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JP4517673B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)、表示装置及び照明装置に関し、詳しくは発光輝度、発光効率を有するとともに、特に優れた耐久性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子、及びそれを有する表示装置もしくは照明装置に関する。
従来、発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下ELDともいう)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。無機エレクトロルミネッセンス素子は、平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。
一方、有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光する化合物を含有してなる発光層を陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際に放出される光(蛍光、リン光)を利用して発光する素子である。そして、発光が数V〜数十V程度の電圧で可能なことや、自己発光型であるため視野角に富み視認性が高いこと、さらには、薄膜型の完全固体素子であるので省スペースや携帯性に優れる等のメリットを有しているので現在注目されている。
今後の実用化に向けた有機エレクトロルミネッセンス素子の開発としては、さらなる低消費電力で高輝度に発光する有機エレクトロルミネッセンス素子が望まれている。具体的には、スチルベン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体又はトリススチリルアリーレン誘導体に微量の蛍光体をドープして、発光輝度の向上と素子の長寿命化を達成する技術や(例えば、特許文献1参照。)、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これに微量の蛍光体をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特許文献2参照。)、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これにキナクリドン系色素をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特許文献3参照。)等が知られている。
これらの文献に開示されている技術は、励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であることと光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率(ηext)の限界が5%とされている。
ところが、プリンストン大学による励起三重項からのリン光発光を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の報告(例えば、非特許文献1参照。)以来、室温でリン光を示す材料の研究が活発に行われている(例えば、非特許文献2及び特許文献4参照。)。
励起三重項を使用すると、内部量子効率の上限が100%となるため、励起一重項の場合に比べて原理的に発光効率が4倍となり冷陰極管とほぼ同等の性能が得られ、照明用にも応用可能になるので注目されている。
例えば、多くの化合物がイリジウム錯体系など重金属錯体を中心に合成検討されている(例えば、非特許文献3参照。)。
また、ドーパントとしてトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)を用いた検討がされている(例えば、非特許文献2参照。)。
その他、ドーパントとしてL2Ir(acac)(ここで、Lは2座の配位子を、acacはアセチルアセトンを表す。)、例えば、(ppy)2Ir(acac)(例えば、非特許文献4参照。)を、又、ドーパントとして、トリス(2−(p−トリル)ピリジン)イリジウム(Ir(ptpy)3),トリス(ベンゾ[h]キノリン)イリジウム(Ir(bzq)3),Ir(bzq)2ClP(Bu)3等を用いた検討(例えば、非特許文献5参照。)がなされている。
また、高い発光効率を得るために、リン光性化合物のホストとしてホール輸送性の化合物が用いられている(例えば、非特許文献6参照。)。
また、各種電子輸送性材料をリン光性化合物のホストとして用いる技術として、新規なイリジウム錯体をドープして用いる方法が挙げられる(例えば、非特許文献4参照)。さらに、ホールブロック層の導入により高い発光効率が得られることが知られている(例えば、非特許文献5参照)。
しかし、緑色発光については理論限界である20%近くの外部取り出し効率を達成しているものの、その他の発色光についてはまだ十分な外部取り出し効率が得られず改良が迫られている。
この様に、今後の実用化に向けた有機エレクトロルミネッセンス素子では、更なる低消費電力で高輝度に発光可能な有機エレクトロルミネッセンス素子の開発が望まれている。
また、ディスプレイ用途や照明用途に実用可能な十分な発光寿命を有する素子耐久性が強く待望されている。この点に関しては、これまでに様々な方向から検討が行われており、例えば特許文献5、6、7には素子の封止という面からのアプローチが、特許文献8には適切なエネルギー準位を有するドーパントの添加によって耐久性を改良するアプローチが、特許文献9には素子を構成する基板材料と素子及び封止剤で形成される気密空間内に吸湿剤を封入するという方法が、それぞれ開示されている。また、素子を構成する電荷輸送性材料や発光層に用いられる材料自体の耐久性をより向上させる検討が重ねられており、これらは特許文献10〜13等に多く開示されている。
さらに、これらの有機材料が構成する素子中の有機化合物層が含有する不純物が与える有機エレクトロルミネッセンス素子の耐久性への影響が検討されている。例えば、特許文献14には、素子を構成する有機化合物層に含有される不純物の量について、特許文献15には有機エレクトロルミネッセンス材料を合成する際のクロスカップリング反応に由来する不純物の量について、特許文献16にはハロゲン原子を含む不純物について、それらを含有することが素子の耐久性に影響を及ぼしていることが示されている。
これらの種々のアプローチは、相互に相殺しない限りにおいて併用し得るものである。したがってさらに有機エレクトロルミネッセンス素子の耐久性を高めるための技術的アプローチは引き続き求められ続けるものであり、耐久性を改良するための新規な技術はなお待望されるものである。
