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JP4658381B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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JP4658381B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、空気調和装置や冷凍装置等に備わるスクロール圧縮機に関し、特に、スクロール部材の形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6には、従来よく用いられているスクロール圧縮機の断面図が示されている。このスクロール圧縮機には、ハウジング6と、ハウジング6内に固定された固定スクロール部材1と、ハウジング6内に公転自在に支承された旋回スクロール部材2が設けられている。旋回スクロール部材2の公転旋回運動を支持するフロントケース5が、ハウジング6の開口端側に固定されており、この内部には、旋回スクロール部材2を回転駆動するシャフト7が備えられている。このシャフト7には、その軸線X1に対して偏心した軸線X2を有するクランクピン7aが備えられており、このクランクピン7aが、旋回スクロール部材2の中心位置に形成されたボス2cに接続されている。
【0003】
固定スクロール部材1は、固定端板1a(端板)と渦巻状壁体1bとから構成され、また、旋回スクロール部材2は、旋回端板2a(端板)と渦巻状壁体2bとから構成されている。そして、これらの各スクロール部材1,2の両渦巻状壁体1b,2bどうしを180度位相をずらして組み合わせて配置し、固定スクロール部材1に対して旋回スクロール部材2をシャフト7を介して公転旋回運動させることになる。これにより、各渦巻状壁体1b,2b間には圧縮室が形成され、ここにおいて公転旋回運動により容積を漸次減少させ、この圧縮室内の流体の圧縮が行われる。圧縮された高圧流体は、最終的には固定側端板1aの中心部に設置される吐出ポート1cから吐出されることとなる。
【0004】
このようなスクロール圧縮機においては、両スクロール部材1,2によって最外方に形成された三日月状の密閉空間である圧縮室の容積が、取り込まれる流体の容積となり、漸次圧縮される。このため圧縮される流体の取り込み量、すなわち、圧縮容積を大きくするためには、渦巻の巻き数を多くするか、渦巻状壁体1b,2bの高さを大きくしなければならない。しかしながら、渦巻状壁体1b,2bの高さを大きくすると、流体の圧縮反力に対する渦巻状壁体1b,2bの剛性低下が招かれる問題があった。
【0005】
上記問題を解決すべく、以下に示す技術が特許第1296413号公報に開示されている。すなわち、図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、同提案で採用されている固定スクロール部材1及び旋回スクロール部材2の斜視図である。
固定スクロール部材1においては、固定端板1aと、この固定端板1aの一側面に立設された渦巻状壁体1bとを備えた構成となっている。この固定端板1aは、渦巻状壁体1bによって形成される底部が中心側において高くなる浅底部1d(高部位)と、外周端側で低くなる深底部1e(低部位)とが、組み合わされる旋回スクロール部材2の渦巻状壁体2bの高さに合わせて形成されている。
また、旋回スクロール部材2においては、旋回端板2aと、この旋回端板2aの一側面に立設された渦巻状壁体2bとを備えた構成となっている。この旋回端板2aは、渦巻状壁体2bによって形成される底部が中心側において高くなる浅底部2d(高部位)と、外周端側で低くなる深底部2e(低部位)とが、組み合わされる固定スクロール部材1の渦巻状壁体1bの高さに合わせて形成されている。
【0006】
固定スクロール部材1及び旋回スクロール部材2の各端板1a,2aの一側面には、中心部が高く外周端側が低い底部側段付き部3,3(段付き部)が形成されている。さらに、これら各端板1a,2aの底部側段付き部3,3に対応して、両スクロール部材1,2が備える渦巻状壁体1b,2bの渦巻状の上縁には、中心部側が低く外周端側が高い壁体側段付き部4,4(段付き部)が形成されている。
よって、固定スクロール部材1の底部側段付き部3には、旋回スクロール部材2の壁体側段付き部4が組み合わされることとなり、一方、旋回スクロール部材2の底部側段付き部3には、固定スクロール部材1の壁体側段付き部4が組み合わされることとなる。旋回スクロール部材2が公転旋回運動すると、各渦巻状壁体1b,2bに設けられた各壁体側段付き部4,4が、各端板1a,2aに形成された底部側段付き部3,3の円弧形状に合わせて摺動しながら移動することになる。
