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JP4719972B2 - 充放電電流測定装置 - Google Patents

充放電電流測定装置 Download PDF

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JP4719972B2 JP2000375372A JP2000375372A JP4719972B2 JP 4719972 B2 JP4719972 B2 JP 4719972B2 JP 2000375372 A JP2000375372 A JP 2000375372A JP 2000375372 A JP2000375372 A JP 2000375372A JP 4719972 B2 JP4719972 B2 JP 4719972B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯用電子機器の電源として使用される二次電池の充電電流及び放電電流を測定する充放電電流測定装置に関し、特に携帯用電子機器の二次電池の残存容量を算出する際に使用される充放電電流測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯用電子機器の電源として使用される二次電池の残存容量を算出する電池残量表示装置には、従来から例えば特開平6−176798号公報(特許番号第2932872号)により開示されたものがある。図3は、この電池残量表示装置を示すブロック構成図である。
【0003】
二次電池101と直列に接続された電流検出抵抗102には、二次電池101の充放電電流が流れる。充放電電流検出手段103は、電流検出抵抗102の両端に発生する微少電圧を入力とする充電電流検出用の演算増幅器131と、放電電流検出用の演算増幅器132とから構成されている。電圧低下検出手段104は、放電の進行に伴う二次電池101の電圧低下を監視するものである。
【0004】
図示しない充電器が端子113に接続されると、電気量算出手段106では演算増幅器131より出力された充電電流値に所定時間を乗じて電気量を算出し、さらにこの電気量に充電電流の大きさと温度検出手段105より出力される温度情報とで決まる充電効率を乗じて最終的な充電電気量とし、これを電気量積算手段110へ信号出力する。充電完了検出手段107は、演算増幅器131より充電電流信号が入力されることで信号出力をリセットする。112はマイコンであり、電気量算出手段106、充電完了検出手段107、放電電気量積算手段108、容量記憶手段109および電気量積算手段110に相当する回路を構成している。
【0005】
図示しない携帯機器が端子113に接続されると、放電電気量積算手段108は所定時間毎に放電電気量の積算を行う。電気量積算手段110では、電気量算出手段106より信号出力される充電電気量を所定時間毎に加算するとともに、放電電気量を減算することで、容量記憶手段109の記憶値に対する割合に応じた容量残量値を決定する。表示手段111は、電気量積算手段110で決定された残量情報に基づいて容量残量を段階的に表示する。
【0006】
この従来装置では、電池の正確な最新容量を記憶することで、残量表示精度の高い電池残量表示装置を構成できる反面、充放電電流検出手段103において充電用と放電用の2つの演算増幅器131,132を用いているため、コスト面で問題があった。
【0007】
また、携帯用電子機器の電源では、二次電池の残存容量を知るために、通常、数mA程度から数A程度までの電流の測定が必要とされ、そのための電流検出抵抗102は、二次電池の効率を考慮して小さな抵抗値のもの、例えば数10[mΩ]程度の抵抗が使用される。したがって、検出抵抗の両端電圧は、100[μV]乃至100[mV](1:1000)となる。検出される電流の最小値が数ミリアンペア[mA]程度の場合には、検出アンプのゲインが仮に200倍であっても、その出力値は20[mV]程度の小さな値となる。すなわち、演算増幅器131,132に通常の汎用オペアンプを使用して、その電源を0[V]−Vdd[V]とした場合、出力電圧の範囲が電源電圧の範囲より狭くなるため、0[V]付近の測定値を正確に出力できない。そこで、二次電池の効率を考慮して、電源電圧範囲での出力を可能とするために、レールtoレールという特別なオペアンプを用いた場合には、コスト面での問題が生じる。
