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JP4715841B2 - 高圧タンクのシール構造 - Google Patents

高圧タンクのシール構造 Download PDF

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Description

本発明は、高圧タンクの開口部に取付け部材を取り付けた構造に関し、例えば開口部を構成する口金と取付け部材を構成するバルブボデーとの間における高圧タンクのシール構造に関するものである。
水素ガスなどのガスを高圧で貯留する高圧タンクは、例えば燃料電池車両に搭載される。高圧タンクの口金は、高圧タンクの端部に設けたタンク本体の開口部に配置される(例えば特許文献1参照。)。そして、この種の口金の開口部には、バルブ等の配管要素を一体的に組み込んだバルブボデーがねじ込み接続される。高圧タンクのシール性を確保するべく、口金とタンク本体との間や、口金とバルブボデーとの間には、シール材が設けられている(例えば、特許文献1〜3参照。)。例えば特許文献1では、この種のシール性を高めるためのシール方式として、二つのOリングにより軸シールする二重シール構造を採用している。
特開2000−161590号公報(第3図) 特開2003−279000号公報(第2図〜第4図) 特開2002−349796号公報(第2図)
ところで、タンク内圧力が20MPa〜100MPaとなる高圧タンクでは、ガスの充填および放出時に、断熱圧縮および膨張により急激な温度変化が生じる。例えば、水素ガスの充填では急激な温度上昇を伴い、その放出では急激な温度低下を伴う。この温度変化(特に低温)によって、ゴムからなるシール材の弾性が低下し、シール性が低下する。この点について、上記特許文献は、二重シール構造とはしているものの、何ら考慮がされていなかった。また、上記各特許文献では、タンクのガス漏れ対策として、性質が等しいシール材を直列に複数設ける構成が提案されているが、更なる改善が望まれていた。
本発明は、シール性を適切に確保することができる高圧タンクのシール構造を提供することを目的としている。また、本発明の一態様では、広範囲な温度領域でシール性を適切に確保することができる高圧タンクのシール構造を提供することをその目的としている。
上記目的を達成するべく、本発明の高圧タンクのシール構造は、高圧タンクの開口部とこれに取り付けられた取付け部材との間における高圧タンクのシール構造であって、開口部を構成する開口縁部と取付け部材との間には、シール特性が互いに異なる複数のシール材が設けられているものである。
この構成によれば、例えばある温度環境化において、一つのシール材の弾性が低下しても、他のシール材の弾性は低下せずにシール性を発揮することができる。このように、複数のシール部材に互いに異なるシール特性をもたせることで、高圧タンクの開口部と取付け部材との間のシール性を適切に確保することができるようになる。
ここで、開口部および開口縁部は、口金により構成することができるし、取付け部材は、口金の開口部に取り付けられた機能部品により構成することができる。機能部品とは、バルブや継手のほか流体用の通路を構成する配管等の配管要素、または圧力センサや温度センサなどの検出要素を含む部品である。例えば、機能部品が、バルブ等の配管要素を一体的に組み込んだバルブボデーからなる場合には、口金とバルブボデーとの間のシール性を適切に確保することができる。
また、開口部および開口縁部は、高圧タンクの内殻または外殻により構成され、取付け部材は、内殻または外殻の開口部に取り付けられた口金またはバルブボデー等の機能部品により構成することができる。したがって、本発明のシール構造は、高圧タンクの内殻と口金との間や、高圧タンクの内殻とバルブボデーとの間や、高圧タンクの外殻と口金との間、および高圧タンクの外殻とバルブボデーとの間などにも適用することができる。
本発明の好ましい一態様では、複数のシール材は、温度特性が互いに異なる。
この構成によれば、充填及び放出に伴い温度変化を生じる高圧タンクを、広範囲な温度領域で確実性良くシールすることができる。
本発明の好ましい一態様では、複数のシール材には、耐低温特性を有する第1のシール材と、耐高温特性を有する第2のシール材と、が含まれる。
別の観点からすれば、本発明の好ましい一態様では、複数のシール材には、第1のシール材と第2のシール材とが含まれ、第1のシール材は、第1の温度では第2のシール材よりもリークが生じにくく、第2のシール材は、第1の温度よりも高い第2の温度では第1のシール材よりもリークが生じにくい。
