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JP4605861B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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JP4605861B2
JP4605861B2 JP2000204512A JP2000204512A JP4605861B2 JP 4605861 B2 JP4605861 B2 JP 4605861B2 JP 2000204512 A JP2000204512 A JP 2000204512A JP 2000204512 A JP2000204512 A JP 2000204512A JP 4605861 B2 JP4605861 B2 JP 4605861B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的強度が高く、成形性、摺動性に優れると共に、リフロー炉内でハンダ付けを行う際の耐ブリスター性の良好な熱可塑性樹脂塑性物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド4,6樹脂(ナイロン4,6)は、曲げ弾性率や引張伸び等の機械的強度が高く、耐熱性等の熱的性質、電気的性質、摺動性、成形加工性に優れることから、電気・ 電子部品、車輌部品、各種機器、雑貨等の幅広い分野に利用されている。
【0003】
近年、電気・電子工業の分野では、製品の小型化や生産性の向上に伴い、コネクター、スイッチ、リレー、コイルボビン等の樹脂系電子部品を、表面実装方式(Surface−Mount Technology 方式)によって、プリント基板上にハンダ付けする方法が採用されるようになっている。
ここで、「表面実装方式」とは、プリント印刷された配線基板上に、クリーム状のハンダを介して電子部品を載せた後、当該配線基板を、加熱炉(リフロー炉)内を通過させることによってハンダを溶かして、配線基板上に電子部品を固定する実装方式をいう。この表面実装方式は、配線基板のスルーホールに電子部品のリード線を通し、電子部品を装着する面とは反対側の面に直接ハンダ付け(フリーソルダリングまたはウェーブソルダリング)を行う従来の挿入実装方式(リードスルー方式)とは異なる。
この表面実装方式は、実装密度を高くすることができること、基板の表裏両面の実装が可能であること、効率化によって製造コストを低減させることができること等の利点があり、ハンダ付けによる実装方式の主流となりつつある。
【0004】
しかしながら、ポリアミド4,6樹脂を含む従来公知の樹脂材料から構成される電子部品を、表面実装方式を適用して配線基板に固定(ハンダ付け)する場合において、当該電子部品を載置した配線基板がリフロー炉内を通過する際に当該電子部品の表面にブリスター(ふくれ)が生じ、得られる製品の商品価値が著しく減殺されてしまうという問題がある。
そして、環境保全等の観点から有利な鉛フリーハンダの使用による炉内温度(設定温度)の上昇に伴って、ブリスターの発生頻度が増加する傾向にある。
このため、表面実装方式に供される樹脂系電子部品を構成する樹脂材料として、リフロー炉内でハンダ付けを行う際の耐ブリスター性(以下、単に「耐ブリスター性」ともいう。)に優れた樹脂組成物の開発が望まれている。
【0005】
一方、1,9−ノナンジアミンとテレフタル酸とを重縮合して得られるポリアミド樹脂(以下、「ポリアミド9,T樹脂」ともいう。)は、高い機械的強度(引張り強さ、曲げ強さ)及び良好な耐熱性を有しており、良好な耐ブリスター性を発現できるものと考えられ、表面実装方式の用途への展開が期待される。
【0006】
しかしながら、ポリアミド9,T樹脂は、成形性が劣り、薄肉成形品等を作製することが困難である。また、引張伸びやウェルド部分の強度が低く、更に摺動性も劣るという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、表面実装方式に供される樹脂系部品の樹脂材料として使用された場合に、リフロー炉内を通過した後における当該樹脂系部品の表面にブリスターを生じさせない、耐ブリスター性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、更に、曲げ強度、ウェルド強度、引張伸びなどの機械的強度が高く、成形性及び摺動性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド4,6樹脂と、ポリアミド9,T樹脂とを特定の割合で配合することにより、機械的強度(曲げ強度、ウェルド強度、引張伸び)が高く、成形性、摺動性及び耐ブリスター性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られることを見い出し、かかる知見に基いて本発明を完成するに至った。
特に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の有する曲げ弾性率が、ポリアミド4,6樹脂及びポリアミド9,T樹脂の配合比から計算される値より高くなることは、驚くべきことであった。
【0009】
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、下記(A)成分5〜95重量%と、下記(B)成分95〜5重量%とからなるポリアミド樹脂成分(以下、「特定のポリアミド樹脂成分」ともいう。)を含有することを特徴とする。
【0010】
(A)成分:テトラメチレンジアミンを含むジアミンと、アジピン酸を含むジカルボン酸とを縮重合して得られるポリアミド樹脂。
(B)成分:1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンの少なくとも一方を含むジアミンと、テレフタル酸を含むジカルボン酸とを重縮合して得られるポリアミド樹脂。