【0008】
さらに、電流積分方式での容量残量測定方法では、電流検出手段のオフセット電圧が測定電流値の誤差要因となる。そこで、オフセット電圧の小さい、高精度のオペアンプを用いる方法、電池パックの製造時に、オペアンプのオフセット電圧をゼロに調整しておく方法、或いはあらかじめオペアンプのオフセット電圧を測定して、マイコンにより測定電流値からオフセット電圧分を差し引く方法が考えられる。しかし、いずれの方法を採用した場合でも従来装置のコスト増を招くという問題があった。
【0009】
別の従来例として、安価な測定回路構成で二次電池の残存容量を精度よく測定評価する電力貯蔵用二次電池の充放電電流測定方法が知られている(特開平8−17478号公報)。図4は、この電池残量の測定回路を示すブロック構成図である。
【0010】
この方法は、充放電回路202から二次電池201に流れる充放電電流をシャント抵抗204で電圧値に変換している点では、前者のものと同様であるが、充放電切換装置203からの情報に基づいて極性反転回路206を動作させて、絶縁アンプ208に対して常に同極性の信号を入力するように構成されている点で異なる。電圧測定器209は絶縁アンプ208の出力値を増幅し、演算装置210は電圧測定器209の電圧測定値を電流絶対値に変換演算する。このとき、制御装置207の制御により、充電と放電との条件に応じて、電流絶対値が積算の正方向と負方向とに切り換えられる。
【0011】
積分装置211は演算装置210の出力側に接続され、この積分装置211により電流値が積算される。そして、あらかじめ満充電完了時点で二次電池201の定格容量値を設定しておけば、この積算により二次電池201の残存容量が求められる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この電力貯蔵用二次電池の充放電電流測定方法を携帯用電子機器の電源に応用すれば、二次電池の残存容量を測定する場合も検出アンプが一つで済むから、コストを低減できる利点がある。しかし、前者の従来技術と同様に、電流検出手段のオフセット電圧が測定電流値の誤差要因となるだけでなく、携帯用電子機器の電源効率を考慮した場合には、コスト増を回避することが容易ではないという問題があった。
【0013】
この発明の目的は、低コストで高精度の測定が可能な充放電電流測定装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、携帯用電子機器の電源として使用される二次電池の充電電流及び放電電流を測定する充放電電流測定装置が提供される。この充放電電流測定装置は、前記二次電池と直列接続され、その充放電電流を微少電圧信号に変換する電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗に生じる前記微少電圧信号の極性を前記二次電池が充電状態か放電状態かに応じて一定極性方向に切り換え可能であるとともに、前記電流検出抵抗を後段回路から切り離すことが可能な切換手段と、前記切換手段によって一定極性とされた前記微少電圧信号を所望するゲインに設定して増幅する演算増幅手段と、前記演算増幅手段のオフセット調整の際に前記演算増幅手段への入力を短絡するとともにグランドに落とすオフセット調整手段と、レベル調整信号が供給され、前記演算増幅手段の出力電圧レベルが前記レベル調整信号に応じて読み取り可能な電圧値になるよう、レベルシフト量を調整するレベルシフト量調整手段と、前記演算増幅手段の出力電圧をディジタル信号に変換するアナログディジタル変換手段と、前記演算増幅手段に設定されたゲインに応じて前記レベルシフト量調整手段へ供給される前記レベル調整信号に対応する大きさのレベルシフト量を記憶する記憶手段と、前記切換手段の極性切り換えおよび切り離し前記演算増幅手段でのゲイン設定、及び前記レベルシフト量調整手段での調整を指示する演算手段とから構成される。この充放電電流測定装置では、レベルシフト量の調整設定処理の後に、電流計測による残存容量演算実行すれば、携帯用電子機器の二次電池の充電電流及び放電電流が高精度で測定され、或いは二次電池の残存容量が高精度で算出できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、この発明の充放電電流測定装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
