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JP4859861B2 - ポリオレフィン被覆鋼材 - Google Patents

ポリオレフィン被覆鋼材 Download PDF

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JP4859861B2 JP2008065438A JP2008065438A JP4859861B2 JP 4859861 B2 JP4859861 B2 JP 4859861B2 JP 2008065438 A JP2008065438 A JP 2008065438A JP 2008065438 A JP2008065438 A JP 2008065438A JP 4859861 B2 JP4859861 B2 JP 4859861B2
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Description

本発明はポリオレフィン被覆鋼材に関する。本発明は詳しくは、鋼材外面に、エポキシプライマー層、ポリオレフィン接着剤層、およびポリオレフィン層を順次積層して得られるポリオレフィン被覆鋼材に関する。
一般に鋼材は、周囲の環境に対する防食手段を講ずることなく、大気中、地中、海水中に暴露されると腐食する。そのため、石油、ガス、上下水道、電線ケーブル等の各種配管や鋼管杭、鋼矢板等の土木用建材では、鋼材外面をポリエチレンやポリプロピレン等で被覆したポリオレフィン被覆鋼材が用いられている。このようなポリオレフィン被覆鋼材は、高温接水環境、極低温環境などといった種々の環境下で使用されるようになりつつある。そのためより優れた防食性能の実現が強く求められている。
しかしながら鋼材の被覆に用いられるポリオレフィンは、その化学的安定性のために、鋼材との接着性に乏しい。そのため、ポリオレフィン被覆鋼材は一般に、鋼材とポリオレフィン被覆層との間に変性ポリオレフィンからなるポリオレフィン接着剤層を介在させることにより、ポリオレフィンの鋼材からの剥離を防止している。だが接着剤層を介在させたのみのポリオレフィン被覆鋼材は、地中や海中、海底等の湿潤・接水環境下で使用されると接着強度の低下を起こし、被覆層が鋼材から剥離する場合がある。また、電気防食を併用するような環境では、過防食電流によって被覆欠陥を起点にして被覆層が容易に剥離する(この現象を陰極剥離と称す)等の問題点がある。そのため、湿潤・接水環境下または電気防食が併用されるような環境下で使用されるポリオレフィン被覆鋼材は、鋼材にまずエポキシ系プライマーを塗布してその上に変性ポリオレフィン層とポリオレフィン層を順次積層することによって、長期にわたる優れた接着強度を付与されている。
このようなエポキシ系プライマーとしては、液体エポキシ、固形エポキシを有機溶剤で希釈したもの、粉体エポキシなどが一般に用いられている。近年、環境問題対策の見地から粉体エポキシへの移行が進んできている。鋼材外面にエポキシ系プライマー層/ポリオレフィン接着剤層/ポリオレフィン被覆層を施す被覆処理としては、ドイツ特許(DE−A)第1965802号明細書(特許文献1)、同第2257135号明細書(特許文献2)、同第2944809号明細書(特許文献3)および同第3230955号明細書(特許文献4)、英国特許(GB)第1542333号明細書(特許文献5)、欧州特許(EP−A)第57823号明細書(特許文献6)に記載されている。また、このような被覆処理に用いられるエポキシ系プライマーとして、エポキシ樹脂の硬化剤としてジシアンジアミドを用い、充填材に結晶または、無定形珪酸を配合したエポキシ系プライマーを適用することは公知である。
近年、エネルギー需要の増大による海底または極地の石油、天然ガス等の資源開発が活性化するに伴い、鋼構造物やラインパイプに被覆したポリオレフィン被覆の高温接水環境下または極低温環境下での長期耐久性が問題になりつつある。しかし、エポキシ系プライマーを用いた被覆鋼材は、熱水浸漬後の接着強度が低下するという欠点を有している。この欠点によって、熱水浸漬後にポリオレフィン層が容易に剥離してしまい、防食性が損なわれるという不具合がある。また耐陰極剥離性においても、60℃以上の高温で長期にわたり剥離を防止することは困難であった。更に、−30〜−45℃といった極低温環境でパイプラインの敷設工事等が行われると被覆鋼材と重機との接触や被覆鋼材同士のぶつかり合い等の衝撃により被覆に亀裂が生じ、ポリオレフィン層が鋼材から剥離して防食性が損なわれることがあった。
本出願の出願人らによる出願である特開2000−190422号公報(特許文献7)には、下地処理を施した鋼材の表面に、粉体エポキシプライマー層、ポリオレフィン接着剤層、およびポリオレフィン層を順次積層したポリオレフィン被覆鋼材であって、前記粉体エポキシプライマー層は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の混合物であって、その割合が重量比で97/3〜50/50である混合エポキシ樹脂成分、フェノール性硬化剤、イミダゾール系硬化促進剤および(または)イミダゾリン系硬化促進剤並びに、無機質充填材からなる粉体エポキシプライマー層であることを特徴とするポリオレフィン被覆鋼材、が記載されている。そしてこのポリオレフィン被覆鋼材は、耐熱水密着性、耐高温陰極剥離性および耐低温衝撃性に優れることが記載されている。しかしながら、近年における環境への関心の高まりおよびCO排出量削減の要請、さらには近年における原油高の影響などから、従来の硬化温度よりも低い温度によってプライマー層を硬化させた場合であっても防食性などの性能は従来と同等またはそれ以上であるポリオレフィン被覆鋼材の提供手段が求められるようになってきた。
