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JP4757991B2 - シリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物 - Google Patents

シリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物 Download PDF

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JP4757991B2
JP4757991B2 JP2000329342A JP2000329342A JP4757991B2 JP 4757991 B2 JP4757991 B2 JP 4757991B2 JP 2000329342 A JP2000329342 A JP 2000329342A JP 2000329342 A JP2000329342 A JP 2000329342A JP 4757991 B2 JP4757991 B2 JP 4757991B2
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貴之 麻生
晴彦 古川
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物に関し、詳しくは保存安定性が良好であり、耐水性に優れた塗膜を形成し得るシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコーングラフトビニル系共重合体は、ビニル系単量体とラジカル重合性官能基を有する直鎖状のシリコーンマクロモノマー(以下、シリコーンマクロモノマー)とを有機溶剤中で重合させる溶液重合法によって製造されていた。しかし有機溶剤は、安全性,毒性,環境等の点で問題があるため、最近では、乳化重合法で製造したエマルジョンタイプの製品へと移行しつつある。このようなシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョンは、一般に、ビニル系単量体とシリコーンマクロモノマーを乳化した後、ラジカル重合開始剤を加えて重合する方法により製造される。しかし、シリコーンマクロモノマーは、その大きな分子量ゆえにミセル内での拡散性が悪く、加えて立体障害も大きいため、ビニル系単量体との反応性が低く、反応終了後に多量の未重合のシリコーンマクロモノマーが残存して反応系の純度を下げるという問題点があった。また、未重合のシリコーンマクロモノマーはビニル系単量体や重合後のポリマーに対する溶解性が低いため、得られたシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョンを基材に塗工すると、未重合のシリコーンマクロモノマーが塗膜表面にブリードアウトして、他材料との相溶性や、印刷性、各種基材との密着性を低下させ、さらに必要以上の平滑性を与えてしまうという問題点があった。また、シリコーンマクロモノマーの重合度が大きくなるほど、乳化重合時に凝集塊が生成し易く、かつ、重合後のエマルジョンの安定性が不十分になるという問題点があった。
これに対して、特開平5−9248号公報では、シリコーンマクロモノマーやビニル系単量体に加えて、油溶性ラジカル開始剤を用いることにより、シリコーンマクロモノマーを効果的に転化させる方法が記載されている。しかし、この方法を用いても転化率はまだ不十分であり、未重合のシリコーンマクロモノマーが他材料との相溶性や印刷性などの特性を低下させるという欠点があった。
一方、特開平1−284513号公報で提案されているアクリル系エマルジョン組成物は、重合度の低いシリコーンマクロモノマーを用いるために転化率は高いが、シリコーン本来の特性である撥水性等の特性が不十分であるという欠点があった。
以上のことから、従来のシリコーンマクロモノマーを用いて、高純度、高性能であり、かつ、凝集塊が発生しない保存安定性の高いシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョンを得ることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、保存安定性に優れ、かつ、撥水性,耐水性,印刷性,密着性に優れた塗膜を形成し得るシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)ビニル系単量体、
(B)一般式:
【化5】
Figure 0004757991
{式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【化6】
Figure 0004757991
(式中、R1は前記と同じであり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子,炭素原子数1〜10のアルキル基,アリール基および上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。)}で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー
(A)成分と(B)成分の比率は0:100〜99.9:0.1(重量比)
(C)界面活性剤
(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して0.01〜20重量部
および
(D)ラジカル重合開始剤
(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して0.01〜20重量部
からなる成分を乳化重合して得られるシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明組成物の各成分について説明する。
