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JP4770429B2 - 弁装置及び液体噴射装置 - Google Patents

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JP4770429B2
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Description

本発明は、超小型の圧力調整用の弁装置及びそれを備えた液体噴射装置に関する。
この種の液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という)が知られている。プリンタは、インクカートリッジ(以下、「カートリッジ」という)を着脱可能に装填できるように構成され、装填されたカートリッジから供給されるインクを記録ヘッドから噴射(吐出)することにより印刷が行われる。従来、カートリッジから記録ヘッドまでインクが供給されるインク供給方式には複数種の方式が知られている。そして、記録ヘッドからインク滴を安定に吐出するためには、インク圧を適切に調整することが必要であり、インク供給方式に応じたインク圧調整用の弁装置(差圧弁又は減圧弁)が設けられていた。
例えば特許文献1には、キャリッジにカートリッジが装填されるいわゆるオンキャリッジタイプにおいて、カートリッジに差圧弁が内蔵された構成が開示されている。
また、特許文献2には、キャリッジにサブタンクを備えたサブタンク方式において、サブタンクの側壁に添接されたホール素子等の磁電変換素子により、フロート部材の浮上位置にしたがって変化する永久磁石の磁力線量に応じてインク量を検出し、検出したインク量が所定量に減ると、インク補給バルブを開弁する構成が開示されている。
また、特許文献3には、カートリッジが記録装置の本体側に設けられたカートリッジホルダに装填されるいわゆるオフキャリッジタイプの記録装置において、キャリッジにバルブユニットが搭載されている構成が開示されている。
さらに特許文献4には、液体を貯留する圧力室内の液体を所定の圧力に減圧する減圧弁を備えた弁装置が開示されている。この減圧弁は、弾性変形する受圧部材、圧力調整用バネ及び作動レバー等を構成部品として持つので大型であった。
特表00/03877号公報 特開2001−199080号公報 特表2003/041964号公報 特開2005−186344号公報
従来の弁装置はいずれも大型であったため、小型の持ち運びできる携帯型プリンタを開発する場合に、そのようなプリンタの小型化に対応できないという問題があった。また、記録ヘッドへ適切なインク圧でインクを供給するために、インク供給方式に適したインク圧調整用の弁装置が採用されていたので、インク供給方式の異なる記録装置間で弁装置の共通化を図ることが困難であった。例えば記録ヘッドに圧力調整用の弁装置を内蔵できれば、インク供給方式の異なる記録装置間で、弁装置を共通化できる。しかし、従来の弁装置は、その構造上、サイズが大きかったので、記録ヘッドを大型化させずに記録ヘッドに内蔵することが事実上できなかった。
なお、従来の弁装置はその外装部材(ケース等)が樹脂製であったので、ガスが透過しやすく、カートリッジ内のインク水分が蒸発したり、ガス透過によりカートリッジ内に侵入したガスがインク中に気泡を発生させたりする原因ともなっていた。このように弁装置には、水分蒸発や気泡の原因となるガス透過性の点でも優れた性能が要求されていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、圧力調整弁を超小型に構成できる弁装置及び該弁装置を備えた液体噴射装置を提供することにある。
本発明は、 流路が形成された本体を有するとともに該流路を開閉して流体の圧力調整を行う弁装置であって、前記流路の一部となる孔が形成された流路形成薄板と、前記孔を塞ぐ環状のシール部を有すると、前記弁体と係合し、閉弁方向に付勢する付勢支持薄板と、前記シール部より下流側の前記流路内の減圧により変位し、前記弁体と当接して付勢力に抗して開弁さる駆動支持薄板と、を備え、前記弁体における前記駆動支持薄板との当接位置は、前記シール部の中心位置よりオフセットされ、前記弁体における前記付勢支持薄板との係合位置は、前記シール部の中心位置より前記当接位置とは反対側にオフセットしていることを要旨とする。
これによれば、流路の一部となる孔が形成された流路形成薄板と、弁体を付勢力に抗して開弁方向に変位させる力を発生させる駆動支持薄板とは、弁装置の本体をなす積層体の少なくとも一部を構成している。そして、この積層体に形成された流路の一部である孔を塞ぐ閉弁方向に付勢されて弁が設けられ、駆動支持薄板が発生した力が弁体に伝達されることにより、弁が付勢力に抗して開弁方向へ変位して開弁される。弁装置本体が積層体からなることから、弁装置を薄型に構成できる。例えば積層体を構成する薄板の板厚を、0.01〜1mmの範囲内の適宜な板厚とすれば、弁装置を例えば厚さ2mm以下の超小型な弁素子として構成することも可能となる。
また、これによれば、駆動支持薄板が両面で受ける各圧力の差圧に応じて変位(変形)すると、その変位による力が弁体に伝達され、弁体は付勢支持薄板との係合位置を支点として傾動して開弁する。このとき、弁体への力の伝達位置がシール部の中心よりも弁体の支点(係合位置)のオフセットする側と反対側にオフセットされているため、弁体を支点を中心に円滑に傾動でき、弁体の開閉弁動作を円滑に行うことができる。
また、本発明の弁装置では、前記駆動支持薄板が前記弁体を開弁させる際、前記弁体は、前記弁体における前記付勢支持薄板との係合位置を支点として傾動することが好ましい。
また、本発明の弁装置では、前記駆動支持薄板は、片持ち支持された基部を支点に傾動し、前記駆動支持薄板における前記弁体との当接位置は、前記駆動支持薄板の基部寄りであることが好ましい。
また、本発明は、液体噴射装置であって、上記発明の弁装置と、液体収容体と、前記液体収容体から供給された液体を噴射する液体噴射手段とを備え、前記弁装置は、前記液体収容体の内部の流路上又は前記液体収容体から供給された液体が前記液体噴射手段の噴射口に至るまでの流路上に設けられていることを要旨とする。
これによれば、液体噴射装置は上記発明の弁装置を備えるので、弁装置が小型になることから、弁装置が設けられた部品(例えば液体収容体)の小型化、あるいはこれまで弁装置を設けることができなかった小型部品への弁装置の配置位置の移動を実現でき、ひいては液体噴射装置の小型化を図ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1は、本実施形態に係るインクジェット式記録装置の基本構成を示す斜視図である。図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置(以下、記録装置10と称す)は、底板、左右側板及び背板等を有する所定形状の本体フレーム11を有している。本体フレーム11の内側に架設されたガイド軸12には、キャリッジ13がその挿通孔13aにガイド軸12が挿通されることで主走査方向Xに移動自在に設けられている。キャリッジ13の背面側にガイド軸12の軸方向と平行に延びるように張設された無端状のタイミングベルト14の一部にキャリッジ13は固定されており、本体フレーム11の一端付近に配設されたキャリッジモータ15が正逆転駆動されることにより、キャリッジ13は主走査方向Xに往復移動する。
キャリッジ13の下部には、液体噴射手段(液体噴射ヘッド)としてのインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド16と称す)が搭載されている。本体フレーム11の底板側には、記録ヘッド16の下面であるノズル形成面16a(図2、図3参照)と記録用紙17との間隔を規定するプラテン18が設けられている。また、キャリッジ13の上部には、ブラックのインクカートリッジ19およびカラー用のインクカートリッジ20が着脱可能に装填されており、各インクカートリッジ19,20より供給された各色のインクを記録ヘッド16は、ノズル形成面16aの各ノズル孔から噴射(吐出)可能となっている。インクカートリッジ20には、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクが区画されて個別に収容されている。
