JP4749771B2 - 平版印刷版原版 - Google Patents
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Description
平版印刷版原版は、記録層表面に、画像マスクを介した密着もしくは投影方式の面露光を行う方法や、コンピュータからの画像情報に基づいた活性光線や放射線の走査、変調による直接的な露光により、支持体上の画像形成組成物に画像様に物性変化を引き起こした後、非画線部の画像形成組成物を除去(現像)し、画像部及び/又は非画像部に、必要に応じ親水化、感脂化、保護膜形成等の処理を行って、支持体表面層からなる親水性の非画線部と画像形成組成物からなる疎水性(油性インク受容性)の画線部とを有する平版印刷版に製版される。
かくして得られた平版印刷版は、通常、湿し水とインクとを供給して印刷工程に付すが、印刷工程において、親水性の非画像部が湿し水を、親油性の画線部がインクを受容し、印刷版表面にインク画像を形成する。得られたインク画像を、所望の被記録媒体に直接もしくは間接的に転写する事で印刷物が得られる。
記録層表面の親油性を確保する方法として、例えば、フェノール性水酸基およびステアリル基を例とする炭素数4〜20の直鎖、分岐又は環状アルキル基を有するポリマーを用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、上記のような親油性ポリマーをバインダーの主成分として使用する場合には、添加量が多いため、現像性など他性能に及ぼす影響が大きくなり、使いこなしが難しい。一方、このような親油性のポリマーは、添加剤的に少量を用いた場合には、期待したほどのインキ着肉性向上効果が得られないという問題点があった。
現像液中のカス析出を防止する目的で、高分子化合物中にアルカリ可溶性基を導入する方法をとることが一般的であるが、その場合、ポリマーが親水的になり、インキ着肉性は低下する。したがって、通常、親油性基とアルカリ可溶性の導入量を調節し、インキ着肉性と現像液中のカス析出抑制とのバランスをとっており、それらの特性を両立させることは困難であった。
即ち、本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、下記(1)〜(3)で示される構造を含む高分子化合物および赤外線吸収剤を含有する記録層を備えることを特徴とする。
(1)下記一般式(1)で示される構造
(2)下記一般式(2)で示されるアルカリ分解性基含有構造
(3)6個以上の炭素原子を有する1価の側鎖構造。
本発明において平版印刷版原版の記録層に含まれる高分子化合物は、前記の如く、(1)で示されるフッ素含有部分構造、(2)で示されるアルカリ分解性基含有構造におけるアルカリ分解性の官能基、及び、(3)に規定される炭素原子を多数含むことで高親油性を発現する1価の側鎖構造を有する。ここで、(1)で示される前記一般式(1)で表される構造を有するフッ素含有官能基の機能により、この高分子は表面に偏在化する傾向を有し、それに伴い、(3)で規定される成分である高親油性の部分構造も、ともに表面に配向する。これにより、記録層表面の親油性が向上し、インキ着肉性が向上したものと考えられる。
また、(3)の側鎖部分構造は、ノボラック樹脂などの共存するアルカリ可溶性樹脂との親和性が比較的低いため、記録層中に均一に分散することなく、さらに高い表面配向性を発現し、このため、記録層表面の親油性が高まり、インキ着肉性が一層向上するものと考えられる。
本発明の平版印刷版原版は、記録層に、(1)一般式(1)で表される構造、(2)一般式(2)で示されるアルカリ分解性基含有構造、及び、(3)6個以上の炭素原子を有する1価の側鎖構造を含む高分子化合物と、赤外線吸収剤とを含有する。
以下に本発明の特徴をなす高分子化合物に含まれる部分構造である(1)、(2)、及び(3)に関して詳細に説明する。
本発明に係る高分子化合物に含まれる(1)一般式(1)で表される構造は、その構造内にフッ素を複数個含む官能基であり、以下、適宜(1)フッ素含有構造と称する。(1)一般式(1)で示される構造は、以下のようなモノマーとして高分子化合物中に導入されることが好ましい。
このようなフッ素含有構造(−(CH2)mCnF2n+1)を有するモノマーとしては、具体的には次のようなフルオロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
CH2=CRCO2(CH2)mCnF2n+1
(mは1または2、nは4〜12の整数を示す。またRは炭素数1〜4のアルキル基を示す)
CH2=CRCO2(CH2)m(CF2)nH
(mは1または2、nは4〜12の整数を示す。またRは炭素数1〜4のアルキル基を示す)
ここで、Rfのフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基において、フッ素原子の数が9以上のものを用いることによって、膜厚方向にフッ素原子の濃度分布を持った感光層を形成し、表面のフッ素濃度は高く、内部の方はフッ素濃度が低くなるという効果を有する。特に、このようなモノマーを共重合成分とすることで(1)フッ素含有構造をポリマー中に導入する際には、モノマーユニットあたりのフッ素原子の数が13以上のものが表面のフッ素濃度を高める上でより好ましい。
本発明に係る高分子化合物の合成にあたっては、所望される物性に適合する好ましいフッ素原子含有量及び(1)フッ素含有構造(官能基)に含まれるフッ素原子数を考慮し、共重合成分としてのフッ素含有モノマーの仕込量を適宜決定すればよい。また、ポリマーを合成した後、このような(1)フッ素含有構造を導入することもできる。
