができる。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン等からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)などを用いることもできる。また、この他にも、Si等の半導体基板上に形成された電界効果トランジスタ(FET)の上部や、ガラス等の基板上に形成された薄膜トランジスタ(TFT)の上部にメモリセルアレイ722を設けることができる。
また、第1の導電層751a〜751c、第1の導電層761a〜761c、第1の導電層771a〜771c、第1の導電層791a〜791c、第2の導電層753a〜753c、第2の導電層763b、第2の導電層773b、第2の導電層793bには、導電性の高い元素や化合物等用いる。代表的には、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、炭素(C)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金からなる単層または積層構造を用いることができる。上記元素を複数含んだ合金としては、例えば、AlとTiを含んだ合金Al、TiとCを含んだ合金、AlとNiを含んだ合金、AlとCを含んだ合金、AlとNiとCを含んだ合金またはAlとMoを含んだ合金等を用いることができる。
第1の導電層751a〜751c、第1の導電層761a〜761c、第1の導電層771a〜771c、第1の導電層791a〜791c、第2の導電層753a〜753c、第2の導電層763b、第2の導電層773b、第2の導電層793bは、蒸着法、スパッタ法、CVD法、ディスペンサ法、印刷法または液滴吐出法を用いて形成することができる。
本実施の形態において、メモリセルへのデータの書き込みは電気的作用または光学的作用を加えることによって行うが、光学的作用によりデータの書き込みを行う場合、第1の導電層751a〜751c、第1の導電層761a〜761c、第1の導電層771a〜771c、第1の導電層791a〜791c、第2の導電層753a〜753c、第2の導電層763b、第2の導電層773b、第2の導電層793bのうち、一方または両方は透光性を有するように設ける。透光性を有する導電層は、透明な導電性材料を用いて形成するか、または、透明な導電性材料でなくても光を透過する厚さで形成する。透明な導電性材料としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることが可能である。ITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOと記す)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したターゲットを用いて形成された酸化物導電性材料を用いても良い。
メモリ層である絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792は、有機絶縁物、電気的作用または光学的作用により導電性が変化する有機化合物、無機絶縁物、又は有機化合物と無機化合物とが混合してなる層で形成する。絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792は、単層で設けてもよいし、複数の層を積層させて設けてもよい。また、有機化合物と無機化合物との混合層及び他の電気的作用または光学的作用により導電性が変化する有機化合物からなる層とを積層させて設けてもよい。
なお、本明細書中において、絶縁層とよんでいる記憶素子に含まれるメモリ層は、バルクの状態では絶縁性を示すが、薄膜の状態では微量の電流を流すものである。本明細書中においては、このような完全な絶縁物ではなく、形状によってはわずかな導電性を有するメモリ層を絶縁層とよぶものとする。
絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792を構成することが可能な無機絶縁物としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等を用いることができる。
絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792を構成することが可能な有機絶縁物としては、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、エポキシ等に代表される有機樹脂を用いることができる。
また、絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792を構成することが可能な、電気的作用または光学的作用により導電性が変化する有機化合物としては、正孔輸送性が高い有機化合物材料又は電子輸送性が高い有機化合物材料を用いることができる。
正孔輸送性の高い有機化合物材料としては、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)や4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)や4,4’−ビス(N−(4−(N,N−ジ−m−トリルアミノ)フェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)などの芳香族アミン系(即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物やフタロシアニン(略称:H2Pc)、銅フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性が高い物質であれば、上記の物質以外のものを用いてもよい。
なお、有機化合物と無機化合物との混合層を設ける場合には、正孔輸送性の高い有機化合物材料と電子を受け取りやすい無機化合物材料とを混合させることが好ましい。このような構成とすることによって、本来内在的なキャリアをほとんど有さない有機化合物に多くのホールキャリアが発生し、極めて優れたホール注入性、ホール輸送性を示す。その結果、有機化合物層は優れた導電性を得ることが可能となる。
電子を受け取りやすい無機化合物材料として、周期表第4族乃至第12族のいずれかの遷移金属の金属酸化物、金属窒化物または金属酸化窒化物を用いることができる。具体的には、チタン酸化物(TiOx)、ジルコニウム酸化物(ZrOx)、バナジウム酸化物(VOx)、モリブデン酸化物(MoOx)、タングステン酸化物(WOx)、タンタル酸化物(TaOx)、ハフニウム酸化物(HfOx)、ニオブ酸化物(NbOx)、コバルト酸化物(Cox)、レニウム酸化物(ReOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、亜鉛酸化物(ZnO)、ニッケル酸化物(NiOx)、銅酸化物(CuOx)等を用いることができる。また、ここでは具体例として酸化物を例に挙げたが、もちろんこれらの窒化物や酸化窒化物を用いてもよい。
電子輸送性の高い有機化合物材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−フェニルフェノラト)−アルミニウム(略称:BAlq)等キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等からなる材料を用いることができる。また、この他、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体などの材料も用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。但し、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記の物質以外のものを用いてもよい。
なお、有機化合物と無機化合物との混合層を設ける場合には、電子輸送性の高い有機化合物材料と電子を与えやすい無機化合物材料とを混合させることが好ましい。このような構成とすることによって、本来内在的なキャリアをほとんど有さない有機化合物に多くの電子キャリアが発生し、極めて優れた電子注入性、電子輸送性を示す。その結果、有機化合物層は優れた導電性を得ることが可能となる。
電子を与えやすい無機化合物材料として、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物、アルカリ金属窒化物、アルカリ土類金属窒化物、希土類金属窒化物を用いることができる。具体的には、リチウム酸化物(LiOx)、ストロンチウム酸化物(SrOx)、バリウム酸化物(BaOx)、エルビウム酸化物(ErOx)、ナトリウム酸化物(NaOx)、リチウム窒化物(LiNx)、マグネシウム窒化物(MgNx)、カルシウム窒化物、イットリウム窒化物(YNx)、ランタン窒化物(LaNx)等を用いることができる。
さらには、無機化合物材料として、有機化合物から電子を受け取りやすい無機化合物材料または有機化合物に電子を与えやすい無機化合物材料であれば何でもよく、アルミニウム酸化物(AlOx)、ガリウム酸化物(GaOx)、ケイ素酸化物(SiOx)、ゲルマニウム酸化物(GeOx)、インジウム錫酸化物(ITO)等のほか、種々の金属酸化物、金属窒素化物または金属酸化窒化物を用いることができる。
また、絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792が金属酸化物または金属窒化物の中から選ばれた化合物と正孔輸送性の高い化合物とから形成される場合、さらに立体障害の大きな(平面構造とは異なり空間的な広がりを有する構造をもつ)化合物を加えた構成としてもよい。立体障害の大きな化合物としては、5,6,11,12−テトラフェニルテトラセン(略称:ルブレン)が好ましい。但し、これ以外に、ヘキサフェニルベンゼン、t−ブチルペリレン、9,10−ジ(フェニル)アントラセン、クマリン545T等も用いることができる。この他、デンドリマー等も有効である。
