本発明において、コートキャリアの5×105V/mにおける体積抵抗は、1×109〜1×1016Ωcmにおいて、細線再現性に優れることと、現像性の両立を達成できる。より好ましくは、1×1011〜1×1015Ωcmである。体積抵抗が1×109Ωcmより低い場合、画像の解像度を上げた条件において、ガサツキといわれる潜像の乱れが発生しやすい。また、アモルファスシリコン感光体を用いる場合、現像バイアスより、発生する電界により、キャリアを通して、電流が流れやすくなり、電荷注入によりコントラスト電位の低下を引き起こした。また、体積抵抗が1×1016Ωcmより大きい場合、本発明の高誘電物質を磁性キャリアコア粒子内に導入した場合においても、現像が不十分になりやすい。
本発明の高誘電物質とは、体積抵抗が高く、静電場において、物質の誘電率が大きいものをさす。このような高誘電物質を含む磁性キャリアを用いると、磁性キャリアの抵抗を上げたまま、高い現像性を得ることが出来た。
本発明で用いる高誘電物質は、比誘電率εが80以上、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上のものを用いることが良い。
更に、本発明で用いる高誘電物質は1010Ωcm以上の体積抵抗を持つことが好ましい。この場合、磁性キャリアコア粒子ならびに、磁性キャリアの抵抗を上げることが可能で、ガサツキ、及びアモルファスシリコン感光体を用いた場合の電荷注入を改善した磁性キャリアを提供することが出来る。より好ましくは、1011〜1015Ωcmの体積抵抗にすることが良い。
高誘電物質としては、酸化チタン:TiO2、BST:(Ba,Sr)TiO3、STO:SrTiO3、BTO:BaTiO3、SrTa2O6、Sr2Ta2O7、ZnO、HfO2、Ta2O5等がありる。この中でも比較的高誘電性を示すペロブスカイト構造を有する金属化合物CaTiO3、BST:(Ba,Sr)TiO3、STO:SrTiO3、BTO:BaTiO3等が好ましい。
これらの高誘電物質は、磁性粒子に対し質量比で5乃至100質量%含有することが好ましく、質量比で10乃至70質量%の範囲で用いることがより好ましい。高誘電物質が5質量%より少ない場合、磁性キャリアコア粒子の抵抗が低くなり、コート後の磁性キャリアの抵抗が制御しにくくなり、電荷注入、ガサツキ等の画像欠陥が発生しやすくなる。また、抵抗を制御した場合においても、AC電荷重畳を行う現像プロセスにおいて、十分な現像性を得ることが厳しくなる。高誘電物質が100質量%より多い場合、磁性キャリアの抵抗が大きくなり、現像性が下がりやすい。また、磁性キャリアの磁化量が小さくなり、キャリア付着等の画像不良が発生しやすくなる。
製造方法において、磁性キャリアの粒度分布がそろい、微粉等による影響が少なくなるため、重合法で磁性キャリアコア粒子を作製する方が好ましい。
次に、本発明に用いる磁性キャリアコア粒子について説明する。
本発明の磁性キャリアに用いる磁性キャリアコア粒子は、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、マグネタイト、フェライト等の磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散型樹脂キャリア、いわゆる樹脂キャリアである。本発明に用いられる磁性粒子は、磁性体がマグネタイト微粒子であるか、又は、鉄元素及びマグネシウム元素を少なくとも含む磁性フェライト微粒子であることが好ましい。
本発明では、非磁性粒子には、高抵抗の高誘電物質を用いるが、適宜他の非磁性材料を併用しても良い。
非磁性粒子としては無機の微粒子を用いることが出来るが、ヘマタイト(α−Fe2O3)の微粒子が、キャリアの磁気特性、真比重を調整する上で、より好ましい。
磁性粒子は、磁性粒子及び非磁性粒子の総量に対して、磁性体は50乃至100質量%含まれていることが、樹脂キャリアの磁化の強さを調整してキャリア付着を防止し、さらに、樹脂キャリアの体積抵抗値を調整する上で好ましい。
前記バインダー樹脂としては、ポリマー鎖中にメチレンユニットを有するビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、混合して使用しても良い。
前記ビニル樹脂を形成するためのビニル系モノマーとしては、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン及び不飽和モノオレフィン;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ジオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等の如きハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン等が挙げられる。これらの中から一種又は二種以上使用して重合させたものが、前記ビニル樹脂として用いられる。
フェノール樹脂を生成するためのフェノール類としては、フェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAの如きアルキルフェノール類及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子や臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類の如きフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。中でもフェノール(ヒドロキシベンゼン)が、より好ましい。
アルデヒド類としては、ホルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられる。中でもホルムアルデヒドが特に好ましい。
アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1乃至4が好ましく、特に好ましくは1.2乃至3である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子の強度が弱くなる傾向がある。一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が4よりも大きいと、反応後に水系媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
フェノール類とアルデヒド類とを縮重合させる際に使用する塩基性触媒としては、通常のレゾール型樹脂の製造に使用されているものが挙げられる。このような塩基性触媒としては、例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02乃至0.3が好ましい。
磁性キャリコア粒子を製造する方法については、バインダー樹脂のモノマーと磁性体、高誘電化合物等その他の添加剤を混合し、前記モノマーを重合して磁性キャリアコア粒子を得る方法がある。また予め、磁性体の周りに高誘電化合物を固着させた微粒子を作製し、モノマーと混合し磁性キャリアコア粒子を得ることも出来る。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、前述したビニル系モノマーの他に、エポキシ樹脂を形成するためのビスフェノール類とエピクロルヒドリン;フェノール樹脂を形成するためのフェノール類とアルデヒド類;尿素樹脂を形成するための尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いた磁性キャリアコア粒子の製造方法としては、水性媒体に磁性体を入れ、この水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で重合して磁性キャリアコア粒子を得る方法がある。