記録装置10の背面側には、多数の記録用紙17を積重できる給紙トレイ(図示せず)と、給紙トレイに積重された多数枚の記録用紙17のうち最上位の1枚のみを分離して副走査方向Yの下流側に給紙する給紙装置22とが設けられている。また、本体フレーム11における同図右端位置下部に配設された紙送りモータ23が駆動されると、記録用紙17が、図示しない一対の搬送ローラに前後二箇所で挟持された状態で副走査方向Yに紙送りされる。そして、キャリッジ13を主走査方向Xに往復動させながら記録ヘッド16のノズル16b(図2参照)から記録用紙17にインクを吐出する動作と、記録用紙17を副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作とを交互に繰り返すことで記録用紙17に記録(印刷)が行われる。
図1において、キャリッジ13の移動経路上一端位置(同図における右端位置)(ホームポジション)には、記録ヘッド16のクリーニングを行うメンテナンスユニット25が配設されている。メンテナンスユニット25は、記録ヘッド16のノズル中のインクの乾燥を防止す略四角形状のキャップ26と、ノズル形成面16aを払拭するためのワイパ27と、キャップ26と隣接する位置に配置された吸引ポンプ28とを備えている。キャリッジ13がホームポジションに移動して記録ヘッド16が直上に位置した時にキャップ26が上昇してノズル形成面16aを封止できるようになっている。クリーニング時期には、ノズル形成面16aをキャップ26で封止した空間に吸引ポンプ28の駆動により負圧を与えて記録ヘッド16のノズルよりインクを吸引排出させるクリーニングが実施される。キャップ26から吸引した廃インクは、図示しないチューブを通ってプラテン18の下方に配置された廃液タンク29に排出される。なお、吸引ポンプ28は、例えば紙送りモータ23により回転駆動される。
図2は、カートリッジがキャリッジに装填された状態を示す模式断面図である。カラー用のカートリッジ20を例に説明する。同図に示すように、キャリッジ13には上面に中空構造の供給針30(導入針)が突設されるとともに下面側に記録ヘッド16が取り付けられている。供給針30は先端部に穿孔された導入孔30aと、導入孔30aと連通する中空部分からなる流路30bとを有している。
記録ヘッド16は、詳しくはキャリッジ13の下面に取着されたケースヘッド31と、該ケースヘッド31の下面に取着されたヘッドチップ32から主に構成されている。ケースヘッド31の上面の凹部31aには、供給針30の流路30bへ流入したインク中の異物が記録ヘッド16側の流路33へ流れ込むことを防止するフィルタ34が配置されている。
ヘッドチップ32上には流路33と対応する位置にバルブユニット50が実装されている。バルブユニット50は下流側の流路33b内のインクの液圧を所定値に保持する減圧弁として機能する。特にバルブユニット50を記録ヘッドに内蔵した本実施形態では、バルブユニット50は上流側の流路33a内のインクの液圧が大気圧(約1atm)であるのに対して、下流側の流路33b内のインクの液圧が大気圧よりも所定圧だけ低い所定の負圧に保持される。下流側の流路33bは途中でリザーバ65(図5に示す)に連通されるとともにリザーバ65からノズル16bと同数に分岐された各分岐流路を経て、圧電振動子35毎に設けられた各インク室68(図5に示す)に連通するとともにさらにノズル形成面16aに開口するノズル孔からなる各ノズル16bと連通している。ヘッドチップ32上に実装された圧電振動子35が駆動電圧(パルス電圧)の印加により振動駆動することで、ノズル16bからインク滴が噴射(吐出)される。
カートリッジ20のケース36内には、インクが貯留される貯留室36aが区画形成されており、ケース36の上部には貯留室36aと外側の大気とを連通する大気連通孔36bが穿孔されている。このため、貯留室36aには大気圧と略等しい液圧でインクが貯留されている。カートリッジ20がキャリッジ13に装填されたときは、供給針30が、カートリッジ20の供給口部36cに装填されたゴム製のパッキン37を貫通した状態になり、貯留室36a内から供給針30の導入孔30aを介して流路30bへ流入した大気圧のインクが、さらにフィルタ34を通過して流路33へ供給されるようになっている。
従来技術においては、カートリッジに差圧弁が内蔵されており、カートリッジから供給針へ供給された大気圧よりも減圧された所定の負圧のインクがフィルタを通ることになっていた。これに対して、本実施形態では、後述する構造の小型なバルブユニット50を採用してこれをヘッドチップ32上に実装した構成なので、フィルタ34より下流側でインクを減圧でき、フィルタ34には大気圧のインクが通過するようになっている。
また、カートリッジ20の側部には回路基板38(カートリッジIC)と接続端子38aとが設けられている。カートリッジ20をキャリッジ13に装填した状態では、接続端子38aがキャリッジ13側の接触端子39と電気的に接続され、記録装置本体内に備えられた制御部を構成するCPU(図示せず)は、回路基板38に実装された半導体記憶素子に対するデータの読出し及び書込みが可能となっている。半導体記憶素子には、カートリッジ20のインクの種類、シリアル番号、インク消費量や有効期限等の各種カートリッジ情報のデータが記憶される。なお、ブラックのカートリッジ19についても、インク色毎に1つずつ備えられる貯留室36aや供給口部36c等の数がカラー用のカートリッジ20と異なるものの、基本的にカートリッジ20と同様の構造を有している。
図3は、記録ヘッドの詳細構造を示す断面図である。なお、同図は、供給針を通り副走査方向Yと平行な面で切断した断面を示している。
同図に示すように、キャリッジ13には、供給針30及び記録ヘッド16が1つのヘッドユニット40として一体的に組み付けられている。このヘッドユニット40は、供給針30が突設された針カートリッジ41と、前記ケースヘッド31と、前記ヘッドチップ32とを有している。針カートリッジ41とケースヘッド31は、例えば溶着又は嵌め込みにより接合されている。
針カートリッジ41は、カートリッジ20の供給口部36cが挿着可能な円形の開口を有する凹部41aと、凹部41aの底面中央部に突設された前記供給針30とを有している。針カートリッジ41とケースヘッド31の接合箇所における供給針30と対応する位置には、流路30bと流路33との接続箇所に介在するようにフィルタ34が配置されている。また、針カートリッジ41とケースヘッド31との接合箇所において、副走査方向Y下流側端部箇所(同図における左端部箇所)には、FFCコネクタ42が一部外側に露出する状態で実装されるとともに、ヘッド基板43が封止された状態で実装されている。FFCコネクタ42には、本体フレーム11側に設けられた制御部(図示せず)から延びるFFC(フレキシブルフラットケーブル)(図示せず)が電気的に接続されるようになっており、制御部とヘッド基板43との間における信号やデータ等の遣り取りはFFCを介して行われる。ヘッド基板43には、記録ヘッド16を駆動制御するために必要な各種電子回路及び必要な検出情報を得るためのセンサ類等が実装されている。
ヘッド基板43から延びるFPC44(フレキシブルプリント回路)は、ケースヘッド31の下面にカバーヘッド45により支持されたヘッドチップ32に電気的に接続されている。FPC44上には圧電振動子35を駆動制御するためのアクチュエータ駆動制御用のヘッドIC46(ドライバIC)が実装されている。ヘッドIC46は、各圧電振動子35を駆動制御するための吐出駆動パルス(駆動電圧)を生成するためのドライバ回路を備えたもので、ノズル16b毎に生成された各吐出駆動パルスは、対応する各圧電振動子35(図2参照)へ出力されるようになっている。なお、前記バルブユニット50は、ヘッドチップ32の上面においてケースヘッド31内に形成された流路33aと対応する位置に実装されている。
図4は、ヘッドチップ32を示し、同図(a)は斜視図、同図(b)は側面図である。
ヘッドチップ32は、積層基板47と、積層基板47の上面に実装された4つの前記バルブユニット50と、4つのアクチュエータ部48とを有している。
