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JP4683681B2 - 金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法 - Google Patents

金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に半導体デバイスの配線形成工程の研磨に使用される金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路(以下LSIと記す)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下CMPと記す)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術である。この技術は、例えば米国特許第4944836号公報に開示されている。
【0003】
また、最近はLSIを高性能化するために、配線材料として銅または銅合金の利用が試みられている。しかし、銅または銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝を形成してある絶縁膜上に銅或いは銅合金薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の銅或いは銅合金薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術は、例えば特開平2−278822号公報に開示されている。
【0004】
銅または銅合金等の金属CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を金属用研磨液で浸し、基板の金属膜を形成した面を押し付けて、その裏面から所定の圧力(以下研磨圧力と記す)を加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と金属膜の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属膜を除去するものである。
CMPに用いられる金属用研磨液は、一般には酸化剤及び砥粒からなっており必要に応じてさらに酸化金属溶解剤、保護膜形成剤が添加される。まず酸化剤によって金属膜表面を酸化し、その酸化層を砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムと考えられている。凹部の金属表面の酸化層は研磨パッドにあまり触れず、砥粒による削り取りの効果が及ばないので、CMPの進行とともに凸部の金属層が除去されて基板表面は平坦化される。この詳細についてはジャ−ナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)の第138巻11号(1991年発行)の3460〜3464頁に開示されている。
【0005】
CMPによる研磨速度を高める方法として酸化金属溶解剤を添加することが有効とされている。砥粒によって削り取られた金属酸化物の粒を研磨液に溶解(以下エッチングと記す)させてしまうと砥粒による削り取りの効果が増すためであるためと解釈できる。酸化金属溶解剤の添加によりCMPによる研磨速度は向上するが、一方、凹部の金属膜表面の酸化層もエッチング(溶解)されて金属膜表面が露出すると、酸化剤によって金属膜表面がさらに酸化され、これが繰り返されると凹部の金属膜のエッチングが進行してしまう。このため研磨後に埋め込まれた金属配線の表面中央部分が皿のように窪む現象(以下ディシングと記す)が発生し、平坦化効果が損なわれる。
【0006】
これを防ぐためにさらに保護膜形成剤が添加される。保護膜形成剤は金属膜表面の酸化層上に保護膜を形成し、酸化層の研磨液中への溶解を防止するものである。この保護膜は砥粒により容易に削り取ることが可能で、CMPによる研磨速度を低下させないことが望まれる。
銅または銅合金のディッシングや研磨中の腐食を抑制し、信頼性の高いLSI配線を形成するために、グリシン等のアミノ酢酸又はアミド硫酸からなる酸化金属溶解剤及び保護膜形成剤としてBTAを含有する金属用研磨液を用いる方法が提唱されている。この技術は、例えば特開平8−83780号公報に記載されている。
【0007】
銅または銅合金のダマシン配線形成やタングステン等のプラグ配線形成等の金属埋め込み形成においては、埋め込み部分以外に形成される層間絶縁膜である二酸化シリコン膜の研磨速度も大きい場合には、層間絶縁膜ごと配線の厚みが薄くなるシニングが発生する。その結果、配線抵抗の増加やパターン密度等により抵抗のばらつきが生じるために、研磨される金属膜に対して二酸化シリコン膜の研磨速度が十分小さい特性が要求される。そこで、酸の解離により生ずる陰イオンにより二酸化シリコンの研磨速度を抑制することにより、研磨液のpHをpKa−0.5よりも大きくする方法が提唱されている。この技術は、例えば特許第2819196号公報に記載されている。
【0008】
一方、配線の銅または銅合金等の下層には、層間絶縁膜中への銅拡散防止のためにバリア層として、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物等が形成される。したがって、銅または銅合金を埋め込む配線部分以外では、露出したバリア層をCMPにより取り除く必要がある。しかし、これらのバリア層導体は、銅または銅合金に比べ硬度が高いために、銅または銅合金用の研磨材料の組み合わせでは十分な研磨速度が得られない場合が多い。そこで、銅または銅合金を研磨する第1工程と、バリア層導体を研磨する第2工程からなる2段研磨方法が検討されている。