【0007】
このように形成された各スクロール部材1,2では、外周部側の圧縮室の高さが高くなっているので、スクロール圧縮機の外径を増加させることなく、流体の取り込み量を大きくすることが可能となっている。また、中心部側の圧縮室の高さが低く形成されるため、圧縮室の容積を小さくすることができるのと同時に、壁体剛性が向上するという利点をもたらしている。
【0008】
このように構成されたスクロール圧縮機において、この圧縮動作時の旋回スクロール部材2には、各種の作用力が働くので、これについて図8を用いて説明する。なお、同図においては、シャフト7(図6に図示)及びクランクピン7a(図6に図示)の図示を省略している。
同図に示されるように、この旋回スクロール部材2には、流体である圧縮ガスの圧力によるスラスト方向ガス力Fth及び横方向ガス力Fgと、前記シャフト7のクランクピン7aによるスクロール駆動力Fdとが作用している。
すなわち、スラスト方向ガス力Fthは、圧縮室内のガス圧によって旋回スクロール部材2を固定スクロール部材1より前記軸線X1(図6に図示)方向に引き離そうとするする力である。また、横方向ガス力Fgは、圧縮室内の流体圧によって各渦巻状壁体1b,2b間を前記軸線X1に垂直な横方向に引き離そうとする力である。また、スクロール駆動力Fdは、シャフト7が回転する際にその軸線X1の周囲を回転するクランクピン7aがボス2cに対して加える回転駆動力である。そして、スラスト力Fthは、旋回スクロール部材2が摺接するフロントケース5の一内側端面にて支持されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記図8に示すようなスクロール圧縮機においては、旋回スクロール部材2のスムーズな公転旋回運動を得るために、旋回スクロール部材2の渦巻状壁体2bの先端と、固定スクロール部材1の固定端板1aとの間に所定の隙間δ(以下、これを「チップクリアランス」という)が設定されている。
このチップクリアランスδによって、旋回スクロール部材2のスムーズな公転旋回運動を確保しつつ、さらに高圧な流体が生成される過程における熱による各スクロール部材1,2の熱膨張に対応するためでもある。しかしこの関係上、以下に説明する問題を有していた。
【0010】
すなわち、上述のように、旋回スクロール部材2に対して作用する各種作用力のうち、図8に示されるように、スクロール駆動力Fdと横方向ガス力Fgとは互いに略逆方向に作用するため、旋回スクロール部材2に対してこれを転倒(旋回スクロール部材2の微少な傾き)させようとするモーメントMが生じる。上述のチップクリアランスδが存在する関係上、このチップクリアランスδ分だけ実際に転倒が生じることになる。この場合、旋回スクロール部材2の上縁が固定スクロール部材1の固定端板1aに対して押しつけ力Fの力を及ぼすこととなる。
図9は、この状態を渦巻状壁体2bの壁体側段付き部4側面から見て拡大した側断面図である。公転旋回運動中において転倒した旋回スクロール部材2は、渦巻状壁体2bに形成された壁体側段付き部4の凸側先端の角Aにて、固定スクロール部材1の固定端板1aの表面である深底部1eに点接触している。このため回転駆動力の動力損失並びに、これら深底部1e及び旋回スクロール部材2の渦巻状壁体2bの摩耗を招くという問題を生じることとなる。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、旋回スクロール部材の転倒による動力損失の低減、並びに部品の摩耗を低減できる信頼性の高いスクロール圧縮機を提供すること目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用することとした。
請求項1記載の発明は、端板の一側面に立設された渦巻状壁体を有し、定位置に固定された固定スクロール部材と、他の端板の一側面に立設された他の渦巻状壁体を有し、前記各渦巻状壁体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロール部材とを備え、前記各渦巻状壁体の上縁には、その高さが渦巻方向の中心側で低く、且つ外周端側で高くなる段付き部が形成されているスクロール圧縮機において、少なくともどちらかの前記段付き部の凸側先端は、前記壁体が延在する方向に向かって傾斜するよう前記上縁の外挿線に対して低く形成され、前記公転旋回運動中における前記旋回スクロール部材の転倒時に前記端板に接触し摺動する摺動面を有することを特徴としている。
【0013】
このような構成としたことで、公転旋回運動時の旋回スクロール部材がチップクリアランスの存在により転倒を生じた場合においても、渦巻状壁体の段付き部の凸側先端が、これに相対する端板表面に点接触、あるいは食い込むことはなくなる。
