JP4876292B2 - 可動コイル及び可動コイルの接続リード線用の弾性保持要素を有する電気音響変換器 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、請求項１の冒頭部に記載される電気音響変換器に関する。
【０００２】
請求項１の冒頭部に記載されるような種類の電気音響変換器は、出願人から多くのバージョンで市販されており、従って既知である。既知の変換器では、接続リード線は、任意の追加の補助手段を有せずに可動コイルのコイル体から変換器の固定端子コネクタに直接導かれ、従って、接続リード線はそれ自体の剛性によってのみ既知の変換器のダイアフラムから距離が置かれて保持される。
【０００３】
このような変換器においてダイアフラムの最大の偏位、即ち、最大の振動振幅が得られることを可能にするために、接続リード線は比較的大きい長さを有するべきである。しかし、このような比較的大きい長さの接続リード線は、振動する傾向を比較的強く有し、その結果、望ましくない条件下で比較的長い接続リード線が振動し、この振動は、接続リード線が比較的大きい長さを有することによってコニカルの低周波数及び比較的高い振幅を有するという問題を必然的に伴う。
【０００４】
このような振動は、望ましくない雑音、及び、変換器の固定端子コネクタに対する接続リード線の自由端の接続点に比較的高い機械的負荷をもたらす。このような比較的高い機械的負荷は、変換器の固定端子コネクタの領域における可動コイルの接続リード線が破損する可能性をもたらし、それにより、変換器を使用することができなくなり、従って望ましくない。
【０００５】
本発明は、上述の問題を除外し、且つ、可動コイルの接続リード線の望ましくない振動動作が阻止される改善された電気音響変換器を提供することを目的とする。
【０００６】
本発明では、請求項１の特徴を示す部分に記載される特徴は、請求項１の冒頭部に記載される電気音響変換器に設けられる。
【０００７】
本発明の特徴を与えることによって、可動コイルの接続リード線は保持要素によって保持され、且つ、保持要素の弾性によって、ダイアフラム軸に対し平行な方向における可動性はほとんど制限されないが、接続リード線が弾性保持要素に接続されることによって、比較的低い周波数及び比較的高い振幅の振動の発生が除外され、その結果、比較的低い振幅のみを有する比較的高い周波数の振動のみが発生可能であり、それにより接続リード線はその自由端が本発明の変換器の固定端子コネクタに接続される領域における過度な機械的負荷に影響を受けなくなる。従って、本発明の変換器を長い時間使用しても、接続リード線の自由端の領域における接続リード線の破損が発生せず、それにより、接続リード線が破損することによって変換器がもはや使用できなくなることが効果的に除外される。
【０００８】
本発明の変換器が更に、請求項２に記載される特徴を有する場合に、特に有利であることが分かっている。このような方法によって、保持要素に支援されて機械的な減衰効果が得られ、この効果は、発生する可能性のある比較的高い周波数の任意の振動の機械減衰を与え、且つ、接続リード線の自由端における可能な破損に対し特に良好な保護を保証することが更に達成される。
【０００９】
本発明の変換器の更なる有利な実施例は、請求項３、４、又は５に記載される特徴を有する。これらの特徴を与えることは、単純な構成が得られ、これは単純に実現されるという利点を有する。
【００１０】
本発明の上記及び更なる面は、例として以下に説明される実施例から明らかになり、これらの例を参照し説明する。
【００１１】
本発明は、例としてあげられ、本発明を制限するものではない実施例を示す添付図面を参照して、より詳細に説明する。
【００１２】
図１及び図２は電気音響変換器１を示し、以下には簡単に変換器１と称する。変換器１は、筐体底部３と、筐体底部３から遠方の側において階段状の部分５を有する中空の円筒筐体壁４と含む略ポット状の筐体２を有する。筐体底部３は、円形の円筒状路６を有する。筐体底部３は、更に、全体で８つのスロット７を有する。
【００１３】