磁性キャリアコア粒子を製造する他の方法としては、ビニル系又は非ビニル系の熱可塑性樹脂、磁性体、高誘電化合物等その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き混練機を用いて溶融・混練して、これを冷却後、粉砕・分級を行って磁性キャリアコア粒子を得る方法がある。この際、得られた磁性キャリアコア粒子を熱あるいは機械的に球形化して前記磁性キャリア用の磁性キャリアコア粒子として用いることが好ましい。バインダー樹脂としては、前述したなかでも、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂の如き熱硬化性樹脂が、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れる点で好ましい。バインダー樹脂は、本発明の特性をより好適に発現せしめるためには、フェノール樹脂がより好ましい。
磁性キャリアコア粒子を製造で前記を重合法、後記を粉砕混練法と呼ぶ。
本発明に係るコートキャリアは、上記磁性キャリアコア粒子の表面に1種又は2種以上の樹脂よりなる被覆層を有している。
被覆の方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法の如き従来公知キャリアの樹脂被覆方法がいずれも適用できる。
磁性キャリア表面のコート材としてはトナー材料により異なるが、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のどちらも用いることができ、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或は複数組合わせて用いるのが適当である。
磁性キャリアコア粒子の表面を(i)フッ素系樹脂とスチレン系樹脂とを組合わせて(例えばポリフッ化ビリニデンとスチレン−メチルメタクリレート樹脂との組合わせ、ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチルメタクリレート樹脂との組合わせ、フッ素系共重合体とスチレン系共重合体との組合わせ)、好ましくは90:10〜20:80、より好ましくは70:30〜30:70の比率で混合したもの、あるいは(ii)シリコーン樹脂でコーティングしたキャリアが挙げられる。
フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜90:10)が例示される。スチレン系共重合体としてはスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(20:80〜80:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル共重合体(20〜60:5〜30:10〜50)が例示される。
またコート樹脂中に、他の樹脂粒子あるいは無機化合物粒子等を含有させても良い。更に、樹脂をコートする前に反応性のカップリング剤等の他の材料で表面改質しておくことがより好ましい。表面改質を行うことにより、樹脂層と磁性キャリアコア粒子との密着性を向上させ、より優れた耐久性が得られるようになる。
本発明の磁性キャリアコア粒子に対する反応性カップリング剤としては、下記のカップリング剤等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、疎水性基、アミノ基、エポキシ基を有するものがあり、疎水性基を有するシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシ)シラン等がある。
アミノ基を有するシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
エポキシ基を有するシラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン等がある。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等がある。
このなかでも、磁性キャリアコア粒子表面での親和性及び負帯電性のトナーを使用する際の負帯電性付与性を更に高めるには、使用する反応性カップリング剤がアミノシランカップリング剤であることが良く、1級アミノ基を有するものが特に好ましい。
上記コートキャリアは粒径分布がシャープであり、本発明で用いられるトナーに対し好ましい摩擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果がある。
次にコート材中に含有させる微粒子について説明する。前記コート材には、樹脂100質量部に対して1乃至40質量部の割合で微粒子を含有することがキャリア表面の凹凸をコントロールし、トナー離れを良好にする方法として用いることが出来る。微粒子としては、有機、無機いずれも微粒子を用いることができるが、磁性キャリアにコートを施す際に粒子の形状を保つことが必要であり、好ましくは、架橋樹脂粒子あるいは、無機の微粒子を好ましく用いることができる。具体的には、架橋ポリメチルメタクリレート樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、無機微粒子としては、アモルファスシリカ、酸化チタン、及びアルミナ等から単独あるいは混合して用いることができる。
微粒子の粒径は、個数基準でピーク値が0.1乃至0.5μm(より好ましくは0.2乃至0.3μm)であることが、コート量にも依存するが磁性キャリア表面の凹凸を形成し、トナー離れを良好にするために必要である。微粒子の中でもアモルファスシリカをゾルゲル法により製造したものが、粒度分布が非常にシャープであり、均一な凹凸を形成することができ、よりトナー離れ及び表面離型性を得る上で好ましい。
また、本発明の磁性キャリアには、コート樹脂に対し、前記微粒子を1乃至40質量部に加え、トナーの帯電量を調整したり、導電性粒子を1乃至15質量部を含有させて、磁性キャリアの体積抵抗を調整することが出来る。
導電性粒子としては、体積抵抗が1×108Ωcm以下のものが好ましく、さらには、体積抵抗が1×106Ωcm以下のものがより好ましい。導電性粒子は、具体的には、カーボンブラック、マグネタイト、グラファイト、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、及び酸化錫から選ばれる少なくとも一種以上の粒子を含有する粒子が好ましい。特に導電性を有する粒子としては、カーボンブラックが、粒径が小さく磁性キャリア表面の微粒子による凹凸を阻害することなく好ましく用いることができる。導電性粒子の粒径は、個数基準でピーク値が10nm乃至60nm(より好ましくは15乃至50nm)であることが、磁性キャリア表面の残留電荷を良好に除去し、かつ磁性キャリアからの脱離を良好に防止するために好ましい。
コート層を形成する樹脂のコート量は、磁性キャリアコア粒子100質量部に対し、0.3乃至4.0質量部であることが、微粒子による表面凹凸の効果を得るために好ましい。0.3質量部より少ないと微粒子を保持できず、微粒子の脱落が起こる等の問題を生じる場合がある。4.0質量部を超えるとコート時に均一なコートができなくなり、チャージアップや、コア表面が露出し、その部分でのトナースペントを生じる場合がある。
本発明の磁性キャリアは、個数基準の平均粒径が10乃至80μmである。平均粒径が10μm未満の粒子は、キャリア付着しやすく、また、80μmを超えるものは、トナーに対して比表面積が小さくなることで良好な帯電付与ができなくなる場合がある。特に高画質化及びキャリア付着を防止する為には、15乃至60μm、好ましくは20乃至45μmが良い。
本発明の磁性キャリアとトナーは、比表面積が合う形で混合して用いることができる。トナー濃度としては、二成分現像剤100質量%に対し、4質量%乃至12質量%程度で用いることが、帯電量付与、カブリ、画像濃度、白抜け防止など考慮して好ましく用いられる。
本発明に用いるトナーにおいては、結着樹脂、着色剤、無機微粒子を有し、更にオイルレス定着に用いられるトナーとして離型剤を含むことが好ましい。