(A)成分のビニル系単量体は、ラジカル重合性のビニル基を有するものであれば何れでもよく、その種類等については特に限定されない。かかるビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−プロピル,アクリル酸イソプロピルなどの低級アルキルアクリレート;メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−プロピル,メタクリル酸イソプロピルなどの低級アルキルメタクリレート;アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸tert−ブチル,アクリル酸n−ヘキシル,アクリル酸−シクロヘキシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸ラウリル,アクリル酸ステアリル等の高級アクリレート;メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸tert−ブチル,メタクリル酸n−ヘキシル,メタクリル酸−シクロヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸オクチル,メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸ステアリル等の高級メタクリレート;酢酸ビニル,プロピオン酸ビニルなどの低級脂肪酸ビニルエステル;酪酸ビニル,カプロン酸ビニル,2−エチルヘキサン酸ビニル,ラウリル酸ビニル,ステアリン酸ビニル等の高級脂肪酸エステル;スチレン,ビニルトルエン,ベンジルアクリレート,ベンジルメタクリレート,フェノキシエチルアクリレート,フェノキシエチルメタクリレート,ビニルピロリドン等の芳香族ビニル系単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエチルアクリレート,ジエチルアミノエチルメタクリレートなどのアミノ基含有ビニル系単量体;アクリルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N−メトキシメチルアクリルアミド,イソブトキシメトキシアクリルアミド,N,N−ジメチルアクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチロールメタクリルアミド,N−メトキシメチルメタクリルアミド,イソブトキシメトキシメタクリルアミド,N,N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシブチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシブチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有ビニル系単量体:トリフルオロプロピルアクリレート,パーフルオロブチルエチルアクリレート,パーフルオロオクチルエチルアクリレート,トリフルオロプロピルメタクリレート,パーフルオロブチルエチルメタクリレート,パーフルオロオクチルエチルメタクリレート等のフッ素含有ビニル系単量体;グリシジルアクリレート,3,4エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート,グリシジルメタクリレート,3,4エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等のエポキシ基含有ビニル系単量体;テトラヒドロフルフリルアクリレート,ブトキシエチルアクリレート,エトキシジエチレングリコールアクリレート,ポリエチレングリコールアクリレート,ポリプロピレングリコールモノアクリレート,ヒドロキシブチルビニルエーテル,セチルビニルエーテル,2ーエチルヘキシルビニルエーテル,テトラヒドロフルフリルメタクリレート,ブトキシエチルメタクリレート,エトキシジエチレングリコールメタクリレート,ポリエチレングリコールメタクリレート,ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等のエーテル結合含有ビニル系単量体;次式で表されるラジカル重合性不飽和基含有アルコキシシラン,
CH2=CHCOOC3H6Si(OCH3)3
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(OCH3)3
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(CH3)(OCH3)2
CH2=C(CH3)COOC3H6Si(CH3)2OCH3
CH2=C(CH3)COOC2H4OC3H6Si(OCH3)3
CH2=C(CH3)COOC12H24Si(OCH3)3
CH2=CHOC3H6Si(CH3)(OC2H5)2
CH2=CHSi(OCH3)3
CH2=CHSi(OC2H5)3
CH2=CHSi(C4H9)(OC4H9)2
片末端にアクリル基またはメタクリル基を含有する分岐状あるいは直鎖状のオルガノポリシロキサン,片末端にスチリル基を含有するポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;アクリロニトリル,メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;ドデシル無水コハク酸;アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のラジカル重合性不飽和カルボン酸およびその塩、アンモニウム塩,有機アミン塩;スチレンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体、およびそれらのアルカリ金属塩,アンモニウム塩,有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのようなメタクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩、メタクリル酸ジエチルアミンエステルのような3級アミン基を有するアルコールのメタクリル酸エステル、およびそれらの4級アンモニウム塩が例示される。これらの中でも、アクリル酸エステル系モノマー、メタクリル酸エステル系モノマーまたはスチレン系モノマーが好ましい。
【0006】