特許第3093796号公報 特開昭63−264692号公報 特開平3−255190号公報 米国特許第6097147号明細書 特開2002−313559号公報 特開平08−236271号公報 特開2002−367771号公報 特開平07−065958号公報 特開2002−198170号公報 特開2002−363227号公報 特開2002−352961号公報 特開2002−356462号公報 特開2002−363550号公報 特開2002−373785号公報 特開2002−373786号公報 国際公開第00/41443号パンフレット M.A.Baldo et al.,nature、395巻、151−154頁(1998年) M.A.Baldo et al.,nature、403巻、17号、750−753頁(2000年) S.Lamansky et al.,J.Am.Chem.Soc.,123巻、4304頁(2001年) M.E.Tompson et al.,The 10th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL’00、浜松) Moon−Jae Youn.0g,Tetsuo Tsutsuiet al.,The 10th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL’00、浜松) Ikai et al.,The 10th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL’00、浜松)
本発明の目的は、以上の様な事情に鑑みてなされたものであり、高い発光輝度と優れた量子効率とを有するとともに、同時に、特に優れた耐久性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子、及びそれを具備してなる表示装置、照明装置を提供するである。
本発明の上記目的は下記の構成1〜により達成される。
1.基板上に少なくとも1層の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、2,2’−ジハロゲノ−ビフェニルとアミンとの縮合複素環形成反応により得られた下記一般式(1)で表されるカルバゾール誘導体と、該一般式(1)で表される化合物を合成する際の反応中間体化合物であるカルバゾール環と結合する構造部分にアミノ基を結合してなる下記一般式(2)で表される化合物とを該有機層に含有するとともに、前記有機層おける該一般式(2)で表される化合物の含有率が、0.33質量%未満であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004517673
(式中、mは1〜6の整数で、Aはm=1の時に1価の有機基で、mが1ではない時はm価の連結基を表す。R1及びR2は置換基、n1及びn2は0〜4の整数を表す。)
Figure 0004517673
(式中、A、R、R、n1、n2は一般式(1)と同義である。Xは臭素原子もしくはヨウ素原子を表し、m1、m2及びm3は0〜6までの整数で、m1、m2及びm3の総和が1〜6の整数となり、かつm2とm3とがともに0になることはない。)
2.前記一般式(2)で表される化合物の前記有機層における含有率が、0.1質量%未満であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電界を印加した時に生ずる発光が、リン光発光を含むものであることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電界を印加した時に生ずる発光が、白色に発光するものであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備してなることを特徴とする表示装置。
6.前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備してなることを特徴とする照明装置。
7.前記6に記載の照明装置と表示手段として液晶素子を具備してなることを特徴とする前記5に記載の表示装置。
本発明の目的は、以上の様な事情に鑑みてなされたものであり、高い発光輝度と優れた量子効率とを有するとともに、同時に、特に優れた耐久性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子、及びそれを具備してなる表示装置、照明装置を提供する
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、請求項1〜のいずれか1項に記載の構成とすることにより、高い発光輝度と優れた量子効率とを有するとともに、特に優れた耐久性を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を見出すことを可能にした。
更に、請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を有する、請求項5、6に各々記載の表示装置、請求項に記載の照明装置を得ることができた。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
本発明者らは、検討を重ねた結果、ある特定の構造単位を有する有機エレクトロルミネッセンス材料を含有する層に、該構造単位に由来する化合物が不純物として混入すると、作製された素子の耐久性に非常に大きな影響を及ぼすことを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、置換カルバゾール化合物を含有してなる有機層と、陽極および陰極からなる。
該有機層に含有される置換カルバゾール化合物において、カルバゾール環に結合する構造部分に置換または無置換のアミノ基を結合してなる化合物を0.5質量%未満、好ましくは0.3質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%未満含有する場合、該有機エレクトロルミネッセンス素子は高い発光輝度と優れた量子効率と同時に、非常に高い耐久性を有する素子として駆動する。
本発明の好ましい態様は、一般式(1)で表される置換カルバゾール化合物を該有機層に含有するとともに、該置換カルバゾール化合物を含有する有機層に不純物として存在する一般式(2)で表される化合物について、その含有率が0.5質量%未満、好ましくは0.3質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%未満である有機エレクトロルミネッセンス素子である。なお、本発明は一般式(2)で表される不純物として複数種類のものを同時に該有機層に含有する場合も含む。
以下、一般式(1)で表される置換カルバゾール化合物、及び不純物として存在する一般式(2)で表される化合物について詳しく説明する。
有機エレクトロルミネッセンス材料である一般式(1)で表される化合物は、有機基Aにm個の置換もしくは無置換のカルバゾール環が連結した構造をもつ化合物である。ここで、mは1〜6の整数を表し、Aにm個の水素原子を結合させた化合物、すなわち、Aの由来となる化合物としてはメタン、エテン、アセチレン、ベンゼン、ナフタレン、アズレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、テトラセンなどの炭化水素化合物の他、ボラン、アンモニア、シラン、硫化水素、水等ヘテロ原子が水素と結合した化合物や、フラン、チオフェン、セレノフェン、ピロール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、トリアジン、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール等のヘテロ芳香族化合物、さらにはベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、カルバゾール、ベンズチアゾール、ベンズイミダゾール、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、キノリン、キノリン、アクリジン、ピリドインドール、ジピリドピロール、プリン、シノリン、フェノキサジン、フェノチアジン等の縮合多環式芳香族化合物が挙げられ、これらの化合物から誘導される有機基の任意の組み合わせも、Aの例に含まれるものである。