特開2000−109728号公報(特許文献8)には、エポキシ当量が500乃至2,500g/eqのビスフェノールA及び/又はビスフェノールFの骨格を有するエポキシ樹脂(A)と、フェノール系硬化剤(B)を必須成分とする粉体塗料組成物が記載されている。しかしながらこの特許文献8には、本願のようにビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)およびビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)さらにo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)を用いた実施例は行われておらず、本願が所望するような耐衝撃性を保持するという性質を備えた塗膜を形成するには至っていない。
ドイツ特許(DE−A)第1965802号明細書 ドイツ特許第2257135号明細書 ドイツ特許第2944809号明細書 ドイツ特許第3230955号明細書 英国特許(GB)第1542333号明細書 欧州特許(EP−A)第57823号明細書 特開2000−190422号公報 特開2000−109728号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、鋼材外面に、エポキシプライマー層、ポリオレフィン接着剤層、およびポリオレフィン層を順次積層して得られる、耐冷熱サイクル性、高温下での被覆層強度、耐陰極剥離性および耐低温衝撃性に優れ、長期にわたり防食性を保持できる、ポリオレフィン被覆鋼材を提供することにある。
本発明は、
下地処理を施した鋼材の表面に;下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)を含む組成物から形成されたエポキシプライマー層;ポリオレフィン接着剤層;および、ポリオレフィン層;が順次積層された、ポリオレフィン被覆鋼材:
(イ)軟化点が75〜128℃でエポキシ当量が600〜2200g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)との混合物であって、
[(a)+(b)]/(c)の重量割合が95/5〜50/50であり、
(a)/(b)の重量割合が5/95〜95/5である、
混合エポキシ樹脂成分、
(ロ)平均フェノール水酸基当量が200〜800g/eqのフェノール性硬化剤であって、このフェノール性硬化剤のフェノール水酸基の量は、混合エポキシ樹脂成分(イ)のエポキシ基1当量に対して0.4〜0.9当量である、硬化剤成分、
(ハ)イミダゾール系硬化促進剤および/またはイミダゾリン系硬化促進剤であって、この硬化促進剤の量は、硬化剤成分(ロ)100重量部に対して0.1〜15.0重量部である、硬化促進剤成分、
(ニ)無機質充填材であって、この無機質充填材の量は、この混合エポキシ樹脂成分(イ)、硬化剤成分(ロ)および硬化促進剤成分(ハ)の合計量100重量部に対して10〜100重量部である、無機質充填材成分:
を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
上記鋼材の下地処理がクロメート処理であるのが好ましい。
本発明はさらに、ポリオレフィン被覆鋼材の製造に用いられるエポキシ粉体プライマー組成物であって、下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)を含む、エポキシ粉体プライマー組成物:
(イ)軟化点が75〜128℃でエポキシ当量が600〜2200g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)との混合物であって、
[(a)+(b)]/(c)の重量割合が95/5〜50/50であり、
(a)/(b)の重量割合が5/95〜95/5である、
混合エポキシ樹脂成分、
(ロ)平均フェノール水酸基当量が200〜800g/eqのフェノール性硬化剤であって、このフェノール性硬化剤のフェノール水酸基の量は、混合エポキシ樹脂成分(イ)のエポキシ基1当量に対して0.4〜0.9当量である、硬化剤成分、
(ハ)イミダゾール系硬化促進剤および/またはイミダゾリン系硬化促進剤であって、この硬化促進剤の量は、硬化剤成分(ロ)100重量部に対して0.1〜15.0重量部である、硬化促進剤成分、
(ニ)無機質充填材であって、この無機質充填材の量は、この混合エポキシ樹脂成分(イ)、硬化剤成分(ロ)および硬化促進剤成分(ハ)の合計量100重量部に対して10〜100重量部である、無機質充填材成分:
も提供する。
本発明のポリオレフィン被覆鋼材は、従来の硬化温度よりも低い温度でエポキシプライマー層を硬化させた場合であっても、優れた耐冷熱サイクル性、高温下での被覆層強度の維持、そして優れた耐衝撃性を有するという特徴を有している。本発明のポリレフィン被覆鋼材は、優れた耐温水密着性、耐陰極剥離性、耐低温衝撃性、耐冷熱サイクル性などを有しているため、高温接水環境下、極低温環境下といった過酷な条件下においても長期にわたって使用することができという利点がある。本発明のポリオレフィン被覆鋼材はさらに、被覆層形成時の硬化温度をより低く設定する場合であっても上述の優れた性能が確保されるため、上述の利点に加えてさらにエネルギーコストおよびCO排出量の削減をも可能とするという利点がある。
鋼材(1)など