バルブユニット50は、その本体となる積層体51と、積層体51の上面に開口する入力ポート52と、入力ポート52に相当する箇所に埋め込まれるように設けられた弁部53とを有している。入力ポート52は、ケースヘッド31の流路33aと連通状態に接続される開口箇所であって、フィルタ34を通過した大気圧のインクは、流路33aから入力ポート52に流入するようになっている。弁部53は、減圧弁機構を有しており、このバルブユニット50を隔てた下流側の流路、すなわち積層基板47内に形成されている流路33b内のインクは所定の負圧に保持されるようになっている。
アクチュエータ部48は、インク色毎のノズル16bの数(例えば80〜180個)と同数の圧電振動子35が各ノズル16bと対応する位置に一列に配列されてなる薄膜形成層からなる。積層基板47の内部に形成された流路33bは、バルブユニット毎に1つのリザーバ65と、1つのリザーバ65からノズル16bの数と同数の多数に分岐した各分岐路毎に個別に連通する多数のインク室68とを有し、各インク室68に相当する積層基板47の上面位置に各圧電振動子35が位置している。本実施形態では、バルブユニット50は約1mm厚であり、アクチュエータ部は約0.3mm厚である。記録ヘッド16に内蔵する場合、バルブユニット50は本体が2mm以下の厚みに薄型化されていると好ましい。もちろん、本体の厚みは使用用途に応じて適宜に設定することができる。
図5はヘッドチップ32の図4(a)におけるA−A線で切った断面を示す。積層基板47は、ノズルプレート61、流路形成プレート62、供給プレート63が接着剤等を用いて接合された3層積層構造を有している。積層基板47はバルブユニット50が実装される箇所に相当する位置にインク供給口64を有している。インク供給口64は、リザーバ65に連通している。積層基板47の上面にはアクチュエータ部48が積層されている箇所に絶縁材料からなる隔壁層66が立設されており、さらに隔壁層66の上層に圧電振動子35となる圧電層67が積層されることで、隔壁層66及び圧電層67により囲まれた空間がインク室68となっている。積層基板47にはインク室68と連通するノズル孔69が貫通されており、そのうちノズルプレート61に形成された部分によりノズル16bが形成されている。
なお、流路形成プレート62に、リザーバ65から多数分岐される流路となる多数本の流路形成貫通孔及び各流路形成貫通孔の先端側で連通されるインク室となるインク室形成貫通孔をエッチングにより形成し、流路形成プレート62の両面に積層されたノズルプレート61と供給プレート63間に流路及びインク室が形成された構造を採用することもできる。この場合、インク室と対応する供給プレートの上面に圧電層をスパッタ法等のPVD法やCVD法により薄膜形成で積層できるので、精微な圧電振動子35を形成することが可能となる。なお、圧電層は圧電材料層と、これを挟む一対の電極層(図示せず)とから構成されている。
次に、バルブユニット50の構成を説明する。バルブユニット50の積層体51には、その上面に開口する入力ポート52と下面に開口する出力ポート72との間を連通するように流路71が形成されている。バルブユニット50は、その出力ポート72とインク供給口64が連通するように積層基板47上に積層されている。
積層体51は、積層フィルム板73、流路板74、バルブ保持板75及びバルブ固定板76を構成層とし、この順で積層された4層構造を有する。流路板74及びバルブ保持板75の材料は、金属又はセラミックからなり、本実施形態では、例えばガラス基板又はシリコン基板(シリコンウェハ)が使用されている。バルブ固定板76は、弁体86を付勢する目的のために弾性を有する金属材料が好ましく、本実施形態では例えばSUSが使用されている。
積層フィルム板73は、第1プレート77とフィルム78と第2プレート79との3層構造を有する。第1プレート77及び第2プレート79は例えばSUSからなり、フィルム78は例えば樹脂材料からなる。フィルム78は、樹脂材料の中でも特にガス透過性の低い材料が好ましい。フィルム78の材料である樹脂材料は一般にガス透過性が他の材料に比べ高いので、第1及び第2プレート77,79の材料は、ガス透過性を低くするために樹脂以外の材料、例えば金属又は無機材料が好ましく、特に後述の受圧板部79aが形成される第2プレート79は金属材料が好ましい。金属材料の場合、例えば上記のSUS以外に、鉄、銅、アルミ、ニッケル等の金属を用いることができる。但し、使用される液体に対する耐食性(耐薬品性)が必要であるため、金属の場合は、耐食性を高めるメッキを表面に施すことが好ましい。例えば鉄にはニッケルメッキや亜鉛メッキを施すとよい。
バルブユニット50は、積層フィルム板73の中央部に片持ち支持された受圧板部79aと、受圧板部79aの変位量を確保するために受圧板部79aの周囲を略U字型に囲むフィルム膜78a(図6参照)とを有している。受圧板部79a及びフィルム膜78aを隔壁として挟んだその両側には、流路71の一部である液圧室80(流体圧室)と大気圧室81が設けられている。大気圧室81は、大気連通孔81aを通じて外側の大気に開放されており、常に大気圧に保持されるようになっている。受圧板部79aは、その両面で受ける液圧室80の液圧(インク圧)と大気圧室81の大気圧との差圧に応じた力を受け、例えば液圧が大気圧より小さくなると二点鎖線で示すように液圧室80側(上側)へ変位しようとする力を受ける。
流路板74は、流路71の一部をなす2つの貫通孔74a,74bが形成された板材であり、その上面には液圧室80と連通する貫通孔74aの開口を囲むように、ゴム材からなる円環状のシール部材85(Oリング)が配置されている。バルブ保持板75は、弁体86及びシール部材85が収容される貫通孔75aが形成された板材である。
弁体86は、略円板状の弁板部87と、弁板部87の上面から垂直に突設された円柱状の頭部88と、弁板部87の下面から垂直に突出した軸部89とを有している。軸部89は、弁体86の軸心に対して所定のオフセット量だけ偏心した位置に突出している。シール部材85は弁座として機能し、弁体86は弁板部87がシール部材85の上面全体に当接した状態で閉弁する。なお、閉弁状態において、弁体86の軸心がシール部材85の軸心と一致している。
バルブ固定板76は、弁体86をシール部材85に押し付ける方向(閉弁方向)に付勢した状態に保持(固定)するために設けられた板材である。弁体86は、その弁板部87がバルブ固定板76の板バネ部76bに上側から係止されるとともに、板バネ部76bの弾性力により下側へ付勢された状態で保持されている。このため、弁板部87の下面がシール部材85に押し付けられ、弁体86は流路71(貫通孔74a)を塞ぐ閉弁状態に配置される。また、板バネ部76bは、シール部材85の軸心に対して軸部89が偏心している側とは逆方向に偏心した位置で弁板部87に係合している。一方、弁体86の軸部89は、貫通孔74aに挿通されて液圧室80内に突出しており、その下端部が受圧板部79aの上面において片持ち支持された基部寄りの位置に接触した状態にある。
圧電振動子35が駆動されてノズル16bから液滴が吐出されると、流路33b内の液量が減ってその液圧が低下する。そして、その液圧と大気圧との差圧により受圧板部79aが軸部89を押し上げて弁体86を上側へ変位させようとする力が、弁体86を下側へ付勢している板バネ部76bの付勢力に打ち勝つと、受圧板部79aが上側へ変位して弁体86の軸部89を押し上げる。このとき、受圧板部79aは図5における二点鎖線で示すように左端で片持ち支持された基部を支点として傾動し、その傾動する受圧板部79aの上面において軸部89の下端は基部(支点)寄りの位置に当接しているので、軸部89は受圧板部79aが差圧に応じて受ける力を倍力した作用力で図5における左斜め上方向へ押し上げられる。また、弁体86は板バネ部76bとの係合位置を支点として傾動可能であり、軸部89が受圧板部79aから受ける力の方向(図5における左斜め上方向)が、弁体86の傾動可能な方向と一致する。この結果、受圧板部79aが同図における二点鎖線で示すように上側へ傾動するように変位すると、軸部89がその軸線に対して所定角度傾く斜め上方へ押し上げられて弁体86が板バネ部76bとの係合箇所を支点として同図に二点鎖線で示すように傾動して、弁板部87とシール部材85との間に隙間ができることで、バルブユニット50は開弁するようになっている。