また、Aは置換基を有していてもよく、その例としてはアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、アニリノ基、エチルトリルアミノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、フッ素原子等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は、複数が互いに結合して環を形成していてもよい。なお、Aに結合する置換または無置換のカルバゾール環部分が複数の場合、該カルバゾール環部分は互いに同じでも異なっていてもよい。
以下に、AおよびAに結合する置換または無置換のカルバゾール残基についての例を示すが、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の構造は、これらの例によって限定されない。
Figure 0004517673
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一般式(1)において、R1およびR2は独立に1価の置換基を表し、その例としては一般式(1)中のAが上記に挙げられる置換基が挙げられる。また、n1およびn2は独立に0〜4の整数を表す。
一般式(2)においてA、R1、R2、n1、n2はいずれも一般式(1)のそれらと同義であり、Xは臭素原子もしくはヨウ素原子を表す。m1、m2およびm3は0〜6までの整数を表し、かつm1、m2およびm3の合計は1〜6の整数である。さらに、m2とm3とがともに0でなることはないとは、これは不純物が置換または無置換のアミノ基をもつ構造の化合物であることを意味する。
また、一般式(1)で表される化合物の分子量は600〜2000であることが好ましい。分子量が600〜2000であるとTg(ガラス転移温度)が上昇し、熱安定性が向上し、素子寿命が改善される。より好ましい分子量は800〜2000である。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、有機層に置換カルバゾール化合物を含有してなり、かつ、不純物として該有機層内に存在するカルバゾール環に結合する構造部分に置換または無置換のアミノ基を結合してなる構造を有する化合物が、該有機層内で該置換カルバゾール化合物に対して少なくとも0.5質量%未満、好ましくは0.3質量%未満、さらに好ましくは0.1質量%未満に含有量を抑制することにより、高い発光効率と発光輝度、及び高耐久性を発現する。
有機層にカルバゾール環に結合する構造部分に置換または無置換のアミノ基を結合してなる構造を有する化合物が不純物として存在することで、素子の発光効率や発光輝度、耐久性を低下させる機構は必ずしも明らかではないが、おそらく、有機エレクトロルミネッセンス素子中でトラップ準位を形成することや、不純物と置換カルバゾール化合物とが反応して置換カルバゾール化合物の分解を促進すること、あるいは有機層と隣接する電極との密着性、他の有機層と隣接している場合は隣接有機層との密着性を阻害することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の特性に望ましくない影響を及ぼす結果、素子の発光効率や発光輝度、耐久性を低下させるものと推測される。
特に、耐久性に関しては、不純物が置換カルバゾール化合物よりも電気的、熱的安定性に乏しいために、電界発光時において比較的短い時間で分解し、これにより生じた分解生成物が前述の機構により素子を劣化させるためと推測される。
該不純物が有機層に混入する原因は、置換カルバゾール化合物の製造方法及び精製方法、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法等、諸々の条件に起因するものと推測され、その1つにアミン化合物とジハロゲン化ビフェニル誘導体のカップリング反応により置換カルバゾール化合物を合成した時にその反応中間体が目的の生成物に不純物として混入する場合が考えられる。また、これらの不純物は通常の精製方法により除去可能であると考えられるが、実際には完全に除去されずに有機エレクトロルミネッセンス素子の製造工程に持ち込まれて素子の有機層に不純物として混入するものと推測される。
本発明に係る一般式(1)で表される置換カルバゾール化合物は、後述する有機エレクトロルミネッセンス素子の有機層を構成する正孔輸送層、電子輸送層、発光層のいずれに用いることも可能であるが、電子輸送層ないし発光層に用いることが好ましい。
また、一般式(1)で表される置換カルバゾール化合物は、発光層において蛍光性もしくはリン光性の化合物へエネルギーを移動させて自身は発光することのない、当業に従事する技術者に「ホスト化合物」として知られる材料としても好ましく使用可能である。本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、先に述べた発光効率の観点から、前述の置換カルバゾール化合物をホスト化合物としてリン光性化合物とともに発光層を構成してなるリン光発光性有機エレクトロルミネッセンス素子であることが特に好ましい。
本発明に用いられる置換カルバゾール化合物は、Tetrahedron Lett.,39(1998),2367〜2370頁、日本国特許3161360号、Angew.Chem.Int.Ed.,37(1998),2046〜2067頁、Tetrahedron Lett.,41(2000),481〜484頁、Synth.Commun.,11(7)(1981),513〜519頁、及びChem.Rev.,2002,102,1359〜1469頁等に記載の合成反応等、当業に従事する技術者に周知の合成方法により製造することが可能である。
《有機EL素子の構成層》
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。
本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(1)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(5)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1000nm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
次に、本発明の有機EL素子の構成層として用いられる、注入層、正孔輸送層、電子輸送層等について説明する。
《注入層》:電子注入層、正孔注入層
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記のごとく陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び、陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。
上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1nm〜100nmの範囲が好ましい。
阻止層は、上記のごとく、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば特開平11−204258号、同11−204359号、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日 エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層であり、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層であり、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。