さらには、電子輸送性の高い有機化合物材料で形成される層と、正孔輸送性の高い有機化合物材料層との間に、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン、ペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]ベンゼン、N,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、クマリン6、クマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、9,9’−ビアントリル、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン(略称:TBP)等の発光物質を設けてもよい。
また、絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792には、光学的作用により、電気抵抗が変化する材料を用いることができる。例えば、光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子を用いることができる。共役高分子として、ポリアセチレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリフェニレンエチニレン類等を用いることができる。また、光酸発生剤としては、アリールスルホニウム塩、アリールヨードニウム塩、o−ニトロベンジルトシレート、アリールスルホン酸p−ニトロベンジルエステル、スルホニルアセトフェノン類、Fe−アレン錯体PF6塩等を用いることができる。
絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792は、蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、CVD法等を用いて形成することができる。また、有機化合物と無機化合物とを含む混合層は、各々の材料を同時に成膜することにより形成することができ、抵抗加熱蒸着同士による共蒸着法、電子ビーム蒸着同士による共蒸着法、抵抗加熱蒸着と電子ビーム蒸着による共蒸着法、抵抗加熱蒸着とスパッタリングによる成膜、電子ビーム蒸着とスパッタリングによる成膜など、同種、異種の方法を組み合わせて形成することができる。
なお、絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792は、電気的作用又は光学的作用により記憶素子の導電性が変化する膜厚で形成する。
隔壁(絶縁層)51a、51b、隔壁(絶縁層)755、隔壁(絶縁層)765、隔壁(絶縁層)775としては、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウムその他の無機絶縁性材料、又はアクリル酸、メタクリル酸及びこれらの誘導体、又はポリイミド(polyimide)、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール(polybenzimidazole)などの耐熱性高分子、又はシロキサン材料を用いてもよい。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなどのビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いる。また、ベンゾシクロブテン、パリレン、ポリイミドなどの有機材料、シロキサンポリマー等の重合によってできた化合物材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物材料等を用いてもよい。作製法としては、プラズマCVD法や熱CVD法などの気相成長法やスパッタリング法を用いることができる。また、ディスペンサ法、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)を用いることもできる。塗布法で得られる塗布膜なども用いることができる。
また、液滴吐出法により、導電層、絶縁層などを、組成物を吐出し形成した後、その平坦性を高めるために表面を圧力によってプレスして平坦化してもよい。プレスの方法としては、ローラー状のものを表面に走査することによって、凹凸を軽減したり、平坦な板状な物で表面を垂直にプレスしたりしてもよい。プレスする時に、加熱工程を行っても良い。また溶剤等によって表面を軟化、または溶解させエアナイフで表面の凹凸部を除去しても良い。また、CMP法を用いて研磨しても良い。この工程は、液滴吐出法によって凹凸が生じる場合に、その表面の平坦化する場合適用することができる。
また、本実施の形態では、上記構成において、第1の導電層751a〜751c、第1の導電層761a〜761c、第1の導電層771a〜771c、第1の導電層791a〜791cと、絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792との間に、整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子とは、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、またはダイオードである。このように、整流性があるダイオードを設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、誤差が減少し、読み出しマージンが向上する。なお、整流性を有する素子は、絶縁層752、絶縁層762、絶縁層772、絶縁層792と第2の導電層753a〜753c、第2の導電層763b、第2の導電層773b、第2の導電層793bとの間に設けてもよい。
本発明の記憶素子によって、データの書き込み時の駆動電圧を低下することが可能である。この結果、低消費電力の記憶装置及び半導体装置を低コストで、歩留まりよく提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1とは異なる構成を有する記憶装置について説明する。具体的には、記憶装置の構成がアクティブマトリクス型の場合に関して示す。
図5に示したのは本実施の形態で示す記憶装置の一構成例であり、メモリセル231がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ232、カラムデコーダ226aと読み出し回路226bとセレクタ226cを有するビット線駆動回路226、ロウデコーダ224aとレベルシフタ224bを有するワード線駆動回路224、書き込み回路等を有し外部とのやりとりを行うインターフェース223を有している。なお、ここで示す記憶装置217の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ等の他の回路を有していてもよいし、書き込み回路をビット線駆動回路に設けてもよい。
メモリセルアレイ232は、ワード線Wy(1≦y≦n)を構成する第1の配線と、ビット線Bx(1≦x≦m)を構成する第2の配線と、トランジスタ210aと、記憶素子215bと、メモリセル231とを有する。記憶素子215bは、一対の導電層の間に、絶縁層が挟まれた構造を有する。
メモリセルアレイ232の上面図を図4(A)に、図4(A)における線E−Fの断面図を図4(B)に示す。また、図4(A)には、絶縁層212及び絶縁層214は省略され図示されていないが、図4(B)で示すようにそれぞれ設けられている。
メモリセルアレイ232は、第1の方向に延びた第1の配線205a及び第1の配線205bと、第1の方向と垂直な第2の方向に延びた第2の配線202とがマトリクス状に設けられている。また、第1の配線はトランジスタ210a及びトランジスタ210bのソース電極又はドレイン電極に接続されており、第2の配線はトランジスタ210a及びトランジスタ210bのゲート電極に接続されている。さらに、第1の配線と接続されていないトランジスタ210a及びトランジスタ210bのソースまたはドレイン電極に、それぞれ第1の導電層206a及び第1の導電層206bが接続され、それぞれ第1の導電層206a及び第1の導電層206bと絶縁層212と第2の導電層213との積層構造によって記憶素子215a、記憶素子215bが設けられている。隣接する各々のメモリセル231の間に隔壁(絶縁層)207を設けて、第1の導電層と隔壁(絶縁層)207上に絶縁層212および第2の導電層213を積層して設けている。第2の導電層213上に保護層となる絶縁層214を有している。また、トランジスタ210a、トランジスタ210bとして、薄膜トランジスタを用いている(図4(B)参照。)。図4(B)の記憶装置は基板200上に設けられており、絶縁層201a、絶縁層201b、絶縁層208、絶縁層209、絶縁層211、トランジスタ210aを構成する半導体層204a、ゲート電極層202a、ソース電極層又はドレイン電極層を兼ねる配線205a、ソース電極層又はドレイン電極層を兼ねる配線205b、トランジスタ210bを構成する半導体層204b、ゲート電極層202bを有している。第1の導電層206a及び第1の導電層206b上にはそれぞれ撥液層216a、撥液層216bが形成されている。撥液層216a、撥液層216bは加工の際に用いたマスク層を液滴吐出法を用いて形成したので、上面図では円形の形状となっている。
本実施の形態では、第1の導電層206a及び第1の導電層206b表面に選択的に流動性を有する組成物に対しぬれ性が低い領域である撥液層216a、撥液層216bを形成することで、ぬれ性に差を有する2種類の領域(高ぬれ性領域と低ぬれ性領域)を形成する。流動性を有する組成物は、ぬれ性の低い撥液層216a、撥液層216b上に留まらず、よりぬれ性の高い方へ移動するので、流動性を有する組成物は固体状態の形状を維持せずに、ぬれ性の高い高ぬれ性領域へ流動する。よって、絶縁層212の膜厚は不均一となり、絶縁層212が変形し、第1の導電層と第2の導電層とが短絡する。また、絶縁層の膜厚の薄い領域に電界が集中し、絶縁破壊が生じて第1の導電層と第2の導電層とが短絡する場合もある。よって、電圧印加前後での記憶素子の導電性が変化する。