また、多官能ビニル系単量体も使用可能であり、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,エチレングリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチルアクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート,ペンタエリスリトールトリメタクリレート,エチレングリコールジメタクリレート,テトラエチレングリコールジメタクリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレート,1,4−ブタンジオールジメタクリレート,1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチルメタクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジメタクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート,ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジアクリレートまたはジメタクリレート,水添ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドの付加体のジオールのジアクリレートまたはジメタクリレート,トリエチレングリコールジビニルエーテル等のアクリロイル基またはメタクリロイル基含有単量体,ジビニルベンゼン,両末端スチリル基封鎖ポリジメチルシロキサンや両末端メタクリロキシプロピル基封鎖ポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有シリコ−ン化合物が例示される。
【0007】
中でも、アミノ基,エポキシ基,テトラフルフリル基,カルボキシ基,水酸基,ブロック化イソシアネート基や、ハロゲン化シリル基,アルコキシシリル基,アセトキシシリル基などの各種シリル基のような架橋性官能基を有するビニル系単量体を使用すると、乳化重合後の本発明組成物から水を除去することにより、シリコーングラフトビニル系共重合体を架橋させることができる。架橋により、シリコーングラフトビニル系共重合体の耐久性や耐溶剤性の向上が可能になる。架橋は、自己架橋でも良いし、メラミン,多官能エポキシ,多官能イソシアネートなどの架橋剤を使用してもよい。必要に応じて、架橋触媒を用いることもできる。尚、これらの架橋性官能基は水によって加水分解するため、公知の技術を用いて加水分解しないようにエマルジョン化する必要がある。さらに(A)成分の一部として、アクリル酸,メタクリル酸,2−ヒドロキシエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレートのような親水性のビニル系単量体を使用すると、本発明組成物を一段と安定化させることができる。重合後に残った官能基は、塩基や酸を用いて中和してもよい。
【0008】
(B)成分のラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマーは、一般式:
【化7】
Figure 0004757991
で表される。上式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、例えば、一般式:
【化8】
Figure 0004757991
で示されるアクリル基もしくはメタクリル基含有有機基,一般式:
【化9】
Figure 0004757991
で示されるスチリル基含有有機基または炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられる。上式中、R4およびR6は水素原子もしくはメチル基であり、R5およびR8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基である。bは0〜4の整数であり、cは0または1である。このようなラジカル重合可能な有機基としては、例えば、アクリロキシメチル基,3−アクリロキシプロピル基,メタクリロキシメチル基,3−メタクリロキシプロピル基,4−ビニルフェニル基,3−ビニルフェニル基,4−(2−プロペニル)フェニル基,3−(2−プロペニル)フェニル基,2−(4−ビニルフェニル)エチル基,2−(3−ビニルフェニル)エチル基,ビニル基,アリル基,メタリル基,5−ヘキセニル基が挙げられる。R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、アルキル基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル基,イソプロピル基,イソブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基が例示され、アリール基としては、フェニル基,ナフチル基が例示される。これらの中でもメチル基,フェニル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
【化10】
Figure 0004757991
上式中、R1は前記と同じであり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、エチレン基,プロピレン基,ブチレン基が例示される。R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基が例示される。Xi+1は水素原子,炭素原子数1〜10のアルキル基,アリール基および上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。aiは0〜3の整数である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、これは該シリルアルキル基の繰り返し数を示している。従って、階層数iが1である場合に、本成分のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式:
【化11】
Figure 0004757991
(式中、Y,R1,R2およびR3は前記と同じであり、R12は水素原子または前記R1と同じである。a1は前記aiと同じであるが、1分子中のa1の平均合計数は0〜7である。)で示される。階層数iが2である場合に、本成分のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式:
【化12】
Figure 0004757991
(式中、Y,R1,R2,R3およびR12は前記と同じである。a1およびa2は前記aiと同じであるが、1分子中のa1とa2の平均合計数は0〜25である。)で示される。階層数iが3である場合に、本成分のカルボシロキサンデンドリマーは、一般式:
【化13】
Figure 0004757991
(式中、Y,R1,R2,R3およびR12は前記と同じである。a1,a2およびa3は前記aiと同じであるが、1分子中のa1とa2とa3の平均合計数は0〜79である。)で示される。
【0009】