正孔輸送層、電子輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
本発明の有機EL素子においては、発光層のホスト、発光層に隣接する正孔輸送層、発光層に隣接する電子輸送層すべての材料の蛍光極大波長が415nm以下であることが好ましい。
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子および正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であっても良い。
発光層に使用される材料(以下、発光材料という)は、蛍光またはリン光を発する有機化合物または錯体であることが好ましく、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。このような発光材料は主として有機化合物であり、所望の色調により、例えば、Macromol.Synth.,125巻,17〜25頁に記載の化合物等を用いることが可能である。
発光材料は、発光性能の他に、正孔輸送機能や電子輸送機能を併せ持っていても良く、正孔輸送材料や電子輸送材料の殆どが、発光材料としても使用できる。
発光材料は、p−ポリフェニレンビニレンやポリフルオレンのような高分子材料でも良く、さらに前記発光材料を高分子鎖に導入した、または前記発光材料を高分子の主鎖とした高分子材料を使用しても良い。
この発光層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法などの公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。発光層としての膜厚は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmの範囲で選ばれる。この発光層は、これらの発光材料一種又は二種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。本発明の有機EL素子の好ましい態様は、発光層が二種以上の材料からなり、その内の一種が本発明の化合物であるときである。
また、この発光層は、特開昭57−51781号公報に記載されているように、樹脂などの結着材と共に上記発光材料を溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピンコート法などにより薄膜化して形成することができる。このようにして形成された発光層の膜厚については、特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、通常は5nm〜5μmの範囲である。
本発明における別の形態にあっては、発光層にその主たる構成成分である上記の有機化合物に加えて、それらの発光極大波長よりも長波な蛍光極大波長を有する蛍光性化合物を少なくとも1種含有させてもよい。このように主たる構成成分に加えて発光層になんらかの化合物を含有させた場合、主たる構成成分はホスト化合物あるいは単にホスト、加えられた化合物はドーパントと呼ばれるが、本発明におけるこの形態の場合、発光層の主たる構成成分である先述の有機化合物がホスト化合物であり、加えられた蛍光性化合物がドーパント、とくにこの場合においては蛍光性ドーパントである。蛍光性ドーパントはホスト化合物に励起されて蛍光を発し、その結果としてこのように構成された有機EL素子からは、蛍光性化合物からの発光が取出されることになる。このような用途に用いることのできる蛍光性化合物としてはクマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。用いる蛍光性化合物としては溶液状態における蛍光量子収率の高いものが好ましく、蛍光量子収率10%以上、特に30%以上が好ましい。蛍光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの362頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定することができる。
また、本発明におけるさらに別の形態にあっては、上記の形態において蛍光性ドーパントを加えたのと同様に、発光層を構成する化合物の発光極大波長よりも長波な発光極大波長を有するリン光性化合物をドーパントとして加えてもよい。リン光性ドーパントを発光層に加えた場合、ホスト化合物からリン光性ドーパントへのエネルギー移動によって、有機EL素子からはリン光発光が取出される。既に述べたとおり、有機EL素子としてはリン光発光を利用する形態が発光効率の観点から好ましく、本発明においても同様に、少なくとも発光成分の一部がリン光発光によるものである有機EL素子が好ましい。
本発明における「リン光性化合物」とは励起三重項からの発光が観測される化合物であり、リン光量子収率が25℃において0.001以上の化合物である。リン光量子収率は好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光性化合物は、任意の溶媒の何れかにおいて上記リン光量子収率が達成されれば良い。
本発明で用いられるリン光性化合物としては、好ましくは元素の周期律表で8族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくは、イリジウム化合物、オスミウム化合物、又は白金化合物(白金錯体系化合物)であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
以下に、本発明で用いられるリン光性化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
Figure 0004517673
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さらに別の形態では、ホスト化合物とリン光性化合物の他に、リン光性化合物からの発光の極大波長よりも長波な領域に蛍光極大波長を有する蛍光性化合物を少なくとも1種含有させてもよい。この場合、ホスト化合物とリン光性ドーパントからのエネルギー移動により、有機EL素子としての電界発光は蛍光性化合物からの発光が得られる。
また、蛍光性もしくはリン光性のドーパントを複数種類用いてこれらドーパントからの発光を同時に取り出すことにより、複数の発光極大波長をもつ発光素子を構成することもできる。例えばホスト化合物を兼ねる発光性化合物としてポリビニルカルバゾールを、蛍光性ドーパントとしてクマリン6とナイルレッドを用いることにより、ポリビニルカルバゾールからの青色発光と、クマリン6からの緑色発光、ナイルレッドからの赤色発光を同時に取り出して、白色に発光する素子を構成することができる。リン光発光型の有機EL素子においても同様に、複数種類のリン光性ドーパントを用いることによって発光の混色を行うことができる。