下記一般式(2)で表されるアルカリ分解性基含有構造において、一般式(2)中のR1はR1OHのpKaが3〜9となる炭化水素基を表す。
R1で示される好ましい炭化水素基としては、炭素原子数が1から20までの炭化水素、好ましくは、炭素原子数が1から20までのアルキル基又は、炭素原子数が6から20までのアリール基が挙げられる。
特に好ましいアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基が挙げられ、本発明におけるアリール基は、複素芳香族であるピリジニル基、フラニル基、チオフェニル基などをも包含するものとする。
特に好ましいR1としては、具体的には、例えば、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリブロモメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、シアノメチル基、ニトロメチル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、プロモフェニル基、シアノフェニル基、ニトロフェニル基、ジクロロフェニル基、トリクロロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、アセチルフェニル基、ジアセチルフェニル基、ベンゾイルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、メタンスルホニル基、トルエンスルホニルフェニル基、クロロフェニルスルホニルフェニル基;及び、前述の電子吸引性置換基のうち2種以上を有するフェニル基;ピリジニル基等の芳香族複素環基が挙げられる。
一般式(2)で表されるアルカリ分解性基含有部分構造は、R1OHのpKaが3〜9となる炭化水素基R1を有することから、このような部分構造は、アルカリ現像液中で加水分解し、酸基などの親水性基を生じる特性を示すものであり、以下、適宜、(2)アルカリ分解性基含有構造と称する。
(3)に規定される側鎖部分構造は、構造内に6個以上の炭素を有することで高親油性を発現する部分構造であり、以下、適宜、(3)高親油性構造と称する。
本発明で用いられる(3)高親油性構造は、炭素原子を6個以上有する1価の側鎖構造であれば特に制限はなく、代表的なものとしては、炭素原子を6個以上有する環状、或いは、鎖状の1価の炭化水素基が挙げられ、鎖状炭化水素は直鎖状、分岐鎖状いずれの構造もとりうる。また、環状炭化水素基としては、脂肪環、橋状構造を有する脂肪環、芳香環などの構造をとりうる。
特に好ましいアルキル基としては、ヘキシル基、ドデシル基等の直鎖脂肪族基、2−エチルヘキシル基等の分岐脂肪族基、シクロヘキシル基等の環状脂肪族基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基等の橋状脂肪族基、ベンジル基、ヘキセニル基等の不飽和炭化水素基を含む基などが挙げられる。
特に好ましいアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基が挙げられ、本発明におけるアリール基は、複素芳香族であるピリジニル基、フラニル基、チオフェニル基などをも包含するものとする。
例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、2−クロロエトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、2−ヒドロキシエチルオキシカルボニル基、ジエチルアミノエチルオキシカルボニル基、フルフリルオキシカルボニル基、テトラヒドロフリルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ヒドロキシフェニルオキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、メトキシベンジルオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−ヒドロキシエチルカルバモイル基、N−ベンジルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−ニトロフェニルカルバモイル基、N−トリルカルバモイル基、N−ヒドロキシフェニルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N,N−ジシクロヘキシルカルバモイル基、および下記〔(3)−1〜(3)−38〕の如き橋状結合を有するアルコキシカルボニル基、N−置換、N,N−2置換カルバモイル基、等の分岐構造を有していても、置換基を有していてもよい構造が挙げられる。
なお、本発明に係る高分子化合物は、前記(1)〜(3)の3種の部分構造を有するものであれば、その他の構成単位を含むことが出来、本発明の効果を損なわない範囲において、塗布性向上や現像性、アルカリ溶解性調整などの種種の目的で、これらの部分構造を含まない他のモノマーを共重合成分として含んでいてもよい。
ここで併用可能な他のモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマー、および下記(1)〜(6)に挙げる酸基を有するモノマーが挙げられる。
(1)フェノール基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)
〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R〕