このような(B)成分のラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマーとしては、下記平均組成式で示される化合物が例示される。
【化14】
Figure 0004757991
【化15】
Figure 0004757991
【0010】
このようなカルボシロキサンデンドリマーは、例えば、特開平11−1530号公報に記載された方法に従って製造することができる。即ち、一般式:
【化16】
Figure 0004757991
(式中、R1およびYは前記と同じである。)で示されるケイ素原子結合水素原子含有ケイ素化合物と、アルケニル基含有有機ケイ素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。上式で示されるケイ素化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン,3−アクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン,4−ビニルフェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランが挙げられる。アルケニル基含有有機ケイ素化合物としては、ビニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン,ビニルトリス(ジメチルフェニルシロキシ)シラン,5−ヘキセニルトリス(トリメチルシロキシ)シランが挙げられる。尚、このヒドロシリル化反応は、塩化白金酸や白金ビニルシロキサン錯体などの遷移金属触媒の存在下に行うのが好ましい。
【0011】
上記(A)成分と(B)成分の重合比率は、(A)成分と(B)成分が重量比で、0:100〜99.9:0.1となる範囲であり、好ましくは50:50〜95:5となる範囲であり、より好ましくは、60:40〜90:10となる範囲である。これは、(B)成分の配合比率が0.1より小さいとカルボシロキサンデンドリマー構造に由来する特徴が発現しないためである。
【0012】
(C)成分の界面活性剤は特に限定されないが、ラジカル重合能を有するものが好ましい。このようなラジカル重合可能な界面活性剤は、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の何れでもよい。アニオン系の界面活性剤としては、下記式で示される化合物が例示される。
【化17】
Figure 0004757991
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Mはアルカリ金属であり、AOはアルキレンオキシドであり、xは1〜50の整数である。)
【化18】
Figure 0004757991
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Mはアルカリ金属であり、AOはアルキレンオキシドであり、xは1〜50の整数である。)
【化19】
Figure 0004757991
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2はアルキレン基であり、Mはアルカリ金属であり、AOはアルキレンオキシドであり、xは1〜50の整数である。)
【化20】
Figure 0004757991
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Mはアルカリ金属であり、xは1〜50の整数である。)
ノニオン系の界面活性剤としては、下記式で示される化合物が例示される。
【化21】
Figure 0004757991
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、AOはアルキレンオキシドであり、EOはエチレンオキシドであり、POはプロピレンオキシドであり、xは1〜50の整数である。)
【化22】
Figure 0004757991
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、AOはアルキレンオキシドであり、xは1〜50の整数である。)
【化23】
Figure 0004757991
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、AOはアルキレンオキシドであり、xは1〜50の整数である。)
カチオン系の界面活性剤としては、下記式で示される化合物が例示される。
【化24】
Figure 0004757991
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xはハロゲン原子である。)
【化25】
Figure 0004757991
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Xはハロゲン原子である。)
これらの中でも、下記式で示される界面活性剤が好ましい。
【化26】
Figure 0004757991
【0013】
この他にも(C)成分としては、通常のビニルポリマーの乳化重合に用いられる、ラジカル官能性基を含有しない界面活性剤を使用することもできる。このような界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤,カチオン性界面活性剤,ノニオン性界面活性剤,両性界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム,ステアリン酸ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,アルキルサルフェート塩類,ポリオキシエチレンアルキルエ−テルスルホン酸塩が例示される。カチオン性界面活性剤としては、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド,デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド,ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド,ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド,牛脂トリメチルアンモニウムヒドロキシド,ヤシ油トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4級アンモニウムヒドロキシドおよびこれらの塩が例示される。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル,ポリオキシエチレンドデシルエーテル,ポリオキシエチレンステアリルエーテル,ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンモノステアレート,ソルビタンモノステアレート,ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートが例示される。両性界面活性剤としては、アミノ酸型、ベタイン酸型界面活性剤が例示される。これらの中でも、アニオン性界面活性剤,ノニオン性界面活性剤,もしくはこれらを組合わせて使用するのが好ましい。