図6は、バルブユニットの分解斜視図である。同図に示すように、バルブユニット50は、前述のように、積層フィルム板73、流路板74、バルブ保持板75、バルブ固定板76、シール部材85及び弁体86からなる。積層フィルム板73は、第1プレート77と第2プレート79の間にフィルム78が挟まれた3層構造の積層板である。第1及び第2プレート77,79とフィルム78は接着剤で接着されている。受圧板部79a及びフィルム膜78aは、加工前の積層フィルム板73を以下のように加工して形成される。
まず加工前の積層フィルム板73の一面(表面)にフォトレジストを塗布し、凹部79b及び貫通孔73aとなる領域に露光及び現像を施し、凹部79b及び貫通孔73aとなる領域以外の領域にフォトレジスト膜からなるマスクを施す。同様に積層フィルム板73の他の面(裏面)にフォトレジストを塗布し、大気圧室81となる領域に露光及び現像を施し、大気圧室81となる領域以外の領域にフォトレジスト膜からなるマスクを施す。次に、両面にマスクが施された積層フィルム板73をエッチング液に所定時間浸漬して、第2プレート79の凹部79bとなる領域(エッチング領域)が、受圧板部79aと略同じ板厚になるまでエッチングする。この第1エッチング工程により、第1プレート77の大気圧室81となる領域(エッチング領域)も同じ深さだけエッチングされる。
次に、第2プレート79に形成された所定深さの凹部の底面上に、フォトレジストを塗布するとともに、フォトレジスト膜をフィルム膜78aとなる形状領域に露光及び現像して、フィルム膜78aとなる領域以外の領域にマスクを施す。他の面については第1エッチング工程で使用したマスクをそのまま使用する。次に、両面にマスクが施された積層フィルム板73をエッチング液に所定時間浸漬して、フィルム膜78aとなる領域にフィルム78が露出するまでエッチングする。この第2エッチング工程により、第1プレート77の大気圧室81となる領域(エッチング領域)も同じ深さだけエッチングされ、フィルム78が露出する。なお、樹脂材料からなるフィルム78は、第1及び第2プレート77,79のエッチング液によってはエッチングされないので、両面にフィルム78が露出するまでエッチング時間は十分とるのがよい。
こうして第2エッチング工程により略U字型のフィルム膜78aの領域がさらにエッチングされることで、第2エッチング工程前の板厚を有する受圧板部79aが形成される。また、貫通孔73aとなる領域にはフィルム78だけが残る。その後、マスクとして用いられたフォトレジスト膜を除去して洗浄する。
次に、積層フィルム板73の一面に、圧空を噴射する噴射口を有する治具を押し当て略密閉状態にキャップした状態で、圧空を噴射して(吹き付けて)フィルム膜78aを塑性変形させて撓みを持たせる。この圧空の噴射は、積層フィルム板73をフィルム78の樹脂材料のガラス転移点以上の温度に加熱した状態で行うことにより、塑性変形後の撓み形状を保持することができる。フィルム膜78aに撓みを持たせることで、受圧板部79aを必要な変位量だけ変位させることが可能となる。その後、貫通孔73aとなる領域に残るフィルム78を除去し、貫通孔73aを形成する。もちろん、貫通孔73aとなる部分に残っていたフィルム78の除去は、圧空の洩れなどの影響がなければ、圧空工程の前に行ってもよい。
また、フィルム膜78aに撓みを持たせる加工方法は、圧空を吹き付ける方法に限定されない。例えば、フィルム膜78aが露出した略U字型の窓の部分に型押しの治具を押し付けて機械的にフィルム膜78aを塑性変形させてもよい。また、圧空以外に水などの液体を噴射してもよいし、さらには加工用の粒子を噴射するサンドブラスト法を採用することもできる。さらに、スパッタリングで分子を衝突してそのエネルギーで撓ませてもよい。フィルム膜78aを撓ませるときには加工手段(圧空、粒子、治具等)の力が受圧板部を避けてフィルムだけに加わることが好ましいが、受圧板部を含む窓(凹部79b)全体に加工手段の力が加わってもよい。
ここで、積層フィルム板73の他の製造方法として、先に撓ませておいたフィルムをSUSで挟む製造手順も可能であるが、この場合、フィルムの撓み部分をSUSの貫通孔に位置合わせする位置決めが難しい。これに対し、本実施形態では、フィルムを中央層に挟む3層構造の積層フィルム板を使用して、フィルム78を露出させた後に、その露出したフィルム78を撓ませる製造手順をとるので、フィルム78の露出部分を確実に撓ませることができる。
なお、本実施形態では、軸部89が挿通される貫通孔74aと、シール部材85及び弁体86が収容される貫通孔75aとを、流路板74とバルブ保持板75という2枚別々の板材に形成したが、1枚の板を両面からハーフエッチングすることで貫通孔74a,75aが両面の各面にそれぞれ形成された1枚の薄板で構成してもよい。
流路板74は、金属材料又は無機材料からなる。本実施形態では、流路板74は例えばSUSからなり、2つの貫通孔74a,74bはSUSプレートをエッチングすることで形成されている。貫通孔74aは、弁体86の軸部89が受圧板部79aの基部寄りの位置に当接できる位置に形成される。また、貫通孔74bは、積層フィルム板73と流路板74が接合された状態において、貫通孔73aと凹部78bの両方を連通させることができる長孔に形成されている。
バルブ保持板75は、金属材料又は無機材料からなる。本実施形態では、バルブ保持板75は例えばSUSからなり、貫通孔75aは、略十字状の開口形状で、貫通孔74aと相対する位置に形成されている。なお、流路板74とバルブ保持板75のうち少なくとも一方が、Si(シリコン)又はガラスからなる構成であってもよい。
バルブ固定板76は、板バネ部76bを所定の弾性係数に形成できるように金属材料からなり、本実施形態では例えばSUSからなる。貫通孔76aは、貫通孔75aと相対する位置に形成されている。バルブ固定板76には、貫通孔76aの周囲から互いに対向するように内方へ延出する一対の板バネ部76bが突設されている。
シール部材85は、貫通孔74aの直径より内径が大きく及び貫通孔75aの内径よりも外径が若干大きいサイズのものが使用されている。
弁体86は、弁板部87、頭部88及び軸部89を有する。弁板部87は、弁座として機能するシール部材85に当たって弁部として機能する部分である。また、軸部89は弁体86が板バネ部76bに付勢された組み付け状態において、貫通孔74aに挿通されて受圧板部79aの上面に当接可能な長さを有している。
積層フィルム板73、流路板74、バルブ保持板75及びバルブ固定板76の4枚の各薄板の厚さは、4枚を積層した厚さが約1mmとなるようになっている。積層フィルム板73が例えば0.1mm〜0.6mmの積層薄板、流路板74が例えば0.02mm〜0.2mmの薄板、バルブ保持板75が例えば0.05mm〜0.4mmの薄板、バルブ固定板76が例えば0.02mm〜0.2mmの薄板である。これらの厚み範囲の中から、弁体86及びシール部材85の各サイズ、流路の厚み方向の必要長さなどの各条件に応じて、適宜な板厚の組合せを採用する。
図7は、弁体及びシール部材を示し、(a)は頭部側から見た斜視図、(b)は軸部側から見た斜視図、(c)は側面図である。弁体86は、前述のように、弁板部87、頭部88及び軸部89を有する。頭部88は上面中央を横断するように延びる1本の溝88aを有する。溝88aは、弁体86を積層体51に組付けるときに精密ドライバー等の工具の先端を差し込む凹部となる。弁板部87は、円板の一部を両側面から線対称に切り欠いた一対の切欠凹部87aと、各切欠凹部87aが存在することでその隣接部分が外接円と径が等しくなるように外側へ突出した一対の突起87bとを有している。弁板部87は、平面視で線対称の形状(図9参照)であり、同図(c)に示すようにその軸線は頭部88の軸線と一致している。同図(b)に示すように、弁板部87の軸部89側の面は、弁座として機能するシール部材85と当接する面となっており、この面がシール部材85に密接したときに弁体86は閉弁状態に配置される。