図において、1は、二次電池2と直列接続され、その充放電電流を微少電圧に変換する電流検出抵抗である。この電流検出抵抗1には、二次電池2が図示しない充電器或いは携帯用電子機器等の負荷と接続されたとき、充電電流或いは放電電流が図示の方向に流れる。
【0017】
3は入力極性反転回路であって、電流検出抵抗1の両端に発生する微少電圧信号を、充電状態か放電状態かによって、常に一定極性方向に切り換え、或いは電流検出抵抗1の両端に発生する微少電圧信号を後に続く演算増幅回路から切り離す切換手段を構成している。図の入力極性反転回路は充電状態を示している。
【0018】
5は演算増幅回路であって、オペアンプ6と、ゲイン切換回路7と、複数の抵抗器R1,R2から構成されている。ここで、R1で示す抵抗器の抵抗値をR1、R2で示す抵抗器の抵抗値をR2とする。この演算増幅回路5は入力極性反転回路3の第1出力端31、第2出力端32と接続され、いずれも抵抗器R1を介してそれぞれオペアンプ6の正負の入力端子に一定の極性方向とされた微少電圧信号が供給されている。また、オペアンプ6のゲインを切り換えるために、ゲイン切換回路7は抵抗器R1とスイッチ8の直列回路で構成されている。
【0019】
ここではゲイン切換回路7は、次に述べるように、20倍と220倍の二段階の切り換えであるが、三段階或いはそれ以上でもよい。
入力極性反転回路3は、具体的にはアナログスイッチで構成されるので、オン抵抗が存在し、演算増幅回路5のゲイン誤差の原因になる。このオン抵抗の影響を小さくするためには、演算増幅回路5のゲイン設定抵抗の抵抗値R1を大きくすればよい。しかし、集積回路化したときにはチップ面積やコストの面で制約を受けるので、例えば抵抗値R1は100[kΩ]に、抵抗値R2は1[MΩ]に設定される。
【0020】
ゲイン切換回路7は、低ゲインを選択する場合には、スイッチ8を開放状態に切り換えることで、次式(1)から、
(2・R2)/R1=20 …(1)
演算増幅回路5のゲインを20倍とすることができる。
【0021】
ゲイン切換回路7で高ゲインを選択する場合には、スイッチ8を短絡状態に切り換える。すると次式(2)から、
2・{1+1/(1/10)}・(R2/R1)=220 …(2)
演算増幅回路5のゲインは220倍となる。
【0022】
9は演算増幅回路5のオフセット調整回路であり、オフセット調整状態のときにそれぞれオペアンプ6の正負の入力端子をそれぞれ短絡し、かつグランドに落とす一対のスイッチから構成されている。
【0023】
10は、演算増幅回路5の出力電圧のレベルシフト量を調整できるレベルシフト量調整回路である。このレベルシフト量調整回路10には、第1の基準電位V1と後述するCPUからのレベル調整信号が供給されている。
【0024】
11は、演算増幅回路5の出力信号Voutをディジタル量に変換するアナログディジタル変換回路(以下、AD変換回路という。)である。このAD変換回路11には、第2の基準電位V2が供給されている。
【0025】
12はAD変換回路11の出力信号を取りこむCPUである。ここには、演算増幅回路5の所望のゲインに対するレベルシフト量調整回路10のレベルシフト量を記録しておく不揮発性メモリ13と、その他の必要なデータを一時保存するメモリ14とが接続されている。
【0026】
以上のように構成された充放電電流測定装置の動作について説明する。
まず、電流検出処理、或いは残存容量演算処理を実行する前に、最初の一回だけ以下のようにレベルシフト量の調整設定処理がなされる。