【0011】
本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、前記(A)成分がポリアミド4,6樹脂からなることが好ましい。
【0012】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、特定のポリアミド樹脂成分100重量部に対して、(C)難燃剤(以下、「(C)成分」ともいう。)5〜70重量部と、(D)難燃助剤(以下、「(D)成分」ともいう。)0〜50重量部とを含有することが好ましい。
【0013】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、特定のポリアミド樹脂成分100重量部に対して、(E)無機充填材(以下、「(E)成分」ともいう。)5〜300重量部を含有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の熱可塑性樹脂組成物について詳細に説明する。
<(A)成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(A)成分は、テトラメチレンジアミンを含むジアミンと、アジピン酸を含むジカルボン酸とを縮重合して得られるポリアミド樹脂であり、(i)テトラメチレンジアミンとアジピン酸とを縮重合させることにより得られる『ポリアミド4,6樹脂』、(ii)ポリテトラメチレンアジパミド単位を主たる構成成分とする『共重合ポリアミド』が含まれる。
【0015】
(A)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、特開昭56−149430号公報、特開昭56−149431号公報、特開昭58−83029号公報、特開昭61−43631号公報等に記載されている方法を例示することができる。
【0016】
(A)成分の重合度も特に限定されるものではないが、25℃、96%硫酸中、1g/dlにおける相対粘度が2.0〜6.0の範囲となる重合度であることが好ましい。
【0017】
(A)成分を得るために使用することのできる『テトラメチレンジアミン以外のジアミン』としては、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(アミニプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,8−オクタンジアミン等を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて、テトラメチレンジアミンと併用することができる。
【0018】
(A)成分を得るために使用されるジアミンのうち、テトラメチレンジアミンの割合は、通常50モル%以上とされ、好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは100モル%とされる。
【0019】
(A)成分を得るために使用することのできる『アジピン酸以外のジカルボン酸』としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて、アジピン酸と併用することができる。
【0020】
(A)成分を得るために使用されるジカルボン酸のうち、アジピン酸の割合は、通常50モル%以上とされ、好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは100モル%とされる。
【0021】
また、(A)成分を得るための反応系に、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの官能基を3個以上有する多価カルボン酸を混合し、これらの多価カルボン酸から誘導される単位を(A)成分に導入することもできる。
かかる多価カルボン酸の使用量としては、最終的に得られる樹脂組成物の溶融成形による成形性が損なわれない範囲とされる。
【0022】
<(B)成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(B)成分は、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンの少なくとも一方を含むジアミンと、テレフタル酸を含むジカルボン酸とを重縮合して得られるポリアミド樹脂である。
【0023】
(B)成分の製造方法としては、ポリアミドを製造する方法として従来公知の重合法、すなわち、溶融重合法、溶液重合法、反応型押出機を使用する重合法などを例示することができる。
【0024】
具体的には、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンの少なくとも一方を含むジアミンと、テレフタル酸を含むジカルボン酸とを含む反応系に、触媒及び必要に応じて末端封止剤を一括して添加し、ナイロン塩を製造した後、いったん280℃以下の温度において、濃硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gのプレポリマーとし、次いで、このプレポリマーの後重合を行うことにより、(B)成分となるポリアミドを容易に得ることができる。ここに、後重合としては、固相重合、溶融押出機を用いる重合を挙げることができる。
【0025】
前記プレポリマーの極限粘度[η]を0.10〜0.60dl/gの範囲内とすることにより、後重合の段階において、カルボキシル基とアミノ基とのモルバランスのずれや重合速度の低下が抑制され、分子量分布の小さい、各種の性能や成形性に優れたポリアミドが得られる。
【0026】
固相重合により後重合を行う場合には、減圧下または不活性ガス流通下に行うことが好ましい。また、反応温度を180〜280℃の範囲内とすることにより、重合速度が大きくて生産性に優れ、得られる重合体の着色及びゲル化を有効に抑制することができる。