また、軸部89は弁板部87の軸線(つまりシール部材85の軸心であって図7(c)における一点鎖線)に対して所定量偏心(オフセット)している。一方、突起87bは、同図(c)における側面視において、弁体86の軸線(つまりシール部材85の軸心)に対して同図左右方向において軸部89と反対側にオフセットしている。突起87bは板バネ部76bが弁板部87と係合するときの係合箇所であり、弁体86の傾動時の支点となる板バネ部76bが、弁体86の軸線に対して軸部89とは反対方向にオフセットすることになる。弁板部87の軸線(つまり弁体86の軸線(軸心))は、受圧板部79aの基部と先端部とを結ぶ方向(同図における左右方向)において、シール部材85の中心(環状の中心)と一致している。
図8(a)は、バルブ固定板76の貫通孔の部分を示す平面図、図8(b)はバルブ保持板75の貫通孔の部分を示す平面図である。同図(a)に示すように、一対の板バネ部76bは、貫通孔76aの中心(つまりシール部材85の中心)よりも同図の上下方向において上側へ所定量だけオフセットした周上の対向する二位置から、同図において左右方向内側へ向かって突出している。弁体86は、板バネ部76bに切欠凹部87aが相対した図8(a)に二点鎖線で示す回転角姿勢では、板バネ部76bに係合することなく貫通孔76aに挿入可能となっている。また、図8(b)に示すように、略十字形状の貫通孔75aは、周方向に90度毎の位置で外方へ凹んだ4つの凹部75cと、凹部75cよりも小さな内径で4つの凹部75c間を連接する4つの内壁面75bとを有している。弁板部87の外周径は内壁面75bの内径よりも若干小さくなっているので、弁板部87は貫通孔75aに挿着可能となっている。また、シール部材85の外径は、内壁面75bの内径よりも若干大きくなっているので、シール部材85は、貫通孔75aの内壁面75bに圧挿されてその軸心が貫通孔74aの軸心と一致する状態に位置決めされるようになっている。
図9は、積層体に弁体を組付けるときの説明図である。図9(a)に示すように、弁体86を切欠凹部87aが板バネ部76bに相対する回転角姿勢で貫通孔76aに挿着し、既に貫通孔75aに圧挿されているシール部材85を押圧しながら、弁板部87の上面が板バネ部76bの下面より下方に位置するまで押し込む。次に、精密ドライバー(マイナスドライバー)等の工具の先端を溝88aに差し込んで、工具を半回転だけ操作して図9(b)に示すように、弁板部87の突起87bの上面が板バネ部76bの下面に係合する状態とする。この状態では、弁体86が板バネ部76bに係合して板バネ部76bの弾性力により下方(図9における紙面垂直方向奥側)に付勢された状態となる。同図(b)においては、同図の上下方向において、弁体86が板バネ部76bにより係合支持されている位置は、弁体86の中心(軸線)よりも上側に所定量だけオフセットしている。また、この状態において、軸部89は弁体86の中心(軸線)よりも同図における下側にオフセットしている。
図10は、バルブユニット50の製造方法を示す。同図(a)に示すように、積層フィルム板73、流路板74及びバルブ保持板75の3枚を、接着剤等を用いて接合した後、貫通孔75aにシール部材85を挿着する。このとき、シール部材85は同図(b)に示すように、貫通孔75aの内壁面75bに圧入されて位置決めされる。
次に、バルブ固定板76をバルブ保持板75の上面に接着剤等を用いて接合(積層)して積層体51を完成させ、その後、弁体86を積層体51の貫通孔76aに挿入する。図9(a),(b)に示すように、溝88aに先端を差し込んだ工具で弁体86を押し付けながら、弁板部87の上面が板バネ部76bの下面より奥側に位置する状態で、工具を操作して弁体86を半回転させ、弁体86を図10(d)の状態に組み付ける。なお、積層体51を先に製造しておき、積層体51の貫通孔76a,75aにシール部材85及び弁体86を組み付ける手順をとることもできる。また、図6及び図10では、バルブユニット1個分の構成を示しているが、実際には効率よく量産できるように、大判の薄板を積層したマザー積層体を製造し、これを切断して多数個の積層体51をとる多数個取りで製造する。
このようにバルブユニット50は約1mm厚と超薄型(超小型)であるので、記録ヘッド16に内蔵することができた。この結果、バルブユニット50はフィルタ34よりも下流側に位置している。このため、インクはフィルタ34を通るときは大気圧で、フィルタ34を通過して流路33aを下流に流れてからバルブユニット50で減圧される。つまり、バルブユニット50より上流側の流路内のインクはその液圧が減圧前の大気圧であり、フィルタ34より上流側の流路内のインクも当然大気圧となる。このため、カートリッジ20の内外で圧力差がほとんどなくなり、カートリッジ20やヘッドユニット40の構成部材である樹脂材を、窒素や酸素等のガスが透過しにくいので、インク中に気泡が発生しにくくなる。また、フィルタ34の上流側の流路内のインク圧が大気圧と高くなってインク中の微細な気泡が成長する速度が遅くなるので、インク中に仮に小さな気泡が発生したとしてもその小さな気泡は成長しにくくなる。この結果、フィルタ34に動圧を高くするほど大きなサイズの気泡が付着することがほとんど回避されて、その下流側で安定な液圧(負圧)が得られにくくなることを回避できる。よって、インク室68内の液圧が安定することになるため、適切な量のインク滴が安定に吐出されることになる。
図5に示すように、液圧室80と大気圧室81に差圧が生じていないときは、受圧板部79aが同図に実線で示した位置に配置されており、弁板部87はシール部材85に密接して閉弁している。例えば、インク滴が吐出されてインク室68及びリザーバ65内のインク量が減ると、その減った分量に応じて液圧室80の液圧が低下し、液圧室80と大気圧室81の差圧が生じる。その差圧に応じた力が受圧板部79aを上方へ変位させる方向に働く。そして、受圧板部79aを上方へ変位させようとする力が、弁体86を閉弁方向に押し付ける付勢力に弁体86の重力分の力を加えた下向きの力に打ち勝つと、受圧板部79aが基部を支点に先端側を上方へ変位させるように傾動し、この傾動に伴い受圧板部79aの基部寄りの位置で当接している軸部89を持ち上げ、軸部89が押し上げられることで弁体86が傾動して開弁する。
すると、開弁してできた弁部94bとシール部材96との隙間から流路33a側のインクが流入する。インクが流入するに連れてリザーバ65及びインク室68の液圧が上昇して、液圧室80と大気圧室81の差圧が小さくなる。この差圧が小さくなって受圧板部79aを介して軸部89を持ち上げようとする力が、弁体86の付勢力と弁体86の重力分を加えた下向きの力より弱くなるところまで、インクが流入すると、受圧板部79aが元の位置に復帰することにより、弁体86が閉じる。以降、このようにバルブユニット50による開閉弁が繰り返されることにより、リザーバ65及びインク室68の液圧が所定の負圧に安定に維持される。この結果、適切な量のインク滴が吐出される。
以上、詳述したように本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)積層体51に弁体86を組み込むことで、減圧弁として機能する厚さ1mm程度の超薄型のバルブユニット50を提供できる。このため、例えば小型で持ち運びできる携帯型プリンタを開発する場合に、そのようなプリンタの小型化に貢献できる。
(2)超小型のバルブユニット50であることから、バルブユニット50をこれまでサイズが大きいことが原因で配置できなかった記録ヘッド16に内蔵することができる。このため、インク供給方式の異なる記録装置間で共通の弁装置を採用できる。例えばインク供給方式の異なる記録装置間でインク供給方式に適した弁装置を個別に製造・開発する必要がなくなる。
(3)積層フィルム板73を用いて、両面のプレートを部分的に除去してフィルム78を一部露出させた後、その露出したフィルム部分に撓み加工を施す製法を採用したので、受圧板部79a及びフィルム膜78aを、予め撓ませたフィルムにプレートを貼り合わせる製法を採用した場合に生じる難しい位置合わせも伴わず、比較的簡単に製造できる。
(4)貫通孔76aにはシール部材85と弁体86を挿着できるので、積層体51を予め完成させておいてから、積層体51にシール部材85と弁体86の部品を組み込むことができる。積層体51の製造途中でシール部材85や弁体86などの部品を組み付ける製造手順であると、部品を組み付けた積層体に例えば最上層の薄板を接着する工程が必要となる。このため、例えば部品が接着剤で汚れたり、弁体を板バネ部で付勢する状態で接着しようとするために、最上層の薄板が部品から板バネ部が受ける反力で接着を剥がす方向の力を受けて剥がれ易くなったりする。これに対して、積層体51を完成させてから、部品を組み付けられるので、バルブユニット50を効率よく製造できる。