【0027】
レベルシフト量の調整設定処理では、入力極性反転回路3により、電流検出抵抗1の両端と演算増幅回路5の入力とを切り離して、オフセット調整回路9により演算増幅回路5の入力を短絡し、かつグランドに落とす。ゲイン切換回路7により演算増幅回路5を所望のゲインに設定し、そのときの演算増幅回路5の出力値が読み取り可能な電圧値になるように、レベルシフト量調整回路10により調整を行う。調整が完了した後、設定された演算増幅回路5のゲイン値に対する調整設定されたレベルシフト量の調整値を不揮発性メモリ13に記憶しておく。
【0028】
オフセット量計測処理では、CPU12は、入力極性反転回路3を切り換えて電流検出抵抗1の両端と演算増幅回路5の入力との接続を切り離すとともに、オフセット調整回路9を用いて演算増幅回路5の入力を短絡して、オペアンプ6の正負の入力端子をグランドに落とす。CPU12は、ゲイン切換回路7のスイッチ8により演算増幅回路5のゲインを所望の値に設定する。
【0029】
さらにCPU12は、設定したゲイン値に応じたレベルシフト量を不揮発性メモリ13から読み出し、レベルシフト量調整回路10を用いて読み出されたレベルシフト量を設定する。この状態で、AD変換回路11の出力をCPU12に読み込んで、その値をオフセット量としてメモリ14に記憶しておく。
【0030】
このようにして得られたオフセット量は、レベルシフト量調整回路10で設定したレベルシフト量と、演算増幅回路5で演算され、AD変換回路11で変換されたオフセット量とが加算された値となっている。したがって、次に述べる電流計測処理では、測定値からメモリ14に記憶されたオフセット量を減算することで、演算増幅回路5及びAD変換回路11での温度ドリフト成分を含んだオフセット量がキャンセルされる。このオフセット量計測処理は、次に述べる電流計測処理の間の適当なタイミングで実施される。
【0031】
電流計測処理では、CPU12は、充電状態か放電状態かに応じて入力極性反転回路3に極性反転信号を出力して切り換え、電流検出抵抗1の両端に発生する微少電圧信号を常に一定極性方向にする。また、CPU12は電流値の大きさに応じたゲイン切換信号によってゲイン切換回路7を制御して、演算増幅回路5のゲインの大きさを設定する。さらに、CPU12は、設定したゲイン値に応じたレベルシフト量を不揮発性メモリ13から読み出してレベル調整信号をレベルシフト量調整回路10に出力し、読み出されるレベルシフト量Vsiftを設定する。
【0032】
その後、CPU12はAD変換回路11からの出力信号を読み取り、その読み取り値からメモリ14に記憶されたオフセット量を減算し、減算結果を電流測定値とする。この電流計測処理は一定時間間隔で実施される。
【0033】
ところで、上述した充放電電流測定装置において、電流検出抵抗1は二次電池2の充放電経路に直列に配置され、充放電電流を微少電圧に変換するものである。携帯用電子機器では、このような電流検出抵抗1での発生電力はロスとなるため、その抵抗値Rcsは通常、数10[mΩ]程度の小さな値に設定される。また、演算増幅回路5のオペアンプ6は、汎用のオペアンプを用いて差動増幅回路が構成されており、その入力オフセット電圧は最大で±5[mV]程度である。二次電池2の残量を計測するための測定電流は数[mA]〜5,6[A]程度におよぶので、演算増幅回路5を構成するオペアンプ6には1:1000という広いダイナミックレンジが必要とされる。
【0034】
ここでは、演算増幅回路5のゲインを20倍に設定したときに、入力オフセット電圧は最大で±0.1[V]発生し、ゲインが220倍であれば、最大で±1.1[V]発生する。一方でオペアンプ6を駆動する電源は、IC化されることを想定した場合には単電源であって、その電圧値は3[V]を想定している。汎用のオペアンプを使用した場合に、その出力範囲は電源電圧より少し狭くなり、実際の出力オフセット電圧としては、ゲインが20倍のときに0.05[V]〜0.1[V]、ゲインが20倍のときに0.05[V]〜1.1[V]となる。すなわち、出力オフセット電圧が負の値をとろうとする場合は、測定そのものが不可能となる領域が生じる。