溶融押出機を用いて後重合を行う場合には、反応温度を370℃以下とすることにより、ポリアミドの分解を殆ど生じさせず、劣化のない(B)成分が得られる。
【0027】
(B)成分となるポリアミドの製造の際に用いることができる触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸;それらのアンモニウム塩;それらの金属塩(カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム,チタン、アンチモンなどの金属塩);それらのエステル類(エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステル)などを挙げることができる。
【0028】
(B)成分となるポリアミドは、濃硫酸中30℃で測定される極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gの範囲内にあることが好ましく、更に好ましくは0.6〜2.0dl/gの範囲内とされ、特に好ましくは0.8〜1.6dl/gの範囲内とされる。
【0029】
(B)成分を得るために使用することのできる『1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン以外のジアミン』としては、前記(A)成分を得るために使用することのできる『テトラメチレンジアミン以外のジアミン』として例示した化合物を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて、1,9−ノナンジアミン及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジアミンと併用することができる。
【0030】
(B)成分を得るために使用されるジアミンのうち、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンの割合(両者を使用する場合には合計の割合)は、通常50モル%以上とされ、好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは100モル%とされる。
【0031】
(B)成分を得るために使用することのできる『テレフタル酸以外のジカルボン酸』としては、アジピン酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホンー4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて、テレフタル酸と併用することができる。
【0032】
(B)成分を得るために使用されるジカルボン酸のうち、テレフタル酸の割合は、通常50モル%以上とされ、好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは100モル%とされる。
【0033】
また、(B)成分を得るための反応系に、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ζ−エナントラクタム、η−カプリルラクタム等から選ばれた少なくとも1種を混合することもできる。
【0034】
<末端封止剤>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(A)成分及び(B)成分は、それぞれ、末端基の少なくとも一部が末端封止剤によって封止されていてもよい。
【0035】
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましく、取扱いの容易さなどの点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類なども使用することができる。
【0036】
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0037】
これらのうち、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が特に好ましい。
【0038】
ポリアミドの末端基をモノカルボン酸で封止する場合には、ポリアミドの製造に際してジカルボン酸成分に対するジアミン成分の使用モル数をわずかに多くして、ポリアミドの両末端がアミノ基になるようにし、モノカルボン酸を末端封止剤として加えればよい。
【0039】
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミンを挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0040】
これらのうち、反応性、沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが特に好ましい。
【0041】
ポリアミドの末端基をモノアミンで封止する場合には、ポリアミドの製造に際してジカルボン酸成分に対するジアミン成分の使用モル数をわずかに少なくして、ポリアミドの両末端がカルボキシル基になるようにし、モノアミンを末端封止剤として加えればよい。
【0042】
<(A)成分と(B)成分との含有割合>
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(A)成分と(B)成分との含有割合としては、「(A)成分/(B)成分(重量比)」で5〜95/95〜5とされ、好ましくは10〜90/90〜10、更に好ましくは40〜80/60〜20、特に好ましくは、55〜80/45〜20とされる。
この比が5/95未満である樹脂組成物は、ウェルド強度、引張伸びなどの機械的強度が低く、良好な成形性及び摺動性を有するのとならない。
一方、この比が95/5を超える樹脂組成物は良好な耐ブリスター性を有するものとならない。