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸基(−OPO3H2)
上記(1)〜(6)中、Arは置換基を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
上記(1)〜(6)より選ばれる酸基を有する化合物の中でも、効果の観点から、(1)フェノール基、(2)スルホンアミド基、及び(4)カルボン酸基を有するものが好ましく、特に(4)カルボン酸基が、着肉性と現像性を充分に確保するという観点から最も好ましい。
また、側鎖にヒドロキシアリール基を有するモノマーとしては、例えば、下記一般式(1)で表されるモノマーを少なくとも1種含むものを挙げることができる。
(2)スルホンアミド基を有する高分子としては、例えば、スルホンアミド基を有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分として構成される重合体を挙げることができる。上記のような化合物としては、窒素原子に少なくとも一つの水素原子が結合したスルホンアミド基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物が挙げられる。中でも、アクリロイル基、アリル基、またはビニロキシ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基または置換スルホニルイミノ基と、を分子内に有する低分子化合物が好ましく、例えば、下記一般式(i)〜一般式(v)で表される化合物が挙げられる。
(5)スルホン酸基を有するアルカリ可溶性構造単位としては、例えば、スルホン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構造単位を挙げることができる。
(6)リン酸基を有するアルカリ可溶性構造単位としては、例えば、リン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構造単位を挙げることができる。
本発明に用いる共重合体を構成する、前記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有するモノマーは、特に1種類のみである必要はなく、同一の酸性基を有するモノマーを2種以上、または異なる酸性基を有するモノマーを2種以上共重合成分として導入させたものを用いることもできる。
また、特定共重合体中の前記酸基の導入量は、当該酸基の存在により、該高分子化合物がpH10〜13のアルカリ現像液に溶解しうるものであれば特に限定はない。
また、R2で表される連結基として、炭素原子数3から30までの脂肪族環状構造を有する(n+1)価の炭化水素基がより好ましい。具体的には、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、ジシクロヘキシル、ターシクロヘキシル、ノルボルナン等の脂肪族環状構造を有する化合物が挙げられる。また、原子数が5〜20の脂肪族鎖状構造を有する化合物を構成する任意の炭素原子上の水素原子を(n+1)個除き、(n+1)価の炭化水素基としたものも同様に挙げることができる。
R2で表される連結基に導入可能な置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基などが挙げられる。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−ノルボルニル基等の炭素数1〜10までの直鎖状、分枝状、又は環状のアルキル基が挙げられる。
一般式(I)におけるnは、1〜5の整数を表し、着肉性の点で好ましくは1である。
なお、本発明に用いられる特定高分子化合物中のカルボキシル基に代表される酸基は、多すぎると所望とする着肉性が得られないことから、特定共重合体1分子あたりの酸価は、着肉性の観点から10.0mmol/g以下が好ましく、5.0mmol/g以下がより好ましい。
分子量が1000より小さいと皮膜性が低下し、着肉性の向上効果が不充分になる。一方、1,000,000を超えると現像カスに溶解しにくくなるとともに、塗布溶剤に溶解しにくくなり、塗布性などのハンドリング性も低下し、均一な塗膜が得難くなる傾向がある。
また、本発明の高分子化合物は、線状であっても、枝分かれしていても、ブロック、グラフト構造を有していてもかまわない。
〈一般的な合成方法〉
以下、本発明に用いられる高分子化合物の具体的な合成例を挙げて詳細に説明する。
<合成例1:P−18の合成>
窒素雰囲気下、80℃に加熱した200mlの1−メトキシ−2−プロパノールに、M−1620<ダイキン工業社製>(0.35mol)、2−クロロ−4−シアノフェニルメタクリレート(0.35mol)、FA−513M<日立化成工業社製>(0.3mol)、和光純薬社製ラジカル重合開始剤V−601(0.01mol)、1−メトキシ−2−プロパノール(200ml)の混合液を2時間かけて滴下し、滴下終了後80℃でさらに3時間攪拌した後、室温に戻し、蒸留水(3L)に投入した。析出した粉体をろ過し、水洗後、真空乾燥することで目的物P−18を収率93%で得た。ポリマーの構造は、NMR、IR、GPC、表面張力により確認した。
以上のようにして本発明に係る高分子化合物を合成することができる。また、前記の方法と同様にして具体例に示した全てのポリマーを合成することができる。
本発明の平版印刷版原版の記録層には、さらに、波長700nmから1200nmに吸収極大を有する赤外線吸収剤(赤外線吸収性染料又は顔料)が用いられる。赤外線吸収剤は、記録に使用する赤外線レーザなどの光エネルギー照射線を吸収し、熱を発生する機能を有し、記録感度向上の観点から有用である。