このような構成によれば、高圧タンクの開口部と取付け部材との間のシール性は、高圧タンク内の温度が低下した場合には第1のシール材により確保され、高圧タンク内の温度が上昇した場合には第2のシール材により確保される。これにより、一方のシール材の弾性が低下する温度環境になったとしても、他方のシール材の弾性が有効に機能するため、開口部と取付け部材との間のシール性を広範囲な温度領域で適切に確保できる。
なお、ある温度でリークが生じにくいとは、第1の温度を一例に説明すると以下のとおりである。すなわち、第1の温度でリークが生じにくいとは、第1の温度になったときに第2のシール材よりも第1のシール材の方が弾性変形し易いことをいう。ただし、この条件は必ずしも十分条件ではなく、材料自体の透過性なども考慮すべき場合もある。
ここで、第1のシール材は、既存のガスケットやOリングを有効に活用することができ、例えばブチルゴムやシリコーンで形成されることが好ましい。同様に、第2のシール材は、既存のガスケットやOリングを有効に活用することができ、EPDMで形成されることが好ましい。これらの材料で各シール材を形成することで、上記の温度特性を好適に発揮し、リークを好適に抑制することができる。なお、より好ましいシール材の組合せは、第1のシール材がシリコーンであり、第2のシール材がEPDMである。
本発明の好ましい一態様では、第1のシール材は、高圧タンク内からみて第2のシール材よりも内側に位置している。
一般に、高圧タンクではガスの充填よりも放出の方が頻度は高いため、高圧タンク内の温度は、高温となる場合に比べて低温となる頻度が高い。上記構成のように、耐低温特性を有する第1のシール材を高圧タンク内からみて内側(上流側)に位置させることで、使用頻度の高い方に対応したシール性を適切に確保することができる。
上記とは異なり、別の観点からみれば、本発明の好ましい一態様では、第1のシール材は、高圧タンク内からみて第2のシール材よりも外側に位置していてもよい。
この構成によれば、仮に第2のシール材が機能しなくなったとしても、第1のシール材でシール性を確保することができる。
本発明の好ましい一態様では、第1のシール材と第2のシール材とは、ガス透過性が異なっており、第1のシール材および第2のシール材のうちガス透過性の高い方が、ガス透過性の低い方よりも高圧タンク内からみて外側に位置している。
別の観点からすれば、本発明の好ましい一態様では、複数のシール材には、ガス透過性が互いに異なる第1のシール材と第2のシール材とが含まれ、第1のシール材は、第2のシール材よりもガス透過性が高く、且つ高圧タンク内からみて第2のシール材よりも外側に位置していてもよい。
この構成によれば、第1のシール材と第2のシール材との間のガス溜りを防止することができる。また、ガス透過性の高い方を高圧タンク内からみて外側(下流側)に位置させることで、シールの信頼性を高めることができる。
ここで、上記したシリコーンとEPDMの組合せの場合には、比較的ガス透過性の低いEPDMからなる第2のシール材を、比較的ガス透過性の高いシリコーンからなる第1のシール材よりも、高圧タンク内からみて内側に位置させることが好ましい。逆に、ブチルゴムとEPDMの組合せの場合には、比較的ガス透過性の低いブチルゴムからなる第1のシール材を、比較的ガス透過性の高いEPDMからなる第2のシール材よりも、高圧タンク内からみて内側に位置させることが好ましい。
本発明の好ましい一態様では、第1のシール材と第2のシール材とは、高圧タンクの軸線方向に位置ずれして、開口縁部の内周面と取付け部材の外周面との間に設けられている。
この構成によれば、第1のシール材および第2のシール材はともに軸シールとして機能するため、端面シールとして機能する場合に比べてシールの信頼性を高めることができる。
本発明の好ましい一態様では、開口縁部の内周面および取付け部材の外周面の少なくとも一方には、第1のシール材および第2のシール材を個々に配置するための取付け溝が形成されている。
この構成によれば、二つのシール材が干渉しないため、シール性を好適に高めることができる。
別の観点からすれば、本発明の好ましい一態様では、開口縁部の内周面および取付け部材の外周面の少なくとも一方には、第1のシール材および第2のシール材をともに配置するための単一の取付け溝が形成されていてもよい。
この構成によれば、二つのシール材は干渉し得るが、これらのシールまわりのスペース効率の向上および軽量化を図ることができる。