また、本実施の形態では、絶縁層212は、第1の導電層206aと、第1の導電層の端部を覆う隔壁(絶縁層)207とに接して形成される。よって、絶縁層212の材料からなる流動性を有する組成物に対するぬれ性が、第1の導電層206a表面より、隔壁(絶縁層)207表面の方が高くなっていれば、より流動性を有する組成物は移動しやすいいので好ましい。
この結果、低消費電力で書き込みを行うことが可能である。
また、図6に示すように、単結晶半導体基板250上に設けられた電界効果トランジスタ260a、電界効果トランジスタ260bに記憶素子265a、記憶素子265bが接続されていてもよい。ここでは、電界効果トランジスタ260a及び電界効果トランジスタ260bのソース電極層又はドレイン電極層255a〜255dを覆うように絶縁層270を設け、絶縁層270上に第1の導電層256a、第1の導電層256b、隔壁(絶縁層)267、絶縁層262a、絶縁層262b、第2の導電層263で記憶素子265a、記憶素子265bを構成する。絶縁層262a、絶縁層262bのように絶縁層は、各メモリセルのみに262を、マスク等を用いて選択的に設けてもよい。また、図6に示す記憶装置は、素子分離領域268、絶縁層269、絶縁層261、絶縁層264も有している。第1の導電層256a、第1の導電層256b上にはそれぞれ撥液層266a及び撥液層266b、撥液層266c及び撥液層266dが2つずつ形成されている。
このように、絶縁層270を設けて記憶素子を形成することによって第1の導電層を自由に配置することができる。つまり、図4(B)の構成では、トランジスタ210a、トランジスタ210bのソース電極層又はドレイン電極層を避けた領域に記憶素子215a、記憶素子215bを設ける必要があったが、上記構成とすることによって、例えば、トランジスタ210a、トランジスタ210bの上方に記憶素子215a、記憶素子215bを形成することが可能となる。その結果、記憶装置217をより高集積化することが可能となる。
さらには、トランジスタ210a、トランジスタ210bはスイッチング素子として機能し得るものであれば、どのような構成で設けてもよい。半導体層も非晶質半導体、結晶性半導体、多結晶半導体、微結晶半導体など様々な半導体を用いることができ、有機化合物を用いて有機トランジスタを形成してもよい。図4(A)では、絶縁性を有する基板上にプレーナ型の薄膜トランジスタを設けた例を示しているが、スタガ型や逆スタガ型等の構造でトランジスタを形成することも可能である。
図7に、逆スタガ型の構造の薄膜トランジスタを用いた例を示す。基板280上に、逆スタガ型の構造の薄膜トランジスタであるトランジスタ290a、トランジスタ290bが設けられている。トランジスタ290aは、絶縁層288、ゲート電極層281、非晶質半導体層282、一導電型を有する半導体層283a、一導電型を有する半導体層283b、ソース電極層又はドレイン電極層285を有し、ソース電極層又はドレイン電極層は記憶素子を構成する第1の導電層286a、第1の導電層286bである。第1の導電層286a、第1の導電層286bの端部を覆うように隔壁(絶縁層)287を積層し、第1の導電層286a、第1の導電層286b、隔壁(絶縁層)287上に絶縁層292、第2の導電層293、保護層である絶縁層294が形成され、記憶素子295a、記憶素子295bを構成している。第1の導電層286a、第1の導電層286b上にはそれぞれ撥液層296a、撥液層296bが形成されている。
本実施の形態では、第1の導電層286a、第1の導電層286b表面に選択的に流動性を有する組成物に対しぬれ性が低い領域である撥液層296a、撥液層296bを形成することで、ぬれ性に差を有する2種類の領域(高ぬれ性領域と低ぬれ性領域)を形成する。流動性を有する組成物は、ぬれ性の低い撥液層296a、撥液層296b上に留まらず、よりぬれ性の高い方へ移動するので、流動性を有する組成物は固体状態の形状を維持せずに、ぬれ性の高い高ぬれ性領域へ流動する。よって、絶縁層292の膜厚は不均一となり、絶縁層292が変形し、第1の導電層286a、第1の導電層286bと第2の導電層293とが短絡する。また、絶縁層292の膜厚の薄い領域に電界が集中し、絶縁破壊が生じて第1の導電層と第2の導電層とが短絡する場合もある。よって、電圧印加前後での記憶素子の導電性が変化する。
また、本実施の形態では、絶縁層292は、第1の導電層286aと、第1の導電層286bの端部を覆う隔壁(絶縁層)287とに接して形成される。よって、絶縁層292の材料からなる流動性を有する組成物に対するぬれ性が、第1の導電層286a表面より、隔壁(絶縁層)287表面の方が高くなっていれば、より流動性を有する組成物は移動しやすいいので好ましい。
この結果、低消費電力で書き込みを行うことが可能である。
図7に示す記憶装置は、ゲート電極層281、ソース電極層又はドレイン電極層285、第1の導電層286a、第1の導電層286b、隔壁(絶縁層)287を液滴吐出法を用いて形成する。液滴吐出法とは流動体である構成物形成材料を含む組成物を、液滴として吐出(噴出)し、所望なパターン形状に形成する方法である。構成物の被形成領域に、構成物形成材料を含む液滴を吐出し、焼成、乾燥等を行って固定化し所望なパターンの構成物を形成する。
液滴吐出法に用いる液滴吐出装置の一態様を図19に示す。液滴吐出手段1403の個々のヘッド1405、ヘッド1412は制御手段1407に接続され、それがコンピュータ1410で制御することにより予めプログラミングされたパターンに描画することができる。描画するタイミングは、例えば、基板1400上に形成されたマーカー1411を基準に行えば良い。或いは、基板1400の縁を基準にして基準点を確定させても良い。これを撮像手段1404で検出し、画像処理手段1409にてデジタル信号に変換したものをコンピュータ1410で認識して制御信号を発生させて制御手段1407に送る。撮像手段1404としては、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化物半導体を利用したイメージセンサなどを用いることができる。勿論、基板1400上に形成されるべきパターンの情報は記憶媒体1408に格納されたものであり、この情報を基にして制御手段1407に制御信号を送り、液滴吐出手段1403の個々のヘッド1405、ヘッド1412を個別に制御することができる。吐出する材料は、材料供給源1413、材料供給源1414より配管を通してヘッド1405、ヘッド1412にそれぞれ供給される。
ヘッド1405内部は、点線1406が示すように液状の材料を充填する空間と、吐出口であるノズルを有する構造となっている。図示しないが、ヘッド1412もヘッド1405と同様な内部構造を有する。ヘッド1405とヘッド1412のノズルを異なるサイズで設けると、異なる材料を異なる幅で同時に描画することができる。一つのヘッドで、導電性材料や有機、無機材料などをそれぞれ吐出し、描画することができ、層間膜のような広領域に描画する場合は、スループットを向上させるため複数のノズルより同材料を同時に吐出し、描画することができる。大型基板を用いる場合、ヘッド1405、ヘッド1412は基板上を、矢印の方向に自在に走査し、描画する領域を自由に設定することができ、同じパターンを一枚の基板に複数描画することができる。
液滴吐出法を用いて導電層を形成する場合、粒子状に加工された導電性材料を含む組成物を吐出し、焼成によって融合や融着接合させ固化することで導電層を形成する。このように導電性材料を含む組成物を吐出し、焼成することによって形成された導電層(または絶縁層)においては、スパッタ法などで形成した導電層(または絶縁層)が、多くは柱状構造を示すのに対し、多くの粒界を有する多結晶状態を示すことが多い。
また、トランジスタに含まれる半導体層の構造もどのようなものを用いてもよく、例えば不純物領域(ソース領域、ドレイン領域、LDD領域を含む)を形成してもよいし、pチャネル型またはnチャネル型のどちらで形成してもよい。また、ゲート電極の側面と接するように絶縁層(サイドウォール)を形成してもよいし、ソース、ドレイン領域とゲート電極の一方または両方にシリサイド層を形成してもよい。シリサイド層の材料としては、ニッケル、タングステン、モリブデン、コバルト、白金等を用いることができる。
本実施の形態で示した第1の導電層206a、206b、256a、256b、286a、286bと第2の導電層213、263、293の材料および形成方法は、上記実施の形態1で示した材料および形成方法のいずれかを用いて同様に行うことができる。
また、絶縁層212、262a、262b、292は、上記実施の形態1で示した絶縁層752と同様の材料および形成方法を用いて設けることができる。
また、第1の導電層206a、206b、256a、256b、286a、286bと絶縁層212、262a、262b、292との間に、整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子とは、ゲート電極とドレイン電極を接続したトランジスタ、又はダイオードである。例えば、N型半導体層およびP型半導体層を積層させて設けられたPN接合ダイオードを用いることができる。このように、整流性があるダイオードを設けることにより、1つの方向にしか電流が流れないために、誤差が減少し、読み出しマージンが向上する。なお、ダイオードを設ける場合、PN接合を有するダイオードではなく、PIN接合を有するダイオードやアバランシェダイオード等の、他の構成のダイオードを用いてもよい。なお、整流性を有する素子は、絶縁層212、262a、262b、292と第2の導電層213、263、293との間に設けてもよい。