【0014】
このような(C)成分の界面活性剤は、1種類を単独で使用してもよいが、2種類以上を併用しても良い。またその配合量は、上記(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して0.01〜20重量部であり、0.1〜10重量部であることが好ましい。
【0015】
(D)成分のラジカル重合開始剤は、ビニルポリマーの乳化重合に通常用いられるラジカル重合開始剤であればよく、特に限定されない。例えば、過硫酸カリウム,過硫酸ナトリウム,過硫酸アンモニウム等の無機系過酸化物;t−ブチルパーオキシマレイン酸,コハク酸パーオキシド,t−ブチルハイドロパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス[2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン]塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(N−2−ヒドロキシエチルアミジノ)プロパン]塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド等の水溶性アゾ系ラジカル開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等の油溶性アゾ系ラジカル開始剤;ラウロイルパーオキシド;ベンゾイルパーオキシド,ジクミルパーオキシド,シクロヘキサノンパーオキシド,ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート,t−ブチルパーオキシビバレート等のような油溶性過酸化物が例示される。水溶性のラジカル開始剤を使用する場合には、予め乳化してから他の成分と混合してもよい。(D)成分の配合量は、上記(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して0.01〜20重量部の範囲であり、0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい
【0016】
本発明組成物は、前記(A)成分のビニル系単量体と(B)成分のカルボシロキサンデンドリマーとの混合物100重量部に対して、(C)成分の界面活性剤を0.01〜20重量部と、(D)成分のラジカル重合開始剤を0.01〜20重量部添加して、水性媒体中で乳化分散液を調製し、これを乳化重合することにより得られる。このとき、(A)成分〜(D)成分を一緒に乳化分散してもよく、また、(D)成分のラジカル重合開始剤を予め乳化分散してから添加してもよい。乳化分散液は、通常の乳化装置、例えばコロイドミルやホモジナイザーを用いて調製される。重合は、反応系を予め50〜90℃に加熱して2〜8時間程度行うが、このとき、乳化分散液を滴下しながら重合してもよく、また、乳化分散液を一括して仕込んでから重合させてもよい。前者の方が温度コントロールが容易なため、好ましく使用される。また、乳化重合に使用される一般的な連鎖移動剤を添加してもよい。この連鎖移動剤として具体的には、2−メルカプトエタノール,ブチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタン,3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピル基を有するポリジメチルシロキサン等のメルカプト化合物;塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素,臭化ブチル,3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化物、アルファメチルスチレンダイマーなどが挙げられる。重合後のエマルジョンの粒子径は特に限定されないが、保存安定性および凝集物生成の抑制の点から、1.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以下であり、0.3μm以下が最も好ましい。一方、粒子径を1.0μm以上にする場合は、増粘剤を併用したり比重を調節すればよい。また、本発明組成物の固形分は、製造性とハンドリングの観点から15〜60重量%の範囲であることが好ましい。
【0017】
本発明組成物には必要に応じて、着色剤,安定剤,油脂類,ワックス類,充填剤などを添加することができる。さらにその安定性を損なわない範囲であれば、アルコキシシリル基またはシラノールの硬化触媒、例えば有機金属塩,金属アルコキシド,金属キレート,有機アミン,第4級アンモニウム塩などを添加してもよい。これらの添加により本発明組成物と各種基材表面との反応が促進され、基材に対する密着性が向上するという効果が得られる。
【0018】
以上のような本発明組成物は、上記ビニル系単量体とカルボシロキサンデンドリマーの反応性が高いので、乳化重合後のシリコーングラフトビニル系共重合体の純度が高いという特徴を有する。このため本発明組成物の塗膜や硬化物は、有機樹脂等の他材料に対する相溶性や各種基材との密着性に優れ、また、適度な摩擦性を有するため滑りにくく、印刷・印字性が良好であるという特徴を有する。加えて、デンドリマー構造が表層に存在するので、耐候性,耐紫外線性,光沢保持性,防水性,着氷防止性,耐酸性に優れている。さらに、耐水性が極めて良好であり、かつ、保存安定性に優れるという特徴を有する。また、水系であることから、安全性が高く、大気汚染など環境に対する負荷が小さい。これらのことから、本発明組成物は、塗料用樹脂,ワックス,紙加工剤,繊維処理剤,フィルム加工剤,化粧料,土木用樹脂,接着剤,粘着剤などの主剤や添加剤として有用である。尚、本発明組成物の塗膜は、各種基材に塗布して温度30〜90℃、5分〜10時間の条件で加熱するか、あるいは室温で1時間〜5日間放置することにより形成される。その厚さは、通常、0.1〜100μmである。