薄型であること、および樹脂基板上に形成することが可能であるという有機EL素子の特長を活かして、これをパネル状その他の形状の照明装置に利用する場合を考慮すると、白色発光素子を構成することは実用的に有用である。現在のところ単一の発光材料で白色発光を示すものがないため、複数の発光材料により複数の発光色を同時に発光させて混色により白色発光を得ている。複数の発光色の組み合わせとしては、青色、緑色、青色の3原色の3つの発光極大波長を含有させたものでも良いし、青色と黄色、青緑と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有したものでも良い。これらの混色した発光は先に述べたとおり、ドーパントを用いることによって行うことがで、ドーパントの種類と量を変化させることによって、発光色の色調を制御することができる。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、特に制限はなく、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているものやEL素子の正孔注入層、正孔輸送層に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。
正孔輸送材料は、正孔の注入もしくは輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、p型−Si,p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、本発明においては正孔輸送層の正孔輸送材料は415nm以下に蛍光極大波長を有することが好ましい。すなわち、正孔輸送材料は、正孔輸送能を有しつつかつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tgである化合物が好ましい。
この正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5〜5000nm程度である。この正孔輸送層は、上記材料の一種または二種以上からなる一層構造であってもよい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層もしくは複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、下記の材料が知られている。
さらに、電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
この電子輸送層に用いられる材料(以下、電子輸送材料という)の例としては、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレンなどの複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体などが挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。
さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)など、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、又はそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基などで置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiCなどの無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層に用いられる好ましい化合物は、415nm以下に蛍光極大波長を有することが好ましい。すなわち、電子輸送層に用いられる化合物は、電子輸送能を有しつつかつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tgである化合物が好ましい。
《基体(基板、基材、支持体等ともいう)》
本発明の有機EL素子に係る基体としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明のものであれば特に制限はないが、好ましく用いられる基板としては例えばガラス、石英、光透過性樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい基体は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物もしくは有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよい。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は1%以上であることが好ましく、より好ましくは2%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用してもよい。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
まず適当な基体上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜を形成させる。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、前記の如くスピンコート法、キャスト法、インクジェット法、蒸着法、印刷法等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法またはスピンコート法が特に好ましい。さらに層ごとに異なる製膜法を適用してもよい。製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10-6Pa〜10-2Pa、蒸着速度0.01nm〜50nm/秒、基板温度−50℃〜300℃、膜厚0.1nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層の形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望の有機EL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施してもかまわない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
本発明の多色表示装置は、発光層形成時のみシャドーマスクを設け、他層は共通であるのでシャドーマスク等のパターニングは不要であり、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で膜を形成できる。
発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、印刷法である。蒸着法を用いる場合においてはシャドーマスクを用いたパターニングが好ましい。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。この様にして得られた多色表示装置に直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が+、陰極が−の状態になったときのみ発光する。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明の多色表示装置は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。表示デバイス、ディスプレイにおいて、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。