本発明のトナーは、これらの原材料を混合し、溶融混練したのち、機械的衝撃により粉砕し、風力分級等で目的の粒径を得る粉砕法のトナーや、懸濁重合、乳化造粒等によりトナー粒子を得るトナーを用いることが出来る。
以下に、粉砕法のトナーについて詳しく述べる。
本発明において結着樹脂は「ポリエステルユニット」を含有することが望ましい。「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を示し、ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、又は二以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸エステル等のカルボン酸成分とが原料モノマーとして使用できる。
具体的には、例えば二価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
三価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
前記カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6乃至12のアルキル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
前記ポリエステル樹脂は、特に下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をアルコール成分とし、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
また、架橋部位を有するポリエステル樹脂を形成するための三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸、及びこれらの酸無水物やエステル化合物が挙げられる。三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1乃至1.9mol%が好ましい。
また、本発明においては、(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、及び(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、(f)ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物のいずれかから選択される樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いられる離型剤としては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。さらにベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。特に好ましく用いられるワックスとしては、分子鎖が短く、かつ立体障害が少なくモビリティに優れるパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスである。
本発明に用いるトナーにおいては、結着樹脂、着色剤、離型剤、無機微粒子を有するオイルレス定着に用いられるトナーが好ましく、結着樹脂がポリエステルユニットを含むこと、離型剤は、炭化水素系ワックスであり、前記トナーの示差熱分析測定における吸熱曲線において、温度30乃至200℃の範囲に一個又は二個以上の吸熱ピークを有し、前記吸熱ピークの中の最大吸熱ピークの温度が65℃乃至110℃であるトナーが、トナーの凝集度を適度に上げて転写性を向上させ、かつ白抜けなど画像欠陥を良好にできることから好ましく用いることができる。
本発明に用いられる離型剤は、結着樹脂100質量部に対する含有量が1乃至10質量部であることが好ましく、2乃至8質量部であることがより好ましい。前記含有量が1質量部より少ないと、オイルレス定着時にうまく離型性を発揮できなかったり、低温定着性を満足できなかったりすることがある。10質量部を超えると、トナー表面へ離型剤が滲み出しやすくなり、白抜けが悪化する場合がある。
本発明のトナーには、公知の荷電制御剤と組み合わせて使用することもできる。このような荷電制御剤としては、例えば、有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体等が挙げられる。その他には、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類等のカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体等も挙げられる。また、荷電制御剤としては、ビスフェノール類、カリックスアレーン等のフェノール誘導体等も用いられる。本発明では、芳香族カルボン酸の金属化合物を用いることが、帯電の立ち上がりを良好にする上で好ましい。
本発明においては、荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対する含有量が0.1乃至10質量部であることが好ましく、0.2乃至5質量部であることがより好ましい。0.1質量部より少ないと高温高湿から低温低湿までの環境でのトナーの帯電量の変化が大きくなる場合がある。10質量部より多いとトナーの低温定着性に劣る場合がある。
本発明に用いられる着色剤としては、公知の顔料及び染料を単独で、又は併せて用いることができる。例えば染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等が挙げられる。
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
また、フルカラー画像形成用トナーとして使用する場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
係る顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料が挙げられる。
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17;C.I.アシッドブルー6;C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、97、155、180、185、C.I.バットイエロー1、3、20等が挙げられる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1乃至15質量部であることが好ましく、3乃至12質量部であることがより好ましく、4乃至10質量部であることがさらに好ましい。着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表されるような中間色の再現性も低下し易くなり、さらにはトナーの帯電性の安定性が低下し、また低温定着性も得られにくくなる。着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、着色力が低くなり、濃度を出すためにトナーを多く使用しなければならなくなり、ドット再現性を損ないやすく、高い画像濃度の高品位画像が得られ難い。
本発明に用いられるトナーの重量平均粒径は、4.0乃至10.0μmである。前記トナーの重量平均粒径は、4.0μm乃至10.0μmであることが、ドットの再現性、転写効率を十分に満足する上で好ましい。好ましくは5乃至9μmが良い。トナーの重量平均粒径が4.0μmより小さいと、トナーの比表面積が大きくなることから、帯電量をコントロールすることが難しくなり、現像性を低下させ、白抜けも悪化する場合がある。トナーの重量平均粒径が10.0μmを超えると、ドットの再現性に劣り、高画質化に問題がある。トナーの重量平均粒径は、製造時におけるトナー粒子の分級や、分級品の混合等によって調整することが可能である。