【0035】
そこで、レベルシフト量調整回路10では、レベル調整信号に応じて出力電圧Vsiftでレベルシフト量を決定している。すなわち、ゲインが20倍において、オペアンプ8のオフセット電圧の大きさにかかわらず、入力電圧がゼロのとき、演算増幅回路5の出力が約0.1[V]になるように、レベルシフト量を調整している。その場合に、出力オフセット電圧が−0.1[V]のとき、出力電圧Vsiftを0.2[V]とし、出力オフセット電圧が+0.1[V]のとき、出力電圧Vsiftを0[V]とする必要がある。したがって、レベルシフト量の出力電圧Vsift範囲は0[V]〜0.2[V]となる。
【0036】
つぎにゲインが220倍において、オペアンプ6のオフセット電圧の大きさにかかわらず、入力電圧がゼロのとき、演算増幅回路5の出力が約1.1[V]になるように、レベルシフト量を調整している。その場合に、出力オフセット電圧が−1.1[V]のとき、出力電圧Vsiftを2.2[V]とし、出力オフセット電圧が+1.1[V]のとき、出力電圧Vsiftを0[V]とする必要がある。したがって、レベルシフト量の出力電圧Vsift範囲は0[V]〜2.2[V]となる。
【0037】
このように、ここではゲインの大きさにかかわらずレベルシフト量調整回路10を共通して使用しているので、その出力電圧Vsift範囲は0[V]〜2.2[V]であればよい。
【0038】
つぎに、レベルシフト量調整回路10の具体的な構成について説明する。図2は、レベルシフト量調整回路の構成を示すブロック図である。
レベルシフト量調整回路は、3ビットの信号入力端子を備えたデコーダ16、基準電位(2.2[V])を8分割するための抵抗器R1〜R7、デコーダ16の8本の出力によりオンオフされるスイッチSW1〜SW8、及び出力アンプ17から構成されている。抵抗器R1〜R7は、CPU12からデコーダ16への3ビットの信号入力によって選択され、基準電位を8分割した電圧値として出力できる。
【0039】
ここで、レベルシフト量調整の目的が測定不可能な領域をなくすことであるため、設定分解能をそれほど高くする必要はない。なぜならば、測定系のオフセットのキャンセルは、オフセット量計測処理で測定されたオフセット量をプログラム上で減算すれば実現できるからである。
【0040】
図2のレベルシフト量調整回路は、0[V]〜2.2[V]の範囲を0.314[V]のきざみ幅で分圧して出力するものであり、ゲインを20倍とした場合に入力オフセット電圧がゼロであっても、レベルシフト量としては0.314[V]に設定するしかないが、後述するように、その場合でもダイナミックレンジは確保できる。
【0041】
つぎに、ゲインを切り換えて充放電電流を測定する場合に、ゲインを切り換える具体的な電流値の大きさについて考察する。
例えば電流検出抵抗1の抵抗値Rcsを20[mΩ]とし、検出電流値の幅を5[mA]〜5[A]とする。すると、検出すべき電流検出抵抗1の両端電圧は、100[μV]〜0.1[V]の変動幅を有することになる。そこで、検出電流値が小さいとき、すなわち検出電圧値が小さければ、演算増幅回路5のゲインを220倍とするが、反対に検出電流値が大きくなり、検出電圧値が大きいときは演算増幅回路5のゲインを20倍とする。
【0042】
いま、検出電流値が小さいとした場合に、オペアンプ6の入力オフセット電圧をVoffsetとすれば、演算増幅回路5の出力電圧Voutは、次の式(3)で表される。
【0043】
Vout=I・Rcs・220+Vsift−220・Voffset …(3)
ただし、Iは二次電池2の充放電電流、Vsiftはレベルシフト量調整回路10の出力電圧である。
【0044】
演算増幅回路5に設定すべきレベルシフト量Vsiftの値は、入力オフセット電圧Voffsetの大きさによって変り、(Vsift−220・Voffset)の値が凡そ1.1[V]になるように設定される。したがって、上の(3)式は以下の式(4)に書き換えられる。
【0045】
Vout=I・Rcs・220+約1.1 …(4)
