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JP4666705B2 - 消化管潰瘍予防剤または改善剤 - Google Patents

消化管潰瘍予防剤または改善剤 Download PDF

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JP4666705B2 JP34784199A JP34784199A JP4666705B2 JP 4666705 B2 JP4666705 B2 JP 4666705B2 JP 34784199 A JP34784199 A JP 34784199A JP 34784199 A JP34784199 A JP 34784199A JP 4666705 B2 JP4666705 B2 JP 4666705B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、甘蔗由来のエキスを有効成分とする消化管潰瘍予防剤または改善剤に関する。本発明はまた、該甘蔗由来のエキスの有効量を含む消化管潰瘍予防用または改善用の飲食品および健康食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
潰瘍は種々成因によって発生する。消化性潰瘍の場合、その成因は胃酸、ペプシン、胆汁、食物など消化管粘膜に障害的に作用する因子と粘膜血流、粘液分泌、重炭酸イオン分泌などの防御的に作用する因子のバランスの破綻により生じると考えられている。抗潰瘍剤は、その作用から分類して、攻撃因子抑制剤と防御因子増強剤に大別される。攻撃因子抑制剤としてシメチジン、ラニチジンなどのHブロッカー、さらにオメプラゾールなどのプロトンポンプインヒビターなどの酸分泌抑制剤が良く知られている。他方、防御因子増強剤として炭酸水素ナトリウム、塩酸セトラキサート、スクラルファートなどが良く知られている。
【0003】
従来の薬剤の治療は、副作用が発生したり、薬物により治癒した潰瘍が休薬後しばしば再発したりすることが知られており、有効性、安全性また製造コストの面でも多くの問題が残されている。そこで、日常の食生活のなかで消化管潰瘍を予防しまたは改善する作用を有する可食性組成物の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、長い間の食経験で安全性が保証されている植物由来の抽出画分からなる物質であって、該抽出液を可食組成物や食品に添加し、それらを日常の食生活のなかで摂取することにより、消化管潰瘍の予防や改善作用を示す物質を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液、または甘蔗由来の糖蜜のいずれかを、合成吸着剤を充填したカラムに通液後、該カラムから水、メタノール、エタノール、およびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出して得られる甘蔗由来のエキスが、消化管潰瘍の予防に有効であることを見出した。そして、この甘蔗由来のエキスを、日常的に摂取する食品に添加することにより、日常の食生活のなかで消化管潰瘍の予防が可能であり、また改善も期待できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、甘蔗由来のエキスを有効成分とする消化管潰瘍予防剤または改善剤である。
本発明は特に、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液および甘蔗由来の糖蜜より選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる甘蔗由来のエキスを有効成分とする消化管潰瘍予防剤または改善剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本明細書において、「有効量」とは、本発明の消化管潰瘍予防剤または改善剤、あるいは消化管潰瘍予防用または改善用飲食品または健康食品を製造する際に、その効果をもたらす甘蔗由来のエキスの量を意味する。
【0008】
本明細書において、「甘蔗汁」とは、甘蔗(サトウキビ)を圧搾して得られる圧搾汁、甘蔗を水で浸出して得られる浸出汁、または原糖製造工場における石灰処理した清浄汁、濃縮汁を包含する。
【0009】
本明細書において、「甘蔗の溶媒抽出液」とは、甘蔗を汎用の有機溶媒で抽出した抽出液を濃縮、乾固後、水に再溶解した抽出液を意味する。そのような抽出溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類が挙げられる。
【0010】
本明細書において、「甘蔗由来の糖蜜」とは、結晶化工程で得られた砂糖結晶と母液の混合物を遠心分離にかけ、砂糖結晶と分離して得られる振蜜を意味し、例えば原糖製造工場における1番蜜、2番蜜、原糖廃蜜、および精製糖製造工場における洗糖蜜、1〜7番蜜、精糖廃蜜等が挙げられる。また、これらの糖蜜を原料としてアルコール発酵を行った分離液のように、糖蜜を脱糖処理したものも同様に用いることができる。
【0011】
本発明は特に、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液および甘蔗由来の糖蜜より選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる甘蔗由来のエキスを有効成分とする消化管潰瘍予防剤または改善剤である。
【0012】