トナーには、流動性、転写性、特にトナー離れを良化して白抜けを向上させる目的で、微粒子を外添して用いる。トナー表面に外添される外添剤としては、そのうちの一つが無機微粒子であり、少なくとも、酸化チタン、酸化アルミナ、シリカのうちいずれか一種類以上であり、無機微粒子の平均粒径(個数分布のピーク値)が80nm以上200nm以下であることが、キャリアとのトナー離れを良化するためのスペーサー粒子として機能させる上で好ましい。また、前記外添剤には、平均粒径(個数分布のピーク値)が50nm以下の微粒子を併用して用いることが、トナーの流動性を向上させる上で好ましい。
次に本発明で用いる感光体について述べる。
〔有機光導電体:OPC〕
導電性基体としては、アルミニウム・ステンレス等の金属、アルミニウム合金・酸化インジウム−酸化錫合金等による被膜層を有するプラスチック、導電性粒子を含侵させた紙・プラスチック、導電性ポリマーを有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフィルムが用いられる。
これら導電性基体上には、感光層の接着性向上・塗工性改良・基体の保護・基体上に欠陥の被覆・基体からの電荷注入性改良・感光層の電気的破壊に対する保護等を目的として下引き層を設けても良い。下引き層は、ポリビニルアルコール・ポリ−N−ビニルイミダゾール・ポリエチレンオキシド・エチルセルロース・メチルセルロース・ニトロセルロース・エチレン−アクリル酸コポリマー・ポリビニルブチラール・フェノール樹脂・カゼイン・ポリアミド・共重合ナイロン・ニカワ・ゼラチン・ポリウレタン・酸化アルミニウム等の材料によって形成される。その膜厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μm程度である。
電荷発生層は、アゾ系顔料・フタロシアニン系顔料・インジゴ系顔料・ペリレン系顔料・多環キノン系顔料・スクワリリウム色素・ピリリウム塩類・チオピリリウム塩類・トリフェニルメタン系色素、セレン・非晶質シリコン等の無機物質等の電荷発生物質を適当な結着剤に分散し塗工する或いは蒸着等により形成される。中でもフタロシアニン系顔料が感光体感度を本発明に適合する感度に調整する上で好ましい。結着剤としては、広範囲な結着性樹脂から選択出来、例えば、ポリカーボネート樹脂・ポリエステル樹脂・ポリビニルブチラール樹脂・ポリスチレン樹脂・アクリル樹脂・メタクリル樹脂・フェノール樹脂・シリコーン樹脂・エポキシ樹脂・酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80重量%以下、好ましくは0〜40重量%に選ぶ。又、電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜2μmが好ましい。
電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工する事によって形成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電荷輸送物質としては、主鎖又は側鎖にビフェニレン・アントラセン・ピレン・フェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物、インドール・カルバゾール・オキサジアゾール・ピラゾリン等の含窒素環式化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、セレン・セレン−テルル・非晶質シリコン・硫化カドニウム等が挙げられる。
これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂・ポリエステル樹脂・ポリメタクリル酸エステル・ポリスチレン樹脂・アクリル樹脂・ポリアミド樹脂等の樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール・ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポリマー等が挙げられる。
また、表面層として、保護層を設けてもよい。保護層の樹脂としては、ポリエステル・ポリカーボネート・アクリル樹脂・エポキシ樹脂・フェノール樹脂、或いはこれらの樹脂の硬化剤等が単独或いは2種以上組み合わされて用いられる。
また、保護層の樹脂中に導電性微粒子を分散してもよい。導電性微粒子の例としては、金属・金属酸化物等が挙げられ、好ましくは、酸化亜鉛・酸化チタン・酸化スズ・酸化アンチモン・酸化インジウム・酸化ビスマス・酸化スズ被膜酸化チタン・スズ被膜酸化インジウム・アンチモン被膜酸化スズ・酸化ジルコニウム等の超微粒子がある。これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。一般的に保護層に粒子を分散させる場合、分散粒子による入射光の散乱を防ぐ為に入射光の波長よりも粒子の粒径の方が小さい事が必要であり、本発明における保護層に分散される導電性、絶縁性粒子の粒径としては0.5μm以下である事が好ましい。また、保護層中での含有量は、保護層総重量に対して2〜90重量%が好ましく、5〜80質量%がより好ましい。保護層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。
表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコーティング、ビームコーティングあるいは浸透(ディッピング)コーティングする事によって行うことが出来る。
〔無機光導電体:アモルファスシリコン系感光体(a−Si)〕
a−Si:Hを用いた画像形成装置用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法(以下、「PCVD法」と称する)等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。なかでもPCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上に順次a−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
[支持体]
本発明において使用される支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、Feなどの周知の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
また、レーザー光などの可干渉光を用いた場合の干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消する別の方法として、帯電キャリアの減少が実質的にない範囲で支持体の表面に複数の球状痕跡窪みによる凹凸形状を設けたり、感光層の下側に光吸収層等の干渉防止層或いは領域を設けても良い。
[光導電層]
本発明において、その目的を効果的に達成するために支持体上、必要に応じて下引き層上に形成され、感光層の一部を構成する光導電層は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成される。
グロー放電法によって光導電層を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体上にa−Si:H,Xからなる層を形成すればよい。
伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、周知の如く、p型伝導特性を与える周期表13族元素またはn型伝導特性を与える周期表15族元素を用いることができる。
本発明において、光導電層の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは20〜50μm、より好ましくは23〜45μm、最適には25〜40μmとされるのが望ましい。