オフセット量計測処理では、二次電池2の充放電電流Iはゼロであるから、Voutは約1.1[V]となる。そこでこの値を、AD変換回路11を介してCPU12からメモリ14に保存しておく。
【0046】
電流計測処理では、充放電電流Iの大きさに応じた電圧値VoutがCPU12に入力される。そこで、オフセット量計測処理で保存した約1.1[V]をメモリ14から取り出して減算処理することにより、電流測定値に相当する(4)式の第1項を求めることができる。
【0047】
ここで、検出可能な最小電流値(=5[mA])のとき、演算増幅回路5の出力電圧Voutは22[mV]+約1.1[V]となる。この出力電圧値VoutがAD変換回路11を介してCPU12に入力される。したがって、出力電圧Voutからメモリ14に保存されたオフセット電圧値(約1.1[V])を減算することで、実際の電流測定値に相当する22[mV]を求めることができる。
【0048】
なお、AD変換回路11は例えば10ビットの逐次比較型の回路を想定し、基準電圧を3[V]としている。したがって、1ビット当りの分解能は2.93[mV]であり、最小検出電流値に対してディジタル値としては7〜8ビットとなり、計測可能といえる。
【0049】
検出電流値が大きい場合には、測定できる最大電流値は次の不等式(5)から算出できる。
Vout=I・Rcs・220+約1.1<約2.8 …(5)
ここで、不等式(5)の右辺の値は、電源電圧が3[V]のときの、オペアンプ6の最大出力電圧値を表す。ここから、最大測定電流値は約380[mA]となる。このことは、充放電電流が5[mA]から380[mA]まではゲイン220倍で測定し、充放電電流が380[mA]以上になったときにゲインを20倍に切り換えて測定すればよいことがわかる。
【0050】
演算増幅回路5のゲインが20倍のとき、演算増幅回路5の出力電圧値Voutは、次の式(6)で表される。
Vout=I・Rcs・20+Vsift−20・Voffset …(6)
演算増幅回路5に設定すべきレベルシフト量Vsiftの値は、入力オフセット電圧Voffsetの大きさによって変り、(Vsift−20・Voffset)の値が凡そ0.1[V]になるように設定される。このようにレベルシフト量Vsiftの値を設定するのがダイナミックレンジを最良にするうえで好ましい。しかし、レベルシフト量調整回路10は、2つのゲインの間で共通に利用しており、しかもその出力のきざみ幅は0.314[V]である。そのため、(Vsift−20・Voffset)の値は、最大で0.364[V](=0.314+0.05)程度となる。このとき、式(6)は次の式(7)に書き換えられ、ダイナミックレンジは最悪になる。
【0051】
Vout=I・Rcs・20+約0.364 …(7)
また、測定可能な最大電流値は次の式(8)から求められる。
Vout=I・Rcs・20+約0.364<約2.8 …(8)
この式(8)から最大測定電流値は6.09[A]となり、仕様の5[A]以上である。最小測定電流値は、式(8)の第1項の値が誤差1%以内に収まるとした場合には、AD変換回路11の分解能(=2.93[mA]/bit)から計算できる。すなわち、
(2.93/2)/(I・Rcs・20)<1% …(9)
となるので、Rcsを20[mΩ]で計算すれば、I>370[mA]となる。したがって、電流値が370[mA]以下に減少した場合に、ゲインを20倍から220倍に切り換えればよい。なお、ここではゲイン切換時のヒステリシス幅は、(380−370)=10[mA]程度である。
【0052】
この発明の充放電電流測定装置では、さらに測定された充放電電流値に電流計測処理の起動時間間隔を乗算することで、電流計測処理毎に充放電電気量を求め、それらの差によって二次電池の残存容量を測定することも可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の充放電電流測定装置は入力極性反転手段を用いて、充電状態と放電状態のいずれであっても常に入力電圧信号を一定極性方向に切り換えて演算増幅手段に入力するようにしたため、電流検出用のオペアンプを一つだけにすることができ、コストを低減できる。
【0054】