本発明で用いる甘蔗由来のエキスは、さらに好ましくは、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液および甘蔗由来の糖蜜より選ばれた原料を、固定担体としての合成吸着剤を充填されたカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することによって得られる。
【0013】
このような甘蔗由来のエキスは、より具体的にはたとえば次のように処理して得ることができる。
【0014】
甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液または甘蔗由来の糖蜜を、固定担体を用いたカラムに通液する。上記甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液または甘蔗由来の糖蜜は、そのまま、または水で任意の濃度に調整して、固定担体を充填したカラムに通液することができる。なお異物除去のために、カラムで処理する前に、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液または甘蔗由来の糖蜜をろ過することが望ましい。ろ過の手法は特に限定されず、食品工業で広く使用されているスクリーンろ過、ケイソウ土ろ過、精密ろ過、限外ろ過等の手段を好ましく使用できる。
【0015】
固定担体としては、合成吸着剤が好ましい。合成吸着剤としては、好ましくは有機系樹脂を用いることができ、例えば、芳香族系樹脂、アクリル酸系メタクリル樹脂、アクリロニトリル脂肪族系樹脂等が使用できる。さらに好ましくは芳香族系樹脂であり、特に無置換基型の芳香族系樹脂が使用できる。合成吸着剤として、例えばスチレン−ジビニルベンゼン系樹脂の芳香族系樹脂などが使用でき、芳香族系樹脂としては、例えば疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、無置換基型の芳香族系樹脂、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂等の多孔性樹脂が使用できる。より好ましくは無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂が使用できる。そのような合成吸着剤は市販されており、例えばダイヤイオン(商標)系としてHP−10、HP−20、HP−21、HP−30、HP−40、HP−50(以上、無置換基型の芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−825、SP−800、SP−850、SP−875、SP−70、SP−700(以上、無置換基型に特殊処理を施した芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);SP−900(芳香族系樹脂、商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)として、XAD−2、XAD−4、XAD−16、XAD−2000(以上、芳香族系樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)系として、SP−205、SP−206、SP−207(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);HP−2MG、EX−0021(以上、疎水性置換基を有する芳香族系樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);アンバーライト(商標)系として、XAD−7、XAD−8(以上、アクリル酸系エステル樹脂、いずれも商品名、株式会社オルガノ製);ダイヤイオン(商標)系として、HP1MG、HP2MG(以上、アクリル酸系メタクリル樹脂、いずれも商品名、三菱化学株式会社製);セファデックス(商標)系としてLH20、LH60(以上、架橋デキストランの誘導体、いずれも商品名、ファルマシア バイオテク株式会社製)などが挙げられる。中でも、SP−850が特に好ましい。
【0016】
固定化担体の量は、カラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類などによって変化する。原料(甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液および甘蔗由来の糖蜜から選ばれる)の固形分に対して、0.01〜5倍湿潤体積量が好ましい。
【0017】
原料(甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液および甘蔗由来の糖蜜から選ばれる)を上記カラムに通すことにより、原料中の消化管潰瘍の予防・改善効果を有する成分は、固定担体に吸着され、蔗糖、グルコース、フラクトースおよび無機塩類の大部分がそのまま流出する。
【0018】
固定担体に吸着された成分は、溶媒により溶出する。ここで、該効果を有する成分を効率よく溶出するには、その前に残留する蔗糖、グルコース、フラクトースおよび無機塩類を水洗により充分に洗い流すことが好ましい。これにより、吸着されている目的とする消化管潰瘍の予防・改善効果を有する画分をより効率よく回収することができる。溶出溶媒は、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる。溶出溶媒は水とアルコールの混合溶媒、特にエタノール−水混合溶媒が好ましく、更に、室温において効率よく目的とする消化管潰瘍の予防・改善効果を有する成分を溶出できるので、50/50〜60/40(体積/体積)エタノール−水混合溶媒が好ましい。更に、カラム温度を上げることにより、エタノール−水混合溶媒のエタノール混合比を減らすことができ、目的とする画分を溶出することができる。この場合、カラム内は常圧もしくは加圧された状態である。このように、消化管潰瘍の予防・改善効果を有する成分は、前記溶媒で溶出される画分に存在する。溶出速度はカラムの大きさ、溶媒の種類、固定担体の種類等によって変化するので特に限定されないが、SV=0.1〜10 hr−1が好ましい。なお、SV(Space Velocity、空間速度)は、1時間あたり樹脂容積の何倍量の液体を通液するかという単位である。