また、固定スクロール部材の段付き部においても同様に形成することにより、固定スクロール部材の渦巻状壁体の段付き部の凸側先端が、これに相対する旋回スクロール部材の端板表面に点接触、あるいは食い込むことがなくなる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスクロール圧縮機であって、
少なくともどちらかの前記段付き部の凸側先端には、面取り若しくは丸み形状が形成されていることを特徴としている。
【0015】
このような構成としたことで、公転旋回運動時の旋回スクロール部材がチップクリアランスの存在により転倒を生じた場合においても、この段付き部の凸側先端が、相対する端板表面に摺動傷を付けること、あるいは食い込むことはなくなる。この加工面は、容易に加工することができる45度で角が除去された形状、あるいは丸められた形状とされる。また、固定スクロール部材の段付き部に形成した場合においても、同様な形状が形成され、同様な働きをすることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を用いて説明する。
[第1の実施形態]
本実施の形態におけるスクロール圧縮機は、従来の固定スクロール部材1及び旋回スクロール部材2の一部を変形して形成されるものであり、その他の全体構成は従来の技術と同様であるため、同一符号を付けてその説明を省略し、本発明の特徴点を主として説明するものとする。
【0017】
図1に示される各スクロール部材1,2は、本発明における第1の実施の形態が示された各スクロール部材1,2の斜視図である。図1(a)は固定スクロール部材1を、図1(b)は旋回スクロール部材2を示している。以下に示される第1〜第4の実施の形態は、旋回スクロール部材2の旋回端板2a(端板)の一側面に立設された渦巻状壁体2bの壁体側段付き部4(段付き部)において、この壁体側段付き部の凸部先端が、この上縁の外挿線に対して低く形成された面取り部(面取りあるいは丸み形状)について説明するものである。後述するこれらの面取り部は、すべて上縁の外挿線に対して凸部先端が低く形成された部分である。
【0018】
図1に示される固定スクロール部材1には、渦巻状壁体1bによって形成された底部が、中心側で高い浅底部1d(高部位)と外周端側にて低い深底部1e(低部位)とが形成されている。この両底部1d,1eの境である底部側段付き部3(段付き部)は、円弧形状に形成されており、旋回スクロール部材2の渦巻状壁体2bに形成された壁体側段付き部4(段付き部)が摺動可能に組み合わされるようになっている。
また、旋回スクロール部材2も同様に、渦巻状壁体2bによって形成された底部が、中心側で高い浅底部2d(高部位)と外周端側にて低い深底部2e(低部位)とが形成されている。この両底部2d,2eの境である底部側段付き部3(段付き部)は、円弧状に形成されており、固定スクロール部材1の渦巻状壁体1bに形成された壁体側段付き部4(段付き部)が摺動可能に組み合わされるようになっている。これら各スクロール部材1,2が180度位相をずらして組み合わされ、旋回スクロール部材2の公転回転運動によって流体が圧縮され、固定スクロール部材1の中心部付近にある吐出ポート1cから吐出されることとなる。
また、図1の各スクロール部材1,2の各段付き部4,4には、凸側先端が上縁の外挿線に対して低く形成された面取り部1f,2f(面取り形状)が形成されている。
【0019】
面取り部2fについて図2を用いて説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態を説明するものであり、図1(b)の矢視Eから見た側断面図を示している。
旋回スクロール部材2の壁体側段付き部4の凸側先端には、渦巻状壁体2bの上縁の外挿線から面取り高さαで、且つ面取り長さLにて凸側の角が除去された、図1(b)に示されるような面取り部2f(面取り形状)が形成される。この面取り部2fは、旋回スクロール部材2が成型される過程にて、切削加工されることとなる。
面取り部2fの寸法である、面取り高さα及び面取り長さLは、特に限定されるものではなく、各スクロール部材1,2の形状または仕様に合わせて決定されるものである。なお、旋回スクロール部材2の転倒角が求まっている場合、この面取り部2fの形状をなす面取り高さα及び面取り長さLの寸法は、その転倒角に合わせて面取り部2fの上縁外挿線との角度をなすように寸法を決定することが好適である。
【0020】
よって、上述したような旋回スクロール部材2の公転回転運動時における転倒が生じた場合、壁体側段付き部4の凸側先端の面取り部2fが、これと相対する固定スクロール部材1の固定端板1aの深底部1eに接触し、摺動することとなる。
