JP4691381B2 - 高強度コンクリート - Google Patents
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Description
高強度コンクリートは、一般に、水結合材比を小さくして配合設計されるため、結合材の単位量が多く、したがって自己収縮が大きくなってしまっている。
かかる自己収縮は、高強度コンクリートに使用されるセメントの種類により、自己収縮の傾向や収縮量が異なり、例えば、自己収縮量については、高炉セメント、早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントの順に小さくなり、低熱ポルトランドセメントを用いた場合が、他のセメントを用いた場合と比較して自己収縮が最も小さくなる。
したがって、セメントの種類として、自己収縮率が最も小さい低熱ポルトランドセメントを用いただけでは、十分な自己収縮低減効果を期待することは難しくなっている。
例えば、特開2000−143311号公報には、低熱ポルトランドセメント、膨張材、骨材、及び減水剤を含有したセメント組成物が開示されている。
しかし、このような膨張材の添加の場合には、膨張材を過剰に添加した場合に、遅れ膨張を引き起こす危険性があるため、多量に添加することが難しく、遅れ膨張を起こさない範囲内で最大限添加量を増加させても、十分な自己収縮の抑制効果または十分な収縮補償効果が期待することはできない。
かかる、膨張材と収縮低減剤とを併用することで単なる重ね合わせとは異なる相乗効果が発揮され、自己収縮を有効に抑制することが期待されるが、この場合も、水結合材比が少ない場合、特に0.2以下のような超高強度コンクリートにおいては、膨張材を上限範囲まで添加し、かつ収縮低減剤を多量添加しないと、有効な自己収縮低減効果が得られない。
したがって、遅れ膨張や強度低下、空気量の変動等に関する問題が生じる他、収縮低減剤の多量の使用は高価なものとなるため、不経済となる。
このようなセメント組成物は、自己収縮の低減について一定の効果を得ることができるものであるが、この場合においても、水和熱抑制剤の使用について、その使用可能(保存可能)期間が短いことに加え、使用可能期間内であっても、水和熱抑制剤製造後から添加時期までの時間がコンクリートのフレッシュ性状や初期の硬化性状へ敏感に影響を及ぼすため、用法が難しく、作業が煩雑になり、簡便に製造することはできないという問題がある。
また、更に本発明の目的は、自己収縮が小さく、高い強度を保持できる、経済的なコンクリートを提供することである。
すなわち、本発明の高強度コンクリートは、低熱ポルトランドセメント、膨張材及び凝結遅延剤を含有することを特徴とし、前記本発明の高強度コンクリートにおいて、高強度コンクリート1m3に対して15kg〜40kg、凝結遅延剤は結合材100質量部に対し0.1〜0.3質量部含有することを特徴とするものである。
更に好ましくは、前記本発明の高強度コンクリートにおいて、水/結合材比が、10〜25質量%であることを特徴とするものであり、更に本発明の高強度コンクリートは、シリカフュームを含有することが望ましいものである。
ここで、本発明において「結合材」とは、低熱ポルトランドセメントと、必要に応じて添加されるシリカフューム、膨張材など、水和による硬化性状を示す材料をいうものである。
また、本発明の高強度コンクリートは、経済的に安価なものであり、水結合材比が少ない超高強度コンクリートにおいても、添加剤を多量に使用することなく、有効な自己収縮効果を有することができる。
本発明の高強度コンクリートは、低熱ポルトランドセメント、膨張材及び凝結遅延剤を含有するものである。
このように、低熱ポルトランドセメントに、膨張材及び凝結遅延剤を併用して含有させることにより、高強度コンクリートの自己収縮ひずみを抑制することができることとなる。
かかる低熱ポルトランドセメントを用いることによって、自己収縮量が少なく、また単位水量が低減でき(後述する0014参照)、水和熱による温度応力を低減することが可能である(0014参照)高強度コンクリートを調製することができる。
さらに、C2Sを多く含むことにより、単位水量が低減できるため、これらの特徴を有する低熱ポルトランドセメントが、本発明の高強度コンクリートにおいて使用されるものである。
かかるシリカフュームの使用は、概要、水結合材比が、0.2以下の場合にシリカフュームを使用する場合が多く、これは水結合材比が小さい場合であると、セメント単味では粘性が上昇するため所定のフレッシュ性状(スランプフロー)が得られないという場合が生じることがあり、したがってコンクリートの流動性を向上させる効果を更に高めるためである。
特に、水結合材比が0.20を下回るような低水結合材比のコンクリート(高強度コンクリート)では、これを使用することが多い。
ただし、当該シリカフュームを混和した高強度コンクリートの自己収縮は、使用しないものより大きくなることが知られており、セメント単味で調合した高強度コンクリートよりもさらに、自己収縮低減の必要性がある。
ここで、本発明の高強度コンクリートに使用される膨張材としては、カルシウムサルホアルミネート、酸化カルシウム・無水石膏の水和によりエトリンガイトを生成するカルシウムサルホアルミネート系膨張材、アルミン酸三カルシウム、石膏の水和によりエトリンガイトを生成するアルミン酸三カルシウム系膨張材、酸化カルシウム(生石灰)が水和して水酸化カルシウムが生成する生石灰系膨張材、前記アルミン酸三カルシウム系膨張材と生石灰系膨張材とが組みあわされた膨張材があげられ、特に、前記アルミン酸三カルシウム系膨張材と生石灰系膨張材とが組み合わされた膨張材が、フレッシュ性状の経時変化が少ない点でより好適に使用できる。
その配合量は、高強度コンクリート1m3に対して15〜40kg/m3であり、20〜38kg/m3とすることがより好ましい。
これは、かかる範囲であると遅れ膨張を示さず、かつ必要とされる膨張性能が得られる範囲だからである。