【0019】
前記消化管潰瘍の予防・改善効果を有する画分は、これに限定されるものではないが、好ましくは次のようにして得ることができる。すなわち、原料の固形分に対して0.01〜5倍湿潤体積量の無置換基型の芳香族系樹脂を充填したカラムに、カラム温度60〜97℃にて原料を通液した後、カラム内を水洗し、次いでカラムに吸着されている成分を、カラム温度20〜40℃にて50/50〜60/40(体積/体積)エタノール−水混合溶媒で溶出させ、エタノール−水混合溶媒での溶出開始時点から集めた溶出液の量が前記樹脂の4倍湿潤体積量以内に溶出する画分を回収する。
【0020】
上記のカラムクロマトグラフィー処理により得られた画分を更に、慣用の手段(減圧下での溶媒除去、凍結乾燥など)により濃縮して、甘蔗由来のエキスとすることができる。このようにして得られたエキスは、固形分60%以上に濃縮した液状または粉末状で保存することができる。保存は、特に液状の場合、冷蔵保存が好ましい。
【0021】
このようにして得られた甘蔗由来のエキスは、本明細書の試験例1〜3に示すように、消化性潰瘍モデルに対して、優れた予防効果を発揮する。
【0022】
甘蔗由来のエキスの有効量は、甘蔗由来のエキスの精製度、形態、健康状態等によって異なるので特に限定されないが、例えば後述の製造例1で得た甘蔗由来のエキス粉末の場合には、1日に1〜1000mg、好ましくは1日に50〜1000mgである。
【0023】
本発明に係る甘蔗由来のエキスを投与する場合の形状は特に限定されず、そのまま投与してもよく、また通常用いられる製剤用担体によって、公知の方法により固形剤とすることも液剤とすることもでき、また、製剤化の有無によらず食品に混合することもできる。
【0024】
経口用固形製剤を調製する場合には、主薬に賦形剤、結合剤、粘結剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、抗酸化剤、溶解補助剤などを加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、穎粒剤、散剤、カプセル剤などとする。
【0025】
上記の賦形剤、結合剤、粘結剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、抗酸化剤、溶解補助剤などは、医薬品や食品に添加することが許可されているものであればよい。
【0026】
本発明はまた、前記甘蔗由来のエキスの有効量を含む消化管潰瘍予防用または改善用の飲食品および健康食品を提供する。それらは、固体でも液体でもよく、たとえば菓子類、清涼飲料、調味料等が挙げられる。健康食品には、機能性食品や特定保健用食品も含まれる。健康食品として使用する場合は、甘蔗由来のエキスをそのまま使用したり、他の食品または他の食品成分と併用することもできる。健康食品は、固体状(粉末、顆粒状など)、ゼリー状、液体、懸濁状のいずれでもよく、甘味料、酸味料、ビタミン剤、ドリンク剤製造に用いられる他の各種成分などを更に含む健康ドリンクの形態が好適である。
【0027】
【実施例】
以下、製造例および試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
[製造例] 甘蔗窄汁からの抽出エキスの作製
原糖製造工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁(固形分18.5%)約1000リットルをジュースヒーターで80℃に加温し、管型限外ろ過(MH−25型、有効膜面積2m×3本、分画分子量10万、ダイセル化学工業株式会
社製)でろ過処理して、約750リットルの処理液を得た。
【0029】
合成吸着剤SP−850(商品名、三菱化学株式会社)15リットルを、ウォータージャケット付きのカラム(カラムサイズ:内径17.0cm、高さ100cm)に充填し、これに前記の圧搾汁ろ過処理液を、流速75リットル/時間(SV=5 hr−1)の速度で通液した。なお、圧搾汁ろ過処理液通液中は、ウォータージャケットには、65℃の水を常に循環させた。次に、45リットルのイオン交換水を、流速30リットル/時間(SV=2 hr−1)でカラムに通液して洗浄した。イオン交換水で洗浄後、カラムから溶出した画分について糖類の検出を行ったところ、ハンドレフブリックス(Bx)計(アタゴ(株)製、N−1E型)において、Bxが約0になっているのを確認した。その後、溶出溶媒として30リットルの55%エタノール水溶液(エタノール/水=55/45(体積/体積))を流速30リットル/時間(SV=2 hr−1)にてカラムに通液して、合成吸着剤に吸着した成分を溶出させた。その後イオン交換水を30リットル/時間(SV=2 hr−1)で通液した。なお、溶出溶媒およびその後のイオン交換水通過中は、ウォータージャケットには、25℃の水を常に循環させた。55%エタノール水溶液でカラムから溶出した溶出液およびその後のイオン交換水を20分間流して得られた溶出液を混合し、濃縮機にて約20倍程度に減圧濃縮した後、1晩凍結乾燥して、茶色の粉末(甘蔗由来のエキス)435gを得た。
【0030】
[試験例1] アルコール性潰瘍予防効果