この比が5/95〜95/5の範囲にある樹脂組成物は、ウェルド強度、引張伸びなどの機械的強度が高く、耐ブリスター性、成形性及び摺動性に優れており、しかも当該樹脂組成物によれば、曲げ強度(曲げ弾性率)における顕著な向上効果が奏される。
【0043】
<(C)成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(C)成分(難燃剤)としては、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤等を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、ハロゲン系難燃剤が好ましく、臭素系難燃剤が特に好ましい。
【0044】
臭素系難燃剤の中で好ましいものは、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化エポキシオリゴマーを挙げることができ、臭素化ポリスチレンが特に好ましい。
【0045】
(C)成分を構成する臭素化ポリスチレンとしては、下記一般式で表される構造を有する化合物を挙げることができる。
【0046】
【化1】
Figure 0004605861
【0047】
(C)成分を構成する臭素化ポリスチレンは、臭素化スチレンを重合するか、またはポリスチレンを臭素化することにより製造される。以下、前者により得られる臭素化ポリスチレンを「ポリ臭素化スチレン」ともいい、後者により得られる臭素化ポリスチレンを「後臭素化ポリスチレン」ともいう。
臭素化ポリスチレン中の臭素含有率は、40〜75重量%であることが好ましく、更に好ましくは50〜75重量%とされる。
【0048】
臭素化ポリスチレンは、必要に応じて、臭素化スチレンまたはスチレンと共重合可能な単量体に由来する構造単位を含んでもよい。
かかる共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ブテン、ヘキセン、ペンテン、メチルブテン、メチルペンテン、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢酸ビニル等が挙げられ、これらのうち、エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、アクリロニトリルが好ましい。
【0049】
臭素化ポリスチレンを製造するに際して、官能基含有ビニル単量体を使用することもできる。かかる官能基含有ビニル単量体は、臭素化スチレンと共重合させるために使用してもよいし、臭素化ポリスチレンの末端等を修飾するために使用してもよい。
官能基含有ビニル単量体の有する官能基としては、カルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、エポキシ基を挙げることができる。
官能基含有ビニル単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、ビニルオキサゾリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0050】
(C)成分を構成する臭素化ポリスチレンの重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はないが、5,000〜500,000であることが好ましく、更に好ましくは10,000〜300,000とされる。
この重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として、当該臭素化ポリスチレンを1mg/mlの濃度に溶解させ、流量1.0ml/分、温度36〜40℃の条件で測定することにより、ポリスチレン換算の重量平均分子量として得ることができる。
【0051】
(C)成分を構成する臭素化ポリスチレンの具体例を下記表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0004605861
【0053】
上記表1に示した臭素化ポリスチレンのうち、臭素化スチレンを重合して得られるポリ臭素化スチレンであるC−1、C−2、C−3が好ましい。(C)成分としてポリ臭素化スチレンを使用することにより、一段と優れた本発明の効果(難燃性についての効果)が得られる。
【0054】
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(C)成分の含有量としては、前記(A)成分と前記(B)成分とからなる特定のポリアミド樹脂成分100重量部に対して、通常5〜70重量部とされ、好ましくは10〜60重量部とされる。
(C)成分の含有量が5重量部未満では、難燃剤の添加効果である耐燃焼性を樹脂組成物に対して充分に付与することができない。一方、(C)成分の含有量が70重量部を超えると、得られる樹脂組成物の機械的強度、摺動性及び耐ブリスター性が低下する。
【0055】
<(D)成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(D)成分(難燃助剤)としては、周期律表第Va族の金属化合物及び他の金属化合物を挙げることができる。
ここに、周期律表第Va族の金属化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等のアンチモン化合物が挙げられる。また、他の金属化合物としては、酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの金属化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、第Va族の金属化合物であるアンチモン化合物が好ましく、三酸化アンチモンが特に好ましい。
【0056】
