本発明におけるトナー母粒子は、ポリエステル系樹脂、着色顔料等の有機溶媒溶液を水性媒体中で転相乳化して得られる(乳化分散法)ものである。
ポリエステル樹脂としては、多塩基酸と多価アルコールとが脱水縮合されることによって合成される。多塩基酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類などが挙げられる。これらの多塩基酸は、単独で用いることもでき、2種類以上を併用して用いることもできる。これらの多塩基酸の中でも、芳香族カルボン酸を使用するのが好ましい。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのごとき脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAのごとき脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のごとき芳香族ジオール類などが挙げられる。これらの多価アルコールは、単独で用いることもでき、2種以上を併用して用いることもできる。これらの多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、芳香族ジオール類がより好ましい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、及び/又はモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、及び/又はカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整することができる。このような目的で用いるモノカルボン酸としては、例えば酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸などが挙げられる。また、モノアルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどが挙げられる。
ポリエステル樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸とを常法に従って縮合反応させることにより製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸とを、温度計、攪拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、窒素等の不活性ガスの存在下で150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の物性値に達した時点で反応を停止させ、冷却することにより目的とする反応物を得ることができる。
このようなポリエステル樹脂の合成は、触媒を添加して行うこともできる。使用するエステル化触媒としては、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイドのごとき有機金属や、テトラブチルチタネートのごとき金属アルコキシドなどが挙げられる。また、使用するカルボン酸成分が低級アルキルエステルである場合には、エステル交換触媒を使用することができる。エステル交換触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸マグネシウムのごとき金属酢酸塩;酸化亜鉛、酸化アンチモンのごとき金属酸化物;テトラブチルチタネートのごとき金属アルコキシドなどが挙げられる。触媒の添加量については、原材料の総量に対して0.01〜1重量%の範囲とするのが好ましい。
また、このような縮重合反応において、特に分岐、または架橋ポリエステル樹脂を製造するためには、1分子中に3個以上のカルボキシル基を有する多塩基酸またはその無水物、及び/又は、1分子中に3個以上の水酸基を有する多価アルコールを必須の合成原料として用いればよい。
ポリエステル樹脂としては、高分子量で高粘性となる架橋型のポリエステル樹脂と、低分子量の低粘性となる分岐型、或いは直鎖型ポリエステル樹脂をブレンドしたものが好ましい。また、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基等の酸性基を有するとよく、中でも、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂が好ましい。酸価が3〜20mgKOH/gのポリエステル樹脂とするとよく、2官能カルボン酸類及びジオール類との反応率を調整するか、または多塩基酸成分として無水トリメリット酸を使用して調整される。カルボキシル基含有ポリエステル樹脂は分散安定性に優れ、また、トナー母粒子化した際に負帯電性とできるので好ましい。
ポリエステル樹脂(バインダー樹脂)には着色剤、離型剤、荷電制御剤等が添加されてトナー母粒子とされる。フルカラー用着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、キャデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等が挙げられる。中でもポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、エステルワックス等を使用することが好ましい。