SD系雄性ラット6週齢(体重190〜210 g)を用いた。製造例1で得られた抽出エキスの乾燥粉末(被験物質)投与群(100mg/10ml/kg、500mg/10ml/kg、1000mg/10ml/kg、)、陽性対照群としてスクラルファート投与群(500mg/10ml/kg)、および陰性対照群として蒸留水投与群(10ml/kg)の5群(1群6匹)を設定した(図1)。
【0031】
24時間絶食後、蒸留水に溶解または懸濁した被験物質、スクラルファート、あるいは蒸留水を経口投与した。30分後、99.5%エタノールを5ml/kg経口投与した。エタノール投与60分後にエーテル麻酔下で解剖し胃を摘出した。摘出した胃は2%ホルマリン液中で固定した。その後大湾に沿って切開し、腺胃部に発生した損傷の長さを計測し全損傷値の合計値を総潰瘍値とした。結果を図1に示す。
【0032】
図から、投与量が500mg/kgの場合(P<0.01)と1000mg/kgの場合(P<0.001)において有意な潰瘍抑制作用が認められた。1000mg/kg投与した群にはどの個体にも胃損傷の発生は見られなかった。すなわち、該抽出エキス粉末は、極めて優れた潰瘍予防効果があることが明らかである。
【0033】
[試験例2] アンモニア性潰瘍予防効果
SD系雄性ラット6週齢(体重190〜210 g)を用いて、試験例1と同様の手順でアンモニア性潰瘍に対する該抽出エキス粉末の潰瘍予防効果を調べた。
アルコールの代わりに1%アンモニア溶液を5ml/kg投与した。結果を図2に示す。
【0034】
図から、投与量が500mg/kgの場合(P<0.001)と1000mg/kgの場合(P<0.001)において有意な抑制作用が認められ、この潰瘍モデルにおいても極めて優れた効果があることが明らかとなった。
【0035】
[試験例3] 塩酸潰瘍予防効果
SD系雄性ラット6週齢(体重190〜210 g)を用いて、試験例1と同様の手順で塩酸潰瘍に対する該抽出エキス粉末の潰瘍予防効果を調べた。アルコールの代わりに0.6M塩酸を5ml/kg投与した。結果を図3に示す。
【0036】
図から、投与量が250mg/kgの場合(P<0.01)、 500mg/kgの場合(P<0.01)および1000mg/kgの場合(P<0.001)において有意な抑制作用が認められた。特に、1000mg/kg投与した場合に、優れた効果があることが明らかとなった。
【0037】
[試験例4] 毒性試験
以下の方法により、製造例で得た本発明の甘蔗由来のエキスのラットにおける単回投与毒性試験を行った。
1.被験物質
エキス粉末を水に溶解させて、懸濁限界と考えられる1500 mg/mlに調整したものを使用した。
2.供試動物
日本チャールス・リバーよりSD−IGS系ラット(雄)を6週齢(体重200〜230g)で購入し、1週間予備飼育後、一般状態の正常な動物を使用した。6匹のラットを1ケージに収容し、24時間絶食後に使用した。また、水は自由摂取とした。
3.投与方法および投与量
投与経路は、金属ゾンデを用い強制経口投与とした。投与量は、20000 mg/13.3 ml/kgとした。被験物質投与後は、CRF−1固形飼料(オリエンタル酵母社製)を与えて飼育した。
4.検査項目
1)一般状態
被験物質投与後5時間まで連続的に観察し、以後1週間観察した。
2)体重
2日おきに1回、7日間測定した。
3)病理解剖学的検査
一般状態の観察終了後、全動物を解剖し、諸臓器の肉眼的観察を行った。
5.結果
被験物質の20000 mg/kg投与後において死亡例は見られなかった。被験物質投与後の一般状態は、特に異常が認められなかった。また体重は順調に増加し、この期間においての体重増加抑制はなかった。病理解剖学的検査においても、諸臓器の肉眼的観察では異常がなかった。以上の結果から、本発明のエキスは、経口投与による20000 mg/kgの単回投与において毒性がないことが判明した。
【0038】
【発明の効果】
本発明のエキスは、日常的に摂取する食品に添加することにより、日常の食生活のなかで、消化管潰瘍の予防が可能であり、また改善も期待できる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1で行ったアルコール性潰瘍予防効果に関する試験の結果を示す図である。**:P<0.01、***:P<0.001である。
【図2】試験例2で行ったアンモニア性潰瘍予防効果に関する試験の結果を示す図である。***:P<0.001である。
【図3】試験例3で行った塩酸潰瘍予防効果に関する試験の結果を示す図である。
**:P<0.01、***:P<0.001である。

Claims (2)

  1. 甘蔗由来のエキスを有効成分とする消化管潰瘍予防剤または改善剤であって、前記甘蔗由来のエキスが、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液および甘蔗由来の糖蜜より選ばれる原料を、固定担体を用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより得られる画分である前記消化管潰瘍予防剤または改善剤
  2. 甘蔗由来のエキスが、甘蔗汁、甘蔗の溶媒抽出液および甘蔗由来の糖蜜より選ばれる原料を、固定担体としての合成吸着剤を充填したカラムに通液し、該合成吸着剤に吸着された成分を、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物から選ばれる溶媒で溶出することにより得られる画分である請求項記載の消化管潰瘍予防剤または改善剤。
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