変換器１は、磁石システム８を有する。磁石システム８は、磁石９、ポール板１０、及び、一般的に外部ポットと称され、ポット底部１２及び中空の円筒ポット部１３から構成されるポット１１から構成される。中空の円筒ポット部１３は、筐体底部３の路６内に収容され、筐体低部３とポット１１との間は、機械的及び音響的に密閉して接続され、この接続は、圧入されて形成されるが、或いは、例えば、接着剤接合によって形成されることも可能である。
【００１４】
ポール板１０の円周境界面と、ポール板１０に面する中空の円筒ポット部１３の端部との間には、空隙１４が形成される。変換器１の可動コイル１５は、空隙１４内に部分的に配置される。磁石システム８によって、可動コイル１５は、図１中に２重矢印１６によって示される振動の方向に略平行な方向に振動することが可能にされる。可動コイル１５は、変換器１のダイアフラム１７に接続される。図２ではダイアフラムは示されない。
【００１５】
可動コイル１５をダイアフラム１７に取り付けるために、ダイアフラム１７は、環状の取り付け領域１８に複数の突出部１９を有し、突出部は等角度で間隔が置かれ、ダイアフラム１７から磁石システム８に向けて突出する。可動コイル１５は、突出部１９に接着剤接合によって取り付けられる。環状取り付け領域１８に追加して、ダイアフラム１７は、音響自由空間に対し凸状であり、取り付け領域１８の内側に配置される内側領域２０と、取り付け領域１８の外側に配置される外側領域２１とを有する。本実施例の場合、外側領域２１は、音響自由空間に対し凸状であり、取り付け領域１８に隣接する第１の外側領域部２２と、音響自由空間に対し凹状であり、第１の外側領域部２２と隣接する第２の外側領域部２３とから構成される。第２の外側領域部２３は、環状の平らな外周領域２４に隣接する。
【００１６】
ダイアフラム１７は、階段状の部分５の領域において外周領域２４によって、即ち、接着剤接合に支援されて変換器１の筐体２に取り付けられる。ダイアフラム１７の外周領域２４を筐体２に固定するには、変換器１は更に、取り付けリング２５を有する。従って、変換器１において、ダイアフラム１７は筐体２に支援されて取り付けられ、それにより、筐体２は同時にダイアフラムホルダを構成する。
【００１７】
ダイアフラム１７は、変換器１の変換器軸も形成するダイアフラム軸２６と平行な方向に振動することが可能であるように構成される。ダイアフラム１７を振動させるために、可動コイル１５は既に述べられたようにダイアフラム１７に取り付けられる。
【００１８】
磁石システム８と協働するよう適応される可動コイル１５は、コイルワイヤから巻かれる中空の円筒コイル体２７を有する。可動コイル１５は更に、図２には示されるが図１には示されない２つの接続リード線２８及び２９を有する。２つの接続リード線は、可動コイル１５がそれから形成されるコイルワイヤの端部によって形成される。２つの接続リード線２８及び２９はそれぞれ固定端子コネクタ３２又は３３に接続される自由端３０及び３１を有する。２つの端子コネクタ３２及び３３は、筐体２内に取り付けられる接触ピンによって形成される。しかし、２つの端子コネクタ３２及び３３は、線バネ又は板バネ状のコンタクトによって形成されることも可能である。２つの自由端３０及び３１のそれぞれの固定端子コネクタ３２及び３３への接続は、電気的及び機械的な性質のものであり、接続は、はんだ接続３４及び３５によって形成される。
【００１９】
図２から明らかなように、接続リード線２８及び２９は、２つの端子コネクタ３２及び３３の付近の領域において案内ピン３６及び３７周りに導かれる。２つの案内ピン３６及び３７は、可動コイル１５が振動する際に接続リード線２８及び２９に伝達される振動が、はんだ接続３４及び３５に直接作用することができないという利点を有する。
【００２０】
変換器１内の可動コイル１５の各接続リード線２８及び２９に対し保持要素３８又は３９が設けられることが有利である。２つの保持要素３８及び３９のそれぞれは、変換器１の固定部分に、本実施例の場合は、変換器１の筐体２に接続され、この為に筐体２は２つの取り付け突出部４０及び４１を有する。本実施例において、２つの保持要素３８及び３９は板状であり、取り付け突出部４０及び４１に固定されるべき取り付け部４２及び４３と、取り付け部４２及び４３から変換器軸２６に向けて突出し、その自由端においてリード線２８及び２９がそれぞれ接続される保持部４４及び４５とを有する。保持部４４及び４５と、接続リード線２８及び２９との間の接続は、２つの接着剤接合４６及び４７によって形成される。