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(D)成分の含有量としては、前記(A)成分と前記(B)成分とからなる特定のポリアミド樹脂成分100重量部に対して、通常0〜50重量部とされ、好ましくは1〜30重量部とされる。(D)成分の含有量が50重量部を超えると、得られる樹脂組成物の機械的強度が低下する。
【0057】
<(E)成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する(E)成分(無機充填材)としては、従来公知の無機充填材、例えば、繊維状、粉末状、粒状、板状、針状、クロス状、マット状等の種々の充填材が挙げられる。
(E)成分の具体例としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、炭酸カルシウム、タルク、カタルボ、ワラステナイト、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、ケイソウ土、クレー、焼成クレー、カオリン、マイカ(微細雲母)、粒状ガラス、ガラスフレーク、ガラスバルーン(中空ガラス)、せっこう、ベンガラ、金属繊維、二酸化チタン、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー等の合成および天然鉱物ウイスカー、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アスベスト、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、銅、ステンレス、酸化亜鉛、金属ウイスカー等が挙げられる。
【0058】
これらのうち、ガラス繊維、炭素繊維、カオリン、マイカ、タルク、各種ウイスカーは、機械的強度の向上効果に優れていることから好ましく、ガラス繊維、カオリン、タルクは、経済性の点から特に好ましい。
【0059】
(E)成分として使用する無機充填材は、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形性や物性を損なわない限りにおいて、表面処理が施されたものであってもよい。中でも、アミノシラン、アクリルシラン、ビニル、ウレタン、アクリルウレタン等に代表される化合物(収束剤等)による表面処理を施した無機充填材を好ましく用いることができる。
【0060】
本発明の熱可塑性樹脂組成物における(E)成分の含有量としては、前記(A)成分と前記(B)成分とからなる特定のポリアミド樹脂成分100重量部に対して、通常5〜300重量部とされ、好ましくは5〜200重量部、更に好ましくは5〜150重量部とされる。
(E)成分の含有量が5重量部未満では、充填材の添加効果である剛性や寸法安定性の向上効果を樹脂組成物に対して充分に付与することができない。一方、(E)成分の含有量が300重量部を超えると、得られる樹脂組成物のウェルド強度が低下すると共に、当該樹脂組成物の成形加工性が劣るものとなる。
【0061】
<その他の成分>
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、要求される特性等に応じて、その成形性及び物性を損なわない限りにおいて、上記(A)成分〜(E)成分以外の任意成分を添加含有させることができる。
かかる任意成分としては、顔料、染料、紫外線吸収剤、耐候剤、滑剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、帯電防止剤、疎水性ゼオライト、ハイドロタルサイト、ホウ酸亜鉛等を例示することができる。
【0062】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物の耐熱性を向上させることを目的として、ヨウ化銅等の銅化合物、芳香族アミン化合物、ヒンダードフェノール化合物、有機リン化合物、硫黄化合物等の酸化防止剤あるいは熱安定剤を添加含有させることができる。
【0063】
さらに、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、特定のポリアミド樹脂成分以外の樹脂成分として、PPS、LCP、PPE、ポリアミド6,T樹脂、シンジオタクチクポリスチレン、PET、PBT、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ABS樹脂、HIPS、AS樹脂、PS、PTFE、ポリフッ化ビニリデン、アラミド繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を含有させることができる。これらの熱可塑性樹脂は、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、水酸基、オキサゾリン基、アミノ基、アミド基等の官能基で変性されたものでもよい。
【0064】
また、ゴム、エラストマー成分として、無水マレイン酸で変性されたエチレン−プロピレン共重合体、水添ブタジエン系ゴム、水添スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等を含有させることもできる。
【0065】
<製造方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分、必要に応じて含有される(C)成分〜(E)成分並びにその他の成分を、混練機を用いて溶融混練することによって製造することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造するために使用する混練機としては、押出機、ニーダー、ロール、ブラベンダー、バンバリーミキサー、連続ニーダーを挙げることができ、これらを組み合わせて使用することも可能である。これらのうち、押出機が好ましく、特に二軸押出機が好ましい。