本発明に使用する鋼材(1)とは、冷延鋼板、熱延鋼板、厚板鋼板等の鋼板、H形鋼、I形鋼、L形鋼等の形鋼、鋼矢板、棒鋼、鋼線、鋳鉄管、鋼管、鋼管矢板等である。これらの鋼材の表面に、ステンレス鋼やチタン、アルミニウム、ニッケル、銅等の金属あるいはそれらの合金を積層したクラッド鋼材等も使用できる。また、鋼材の表面にめっき処理を施しためっき鋼材等も使用できる。鋼材は、最初にブラスト処理や脱脂・酸洗処理等の除錆処理を施して使用する。
鋼材(1)は、エポキシプライマー層(3)を形成する前に、下地処理としてクロメート被膜(2)を形成させて使用すると、より優れた防食性が得られるため望ましい。クロメート処理剤は、例えば無水クロム酸の水溶液に有機質の還元剤等を添加して加熱し水溶液中の6価クロムの一部を3価クロムに部分還元した還元水溶液に、シリカの微粒子を添加・分散した混合物等を鋼材に塗布し、鋼材を加熱して焼き付けて用いる。クロメート被膜(2)は加熱・焼き付け後の全クロム付着量換算で20〜1000mg/mの厚みであると良好な結果が得られる。20mg/m未満では十分な防食効果が得られず、1000mg/mを超えると、クロメート被膜の凝集力が低下し、鋼材との密着力が低下するおそれがある。
エポキシプライマー層(3)
エポキシプライマー層(3)は、以下に詳述する混合エポキシ樹脂成分(イ)、フェノール性硬化剤成分(ロ)、硬化促進剤成分(ハ)、無機充填材成分(ニ)を必須成分とするエポキシ粉体プライマー組成物から形成される。
混合エポキシ樹脂成分(イ)
本発明においては、エポキシ粉体プライマー組成物の混合エポキシ樹脂成分(イ)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)およびo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)が含まれる。このような混合エポキシ樹脂成分(イ)を含むエポキシ粉体プライマー組成物を用いることによって、より低温で硬化させた場合であっても、耐熱安定性および鋼材への良好な密着性などに優れた被覆鋼材が得られることとなる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)としては、軟化点が75〜128℃であり、エポキシ当量が600〜2200g/eqの範囲であるものが望ましい。軟化点が75℃未満であるとエポキシ粉体プライマー組成物の貯蔵中に粉体粒子間で融着が起こりやすくなるおそれがある。一方、軟化点が128℃を超えると溶融粘度が高くなり、鋼材基材との濡れ性が悪くなり密着性が低下する(陰極剥離性、耐冷熱サイクル性が低下する)おそれがある。軟化点は好ましくは、90〜110℃である。また、エポキシ当量が600g/eq未満であると、一般に分子量が小さくなり、軟化温度が低くなるおそれがあり、その結果、粉体塗料の貯蔵安定性が悪化する場合がある。一方で2200g/eqを超えると、一般に分子量が大きくなり、軟化温度が高くなりすぎるおそれがあり、その結果、得られる塗膜の平滑性が損なわれる恐れがある。エポキシ当量は好ましくは、650〜1100g/eqである。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)としては、市販されているものを使用することができる。具体的には、例えばエポトートYD−014(エポキシ当量900〜1000g/eq、軟化点91〜102℃、東都化成社製)、エポトートYD−017(エポキシ当量1750〜2100g/eq、軟化点117〜127℃、東都化成社製)、エポトートYD−904(エポキシ当量900〜1000g/eq、軟化点96〜107℃、東都化成社製)、エポトートYD−907(エポキシ当量1300〜1700g/eq、軟化点117〜127℃、東都化成社製)、エピコート1003F(エポキシ当量700〜800g/eq、軟化点約96℃、ジャパンエポキシレジン社製)、エピコート1004F(エポキシ当量875〜975g/eq、軟化点約103℃、ジャパンエポキシレジン社製)、エピコート1005F(エポキシ当量950〜1050g/eq、軟化点約107℃、ジャパンエポキシレジン社製)、アラルダイドXAC5007(エポキシ当量600〜700g/eq、軟化点約90℃、日本チバガイギー社製)、アラルダイドGT7004(エポキシ当量730〜830g/eq、軟化点約100℃、日本チバガイギー社製)、アラルダイドGT7097(エポキシ当量1650〜2000g/eq、軟化点約120℃、日本チバガイギー社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
本発明においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)およびo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)と併せてビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)を用いることによって、低温硬化性および耐冷熱サイクル性が向上することとなる。なお重量平均分子量の測定は、ポリスチレンを標準とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法によって求めることができる。
またビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)の軟化点は80〜120℃であるのが好ましい。軟化点が80℃未満であるとエポキシ粉体プライマー組成物の貯蔵中に粉体粒子間で融着が起こりやすくなるおそれがある。一方、軟化点が120℃を超えると溶融粘度が高くなり、鋼材基材との濡れ性が悪くなり密着性が低下する(陰極剥離性、耐冷熱サイクル性が低下する)おそれがある。軟化点はより好ましくは、80〜100℃である。またビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)のエポキシ当量は800〜2500g/eqの範囲であるのが好ましい。エポキシ当量が800g/eq未満であると、一般に分子量が小さくなり、軟化温度が低くなるおそれがある。一方で2500g/eqを超えると、一般に分子量が大きくなり、軟化温度が高くなりすぎるおそれがある。エポキシ当量はより好ましくは、900〜1600g/eqである。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)としては、市販されているものを使用することができる。具体的には、例えばエポトート2004(エポキシ当量900〜1000g/eq、軟化点80〜90℃、東都化成社製)、エポトート2005RL(エポキシ当量1100〜1300g/eq、軟化点91〜96℃、東都化成社製)、jER4005P(エポキシ当量1050〜1250g/eq、ジャパンエポキシレジン社製)、jER4007P(エポキシ当量2100〜2450g/eq、ジャパンエポキシレジン社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
ところで特開平8−323288号公報の第0006、0007段落には、結晶性エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂が記載されている。しかしながら、粉体塗料組成物としてビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることによって、ブロッキング性が劣るという問題があった。粉体塗料組成物においてブロッキングが発生した場合は、得られる塗膜の肌荒れまたは艶引け、密着不良を引き起こす可能性がある。また塗装作業においても、塗装機での詰まりの発生などといった問題を引き起こす可能性がある。これに対して本発明においては、軟化点が75〜128℃でエポキシ当量が600〜2200g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)とを、[(a)+(b)]/(c)の重量割合が95/5〜50/50および(a)/(b)の重量割合が5/95〜95/5という範囲で用いることによって、このようなブロッキング性などの問題を伴うことなく、低温硬化性が向上するという効果、そしてこのように低温で硬化させた場合であっても、優れた耐冷熱サイクル性、高温下での被覆層強度の維持、そして優れた耐衝撃性が確保されることとなった。
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)の軟化点は60〜100℃であるのが好ましい。軟化点が60℃未満であるとエポキシ粉体プライマー組成物の貯蔵中に粉体粒子間で融着が起こりやすくなるおそれがある。一方、軟化点が100℃を超えると溶融粘度が高くなり、鋼材基材との濡れ性が悪くなり密着性が低下する(陰極剥離性および耐冷サイクル性が低下する)おそれがある。軟化点はより好ましくは、70〜90℃である。
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)としては特に限定されず市販されているものとしては以下のものが挙げられる。例えば、エポトートYDCN−702(エポキシ当量195〜220g/eq、軟化点約75℃、東都化成社製)、エポトートYDCN−704(エポキシ当量195〜220g/eq、軟化点約90℃、東都化成社製)等である。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明において、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)およびo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)の重量割合は、下記条件を満たすことを条件とする:
[(a)+(b)]/(c)の重量割合が95/5〜50/50であり、
(a)/(b)の重量割合が5/95〜95/5である。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)およびビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)に対して、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)の混合割合が5未満である場合は、十分な耐熱安定性を得ることができず、耐冷熱サイクル性が劣ることとなる。また、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)の混合割合が50を超える場合は、得られる硬化体の弾性率が高くなりすぎて耐低温衝撃性および耐冷熱サイクル性が低下する。
また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)に対して、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)の混合割合が5未満である場合は、低温硬化性、耐冷熱サイクル性が劣ることとなる。またビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)の混合割合が95を超える場合は、高温耐熱性などが劣ることとなる。
硬化剤成分(ロ)
硬化剤成分(ロ)としては、プライマー塗膜の耐低温衝撃性を改善するために可撓性に優れた一般式(A)(式中mは1〜4)で表させるフェノール性硬化剤を用いる。
Figure 0004859861