(5)弁体86を支持する板バネ部76bの係合箇所(支点)を弁体86の軸心(シール部材85の軸心)からオフセットさせるとともに、軸部89を弁体86の軸心(シール部材85の軸心)から、板バネ部76bの係合箇所のオフセット方向とは逆方向へオフセットさせた。このため、弁体86の軸心を挟んで弁体86の傾動の支点とは反対側の位置で弁体86は軸部89を介して受圧板部79aからの力を受けるので、板バネ部76bの係合箇所を支点とする弁体86の開閉動作を円滑に行わせることができる。また、軸部89の受圧板部79aの上面における当接位置が、受圧板部79aの基部寄りの位置なので、受圧板部79aが変位したときの力を倍力した作用力を弁体86に伝達できる。このため、板バネ部76bの付勢力に抗して弁体86を開弁させるのに必要な力を確保できる。
(6)弁体86に受圧板部79aの変位に基づく力を、弁部として機能する弁板部87に伝達する伝達手段(介在部)である軸部89を弁体86と一体に形成したので、バルブユニット50の部品点数を少なく済ませることができる。
(7)弁体86を、一対の板バネ部76bが開口の内方に突出した開口形状を有する貫通孔76aに挿通できる断面形状に形成し、弁体86を貫通孔76aに挿通した後、その弁体86を軸心を中心に半回転させると、一対の板バネ部76bに突起87bの上面部が係合して抜け止め状態に組み付けられる構成とした。このため、積層体51と別部品の小さな弁体86を閉弁方向に付勢された状態となるように、積層体51の貫通孔76a内に簡単に組み付けることができる。また、弁体86の頭部88に溝88aを形成したので、精密ドライバー等の工具を用いて弁体86の組み付け操作を行うことができる。
(8)積層フィルム板73のうち受圧板部79aが形成される第2プレート79を金属材料としたので、受圧板部79aを差圧に応じた力によって弾性変位させられるうえ、その力がなくなると元の位置に速やかに復帰できる。このため、液圧室80のインク圧変化に対して開閉弁動作の応答性が良くなり、精度の高い圧力調整を実現可能なバルブユニット50を提供できる。また、バルブ固定板76を金属材料としたので、弁体86を必要な付勢力で閉弁方向に付勢でき、開弁時に受圧板部79aからの力がなくなると、弁体86を速やかに閉弁できる。このことも、弁体86の応答性を良くし、精度の高い圧力調整の実現に寄与する。
(9)バルブユニット50は積層体51の両面のうち一面に開口する入力ポート52と、他面に開口する出力ポート72を有し、液圧室80の下流側の流路(長孔74b)は液圧室80の上流側の流路(貫通孔74a)と同一層(流路板74)を一旦経由する迂回をして出力ポート72に連通している。このため、受圧板部79aを支持しているフィルム膜78aの周囲をしっかり支持できるうえ、バルブユニット50を対象となる部品(ヘッドチップ32)にその入力ポートに出力ポート72を一致させた状態に積層して組み付けることができる。
(10)多数個取りの大判の薄板を積層してマザー積層体を製造し、このマザー積層体を多数個に切断してバルブユニット50の各積層体51を製造する製造方法をとれるので、バルブユニット50の量産にも適している。
(11)超小型のバルブユニット50であることから、記録ヘッド16に内蔵することができる。このため、フィルタ34よりも下流側に減圧弁であるバルブユニット50を配置できる。よって、フィルタ34に比較的大きな気泡が付着して動圧が高くなってインク室68の負圧が不安定になることを回避し、インク室68の液圧を安定に保つことができる。この結果、安定な吐出量でインク滴を吐出でき、精度の高い印刷品質を保証できる。
(12)バルブユニット50を記録ヘッド16に内蔵する構成なので、カートリッジ19,20から差圧弁を廃止できる。このため、インク充填量を変えずにカートリッジの小型化を図ったり、同じカートリッジサイズでインク充填量を増やしたりすることができる。また、カートリッジ19,20に差圧弁等の弁装置を組み込む必要がなくなるので、消耗品であるカートリッジ19,20の製造コストを低く抑えることが可能となる。
(13)液圧室80と大気圧室81との差圧によって弁体86を開閉動作させて、弁体86より下流側の流路内の液圧(インク圧)を調整する構成であり、ほぼ安定な大気圧を基準としてインク圧調整がなされる構成なので、バルブユニット50の下流側のインク圧を安定に調整することができる。
(14)バルブ固定板76の板バネ部76bに係合させて弁体86を閉弁方向へ付勢しているので、弁体を付勢するのにコイルバネ等の大型の部品は不要になる。この結果、バルブユニット50を薄型に構成できる。
(15)積層体51を構成する板材が、シリコン薄板、ガラス薄板、金属薄板、金属層を有する積層薄板のうちからそれぞれ選択された薄板からなるので、フィルム膜78aの部分のみ樹脂であるものの、それ以外の部分は、ガス透過性の極めて低い無機材料又は金属材料で流路が覆われるので、ガスが透過しにくいバルブユニット50を提供できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図11〜図14に従って説明する。
図11は、バルブユニットの分解斜視図、図12は製造方法の説明図、図13は、組み付け過程を説明する平面図、図14はバルブユニットの断面図である。
図14に示すように、本実施形態のバルブユニット90は、液圧室80と大気圧室81の差圧に基づく受圧板部79aの変位によってロッド95を変位させて弁部94bを開閉させる構造となっている。バルブユニット90は、その本体が前記第1実施形態と同様に積層体91から構成されており、約1mm厚の薄型バルブとなっている。
図11に示すように、バルブユニット90は、積層体91を構成している積層フィルム板73、流路板92、ロッド保持板93及びバルブ形成板94と、ロッド95及びシール部材96(Oリング)から構成されている。積層フィルム板73は、前記第1実施形態のものと同様のものであり、受圧板部79a及びフィルム膜78aを有する。また、積層フィルム板73は、流路71の一部となる貫通孔73aも有している。
流路板92は、ロッド95が挿通されるとともに流路71の一部となる貫通孔92a及び長孔92bが形成されている。長孔92bは、流路板92と積層フィルム板73が接合された状態において、凹部79bと貫通孔73aを連通する流路となる。また、流路板92には、貫通孔92aの内方に突出する突起92cが形成されている。この突起92cは、ロッド95を偏心させて保持する機能を有する。
ロッド保持板93は、略十字型の貫通孔93aと長孔93bを有している。貫通孔93aは、周方向に90度毎に位置して略十字形状に突出する孔の部分を形成する4つの凹部93dと、4つの凹部93d間を連接して凹部93dよりも内径の小さな4つの内壁面93cを有している。また、長孔93bは、長孔92bと相対する位置に形成されており、ロッド保持板93、流路板92及び積層フィルム板73が接合された状態において、長孔92bとともに凹部79bと貫通孔73aを連通する流路となる。
バルブ形成板94には略C字状の円弧状孔94aが形成されており、円弧状孔94aの存在によって、バルブ形成板94には舌片状の弁部94bが形成されている。弁部94b、貫通孔93a及び貫通孔92aは、受圧板部79aの基部側寄りの位置に相対して位置している。ロッド95は、貫通孔92a,93aに挿通されて受圧板部79aの基部寄りの位置に下端を当接させるように組み付けられる。シール部材96は、貫通孔93aの内壁面93cに圧挿されて流路板92の上面に貫通孔92aを囲むように配置される。
図12(a)に示すように、積層フィルム板73、流路板92及びロッド保持板93の3枚を、接着剤等を用いて接合(積層)する。この状態では、積層フィルム板73の凹部79bと貫通孔73aが、その上二層の長孔92b,93bによって連通されている。次に、同図(a)に示す3枚からなる積層体の上面に開口する貫通孔93aに、ロッド95及びシール部材96を順次挿着する(図12(b))。