また、本発明に係る記録層には、皮膜性向上の観点から、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜、アルカリ可溶性樹脂と称する)を用いることが好ましい。
ポジ型の記録層に使用できるアルカリ可溶性樹脂としては、高分子中の主鎖および/または側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体またはこれらの混合物を包含する。
なかでも、前記本発明に係る高分子化合物において、好ましい他の共重合成分として挙げた(1)〜(6)に挙げる酸性基を高分子の主鎖および/または側鎖中に有するものが、アルカリ性現像液に対する溶解性の点、溶解抑制能発現の点で好ましい。
(1)フェノール基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、p−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、フェノールとクレゾール(m−、p−、またはm−/p−混合のいずれでもよい)とホルムアルデヒドとの縮重合体等のノボラック樹脂、およびピロガロールとアセトンとの縮重合体を挙げることができる。さらに、フェノール基を側鎖に有する化合物を共重合させた共重合体を挙げることもできる。或いは、フェノール基を側鎖に有する化合物を共重合させた共重合体を用いることもできる。
(5)スルホン酸基を有するアルカリ可溶性高分子としては、例えば、スルホン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成単位とする重合体を挙げることができる。
(6)リン酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、リン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げることができる。
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
ニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(m12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
(溶解抑制剤)
本発明に係るポジ型記録層には、更に、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の熱分解性であり、分解しない状態ではアルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することができる。これらの化合物の添加は、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図る観点から好ましい。ポジ型記録層では、通常、赤外線吸収剤としてシアニン色素の如き、アルカリ可溶性樹脂と相互作用を形成して、その溶解性を実質的に低下させる物質を併用するが、赤外線吸収剤としてこのような溶解抑制作用を有するものを用いない場合には、これらの化合物を併用することが重要となる。
上記の環状酸無水物、フェノール類および有機酸類の記録層中に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
さたに、本発明の記録層には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。
前記本発明に係る記録層塗布液や後述する保護層塗布液等の、所望の層の塗布液用成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより平版印刷版原版を製造することができる。
なお、記録層は単層構造でも重層構造を示すものであってもよい。
本発明の平版印刷版原版の記録層が、構成成分の異なる複数の層からなる重層構造をとった場合には、例えば、アルカリ可溶性樹脂を含有する下層と、アルカリ可溶性樹脂、及び該アルカリ可溶性樹脂と相互作用してアルカリ水溶液に対する溶解性を低下させる化合物を含有し、赤外線の照射により画像を形成しうる上層と、を有し、上層および下層の少なくとも一方に、特定赤外線吸収剤を含有する構成をとることができる。この場合、本発明における特定共重合体と赤外線吸収剤とは上層に含まれることになる。なお、下層は、アルカリ可溶性樹脂を主成分とする層であっても、さらに赤外線吸収剤や溶解抑制剤を含みポジ型記録層として機能する層であってもよい。
−下層成分−
本発明に係る下層は、アルカリ可溶性樹脂を含有することを特徴とする。ここで用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、前記した一般的なアルカリ可溶性樹脂を用いることができるが、上層、下層間の境界を明瞭にするために、下層に用いるアルカリ可溶性樹脂は、上層に用いるアルカリ可溶性樹脂とは異なるものを主成分とすることが好ましい。下層に好適に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、N−(p−アミノスルホニルフェニル)(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとアクリロニトリルとの共重合体、4−マレイミドベンゼンスルホンアミドとスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸とN−フェニルマレイミドと(メタ)アクリルアミドとの共重合体等の高極性なユニットを有するアルカリ可溶性樹脂、又はそれらの樹脂に前記特定置換基を導入したものが好ましく用いられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