荷電調整剤としては、オイルブラック、オイルブラックBY、ボントロンS−22(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、サリチル酸金属錯体E−81(オリエント化学工業(株)製)、チオインジゴ系顔料、銅フタロシアニンのスルホニルアミン誘導体、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学工業(株)製)、カリックスアレン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシルカルボン酸系金属錯体、芳香族ジカルボン酸系金属錯体、多糖類等が挙げられる。中でもカラートナー用には無色ないしは白色のものが好ましい。
トナー母粒子における成分比としては、バインダー樹脂100質量部に対して、着色剤は0.5〜15質量部、好ましくは1〜10質量部であり、また、離型剤は1〜10質量部、好ましくは2.5〜8質量部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
トナー母粒子は、上述したポリエステル樹脂(バインダー樹脂)と着色剤、必要により離型剤や電荷制御剤とを有機溶媒中に溶解・分散した後、該溶解・分散液に水性媒体を徐々に投入して転相乳化して微粒子とし、さらに得られた微粒子を凝集させて所望の大きさの着色剤含有樹脂微粒子に造粒し、分離・洗浄・乾燥の各工程を経てトナー母粒子とするもので、乳化と会合を制御しながらトナー母粒子を製造することが可能である。なお、詳細については特開2003−140380に記載の乳化分散法が例示される。
有機溶媒中への溶解・分散工程においては、バインダー樹脂を有機溶媒に溶解させた後、予備分散させておいた着色剤を追加投入して有機溶媒中への溶解・分散液を調製するとよい。
また、転相乳化工程においては、溶解・分散液に塩基性中和剤を添加した後、イオン交換水(水性媒体)を徐々に添加して懸濁・乳化液の形成を行うとよく、有機溶媒と添加した水の合計量に対する水の比率が35〜65質量%となるように水を添加するとよい。転相乳化に際して使用される塩基性中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミン等の無機塩基、有機塩基類が例示される。また、有機溶媒としては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、エーテル、ケトン類、エステル類であり、具体的にはヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、塩化メチル、ジクロロメタン、塩化エチル、塩化プロピル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル等の単独、または2種以上混合して用いられる。また、転相乳化工程においては、ホモミキサー、スラッシャ、ホモジナイザー、コロイドミル、メディアミル、キャビトロンなどの乳化分散機が使用できる。
本発明におけるトナー母粒子や後述するトナー粒子の個数平均粒径は、9μm以下であることが好ましく、8μm〜4.5μmであることがより好ましい。個数平均粒径が9μmよりも大きいトナー粒子では、1200dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、その解像度の再現性が小粒子径のトナーに比べて低下し、また4.5μm以下になると、トナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向がある。
また、トナー母粒子の個数基準での粒度分布において、3μm以下の平均粒径を有する粒子の積算値が1%以下、好ましくは0.8%以下とするとよい。平均粒径が3μm以下の積算値が1%を超えると、トナー層規制部材による帯電付与が不十分となり、逆帯電トナーの発生、潜像坦持体上でのフィルミングの発生するので好ましくない。
本発明における上述したトナー母粒子やトナーの個数平均粒径、粒度分布、また、下記の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。
トナー母粒子形状としては、真球に近い形状のトナー粒子が好ましい。具体的には、トナー母粒子は下記式
R=L0 /L1
{但し、式中、L1(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。}
で表される平均円形度(R)が0.95〜0.99、好ましくは0.972〜0.983とするとよい。これにより、転写効率が高く、連続印字しても転写効率の変動が少なく、帯電量の安定すると共に、クリーニング性にも優れるトナーとできる。
平均円形度(R)が0.95より低いとトナー母粒子が球形から不定形に近づき、混合処理槽内での流動性が悪く、攪拌羽根の周速を低下させても収率が低下し、また、転写効率が低下すると共に帯電量分布が拡がり、正帯電トナー量が増え、筋発生やトナーとして使用した際にカブリが増大するという問題がある。また、トナー母粒子の平均円形度(R)が0.99より高いと、トナー母粒子の形状が真球に近づき、トナー母粒子への外添剤粒子の均一付着が困難であり、そのため攪拌羽根の周速を上げざるを得ず、羽根先端や槽壁への溶着が発生し、収率が低下し、また、遊離外添剤量や正帯電トナー量も増え、帯電量分布が拡がる傾向があり、カブリや筋が発生しやすくなる傾向がある。