式中、mは、1〜4の整数を表す。上記mが1未満であると、以下に詳述するように、原料としてビスフェノールAを使用する場合には、存在することができず、mが4を超えると、合成時に反応が進みすぎて、合成が困難となるので、上記範囲に限定される。上記一般式(A)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)とビスフェノールAとの反応により得られるもの等を挙げることができる。上記硬化剤はフェノール性水酸基当量が200〜800g/eqである。200g/eq未満であるとエポキシ粉体プライマー組成物の軟化点が低下し、エポキシ粉体プライマー組成物の貯蔵中に粉体粒子間で融着が起こりやすくなり、貯蔵安定性が低下する。800g/eqを超えると反応性が低下し、陰極剥離性が低下する。
上記硬化剤としては、市販されているものを使用することができる。具体的には、例えば、TH−4100(フェノール性水酸基当量約725g/eq、軟化点約110℃、東都化成社製)、エピキュア171N(フェノール性水酸基当量200〜286g/eq、軟化点約80℃、ジャパンエポキシレジン社製)、エキピュア170(フェノール性水酸基当量286〜400g/eq、軟化点約90℃、ジャパンエポキシレジン社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
硬化剤成分の配合量は、混合エポキシ樹脂成分のエポキシ基1当量に対してフェノール性硬化剤のフェノール性水酸基を0.4〜0.9当量とする。フェノール性水酸基当量が0.4未満では硬化剤が少なすぎるためエポキシ樹脂の高分子化が不十分となり、エポキシ粉体プライマー組成物としての性能が発揮できない。また、0.9を超えると混合エポキシ樹脂のエポキシ基がほとんど反応し、エポキシ粉体プライマー組成物中の反応活性点が減少することにより、プライマー上に積層される熱可塑性接着剤とエポキシプライマー層との間の接着性が低下し、ピール強度が低下する。
硬化促進剤成分(ハ)
硬化促進剤成分(ハ)としては、下記一般式(B)および下記一般式(C)で表されるイミダゾール系硬化促進剤および(または)イミダゾリン系硬化促進剤を用いる。
Figure 0004859861
Figure 0004859861
式中、Rは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、または、フェニル基を表す。Rは、水素原子、または、メチル基を表す。上記炭素数1〜17のアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等を挙げることができる。上記イミダゾール系硬化促進剤としては特に限定されず、市販されているものを使用してもよい。具体的には、例えば、2MZ(2−メチルイミダゾール、四国化成工業社製)、2PZ(2−フェニルイミダゾール、四国化成工業社製)、C11Z(2−ウンデシルイミダゾール、四国化成工業社製)、C17Z(2−ヘプタデシルイミダゾール、四国化成工業社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記イミダゾリン系硬化促進剤としては特に限定されず、市販されているものを使用してもよい。具体的には、例えば、2MZL(2−メチルイミダゾリン、四国化成工業社製)、2E・4MZL(2−エチル−4−メチルイミダゾリン、四国化成工業社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
硬化促進剤の配合量は、硬化剤成分(ロ)の量に対して0.1〜15.0重量%配合する。0.1重量%未満では硬化が促進されず、15.0重量%を超えるとエポキシ粉体プライマー組成物の反応性が高くなりすぎ、常温域においてもブロッキングが発生しやすくなり、貯蔵安定性が不良となる。
無機充填材成分(ニ)
無機充填材成分(ニ)としては、無機質充填材を混合エポキシ樹脂成分(イ)、フェノール性硬化剤成分(ロ)および硬化促進剤成分(ハ)の合計量に対して10〜100重量%含有させる。無機質充填材は、形成されるエポキシプライマー層の応力緩和に寄与し、鋼材基材との密着性を向上させるとともに、腐食因子の遮断にも寄与することで耐陰極剥離性も向上させる。無機質充填材の量は10%未満では十分な効果が得られず100重量%を超えると、エポキシ粉体プライマー組成物の溶融粘度が高くなり鋼材基材との濡れ性が悪くなり、密着性が低下する(耐陰極剥離性、耐冷熱サイクル性が低下する)。上記無機質充填材としては、例えば、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ等の体質顔料;二酸化チタン、ベンガラ、カーボンブラック、酸化鉄等の着色無機顔料;リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等の防錆顔料;亜鉛粉、アルミニウム粉等の金属粉等を挙げることができる。
エポキシプライマー層の形成
上記の混合エポキシ樹脂成分(イ)、硬化剤成分(ロ)、硬化促進剤成分(ハ)および無機充填材成分(ニ)を含むエポキシ粉体プライマー組成物の調製は、これらの各成分をスーパーミキサーやヘンシェルミキサーなどを使用して予備的に混合を行った後、ニーダーやエクストルーダーなどの混練機に投入して溶融混練を行い、その後冷却して粗粉砕し、さらに微粉砕して所望の粒径に粉砕・分級を行うことによって、調製することができる。溶融混練の条件は、用いる原料成分によって適宜選択することができる。また、その粒径は、体積平均粒子径で5〜50μmであることが好ましい。これらの調整は、巨大粒子や微小粒子を除去し、粒度分布を調整するための分級により行うことができる。更に本発明に用いられるエポキシ粉体プライマー組成物は、用途に応じてレベリング剤、流動化助剤、脱気剤等の添加剤や助剤を含有してもよい。