このような重層型記録層の下層における、全アルカリ可溶性樹脂の含有量は、耐刷性及び重層形成性の観点から、下層記録層の全固形分中、50〜100質量%であることが好ましく、75〜99質量%であることがより好ましく、85〜95質量%であることが特に好ましい。
下層には、前記特定共重合体を含んでも、含まなくてもよい。
本発明に係る上層は、アルカリ可溶性樹脂、及び該アルカリ可溶性樹脂と相互作用してアルカリ水溶液に対する溶解性を低下させる化合物(一般には、その機能を有するシアニン色素などの赤外線吸収色素)を含有し、赤外線の照射により画像を形成しうることを特徴とする。この上層成分は、先に記録層として説明したものと同様であり、本発明においては、前記特定共重合体および赤外線吸収剤を含有する記録層を上層として用いる。
溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
2つの層を分離して形成する方法としては、例えば、下層に含まれる成分と、上層に含まれる成分との溶剤溶解性の差を利用する方法、又は、上層を塗布した後、急速に溶剤を乾燥、除去させる方法等が挙げられる。
以下、これらの方法について詳述するが、2つの層を分離して塗布する方法はこれらに限定されるものではない。
単層型記録層における、記録層成分の乾燥後の塗布量は、感度や耐刷性等の観点から、一般的には0.5〜5.0g/m2 が好ましく、0.7〜4.0g/m2の範囲にあることがより好ましく、更に好ましくは0.8〜3.0g/m2の範囲である。
重層型記録層における、下層成分の乾燥後の塗布量は、感度や耐刷性等の観点から、0.5〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.6〜2.5g/m2の範囲である。また、上層成分の乾燥後の塗布量は、感度、現像ラチチュード、及び耐傷性等の観点から、0.05〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.08〜0.7g/m2の範囲である。
下層及び上層を合わせた乾燥後の塗布量としては、感度、画像再現性、及び耐刷性等の観点から、0.6〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5g/m2の範囲である。
本発明の平版印刷版原版に使用される支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、若しくは蒸着された紙、若しくはプラスチックフィルム等が挙げられる。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
以上のように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸或いはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。
本発明の平版印刷版原版は、必要に応じて支持体と記録層との間に下塗り層を設けることができる。
下塗り層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
有機下塗り層の被覆量は、耐刷性能の観点から、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。
上記のようにして作製された平版印刷版原版は、画像様に露光され、その後、現像処理を施される。
本発明の平版印刷版原版の支持体裏面には、必要に応じてバックコート層が設けられる。かかるバックコート層としては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4などのケイ素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており特に好ましい。
本発明の平版印刷版原版の像露光に用いられる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
本発明の平版印刷版原版の現像処理に適用することのできる現像液は、pHが9.0〜14.0の範囲、好ましくは12.0〜13.5の範囲にある現像液である。現像液(以下、補充液も含めて現像液と呼ぶ)には、従来公知のアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのアルカリ剤は現像液のpHを9.0〜13.5の範囲になるように添加され、その添加量は所望のpH、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、より好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。