本発明の記憶素子によって、データの書き込み時の駆動電圧を低下することが可能である。この結果、低消費電力の記憶装置及び半導体装置を低コストで、歩留まりよく提供することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で示す記憶装置を有する半導体装置の一例に関して図面を用いて説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、非接触でデータの読み出しと書き込みが可能であることを特徴としており、データの伝送形式は、一対のコイルを対向に配置して相互誘導によって交信を行う電磁結合方式、誘導電磁界によって交信する電磁誘導方式、電波を利用して交信する電波方式の3つに大別されるが、いずれの方式を用いてもよい。また、データの伝送に用いるアンテナは2通りの設け方があり、1つは複数の素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合、もう1つは複数の素子および記憶素子が設けられた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける場合がある。
まず、複数の素子および記憶素子が設けられた基板上にアンテナを設ける場合の半導体装置の一構成例を、図10を用いて説明する。
図10はアクティブマトリクス型で構成される記憶装置を有する半導体装置を示しており、基板300上にトランジスタ310a、310bを有するトランジスタ部330、トランジスタ320a、トランジスタ320bを有するトランジスタ部340、絶縁層301a、301b、308、309、311、316、314を含む素子形成層335が設けられ、素子形成層335の上方に記憶素子部325とアンテナとして機能する導電層343が設けられている。
なお、ここでは素子形成層335の上方に記憶素子部325またはアンテナとして機能する導電層343を設けた場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子部325またはアンテナとして機能する導電層343を、素子形成層335の下方や同一の層に設けることも可能である。
記憶素子部325は、記憶素子315a、315bで構成され、記憶素子315aは第1の導電層306a上に、隔壁(絶縁層)307a、隔壁(絶縁層)307b、絶縁層312及び第2の導電層313が積層して構成され、記憶素子315bは、第1の導電層306b上に、隔壁(絶縁層)307b、隔壁(絶縁層)307c、絶縁層312及び第2の導電層313が積層して設けられている。また、第2の導電層313を覆って保護膜として機能する絶縁層314が形成されている。また、複数の記憶素子315a、315bが形成される第1の導電層306a、第1の導電層306bは、トランジスタ310a、トランジスタ310bそれぞれのソース電極層又はドレイン電極層に、接続されている。すなわち、記憶素子はそれぞれひとつのトランジスタに接続されている。また、絶縁層312が第1の導電層306a、306bおよび隔壁(絶縁層)307a、307b、307cを覆うように全面に形成されているが、各メモリセルに選択的に形成されていてもよい。なお、記憶素子315a、315bは上記実施の形態で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。第1の導電層306a、第1の導電層306b上には、それぞれ低ぬれ性領域となる撥液層326a、撥液層326bが形成されており、第1の導電層306a、第1の導電層306b表面はぬれ性の異なる領域を有している。
記憶素子315a、315bにおいて、撥液層326a、撥液層326b表面は、その周囲の第1の導電層306a、第1の導電層306bより、絶縁層312を形成する材料の流動性を有する組成物に対してぬれ性が低い。よって、絶縁層312を形成する材料の流動性を有する組成物は撥液層326a、撥液層326bより移動し、絶縁層312の膜厚が不均一となることから、記憶素子315a、315bは短絡する。
また、記憶素子315aにおいて、上記実施の形態で示したように、第1の導電層306aと絶縁層312との間、または絶縁層312と第2の導電層313との間に整流性を有する素子を設けてもよい。整流性を有する素子も上述したものを用いることが可能である。なお、記憶素子315bにおいても同様である。
ここでは、アンテナとして機能する導電層343は第1の導電層306a、306bと同一の層で形成された導電層341と、第2の導電層313と同一の層で形成された導電層342上に設けられている。なお、第2の導電層313と同一の層でアンテナとして機能する導電層を形成してもよい。また、導電層341はトランジスタ320aのソース電極層又はドレイン電極層に接続されている。
アンテナとして機能する導電層343の材料としては、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)等から選ばれた一種の元素または当該元素を複数含む合金等を用いることができる。また、アンテナとして機能する導電層343の形成方法は、蒸着、スパッタ、CVD法、ディスペンサ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の各種印刷法または液滴吐出法等を用いることができる。
素子形成層335に含まれるトランジスタ310a、310b、310c、310dは、pチャネル型TFT、nチャネル型TFTまたはこれらを組み合わせたCMOSで設けることができる。また、トランジスタ310a、310b、310c、310dに含まれる半導体層の構造もどのようなものを用いてもよく、例えば不純物領域(ソース領域、ドレイン領域、LDD領域を含む)を形成してもよいし、pチャネル型またはnチャネル型のどちらで形成してもよい。また、ゲート電極の側面と接するように絶縁層(サイドウォール)を形成してもよいし、ソース、ドレイン領域とゲート電極の一方または両方にシリサイド層を形成してもよい。シリサイド層の材料としては、ニッケル、タングステン、モリブデン、コバルト、白金等を用いることができる。
また、素子形成層335に含まれるトランジスタ310a、310b、310c、310dは、当該トランジスタを構成する半導体層を有機化合物で形成する有機トランジスタで設けてもよい。この場合、基板300としてプラスチック等の可撓性を有する基板上に、直接印刷法、ディスペンサ法や液滴吐出法等を用いて有機トランジスタからなる素子形成層335を形成することができる。印刷法や液滴吐出法等を用いて形成することによってより低コストで半導体装置を作製することが可能となる。
また、素子形成層335、記憶素子315a、315b、アンテナとして機能する導電層343は、上述したように蒸着、スパッタ法、CVD法、ディスペンサ法、印刷法または液滴吐出法等を用いて形成することができる。なお、各場所によって異なる方法を用いて形成してもかまわない。例えば、高速動作が必要とされるトランジスタは基板上にSi等からなる半導体層を形成した後に熱処理により結晶化させて設け、その後、素子形成層の上方にスイッチング素子として機能するトランジスタをディスペンサ法、印刷法や液滴吐出法を用いて有機トランジスタとして設けることができる。
なお、トランジスタに接続するセンサを設けてもよい。センサとしては、温度、湿度、照度、ガス(気体)、重力、圧力、音(振動)、加速度、その他の特性を物理的又は化学的手段により検出する素子が挙げられる。センサは、代表的には抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオードなどの半導体素子で形成される。
次に、複数の素子および記憶素子が設けられた基板に端子部を設け、当該端子部に別の基板に設けられたアンテナを接続して設ける場合の半導体装置の一構成例に関して図11を用いて説明する。
図11はパッシブマトリクス型の記憶装置を有する半導体装置を示しており、基板350上に素子形成層385が設けられ、素子形成層385の上方に記憶素子部375が設けられ、基板396に設けられたアンテナとして機能する導電層393が素子形成層385と接続するように設けられている。なお、ここでは素子形成層385の上方に記憶素子部375またはアンテナとして機能する導電層393を設けた場合を示しているが、この構成に限られず記憶素子部375を素子形成層385の下方や同一の層に、またはアンテナとして機能する導電層393を素子形成層385の下方に設けることも可能である。
図11において、基板350上にトランジスタ360a、360bを有するトランジスタ部380、トランジスタ370a、トランジスタ370bを有するトランジスタ部390、絶縁層351a、351b、358、359、361、366、364を含む素子形成層385が設けられている。
記憶素子部375は、記憶素子365a、365bで構成され、記憶素子365aは第1の導電層356上に、隔壁(絶縁層)357a、357b、絶縁層362a及び第2の導電層363aが積層して構成され、記憶素子365bは、第1の導電層356上に、隔壁(絶縁層)357b、357c、絶縁層362b及び第2の導電層363bが積層して設けられている。また、第2の導電層363a、363bを覆って保護膜として機能する絶縁層364が形成されている。また、複数の記憶素子365a、365bが形成される第1の導電層356は、トランジスタ360bひとつのソース電極層又はドレイン電極層に、接続されている。すなわち、記憶素子は同じひとつのトランジスタに接続されている。また、絶縁層362a、絶縁層362bはメモリセルごとに絶縁層を分離するための隔壁(絶縁層)357a、357b、357cを設けているが、隣接するメモリセルにおいて横方向への電界の影響が懸念されない場合は、全面に形成してもよい。なお、記憶素子365a、365bは上記実施の形態で示した材料または作製方法を用いて形成することができる。第1の導電層356上には、それぞれ低ぬれ性領域となる撥液層376a、撥液層376bが形成されており、第1の導電層356表面はぬれ性の異なる領域を有している。
