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JP4500615B2 - エリシペロトリックス属のその他の菌種である血清型18由来の豚丹毒菌感染防御活性を有する新規ポリペプチドとその遺伝子および製法 - Google Patents

エリシペロトリックス属のその他の菌種である血清型18由来の豚丹毒菌感染防御活性を有する新規ポリペプチドとその遺伝子および製法 Download PDF

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Description

本発明は、エリシペロトリックス属のその他の菌種である血清型18由来の感染防御活性をもつ新規ポリペプチドとこれをコードする遺伝子および該ポリペプチドに対する抗体に関する。更に詳細には、免疫したときに豚丹毒を予防するワクチン等の医薬品組成物を提供するための免疫原としてのポリペプチドとその製造法に関する。
豚丹毒は、豚丹毒菌を原因とする豚の伝染性疾患である。罹患豚は、急性に経過して急死する敗血症型、特徴的な蕁麻疹を呈する亜急性型、および明瞭な臨床症状は呈さないが、しばしば食肉処理場で発見されて問題となる心内膜炎型および関節炎型等の多様な病態を示す。急性型の発生例では高い死亡率が問題となる。一方、慢性型においては発育の遅延等による生産性の低下のほか、食肉処理場において本症が発見された場合には屠体が全部廃棄されるため、その経済的被害は多大となる。また、本菌はヒトに感染して類丹毒症を引き起こす例もあることから、人獣共通感染症の原因菌として公衆衛生面からも問題とされる。
豚丹毒菌は、菌体細胞壁に存在するペプチドグリカン中の耐熱性抗原の血清学的型別から現在26種類の血清型と、その抗原を欠くN型に分類されている。近年、Takahashiら(非特許文献1)はDNA−DNA相同性を用いた分類法を応用し、これらの血清型菌は4つの菌種に分けられることを提言した。すなわち、血清型1a、1b、2、4、5、6、8、9、11、12、15、16、17、19、21およびN型をErysipelothrix rhusiopathiae(以下「Er」と略称する)に、血清型3、7、10、14、20、22および23をErysipelothrix tonsillarum(以下「Et」と略称する)に、血清型13をその他のエリシペロトリックス(Erysipelothrix)属菌種1に、血清型18をその他のエリシペロトリックス属菌種2に分類した。疫学調査から、豚に強い病原性を示す菌種はErで、この中でも特に1a, 1bおよび2型が豚丹毒症例からの分離率が高い。けれども、感染実験の結果からすると、Erの各血清型菌はすべて豚に対する病原性を有しているとされる。
本症の予防のために、わが国では生ワクチンが長く用いられ、その防圧に貢献してきた。生ワクチン株は、血清型1aの強毒株であるKoganei株を、アクリフラビンを添加した培地で長期継代することによって弱毒化したものである。けれども、最近、食肉処理場での慢性型豚丹毒の摘発例が増加傾向となっており、次のような生ワクチンの弱点が指摘されるようになった。第一に、生ワクチンは移行抗体および抗菌剤の使用によりワクチンテイクが阻害されるため、農場によってはワクチン効果が十分発揮できないケースがある。第二に、最近の飼養形態の変化に伴ってSPF豚等の衛生状態のよい動物が多く飼養されるようになり、このような豚に本ワクチンを接種した場合、ワクチン株自体の病原性によって発症する例も認められるようになった。
このような豚丹毒生ワクチンの弱点を克服するため、1997年、わが国において初めて不活化ワクチンの製造が承認され、使用されるに至った。このように、不活化ワクチンには生ワクチンに比べて多くの利点があるものの、Er自体を培養して製造するためコスト高となること、および豚に使用される他のワクチンと混合したとき他の成分と干渉作用を起こしやすく、混合製剤の開発が困難であるなどの問題点がある。従って、Erから、感染防御に関係した抗原ポリペプチドだけを抽出・精製したコンポーネントワクチンが最も望ましく、コスト面から考えると、組換え体を用いて生産することが好ましい。
本菌の感染防御を誘導する抗原に関しては、65−70 kDa の分子量をもつSpaAとよばれる菌体表層に存在するポリペプチドが知られている。Er血清型2型由来の当該遺伝子(spaA)はMakinoら(非特許文献2)により、血清型1の遺伝子についてはShimojiら(非特許文献3)およびImadaら(非特許文献4)により解析され、その配列が明らかにされている。組換え大腸菌により発現されたSpaAポリペプチドで免疫されたマウスおよび豚は、Er生菌による致死的な攻撃から発症が防御されることが明らかにされている。従って、このSpaAポリペプチドは、豚丹毒症の予防ワクチンの重要な成分になり得るものと考えられる。一方で、このSpaAポリペプチドの防御活性はEr血清型1および2に対してしか実証されておらず、野外に常在しているその他のEr血清型菌の攻撃に対し、同様の防御活性を示すかどうかについては不明である。ワクチンに利用する抗原ポリペプチドとしては、様々なEr血清型菌に対して幅広くかつ高度な防御活性をもつもののほうがより好ましい。