このとき、図13(a)に示すように、ロッド95は、突起92cにより貫通孔92aの中心(つまりシール部材96の中心)よりも弁部94bの先端側にオフセットして配置される。また、シール部材96は、貫通孔93aの4箇所の内壁面93cに圧入されて位置決めされる。このとき、シール部材96は、3枚からなる積層体の上面、すなわち貫通孔93aの開口から僅かに突出した状態となる。
次に図12(b)に示す3枚からなる積層体の上面に、同図(c)に示すように、バルブ形成板94を接着剤等を用いて接合すると、バルブユニット90が完成する。このとき、弁部94bは、シール部材96に当接して若干押し上げられた状態となり、その復元力により弁部94bはシール部材96に所定の付勢力で押し付けられている。このため、弁部94bがシール部材96に圧接して、バルブユニット90が閉弁状態に維持される。
図14に示すように、液圧室80と大気圧室81に差圧が生じていないときは、受圧板部79aが同図に実線で示した位置に配置されており、弁部94bはシール部材96に密接して閉弁している。例えば、インク滴が吐出されてインク室68及びリザーバ65内のインク量が減ると、その減った分に応じて液圧室80の液圧が低下する。そして、液圧室80と大気圧室81との差圧が生じて、その差圧に応じた力が受圧板部79aを上方へ変位させよるように働く。そして、受圧板部79aを上方へ変位させようとする力が、弁部94bの閉弁方向の付勢力にロッド95の重力を加えた下向きの力に打ち勝つと、受圧板部79aが図14における二点鎖線で示すように基部を支点に先端側を上方へ変位するように傾動する。この傾動に伴い受圧板部79aの基部寄りの位置で当接しているロッド95を持ち上げ、ロッド95が持ち上がることで弁部94bが同図における二点鎖線で示すように押し上げられて開弁する。
すると、開弁してできた弁部94bとシール部材96との隙間から流路33aからインクが流入する。インクが流入するに連れてリザーバ65及びインク室68の液圧が上昇して、液圧室80と大気圧室81の差圧が小さくなる。この差圧が小さくなって受圧板部79aを介してロッド95を持ち上げようとする力が、弁部94bの付勢力とロッド95の重力分を加えた下向きの力より弱くなるところまで、インクが流入すると、受圧板部79aが元の位置に復帰してロッド95が下降することにより、弁部94bが閉じる。以降、このようにバルブユニット90による開閉弁が繰り返されることにより、リザーバ65及びインク室68の液圧が所定の負圧に安定に維持される。この結果、適切な量のインク滴が吐出される。
なお、受圧板部79aの先端寄りの位置でロッド95を当接させる構成としてもよい。この場合、ロッド95の移動ストロークを稼ぐことができる。例えばバルブユニット90のさらなる小型化を図る場合には、受圧板部79aの長さを確保しにくくなるが、受圧板部79aの先端寄りの位置でロッド95を当接させることにより、受圧板部79aの長さが相対的に短くなっても、ロッド95に所望のストロークを稼ぎやすくなる。
この第2実施形態によれば、前記第1実施形態の効果が前記(4)〜(7)の効果を除き同様に得られる他、以下に示す効果が得られる。
(16)積層体91の最上層のバルブ形成板94に弁部94bが形成されているので、第1実施形態で必要であった部品としての弁体86が不要になる。また、弁体が不要になることから、その組み付けが不要になるので、頭部88(溝88a)や切欠凹部87aを有するなど比較的複雑な形状の部品が不要になるので、バルブユニット90の製造及び構造が簡単となる。また、受圧板部79aの変位を弁部94bに伝達する伝達手段(介在部)としてのロッド95は部品として必要であるが、力を伝達可能なロッド形状でよいので、部品形状が単純で、この点からもバルブユニット90の製造及び構造が簡単となる。
(17)ロッド95を突起92cにより貫通孔92aの軸心(つまりシール部材96の中心)よりも弁部94bの支点と反対側の開閉先端寄りにオフセットさせたので、ロッド95で弁部94bの先端寄り位置を押し上げて弁部94bを効率よく開弁させることができる。また、ロッド95の位置決めが挿通される貫通孔の位置による位置決めではなく、貫通孔92aの内方に突出する突起92cによる位置決めなので、貫通孔92aをロッド95の径よりも十分大きな径に形成でき、ロッド95の周囲に必要な広さの流路を確保できる。
尚、発明の実施の形態は、上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。
(変形例1)前記各実施形態では、バルブユニットを、記録ヘッドに内蔵された減圧弁として用いたが、カートリッジに内蔵される差圧弁として使用してもよい。例えば、大気圧室81を、大気連通孔81aを通じて大気に連通される構成に替え、流路33aと連通させて弁部(弁体86又は弁部94b)を挟んで上流側の液圧と等しくなる圧力室として構成し、弁部を挟んで上流側の圧力室の液圧と下流側の液圧室80の液圧との差圧により、弁部を開閉動作させるように構成する。このように構成すれば、バルブユニット50,90を差圧弁として使用することができる。また、弁装置(バルブユニット)の取り付け位置は、記録ヘッドやカートリッジに限定されず、記録ヘッドより上流でカートリッジより下流の位置でもよい。例えばインクカートリッジとキャリッジの間の流路上に設けてもよい。また、サブタンク方式のキャリッジの内部に弁装置を設けたり、カートリッジが記録装置本体に装填されるいわゆるオフキャリッジタイプにおいて、カートリッジホルダの内部に弁装置を設けたりすることもできる。
(変形例2)前記各実施形態では、受圧板部79aを設けたが、フィルム膜78aがある程度の強度を有する材質からなるものであれば、フィルム膜に直接軸部89又はロッド95を当接させてもよい。
(変形例3)前記第1実施形態では、伝達手段(介在部)を、弁体86の軸部89としたが、軸部89に替え、受圧板部79aから突出した突起とすることもできる。また、前記第2実施形態では、伝達手段(介在部)を、弁部と受圧板部に両端が接触するロッド95としたが、ロッド95に替え、受圧板部79aから突出した突起、又は弁部から突出した突起とすることもできる。
(変形例4)前記各実施形態では、撓みを持たせたフィルム膜78aを用いたが、これに替えて、差圧に基づく圧力が加わると伸びて変位できるゴム弾性を有するゴム膜とすることもできる。この場合、樹脂性のフォルム膜のように撓ませる加工を不要にできる。
(変形例5)前記第1実施形態では、バルブ固定板76(付勢支持薄板)の材質をSUSとしたが、SUS等の金属層を少なくとも1層含む積層板としてもよい。また、第2実施形態では、バルブ形成板94(弁形成薄板)の材質をSUSとしたが、SUSや銅等の金属層を少なくとも1層含む積層板としてもよい。さらに、駆動支持薄板は、SUSからなる2枚の金属層でフィルムを挟む積層フィルム板73としたが、例えば金属層を箔状として受圧板部を必要な変位量だけ変位させられるのであれば、金属層のみからなる積層板としてもよい。このように構成しても、弁部を付勢するための付勢力を得るのに必要な弾性を得たり、受圧板部を変位させるために必要な弾性を得たりすることができる。
(変形例6)前記各実施形態では、受圧板部79aは片持ち支持されていたが、両持ち支持されるなど複数箇所で支持されていても構わない。この場合、受圧板の変位を助けるように撓みやすい形状(細長くて厚みの薄い形状)の支持腕で支持させることが好ましい。
(変形例7)前記各実施形態では、駆動部として、液圧室80と大気圧室81との差圧によって弁体又は弁部を開弁方向に変位させるための力を発生させる差圧駆動部を採用した。これに対し、電気的に駆動される駆動部を採用することもできる。例えば、圧電素子を駆動部として採用し、駆動支持薄板に実装させた圧電素子が、駆動電圧を印加されたことによる電歪作用によって、駆動支持薄板の実装領域又はその近傍を含む一部の領域を部分的に変位させて力を発生させる構成でもよい。さらに駆動部として、2枚の電極間に電荷を印加(帯電)して電極間に働く静電気力による吸引力によって駆動支持薄板の一部の領域を部分的に変位させて力を発生させる静電素子を採用することもできる。これらの場合、弁体又は弁部は、閉弁方向に付勢されて、前記電気的に駆動される駆動部が発生する力を、伝達手段(介在部)を介して弁体又は弁部へ付勢力に抗して開弁方向へ変位させる力として伝達するように構成する。そして、電気的に駆動される駆動部を、液体噴射手段からの液体噴射に同期して噴射される液量に応じて開弁されるように制御する。このように液体が噴射されたタイミングでその噴射量に応じた開度又は開弁時間で弁部を開閉制御することにより、弁装置の下流側へ液体を圧力調整しながら供給することができる。