記憶素子365a、365bにおいて、撥液層376a、撥液層376b表面は、その周囲の第1の導電層356より、絶縁層362a、362bを形成する材料の流動性を有する組成物に対してぬれ性が低い。よって、絶縁層362a、362bを形成する材料の流動性を有する組成物は撥液層376a、撥液層376bより移動し、絶縁層362a、362bの膜厚が不均一となることから、記憶素子365a、365bは短絡する。
また、素子形成層385と記憶素子部375とを含む基板と、アンテナとして機能する導電層393が設けられた基板396は、接着性を有する樹脂395により貼り合わされている。導電層393は第1の導電層356と同一の層で形成された導電層391と、第2の導電層363a、363bと同一の層で形成された導電層392の上に設けられている。また、導電層391はトランジスタ370aのソース電極層又はドレイン電極層に接続されている。そして、素子形成層385と導電層393とは樹脂395中に含まれる導電性微粒子394を介して電気的に接続されている。また、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合を行う方法を用いて素子形成層385と記憶素子部375を含む基板と、アンテナとして機能する導電層393が設けられた基板396とを貼り合わせてもよい。
このように、記憶装置およびアンテナを備えた半導体装置を形成することができる。また、本実施の形態では、基板上に薄膜トランジスタを形成して素子形成層を設けることもできるし、基板としてSi等の半導体基板を用いて、基板上に電界効果トランジスタを形成することによって素子形成層を設けてもよい。また、基板としてSOI基板を用いて、その上に素子形成層を設けてもよい。この場合、SOI基板はウェハの貼り合わせによる方法や酸素イオンをSi基板内に打ち込むことにより内部に絶縁層を形成するSIMOXと呼ばれる方法を用いて形成すればよい。
さらには、記憶素子部を、アンテナとして機能する導電層が設けられた基板に設けてもよい。またトランジスタに接続するセンサを設けてもよい。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。また本実施の形態で作製した半導体装置を、基板より剥離工程により剥離し、フレキシブルな基板上に接着することで、フレキシブルな基体上に設けることができ、可撓性を有する半導体装置を得ることができる。フレキシブルな基体とは、ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなるフィルム、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどに相当する。フィルムは、熱圧着により、被処理体と加熱処理と加圧処理が行われるものであり、加熱処理と加圧処理を行う際には、フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。また、基体に接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。
本発明の記憶素子によって、データの書き込み時の駆動電圧を低下することが可能である。この結果、低消費電力の記憶装置及び半導体装置を低コストで、歩留まりよく提供することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記構成を有する半導体装置において、データの読み込みまたは書き込みについて説明する。
上記構成を有する半導体装置へのデータの書き込みは、光学的作用又は電気的作用を加えることにより行うことができるが、はじめに、電気的作用を加えることによりデータの書き込みを行う場合について説明する(図3)。
電気的作用を加えることによりデータの書き込みを行う場合、ロウデコーダ724a、カラムデコーダ726a、セレクタ726cにより、1つのメモリセル721を選択し、その後、書き込み回路を用いて、当該メモリセル721にデータを書き込む。具体的には、所望する部分の絶縁層752に選択的に大きい電圧を印加して大電流を流し、第1の導電層751bと第2の導電層753bの間をショート(短絡)させる。
ショートした部分は他の部分と比較すると電気抵抗が大幅に小さくなる。このように、電気的作用を加えることにより、2つの導電層間の電気抵抗が変化することを利用してデータの書き込みを行う。例えば、電気的作用を加えていない絶縁層を「0」のデータとする場合、「1」のデータを書き込む際は、所望の部分の絶縁層に選択的に大きい電圧を印加して大電流を流すことによって、ショートさせて電気抵抗を小さくする。
次に、光学的作用を加えることによりデータの書き込みを行う場合について説明する(図8(A)〜(C)参照。)。
光学的作用を加えることによりデータの書き込みを行う場合、透光性を有する導電層側(ここでは第2の導電層753a、753b、753cとする)から、絶縁層752にレーザ光を照射する。ここでは、所望の部分の絶縁層752に選択的にレーザ光を照射して絶縁層752を破壊する。破壊された絶縁層は、炭化して絶縁化するため、他の部分と比較すると電気抵抗が大幅に大きくなる。このように、レーザ光の照射により、絶縁層752の電気抵抗が変化することを利用してデータの書き込みを行う。例えば、レーザ光を照射していない絶縁層を「0」のデータとする場合、「1」のデータを書き込む際は、所望の部分の絶縁層に選択的にレーザ光を照射して破壊することによって電気抵抗を大きくする。
書き込みを行うには、記憶素子の抵抗値を書き込み前後で変化させればよいので、光学的作用、または電気的作用によってどのように記憶素子の抵抗値の変化を生じさせてもよい。例えば、光の照射によるエネルギー(熱など)で、記憶素子において第1の導電層又は第2の導電層の形状が変化し第1の導電層と第2の導電層とが接近し、その変化に伴い絶縁層が変形し、抵抗値が変化してもよい。
レーザ光を照射する場合、絶縁層752の電気抵抗の変化は、メモリセル721の大きさによるが、レンズ等の光学系を用いてビームスポットの直径をμmまたはnmに絞ったレーザ光の照射により実現する。例えば、径が1μmのレーザビームが10m/secの線速度で通過するとき、1つのメモリセル721が含む絶縁層にレーザ光が照射される時間は100nsecとなる。100nsecという短い時間内で相を変化させるためには、レーザパワーは10mW、パワー密度は10kW/mm2とするとよい。また、レーザ光を選択的に照射する場合は、パルス発振のレーザ照射装置を用いて行うことが好ましい。
ここで、レーザ照射装置の一例に関して、図8(C)を用いて簡単に説明する。レーザ照射装置1001は、レーザ光を照射する際の各種制御を実行するコンピュータ(以下、PCと示す。)1002と、レーザ光を出力するレーザ発振器1003と、レーザ発振器1003の電源1004と、レーザ光を減衰させるための光学系(NDフィルタ)1005と、レーザ光の強度を変調するための音響光学変調器(Acousto−Optic Modulator ; AOM)1006と、レーザ光の断面を縮小するためのレンズおよび光路を変更するためのミラー等で構成される光学系1007、X軸ステージ及びY軸ステージを有する移動機構1009と、PCから出力される制御データをデジタルーアナログ変換するD/A変換部1010と、D/A変換部から出力されるアナログ電圧に応じて音響光学変調器1006を制御するドライバ1011と、移動機構1009を駆動するための駆動信号を出力するドライバ1012と、被照射物上にレーザ光の焦点を合わせるためのオートフォーカス機構1013を備えている。
レーザ発振器1003としては、紫外光、可視光、又は赤外光を発振することが可能なレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器としては、KrF、ArF、KrF、XeCl、Xe等のエキシマレーザ発振器、He、He−Cd、Ar、He−Ne、HF等の気体レーザ発振器、YAG、GdVO4、YVO4、YLF、YAlO3などの結晶にCr、Nd、Er、Ho、Ce、Co、Ti又はTmをドープした結晶を使った固体レーザ発振器、GaN、GaAs、GaAlAs、InGaAsP等の半導体レーザ発振器を用いることができる。なお、固体レーザ発振器においては、基本波か第2高調波〜第5高調波を適用するのが好ましい。
次に、レーザ照射装置を用いた照射方法について述べる。絶縁層752が設けられた基板750が移動機構1009に装着されると、PC1002は図外のカメラによって、レーザ光を照射する絶縁層752の位置を検出する。次いで、PC1002は、検出した位置データに基づいて、移動機構1009を移動させるための移動データを生成する。
この後、PC1002が、ドライバ1011を介して音響光学変調器1006の出力光量を制御することにより、レーザ発振器1003から出力されたレーザ光は、光学系1005によって減衰された後、音響光学変調器1006によって所定の光量になるように光量が制御される。一方、音響光学変調器1006から出力されたレーザ光は、光学系1007で光路及びビームスポット形状を変化させ、レンズで集光した後、基板750上に該レーザ光を照射する。
このとき、PC1002が生成した移動データに従い、移動機構1009をX方向及びY方向に移動制御する。この結果、所定の場所にレーザ光が照射され、レーザ光の光エネルギー密度が熱エネルギーに変換され、基板750上に設けられた絶縁層に選択的にレーザ光を照射することができる。なお、ここでは移動機構1009を移動させてレーザ光の照射を行う例を示しているが、光学系1007を調整することによってレーザ光をX方向およびY方向に移動させてもよい。
続いて、記憶素子からデータの読み出しを行う際の動作について説明する(図9参照。)。ここでは、読み出し回路726bは、抵抗素子746とセンスアンプ747を含む構成とする。但し、読み出し回路726bの構成は上記構成に制約されず、どのような構成を有していてもよい。