Makinoらの報告によると、spaA遺伝子はErの16血清型のうち11の血清型菌(1a, 1b, 2, 5, 8, 9, 12, 15, 16, 17およびN)に存在し、残りの血清型菌(4,6,11,19および21)には認められないとした。そこで、本特許において発明者らは、Erの残りの血清型菌に加えて、その他のエリシペロトリックス属菌種(血清型18)にもspa遺伝子が存在することを見出した。そして、これらの遺伝子の塩基配列から推定したアミノ酸配列を調べると、Erおよびその他のエリシペロトリックス属菌種には、お互いに60%程度の低い相同性をもった3種類のSpaが存在することを見出した。そして、特に、その他のエリシペロトリックス属菌種(血清型18)の有するSpaは、多様な血清型菌の感染に対し最も幅広い防御活性を有することを見出した。従って、今回発見された新しいSpaは、豚丹毒予防ワクチンの有用な成分となることが示され、本発明を完成するに至った。
J.Syst.Bacteriol., 42, 469-437, 1992 Microb.Pathog., 25, 101-109, 1998 Infect.Immun., 67, 1646-1651, 1999 Infect.Immun., 67, 4376-4382, 1999
本発明の目的は、高い安全性と優れた有効性を有するErの多数の血清型に対して防御抗原活性を示すポリペプチド、およびその製造方法を提供することである。本発明の別の目的は、上記ポリペプチドを豚丹毒感染症予防のためのサブユニットワクチンの成分として利用すること、ならびにErに対する抗体測定および診断に用いる抗原に使用することである。
このため、本発明者らは、(a)Er各血清型参考株、特にspaA遺伝子の存在の知られていない血清型4,6,11,19および21ならびにその他のエリシペロトリックス属菌種よりSpa関連遺伝子をクローン化すること、(b)それらの全塩基配列を決定し、塩基配列から予測されるアミノ酸配列に基づいて相同性検索を行うことによりSpa関連ポリペプチドの分類を行なうこと、(c)分類されたSpa関連遺伝子の全長を発現ベクターに組込み、その組換えポリペプチドを発現・精製する。これをマウスに免疫し、交差防御試験により最も幅広い防御スペクトルをもつポリペプチドを選定すること、(d)選択したSpaポリペプチドにつき、最も発現量が多く、収量に優れた部分断片を特定すること、(e)得られたポリペプチドをワクチンの成分として実際に豚に免疫し、Erの生菌で攻撃して感染・発症防御効果を確認すること、ならびに(f) 当該ポリペプチドを用いて、免疫した豚の抗体を測定すること、等を目的として鋭意研究を行なってきた。
その結果、本発明者らは、spaA遺伝子の塩基配列を元に、改変したDNAプライマーを合成し、spaAの存在が知られていなかったErの血清型4,6,11,19および21参考株、およびその他のエリシペロトリックス属菌種2に属する血清型18菌株にもSpa関連遺伝子が存在することを確認した。そこで、すべてのEr各血清型参考株のSpa関連遺伝子をそれぞれベクターDNAにクローン化し、それらの全塩基配列を決定したところ、血清型1a、1b、2、5、8、9、12、15、16、17およびNが保有するspaA遺伝子、血清型4、6、11、19および21が保有する別のSpa関連遺伝子(spaBと名づけた)、および血清型18が保有するさらに別のSpa関連遺伝子(spaCと名づけた)の3種類の遺伝子が存在することを見出した。次に、spaA、spaBおよびspaC 遺伝子をそれぞれ大腸菌で発現させ、各Spaポリペプチドでマウスを免疫した。これに対し、それぞれ異なるSpaをもつEr血清型菌により攻撃して交差防御試験を行ったところ、SpaCポリペプチドが最も幅広い血清型菌に対して防御効果を示すことが判明した。次に、大腸菌内でのSpaCポリペプチドの発現量を向上させる目的で、C末端付近の237アミノ酸を除去した新たな欠失変異ポリペプチド(SpaCΔCと名づけた)を構築した。その結果、SpaCΔCポリペプチドは全長のSpaCポリペプチドに比べて、大腸菌内での発現量は約10倍上昇し、タンパク量あたりの防御活性も、SpaCポリペプチドと変わらなかった。このことから、SpaCΔCポリペプチドは、全長のSpaCに比べて、豚丹毒予防ワクチンの成分としてより好適であることが判明した。また、当該ポリペプチドを抗原としたELISAを行なうことによって、免疫豚の血清中のSpaポリペプチドに対する抗体が検出されたことから、SpaCΔCポリペプチドはErに対する抗体を検出するための抗原としても有用であることがあわせて示され、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下を要点とするものである。
(1) 以下の(a)、(b)、(c)または(d)に示すポリペプチド。
(a) 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(b) 配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列において1個または数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつErに対する感染、発病防御免疫活性を有するポリペプチド、
(c) 配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列を有するポリペプチド、