鋼材へのエポキシ粉体プライマー組成物の塗布方法としては、静電塗装法、流動浸漬法など粉体分野で一般的に用いられる塗装方法が挙げられる。こうしてエポキシ粉体プライマー組成物を鋼材表面に付着させてから、鋼材を誘導加熱装置等で加熱して、エポキシ粉体プライマー組成物を溶融、硬化させることによって、エポキシプライマー層(3)を形成することができる。また、鋼材を予め加熱しておいて、そして加熱された鋼材表面にエポキシ粉体プライマー組成物を静電塗装法などによって付着させ、次いで溶融、硬化させることによって、エポキシプライマー層(3)を形成することもできる。
こうして形成されるエポキシプライマー層(3)は、膜厚が10〜500μmであるのが好ましい。膜厚が10μm未満では防食性が不十分となるおそれがあり、500μmを超えると耐低温衝撃性が低下するおそれがある。
ポリオレフィン接着剤層(4)およびポリオレフィン層(5)
ポリオレフィン接着剤層(4)としては、エポキシプライマー層(3)との接着性およびポリオレフィン層(5)との融着性が優れるものであれば何でもよいが、ポリオレフィンに無水マレイン酸をグラフト重合した無水マレイン酸変性ポリオレフィンを用いるとプライマー層との接着性が優れ好適である。ポリオレフィン接着剤層(4)は0.02〜1.0mmの厚みであると良好な結果が得られる。0.02mm以下ではプライマー層との接着強度が不十分である。また、1.0mmを超えると経済性の観点から好ましくない。ポリオレフィン接着剤層の形成方法としては、溶融した変性ポリオレフィンを押出機から押し出して被覆する溶融押出法が好適である。この場合、二層Tダイを用いてポリオレフィン接着剤が下層、ポリオレフィンが上層になるように二層一体で押し出して、ポリオレフィン接着剤層(4)とポリオレフィン層(5)を同時に形成させることもできる。
本発明に用いるポリオレフィン層(5)は、一般市販のポリエチレンやポリプロピレン等が使用できる。また、用途に応じてカーボンブラック、着色顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃材、帯電防止剤等を混合して用いることができる。ポリオレフィン層(5)は0.3mm以上の厚みであると十分な防食性が得られるため好ましい。ポリオレフィン層(5)の成型法は溶融押出法が好適である。
本発明のポリオレフィン被覆鋼材は、従来の硬化温度よりも低い温度でエポキシプライマー層を硬化させた場合であっても、優れた耐冷熱サイクル性、高温下での被覆層強度の維持、そして優れた耐衝撃性を有するという特徴を有している。そして本発明のポリオレフィン被覆鋼材は、高温接水環境下または厳寒環境下においても優れた防食性を発揮するという利点がある。詳しくは、本発明において、上記(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)成分を含むエポキシ粉体プライマー組成物を用いて、ポリオレフィン被覆鋼材のエポキシプライマー層を形成することによって、寒冷地使用のための極低温の耐冷熱サイクル性が著しく向上することとなった。
なお本発明のポリオレフィン被覆鋼材において、極低温の耐冷熱サイクル性が著しく向上した理由として、エポキシ粉体プライマー組成物に含まれる上記(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)成分において、混合エポキシ樹脂成分(イ)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)およびo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)の混合物を用い、そしてこれらの量を特定することによって、エポキシ粉体プライマー組成物の硬化時の流動性および硬化剤成分(ロ)との相溶性が向上し、これにより防食性が向上したと考えられる。そして本発明においてはさらに、被覆層形成時の硬化温度をより低く設定する場合であっても、このように防食性に優れたポリオレフィン被覆鋼材が得られるため、上述の利点に加えてさらにエネルギーコストおよびCO排出量の削減をも可能とするという利点がある。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、重量基準による。
実施例1
a)エポキシ粉体プライマー組成物の調製
表1のNo.1に示すように、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)(東都化成社製エポトートYD−014、エポキシ当量900〜1000g/eq、軟化点91〜102℃)70重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)(東都化成社製エポトート2004、エポキシ当量900〜1000g/eq、軟化点80〜90℃)20重量部、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成社製エポトートYDCN702、エポキシ当量195〜220g/eq、軟化点約75℃)10重量部、フェノール系硬化剤(ジャパンエポキシレジン社製エピキュア171N、フェノール性水酸基当量200〜286g/eq、軟化点約80℃)21重量部(エポキシ基1当量に対するフェノール性水酸基当量0.6)、2−メチルイミダゾール(2MZ)0.6重量部(硬化剤に対して3重量%)、硫酸バリウム 12重量部(エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の合計量100重量部に対して10重量部)を、スーパーミキサー(日本スピンドル社製)にて約3分間予備混合した。次いで、コニーダー(ブス社製)により約100℃の条件で溶融混練押し出しを行った。押し出された配合品を室温まで冷却・粗粉砕後、アトマイザー(不二パウダル社製)にて微粉砕し、平均粒径35μmのエポキシ粉体プライマー組成物を得た。