データの読み出しは、第1の導電層751bと第2の導電層753a、753b、753cの間にそれぞれ電圧を印加して、絶縁層752の電気抵抗を読み取ることにより行う。例えば、上述したように、電気的作用を加えるによりデータの書き込みを行う場合、電気的作用を加えていないときの抵抗値Ra1と、電気的作用を加えて2つの導電膜間をショートしたときの抵抗値Rb1は、Ra1>Rb1を満たす。このような抵抗値の相違を電気的に読み取ることにより、データの読み出しを行う。
また、上述したように、絶縁層にレーザ光を照射することによりデータの書き込みを行う場合、レーザ光を照射していないときの抵抗値Ra2と、レーザ光を照射して絶縁層を破壊したときの抵抗値Rb2は、Ra2<Rb2を満たす。このような抵抗値の相違を電気的に読み取ることにより、データの読み出しを行う。
例えば、メモリセルアレイ722が含む複数のメモリセル721から、x列目y行目に配置されたメモリセル721のデータの読み出しを行う場合、まず、ロウデコーダ724a、カラムデコーダ726a、セレクタ726cにより、x列目のビット線Bxと、y行目のワード線Wyを選択する。そうすると、メモリセル721が含む絶縁層と、抵抗素子746とは、直列に接続された状態となる。このように、直列に接続された2つの抵抗素子の両端に電圧が印加されると、ノードαの電位は、絶縁層752の抵抗値Ra又はRbに従って、抵抗分割された電位となる。そして、ノードαの電位は、センスアンプ747に供給され、当該センスアンプ747において、「0」と「1」のどちらの情報を有しているかを判別される。その後、センスアンプ747において判別された「0」と「1」の情報を含む信号が外部に供給される。
上記の方法によると、絶縁層の電気抵抗の状態は、抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧値で読み取っている。しかしながら、電流値を比較する方法でもよい。これは、例えば、絶縁層に電気的作用を加えていないときの電流値Ia1と、電気的作用を加えて2つの導電膜間をショートしたときの抵抗値Ib1は、Ia1<Ib1を満たすことを利用するものである。また、絶縁層にレーザ光を照射することによりデータの書き込みを行う場合、レーザ光を照射していないときの電流値Ia2と、レーザ光を照射して絶縁層を破壊したときの電流値Ib2は、Ia2>Ib2を満たす。このように電流値の相違を電気的に読み取ることにより、データの読み出しを行ってもよい。
上記構成を有する記憶素子および当該記憶素子を備えた半導体装置は、不揮発性メモリであるため、データを保持するための電池を搭載しなくてもよい。小型、薄型、軽量の半導体装置の提供することができる。また、上記実施の形態で用いる絶縁性材料を絶縁層として用いることによって、データの書き込み(追記)は可能であるが、データの書き換えを行うことはできない。従って、偽造を防止し、セキュリティを確保した半導体装置を提供することができる。
なお、本実施の形態では、記憶回路の構成が単純であるパッシブマトリクス型の記憶素子および当該記憶素子を備えた半導体装置を例に挙げて説明を行ったが、アクティブマトリクス型の記憶回路を有する場合であっても、同様にデータの書き込みまたは読み出しを行うことができる。
ここで、アクティブマトリクス型の場合において、電気的作用により記憶素子部のデータを読み出す場合に関して図14に具体例を挙げて説明する。
図14は、記憶素子部に「0」のデータの書き込みを行った記憶素子部の電流電圧特性951と、「1」のデータの書き込みを行った記憶素子部の電流電圧特性952と、抵抗素子246の電流電圧特性953を示しており、ここでは抵抗素子246としてトランジスタを用いた場合を示す。また、データを読み出す際の動作電圧として、第1の導電層と第2の導電層の間に3Vを印加した場合について説明する。
図14において、「0」のデータの書き込みが行われた記憶素子部を有するメモリセルでは、記憶素子部の電流電圧特性951とトランジスタの電流電圧特性953との交点954が動作点となり、このときのノードαの電位はV2(V)となる。ノードαの電位はセンスアンプ247に供給され、当該センスアンプ247において、上記メモリセルが記憶するデータは、「0」と判別される。
一方、「1」のデータの書き込みが行われた記憶素子部を有するメモリセルでは、記憶素子部の電流電圧特性952とトランジスタの電流電圧特性953との交点955が動作点となり、このときのノードαの電位はV1(V)(V1<V2)となる。ノードαの電位はセンスアンプ247に供給され、当該センスアンプ247において、上記メモリセルが記憶するデータは、「1」と判別される。
このように、記憶素子部241の抵抗値に従って、抵抗分割された電位を読み取ることによって、メモリセルに記憶されたデータを判別することができる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態に示した記憶素子および当該記憶素子を備えた半導体装置の構成と自由に組み合わせて行うことができる。
(実施の形態5)
本実施形態の半導体装置の構成について、図12を参照して説明する。図12に示すように、本発明の半導体装置20は、非接触でデータを交信する機能を有し、電源回路11、クロック発生回路12、データ復調/変調回路13、他の回路を制御する制御回路14、インターフェイス回路15、記憶回路16、データバス17、アンテナ(アンテナコイル)18、センサ21、センサ回路22を有する。
電源回路11は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、半導体装置20の内部の各回路に供給する各種電源を生成する回路である。クロック発生回路12は、アンテナ18から入力された交流信号を基に、半導体装置20の内部の各回路に供給する各種クロック信号を生成する回路である。データ復調/変調回路13は、リーダライタ19と交信するデータを復調/変調する機能を有する。制御回路14は、記憶回路16を制御する機能を有する。アンテナ18は、電磁界或いは電波の送受信を行う機能を有する。リーダライタ19は、半導体装置との交信、制御及びそのデータに関する処理を制御する。なお、半導体装置は上記構成に制約されず、例えば、電源電圧のリミッタ回路や暗号処理専用ハードウエアといった他の要素を追加した構成であってもよい。
記憶回路16は、一対の導電層間に絶縁層又は相変化層が挟まれた記憶素子を有することを特徴とする。なお、記憶回路16は、一対の導電層間に絶縁層又は相変化層が挟まれた記憶素子のみを有していてもよいし、他の構成の記憶回路を有していてもよい。他の構成の記憶回路とは、例えば、DRAM、SRAM、FeRAM、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリから選択される1つ又は複数に相当する。
センサ21は抵抗素子、容量結合素子、誘導結合素子、光起電力素子、光電変換素子、熱起電力素子、トランジスタ、サーミスタ、ダイオードなどの半導体素子で形成される。センサ回路22はインピーダンス、リアクタンス、インダクタンス、電圧又は電流の変化を検出し、アナログ/デジタル変換(A/D変換)して制御回路14に信号を出力する。
(実施の形態6)
本発明によりプロセッサチップ(無線チップ、無線プロセッサ、無線メモリ、無線タグともよぶ)として機能する半導体装置を形成することができる。本発明の半導体装置の用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指し、プロセッサチップ90を設けることができる(図13(A)参照)。証書類とは、運転免許証、住民票等を指し、プロセッサチップ91を設けることができる(図13(B)参照)。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指し、プロセッサチップ97を設けることができる(図13(C)参照)。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指し、プロセッサチップ93を設けることができる(図13(D)参照)。書籍類とは、書物、本等を指し、プロセッサチップ94を設けることができる(図13(E)参照)。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指、プロセッサチップ95を設けることができる(図13(F)参照)。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指し、プロセッサチップ96を設けることができる(図13(G)参照)。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話等を指す。
本発明の半導体装置は、プリント基板に実装したり、表面に貼ったり、埋め込んだりして、物品に固定される。例えば、本なら紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりして、各物品に固定される。本発明の半導体装置は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後も、その物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類等に本発明の半導体装置を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に本発明の半導体装置を設けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。