本発明で製造される負帯電性トナーは、トナー母粒子、または外添処理されトナー粒子とされた段階で、THF可溶分におけるポリスチレンを基準としたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定での数平均分子量(Mn)が1,500〜20,000、好ましくは2,000〜15,000、より好ましくは3,000〜12,000のものである。数平均分子量(Mn)が1,500より小さいと、低温定着性に優れるものの、着色剤の保持性や耐フィルミング性、耐オフセット性、定着像強度、保存性に劣るものであり、また、20,000より大きいと低温定着性に劣るものとなる。また、重量平均分子量(Mw)は3,000〜300,000、好ましくは5,000〜50,000であり、Mw/Mnが1.5〜20、好ましくは1.8〜8である。
ここで、結着樹脂のTHF可溶分の分子量は、THF可溶物を0.2μmのフィルターで濾過した後、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム「TSKgelSuperHM−M」(15cm)を3本使用し、THF溶媒(流速0.6ml/min、温度40℃)で測定し、単分散ポリスチレン標準試料で作成した分子量校正曲線を使用することにより分子量を算出したものである。
また、フロー軟化温度(Tf1/2)は、島津製作所製フローテスター(CFT−500)を用いて、定速昇温法(ノズル径1mm、荷重10kg)で求められ、温度−ストローク図でストロークが急激に移動した量最低ストローク位置と流出終了位置の1/2の温度点で求められ、100℃〜140℃の範囲にある。フロー軟化温度が100℃より低いと高温オフセット性に劣るものとなり、また、140℃より高いと低温での定着強度に劣るものとなる。
また、ガラス転移温度(Tg)は、島津製作所製示差走査熱量計(DSC−50)を用いて、セカンドラン法で毎分10℃の昇温速度で測定して得られるもので、50℃〜70℃の範囲にある。ガラス転移温度(Tg)が50℃より低いと保存性に劣るものとなり、また、70℃より高いとそれにともなってTf1/2が上昇し、低温定着性に劣るものとなる。また、本発明におけるトナーは、50%流出点における溶融粘度が2×103 〜1.5×104 Pa・sであり、オイルレス定着用トナーとして適したものとできる。
以下に、後述する実施例で使用するトナー母粒子1〜3の製造例と各物性を示す。
(トナー母粒子1の製造例)
・重縮合ポリエステル樹脂{三洋化成工業(株)製、ハイマーES−801、非架橋成分と架橋成分の質量比(45/55)} ・・・ 110質量部
・カルナバワックス ・・・ 55質量部
・シアン顔料(フタロシアニンα型) ・・・ 55質量部
を加圧ニーダーで溶融混練した。溶融混練物を冷却後、1〜2mm角のサイズに粗粉砕し、(株)日本精機製作所製のコロイドミルを用い、溶融混練粉砕物200質量部と、前述の重縮合ポリエステル樹脂800質量部及びメチルエチルケトン820質量部を混合攪拌し、原料液体とした。
次に、この原料液体500質量部に対し、1規定のアンモニア水を加えて十分に攪拌した後、イオン交換水122質量部を加え、更に30℃で1時間攪拌した。そして、122質量部のイオン交換水を滴下して転相乳化により微粒子分散物を調製した。次に、イオン交換水400質量部を加えた後、メチルエチルケトンの沸点以上の温度に加熱し、脱溶剤を行い、最終的に固形分含有量を約34%に調整した。
そして、得られた微粒子分散物235質量部をイオン交換水で希釈し、固形分含有量を約20%に調整した後、20%の食塩水60質量部を加え、温度を68℃に昇温し、60分間攪拌し、その後、ノニオン型乳化剤NL−250(第一工業製薬(株)製)0.6質量部を添加し、70℃、4時間攪拌し、造粒を完結させた。
得られたスラリーを遠心分離機で分離し、洗浄し、次いで、中央化工機(株)製の振動流動層装置を使用して、トナー母粒子中の水分量が質量比で0.5%以下となるまで乾燥し、トナー母粒子1を得た。
得られたトナー母粒子を、シスメックス社製「フロー式粒子像分析装置 FPIA−2100」により測定した個数基準での平均粒子径は6.9μm、平均円形度は0.975、仕事関数を理研計器製「光電子分光装置 AC−2」を使用し、測定光量500nWで測定したところ5.42eVであった。
(トナー母粒子2の製造例)
トナー母粒子の製造例1において、重縮合ポリエステル樹脂の代わりに、重縮合ポリエステル樹脂(非架橋樹脂)(三洋化成工業(株)製、ハイマーES802)70質量部と重縮合ポリエステル樹脂(架橋樹脂)(三洋化成工業(株)製、ハイマーES803)30質量部の割合の混合樹脂を同様に使用し、また、着色剤をシアン顔料であるフタロシアニンβ型に代えた以外は同様にしてトナー母粒子2を作製した。
得られたトナー母粒子を、シスメックス社製「フロー式粒子像分析装置 FPIA−2100」により測定した個数基準での平均粒子径は7.5μm、平均円形度は0.970、仕事関数を理研計器製「光電子分光装置 AC−2」を使用し、測定光量500nWで測定したところ5.44eVであった。