【0019】
【実施例】
次に、本発明を実施例にて詳細に説明する。実施例中の部は重量部を表している。また、得られたエマルジョン組成物および塗膜の物性は、以下の方法によって測定した。
【0020】
[エマルジョン組成物の物性]
・未重合物(%)
エマルジョン組成物中の未重合のカルボシロキサンデンドリマーの残存量を測定して、デンドリマー配合量に対する重量比を表した。
・凝集物
エマルジョン組成物中の凝集物の含有量を固形分換算で示した。
・保存安定性
エマルジョン組成物を室温にて3ヶ月間静置し、3ヶ月経過後に、凝集・沈降・分離の有無を測定した。
○:分離・沈降は認められなかった。
×:分離・沈降が認められた。
【0021】
[塗膜の物性]
・撥水性
塗膜の水に対する接触角を、自動接触角計(協和界面化学社製)を用いて測定した。
・耐水性
塗膜が形成されたテストピースをイオン交換水中に24時間浸し、24時間後の塗膜の白濁や剥がれの有無を観察して、次のように評価した。
○:変化は認められなかった。
△:わずかに白濁していた。
×:白濁して塗膜が剥がれた。
・印刷性
塗膜表面に黒色インクペン[ぺんてる(株)製、マジックインキ]でマーキングしたときのインキのハジキ状態を観察して、次のように評価した。
〇:異常は認められなかった。
△:一部にハジキが認められた。
×:ハジキが大きくマーキングが困難であった。
・摩擦係数
テストピースにエマルジョン組成物を塗布して乾燥後、スラフト摩擦試験機を用いて測定した。円周速度は10cm/s、荷重は2kgfで行った。
・碁盤目密着性
JIS K5400第6、15項の碁盤目試験に準じて、塗膜に、2mm間隔で縦横それぞれ6本ずつカッターナイフで切傷を入れた。次いでセロテープを塗膜に密着させてから力いっぱい引き剥したときの残存塗膜の碁盤目の数を数えた。
・耐汚染性
塗膜表面に黒色インクペン[ぺんてる(株)製、マジックインキ]でマーキングして10分間風乾した。その後、イソプロピルアルコールを含浸した脱脂綿で拭きとり、塗膜表面を目視により下記基準に従って判定した。
〇:マーキングの残存は全く認められなかった。
×:マーキングの残存が認められた。
・相溶性
エマルジョン組成物10部に、メチルメタクリレート50部とブチルメタクリレート50部を2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部でラジカル重合させて得られたアクリルエマルジョンを90部配合して均一に混合した。この混合物を乾燥して塗膜を形成させ、その外観を測定した。
○:透明であった。
△:多少濁りが認められた。
×:白濁していた。
【0022】
【実施例1】
式:
【化27】
Figure 0004757991
で表されるカルボシロキサンデンドリマー10部、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート40部、スチレン10部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1部およびn−ドデシルメルカプタン0.5部を混合し、次いでこれに、式:
【化28】
Figure 0004757991
で示される界面活性剤(旭電化工業社製;商品名アデカリアソープNE−20)3部と脱イオン水100部を加えて、ホモジナイザーで乳化分散させた。一方、別のフラスコに脱イオン水50部を投入してこれをN2通気下80℃に保ち、この中に、上記で得られた乳化分散液200部を撹拌しながら2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間熟成して、ポリスチレン換算分子量5万、平均粒子径0.15μm、不揮発分40%のシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物−A1を得た。このようにして得られたエマルジョン組成物−A1を、磨き軟鋼板(0.5mm厚)に乾燥膜厚が20μmになるように塗布し、室温で一週間乾燥させた。得られたエマルジョン組成物および塗膜の物性を測定して、その結果を表1に記した。
【0023】
【実施例2】
式:
【化29】
Figure 0004757991
で表されるカルボシロキサンデンドリマー20部、メチルメタクリレート48部、n−ブチルアクリレート32部、ジメチル−2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオネート(和光純薬社製;商品名V−601)0.5部およびn−ドデシルメルカプタン0.5部を混合し、次いでこれに、式:
【化30】
Figure 0004757991
で示される界面活性剤(旭電化工業社製;商品名アデカリアソープNE−20)2部と脱イオン水100部を加えて、ホモジナイザーで乳化分散させた。一方、別のフラスコに脱イオン水70部を投入して、これをN2通気下80℃に保ちながら、この中に上記で得られた乳化分散液200部を撹拌しながら2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間熟成して、ポリスチレン換算分子量7万、平均粒子径0.18μm、不揮発分40%のシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物−A2を得た。このようにして得られたエマルジョン組成物−A2を実施例1と同様にして塗膜を形成した。得られたエマルジョン組成物および塗膜の物性を測定して、その結果を表1に記した。
【0024】
【実施例3】
式:
【化31】
Figure 0004757991
で表されるカルボシロキサンデンドリマー30部、メチルメタクリレート42部、2−エチルヘキシルアクリレート28部およびn−ドデシルメルカプタン0.5部を混合し、次いでこれに、式:
【化32】
Figure 0004757991
(式中、Rはアルキル基である。)で表される界面活性剤(三洋化成工業社製;商品名エレミノールJS−2)5部と脱イオン水100部を加えて、ホモジナイザーで乳化分散した後、過硫酸アンモニウムを1部添加した。一方、別のフラスコに脱イオン水100部を投入してこれをN2通気下80℃に保ち、この中に、上記で得られた乳化分散液200部を撹拌しながら2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間熟成して、ポリスチレン換算分子量4万、不揮発分40%のシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物−A3を得た。このようにして得られたエマルジョン組成物−A3を実施例1と同様にして塗膜を形成した。得られたエマルジョン組成物および塗膜の物性を測定して、その結果を表1に記した。