b)ポリエチレン被覆鋼管の製作
鋼管(SGP250A×5500mm長さ×6.6mm厚み)の外面をグリッドブラスト処理により除錆し、クロメート処理剤(水溶液中の全クロムに対する3価クロムの重量比が0.4、シリカの重量比が2.0、リン酸の重量比が1.0)を刷毛で塗布し乾燥した。クロメート被膜の全クロム付着量は500mg/mであった。クロメート処理した鋼管をスキューターニング式搬送装置に載せ、回転させながら管軸方向に搬送した。この鋼管を高周波誘導加熱装置で表面温度が160℃になるように加熱し、(a)で調製したエポキシ粉体プライマー組成物を静電粉体塗装機(GX3300、オノダ社製)および静電粉体ガン(GX107、オノダ社製)を用いて静電塗装し、エポキシプライマー層を形成した。形成されたエポキシプライマー層の厚みは硬化後で0.10mmであった。
変性ポリエチレン(エチレンの単独重合体を無水マレイン酸で変性した変性ポリエチレンで、変性ポリエチレン1gに対する無水マレイン酸の付加量が1×10-5モル)と低密度ポリエチレン(密度0.92、カーボンブラックを2.5重量%配合)を二層一体でTダイから押し出して、エポキシプライマー層が形成された鋼管表面に、らせん状に被覆した。変性ポリエチレン層の厚みは0.15mm、ポリエチレン層の厚みは2.5mmであった。被覆直後にシリコーンゴム製のロールを押し当てて被覆層を圧着し、ポリエチレン被覆層間を強固に融着させた後、外面から水冷を行い、ポリエチレン被覆鋼管を得た。
実施例2〜17
表1の実施例2〜17に示す組成のエポキシ粉体プライマー組成物を実施例1(a)と同じ要領で調製した。なお、表1に記載のエポキシ樹脂の配合量は重量割合であり、硬化剤の配合比はエポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量に対する硬化剤中のフェノール性水酸基当量であり、硬化促進剤の配合比は硬化剤100重量部に対する重量部(重量%)であり、無機質充填材の配合量はエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤の合計量100重量部に対する重量部(重量%)である。
そして実施例1(b)と同じ要領で、表1の実施例2〜17に記したエポキシ粉体プライマー組成物を用いたポリエチレン被覆鋼管を製作した。なお表1、2中の「C11Z」は、2−ウンデシルイミダゾール(四国化成工業社製)を示す。
比較例1〜15
表2の比較例1〜15に示す組成のエポキシ粉体プライマー組成物を実施例1(a)と同様に調製した。なお、比較例13〜15のジシアンジアミドの配合量は、混合エポキシ樹脂成分100重量部に対する重量%である。そして実施例1(b)と同じ要領で、表2の比較例1〜15に記したエポキシ粉体プライマー組成物を用いたポリエチレン被覆鋼管を製作した。
上記実施例および比較例によって得られたポリエチレン被覆鋼管を、下記に従って評価試験を行った。試験結果を表3にまとめて示す。
耐熱水密着性の評価
実施例および比較例で得られたポリエチレン被覆鋼管に、カッターナイフで鋼管素地に達する切り込み傷を円周方向に沿って10mm幅で入れた。被覆層の一部を剥離させてここを治具つかみ部とした。この部分を、引っ張り試験機の治具でつかみ、環境温度23℃、剥離角90度、剥離速度10mm/分で被覆層を鋼管から剥がし、初期90°ピール強度を測定した
次いで、実施例および比較例で得られた他のポリエチレン被覆鋼管を、80℃の熱水に100日間浸漬した。浸漬後、ポリエチレン被覆鋼管を取り出し、上記と同様の操作を行い、浸漬後90°ピール強度を測定した。
耐陰極剥離性の評価
実施例および比較例で得られたポリエチレン被覆鋼管被覆に、鋼管素地まで達する直径9mmのドリル穴をあけ、3%食塩水に浸漬し、60℃恒温下、−1.5V(対飽和カロメル電極)の電圧を30日間印加して陰極剥離試験を行った。試験終了後、被覆を除去し、初期穴端部から剥離先端までの距離(剥離距離)を測定した。
耐低温衝撃性の評価
実施例および比較例で得られたポリエチレン被覆鋼管に対して、ASTM G 14の規定に準拠して先端径15.875mmのポンチを用いた落錘衝撃試験を行った。試験は−45℃で行った。試験終了後、被覆の割れの有無を目視により判定した。
耐冷熱サイクル性の評価
実施例および比較例で得られたポリエチレン被覆鋼管を、「−60℃雰囲気×8時間 → 25℃温水浸漬×15時間 → 23℃(室温)雰囲気×1時間」を1サイクルとする冷熱サイクルを15サイクル行った。次いで、サイクル後のポリエチレン被覆鋼管の端面部の被覆の剥離の有無を目視により評価した。
下記表1〜2は、実施例1〜17および比較例1〜15の組成を示す。なお表1、2中の記載は、
・エポトートYD−014:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)、東都化成社製、エポキシ当量900〜1000g/eq、軟化点91〜102℃
・エポトート2004:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)、東都化成社製、エポキシ当量900〜1000g/eq、軟化点80〜90℃
・エポトートYDCN702:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)、東都化成社製、エポキシ当量195〜220g/eq、軟化点約75℃、