本発明の好ましい一態様では、取付け溝には、バックアップリングが更に配置されている。
この構成によれば、バックアップリングを併用するため、高圧時のシール性をより一層高めることができる。
また、上記したように、本発明の一態様において、開口部および開口縁部が口金により構成され、取付け部材がバルブボデーからなる場合には、以下のような構成を採用することが好ましい。
すなわち、バルブボデーは、開口縁部に螺合されるねじ部を有し、複数のシール材は、ねじ部の軸線方向の両側に位置していることが好ましい。
上記のとおり、高圧タンク及びバルブボデーでは、充填及び放出に伴い温度変化を生じるが、このとき、バルブボデーはその軸線方向において不均一な温度分布となる場合がある。上記構成とすることで、仮にシール材をねじ部の一端側に集中配置する場合と比べて、バルブボデーの温度分布の影響を好適に回避し得る。これにより、締結力とシール性を両立することができる。
この場合、バルブボデーは、その軸線方向視で径が異なる複数の箇所を有し、複数のシール材は、バルブボデーの径に対応して形成されており、高圧タンク内からみてねじ部よりも外側のシール材は、ねじ部よりも内側のシール材と比較して、径が大きいことが、好ましい。
以上説明した本発明の高圧タンクのシール構造によれば、シール性を適切に確保することができる。
図1は、第1実施形態に係る高圧タンクの構成を示す断面図である。
図2は、第1実施形態に係る口金およびバルブボデーまわりのシール構造を示す要部拡大図である。
図3は、第2実施形態に係る口金およびバルブボデーまわりのシール構造を示す要部拡大図である。
図4は、第3実施形態に係る口金およびバルブボデーまわりのシール構造を示す要部拡大図である。
図5は、第4実施形態に係る高圧タンクの構成を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る高圧タンクのシール構造について説明する。このシール構造は、高圧タンクの開口部とこれに取り付けた取付け部材との間を二重シール構造としたものであるが、その際、二つのシール部材について、異なる温度特性を有するもので構成したものである。以下の第1実施形態から第4実施形態では、高圧タンクの開口部として口金の開口部を例に、また取付け部材の例としてバルブボデーを例に説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、高圧タンク1は、全体として密閉円筒状のタンク本体2と、タンク本体2の長手方向の一端部に設けられた口金3と、口金3に取り付けられたバルブボデー4と、を具備している。タンク本体2の内部は、天然ガスや水素ガスなど各種のガスを高圧で貯留する貯留空間6となっている。高圧タンク1を燃料電池システムに適用した場合には、例えば35MPaあるいは70MPaの水素ガス、または20MPaのCNGガス(圧縮天然ガス)が貯留空間6の内部に貯留される。なお、本発明の高圧タンク1は、ガスタンクのみならず、液体水素タンクやMH(水素吸蔵合金)タンクにも適用することができる。
タンク本体2は、ガスバリア性を有する内側のライナー20(内殻)と、ライナー20の外側を覆うFRPからなるシェル22(外殻)と、の二層構造で構成されている。ライナー20は、例えば高密度ポリエチレンなどの樹脂で構成される。このように、タンク本体2を樹脂製とすることもできるが、もちろんタンク本体2をアルミニウム合金など金属製として構成してもよい。またあるいは、ライナー20をアルミニウム等の金属製とし、シェル22を樹脂製としてもよい。口金3は、例えばステンレスなどの金属で形成され、タンク本体2の半球面状をした端壁部の中心に設けられている。
バルブボデー4(取付け部材)は、例えばステンレスなどの金属で形成されている。バルブボデー4は、口金3の開口部30にねじ込み接続されることで、開口部30に取り付けられている。本実施形態のバルブボデー4は、バルブや継手等の配管要素を一体的に組み込んだバルブアッセンブリとして構成されている。バルブアッセンブリを構成するバルブは、例えば、元弁となるシャットバルブと、シャットバルブに直列に配置されたレギュレータと、により構成される。
なお、バルブボデー4は、この種のバルブやガス流路のほか、圧力センサや温度センサを有してもよい。また、口金3にねじ込み接続される機能部品は、バルブボデー4に限らず、単一のバルブや継手などの配管要素、ガス流路を構成する配管、圧力センサや温度センサなどの検出要素などであってもよい。