表示デバイス、ディスプレイとしてはテレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよく、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。
発光光源としては家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではない。
また、本発明に係る有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いてもよい。
このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザー発振をさせることにより、上記用途に使用してもよい。
《表示装置》
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用しても良いし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用しても良い。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでも良い。または、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を2種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。
本発明の有機EL素子から構成される表示装置の一例を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。有機EL素子の発光により画像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレイの模式図である。
ディスプレイ1は、複数の画素を有する表示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う制御部B等からなる。
制御部Bは、表示部Aと電気的に接続され、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づいて走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
図2は、表示部Aの模式図である。
表示部Aは基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、複数の画素3等とを有する。表示部Aの主要な部材の説明を以下に行う。
図においては、画素3の発光した光が、白矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。
配線部の走査線5及び複数のデータ線6は、それぞれ導電材料からなり、走査線5とデータ線6は格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。
画素3は、走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を、適宜、同一基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
次に、画素の発光プロセスを説明する。
図3は、画素の模式図である。
画素は、有機EL素子10、スイッチングトランジスタ11、駆動トランジスタ12、コンデンサ13等を備えている。複数の画素に有機EL素子10として、赤色、緑色、青色発光の有機EL素子を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラー表示を行うことができる。
図3において、制御部Bからデータ線6を介してスイッチングトランジスタ11のドレインに画像データ信号が印加される。そして、制御部Bから走査線5を介してスイッチングトランジスタ11のゲートに走査信号が印加されると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオンし、ドレインに印加された画像データ信号がコンデンサ13と駆動トランジスタ12のゲートに伝達される。
画像データ信号の伝達により、コンデンサ13が画像データ信号の電位に応じて充電されるとともに、駆動トランジスタ12の駆動がオンする。駆動トランジスタ12は、ドレインが電源ライン7に接続され、ソースが有機EL素子10の電極に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号の電位に応じて電源ライン7から有機EL素子10に電流が供給される。
制御部Bの順次走査により走査信号が次の走査線5に移ると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフしてもコンデンサ13は充電された画像データ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ12の駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行われるまで有機EL素子10の発光が継続する。順次走査により次に走査信号が印加されたとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位に応じて駆動トランジスタ12が駆動して有機EL素子10が発光する。
すなわち、有機EL素子10の発光は、複数の画素それぞれの有機EL素子10に対して、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタ11と駆動トランジスタ12を設けて、複数の画素3それぞれの有機EL素子10の発光を行っている。このような発光方法をアクティブマトリクス方式と呼んでいる。
ここで、有機EL素子10の発光は、複数の階調電位を持つ多値の画像データ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。
また、コンデンサ13の電位の保持は、次の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
本発明においては、上述したアクティブマトリクス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみデータ信号に応じて有機EL素子を発光させるパッシブマトリクス方式の発光駆動でもよい。
図4は、パッシブマトリクス方式による表示装置の模式図である。図4において、複数の走査線5と複数の画像データ線6が画素3を挟んで対向して格子状に設けられている。
順次走査により走査線5の走査信号が印加されたとき、印加された走査線5に接続している画素3が画像データ信号に応じて発光する。パッシブマトリクス方式では画素3にアクティブ素子が無く、製造コストの低減が計れる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
〈化合物1、サンプル1A〜1Dの合成〉
窒素雰囲気下、4,4′−ジアミノビフェニル1g、2,2′−ジブロモビフェニル3.5g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム0.4g、トリ−tert−ブチルホスフィン0.6ml、ナトリウム−tert−ブトキシド2.5gを、トルエン60ml中にて還流温度で4時間攪拌した。反応混合物を放冷後、酢酸エチルとテトラヒドロフランと水を加えて有機層を抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後に再結晶して、4,4−ジカルバゾリルビフェニル(化合物1)を1.8g得た(収率69%)。得られた化合物の構造はNMRスペクトルおよび質量分析スペクトルにより同定した。