【0009】
第2工程であるバリア層のCMPでは、銅または銅合金埋め込み配線部のディシングを防止する必要があり、銅または銅合金の研磨速度及びエッチング速度を抑制するために、研磨液のpHを小さくすることはマイナス効果であると考えられていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
バリア層として用いられるタンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物は、化学的に安定でエッチングが難しく、硬度が高いために機械的な研磨も銅及び銅合金ほど容易ではない。そこで、砥粒の硬度を上げた場合には、銅または銅合金に研磨キズが発生して電気特性不良の原因になったり、砥粒の粒子濃度を高くした場合には、二酸化シリコン膜の研磨速度が大きくなってしまいシニングが発生するという問題があった。
本発明は、銅または銅合金配線のディシング、シニング及び研磨キズ発生を抑制し、低砥粒濃度においてバリア層の高い研磨速度を実現し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパタ−ン形成を可能とする金属用研磨液及びそれを用いた基板の研磨方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、バリア層導体として用いられるタンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物の研磨速度が低砥粒濃度で極大を持ち、濃度が高すぎるとかえって低下することを見いだした。また、この現象は、低pH領域かつ低酸化剤濃度領域でタンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物を研磨する際に顕著である。
本発明は、銅または銅合金配線のディシング、シニング及び研磨キズ発生を抑制し、低砥粒濃度においてバリア層の高い研磨速度を実現し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパタ−ン形成を可能とするもので、(1)砥粒、導体の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸及び水を含有する研磨液であり、砥粒濃度が0.05〜3.0重量%であることを特徴とする金属用研磨液である。
また、(2)砥粒は、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニアより選ばれた少なくとも1種である上記(1)に記載の金属用研磨液であることが好ましい。さらに、(3)砥粒が、コロイダルシリカまたはコロイダルアルミナである上記(1)または(2)の金属用研磨液であると好ましい。コロイダルシリカは、シリコンアルコキシドの加水分解により製造したものが好ましいが、珪酸ナトリウムを原料として製造したものも使用できる。平均粒径が、50nm以下であることが好ましい。
(4)金属用研磨液のpHは3以下、かつ酸化剤の濃度が0.01〜3重量%であることが好ましい。
(5)金属用研磨液には、さらに、水溶性高分子を含有することが好ましく、(6)水溶性高分子は、ポリアクリル酸またはその塩、ポリメタクリル酸またはその塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアミド酸またはその塩からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。(7)その場合の導体の酸化剤の濃度は、0.01〜1.5重量%であることが好ましい。
(8)酸は、有機酸であることが好ましく、(9)マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸及びクエン酸から選ばれた少なくとも1種であることがより好ましい。
(10)保護膜形成剤は、従来から広く用いられてきたベンゾトリアゾール(BTA)またはその誘導体から選ばれた少なくとも一種(BTA類)を用いることが好ましい。
(11)導体の酸化剤は、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
(12)導体は、銅、銅合金またはそれらの酸化物のバリア層であり、(13)バリア層は、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金、その他のタンタル化合物であると好ましい。
【0012】
本発明の研磨方法は、(14)金属用研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法において、上記(1)〜(13)のいずれかの金属用研磨液を用いて、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金、その他のタンタル化合物からなるバリア層を研磨する基板の研磨方法である。
また、本発明の研磨方法は、上記(1)〜(13)のいずれかの金属用研磨液を用いて、銅または銅合金とそのバリア層を含む面を研磨する基板の研磨方法である。
【0013】
本発明では、砥粒濃度が0.05〜3重量%の砥粒を含有し、研磨液を低pH領域、かつ、低酸化剤濃度領域にすることにより、銅または銅合金配線のディシングとシニング及び研磨キズ発生を抑制し、低砥粒濃度においてバリア層の高い研磨速度を実現する金属用研磨液とそれを用いた研磨方法を提供する。