【0066】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の構成成分を混練機内に投入して混練する方法としては、(i)すべての成分の全量を一括して投入して混練する方法、(ii)一部の成分を1回または複数回に分けて投入して混練した後、残りの成分を1回または複数回に分けて投入して混練する方法、(iii)すべての成分の一部を1回または複数回に分けて投入して混練した後、すべての成分の残部を1回または複数回に分けて投入して混練する方法等を例示することができる。
【0067】
<成形方法>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、任意の成形方法、例えば、射出成形、圧縮成形、真空成形、シート成形、フィルム成形、インジェクションプレス成形、ブロー成形、異型押出成形、二色成形、サーモエジェクト成形、インサート成形、アウトサート成形等によって成形することができる。
【0068】
<用途>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、優れた性能を有することから、電機・電子、車輛、家電、建築、サニタリー、スポーツ、雑貨等の幅広い分野で使用することができる。具体的には、コネクター、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、抵抗器、ICやLEDのハウジング、ギア、ベアリングリテーナー、スプリングホルダー、チェーンテンショナー、ワッシャー、ウォームホイール、ベルト、フィルター、各種ハウジング、オートテンショナー及びウエイトローラー、ブレーカーパーツ、クラッチパーツ等が挙げられる。中でも、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、特に表面実装方式対応用のコネクター、スイッチ、センサー、抵抗器、リレー、コンデンサー、ソケット、ジャック、ヒューズホルダー、コイルボビン、ICやLEDのハウジング等に有用である。
【0069】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り、「重量%」及び「重量部」を意味する。
【0070】
〔調製例A1〕
(A)成分として、1,4−テトラメチレンジアミンとアジピン酸とを縮重合してなるポリアミド4,6樹脂を用意した。これを「(A−1)成分」とする。
この(A−1)成分は、96%硫酸1g/dl(25℃)で測定した相対粘度が2.5であり、結晶融解温度(DSC測定による結晶融解のピーク温度。以下同じ)が300℃である。
【0071】
〔調製例A2〕
(A)成分として、前記(A−1)成分とは重合度の異なるポリアミド4,6樹脂を用意した。これを「(A−2)成分」とする。
この(A−2)成分は、96%硫酸1g/dl(25℃)で測定した相対粘度が3.5であり、結晶融解温度が300℃である。
【0072】
〔調製例A3〕
(A)成分として、前記(A−1)成分及び前記(A−2)成分とは重合度の異なるポリアミド4,6樹脂を用意した。これを「(A−3)成分」とする。
この(A−3)成分は、96%硫酸(25℃)1g/dlで測定した相対粘度が4.5であり、結晶融解温度が300℃である。
【0073】
〔調製例B1〕
(B)成分として、1,9−ノナンジアミンと、テレフタル酸と、安息香酸(末端封止剤)とを重縮合して得られるポリアミド9,T樹脂を用意した。これを「(B−1)成分」とする。
この(B−1)成分は、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度(η)が1.15であり、結晶融解温度が315℃である。
【0074】
〔調製例B2〕
(B)成分として、1,9−ノナンジアミン85モル%及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン15モル%からなるジアミンと、テレフタル酸と、安息香酸(末端封止剤)とを重縮合して得られるポリアミド樹脂を用意した。これを「(B−2)成分」とする。
この(B−2)成分は、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度(η)が1.15であり、結晶融解温度が306℃である。
【0075】
〔調製例C1〕
(C)成分(難燃剤)として、ポリ臭素化スチレン「PDBS−80」(グレートレークスケミカル社製,臭素含有率59重量%,Mn=2100,Mw/Mn=1.86)を用意した。
【0076】
〔調製例D1〕
(D)成分(難燃助剤)として三酸化アンチモンを用意した。
【0077】
〔調製例E1〕
(E)成分として、繊維径10μm、カット長3mmの表面処理が施されたガラス繊維チョップトストランド(表面処理剤:アミノシラン,収束剤:ウレタン)を用意した。
【0078】
<実施例1〜6及び比較例1〜2>
下記表3に示す配合処方に従って、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分をタンブラーにて均一に混合した後、途中フィード口を有する二軸押出機(44mmφ)を用い、上記の混合物を押出機の根本から供給するとともに、(E)成分を途中フィード口より供給し、真空ベントを引きながら溶融混錬し、ペレット化した。
得られたペレットを除湿乾燥機で充分に乾燥した後、射出成形機を用いて所定の試験片(性能評価用の試験片)を作製した。
【0079】
<実施例7及び比較例3〜4>
下記表3に示す配合処方に従って、(A)成分及び(B)成分をタンブラーにて均一に混合した後、この混合物を前記二軸押出機(44mmφ)の根本から供給し、真空ベントを引きながら溶融混錬し、ペレット化した。
得られたペレットを除湿乾燥機で充分に乾燥した後、射出成形機を用いて所定の試験片(性能評価用の試験片)を作製した。
【0080】
<樹脂組成物の評価>
実施例1〜7により得られた本発明の樹脂組成物、及び比較例1〜4により得られた比較用の樹脂組成物の各々について、機械的強度(曲げモジュラス、ウェルド強度及び引張伸び)を測定し、耐ブリスター性、成形性並びに摺動性を評価した。結果を併せて表3に示す。