さらに、得られた化合物を昇華精製して得たサンプルおよび反応中間体の、高速液体クロマトグラフィー分析および液体クロマトグラフィー質量分析の結果から、得られたサンプルには不純物aおよびbがそれぞれ0.24質量%と0.33質量%、すなわちアミノ基を有する不純物が0.57質量%含まれていることが判明した。この化合物をサンプル1Aとする。
さらに、同様にして合成を行ったがシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返して精製を行った後に再結晶と昇華精製を行い得られたサンプル1B、1Cおよび1Dについてもサンプル1Aと同様に分析を行い、1Bには0.42質量%、1Cには0.19質量%、1Dには0.08質量%の、アミノ基を有する不純物が含まれていることが判明した。すなわち、これらのサンプルはいずれも主たる成分は同じであるが、不純物の含有量が異なる。
〈化合物2の合成〉
窒素雰囲気下、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン2.5g、2,2′−ジブロモビフェニル4.9g、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム0.5g、トリ−tert−ブチルホスフィン0.9ml、ナトリウム−tert−ブトキシド3.0gを、トルエン60ml中にて還流温度で6時間攪拌した。反応混合物を放冷後、トルエンと水を加えて有機層を抽出し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後に再結晶して、2,2−ビス(4−カルバゾリルフェニル)ヘキサフルオロプロパン(化合物2)を1.7g得た(収率34%)。得られた化合物の構造はNMRスペクトルおよび質量分析スペクトルにより同定した。化合物1の場合と同様に分析を行い、得られた化合物を昇華精製して得たサンプルにはアミノ基を有する不純物が0.56質量%含まれていることが判明した。この化合物をサンプル2Aとする。
さらに化合物1の場合と同様に精製の程度が異なるサンプル2B、2Cおよび2Dを準備して分析したところ、サンプル2Bと2Cにはそれぞれ0.28質量%と0.09質量%の不純物が含まれていることが判明した。サンプル2Dには、不純物の存在を検出することができず、少なくとも0.01質量%以下まで不純物の含有量が低減していることがわかった。
〈化合物3〜8、サンプル3A〜8Dの合成〉
また、公知の合成方法により、置換カルバゾール化合物である化合物3〜8を合成し、化合物1及び2と同様の精製方法により、サンプル3A〜8Dを得た。
〈蒸着膜中の不純物含量の測定〉
上記合成方法で得られたサンプル1A、1B、1C、1Dをそれぞれガラス基板上に、真空蒸着して、この真空蒸着膜をトルエンにて溶解した。この溶液を高速液体クロマトグラフィーによって分析したところ、蒸着膜中にはそれぞれ以下のごとく、アミノ基を有する不純物が含有されていることが判明した。
サンプル 不純物の含有率(質量%)
1A 0.59
1B 0.40
1C 0.13
1D 検出されなかった
同様にして上記合成方法で得られたサンプル2A、2B、2C、2Dの蒸着膜についても分析を行ったところ、結果は以下のごとくであった。
サンプル 不純物の含有率(質量%)
2A 0.53
2B 0.16
2C 検出されなかった
2D 検出されなかった
実施例2
〈有機EL素子の作製〉
有機EL素子を以下のように作製した。
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。
この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに、上記合成方法で合成したサンプル1Aを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにバソキュプロイン(BCP)を200mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlq3を200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/secで透明支持基板に蒸着し、膜厚45nmの正孔輸送層を設けた。さらに本発明の化合物1のサンプル1Aの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.2nm/secで前記正孔輸送層上に蒸着して膜厚20nmの発光層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。更に、BCPの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/secで前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止の役割も兼ねた電子輸送層を設けた。その上に、更に、Alq3の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/secで前記電子輸送層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子注入層を設けた。尚、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続きフッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子2−1を作製した。
上記で使用した化合物の構造を以下に示す。
Figure 0004517673
Figure 0004517673
Figure 0004517673
有機EL素子2−1におけるサンプル1Aを、それぞれ1B、1Cおよび1Dに置き換えた以外は全て同様にして、有機EL素子2−2〜2−4を作製した。
有機EL素子2−1の温度23℃、窒素雰囲気下で10V直流電圧を印加した時の発光輝度(cd/m2)および発光効率(lm/W)を測定した。発光輝度については、CS−1000(ミノルタ社製)を用いて測定した。さらに10mA/cm2の一定電流で駆動したときに、初期輝度が元の半分に低下するのに要した時間を測定し、これを半減寿命時間として耐久性の指標とした。
同様の測定を有機EL素子2−2、2−3及び2−4に対しても行った。その結果を、同じ化合物を用いた有機EL素子のうちで、蒸着膜中のアミノ基を有する不純物の含有率が最も高い素子に対する結果を100とした相対値として、表1に示した。
Figure 0004517673
表1から明らかな様に、置換カルバゾール化合物を含有する有機化合物層に含まれる、アミノ基を有する不純物bの含有量が0.33質量%未満の場合、該有機化合物層を有する有機EL素子の性能は大きく改善される。特にこの効果は耐久性に関して顕著であり、ことに0.1質量%以下にまで不純物の含有量を抑制した有機化合物層を有する有機EL素子においては特に大きな改善効果がある。
化合物1A、1B、1C及び1Dと、これらを用いた有機EL素子2−1〜4と同様にして、化合物2〜8より得られる有機EL素子2−5〜32について、蒸着膜中に含まれるアミノ基を有する不純物の含有率等の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004517673