このことにより、この壁体側段付き部4が固定スクロール部材1の深底部1eに食い込むこと及び摺動傷を付けることがなくなり、スクロール圧縮機の運転に信頼性を向上させることが可能となる。特に、旋回スクロール部材2の転倒角に合わせて面取り部2fが形成された場合、面接触にて摺動することとなるので、摺動傷を確実に減少させ、摩耗を格段に減少させる効果をもたらすこととなる。
【0021】
[第2の実施形態]
次に、本発明に係るスクロール圧縮機の第2の実施の形態を図3を用いて説明する。なお、上記第1の実施の形態において既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態は、図1(b)の矢視Eにおける面取り部2fの加工形状が変更されたものである。旋回スクロール部材2の壁体側段付き部4の凸側先端には、この角が面取りCによって除去された面取り部2g(面取り形状)が形成される。この面取り部2gは、旋回スクロール部材2が成型される過程にて、切削加工されることとなる。面取りCは、除去される部分の面取り高さと面取り幅が同寸法となるように形成するものである。よって、面取り部2gの接線と上縁の外挿線とのなす角は45度となる。なお、この面取りCの寸法は、各スクロール部材1,2の形状または仕様に合わせて決定されるものである。
【0022】
よって、上述したような旋回スクロール部材2の公転回転運動時における転倒が生じた場合、壁体側段付き部4に形成された面取り部2gが、これと相対する固定スクロール部材1の固定端板1aの深底部1eに接触し摺動する。
このことにより、この壁体側段付き部4が、固定スクロール部材1の深底部1eに食い込むこと及び摺動傷を付けることがなくなり、スクロール圧縮機の運転に信頼性を向上させることが可能となる。特に、このような面取りCの形状は、成型する際において容易であり、コストを抑えることが可能となる。
【0023】
[第3の実施形態]
次に、本発明に係るスクロール圧縮機の第3の実施の形態を図4を用いて説明する。なお、上記の実施の形態において既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態は、図1(b)の矢視Eにおける面取り部2fの加工形状が変更されたものである。旋回スクロール部材2の壁体側段付き部4の凸側先端には、角が丸みRによって除去された面取り部2h(丸み形状)が形成される。この面取り部2hは、旋回スクロール部材2が成型される過程にて、切削加工されることとなる。
なお、この面取り部2hの丸みRの寸法は、各スクロール部材1,2の形状または仕様に合わせて決定されるものである。
【0024】
よって、上述したような旋回スクロール部材2の公転回転運動時における転倒が生じた場合、壁体側段付き部4に形成された面取り部2hが、これと相対する固定スクロール部材1の固定端板1aの深底部1eに接触し摺動する。
このことにより、この段付き部4が、固定スクロール部材1の深底部1eに食い込むこと及び摺動傷を付けることがなくなり、スクロール圧縮機の運転に信頼性を向上させることが可能となる。特に、転倒した場合の接触開始時において、丸み形状とされた面取り部2hは接触面をスムーズに誘導することとなり、摺動傷を大幅に減らすことが可能となる。また、面取り部2hの加工も容易であるため、製作コストを抑えることができる。
【0025】
[第4の実施形態]
次に、本発明に係るスクロール圧縮機の第4の実施の形態を図5を用いて説明する。なお、上記の実施の形態において既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施の形態は、図1(b)の矢視Eにおける面取り部2fの加工形状が変更されたものである。旋回スクロール部材2の壁体側段付き部4の凸側先端には、渦巻状壁体2bの上縁の外挿線から面取り高さα、面取り長さLにて凸側先端が除去され、さらに丸みrがさらに追加して設けられた面取り部2i(面取り形状)が形成される。この面取り部2iは、旋回スクロール部材2が成型される過程にて、切削加工されることとなる。なお、面取り部の寸法である面取り高さα、面取り長さL、角の丸め半径rは、各スクロール部材1,2の形状または仕様に合わせて決定されるものである。旋回スクロール部材2の転倒角が導かれている場合には、その角度に応じて面取り高さαと面取り長さLを決定することが好適である。
【0026】
よって、上述したような旋回スクロール部材2の公転回転運動時における転倒が生じた場合、壁体側段付き部4に形成された面取り部2iが、これと相対する固定スクロール部材1の固定端板1aの深底部1eに接触し摺動する。
このことにより、この壁体側段付き部4が、固定スクロール部材1の深底部1eに食い込むこと及び摺動傷を付けることがなくなり、スクロール圧縮機の運転に信頼性を向上させることが可能となる。特にこのような形状により、第1の実施の形態における効果に加え、接触時に摺動面に誘導する働きをもたらし、スクロール圧縮機の動力損失をさらに軽減することが可能となる。