バリア層を研磨する方法として、前記したように砥粒の硬度を上げた場合には、銅または銅合金に研磨キズが発生して電気特性不良の原因になったり、砥粒の粒子濃度を高くした場合には、二酸化シリコン膜の研磨速度が大きくなりシニングが発生してしまうという問題があった。
本発明者らは、バリア層として用いられるタンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物の研磨が、低pH領域、低酸化剤濃度領域で容易に進行することを見出した。また、これらの研磨速度が最大になる砥粒濃度が、低濃度領域に存在することを見出した。このような研磨液を用いた場合は、酸化剤濃度が十分低い領域であるために、一般に低pH領域で問題になる銅または銅合金のエッチング速度の増加による配線のディシングも問題とならず、砥粒濃度が低いためにエロージョンも少ないことがわかった。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、表面に二酸化シリコンの凹部を有する基板上にバリア層及び銅或いは銅合金を含む金属膜を形成・充填する。この基板をまず銅或いは銅合金/バリア層の研磨速度比が十分大きい銅及び銅合金用の研磨液を用いてCMPすると、基板の凸部のバリア層が表面に露出し、凹部に銅或いは銅合金膜が残された所望の導体パタ−ンが得られる。本発明の金属用研磨液は、砥粒、導体の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸及び水を含有する研磨液であり、砥粒濃度が0.05〜3重量%である。また、pHが3以下、かつ、導体の酸化剤の濃度が0.01〜3重量%になるように調整することが好ましい。必要に応じて、水溶性高分子を添加してもよい。
本発明における金属用研磨液の砥粒濃度は、全重量に対して0.05重量%から3重量%であり、0.1〜1重量%の範囲であることがより好ましい。この配合量が0.05%未満では砥粒を入れる効果が少なく、3重量%を超えるとバリア層の研磨速度が逆に減少する傾向が見られるようになる。
【0015】
金属用研磨液のpHは、3を超えて大きいとタンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物の研磨速度が小さい。pHは、酸の添加量により調整することができる。またアンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドライド等のアルカリ成分の添加によっても調整可能である。
【0016】
一方、本発明における金属用研磨液は、導体の酸化剤の濃度が0.15重量%付近でタンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物の研磨速度が極大になる。酸化剤によりタンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物等の導体膜表面に、機械的に研磨されやすい一次酸化層が形成され、高い研磨速度が得られる。一般にpHが3より小さい場合には、銅または銅合金膜のエッチング速度が大きく、保護膜形成剤でのエッチング抑制は困難である。しかし、本発明では、酸化剤の濃度が十分低いため、保護膜形成剤によるエッチング抑制が可能である。酸化剤の濃度が3重量%を超えて大きいと、銅または銅合金のエッチング速度が大きくなりディシング等が発生し易くなるだけでなく、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物等の導体膜表面に、一次酸化層よりも研磨されにくい二次酸化層が形成されるために研磨速度が低下する。酸化剤の濃度が0.01重量%未満であると、酸化層が充分形成されないために研磨速度が小さくなり、タンタル膜の剥離等が発生することもある。
【0017】
本発明における金属用研磨液の導体の酸化剤は、水溶性高分子を含有する場合には、濃度が0.01〜1.5重量%である。水溶性高分子は、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物、或いはその酸化膜表面に吸着するために、高い研磨速度が得られる酸化剤濃度範囲が小さくなる。また、水溶性高分子は、特に窒化タンタル膜、窒化チタン等の窒化化合物膜の表面に吸着し易いために、窒化タンタル膜、窒化チタン等の窒化化合物膜の研磨速度が小さくなる。一方、水溶性高分子は、金属の表面保護膜形成効果を持ち、ディシングやシニング等の平坦化特性を向上させる。
【0018】
本発明における導体の酸化剤としては、過酸化水素(H22)、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。基板が集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物などによる汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、オゾン水は組成の時間変化が激しいので過酸化水素が最も適している。但し、適用対象の基板が半導体素子を含まないガラス基板などである場合は不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
【0019】
本発明において用いる酸としては、有機酸が好ましく、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等、及びこれらの有機酸のアンモニウム塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、例えば過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、クロム酸等又はそれらの混合物等が上げられる。これらの中では、実用的なCMP研磨速度が得られるという点でマロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸及びクエン酸が好ましい。