(トナー母粒子の製造例3)
トナー母粒子の製造例1において、重縮合ポリエステル樹脂の代わりに、重縮合ポリエステル樹脂(非架橋樹脂)(三洋化成工業(株)製、ハイマーES802)80質量部と重縮合ポリエステル樹脂(架橋樹脂)(三洋化成工業(株)製、ハイマーES803)20質量部の割合の混合樹脂を同様に使用し、トナー母粒子3を作製した。
得られたトナー母粒子を、シスメックス社製「フロー式粒子像分析装置 FPIA−2100」により測定した個数基準での平均粒子径は5.8μm、平均円形度は0.981、仕事関数を理研計器製「光電子分光装置 AC−2」を使用し、測定光量500nWで測定したところ5.45eVであった。
仕事関数(Φ)について説明する。仕事関数(Φ)は、その物質から電子を取り出すために必要なエネルギーとして知られており、仕事関数が小さいほど電子を出しやすく、大きい程電子を出しにくい。そのため、負帯電性のトナー母粒子にトナー母粒子の仕事関数より小さい仕事関数の負帯電性酸化シリコン粒子を外添すると、トナー母粒子をより負帯電化させると考えられる。
仕事関数は下記の測定方法により測定されるものであり、その物質から電子を取り出すためのエネルギー(eV)として数値化され、種々の物質間の接触による帯電性を評価しうるものである。仕事関数は、表面分析装置(理研計器(株)製AC−2、低エネルギー電子計数方式)を使用して測定される。本発明にあっては、該装置において、重水素ランプを使用し、金属メッキを施した現像ローラは照射光量10nWで、それ以外の測定では照射光量500nWに設定し、分光器により単色光を選択し、スポットサイズ4mm角とし、エネルギー走査範囲3.4〜6.2eV、測定時間10sec/1ポイントでサンプルに照射する。そして、サンプル表面から放出される光電子を検知し、仕事関数計ソフトを使用して演算処理され得られるもので、仕事関数に関しては、繰り返し精度(標準偏差)0.02eVで測定されるものである。なお、データ再現性を確保するための測定環境としては、使用温湿度25℃、55%RHの条件下で、24時間放置品を測定サンプルとする。
トナー専用測定セルは、図1(a)(b)に示すように、直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に直径10mmで深さ1mmのトナー収容用凹部を有する形状を有する。サンプルトナーは、セルの凹部内にトナーを秤量サジを使用して突き固めないで入れた後、ナイフエッジを使用して表面を均して平らにした状態で測定に供する。トナーを充填した測定セルをサンプル台の規定位置上に固定した後、照射光量500nWに設定し、スポットサイズ4mm角とし、エネルギー走査範囲4.2〜6.2eVの条件で測定される。
また、感光体や現像ローラ等の形状が円筒形状の画像形成装置部材をサンプルとする場合には、円筒形状の画像形成装置部材を1〜1.5cmの幅で切断し、ついで、稜線に沿って横方向に切断して図2(a)に示す形状の測定用試料片を得た後、サンプル台の規定位置上に、図2(b)に示すように、測定光が照射される方向に対して照射面が平滑になるように固定する。これにより、放出される光電子が検知器(光電子倍像管)により効率よく検知される。
この表面分析においては、単色光の励起エネルギーを低い方から高い方にスキャンするとあるエネルギー値(eV)から光量子放出が始まり、このエネルギー値を仕事関数(eV)という。図3に、トナーについて得られるチャートの1例を示す。図3は励起エネルギー(eV)を横軸とし、規格化光量子収率(単位光量子当りの光電子収率のn乗)を縦軸とするものであり、一定の傾き(Y/eV)が得られる。図3の場合、仕事関数はその屈曲点(A)における励起エネルギー値(eV)で示される。
本発明におけるトナー母粒子の仕事関数は、5.2〜5.8eV、好ましくは5.4〜5.6eVとするとよい。
次に、本発明における複数の疎水化された外添剤について説明する。
本発明の負帯電性トナーは、ポリエステル樹脂からなるトナー母粒子に少なくとも棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子と共に負帯電性酸化シリコン粒子と負帯電性樹脂ビーズを外添処理するものである。
棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子は、直流プラズマアーク法、すなわち、金属亜鉛を消費アノード電極とし、カソード電極からアルゴンガスのプラズマフレームを発生させて金属亜鉛を加熱、蒸発させ、その金属亜鉛蒸気を酸化、冷却する方法により製造されるが、他にプラズマジェット法、高周波プラズマ法などのプラズマ法によっても製造される。
棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子の粒子形状を透過型電子顕微鏡(TEM、210k倍)で観察すると長径/短径=2〜6の棒状結晶形状であり、また、走査型電子顕微鏡(SEM、100k倍)で観察すると多面体構造を有することがそれぞれ看取される。平均粒子径(比表面積径)としては5〜150nmであり、好ましくは、50〜110nmのものを使用するとよい。棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子はシーアイ化成(株)から商品名ナノ酸化亜鉛 NanoTek ZnO等で市販されるものが例示される。
棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子の仕事関数は、5.4〜5.6eVであり、トナー母粒子の仕事関数と略同程度(差が0.2eV以内)のものである。
棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子は、トナー母粒子100質量部に対して0.1〜1.5質量部、好ましくは0.2〜1.0質量部の割合で添加されるとよい。
棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子は、その表面抵抗率が10-6Ω・cm台と低抵抗性であり、負帯電性樹脂ビーズと併用されることで、負帯電性樹脂ビーズによる過剰な電荷をリークでき、その詳細な理由は不明であるが、帯電性の安定した負帯電性トナーとできることを見出したものである。
次に、負帯電性酸化シリコン粒子(以下、負帯電性シリカ微粒子ともいう)としては、粒子径が均一な負帯電性シリカ微粒子を単独で用いてもよいが、平均粒子径(比表面積径)が異なる2以上の負帯電性シリカ微粒子を併用することが好ましい。一般には、平均粒子径の小さい負帯電性シリカ微粒子(小粒子径のシリカ)が用いられているが、これと平均粒子径の大きい負帯電性シリカ微粒子(大粒子径のシリカ)とを併用することにより、小粒子径のシリカのみを用いる場合に比べて、帯電量の絶対値を大きくすることができると共に大粒子径のシリカが抵抗となり、小粒子径のシリカがトナー母粒子内に埋没されることが妨げられ、長期の帯電の安定に優れるようになる。さらに、トナーの流動性を向上させ、熱に対するブロッキング効果を発揮して、トナーの保存性を高めることが可能となる。
小粒子径のシリカとして平均粒子径(比表面積径)が10〜40nmの負帯電性シリカ微粒子と大粒子径のシリカとして平均粒子径(比表面積径)が50〜90nmの負帯電性シリカ微粒子とを併用するとよい。前述した棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子によるスペーサー効果と耐久性の機能を確保するために、負帯電性酸化シリコンの平均粒子径は酸化亜鉛粒子の平均粒子径より小さいものとするとよい。
大粒子径のシリカと小粒子径のシリカとの添加比が質量比で1:3〜3:1、好ましくは1:2〜2:1、さらに好ましくは1:1.5〜1.5:1であることが、トナーに流動性を付与し、かつ帯電の長期安定性を得る上で好ましい。大粒子径シリカと小粒子径シリカとを用いる場合には、トナー母粒子に同時に混合して添加してもよく、いずれかを先に添加し、次いで、他方を添加してもよい。
負帯電性シリカ微粒子の添加量は、トナー母粒子の粒子径分布あるいは流動性などにより、または外添剤の粒子径分布、所望の帯電量などにより変動し得る。例えば、上記小粒子径のシリカであれば、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜2.0質量部、好ましくは0.7〜1.5質量部添加される。大粒子径シリカの場合、0.2〜2.0質量部、好ましくは、0.3〜1.5質量部添加される。大粒子径シリカと小粒子径シリカとを併用する場合、上記混合比率を考慮しつつ、トナー母粒子100質量部に対して合計量で0.5〜3.0質量部、好ましくは0.7〜2.5質量部添加される。
疎水性負帯電性シリカ微粒子としては、市販の日本アエロジル(株)製のRX200、同RX50、キャボット(株)製のTG811F、同TG810G、同TG308Fなどが例示される。負帯電性酸化シリコンの仕事関数としては、5.0〜5.3の範囲であるが、トナー母粒子より、少なくとも0.2ev以上小さいものとするとよい。これにより、仕事関数差による電荷移動により疎水性シリカ粒子をトナー母粒子に固着させることができる。
また、負帯電性樹脂ビーズは、帯電性が高く、摩擦帯電によりトナー粒子全体を負に帯電させることができるものであり、帯電性の低下の防止を目的として添加されるが、棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子と混在されることにより、過剰な電荷をリークでき、帯電性の耐久性に優れたトナーとできる。
負帯電性樹脂ビーズとしてはポリエステル樹脂微粒子、スチレン樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等が例示され、中でも非架橋アクリル単分散樹脂ビーズが好ましい。非架橋アクリル単分散樹脂ビーズは、例えば綜研化学(株)製「アクリル単分散粒子」MP1451(150nm)、MP2200(350nm)、MP1000(400nm)、MP1600(800nm)などが例示される。
非架橋アクリル単分散樹脂ビーズの平均粒子径は150〜800nm、好ましくは200〜500nmである。平均粒子径が150nmより小さいと他の外添剤に埋没し、機能を果たさなくなるので好ましくなく、また、800nmより大きいとトナー母粒子表面から遊離しやすくなるので好ましくない。