バルブボデー4は、タンク本体2内に位置する円筒部40(軸心部)と、タンク本体2外に位置する露出部42と、によりタンク本体2の内外に亘るように構成されている。円筒部40および露出部42には、上記のバルブのほか、貯留空間6と外部のガスラインと接続する図示省略のガス流路が形成されている。
貯留空間6のガスは、バルブボデー4のガス流路やバルブを経て外部のガス供給ラインへと放出(供給)されるが、例えばガスが水素ガスである場合には、タンク本体2内の温度は低下する。なお、タンク本体2内は、35MPaよりも70MPaの水素ガスの方が、低い温度まで低下する。一方、貯留空間6へのガスの充填は、外部のガス充填ラインからバルブボデー4のガス流路やバルブを経ることで行われるが、例えばガスが水素ガスである場合には、タンク本体2内の温度は上昇する。
露出部42の環状の下端面44は、口金3のタンク本体2外に延出されたフランジ部32の上端面34に着座している。円筒部40は、露出部42側の外周面46におねじ48が形成されており、これに対応して口金3には、その開口部30の内周面36にめねじ38が形成されている。円筒部40は、このねじ部分を介して口金3の開口部30にスレートねじ接続されている。円筒部40は、そのおねじ48の奥側(露出部42とは反対側)の位置で、口金3との間をシール手段50により気密にシールされている。
図2に示すように、シール手段50は、口金3とバルブボデー4との間を軸シールする二つのOリング51,52を有している。二つのOリング51,52は、バルブボデー4の円筒部40の外周面46と口金3の開口部30の内周面36(開口縁部)との間に設けられている。
二つのOリング51,52は、バルブボデー4の中心線方向に位置ずれしている。詳細には、第1のOリング51は、高圧タンク1内からみて内側(上流側、一次側)にあり、第2のOリング52は、高圧タンク1内からみて外側(露出部42側、下流側、二次側)にある。二つのOリング51,52は、所定のつぶし代を有し、円筒部40の外周面46に設けた二つの環状の取付け溝54,55にそれぞれ装着されている。なお、二つの取付け溝54,55を口金3の開口部30の内周面36に形成してもよい。
通常、高圧タンク1内からのガスのリークには、シール手段50とバルブボデー4又は口金3との密着部分から透過するガス量と、シール手段50たるシール材を厚み方向に透過するガス量と、の二種類の透過量が考えられる。それゆえ、二つのOリング51,52の材料を選定するにあたっては、二種類のガス透過量の総量を考慮することが望ましい。また、上記したとおり、高圧タンク1内の温度は変動することから、二つのOリング51,52の温度特性が互いに異なるような材料を選定することが望ましい。
本実施形態では、二つのOリング51,52は、温度特性やガスの透過性など、互いに異なるシール特性(性状)を有している。具体的には、第1のOリング51は、第2のOリング52に比べて、低温特性(耐寒性)に優れた材料で形成されている共に、ガス透過性の低い材料で形成されている。例えば、第1のOリング51は、IIR(ブチルゴム)で形成され、耐低温特性(良低温特性)および耐ガス透過性(ガス不透過特性)を有している。例えば、第2のOリング52は、EPDM(エチレン・プロピレンゴム)で形成され、耐高温特性(良高温特性)および耐候性を有している。
ここで、第1のOリング51の「耐低温特性」とは、例えばガス放出(水素ガスの放出)に伴い低下したタンク本体2内の温度に対して、第1のOリング51の弾性が低下しない又は抑制されることを意味する。同様に、第2のOリング52の「耐高温特性」とは、例えばガス充填(水素ガスの充填)に伴い上昇したタンク本体2内の温度に対して、第2のOリング52の弾性が低下しない又は抑制されることを意味する。また、これら二つのOリング51,52は、ガス放出およびガス充填のいずれでもない高圧タンク1の待機時、すなわちタンク本体2内が常温である場合には、弾性が低下しない温度特性を有している。
このように、高圧タンク1内の温度変化を考慮し、第1の温度では第2のOリング52よりもリークが生じにくい特性の第1のOリング51と、第1の温度よりも高い第2の温度では第1のOリング51よりもリークが生じにくい第2のOリング52と、の両者を併用して密閉することで、高圧タンク1からのガスのリークを効果的に抑制できる。