【0025】
【比較例1】
実施例3において、カルボシロキサンデンドリマーを、式:
【化33】
Figure 0004757991
で表されるジメチルポリシロキサンに変えた以外は実施例3と同様にして、シリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物−B1を得た。得られたエマルジョン組成物のポリスチレン換算分子量は5万であり、不揮発分は40%であった。このエマルジョン組成物−B1を実施例1と同様にして塗膜を形成した。得られたエマルジョン組成物および塗膜の物性を測定して、その結果を表1に記した。
【0026】
【比較例2】
実施例3において、カルボシロキサンデンドリマーを、式:
【化34】
Figure 0004757991
で表されるジメチルポリシロキサンに変えた以外は実施例3と同様にして、シリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物−B2を得た。得られたエマルジョン組成物のポリスチレン換算分子量は4万であり、不揮発分は42%であった。このエマルジョン組成物−B2を実施例1と同様にして塗膜を形成した。得られたエマルジョン組成物および塗膜の物性を測定して、その結果を表1に記した。
【0027】
【表1】
Figure 0004757991
【0028】
【実施例4】
実施例3において、式:
【化35】
Figure 0004757991
(式中、Rはアルキル基である。)で表される界面活性剤(三洋化成工業社製;商品名エレミノールJS−2)の替わりにラウリル硫酸ナトリウムを2部用いた以外は実施例3と同様にして、シリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物−A4を得た。得られたエマルジョン組成物のポリスチレン換算分子量は5万であり、粒子径は0.15μmであり、不揮発分は42%であった。また、このエマルジョン組成物中の未重合物は6%であり、凝集物は0.1%以下であり、アクリルエマルジョンに対する相溶性も良好(透明)であった。さらにこのエマルジョン組成物を3ヶ月間室温にて放置したところ、3ヵ月後も分離や沈降は認められなかった。また、このエマルジョン組成物−A4を実施例1と同様にして塗膜を形成した。得られた塗膜の印刷性および耐汚染性は良好であり、摩擦係数は0.23であり、碁盤目密着性は25/25であった。
【0029】
【発明の効果】
本発明のシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物は、特定のカルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル共重合体を主成分とするエマルジョン組成物であり、保存安定性に優れ、撥水性,耐水性,印刷性,密着性,耐汚染性に優れた塗膜を形成し得るという特徴を有する。

Claims (4)

  1. (A)ビニル系単量体、
    (B)一般式:
    Figure 0004757991
    {式中、Yはラジカル重合可能な有機基であり、R1は炭素原子数1〜10のアルキル基もしくはアリール基であり、X1はi=1とした場合の次式で示されるシリルアルキル基である。
    Figure 0004757991
    (式中、R1は前記と同じであり、R2は炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、R3は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、Xi+1は水素原子,炭素原子数1〜10のアルキル基,アリール基および上記シリルアルキル基からなる群から選択される基である。iは該シリルアルキル基の階層を示している1〜10の整数であり、aiは0〜3の整数である。)}で表されるラジカル重合可能な有機基を有するカルボシロキサンデンドリマー
    (A)成分と(B)成分の比率は0:100〜99.9:0.1(重量比)
    (C)界面活性剤
    (A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して0.01〜20重量部
    および
    (D)ラジカル重合開始剤
    (A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して0.01〜20重量部
    からなる成分を乳化重合して得られるシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物。
  2. (B)成分中のラジカル重合可能な有機基Yが、一般式:
    Figure 0004757991
    (式中、R4は水素原子もしくはメチル基であり、R5は炭素原子数1〜10のアルキレン基である。)で示されるアクリル基もしくはメタクリル基含有有機基、一般式:
    Figure 0004757991
    (式中、R6は水素原子もしくはメチル基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、bは0〜4の整数であり、cは0または1である。)で示されるスチリル基含有有機基および炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群から選択される基である請求項1に記載のシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物。
  3. (C)成分がラジカル重合可能な界面活性剤である請求項1または請求項2に記載のシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物。
  4. 塗膜形成性である請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーングラフトビニル系共重合体エマルジョン組成物。
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