また、好適には、低添加型膨張材は、15〜25kg/m3、最適には20〜25kg/m3、高添加型膨張材においては、20〜40kg/m3、最適には30〜40kg/m3の量で配合されることが望ましい。
一般に、高強度コンクリートに、遅れ膨張が起きない範囲内で膨張材を併用した場合、十分な効果が得られないのは、この反応速度の相違から生ずる硬化タイミングである。
すなわち、マトリックスの硬化強度を担う低熱ポルトランドセメントの水和が遅いため、マトリックスが十分な強度を有していない初期の段階で、膨張材の結晶成長がおこり、その結果、膨張力をマトリックスが緩和・吸収してしまうからであると推測される。
その配合量は、上記結合材100質量部に対して、0.1〜0.3質量部である。
これは、かかる範囲であるとコンクリート自体の凝結をあまり遅延させずに、効果的に膨張材の膨張性状を発揮させることが可能だからである。
かかる粗骨材の量は、単位粗骨材かさ容積で、0.500m3/m3以上の範囲となるようにすることが、硬化後の特性(弾性係数)や耐久性の観点から好ましい。
減水剤としては、例えば、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等の液状または粉末状のいずれの公知の減水剤も使用できる。
この混合の条件、混合機の種類などに限定はなく、それぞれの材料を施工時に混合して用いてもよいし、予め、その一部あるいは全部を混合しておいても差し支えない。混合装置としては、既存の任意の装置が使用可能であり、例えば、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、ナイタミキサ、傾動ミキサ等のセメント用ミキサ、ハンドミキサ、ポットミルなどの慣用の混合機を用いることができる。
なお、本発明における水/結合材比を算出する際の水には、別途添加する水のほかに、乾燥収縮低減材等の混和材に水が含まれる場合には、これらに含まれる水も含むものである。
使用材料
実施例及び比較例において、以下の表1に示す材料を用いた。
実施例1〜3及び比較例1〜9及び参考例1において、表1に示す低熱ポルトランドセメント、シリカフューム、細骨材、粗骨材、膨張材、収縮低減剤及び水の各材料を表2に示す配合とし、また得られるスランプフロー値が65±10cmとなるように、表1に示す高性能AE減水剤を添加し、また、結合材に対して凝結遅延剤を外割りで、表2に示す割合で添加して、二軸強制練りミキサにて混練し、コンクリートを調製した。
(1)低熱ポルトランドセメントとシリカフュームと細骨材と粗骨材と膨張材とを、当該ミキサにて、30秒の空練り
(2)次いで、水と混和剤と遅延剤とを、混練水に溶かして添加して、3分〜5分混練り
(3)収縮低減剤を添加する場合は、練り落とし40秒前に添加
比較例1〜4及び実施例1は、水/結合材比(セメント及び膨張材)が0.25で、シリカフュームを使用しないコンクリートの比較である。
また、比較例5〜9及び実施例2〜3及び参考例1は、水結合材比(セメントとシリカフュームと膨張材)が0.16で、シリカフュームを使用したコンクリートの比較である。
また、s/aは細骨材率を示し、具体的には、コンクリート中の全骨材量に対する細骨材の絶対容積比を百分率で表した値である。
スランプスローは、JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)に準じて、スランプコーンを引き上げた後、広がったコンクリートの最大直径の長さとその直角方向の長さを測定して、算出した平均値である。
自己収縮ひずみ;凝結始発時間
上記実施例1〜3及び比較例1〜9及び参考例1で得られた各コンクリートを、10×10×40cmの型枠に入れて、JCIの「セメントペースト、モルタルおよびコンクリートの自己収縮および自己膨張試験方法(案)」に従い、材齢28日後及び材齢91日後の自己収縮ひずみを埋め込みひずみ計(KM−100BT:東京測器研究所製)を用いて測定した。
但し、材齢は、注水後の各期間経過後の材齢を表し、また自己収縮の基長は、凝結の始発を0として算出した。
その結果を表3に示す。
また、凝結始発時間を、JIS A 6204−1995付属書1に記載された方法に準じて測定し、その結果も表3に示す。
JIS A1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して測定した。
但し、被試験体は、φ100×200mmの円柱供試体を用いて、脱型を2日で実施し、その後水中養生(20℃)したものを用いた。
また、強度低下は、比較例1〜4及び実施例1は比較例1との比較、比較例5〜9と実施例2〜3及び参考例1は、比較例5との比較で、示したものである。
また、比較例1及び3、比較例5及び7を比較すると、収縮低減剤を単独で使用したコンクリートは、収縮低減剤を用いないコンクリートと比較すると、自己収縮ひずみの低減に関しては、あまり効果が顕著でないことがわかる。
かかる水結合比を低下させると、結合材が増えることになるため不経済となるほか、自己収縮量が返って大きくなってしまう可能性がある。
更に、その他、単位収縮低減剤量が多く、かかる収縮低減剤は単価が高い材料であることから、高価なものとなってしまい、不経済となる可能性が生じる。
また凝結遅延剤は、収縮低減剤と比べて安価であり、添加率も収縮低減剤と比べて同等の効果を得るために少ない添加率でよいため、経済的なコンクリートが得られる。
Claims (3)
- 低熱ポルトランドセメント、膨張材、凝結遅延剤を含有し、膨張材は高強度コンクリート1m3に対して15kg〜40kg、凝結遅延剤は結合材100質量部に対し0.1〜0.3質量部含有することを特徴とする、高強度コンクリート。
- 請求項1記載の高強度コンクリートにおいて、水/結合材比が、10〜25質量%であることを特徴とする、高強度コンクリート。
- 請求項1又は2記載の高強度コンクリートにおいて、更にシリカフュームを含有することを特徴とする、高強度コンクリート。
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