なお、測定ないし評価方法は以下のとおりである。
【0081】
(1)曲げモジュラス:
ASTM D790に準拠して測定した。
【0082】
(2)ウェルド強度:
中央部にウェルドを有する肉厚0.8mmのバー形状の成形品a(両端2点ゲート)と、ウェルドを有しない肉厚0.8mmのバー形状の成形品b(片端1点ゲート)とを作製した。
このようにして得られた成形品a及び成形品bの各々について、中央部(成形品aにおけるウェルド部分)に圧子を当て曲げ強度を測定し、下記の式から保持率(%)を算出し、これをウェルド強度とした。
【0083】
【数1】
保持率(%)=(成形品aの曲げ強度/成形品bの曲げ強度げ強度)×100
【0084】
(3)引張伸び:
ASTM D638に準拠して測定した。
【0085】
(4)耐ブリスター性:
(i)試験片:
射出成形機を用いて厚み0.8mmの平板を得、温度35℃、相対湿度90%の環境下に48時間放置して吸水(吸湿)させて試験片とした。
【0086】
(ii)リフロー試験条件:
リフロー装置として、「エアーリフローAIS−260」(エイテックテクトロン社製)を用いた。
リフロー装置の設定温度は、下記表2のとおりとした。表2中の「PH1」、「PH2」及び「PH3」は、それぞれ、リフローの予熱ゾーンの設定温度を意味し、「RE」は、リフローゾーンの設定温度を意味する。
【0087】
【表2】
Figure 0004605861
【0088】
(iii)評価:
試験片に発生したブリスターの個数を数えた。
【0089】
(5)成形性:
射出成形機として「アーブルグ270−90−350D」を用い、金型の成形空間(0.67mm×12.7mm×127mm)への熱可塑性樹脂組成物の充填操作を行い、確実に充填された場合を「○」、充填不足である場合を「×」とした。ここに、射出成形機のシリンダー温度を315℃、射出圧力を65%に設定し、金型温度120℃に設定した。
【0090】
(6)摺動性:
「鈴木式摩擦磨耗試験機」を用い、相手材を炭素鋼(S45C)とし、面圧0.1〔MPa〕、速度50cm/sec、走行距離20kmの条件で摺動試験を行い、自材の比磨耗量(mm3 /N・km)を測定した。
【0091】
【表3】
Figure 0004605861
【0092】
表3に示す結果から次のことが理解される。
(1)実施例1〜6及び比較例1〜2:
実施例1〜6に係る樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分とを特定の範囲で配合してなる特定のポリアミド樹脂成分を含有しているので、機械的強度(曲げモジュラス、ウェルド強度、引張伸び)が高く、耐ブリスター性、成形性及び摺動性に優れている。
これに対して、比較例1に係る樹脂組成物は、(A)成分の含有割合が過大であり、(B)成分の含有割合が過小であるので、耐ブリスター性に劣るものである。
また、比較例2に係る樹脂組成物は、(A)成分の含有割合が過小であり、(B)成分の含有割合が過大であるので、機械的強度が低く、成形性及び摺動性に劣るものである。
【0093】
(2)実施例7及び比較例3〜4:
実施例7に係る樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分とを特定の範囲で配合してなる特定のポリアミド樹脂成分からなるので、機械的強度(曲げモジュラス、ウェルド強度、引張伸び)が高く、耐ブリスター性、成形性及び摺動性に優れている。
これに対して、比較例3に係る樹脂組成物は、(A)成分の含有割合が過大であり、(B)成分の含有割合が過小であるので、曲げモジュラスが低く、耐ブリスター性にも劣るものである。
また、比較例4に係る樹脂組成物は、(A)成分の含有割合が過小であり、(B)成分の含有割合が過大であるので、機械的強度が低く、成形性に劣るものである。
【0094】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐ブリスター性に優れ、表面実装方式に供される樹脂系部品の樹脂材料として使用された場合に、リフロー炉内を通過した後における当該樹脂系部品の表面にブリスターを生じさせることはない。
しかも、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、曲げ強度、ウェルド強度、引張伸びなどの機械的強度が高く、成形性及び摺動性にも優れている。

Claims (4)

  1. 下記(A)成分50〜70重量%と、下記(B)成分50〜30重量%とからなるポリアミド樹脂成分を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
    (A)成分:テトラメチレンジアミンを70〜100モル%の割合で含むジアミンと、アジピン酸を70〜100モル%の割合で含むジカルボン酸とを縮重合して得られるポリアミド樹脂。
    (B)成分:1,9−ノナンジアミンを70〜100モル%の割合で含むジアミンと、テレフタル酸を70〜100モル%の割合で含むジカルボン酸とを重縮合して得られるポリアミド樹脂。
  2. 前記(A)成分がポリアミド4,6樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記ポリアミド樹脂成分100重量部に対して、(C)難燃剤5〜70重量部と、(D)難燃助剤0〜50重量部とを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記ポリアミド樹脂成分100重量部に対して、(E)無機充填材5〜300重量部を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
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