・エピキュア171N:硬化剤(ロ)、ジャパンエポキシレジン社製、フェノール性水酸基当量200〜286g/eq、軟化点約80℃、
・2MZ:2−メチルイミダゾール、四国化成工業社製、
・C11Z:2−ウンデシルイミダゾール、四国化成工業社製、
を意味する。
Figure 0004859861
Figure 0004859861
:比較例13〜15における硬化剤(ロ)の量は、混合エポキシ樹脂成分(イ)100重量部に対する重量%を示す。
Figure 0004859861
表3から明らかなように、本発明で規定する条件を全て満たす実施例は比較例に較べて、耐熱水密着力、耐陰極剥離性、耐低温衝撃性、耐冷熱サイクル性いずれも優れた特性を示している。
一方、混合エポキシ樹脂成分(イ)において(a)/(b)の重量割合が5/95〜95/5の範囲外である比較例1〜2は、耐冷熱サイクル性が劣るものであり、また比較例3〜4は耐熱水密着力および耐陰極剥離性が劣るものであった。
[(a)+(b)]/(c)の重量割合において(c)の重量が多い比較例5は、耐陰極剥離性、耐低温衝撃性、耐冷熱サイクル性が劣るものであり、(c)の重量が少ない比較例6は、耐冷熱サイクル性が劣るものであった。
また、比較例7〜15において、混合エポキシ樹脂成分(イ)、硬化剤成分(ロ)、硬化促進剤成分(ハ)および無機質充填材成分(ニ)の何れかの配合比率が本願発明の範囲から外れる場合において、本願発明の効果が得られなかったことが確認された。
なお、ポリオレフィン層として高密度ポリエチレンやポリプロピレンを用いた場合については示していないが、低密度ポリエチレンの場合と同様に良好な結果が得られたことを確認している。
本発明のポリオレフィン被覆鋼材は、優れた耐熱水密着性、耐陰極剥離性、耐低温衝撃性、耐冷熱サイクル性などを有しているため、高温接水環境下、極低温環境下といった過酷な条件下においても長期に渡って使用することができという利点がある。本発明のポリオレフィン被覆鋼材はさらに、被覆層形成時の硬化温度をより低く設定する場合であっても上述の優れた性能が確保されるため、上述の利点に加えてさらにエネルギーコストおよびCO排出量の削減をも可能とするという利点がある。
本発明のポリオレフィン被覆鋼材の概略断面図である。
符号の説明
1:鋼材、2:クロメート被膜、3:エポキシプライマー層、4:ポリオレフィン接着剤層、5:ポリオレフィン層。

Claims (3)

  1. 下地処理を施した鋼材の表面に;下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)を含む組成物から形成されたエポキシプライマー層;ポリオレフィン接着剤層;および、ポリオレフィン層;が順次積層された、ポリオレフィン被覆鋼材:
    (イ)軟化点が75〜128℃でエポキシ当量が600〜2200g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)との混合物であって、
    [(a)+(b)]/(c)の重量割合が95/5〜50/50であり、
    (a)/(b)の重量割合が5/95〜95/5である、
    混合エポキシ樹脂成分、
    (ロ)平均フェノール水酸基当量が200〜800g/eqのフェノール性硬化剤であって、該フェノール性硬化剤のフェノール水酸基の量は、混合エポキシ樹脂成分(イ)のエポキシ基1当量に対して0.4〜0.9当量である、硬化剤成分、
    (ハ)イミダゾール系硬化促進剤および/またはイミダゾリン系硬化促進剤であって、該硬化促進剤の量は、硬化剤成分(ロ)100重量部に対して0.1〜15.0重量部である、硬化促進剤成分、
    (ニ)無機質充填材であって、該無機質充填材の量は、該混合エポキシ樹脂成分(イ)、硬化剤成分(ロ)および硬化促進剤成分(ハ)の合計量100重量部に対して10〜100重量部である、無機質充填材成分。
  2. 前記鋼材の下地処理がクロメート処理である、請求項1記載のポリオレフィン被覆鋼材。
  3. ポリオレフィン被覆鋼材の製造に用いられるエポキシ粉体プライマー組成物であって、下記成分(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)を含む、エポキシ粉体プライマー組成物:
    (イ)軟化点が75〜128℃でエポキシ当量が600〜2200g/eqのビスフェノールA型エポキシ樹脂(a)と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(b)と、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(c)との混合物であって、
    [(a)+(b)]/(c)の重量割合が95/5〜50/50であり、
    (a)/(b)の重量割合が5/95〜95/5である、
    混合エポキシ樹脂成分、
    (ロ)平均フェノール水酸基当量が200〜800g/eqのフェノール性硬化剤であって、該フェノール性硬化剤のフェノール水酸基の量は、混合エポキシ樹脂成分(イ)のエポキシ基1当量に対して0.4〜0.9当量である、硬化剤成分、
    (ハ)イミダゾール系硬化促進剤および/またはイミダゾリン系硬化促進剤であって、該硬化促進剤の量は、硬化剤成分(ロ)100重量部に対して0.1〜15.0重量部である、硬化促進剤成分、
    (ニ)無機質充填材であって、該無機質充填材の量は、該混合エポキシ樹脂成分(イ)、硬化剤成分(ロ)および硬化促進剤成分(ハ)の合計量100重量部に対して10〜100重量部である、無機質充填材成分。
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