次に、本発明の半導体装置を実装した電子機器の一態様について図面を参照して説明する。ここで例示する電子機器は携帯電話機であり、筐体2700、2706、パネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703、操作ボタン2704、バッテリ2705を有する(図12(B)参照)。パネル2701はハウジング2702に脱着自在に組み込まれ、ハウジング2702はプリント配線基板2703に嵌着される。ハウジング2702はパネル2701が組み込まれる電子機器に合わせて、形状や寸法が適宜変更される。プリント配線基板2703には、パッケージングされた複数の半導体装置が実装されており、このうちの1つとして、本発明の半導体装置を用いることができる。プリント配線基板2703に実装される複数の半導体装置は、コントローラ、中央処理ユニット(CPU、Central Processing Unit)、メモリ、電源回路、音声処理回路、送受信回路等のいずれかの機能を有する。
パネル2701は、接続フィルム2708を介して、プリント配線基板2703と接続される。上記のパネル2701、ハウジング2702、プリント配線基板2703は、操作ボタン2704やバッテリ2705と共に、筐体2700、2706の内部に収納される。パネル2701が含む画素領域2709は、筐体2700に設けられた開口窓から視認できるように配置されている。
上記の通り、本発明の半導体装置は、小型、薄型、軽量であることを特徴としており、上記特徴により、電子機器の筐体2700、2706内部の限られた空間を有効に利用することができる。
また、本発明の半導体装置は、一対の導電層間に絶縁層が挟まれた単純な構造の記憶素子を有するため、安価な半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。また、本発明の半導体装置は高集積化が容易なため、大容量の記憶回路を有する半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。
また、本発明の半導体装置が有する記憶装置は、光学的作用又は電気的作用によりデータの書き込みを行うものであり、不揮発性であって、データの追記が可能であることを特徴とする。上記特徴により、書き換えによる偽造を防止することができ、新たなデータを追加して書き込むことができる。従って、高機能化と高付加価値化を実現した半導体装置を用いた電子機器を提供することができる。
なお、筐体2700、2706は、携帯電話機の外観形状を一例として示したものであり、本実施の形態に係る電子機器は、その機能や用途に応じて様々な態様に変容しうる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記構成を有する半導体装置において、データの読み込みまたは書き込みについて説明する。
図20に示したのは本発明の半導体装置が有する一構成例であり、メモリセル1721がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ1722、読み出し回路及び書き込み回路を有する回路1726、デコーダ1724、デコーダ1723を有している。なお、ここで示す記憶装置1716の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ、外部とのやりとりを行うインターフェイス等の他の回路を有していてもよい。
メモリセル1721は、ビット線Bx(1≦x≦m)に接続される第1の導電層と、ワード線Wy(1≦y≦n)に接続される第2の導電層と、絶縁層とを有する。絶縁層は、第1の導電層と第2の導電層の間に単層または積層して設けられている。
まず、パッシブマトリクス型の記憶装置において記憶素子にデータの書き込みを行う際の動作について図20、図21を用いて説明する。データの書き込みは、光学的作用又は電気的作用により行うが、まず、電気的作用によりデータの書き込みを行う場合について説明する。なお、書き込みはメモリセルの電気特性を変化させることで行うが、メモリセルの初期状態(電気的作用を加えていない状態)をデータ「0」、電気特性を変化させた状態を「1」とする。
メモリセル1721にデータ「1」を書き込む場合、まず、デコーダ1723、1724およびセレクタ1725によってメモリセル1721を選択する。具体的には、デコーダ1724によって、メモリセル1721に接続されるワード線W3に所定の電圧V2を印加する。また、デコーダ1723とセレクタ1725によって、メモリセル1721に接続されるビット線B3を回路1726に接続する。そして、回路1726からビット線B3へ書き込み電圧V1を出力する。こうして、メモリセル1721を構成する第1の導電層と第2の導電層の間には電位(電圧)Vw=V1−V2を印加する。電位Vwを適切に選ぶことで、当該導電層間に設けられた絶縁層を物理的もしくは電気的変化させ、データ「1」の書き込みを行う。具体的には、読み出し動作電圧において、データ「1」の状態の第1の導電層と第2の導電層の間の電気抵抗が、データ「0」の状態と比して、大幅に小さくなるように変化させるとよい。例えば、(V1、V2)=(0V、5〜15V)、あるいは(3〜5V、−12〜−2V)の範囲から適宜選べば良い。電位Vwは5〜15V、あるいは−5〜−15Vとすればよい。
なお、非選択のワード線および非選択のビット線には、接続されるメモリセルにデータ「1」が書き込まれないよう制御する。例えば、非選択のワード線および非選択のビット線を浮遊状態とすればよい。メモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間は、ダイオード特性など、選択性を確保できる特性を有する必要がある。
一方、メモリセル1721にデータ「0」を書き込む場合は、メモリセル1721には電気的作用を加えなければよい。回路動作上は、例えば、「1」を書き込む場合と同様に、デコーダ1723、1724およびセレクタ1725によってメモリセル1721を選択するが、回路1726からビット線B3への出力電位を、選択されたワード線W3の電位あるいは非選択ワード線の電位と同程度とし、メモリセル1721を構成する第1の導電層と第2の導電層の間に、メモリセル1721の電気特性を変化させない程度の電圧(例えばー5〜5V)を印加すればよい。
次に、光学的作用によりデータの書き込みを行う場合について説明する。この場合、第2の導電層はレーザ光を透過させる必要がある。透光性を有する導電層側から、絶縁層にレーザ光を照射することにより行う。ここでは、所望の部分の絶縁層に選択的にレーザ光を照射して絶縁層を破壊する。破壊された絶縁層は、絶縁化するため、他の部分と比較すると電気抵抗が大幅に大きくなる。このように、レーザ光の照射により、絶縁層を挟んで設けられた2つの導電膜間の電気抵抗が変化することを利用してデータの書き込みを行う。例えば、レーザ光を照射していない絶縁層を「0」のデータとする場合、「1」のデータを書き込む際は、所望の部分の絶縁層に選択的にレーザ光を照射して破壊することによって電気抵抗を大きくする。
また、絶縁層として、光を吸収することによって酸を発生する化合物(光酸発生剤)をドープした共役高分子を用いた場合、レーザ光を照射すると、照射された部分だけが導電性が増加し、未照射の部分は導電性を有しない。そのため、所望の部分の絶縁層に選択的にレーザ光を照射することにより、絶縁層の電気抵抗が変化することを利用してデータの書き込みを行う。例えば、レーザ光を照射していない絶縁層を「0」のデータとする場合、「1」のデータを書き込む際は、所望の部分の絶縁層に選択的にレーザ光を照射して導電性を増加させる。
レーザ光の照射によりデータの書き込みを行う本発明の構成は、記憶装置を簡単に大量に作製することができる。従って、安価な記憶装置及び半導体装置を提供することができる。
続いて、パッシブマトリクス型の記憶装置において、記憶素子からデータの読み出しを行う際の動作について説明する(図20参照)。データの読み出しは、メモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間の電気特性が、データ「0」を有するメモリセルとデータ「1」を有するメモリセルとで異なることを利用して行う。例えば、データ「0」を有するメモリセルを構成する第1の導電層と第2の導電層の間の実効的な電気抵抗(以下、単にメモリセルの電気抵抗と呼ぶ)が、読み出し電圧においてR0、データ「1」を有するメモリセルの電気抵抗を、読み出し電圧においてR1とし、電気抵抗の差を利用して読み出す方法を説明する。なお、R1<<R0とする。読み出し/書き込み回路は、読み出し部分の構成として、例えば、図20(B)に示す抵抗素子1746と差動増幅器1747を用いた回路1726を考えることができる。抵抗素子1746は抵抗値Rrを有し、R1<Rr<R0であるとする。抵抗素子1746の代わりにトランジスタ1748を用いても良いし、差動増幅器の代わりにクロックドインバータ1749を用いることも可能である(図20(C))。クロックドインバータ1749には、読み出しを行うときにHi、行わないときにLoとなる、信号φ又は反転信号φが入力される。勿論、回路構成は図20に限定されない。
メモリセル1721からデータの読み出しを行う場合、まず、デコーダ1723、1724およびセレクタ1725によってメモリセル1721を選択する。具体的には、デコーダ1724によって、メモリセル1721に接続されるワード線Wyに所定の電圧Vyを印加する。また、デコーダ1723とセレクタ1725によって、メモリセル1721に接続されるビット線Bxを回路1726の端子Pに接続する。その結果、端子Pの電位Vpは、抵抗素子1746(抵抗値Rr)とメモリセル1721(抵抗値R0もしくはR1)による抵抗分割によって決定される値となる。従って、メモリセル1721がデータ「0」を有する場合には、Vp0=Vy+(V0−Vy)×R0/(R0+Rr)となる。また、メモリセル1721がデータ「1」を有する場合には、Vp1=Vy+(V0−Vy)×R1/(R1+Rr)となる。その結果、図20(B)では、VrefをVp0とVp1の間となるように選択することで、図20(C)では、クロックドインバータの変化点をVp0とVp1の間となるように選択することで、出力電位Voutとして、データ「0」/「1」に応じて、Lo/Hi(もしくはHi/Lo)が出力され、読み出しを行うことができる。