このような弱酸としては、Pergamon Press社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTIONなどに記載されているものから選ばれ、例えば2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール−1(PKa12.74)、トリフルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエタノール(同12.24)などのアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、3,4−ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.34)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルシノール(同11.27)、p−クレゾール(同10.27)、m−クレゾール(同10.09)などのフェノール性水酸基を有する化合物、2−ブタノンオキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタンジオンジオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などの弱酸が挙げられる。
有機溶剤の含有量は使用液の総質量に対して0.1〜5質量%である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.05〜5質量%の範囲で含有される。
これらの水溶性エチレンオキシド付加化合物の添加量は現像液(使用液)に対して0.001〜5質量%が適しており、より好ましくは0.001〜2質量%である。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、或いは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのJIS−A−1050アルミニウム板を用いて、下記に示す工程を組み合わせて処理することで支持体A、B、C、Dを作製した。
比重1.12の研磨剤(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部における2本の支持ローラ(φ200mm)間の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は、電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
上記(a)〜(j)の各工程を順に行い(e)工程におけるエッチング量は3.4g/m2となるようにして支持体を作製した。
上記工程のうち(g)(h)(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体を作製した。
上記工程のうち(a)及び(g)(h)(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体を作製した。
上記工程のうち(a)及び(d)(e)(f)の工程を省略した以外は各工程を順に行い、(g)工程における電気量の総和が450C/dm2となるようにして支持体を作製した。
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダ 1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。その際のシリケート付着量は3.6mg/m2であった。
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で15秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は16mg/m2であった。
・下記高分子化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1.0g
得られた支持体Aに、下記組成の第1層(下層)用塗布液を、ワイヤーバーで塗布したのち、150℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して塗布量を0.85g/m2とした。
得られた下層付き支持体に、下記組成の第2層(上層)用塗布液をワイヤーバーで塗布した。塗布後、乾燥オーブンで、145℃で70秒間の乾燥を行い、総塗布量を1.15g/m2として実施例1〜8及び比較例1〜2のポジ型平版印刷版原版を作製した。
・共重合体1(下記により合成したもの) 2.133g
・シアニン染料A(下記構造) 0.098g
・2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール
0.030g
・シス−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物 0.100g
・4,4’−スルホニルジフェノール 0.090g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・エチルバイオレットの対アニオンを
6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.100g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンヘキサフルオロホスフェート
0.030g
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 26.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.6g
・γ−ブチロラクトン 13.8g