【0020】
本発明における保護膜形成剤は、ベンゾトリアゾール(BTA)、BTA誘導体、例えばBTAのベンゼン環の一つの水素原子をメチル基で置換したものトリルトリアゾールもしくはカルボキシル基等で置換したものベンゾトリアゾール−4−カルボン酸、そのメチル、エチル、プロピル、ブチル及びオクチルエステル、またはナフトトリアゾ−ル、ナフトトリアゾ−ル誘導体またはこれらを含む混合物の中から選ばれる。
【0021】
本発明において用いる水溶性高分子としては、以下の群から選ばれたものが好適である。ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリルアミド等のカルボキシル基を持つモノマーを基本構成単位とするポリマーまたはその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等のビニル基を持つモノマーを基本構成単位とするポリマーが挙げられる。但し、適用する基板が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基板がガラス基板等である場合はその限りではない。これらの水溶性高分子を添加することにより、保護膜形成剤によるエッチング抑止効果によりディシング特性を向上させることができる。
【0022】
本発明の金属用研磨液の砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、炭化珪素等の無機物砥粒、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル等の有機物砥粒のいずれでもよいが、研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数の少ない、平均粒径が50nm以下のコロイダルシリカ、コロイダルアルミナが好ましい。平均粒径は、バリア層の研磨速度がより大きくなり、二酸化シリコンの研磨速度がより小さくなる30nm以下がより好ましく、20nm以下が特に好ましい。コロイダルシリカはシリコンアルコキシドの加水分解または珪酸ナトリウムのイオン交換による製造方法が知られており、コロイダルアルミナは硝酸アルミニウムの加水分解による製造方法が知られている。
【0023】
本発明を適用する導体膜としては、銅または銅合金のバリア層であり、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物からなることが好ましい。。
【0024】
本発明における用いる酸の配合量は、導体の酸化剤、酸、保護膜形成剤、水溶性高分子及び水の総量100gに対して、0.0001〜0.05molとすることが好ましく、0.001〜0.01molとすることがより好ましい。この配合量が0.05molを超えると、銅または銅合金のエッチングが増加する傾向がある。
【0025】
本発明において用いる保護膜形成剤の配合量は、導体の酸化剤、酸、保護膜形成剤、水溶性高分子及び水の総量100gに対して、0.0001〜0.01molとすることが好ましく、0.0005〜0.005molとすることがより好ましい。この配合量が0.0001mol未満では、銅または銅合金のエッチングが増加する傾向があり、0.01molを超えても効果に変わりがない。
【0026】
本発明では水溶性高分子を添加することもでき、水溶性高分子の配合量は、導体の酸化剤、酸、保護膜形成剤、水溶性高分子及び水の総量100gに対して、0.001〜0.5重量%とすることが好ましく、0.01〜0.2重量%とすることがより好ましい。この配合量が0.001重量%未満では、エッチング抑制において保護膜形成剤との併用効果が現れない傾向があり、0.5重量%を超えると、CMPによる研磨速度が低下する傾向がある。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
【0028】
(実施例1〜3、比較例1)
(金属用研磨液の作製方法)
酸0.4重量%、保護膜形成剤としてベンゾトリアゾール(BTA)0.2重量%に水を加えて溶解し、導体の酸化剤として過酸化水素水(試薬特級、30%水溶液)を0.5重量%加えて得られたものを金属用研磨液とした。砥粒は、テトラエトキシシランのアンモニア溶液中での加水分解により作製した平均粒径30nmのコロイダルシリカを0.1〜5重量%添加し、それに合わせて水を98.8〜93.9重量%とした。使用したグリコール酸のpKaは、3.7である。
実施例1〜3、比較例1では、表1に砥粒濃度の上記金属用研磨液を用いてCMPした。
Figure 0004683681
(研磨品評価項目)
CMPによる研磨速度:膜のCMP前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
エッチング速度:25℃、100rpmで攪拌した金属用研磨液への浸漬前後の銅層厚差を電気抵抗値から換算して求めた。
ディシング量:二酸化シリコン中に深さ0.5μmの溝を形成して、公知のスパッタ法によってバリア層として厚さ50nmの窒化タンタル膜を形成し、同様にスパッタ法により銅膜を形成して公知の熱処理によって埋め込んだシリコン基板を基板として用いて2段研磨を行い、触針式段差計で配線金属部幅100μm、絶縁膜部幅100μmが交互に並んだストライプ状パターン部の表面形状から、絶縁膜部に対する配線金属部の膜減り量を求めた。銅用の1段目研磨液としては、窒化タンタルに対する銅の研磨速度比が十分大きい銅及び銅合金用の研磨液を使用して研磨した。1段研磨後に、絶縁膜部上にバリア層が露出した状態で測定したディシング量が、50nmになるように基板サンプルを作製し、絶縁膜部でバリア層がなくなるまで上記金属用研磨液を用いて2段研磨した。