本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有する光導電層を形成するために、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体温度を適宜設定することが必できる。
[表面層]
本発明においては、上述のようにして支持体上に形成された光導電層の上に、更に表面層を形成することが好ましい。この表面層は自由表面を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発明の目的を達成するために設けられる。
表面層は、アモルファスシリコン(a−Si)系の材料や、例えば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)、または、アモルファスカーボン(a−C:H,X)等の材料が好適に用いられる。
表面層をa−SiCを主成分として構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対して30%から90%の範囲が好ましい。
本発明における表面層の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと感光体を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを超えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる。
さらに本発明においては、光導電層と表面層の間に、炭素原子、酸素原子、窒素原子の含有量を表面層より減らしたブロッキング層(下部表面層)を設けることも帯電能等の特性を更に向上させるためには有効である。
[電荷注入阻止層]
本発明の画像形成装置用感光体においては、導電性支持体と光導電層との間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設けるのがいっそう効果的である。
電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期表13族元素またはn型伝導特性を与える周期表15族元素を用いることができる。
さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させることによって、該電荷注入阻止層に直接接触して設けられる他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図ることができる。
また、本発明における電荷注入阻止層に含有される水素原子および/またはハロゲン原子は層内に存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。
本発明において、電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
また、本発明の画像形成装置用感光体においては、支持体と光導電層あるいは電荷注入阻止層との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、Si3N4、SiO2、SiO、あるいはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良い。更に、前述のごとく、支持体からの反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けても良い。
本発明の画像形成方法においては電荷容量が1.0乃至8.0μF/m2である、電子写真感光体を用いることが好ましい。より好ましくは1.5乃至6.0μF/m2である。電荷容量が1.0μF/m2より小さい場合、解像度の低い画像では問題はないものの、解像度が上がるに従い、ドットの忠実性が低くなる結果となっている。また、電荷容量が8.0μF/m2より大きい場合、ドットの忠実性高いものの、感光体をうめるトナー電荷が増え、十分に電荷を埋められなかったり、感光体の電位を下げることによるさまざまな、欠陥を拾いやすくなる。電荷容量を変えるためには、感光体の素材を変え、感光体の誘電率を調整する、電荷保持領域の膜厚を変えることにより任意の電荷容量をもつ感光体を作製することが出来る。OPC感光体に関しては、材料により若干異なるが、電荷容量が1.5乃至6.0μF/m2にするためには、電荷保持領域の膜厚が、5乃至20μmの範囲で用いることが望ましい。アモルファスシリコン感光体に関しては、電荷容量が1.5乃至6.0μF/m2にするためには、電荷保持領域の膜厚が、15乃至50μmの範囲で用いることが望ましい。
次に図を用いて本発明の画像形成方法に関して説明する。
図1は本発明を実施した画像形成装置である電子写真方式のフルカラー機の概略構成図である。
図1において、ABCDの各ステーションは、フルカラー画像のそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するがステーションの色順については一切問わない。以下の説明において、例えば一次帯電器21とあれば、ABCD各ステーションにおける一次帯電器21A、21B、21C、21D指すものとする。
それぞれのステーションにおいて、画像形成は次のように行われる。
まず、像担持体である感光ドラム4を回転自在に設け、該感光ドラム4を一次帯電器21で一様に帯電し、次に例えばレーザのような発光素子22によって情報信号を露光して静電潜像を形成し、現像装置9で可視像化する。次に該可視像を転写帯電器23により転写紙搬送シート27により搬送された転写紙24に転写される。
転写紙24は各ステーションでイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像が順に重ね転写される。この4色の各トナー像が積層された転写紙24は定着装置25で熱と圧力とにより混色及び定着され、フルカラー像として装置外に排出される。
本発明に関する物性の好適な測定法について以下に説明する。
<トナー粒子又はトナーの粒度分布の測定>
測定装置としては、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、約1%NaCl水溶液を用いる。電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を、0.1〜5mlを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記測定装置により、試料の体積及び個数を各チャンネルごとに測定して、試料の体積分布と個数分布とを算出する。得られたこれらの分布から、試料の重量平均粒径を求める。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
<微粒子の誘電率の測定>
4284AプレシジョンLCRメータ(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1000Hz及び1MHzの周波数で校正後、周波数100000Hzにおける誘電率εを測定する。
微粒子は、直径25mm、厚さ2mm以下(好ましくは0.5mm〜1.5mm)の円盤状の測定試料にする。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着する。0.49〜1.96N(50〜200g)の荷重をかけた状態で、周波数100000Hz一定とし、温度25℃の温度において、測定することより得られる。得られた、誘電率からサンプル量、比重から、測定時の空隙率を算出し、微粒子の誘電率の校正を行う。
<磁性キャリアの粒径の測定>
磁性キャリア粒子の粒径については、走査電子顕微鏡(5,000倍)により、粒径0.1μm以上の磁性キャリア粒子をランダムに300個以上抽出し、デジタイザにより、個数平均の水平方向フェレ径をもってキャリアの個数平均粒子径とする。
<磁性体、無機微粒子及び微粒子等の粒径の測定>