攪拌後、冷却管及び滴下ロートを備えた500ml三ツ口フラスコにメタクリル酸31.0g(0.36モル)、クロロギ酸エチル39.1g(0.36モル)及びアセトニトリル200mlを入れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。この混合物にトリエチルアミン36.4g(0.36モル)を約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、氷水浴をとり去り、室温下で30分間混合物を攪拌した。
・メタクリル酸エチルと2−メタクリロイロキシエチルコハク酸の共重合体(モル比67:33、重量平均分子量92,000) 0.030g
・ノボラック樹脂P1:フェノールクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック
(フェノール:m−クレゾール:p−クレゾール=30:30:40、重量平均分子量:5500) 0.300g
・スルホニウム塩(下記構造) 0.1g
・シアニン染料A(前記構造) 0.015g
・エチルバイオレットの対アニオンを6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの
0.012g
・フッ素系界面活性剤 0.011g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 13.1g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.79g
・本発明に係る特定高分子化合物又は比較共重合体(表1記載の化合物) 0.055g
平版印刷版原版の評価は、現像ラチチュード、感度、及び、焼きだめ性の各項目について行った。評価方法の詳細は下記の通りである。
平版印刷版原版1m2を全面爆光した後、実質的にアルカリ金属ケイ酸塩を含有しない現像液である富士写真フイルム(株)製のPS版用現像液(DT−2)100ccにて現像処理し、処理液中に本発明に係る特定共重合体に由来する析出物、凝集物によるヘドロが発生したかを評価した。目視で発生が確認できない場合を○、目視で析出物、凝集物によるヘドロの発生が確認された場合を×と評価した。結果を下記表1に示す。
2.着肉性
平版印刷版原版を、CREO社製TrendSetter3244Fを用い、セッター露光量、8.0W、150rpmで像様露光し、富士写真フイルム(株)製のPS版用現像液DT−1を標準使用条件で用いて現像処理した後に、印刷機にかけ、画像部に正常にインキがのり問題のない印刷物が得られるのに要する印刷枚数を評価した。この枚数が少ないほど着肉性が良好であることを示す。結果を下記表1に記載する。
実施例11〜20および比較例5〜8は、実施例1〜10および比較例1〜4の第2層(上層)用塗布液からスルホニウム塩を除き、表2に記載の高分子化合物を用いた以外は、全て同様の方法で平版印刷版原版を得て、同様の評価を行った。その結果を表2示す。
得られた支持体Cに、下記組成の第1層(下層)用塗布液を、ワイヤーバーで塗布したのち、130℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して塗布量を0.60g/m2とした。
得られた下層付き支持体に、下記組成の第2層(上層)用塗布液をワイヤーバーで塗布した。塗布後、乾燥オーブンで、150℃で60秒間の乾燥を行い、総塗布量を1.25g/m2として実施例21〜28及び比較例9〜12のポジ型平版印刷版原版を作製した。
・共重合体1 2.133g
・シアニン染料A(前記構造) 0.098g
・2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール
0.030g
・シス−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物 0.100g
・4,4’−スルホニルジフェノール 0.090g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・エチルバイオレットの対アニオンを6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.100g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンヘキサフルオロホスフェート
0.030g
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 26.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.6g
・ジメチルスルホキシド 13.8g
・メタクリル酸エチルと2−メタクリロイロキシエチルコハク酸の共重合体(モル比67:33、重量平均分子量92,000) 0.030g
・ノボラック樹脂P1:フェノールクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック
(フェノール:m−クレゾール:p−クレゾール=30:30:40、重量平均分子量:5500) 0.300g
・スルホニウム塩(前記構造) 0.1g
・シアニン染料A(前記構造) 0.015g
・エチルバイオレットの対アニオンを6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.012g
・フッ素系界面活性剤 0.011g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 13.1g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.79g
・本発明に係る特定高分子化合物又は比較共重合体(表3記載の化合物) 0.055g