図中の符号57および58は、第1のOリング51が装着された取付け溝54に互いに隣接して配置された二つのバックアップリングを示している。二つのバックアップリング57,58は第1のOリング51の下流側(低圧側)に配置され、一方のバックアップリング57は第1のOリング51に隣接している。なお、第1のOリング51の片側のみならず、両側にも一つまたは二つのバックアップリングを配置してもよい。また、第2のOリング52の取付け溝55にも、バックアップリングを配置してもよい。
以上のように、本実施形態の高圧タンク1のシール構造によれば、口金3とバルブボデー4との間に介在させたシール手段50が、温度特性の異なる二つのOリング51,52により構成されている。このため、一方のOリング(51または52)の弾性が低下するような温度環境になった場合にも、他方のOリング(52または51)の弾性が確保されることになる。
これにより、高圧タンク1内の温度が上昇した場合も低下した場合も、二つのOリング51,52のいずれか一方によって、口金3とバルブボデー4との間を気密にシールしておくことができる。したがって、既存のOリングを有効に活用して、口金3とバルブボデー4との間のシール性を広範囲な温度領域で適切に確保することができる。
また、高圧タンク1を例えば燃料電池車両に適用した場合には、水素ガスの充填に比べ、水素ガスの放出の方が頻度は高い。つまり、高圧タンク1内は、高温となる場合に比べて低温となる場合の頻度が高いことになる。上記のように、耐低温特性を有する第1のOリング51を高圧タンク1内からみて内側に設けたため、使用頻度の高い方に対応したシール性を適切に確保することができる。
また、二つのOリング51,52のガス透過性が異なり、ガス透過性の高い第2のOリング52を第1のOリング51よりも高圧タンク1内からみて外側に設けている。このため、Oリング間(51,52間)のガス溜りを適切に防止することができる。
なお、シール手段50を二つのOリング51,52で構成したが、もちろんリップパッキンやガスケットなどで構成してもよい。また、二つのOリング51,52を両方とも軸シールとして用いたが、もちろん端面シールを併用してもよい。例えば、第2のOリング52で、バルブボデー4の露出部42の下端面44と口金3のフランジ部32の上端面34との間を気密にシールしてもよい。この場合には、Oリングではなくガスケットを用いてもよい。
また、シール手段50は、温度特性の異なる三つ以上のシール材を具備してもよい。さらに、第1のOリング51と第2のOリング52との配置を逆にしてもよく、耐高温特性を有する第2のOリング52を高圧タンク1内からみて内側に設けてもよい。また、バックアップリング57,58を併用しない構造とすることができる。
[第2実施形態]
次に、図3を参照して、第2実施形態にかかる高圧タンク1のシール構造について説明する。第1実施形態との相違点は、シール手段50の二つのOリング51,52を共通の取付け溝61に配置した点である。共通の取付け溝61には、高圧タンク1の上流側からみて順に、上記の性状の第1のOリング51、第2のOリング52、および二つのバックアップリング57,58が隣接して配置されている。
本実施形態によれば、シール性を広範囲な温度領域で適切に確保することができるなど、上記同様の作用・効果を奏することができる。加えて、これらのシールまわりのスペース効率の向上および軽量化を図ることができる。なお、上記同様に、第1のOリング51および第2のOリング52の配置順序は逆であってもよいし、二以上のOリング(シール材)を用いてもよい。さらに、バックアップリング57,58は、これらシール材の両側に設けてもよい。
[第3実施形態]
次に、図4を参照して、第3実施形態にかかる高圧タンク1のシール構造について説明する。第1実施形態との主な相違点は、シール手段50の二つのOリング51,52を形成する材質を代えたことである。
先ず、材質を代えた理由を説明する。
上記したように、二つのOリング51、52の材質の組合せは、高圧タンク1内の温度変化を考慮して選定することが好ましく、その際、高圧タンク1内に充填するガスの種類や圧力によって選定することが好ましい。上記した第1実施形態の組合せ、すなわち第1のOリング51をIIRで形成し、第2のOリング52をEPDMで形成する組合せは、35MPaの水素ガスを充填する場合には有効である。しかしながら、70MPaの水素ガスを充填する場合には、35Mpaの場合よりもガス放出時の低温に耐えられる必要があり、IIRよりも低温特性に優れた材質のOリングを用いることが好ましい。