磁性体の粒径は、キャリアをミクロトーム等により切断した断面を走査電子顕微鏡(20,00乃至50,000倍)により、粒径が0.005μm以上の粒子をランダムに300個以上抽出し、長軸と短軸をデジタイザにより測定し、平均したものを粒径とし、300個以上の粒子の粒径分布のピークになる粒径をもって個数平均粒径を算出する。
<無機微粒子及び外添剤等の粒径の測定>
トナー表面の無機微粒子及び外添剤の粒径については、走査電子顕微鏡(20,000倍)により、粒径0.001μm以上の粒子をランダムに500個以上抽出し、長軸と短軸をデジタイザにより測定し、平均したものを粒径とし、500個以上の粒子の粒径分布のピークになる粒径をもって、0.001乃至0.06μmの範疇でのピーク値を外添剤の個数平均粒径とし、0.06以上の範囲のもののピーク値をもって無機微粒子の個数平均粒径として算出する。
<磁性キャリアの磁化の強さの測定>
磁性キャリアの磁化の強さは、磁性キャリアの磁気特性と磁性キャリアの真比重とから求められる。磁気キャリアの磁気特性は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定することができる。測定方法としては、円筒状のプラスチック容器に十分密になるように磁性キャリアを充填し、一方で1キロエルステッド(79.6kA/m)の外部磁場を作り、この状態で前記容器に充填した磁性キャリアの磁化モーメントを測定する。さらに、前記容器に充填した磁性キャリアの実際の質量を測定して、磁性キャリアの磁化の強さ(Am2/kg)を求める。
<磁性キャリアの真比重の測定>
磁性キャリア粒子の真比重は、乾式自動密度計オートピクノメータにより求めることができる。
<磁性キャリアの見かけ比重の測定>
JISZ−2504により、キャリアの見かけ密度を測定した。
<磁性キャリア、非磁性無機化合物及び磁性体の体積抵抗の測定>
なお、非磁性無機化合物及び磁性体の体積抵抗値は、図2に示した測定装置を用いて行なう。セルEに、キャリア粒子を充填し、該充填キャリア粒子に接するように下部電極11及び上部電極12を配し、これらの電極間に電圧を印加し、そのときに流れる電流を測定することによって体積抵抗を求める方法を用いる。本発明における体積抵抗の測定条件は、充填キャリア粒子と電極との接触面積S=約2.3cm2、厚みd=約0.5mm、上部電極12の荷重180gとする。この条件で、5×105V/mの電界をかけた場合の体積抵抗を測定した。
<白抜けの測定>
転写紙の搬送方向に対して、ハーフトーン横帯(30H 幅10mm)とベタ黒横帯(FFH 幅10mm)を交互に並べたチャートを出力する。その画像をスキャナで読みとり、二値化処理を行う。二値化画像の搬送方向におけるあるラインの輝度分布(256階調)をとり、そのときのハーフトーンの輝度に接線を引き、ベタ部輝度と交わるまでのハーフトーン部後端の接線からずれた輝度の領域(面積:輝度数の和)をもって、白抜け度とする。
A:50以下 殆ど目立たず、非常に良好である。
B:51乃至150 良好である。
C:151乃至300 白抜けはあるが、実用上問題ないレベルである。
D:301乃至600 白抜けが目立ち、問題である。
E:601以上 非常に目立つ。
<ハーフトーン(HT)部の粒状性とハーフトーン(HT)部の均一性の測定>
前記トナー及び前記改造機を用いて30H画像を形成し、この画像を目視にて観察し、前記画像のドットの再現性について以下の基準に基づき評価した。なお、30H画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hをベタ白(非画像)とし、FFHをベタ黒(全面画像)とするときのハーフトーン画像である。
ガサツキの評価レベルは以下のとおりである。
A:全くガサツキを感じなく、なめらかである。
B:ガサツキを余り感じない。
C:ややガサツキ感はあるが、実用上問題ないレベルである。
D:ガサツキ感があり、問題である。
E:非常にガサツキ感がある。
ハーフトーン部の均一性の評価レベルは以下のとおりである。画像濃度に関しては、X−rite社製反射濃度計500 Series Spectrodensitemeterを用いて評価した。
A:全面に渡って、濃度が均一であり。
B:画像先端部での濃度差が、0.3以内であり実用上問題ないレベル。
C:画像先端部での濃度差が、0.3〜0.5以内であり、濃度差が目立つ。
D:画像先端部での濃度差が、0.5以上あり、問題である。
<表面電位変化量の測定>
キヤノン製フルカラー複写機CLC5000改造機を用い、本実施例で用いる感光体を配置する。
現像器に、キャリアのみを入れ、現像ローラー上のキャリアの載り量を、30mg/cm2になるように、規制ブレードで調整した。また、現像ローラーと感光体の間隔は400μmになるように調整した。
更に、レーザーは650nmの半導体レーザーを用い、スポット径を絞り、600dpiで出力出来るようにした。
アモルファスシリコン感光体を用いる場合、キャリアを現像器に入れないときに、非露光部電位:−450V、露光部電位:−100V、バイアス電位をDC:−300V、AC:本体設定に設定した。
OPC感光体を用いる場合は、非露光部電位:−700V、露光部電位:−200V、バイアス電位をDC:−500V、AC:本体設定に設定した。
現像器直後に電位センサー(Trek社製 Model344)を配置し、キャリアがある場合と、ない場合の電位差を求めた。
電位変化量が、10V未満のときは、濃度諧調した画を再現良く出力することが出来た。10V〜30Vでは、軽微ではあるが、高濃度部分の濃度低下が発生した。30V以上では濃度低下、キャリア付着、カブリ、放電等発生しやすくなった。
<トナー電荷量の測定>
表面電位変化量の測定で用いた評価機に、現像剤を入れトナー電荷量の測定を行った。
感光体上のトナー電荷量は、吸引式ファラデーケージ法を用いて求める。吸引式ファラデーケージ法とは、現像剤回収装置を用いて複写機又はプリンターの現像スリーブ上の一定面積における全ての一成分系現像剤を吸引回収し、回収した現像剤の電荷量及び吸引部の面積を測定し、測定された現像剤の電荷量と面積から、現像剤の単位面積当たりの電荷量、すなわち、トナー電荷量(μC/m2)を求める方法である。
この吸引式ファラデーケージ法で用いる現像剤回収装置は、エアーを吸引するための吸引装置部及びこの吸引装置に連結された現像剤を回収するための回収装置部とを有している。回収装置部は、現像スリーブ上の現像剤を吸引するための現像スリーブの外周曲率に対応した曲率の先端部を持った吸引口を有する外筒と、吸引した現像剤を回収するための円筒ろ紙を有する内筒とを有している。
この現像剤回収装置を用いて現像スリーブ上の現像剤の吸引回収を具体的に行うには、現像剤保持体から静電保持体上にトナーを現像し、トナー像が転写紙上に転写されるまでに停止し、上記の現像剤回収装置を用いて、静電保持体上の現像剤を、現像スリーブの一端側から他端側にかけて長手方向に沿って現像剤回収装置の吸引口を現像スリーブ表面に押し付けながら吸引し、吸引した現像剤を円筒ろ紙で回収する。
本実施例で用いた条件の場合、トナー電荷量が500μC/m2より大きい場合、白抜け、濃度ムラ等を改善することが出来た。トナー電荷量が500μC/m2より小さい場合、トナー電荷量が小さくなるに従い、白抜け、ムラ等が顕著にみられるようになった。
本発明に含まれる実施態様を以下に列挙する。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(OPC感光体製造例)