得られた実施例21〜28及び比較例9〜12の各平版印刷版原版について、実施例1と同様の方法で評価を行った。
実施例29〜36および比較例13〜16は、実施例21〜28および比較例9〜12の第2層(上層)用塗布液からスルホニウム塩を除き、下記表4に記載の高分子化合物を用いた以外は、全て同様の方法で評価を行った。その結果を表4示す。
得られた支持体Dに、下記組成の第1層(下層)用塗布液を、ワイヤーバーで塗布したのち、150℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して塗布量を0.81g/m2とした。
得られた下層付き支持体に、下記組成の第2層(上層)用塗布液をワイヤーバーで塗布した。塗布後、乾燥オーブンで、150℃で60秒間の乾燥を行い、総塗布量を0.99g/m2として実施例37〜44及び比較例17〜20のポジ型平版印刷版原版を作製した。
・前記共重合体1 2.133g
・シアニン染料A(前記構造) 0.098g
・シス−Δ4−テトラヒドロフタル酸無水物 0.110g
・4,4’−スルホニルジフェノール 0.090g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・エチルバイオレットの対アニオンを6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.100g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミンヘキサフルオロホスフェート
0.030g
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 26.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.6g
・γ−ブチロラクトン 13.8g
・メタクリル酸エチルと2−メタクリロイロキシエチルコハク酸の共重合体
(モル比67:33、重量平均分子量92,000) 0.030g
・ノボラック樹脂P5:フェノールクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック
(フェノール:m−クレゾール:p−クレゾール=40:40:20、重量平均分子量:8000) 0.300g
・スルホニウム塩(前記構造) 0.020g
・シアニン染料A(前記構造) 0.015g
・フッ素系界面活性剤 0.011g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 13.1g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.79g
・本発明に係る特定高分子化合物又は比較共重合体(表5記載の化合物) 0.055g
現像液はアルカリ金属ケイ酸塩を含有する現像液(富士写真フイルム(株)製)のPS版用現像液「DP−4」を用いる以外は、得られた平版印刷版原版を実施例1の方法で評価を行った。
実施例45〜52及び比較例21〜24は、実施例37〜44および比較例17〜20の第2層(上層)用塗布液からスルホニウム塩を除き、下記表6に記載の高分子化合物を用いた以外は、全て同様の方法で評価を行った。その結果を表6示す。
得られた支持体Dに以下の画像形成層塗布液を塗布し、150℃で1分間乾燥して、画像形成層を形成し、実施例53〜60、及び、比較例25〜28の平版印刷版原版を得た。乾燥後の塗布量は1.55g/m2であった。
・ノボラック樹脂P7:フェノールクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック
(フェノール:m−クレゾール:p−クレゾール=20:60:20、重量平均分子量:10200) 1.0g
・シアニン染料A(前記構造) 0.05g
・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 0.01g
・フッ素系界面活性剤 0.05g
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 9.0g
・本発明に係る特定高分子化合物又は比較共重合体(表7記載の化合物) 0.10g
現像液はアルカリ金属ケイ酸塩を含有する現像液(富士写真フイルム(株)製)のPS版用現像液「DP−4」を用いる以外は、得られた平版印刷版原版を実施例1の方法で評価を行った。
このことから、本発明の平版印刷版原版では、重層構造のみならず、単層構造の記録層を有する場合でも、本発明の優れた効果が発現されることがわかる。一方、本発明に係る特定共重合体を含まない比較例25〜28の平版印刷版原版はいずれも、着肉性或いは現像液中での析出物に起因するヘドロ抑制効果のいずれかが劣っていることが確認された。
Claims (1)
- 支持体上に、下記(1)〜(3)で示される構造を有する高分子化合物および赤外線吸収剤を含有する記録層を備えることを特徴とする平版印刷版原版。
(1)下記一般式(1)で示される構造
(一般式(1)中、Rfはフッ素原子の数が9以上のフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を含む置換基であり、nは1〜3の整数である。)
(2)下記一般式(2)で示されるアルカリ分解性基含有構造
(一般式(2)中、R1はR1OHのpKaが3〜9となるアリール基、アルキル基、アシル基を表す。)
(3)6個以上の炭素原子を有する1価の側鎖構造
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