そこで、本実施形態では、耐低温特性の第1のOリング51を、IIRよりも低温特性に優れたシリコーンで形成し、耐高温特性の第2のOリング52を、EPDMで形成している。シリコーンからなる第1のOリング51は、IIRやEPDMが弾性を失うような例えば−50℃以下の温度環境下でも、弾性が低下せず、密着力を確保することができる。
もっとも、シリコーンからなるOリング51は、EPDMからなるOリング52に比べて、水素ガスのガス透過性が高いので、シール性が懸念されるとも考えられる。しかしながら、上記のとおり、高圧タンク1内からのガスのリークを考慮する場合、Oリング51,52とバルブボデー4等との密着性と、Oリング51,52自体の材料透過性と、の両者を考慮する必要がある。このため、水素透過全体で考えた場合に、EPDMが弾性を失うような−50℃以下の温度環境下では、シリコーンのOリング51は、EPDMのOリング52よりもシール性が高くなるので、ガスのリークを適切に抑制することができる。
次に、二つのOリング51,52の配置について述べる。
本実施形態では、第1のOリング51が高圧タンク1内からみて第2のOリング52よりも外側に配置されている。このように、第2のOリング52に比べて材料自体のガス透過性の高い第1のOリング51を、第2のOリング52よりも外側に(二次側に)設けることで、Oリング間(51,52間)のガス溜りを適切に防止することができる。なお、取付け溝54,55のそれぞれには、二つのバックアップリング57,58を隣接して配置しているが、バックアップリングの個数及び配置態様はこれに限るものではない。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態よりも広範囲な温度領域、特に低温の領域で適切にシール性を確保することができる。なお、第1実施形態で説明した変形例は、本実施形態においても適宜適用することができる。
[第4実施形態]
次に、図5を参照して、第4実施形態にかかる高圧タンク1のシール構造について説明する。第1実施形態との主な相違点は、バルブボデー4の径を代えたことと、シール手段50たるOリング51,52の配置位置を代えたことである。
バルブボデー4は、その軸線方向視で径が異なる複数の箇所を有している。具体的には、バルブボデー4の円筒部40は、おねじ48が形成されたねじ部と、おねじ48よりもタンク本体2内側に位置する小径部101と、おねじ48よりもタンク本体2外側に位置する太径部102と、を有している。おねじ48の有効径は、小径部101の外径D1よりも大きく、且つ、太径部102の外径D2よりも小さく設定されている。
二つのOリング51,52は、それぞれIIR及びEPDMからなり、おねじ48の軸線方向の両側に配置されている。具体的には、第1のOリング51は、小径部101に形成された取付け溝54に、バックアップリング111ともに装着されている。一方、第2のOリング52は、大径部102に形成された取付け溝55に、バックアップリング112とともに装着されている。上記のとおり、小径部101の外径D1が大径部102の外径D2よりも小さいので、第1のOリング51は第2のOリング52よりも径が小さくなっている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記のとおり、高圧タンク1及びバルブボデー4では、水素ガスの充填及び放出に伴い温度変化を生じる。このとき、バルブボデー4はその軸線方向において不均一な温度分布となる場合がある。本実施形態のように、二つのOリング51,52をバルブボデー4の軸線方向に離間して配置することで、これらをおねじ48の一端側に集中配置する場合に比べて、バルブボデー4の温度分布の影響を好適に回避することができる。これにより、おねじ48による締結性と二つのOリング51,52によるシール性を両立することができる。
また、バルブボデー4の軸線方向の径を上記のように設定しているため、Oリング51,52が装着されたバルブボデー4が口金3にねじ込み接続される際に、Oリング51がめねじ38に摺動することを抑制できる。これにより、Oリング51の耐久性を高めることができる。さらに、外側のOリング52のガス透過性は内側のOリング51のそれよりも高いので、低温・低圧時にめねじ38とおねじ48との間のガス黙りを好適に抑制することができる。
なお、本実施形態においても、第3実施形態で説明した二つのOリング51,52の材質を適用できる。すなわち、小径部101側のOリングをEPDMを形成し、大径部102側のOリングをシリコーンで形成することができる。
[他の実施形態]