【0027】
なお、上記各実施の形態においては、旋回スクロール部材2の渦巻状壁体2bの段付き部4において面取り部2f,2g,2h,2iを採用して説明した。しかし、固定スクロール部材1の渦巻状壁体1bの段付き部4においても図1に示されるような面取り部1f、及びそれに類する形状を形成することはもちろん可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1記載のスクロール圧縮機によれば、少なくともどちらかの各スクロール部材の段付き部の凸側先端は、渦巻状壁体上縁の外挿線に対して低く形成されている。よって、スクロール圧縮機の運転において各スクロール部材どうしが噛み込むことがなくなり、摩耗を防止することができる。これによって、スクロール圧縮機の動力損失を低減し、高効率で信頼性のあるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
【0029】
請求項2記載のスクロール圧縮機によれば、少なくともどちらかの各スクロール部材の段付き部の凸側先端には、面取り若しくは丸み形状が形成されている。よって、これら形状を容易に加工することができことにより製作コストを抑えることができる。また、スクロール圧縮機の運転における各スクロール部材どうしの噛み込みを防止し、高効率で信頼性のあるスクロール圧縮機を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクロール圧縮機を構成要素である各スクロール部材の一実施の形態を示す斜視図であって、図1(a)は固定スクロール部材を示し、図1(b)は旋回スクロール部材を示している。
【図2】 本発明における第1の実施の形態を説明する図であって、図1の矢視Eにおけるスクロール圧縮機の旋回スクロール部材の段付き部を示す側断面図である。
【図3】 本発明における第2の実施の形態を説明する図であって、旋回スクロール部材の段付き部を示す側断面図である。
【図4】 本発明における第3の実施の形態を説明する図であって、旋回スクロール部材の段付き部を示す側断面図である。
【図5】 本発明における第4の実施の形態を説明する図であって、旋回スクロール部材の段付き部を示す側断面図である。
【図6】 従来のスクロール圧縮機における全体構成を示す断面図である。
【図7】 従来のスクロール圧縮機の構成要素である各スクロール部材を示す斜視図であって、図7(a)は固定スクロール部材を示し、図7(b)は旋回スクロール部材を示している。
【図8】 従来のスクロール圧縮機の構成要素である固定スクロール部材と旋回スクロール部材との噛み合わせ状態を、シャフトの軸線を含む断面で見た場合のスクロール圧縮機の断面図である。
【図9】 従来のスクロール圧縮機における旋回スクロール部材の段付き部を示す図であって、この段付き部が固定スクロール部材と噛み合わされた状態を示す側断面である。
【符号の説明】
1 固定スクロール部材
1a 固定端板(端板)
1b 渦巻状壁体
1d 浅底部
1e 深底部
1f 面取り部
2 旋回スクロール部材
2a 旋回端板(端板)
2b 渦巻状壁体
2d 浅底部
2e 深底部
2f,2g,2h,2i 面取り部(面取り形状または丸み形状)
3 底部側段付き部(段付き部)
4 壁体側段付き部(段付き部)
α 面取り高さ
L 面取り長さ
C 面取り
R 丸み
M モーメント
F 押しつけ力
Fth スラスト方向ガス力
Fg 横方向ガス力
Fd スクロール駆動力
δ チップクリアランス

Claims (2)

  1. 端板の一側面に立設された渦巻状壁体を有し、定位置に固定された固定スクロール部材と、他の端板の一側面に立設された他の渦巻状壁体を有し、前記各渦巻状壁体どうしをかみ合わせて自転を阻止されつつ公転旋回運動可能に支持された旋回スクロール部材とを備え、
    前記各渦巻状壁体の上縁には、その高さが渦巻方向の中心側で低く、且つ外周端側で高くなる段付き部が形成されているスクロール圧縮機において、
    少なくともどちらかの前記段付き部の凸側先端は、前記壁体が延在する方向に向かって傾斜するよう前記上縁の外挿線に対して低く形成され、前記公転旋回運動中における前記旋回スクロール部材の転倒時に前記端板に接触し摺動する摺動面を有することを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1記載のスクロール圧縮機において、
    少なくともどちらかの前記段付き部の凸側先端には、面取り若しくは丸み形状が形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
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