まず、導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50質量部、フェノール樹脂25質量部、メチルセロソルブ20質量部、メタノール5質量部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3000)0.002質量部を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して調製した。この塗料を直径60mmの鏡面加工をしたアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化ナイロン5質量部をメタノール95質量部中に溶解し、中間層用塗料を調製した。この塗料を前記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折のブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを3質量部、ポリビニルブチラール樹脂2質量部及びシクロヘキサノン35質量部を直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、その後に酢酸エチル60質量部を加えて電荷発生層用塗料とした。この塗料を前記の中間層の上に浸漬コーティング法で塗布して、90℃で10分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に下記一般式(5)に表されるスチリル化合物10質量部及びポリカーボネート樹脂10質量部をクロロベンゼン、ジクロロメタン30質量部の混合溶媒中に溶解して調製した塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、120℃で60分間乾燥させ、膜厚15μmの電荷輸送層を形成した。
表面保護層は以下のように作製した。平均粒径0.02μmのアンチモン含有酸化スズ微粒子100質量部、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン(商品名LS−1090、信越化学(株)製)30質量部、95%エタノ−ル−5%水溶液300質量部をミリング処理した後、溶液をろ過、エタノ−ル洗浄後、乾燥、120℃、1時間の加熱処理により酸化スズ微粒子の表面処理を行った。この表面処理済の酸化スズ微粒子に下記構造式で示される結着樹脂100質量部
下記構造式で示される光重合開始剤30質量部
及びエタノ−ル300質量部を混合してサンドミルで96時間分散し、保護層用の塗工液を調製した。
この塗工液を電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、メタルハライドランプにて500mW/cm2の光強度で30秒間紫外線照射して、膜厚3μmの保護層を形成し、負帯電のOPC感光体を作製した。この感光体をOPC感光体1とする。この感光体の電荷容量は1.9μF/m2であった。
(アモルファスシリコン感光体の製造例1、2)
RF−PCVD法による画像形成装置用感光体の製造装置を用い、直径60mmの鏡面加工を施したアルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で負帯電の感光体を作製した。
この感光体をa−Si感光体1とする。この感光体の電荷容量は2.8μF/m2であった。
次に、光導電層の成膜時間のみを減らし、光導電層の膜厚が15μmで、他の膜厚がa−Si感光体1と同じ膜厚を持つ負帯電の感光体を作製した。
この感光体をa−Si感光体2とする。この感光体の電荷容量は5.2μF/m2であった。
(磁性キャリアの製造例1)
個数平均粒径0.25μmのマグネタイト粉と、個数平均粒径0.70μmのチタン酸ストロンチウム粉に対して、夫々4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を親油化処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
6質量部
・親油化処理したマグネタイト 63質量部
・親油化処理したチタン酸スロンチウム粉末 21質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性キャリアコア粒子を得た。
更に、上記で得られた磁性樹脂粒子の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。その際、樹脂粒子表面のシリコーンコート樹脂量が1.0質量部になるように、トルエンを溶媒として10質量%のキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液を剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、磁性樹脂粒子表面への樹脂コートを行った。
この樹脂コートされた磁性キャリア粒子を200℃で3時間撹拌しながら熱処理し、冷却後、解砕した後、200メッシュの篩で分級して個数平均粒子径35μm、体積抵抗2.1×1012、真比重3.6g/cm3、見かけ比重1.85g/cm3、磁化の強さ45Am2/kgのキャリア1を得た。磁性キャリアの処方を表2に、特性を表4に示す。
(磁性キャリアの製造例2〜5)
磁性キャリア製造例1における個数平均粒径0.25μmのマグネタイト粉と、個数平均粒径0.10μmのチタン酸ストロンチウム粉に対して、表2に示す添加比率に変更し、あとは製造例1と同様の条件で、磁性キャリア2〜5を作製した。磁性キャリア処方を表2に、特性を表4に示す。
(磁性キャリアの製造例6)
個数平均粒径0.25μmのマグネタイト粉に対して、4.0質量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内で100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を親油化処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
6質量部
・親油化処理したマグネタイト 84質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性キャリアコア粒子を得た。
あとは製造例1と同様の条件でシリコーン樹脂をコートし、磁性キャリア6を作製した。
(磁性キャリアの製造例7、8)
磁性キャリア製造例1で用いた、チタン酸ストロンチウム粉の代わりに、個数平均粒径0.60μmのヘマタイト粉、シリカ粉を用い、あとは製造例1と同様の条件で、磁性キャリア7、8を作製した。磁性キャリアの処方を表2に、特性を表4に示す。
(磁性キャリアの製造例9、10)
磁性キャリア製造例1で作製した、磁性キャリアコア粒子に、表2に示したたコート材を用い、あとは磁性キャリア1と同様の条件で磁性キャリア9,10を作製した。磁性キャリアの特性を表4に示す。なお、磁性キャリア8で用いたカーボンブラックは、体積抵抗1×10-2Ω・cm、個数平均粒径が30nmであった。
(磁性キャリアの製造例11)
磁性キャリア製造例1で作製した、磁性キャリアコア粒子をコートせず、そのまま磁性キャリア11として用いた。磁性キャリアの特性を表4に示す。
(磁性キャリアの製造例12) 粉砕混練法
スチレン118gと、ブチルメタクリレート82gとを窒素置換したフラスコ内に仕込み、内部温度を130℃に昇温させた後、この温度で10時間重合を行ない、その後、キシレンを100g加え、さらにアゾビスイソブチロニトリル0.5gをキシレン100gに溶解させた溶液を135℃に保ちながら9時間かけて連続添加し、更に2時間重合を行なってスチレンアクリル系樹脂を得た。なお、このスチレンアクリル系樹脂の酸価はJIS K5400法により測定したところ、0KOHmg/g、Tgが60℃であった。このスチレンアクリル系樹脂(1)を20質量部、親油化処理したマグネタイトを60質量部、親油化処理したチタン酸スロンチウム粉末を20質量部をヘンシェルミキサーにより十分混合した後、ベント二軸混練装置により180℃で溶融混練し、これを冷却させた後、フェザーミルにより粗粉砕し、更にジェット粉砕機により微粉砕し、その後、これを風力分級し、更にサフュージングシステム(日本ニューマチック工業社製;SFS−1型)により300℃で加熱処理し、磁性キャリアコア粒子を得た。