上記の各実施形態では、高圧タンク1のシール構造について、口金3とバルブボデー4との間にシール材(第1のOリング51や、第2のOリング52)を配置した例について説明したが、もちろんこのシール構造(シール手段50)は、高圧タンク1の他の部分にも適用することができる。
例えば図1及び図5に示すように、ライナー20の開口部70とこれに取り付けられた口金3(取付け部材)との間に適用した場合には、開口部70の内周面(開口縁部)と口金4の外周面との間に、軸シールする二つのシール材81,82が設けられる。一方のシール材81は例えばOリング51と同様の性状(例えばIIRなどの材質)で、他方のシール材82は例えばOリング52と同様の性状(例えばEPDMなどの材質)で構成すればよい。あるいは、第3実施形態のようにシール材81をEPDMで形成し、シール材82をシリコーンで形成してもよい。開口部70は、主としてライナー20の強度を確保する返し部71の内周側に構成される。
また、タンク本体2や口金3が他の構造からなる場合や、これに関連してバルブボデー4などの機能部品が他の構造からなる場合には、本発明のシール手段50は、図示省略した他の部分にも適用することができる。例えば、ライナー20の開口部にバルブボデー4が嵌め込まれるように取り付けられた場合には、その開口部の開口縁部とバルブボデー4の外周面との間にシール手段50を設けてもよい。また、シェル22の開口部に口金3が嵌め込まれるように取り付けられた場合には、その開口部の開口縁部と口金3の外周面との間にシール手段50を設けてもよい。さらに、シェル22の開口部にバルブボデー4が嵌め込まれるように取り付けられた場合には、その開口部の開口縁部とバルブボデー4の外周面との間にシール手段50を設けてもよい。

Claims (10)

  1. 高圧タンクの開口部とこれに取り付けられた取付け部材との間における高圧タンクのシール構造であって、
    前記開口部を構成する開口縁部と前記取付け部材との間には、前記高圧タンクの軸線方向に位置ずれして、それぞれが弾性を有する第1のシール材及び第2のシール材が設けられ、
    前記第1のシール材は、第1の温度では前記第2のシール材よりもリークが生じにくく、
    前記第2のシール材は、前記第1の温度よりも高い第2の温度では前記第1のシール材よりもリークが生じにくく、
    前記第1のシール材と前記第2のシール材とは、材料自体のガス透過性が異なっており、
    前記第1のシール材および前記第2のシール材のうちガス透過性の高い方が、ガス透過性の低い方よりも前記高圧タンク内からみて外側に位置している、高圧タンクのシール構造。
  2. 前記第1のシール材は、耐低温特性を有し、
    前記第2のシール材は、耐高温特性を有する、請求項1に記載の高圧タンクのシール構造。
  3. 前記第1のシール材と前記第2のシール材とは、前記開口縁部の内周面と前記取付け部材の外周面との間に設けられている請求項1又は2に記載の高圧タンクのシール構造。
  4. 前記開口縁部の内周面および前記取付け部材の外周面の少なくとも一方には、前記第1のシール材および前記第2のシール材を個々に配置するための取付け溝が形成されている請求項に記載の高圧タンクのシール構造。
  5. 前記開口縁部の内周面および前記取付け部材の外周面の少なくとも一方には、前記第1のシール材および前記第2のシール材をともに配置するための単一の取付け溝が形成されている請求項に記載の高圧タンクのシール構造。
  6. 前記取付け溝には、バックアップリングが更に配置されている請求項またはに記載の高圧タンクのシール構造。
  7. 前記第1のシール材は、ブチルゴムで形成されている請求項1ないしのいずれか一項に記載の高圧タンクのシール構造。
  8. 前記第2のシール材は、EPDMで形成されている請求項1ないしのいずれか一項に記載の高圧タンクのシール構造。
  9. 前記開口部および前記開口縁部は、口金により構成され、
    前記取付け部材は、前記口金の前記開口部に取り付けられたバルブボデーからなる請求項1ないしのいずれか一項に記載の高圧タンクのシール構造。
  10. 前記開口部および前記開口縁部は、前記高圧タンクの内殻または外殻により構成され、
    前記取付け部材は、前記内殻または前記外殻の前記開口部に取り付けられた口金またはバルブボデーからなる請求項1ないしのいずれか一項に記載の高圧タンクのシール構造。
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