シニング量:上記ディシング量評価用基板に形成された配線金属部幅45μm、絶縁膜部幅5μmが交互に並んだ総幅2.5mmのストライプ状パターン部の表面形状を触針式段差計により測定し、ストライプ状パターン周辺の絶縁膜フィールド部に対するパターン中央付近の絶縁膜部の膜減り量を求めた。1段研磨後に、絶縁膜部上にバリア層が露出した状態で測定したシニング量が、20nmになるように基板サンプルを作製し、絶縁膜部でバリア層がなくなるまで上記金属用研磨液を用いて2段研磨した。
実施例1〜3、比較例1における、CMPによる研磨速度を表1に示した。また、ディシング量及びシニング量を表2に示した。
【0029】
【表1】
Figure 0004683681
【0030】
【表2】
Figure 0004683681
【0031】
実施例1〜3では、バリア層導体であるタンタル、窒化タンタル膜の研磨速度が大きく、二酸化シリコン膜の研磨速度が比較的小さいので、良好なディシング及びシニング特性が得られる。それに対し、比較例1では、バリア層膜(特のタンタル膜)の研磨速度が小さく、二酸化シリコン膜の研磨速度がかなり大きくなるためにディシング及びシニング特性が悪化した。
【0032】
【発明の効果】
本発明の金属用研磨液は、砥粒濃度を0.05〜3重量%にしたので、バリア層として用いられるタンタル、タンタル合金、窒化タンタル、その他のタンタル化合物の研磨を可能にし、かつ、銅または銅合金配線のディシング、シニング、研磨キズ発生を抑制し、信頼性の高い金属膜の埋め込みパタ−ン形成することができる。

Claims (14)

  1. 少なくともバリア層を研磨するために用いられる金属用研磨液であって、
    前記バリア層が、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金、その他のタンタル化合物から選択されるものであり、
    砥粒、導体の酸化剤、金属表面に対する保護膜形成剤、酸及び水を含有してなり、前記砥粒の濃度が0.05〜3.0重量%であり、金属用研磨液のpHが3以下であり、導体の酸化剤の濃度が0.01〜3.0重量%であることを特徴とする金属用研磨液。
  2. 砥粒が、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニアより選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の金属用研磨液。
  3. 砥粒が、コロイダルシリカまたはコロイダルアルミナである請求項1または請求項2に記載の金属用研磨液。
  4. 砥粒の平均粒径が50nm以下である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の金属用研磨液。
  5. 水溶性高分子をさらに含有する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の金属用研磨液。
  6. 水溶性高分子が、ポリアクリル酸またはその塩、ポリメタクリル酸またはその塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項5に記載の金属用研磨液。
  7. 導体の酸化剤の濃度が0.01〜1.5重量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の金属用研磨液。
  8. 酸が、有機酸である請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の金属用研磨液。
  9. 有機酸が、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸及びクエン酸から選ばれた少なくとも1種である請求項8に記載の金属用研磨液。
  10. 保護膜形成剤が、ベンゾトリアゾール(BTA)またはその誘導体から選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の金属用研磨液。
  11. 導体の酸化剤が、過酸化水素水、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及びオゾン水より選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の金属用研磨液。
  12. 導体が、銅、銅合金またはそれらの酸化物のバリア層である請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の金属用研磨液。
  13. 表面に被研磨面を有する基板を研磨する研磨方法であって、
    前記基板は、バリア層を有してなり、
    前記バリア層はタンタル、窒化タンタル、タンタル合金、その他のタンタル化合物から選択され、
    請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の金属用研磨液を前記被研磨膜と研磨パッドとの間に供給しながら、前記研磨パッドによって前記被研磨面の研磨を行う工程を備える研磨方法。
  14. 前記被研磨面は、銅または銅合金とそのバリア層を有する請求項13に記載の基板の研磨方法。
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