あとは製造例1と同様の条件で、磁性キャリア12を作製した。キャリアの特性を表4に示す。
(磁性キャリアの製造例13〜15)
表2に示す条件で、各々高誘電化合物を加え、あとは製造例1と同様の条件で、磁性キャリア13〜15を作製した。キャリアの特性を表4に示す。
(磁性キャリアの製造例16)
磁性キャリア製造例1で用いた、チタン酸ストロンチウム粉の代わりに、個数平均粒径0.60μmのチタン酸カルシウム粉を用い、あとは製造例1と同様の条件で、磁性キャリアコア粒子を得た。
コート材として、メチルメタクリレートとパーフルオロアルキル基(m=7)を有するメチルメタクリレートの共重合体(共重合比8:1 重量平均分子量45,000)をメチルエチルケトン及びトルエンの混合溶媒中に10質量%となるように調整し、更に、メチルメタクリレートの共重合体に対し、カーボンブラックが5質量%なるように。コート溶液を作製した。更に、磁性キャリアコア粒子に対し、メチルメタクリレートの共重合体が2質量なるように、コート溶液の量を調整した。このコート溶液を剪断応力を連続して加えながら溶媒を70℃で揮発させて、磁性樹脂粒子表面への樹脂コートを行った。この樹脂コートされた磁性キャリア粒子を100℃で2時間撹拌しながら熱処理し、冷却後、解砕した後、200メッシュの篩で分級して磁性キャリア16を作製した。磁性キャリアの特性を表4に示す。
(磁性キャリアの製造例17)
表2に示す条件で、チタン酸ストロンチウム及びヘマタイト粉末を加え、あとは製造例1と同様の条件で、磁性キャリア17を作製した。キャリアの特性を表4に示す。
(磁性キャリアの製造例18)
・個数平均粒径0.25μmのマグネタイト粉 100質量部
・アルコキシシラン 4.5質量部
・チタン酸スロンチウム粉末 12質量部
個数平均粒径0.25μmのマグネタイト粉の粒子表面にアルコキシシランを被覆した後、個数平均粒径0.03μmチタン酸スロンチウム粉末を添加し、引き続き、混合撹拌してアルコキシシラン被覆粒子にチタン酸ストロンチウム微粒子粉末を付着させた後、容器内で100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を親油化処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
6質量部
・親油化処理し、チタン酸スロンチウム粉末で表面を被覆したマグネタイト
84質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水10質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて硬化させた。その後、30℃まで冷却し、更に水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性キャリアコア粒子を得た。
あとは製造例1と同様の条件でシリコーン樹脂をコートし、磁性キャリア18を作製した。
・ハイブリッド樹脂の製造方法
ビニル系共重合体として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、コハク酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめてハイブリッド樹脂(1)を得た。
<実施例1>
以下の方法でシアントナー(シアン1)を調製した。
(第一の混練工程)
・ハイブリッド樹脂樹脂(1) 60質量部
・Cuフタロシアニンのろ過工程から、顔料スラリーから水をある程度除去し、ただの一度も乾燥工程を経ずに得た固形分40質量%の第1のペースト状顔料(残りの60質量%は水) 100質量部
上記の原材料を上記の処方でまずニーダー型ミキサーに仕込み、混合しながら非加圧下で昇温させる。最高温度(ペースト中の溶媒の沸点により必然的に決定される。この場合は90〜100℃程度)に達した時点で水相中の顔料が、溶融樹脂相に分配もしくは移行し、これを確認した後、さらに30分間加熱溶融混練させ、ペースト中の顔料を充分に移行させる。その後、一旦、ミキサーを停止させ、熱水を排出した後、さらに130℃まで昇温させ、約30分間加熱溶融混練を行ない、顔料を分散させるとともに水分を留去し、該工程を終了した後、冷却させ、混練物を取り出し第1の混練物を得た。この第1の混練物の含水量は0.5質量%程度であった。
(第二の混練工程)
・ハイブリッド樹脂(1) 92.5質量部
・上記第1の混練物(顔料粒子の含有量40質量%) 12.5質量部
・ ワックスA(パラフィン Tg=68℃) 5質量部
・ジ−ターシャリブチルサリチル酸のアルミニウム化合物(荷電制御剤)0.2質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られたトナー粗砕物を、高圧気体を用いた衝突式気流粉砕機を用いて粉砕した。得られた微粉砕物は、重量平均径4.8μmであった。次に、得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を同時に厳密に除去してシアン分級品を得た。
得られたシアン分級品に対して、疎水化処理した平均粒径40nm酸化チタンを1.0質量部、平均粒径110nmのアモルファスシリカを1.5質量部外添混合し、シアントナー(シアン1)を得た。得られたシアントナーは、重量平均粒径5.5μm、個数平均粒径4.9μmであった。
このシアントナーを8質量部に対し、磁性キャリア1を92質量部をターブラーミキサーにより混合し、現像剤とした。
この現像剤を用いて、キヤノン製フルカラー複写機CLC5000改造機で評価した。感光体を上記で製造したアモルファスシリコン感光体(a-Si感光体1)を用いた。
現像ローラー上の現像剤の載り量は、30mg/cm2になるように、規制ブレードで調整した。また、現像ローラーとアモルファスシリコン感光体の間隔は400μmになるように調整した。
更に、レーザーは650nmの半導体レーザーを用い、スポット径を絞り、1200dpiで出力出来るようにした。また、定着ユニットの定着ローラーの表層をシリコーンチューブに変え、オイル塗布機構を取り外した。常温常湿(NN環境:23℃,60%RH)で初期画像評価を、高温高湿(HH:30℃,80%RH)で下で耐久画出し評価を行った。試験結果を表5に記載する。
<実施例2〜5>
実施例1で用いた磁性キャリア1の代わりに、磁性キャリア2〜5を用い、現像剤を作製した。あとは、実施例1と同じ試験を行った。試験結果を表5に記載する。
<比較例1〜6>
実施例1で用いた磁性キャリア1の代わりに、磁性キャリア6〜11を用い、現像剤を作製した。あとは、実施例1と同じ試験を行った。試験結果を表5に記載する。
<実施例6〜12>
実施例1で用いた磁性キャリア1の代わりに、磁性キャリア12〜18を用い、現像剤を作製した。また、感光体にOPC感光体1を用い、あとは、実施例1と同じ試験を行った。試験結果を表5に記載する。
<実施例13>
実施例1作製した、Cuフタロシアニン顔料の代わりに、C.I.Pigment Yellow−74(以下PY−74と記す)のペースト顔料を用い、イエロートナー(イエロー1)を作製した。なお、結着樹脂100質量部に対し顔料含有量は6質量部になるようにした。更に、C.I.Pigment 57:1(以下PR−57:1と記す)のペースト顔料を用い、顔料含有量は6質量部になるようにしてマゼンタトナー(マゼンタ1)を、カーボンブラックを用い、顔料含有量は5質量部になるようにしてブラックトナー(ブラック1)を作製した。
あとは、実施例1で用いた評価機でフルカラーの画像評価を行ったところ、鮮明な画像欠陥のない画像を得ることが出来た。
<実施例14>
実施例1で用いた感光体の代わりに、a−Si感光体2を用い、あとは、実施例1と同じ試験を行った。
なお、感光体上のトナー量を合わせるために、評価における、電位設定を以下のように変更した。
非露光部電位:−350V、露光部電位:−100V、バイアス電位をDC:−200V、AC:本体設定に設定した。
試験結果を表5に記載する。