例えば、差動増幅器をVdd=3Vで動作させ、Vy=0V、V0=3V、Vref=1.5Vとする。仮に、R0/Rr=Rr/R1=9とすると、メモリセルのデータが「0」の場合、Vp0=2.7VとなりVoutはHiが出力され、メモリセルのデータが「1」の場合、Vp1=0.3VとなりVoutはLoが出力される。こうして、メモリセルの読み出しを行うことができる。
上記の方法によると、絶縁層の電気抵抗の状態は、抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧値で読み取っている。勿論、読み出し方法は、この方法に限定されない。例えば、電気抵抗の差を利用する以外に、電流値の差を利用して読み出しても構わない。また、メモリセルの電気特性が、データ「0」と「1」とで、しきい値電圧が異なるダイオード特性を有する場合には、しきい値電圧の差を利用して読み出しても構わない。
次に、アクティブマトリクス型の記憶装置において記憶素子にデータの書き込みを行うときの動作について説明する(図21参照。)。
図21に示したのは本実施の形態で示す記憶装置の一構成例であり、メモリセルアレイ1232がマトリクス状に設けられたメモリセルアレイ1232、回路1226、デコーダ1224、デコーダ1223を有している。回路1226は読み出し回路及び書き込み回路を有している。なお、ここで示す記憶装置1217の構成はあくまで一例であり、センスアンプ、出力回路、バッファ、外部とのやりとりを行うインターフェイス等の他の回路を有していてもよい。
メモリセル1231は、ビット線Bx(1≦x≦m)に接続する第1の配線と、ワード線Wy(1≦y≦n)に接続する第2の配線と、トランジスタ1210aと、記憶素子1215bと、メモリセル1231とを有する。記憶素子1215bは、一対の導電層の間に、絶縁層が挟まれた構造を有する。トランジスタのゲート電極はワード線と接続され、ソース電極もしくはドレイン電極のいずれか一方はビット線と接続され、残る一方は記憶素子が有する2端子の一方と接続される。記憶素子の残る1端子は共通電極(電位Vcom)と接続される。
まず、電気的作用によりデータの書き込みを行うときの動作について説明する。なお、書き込みはメモリセルの電気特性を変化させることで行うが、メモリセルの初期状態(電気的作用を加えていない状態)をデータ「0」、電気特性を変化させた状態を「1」とする。
ここでは、n行m列目のメモリセル1231にデータを書き込む場合について説明する。メモリセル1231にデータ「1」を書き込む場合、まず、デコーダ1223、1224およびセレクタ1225によってメモリセル1231を選択する。具体的には、デコーダ1224によって、メモリセル1231に接続されるワード線Wnに所定の電圧V22を印加する。また、デコーダ1223とセレクタ1225によって、メモリセル1231に接続されるビット線Bmを読み出し回路及び書き込み回路を有する回路1226に接続する。そして、回路1226からビット線B3へ書き込み電圧V21を出力する。
こうして、メモリセルを構成するトランジスタ1210aをオン状態とし、記憶素子1215bに、ビット線を電気的に接続し、おおむねVw=VcomーV21の電位(電圧)を印加する。なお、記憶素子1215bの一方の電極は電位Vcomの共通電極に接続されている。電位Vwを適切に選ぶことで、当該導電層間に設けられた絶縁層を物理的もしくは電気的変化させ、データ「1」の書き込みを行う。具体的には、読み出し動作電圧において、データ「1」の状態の第1の導電層と第2の導電層の間の電気抵抗が、データ「0」の状態と比して、大幅に小さくなるように変化させるとよく、単に短絡(ショート)させてもよい。なお、電位は、(V21、V22、Vcom)=(5〜15V、5〜15V、0V)、あるいは(−12〜0V、−12〜0V、3〜5V)の範囲から適宜選べば良い。電位Vwは5〜15V、あるいは−5〜−15Vとすればよい。
なお、非選択のワード線および非選択のビット線には、接続されるメモリセルにデータ「1」が書き込まれないよう制御する。具体的には、非選択のワード線には接続されるメモリセルのトランジスタをオフ状態とする電位(例えば0V)を印加し、非選択のビット線は浮遊状態とするか、Vcomと同程度の電位を印加するとよい。
一方、メモリセル1231にデータ「0」を書き込む場合は、メモリセル1231には電気的作用を加えなければよい。回路動作上は、例えば、「1」を書き込む場合と同様に、デコーダ1223、1224およびセレクタ1225によってメモリセル1231を選択するが、回路1226からビット線B3への出力電位をVcomと同程度とするか、ビット線B3を浮遊状態とする。その結果、記憶素子1215bには、小さい電位(例えば−5〜5V)が印加されるか、電圧(電位)が印加されないため、電気特性が変化せず、データ「0」書き込みが実現される。
続いて、光学的作用によりデータの書き込みを行う場合について説明する。この場合、レーザ照射装置により、透光性を有する導電層側から、絶縁層に対して、レーザ光を照射することにより行う。レーザ照射装置はパッシブマトリクス型の記憶装置において、図8を用いて説明したものと同様のものを用いればよい。
絶縁層として、有機化合物材料を用いた場合、レーザ光の照射により、絶縁層が酸化又は炭化して絶縁化する。そうすると、レーザ光が照射された記憶素子の抵抗値は増加し、レーザ光が照射されない記憶素子の抵抗値は変化しない。また、光酸発生剤をドープした共役高分子材料を用いた場合、レーザ光の照射により、絶縁層に導電性が与えられる。つまり、レーザ光が照射された記憶素子には導電性が与えられ、レーザ光が照射されない記憶素子には導電性が与えられない。
次に、電気的作用により、データの読み出しを行う際の動作について説明する。ここでは、回路1226は、抵抗素子1246と差動増幅器1247を含む構成とする。但し、回路1226の構成は上記構成に制約されず、どのような構成を有していてもよい。
次に、アクティブマトリクス型の記憶装置において電気的作用により、データの読み出しを行う際の動作について説明する。データの読み出しは、記憶素子1215bの電気特性が、データ「0」を有するメモリセルとデータ「1」を有するメモリセルとで異なることを利用して行う。例えば、データ「0」を有するメモリセルを構成する記憶素子の電気抵抗が読み出し電圧においてR0、データ「1」を有するメモリセルを構成する記憶素子の電気抵抗が読み出し電圧においてR1とし、電気抵抗の差を利用して読み出す方法を説明する。なお、R1<<R0とする。読み出し/書き込み回路は、読み出し部分の構成として、例えば、図21(B)に示す抵抗素子1246と差動増幅器1247を用いた回路1226を考えることができる。抵抗素子は抵抗値Rrを有し、R1<Rr<R0であるとする。抵抗素子1246の代わりに、トランジスタ1249を用いても良いし、差動増幅器の代わりにクロックドインバータ1248を用いることも可能である(図21(C))。勿論、回路構成は図21に限定されない。
x行y列目メモリセル1231からデータの読み出しを行う場合、まず、デコーダ1223、1224およびセレクタ1225によってメモリセル1231を選択する。具体的には、デコーダ1224によって、メモリセル1231に接続されるワード線Wyに所定の電圧V24を印加し、トランジスタ1210aをオン状態にする。また、デコーダ1223とセレクタ1225によって、メモリセル1231に接続されるビット線Bxを回路1226の端子Pに接続する。その結果、端子Pの電位Vpは、VcomとV0の抵抗素子1246(抵抗値Rr)と記憶素子1215b(抵抗値R0もしくはR1)による抵抗分割によって決定される値となる。従って、メモリセル1231がデータ「0」を有する場合には、Vp0=Vcom+(V0−Vcom)×R0/(R0+Rr)となる。また、メモリセル1231がデータ「1」を有する場合には、Vp1=Vcom+(V0−Vcom)×R1/(R1+Rr)となる。その結果、図21(B)では、VrefをVp0とVp1の間となるように選択することで、図21(C)では、クロックドインバータの変化点をVp0とVp1の間となるように選択することで、出力電位Voutが、データ「0」/「1」に応じて、Lo/Hi(もしくはHi/Lo)が出力され、読み出しを行うことができる。
例えば、差動増幅器をVdd=3Vで動作させ、Vcom=0V、V0=3V、Vref=1.5Vとする。仮に、R0/Rr=Rr/R1=9とし、トランジスタ1210aのオン抵抗を無視できるとすると、メモリセルのデータが「0」の場合、Vp0=2.7VとなりVoutはHiが出力され、メモリセルのデータが「1」の場合、Vp1=0.3VとなりVoutはLoが出力される。こうして、メモリセルの読み出しを行うことができる。
上記の方法によると、記憶素子1215bの抵抗値の相違と抵抗分割を利用して、電圧値で読み取っている。勿論、読み出し方法は、この方法に限定されない。例えば、電気抵抗の差を利用する以外に、電流値の差を利用して読み出しても構わない。また、メモリセルの電気特性が、データ「0」と「1」とで、しきい値電圧が異なるダイオード特性を有する場合には、しきい値電圧の差を利用して読み出しても構わない。
上記構成を有する記憶素子および当該記憶素子を備えた記憶装置は、不揮発性メモリであるため、データを保持するための電池を内蔵する必要がなく、小型、薄型、軽量の記憶装置及び半導体装置の提供することができる。また、上記実施の形態で用いる絶縁性材料を絶縁層として用いることによって、データの書き込み(追記)は可能であるが、データの書き換えを行うことはできない。従って、偽造を防止し、セキュリティを確保した記憶装置及び半導体装置を提供することができる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態に示した記憶素子、当該記憶素子を備えた記憶装置及び半導体装置の構成と自由に組み合わせて行うことができる。