【００２１】
２つの保持要素３８及び３９は、ダイアフラム軸２６について略平行な方向に弾力的に変形することが可能である。更に、２つの保持要素３８及び３９は、機械的な減衰を与えるよう構成される。これを達成するために、２つの保持要素３８及び３９はそれぞれ、図３に保持要素３８に対し示されるように、２つのプラスチック箔４８及び４９、且つ、２つのプラスチック箔４８及び４９との間に配置される接着層５０から構成されることが特に好適であることが分かっている。２つのプラスチック箔４８及び４９は、ポリカーボネート箔であることが好適である。接着層５０は、いわゆる非硬化形接着剤から構成され、その結果、比較的長い耐用年数に亘って弾性を維持し、且つ、保持要素３８及び３９の機械的な減衰動作を保証する。
【００２２】
尚、各接続リード線２８及び２９に対し２つ以上のこのような保持要素３８及び３９を設けることが可能である。しかし、保持要素３８及び３９は、筐体２が、保持要素を筐体から突出する弾性ストリップとして形成することが好適である場合には、筐体２から突出する弾性ストリップとして形成され得る。
【００２３】
上述されるように変換器１内に２つの保持要素３８及び３９を設けた結果、接続リード線２８及び２９を保持要素３８及び３９に接続することによって、比較的低い周波数及び比較的高い振幅での接続リード線２８及び２９の振動モードの発生が除外され、更に、比較的高い周波数で発生する可能性のある接続リード線２８及び２９の任意の振動モードが、接続リード線２８及び２９に対し、且つ、接続リード線２８及び２９の端子コネクタ３２及び３３への接合３４及び３５に対する良好な保護が共に達成され、接続リード線２８及び２９がダイアフラム１７に望ましくなく接触することが除外される程度にまで機械的に減衰されることが単純な方法で達成される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例に従う電気音響変換器を示す原寸より拡大された部分的な断面図である。
【図２】 図１の線ＩＩ−ＩＩについての図１に示す変換器を示す断面図である。
【図３】 図１及び２に示す変換器の保持要素を示す側面図である。

Claims (4)

1. ダイアフラムを保持するためのダイアフラムホルダによってその一部分が形成される固定部分と、
   磁石システムと、
   ダイアフラム軸について平行な方向に振動することが可能であるよう構成され、上記ダイアフラムホルダに接続される外周領域を有するダイアフラムと、
   上記磁石システムと協働するよう適応され、中空の円筒状のコイル体及び２つのリード線を有し、上記リード線はそれぞれ変換器の固定端子コンタクトに電気的及び機械的に接続される自由端を有する可動コイルとを含む電気音響変換器であって、
   少なくとも１つの保持要素が、上記可動コイルの上記接続リード線夫々に対して設けられ、
   各保持要素は、上記変換器の固定部分に接続され、
   各保持要素は、上記ダイアフラム軸について略平行な方向に弾力的に変形可能であるよう構成され、
   接続リード線は、各保持要素に接続され、
   各保持要素は、前記保持要素に接続されたリード線に対する機械的な減衰効果を与える構成を有する、電気音響変換器。
2. 各接続リード線に対し１つの保持要素のみが設けられる請求項１記載の電子音響変換器。
3. 各保持要素は、略板状であり、上記変換器の固定部分に固定されるべき取り付け部と、上記取り付け部から突出し、上記接続リード線の自由端が接続される保持部とを有する請求項２記載の電気音響変換器。
4. 各保持要素は、非硬化形接着剤からなる接着層によって互いに保持される２つのプラスチック箔から構成されることを特徴とする請求項３記載の電子音響変換器。

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