負帯電性樹脂ビーズは、トナー母粒子100質量部に対して0.1〜1質量部、好ましくは0.2〜0.8質量部添加される。非架橋アクリル単分散樹脂ビーズの仕事関数としては5.6〜5.9の範囲である。
本発明のトナー母粒子には、上述した外添剤粒子の添加趣旨を損なわない範囲で、金属石けん粒子である高級脂肪酸の亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミウムから選ばれる金属塩であり、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸モノアルミニウム、ステアリン酸トリアルミニウム等を外添処理してもよく、また、正帯電性酸化シリコン粒子、酸化チタン、酸化ストロンチウム、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化インジウム、アルミナ等の金属酸化物の微粒子、また、窒化珪素等窒化物の微粒子、炭化珪素等の炭化物の微粒子、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩の微粒子、並びに、これらの複合物等の無機微粒子が挙げられる。
本発明における外添粒子は、疎水化処理されていることが好ましく、アミノシラン、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシランなどのシラン化合物;あるいはジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、フッ素変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイルを用いて、例えば、湿式法、乾式法など当業者が通常使用する方法により行われる。
また、本発明における外添粒子の粒径は、下記式
D(nm)=6/(ρ〔g/cc〕・比表面積〔m2 /g〕)×1000
を使用して算出される比表面積径(D)で示されるものであり、式中、ρは真比重であり、十分焼結したバルクの密度を示し、ユアサアイオニクス製「ウルトラピクノメータ1000」により測定される値である。また、比表面積〔m2 /g〕は、ユアサアイオニクス製「NOVA」(JISZ8830及びR1626)により測定されるBET比表面積である。
次に、本発明におけるトナー母粒子と外添剤粒子との混合処理工程について説明する。トナー母粒子と外添剤粒子との混合処理に際しては、図4、図5に示す球形混合処理槽が使用される。図4は中央断面図、図5は混合羽根の一例の平面図である。図中、1は処理槽、2は水平円板状の槽底、3は駆動軸、4はドーナツ状円板、5は攪拌羽根、6はエアシール孔、7は筒状部材、8はフランジ、9はジャケット、11は攪拌羽根が取り付けられた円板である。
図に示すように、球形混合処理槽1は、水平円板状の槽底2と、槽底2の中心を垂直に貫く回転駆動軸3に断面円錐形状をもつ攪拌羽根11が取付けられ、また、外周端部上には攪拌翼5が複数枚それぞれ取付けられている。攪拌羽根11はタービン羽根であり、羽根による剪断作用が比較的少なく混合を進めることができる。また、攪拌翼5にはその上部に補強を目的とするドーナツ状円板4が取付けられている。
容器1の頂部には、回転駆動軸3の延長線上の混合処理槽頂部を貫く筒状部材7がその槽内先端部を上半球内に位置するように配置され、シールエア抜きを可能とする。混合処理層における上半球は、中央部のフランジ8から開閉可能とされ、上半球を開いて被処理物が投入される。投入された被処理物は、攪拌羽根11の回転による遠心力により処理槽1内壁面に沿って螺旋状(図示せず)で図4に示す矢印のごとく上向きに放出されて頂部に到り、運動エネルギーを低下させて落下する。落下した被処理物は円錐状上面を滑り落ち、攪拌翼5に再供給される。この工程を繰り返すことで分散混合が進む。処理槽1の下部には外添処理済みの被処理物の排出口(図示せず)が設けられる。また、球形混合処理槽は、水冷ジャケット9が設けられ、後述する水温の冷却水を後述する流量で通水することにより、内容物を冷却可能とされる。
回転駆動軸3には、シールエア孔6を介して攪拌羽根11が回転可能に取り付けられ、攪拌翼5の先端は、図4、図5に示すようにドーナツ状円板4の外周と槽内壁との間に位置するように配置されている。また、攪拌翼5の下側のエッジは、図4に示すように処理槽1の球面状の内壁に沿った弧状とされ、回転することにより被処理物を処理槽内面の曲面に沿って処理槽頂部に向けて螺旋状に放出可能な形状とされる。シールエア孔6は、高温となる回転駆動軸部分に被処理物が侵入することを防止するためのエアー供給孔であり、また、供給されたエアーは筒状部材7から排出される。
被処理物の均一処理性、供給されたエアーの排出性の観点から、投入用部材7の容器内部での長さは、容器内部のドーナツ状円板4からの高さの1/20以上、好ましくは1/3以上の長さとするとよいが、上限としては被処理物を静置した時の粉面に接触しない程度の長さとするとよい。また、筒状部材7は円筒形状以外でもシールエアーが抜ける構造であればよく、例えばスリットを有した構造でもよい。
また、水平状の槽底2の直径と処理槽1の直径との比は0.25〜0.80であり、ドーナツ状円板4の外径と水平状の槽底2の直径との比は0.50〜1.20であり、攪拌羽根5の直径と処理槽1の直径との比は0.50〜0.90とするとよい。また、ドーナツ状円板4の内径と外径との比は0.5〜0.95、好ましくは0.7〜0.8である。また、球状混合処理槽への被処理物の仕込み量は、処理槽の容積に対する比で0.1〜0.9、好ましくは0.3〜0.5とするとよい。