また、レベルシフト量調整手段を用いて演算増幅手段の動作点をバイアスすることにより、汎用オペアンプのオフセット電圧が存在していても正確な充放電電流の測定が可能になる。また、電源電圧範囲での出力を可能とするレールtoレール出力のオペアンプを用いなくても正確な電流測定ができるので、装置のコストをさらに低減できる。
【0055】
さらに、この発明の充放電電流測定装置では、適宜にオペアンプのオフセット電圧やレベルシフト量を検出し、電流測定値から減算する構成であるため、汎用のオペアンプを用いて低コストで検出回路オフセットの温度ドリフトの影響を受けない高精度の測定が可能である。
【0056】
しかも、ゲインを切り換える電流値にヒステリシス特性を持たせたことにより、切り換えポイント近辺で電流を測定する場合でも、頻繁に切り替えが発生することを防止でき、プログラム処理時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】レベルシフト量調整手段の構成を示すブロック図である。
【図3】従来の電池残量表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】従来の充放電測定装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電流検出抵抗
2 二次電池
3 入力極性反転回路
5 演算増幅回路
6 オペアンプ
7 ゲイン切換回路
8 スイッチ
9 オフセット調整回路
10 レベルシフト量調整回路
11 アナログディジタル変換回路
12 CPU
13 不揮発性メモリ
14 メモリ

Claims (5)

  1. 携帯用電子機器の電源として使用される二次電池の充電電流及び放電電流を測定する充放電電流測定装置において、
    前記二次電池と直列接続され、その充放電電流を微少電圧信号に変換する電流検出抵抗と、
    前記電流検出抵抗に生じる前記微少電圧信号の極性を前記二次電池が充電状態か放電状態かに応じて一定極性方向に切り換え可能であるとともに、前記電流検出抵抗を後段回路から切り離すことが可能な切換手段と、
    前記切換手段によって一定極性とされた前記微少電圧信号を所望するゲインに設定して増幅する演算増幅手段と、
    前記演算増幅手段のオフセット調整の際に前記演算増幅手段への入力を短絡するとともにグランドに落とすオフセット調整手段と、
    レベル調整信号が供給され、前記演算増幅手段の出力電圧レベルが前記レベル調整信号に応じて読み取り可能な電圧値になるよう、レベルシフト量を調整するレベルシフト量調整手段と、
    前記演算増幅手段の出力電圧をディジタル信号に変換するアナログディジタル変換手段と、
    前記演算増幅手段に設定されたゲインに応じて前記レベルシフト量調整手段へ供給される前記レベル調整信号に対応する大きさのレベルシフト量を記憶する記憶手段と、
    前記切換手段の極性切り換えおよび切り離し前記演算増幅手段でのゲイン設定、及び前記レベルシフト量調整手段での調整を指示する演算手段と
    を備えたことを特徴とする充放電電流測定装置。
  2. 前記記憶手段が不揮発性メモリであることを特徴とする請求項1記載の充放電電流測定装置。
  3. 前記電流検出抵抗と前記演算増幅手段とを切り離した状態で、前記演算増幅手段の入力を短絡するとともにグランドに接続して、前記演算増幅手段をその出力電圧が読み取り可能な電圧値になるように前記レベルシフト量調整手段によってレベルシフト量を調整し、レベルシフト量の調整値を前記不揮発性メモリに保存することを特徴とする請求項2記載の充放電電流測定装置。
  4. 前記演算増幅手段は、ゲイン切換手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の充放電電流測定装置。
  5. 前記ゲイン切換手段は、ゲインを切り換える際の基準となる電流値の大きさにヒステリシスを持たせたことを特徴とする請求項4記載の充放電電流測定装置。
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