表2から明らかな様に、いずれの化合物についてもアミノ基を有する不純物の混入を抑制することは、該化合物を用いた有機EL素子の特性、とくに耐久性について顕著な改善効果をもたらすことが確認された。
参考例
実施例2の有機EL素子2−3の電子輸送層におけるBCPを表3に示す化合物2〜5にそれぞれ置き換えた以外は、該素子と全く同じ方法で作製した有機EL素子3−1〜16について、実施例2と同様の方法で発光輝度、発光効率及び半減寿命時間(耐久性)を測定した。得られた結果を素子番号、電子輸送層に使用した化合物及びその蒸着膜の不純物含量とともに、表3に示す。
Figure 0004517673
表3から明らかな様に、いずれの化合物についてもアミノ基を有する不純物の混入を抑制することは、該化合物を用いた有機化合物層が電子輸送層として機能する場合においても有機EL素子の特性、特に耐久性について顕著な改善効果をもたらす。
参考例
実施例2の有機EL素子2−1の作製において、サンプル1Aを正孔輸送層上に蒸着して発光層とする代わりに、1Aとリン光発光性化合物Ir−1との共蒸着膜を発光層として、リン光発光型有機EL素子4−1を作製した。
発光層を設置する際には、1Aとは別の加熱ボートにリン光発光性化合物Ir−1を100mg入れて、1AとIr−1の入った加熱ボートにそれぞれ通電し、1Aは0.2nm/sec、Ir−1は0.012nm/secの蒸着速度で共蒸着した。
さらにサンプル1Aに代えて本発明の化合物を用いた有機EL素子4−2〜32を同様にして作製し、得られたリン光発光型有機EL素子について、実施例2と同様に発光輝度、発光効率、耐久性を評価した結果を表4に示す。
Figure 0004517673
表4から明らかな様に、リン光発光型の有機EL素子を作製する場合においてもアミノ基を有する不純物の混入を抑制することは、いずれの化合物をホスト化合物として用いる場合においても有機EL素子の特性、特に耐久性について顕著な改善効果をもたらす。
参考例
参考例4のリン光発光型有機EL素子の作製と同様にして、ただしリン光ドーパントとしてIr−6およびIr−12を用いて、2波長発光型の有機EL素子5−1を作製した。この際、発光層はホスト化合物として1Aを用い、リン光ドーパントとしてIr−6およびIr−12を用いて、蒸着速度をそれぞれ0.5nm/sec、0.005nm/sec及び0.02nm/secにして共蒸着し、膜厚30nmの有機化合物層として形成した。Ir−6のリン光発光は赤色であり、Ir−12のリン光発光は青色であるので、該有機EL素子からの発光は2つの発光極大波長を有しており、人間の視覚には白色の発光として認識される。
同様の方法で、ホスト化合物として1Aに代えて表5に示した化合物を用いて、リン光発光型白色発光有機EL素子5−2〜5−16を作製し、実施例2と同様にして発光輝度、発光効率及び耐久性を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0004517673
表5の結果から明らかな様に、リン光発光型白色発光有機EL素子を作製する場合においてもアミノ基を有する不純物の混入を抑制することは、いずれの化合物をホスト化合物として用いる場合においても有機EL素子の特性、特に耐久性について顕著な改善効果をもたらす。
実施例6
実施例2と同様の方法でリン光ドーパントとしてそれぞれIr−6、Ir−1、Ir−12で作製した赤色、緑色、青色発光有機EL素子を作製し、これらを同一基板上に並置して、図1に示すアクティブマトリクス方式フルカラー表示装置を作製した。図2には作製したフルカラー表示装置の表示部Aの模式図のみを示した。即ち同一基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、並置した複数の画素3(発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素等)とを有し、配線部の走査線5及び複数のデータ線6はそれぞれ導電材料からなり、走査線5とデータ線6は格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。
前記複数画素3は、それぞれの発光色に対応した有機EL素子、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタと駆動トランジスタそれぞれが設けられたアクティブマトリクス方式で駆動されており、走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。この様に各赤、緑、青の画素を適宜、並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
該フルカラー表示装置を駆動することにより、輝度の高く耐久性の良好な、鮮明なフルカラー動画表示が得られた。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。 表示部Aの模式図である。 画素の模式図である。 パッシブマトリクス方式による表示装置の模式図である。
符号の説明
1 ディスプレイ
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサ
A 表示部
B 制御部

Claims (7)

  1. 基板上に少なくとも1層の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    2,2’−ジハロゲノ−ビフェニルとアミンとの縮合複素環形成反応により得られた下記一般式(1)で表されるカルバゾール誘導体と、該一般式(1)で表される化合物を合成する際の反応中間体化合物であるカルバゾール環と結合する構造部分にアミノ基を結合してなる下記一般式(2)で表される化合物とを該有機層に含有するとともに、前記有機層おける該一般式(2)で表される化合物の含有率が、0.33質量%未満であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004517673
    〔式中、mは1〜6の整数で、Aはm=1の時に1価の有機基で、mが1ではない時はm価の連結基を表す。R 及びR は置換基、n1及びn2は0〜4の整数を表す。〕
    Figure 0004517673
    〔式中、A、R 、R 、n1、n2は一般式(1)と同義である。Xは臭素原子もしくはヨウ素原子を表し、m1、m2及びm3は0〜6までの整数で、m1、m2及びm3の総和が1〜6の整数となり、かつm2とm3とがともに0になることはない。〕
  2. 前記一般式(2)で表される化合物の前記有機層における含有率が、0.1質量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電界を印加した時に生ずる発光が、リン光発光を含むものであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子に電界を印加した時に生ずる発光が、白色に発光するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備してなることを特徴とする表示装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備してなることを特徴とする照明装置。
  7. 請求項6に記載の照明装置と表示手段として液晶素子を具備してなることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
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