球形混合処理槽は、図6に示すようなヘンシェルミキサーのごとく、被処理物の急激な立ち上がりをさせるのではなく、被処理物であるトナー母粒子と外添剤粒子とを曲面状の槽壁に沿って高速で流動させることができ、また、被処理物が流動する壁面距離が長く、トナー母粒子が転がりやすくなり、短時間での均一な外添処理を可能とする。さらに、混合処理槽の天井まで被処理物を移動させた後、槽底の攪拌羽根に供給され再処理されるので、重力に依存していた被処理物の上下動が、ヘンシェルミキサーのごとく円筒形状の混合処理槽に比して、よりダイナミックとなり、また、上羽根を設ける必要がないという利点を有する。また、外添剤粒子の凝集が強い場合には、槽内に凸部を設けて乱流を発生させて解砕させることができる。
トナー母粒子と平均粒径の相違する複数の外添剤粒子を混合処理する際に、「多段階混合処理」とすることができるが、混合処理時間が短いと混合処理が不充分となり、また、混合処理時間が長いと被処理物が槽壁や攪拌羽根等への溶着が発生し、収率が低下するので、各段階における処理時間としては、0.5〜10分、好ましく1〜5分の範囲内のものとする必要がある。なお、温度上昇を避けるためには各段階における処理を数回に分けて混合されてもよい。また、同様の観点から、球形混合処理槽における攪拌羽根の先端の周速度(π×羽根の最外径×回転数/時間)は、10m/s〜100m/sの範囲とされる。
トナー母粒子への外添にあたっては、多段外添処理されるのが好ましい。多段外添に際しては、球形の混合処理槽にトナー母粒子を充填した後、一段目として棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子と共に大粒径の負帯電性酸化シリコン粒子、次いで、二段目として樹脂ビーズが外添処理され、三段目(最終段)として小粒径の負帯電性酸化シリコン粒子が外添処理されるとよい。
また、一段目として棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子と共に樹脂ビーズを外添処理し、次いで、二段目(最終段)として大粒径と小粒径の負帯電性酸化シリコン粒子が外添処理されてもよい。
また、一段目として大粒径の負帯電性酸化シリコン粒子、次いで、二段目として樹脂ビーズと負帯電性酸化シリコン粒子が外添処理され、三段目(最終段)として棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子が外添処理されてもよい。
本発明は、これにより帯電安定性に優れ、現像装置におけるトナー漏れやトナー飛散がなく、また、印字画像にムラがなく、搬送量の均一性に優れる負帯電性トナーを製造することができる。
本発明で製造されるトナーは、特開2002−202622に詳細に説明されている1成分系のトナーを用いる画像形成装置、また、2成分系のトナーを用いる画像形成装置のいずれにも適用でき、また、接触現像方式の画像形成装置や非接触式方式の画像形成装置のいずれにも適用できる。しかしながら、好ましくは一成分非磁性カラートナーであり、また、帯電安定性に優れる負帯電性トナーとできるので、非接触式方式の現像方式を有する画像形成装置への適用に優れる負帯電性トナーとできる。
以下、実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
上記で製造したトナー母粒子1を使用し、その3.0kgを図4に示す球形混合槽(三井鉱山(株)製、Q型20L、羽根形状タービン)に装填した後、負帯電性シリカ微粒子{日本アエロジル社製RX50(平均粒子径85nm、5.16eV)15gと、疎水化処理をしていない棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子{シーアイ化成(株)製、平均粒子径103nm、仕事関数5.44eV}15gを添加した。
球形混合槽は、その内容積20リットル、筒状部材7の容器内部での長さは容器内部のドーナツ状円板4からの高さの1/11、また、槽底2の直径と処理槽1の直径との比は0.57、ドーナツ状円板4の外径と水平状の槽底2の直径との比は1.10、攪拌羽根(タービン羽根)5の直径と処理槽1の直径との比は0.75であり、また、ドーナツ状円板4の内径と外径との比は0.73である。この球形混合処理槽にシールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を40m/sで、混合時間を2分間として混合処理した。
混合停止後、2段目外添処理として、樹脂ビーズ(綜研化学(株)製「MP1000」、平均粒子径400nm、仕事関数5.76eV)15gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を40m/sで、混合時間を2分間として混合処理した。
混合停止後、3段目外添処理として、負帯電性シリカ微粒子{日本アエロジル社製RX200(平均粒子径19nm、5.10eV)30gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を40m/sで、混合時間を2分間として混合処理し、トナーとした。