(変形例8)前記実施形態では、バルブユニット一つに1つの弁機構が設けられていたが、バルブユニットに複数の弁機構が設けられた構成でもよい。例えばマザー積層体を切断するときに複数の弁機構を含む領域で切り分けて、複数の弁機構を備えたバルブユニットを製造する。
(変形例9)前記実施形態では、液体噴射装置としてのインクジェット式のプリンタに具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体(機能材料の粒子が分散されている液状体を含む)を噴射する液体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に、本発明の弁装置を適用してもよい。さらに、液体噴射装置にも限定されず、弁装置が必要な他の装置や機器等において、これまでの弁装置に置き替えたり、これまで配置できなかった狭い場所に配置位置を変更したりして、本発明の弁装置を用いることができる。
以下、前記実施形態および各変形例から把握される技術的思想を記載する。
(1)請求項7乃至10のいずれか一項に記載の弁装置において、前記隔膜は撓ませて設けられていることを特徴とする弁装置。
(2)請求項7乃至10、前記技術的思想(1)のいずれか一項に記載の弁装置において、前記駆動支持薄板は、前記隔膜の材料からなる膜層を含む積層板であり、前記隔膜は前記膜層の両面を露出させた部分により形成されていることを特徴とする弁装置。これによれば、駆動支持薄板は隔膜の材料からなる膜層を含む積層板であるので、駆動支持薄板の他の層を除去して膜層を露出させることで、隔膜を形成することが可能となる。
(3)請求項7乃至10、前記技術的思想(2)のいずれか一項に記載の弁装置において、前記隔膜は樹脂製のフィルム膜であり、前記フィルム膜は撓んだ状態に設けられていることを特徴とする弁装置。これによれば、隔膜は樹脂製のフィルム膜であり、撓んだ状態に設けられているので、差圧によって受圧板部を必要な変位量だけ変位させることが可能となる。また、樹脂であるので、ゴムに比べ、一般に耐久性が高くしかも強度のある材質が多いので薄く積層することができる。
(4)請求項1乃至4のいずれか一項に記載の弁装置において、前記駆動部は電気的に駆動されることを特徴とする。
(5)前記技術的思想(4)において、前記駆動部は圧電素子であることを特徴とする。
(6)技術的思想(4)又は(5)において、前記弁装置は、その下流側が液体を噴射する液体噴射手段に連通されて用いられ、前記駆動部は、前記液体噴射手段からの液体噴射に同期して噴射される液量に応じて開弁されるように制御されることを特徴とする。これによれば、液体噴射手段に供給される液体が弁装置により圧力調整される。
(7)請求項5乃至10のいずれか一項において、前記弁装置の本体をなす前記積層体の両面のうち一面に入力ポートを有すると共に他面に出力ポートを有するか、一面に入力ポート及び出力ポートを有し、前記流体圧室の下流側の流路は前記流体圧室の上流側の流路と同一層を経由している。これによれば、受圧部(又は隔膜)の周囲をしっかり支持できるうえ、弁装置の積層体を、組み付け対象の部品上に、連通すべき各ポートを一致させた状態に積層させるだけの簡単な組付け構造を採用できる。
(8)請求項1乃至12のいずれか一項において、前記弁装置の本体をなす前記積層体の厚さが2mm以下の弁素子(50,90)であることを特徴とする。これによれば、弁装置は本体の厚さが2mm以下の薄型な弁素子であるので、これまで内蔵できなかった部品(例えば記録ヘッド)にも内蔵できる。
第1実施形態におけるプリンタの概略斜視図。 カートリッジが装填されたキャリッジの模式断面図。 ヘッドユニットの側断面図。 ヘッドチップを示し、(a)は斜視図、(b)は側面図。 ヘッドチップの部分模式断面図。 バルブユニットの分解斜視図。 弁体及びシール部材を示し、(a)は頭部側から見た斜視図、(b)軸部側から見た斜視図、(c)は側面図。 (a)バルブ固定板の貫通孔を示す平面図、(b)バルブ保持板の貫通孔を示す平面図。 (a),(b)弁体の組み付け方法を説明する部分平面図。 バルブユニットの製造方法を示し、(a)は斜視図、(b)は部分平面図、(c),(d)は部分斜視図。 第2実施形態におけるバルブユニットの分解斜視図。 (a)〜(c)バルブユニットの製造方法を示す斜視図。 (a),(b)ロッド及びシール部材の組み付け方法を示す平面図。 バルブユニットの模式断面図。
符号の説明
10…液体噴射装置としての記録装置、13…キャリッジ、15…キャリッジモータ、16…液体噴射手段(液体噴射ヘッド)としての記録ヘッド、16b…噴射口としてのノズル、19,20…液体収容体(液体カートリッジ)としてのインクカートリッジ、21…紙送りモータ、30…供給針、31…ケースヘッド、32…ヘッドチップ、34…フィルタ、35…圧電振動子、50…弁装置としてのバルブユニット、51…弁装置本体をなす積層体、52…入力ポート、61…ノズルプレート、62…流路形成プレート、63…供給プレート、71…流路、72…出力ポート、73…駆動支持薄板としての積層フィルム板、73a…流路を構成する貫通孔、74…流路形成薄板としての流路板、74a…流路を構成するとともに孔としての貫通孔、74b…流路を構成する貫通孔、75…バルブ保持板、75a…流路を構成する貫通孔、76…付勢支持薄板としてのバルブ固定板、76a…流路を構成するとともに組付孔としての貫通孔、76b…板バネ部、78…膜層としてのフィルム、78a…駆動部、差圧駆動部及び受圧部を構成するとともに隔膜としてのフィルム膜、79a…駆動部、差圧駆動部及び受圧部を構成する受圧板部、79b…流路を構成する凹部、80…液圧室、81…圧力室としての大気圧室、86…弁体、87…弁部としての弁板部、85…シール部としてのシール部材、89…伝達手段及び介在部としての軸部、90…弁装置としてのバルブユニット、91…弁装置本体をなす積層体、92…流路形成薄板としての流路板、92a…流路を構成する貫通孔、92b…流路を構成する長孔、92c…位置決め手段としての突起、93…ロッド保持板、93a…流路を構成する貫通孔、93b…流路を構成する長孔、94…弁形成薄板としてのバルブ形成板、94b…弁部、95…伝達手段、介在部及び軸状部材としてのロッド。

Claims (4)

  1. 流路が形成された本体を有するとともに該流路を開閉して流体の圧力調整を行う弁装置であって、
    前記流路の一部となる孔が形成された流路形成薄板と、
    前記孔を塞ぐ環状のシール部を有すると、
    前記弁体と係合し、閉弁方向に付勢する付勢支持薄板と、
    前記シール部より下流側の前記流路内の減圧により変位し、前記弁体と当接して付勢力に抗して開弁さる駆動支持薄板と
    備え、
    前記弁体における前記駆動支持薄板との当接位置は、前記シール部の中心位置よりオフセットされ、
    前記弁体における前記付勢支持薄板との係合位置は、前記シール部の中心位置より前記当接位置とは反対側にオフセットしていることを特徴とする弁装置。
  2. 前記駆動支持薄板が前記弁体を開弁させる際、前記弁体は、前記弁体における前記付勢支持薄板との係合位置を支点として傾動することを特徴とする請求項1に記載の弁装置。
  3. 前記駆動支持薄板は、片持ち支持された基部を支点に傾動し、
    前記駆動支持薄板における前記弁体との当接位置は、前記駆動支持薄板の基部寄りであることを特徴とする請求項1または2に記載の弁装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の弁装置と、
    液体収容体と、
    前記液体収容体から供給された液体を噴射する液体噴射手段とを備え、
    前記弁装置は、前記液体収容体の内部の流路上又は前記液体収容体から供給された液体が前記液体噴射手段の噴射口に至るまでの流路上に設けられていることを特徴とする液体噴射装置。
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