得られたトナーをカラープリンタ(セイコーエプソン(株)製「LP7000C」)のトナーカートリッジに充填し、通常環境(室温(約25℃)、約50%RH)での印字試験(初期、および6,000枚(6K)後)をした。100%べた印字後、カートリッジを取り出し、現像機(M/C)内や規制ブレードからのトナー漏れやトナー飛散の状態を目視判断した。判定は三段階、○:漏れや飛散なし、△:漏れはないが飛散あり、×:漏れ、飛散共にありである。その結果を表1に示す。
また、べた印字画像ムラから搬送量の均一性(初期)を判断した。判定は二段階、○:ムラなし、×:ムラありである。その結果を表1に示す。
また、5%印字(白ベタ)でA4紙6,000枚(6K)印字し、その後の搬送量の均一性(6,000枚後)を判断した。判定は二段階、○:ムラなし、×:ムラありである。その結果を表1に示す。
(実施例2)
上記で製造したトナー母粒子2を使用し、その3.0kgを実施例1と同じ球形混合槽に装填した後、メチルトリメトキシシランで疎水化処理した棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子{シーアイ化成(株)製、平均粒子径103nm、仕事関数5.54eV}12gと、樹脂ビーズ(綜研化学(株)製「MP1000」、平均粒子径400nm、仕事関数5.76eV)15gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を45m/sで、混合時間を2分間として混合処理した。
混合停止後、2段目外添処理として、負帯電性シリカ微粒子{日本アエロジル社製RX200(平均粒子径19nm、5.10eV)30gと、負帯電性シリカ微粒子{日本アエロジル社製RX50(平均粒子径85nm、5.16eV)30gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を45m/sで、混合時間を2分間として混合処理し、トナーとした。
実施例1と同様に、トナーの漏れ飛散性、搬送量の均一性についての結果を同じく表1に示す。
(実施例3)
上記で製造したトナー母粒子3を使用し、その3.0kgを実施例1と同じ球形混合槽に装填した後、負帯電性シリカ微粒子{日本アエロジル社製RX50(平均粒子径85nm、5.16eV)25gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を50m/sで、混合時間を2分間として混合処理した。
混合停止後、2段目外添処理として、負帯電性シリカ微粒子{日本アエロジル社製RX200(平均粒子径19nm、5.10eV)35gと樹脂ビーズ(綜研化学(株)製「MP1000」、平均粒子径400nm、仕事関数5.76eV)15gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を50m/sで、混合時間を2分間として混合処理した。
混合停止後、3段目外添処理として、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理した棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子{シーアイ化成(株)製、平均粒子径103nm、仕事関数5.55eV}15gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を50m/sで、混合時間を2分間として混合処理し、トナーとした。
実施例1と同様に、トナーの漏れ飛散性、搬送量の均一性についての結果を同じく表1に示す。
(比較例1)
実施例1における1段目外添処理において、棒状多面体六方晶系酸化亜鉛粒子に代えて、同様に疎水処理していない酸化亜鉛粒子(JIS 1種、平均粒子径258nm、仕事関数5.43eV}を同様に使用した以外は、実施例1と同じとして、トナーとした。
実施例1と同様に、トナーの漏れ飛散性、搬送量の均一性、印字濃度についての結果を同じく表1に示す。
(比較例2)
上記で製造したトナー母粒子1を使用し、その3.0kgを実施例1と同じ球形混合槽に装填した後、疎水処理していない酸化亜鉛粒子(JIS 1種、平均粒子径258nm、仕事関数5.43eV}15gと負帯電性シリカ微粒子{日本アエロジル社製RX50(平均粒子径85nm、5.16eV)25gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を40m/sで、混合時間を2分間として混合処理した。
混合停止後、2段目外添処理として、負帯電性シリカ微粒子{日本アエロジル社製RX200(平均粒子径19nm、5.10eV)30gを添加し、シールエアー量1.0Nm3 /hとし、タービン羽根の周速を40m/sで、混合時間を2分間として混合処理し、トナーとした。
実施例1と同様に、トナーの漏れ飛散性、搬送量の均一性、印字濃度についての結果を同じく表1に示す。
表から、ポリエステル系樹脂からなるトナー母粒子に、棒状多面体六方晶系酸化亜鉛 子と共に負帯電性酸化シリコン粒子と樹脂ビーズとの複合添加により、トナーの漏れや飛散がなく、また、搬送量の均一性が長期の印字の間得られることがわかる。