(d) 配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列において1個または数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつErに対する感染、発病防御免疫活性を有するポリペプチド。
(2) (1)に記載のポリペプチドをコードするDNA。
(3) 配列表の配列番号2および4に示すヌクレオチド配列を有する、(2)に記載のDNA。
(4) (2)に記載のDNAを含むことを特徴とする組換え発現ベクター。
(5) (4)に記載の発現ベクターによりErの感染防御免疫活性を有するポリペプチドを生産するように形質転換されたことを特徴とする形質転換体。
(6) (5)に記載の形質転換体を培養し、形質転換体に(1)に記載のポリペプチドを生産させ、該ポリペプチドを精製することを特徴とする(1)に記載のポリペプチドの製造方法。
(7) (1)に記載のポリペプチドを成分として含有することを特徴とする豚丹毒症に対する予防ワクチン。
(8) (1)に記載のポリペプチドを認識することを特徴とするモノクローナルおよびポリクローナル抗体。
(9) (1)に記載のポリペプチド、(2)に記載のDNA、(5)に記載の形質転換体または(8)に記載の抗体を用いることを特徴とするErの検出方法、抗体検査方法および豚丹毒症の診断試薬。
本願の請求項1の発明によれば、豚に免疫したときにEr強毒株の攻撃に対し感染、発病を完全に防御するポリペプチドを得ることができ、請求項7に記載した豚丹毒に対するワクチンとして用いることができる医薬品組成物を提供することができる。
また、請求項2の発明によれば、このポリペプチドをコードする遺伝子が得られ、請求項4、5および6の遺伝学的手法により発現させることで、当該ポリペプチドを単純工程で大量かつ安価に製造することができる。
更に請求項8および9の発明によれば、請求項1に示したポリペプチドに特異的な抗体を得、これを用いて豚丹毒の診断あるいはワクチン接種豚の免疫状態を把握するための抗体検出を実施することができる。
<1>本発明ポリペプチド
本発明ポリペプチドはErに対する感染防御免疫を誘導する上記(a)、(b)、(c)または(d)に規定する例えば配列番号1および3に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドおよびその変異体を提供する。配列番号1に示したSpaCポリペプチドはその他のエリシペロトリックス属菌種2血清型18に特異的な分子量76 kDaのポリペプチドである。本ポリペプチドは、これをコードする配列番号2に示したDNAをもとに、種々の方法によりポリペプチドに翻訳することによって得られる。
配列番号3に示すアミノ酸配列を有するSpaCΔCポリペプチドは、配列番号1のポリペプチドのうち、N末端から427アミノ酸の部分で、すなわち、SpaCポリペプチドのC末端の237アミノ酸を欠失した27kDaの分子量をもつ欠失変異体である。本ポリペプチドは、SpaCポリペプチドのC末端領域に位置する菌体表層へのアンカリング領域と疎水性領域の一部を除去し、感染防御免疫に関係する領域のみに限定したものである。このSpaCΔCポリペプチドは、大腸菌等の形質転換体を利用して遺伝子からポリペプチドに翻訳する際、全長のSpaCに比べてその翻訳効率が非常に高いという利点をもつ。加えて、SpaCΔCポリペプチドのタンパク量当たりの防御免疫誘導能は、SpaCポリペプチドと同等である。本ポリペプチドは、これをコードする配列番号4に示したDNAを種々の方法により翻訳することで得られる。
本発明のポリペプチドには、配列番号1および3に示すアミノ酸配列において1個または数個のアミノ酸配列が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつErに対する感染防御免疫誘導能を示すポリペプチドも含まれる。このような変異の仕方に制限はないが、例えば配列番号1および2に示すポリペプチドをコードするDNA配列を基に、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異などの技術を用いて人工的に変異DNAを作製し、これをポリペプチドに翻訳することにより得る事ができる。また、血清型18の他の菌株からspaC遺伝子をクローン化して翻訳したとき、自然に配列番号1および3と数個のアミノ酸の異なるポリペプチドが得られるかもしれないが、これも本発明に包括される。さらに、配列番号3に示すSpaCΔCポリペプチドはSpaCをもとにC末端の237アミノ酸を欠失した変異体であるから、実際にはSpaCからSpaCΔCの間にあるC末端の1〜237個のアミノ酸欠失変異体もすべて本発明に包括される。本発明に包括されるポリペプチドを別に表現すると、配列番号1および3のアミノ酸配列との相同性が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に95%以上であるべきである。
<2> 本発明DNA
本発明のDNAは、上記(a)、(b)、(c)または(d)に規定する配列番号1および3に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドおよびその変異体をコードするDNAを提供する。好適実施態様により、該DNAは配列番号2および4に示す塩基配列を有するDNAである。本発明のDNAはその他のエリシペロトリックス属菌種2の好ましくは血清型18の染色体DNAからクローン化することにより得ることができる。例えば、当該菌の染色体DNAからゲノムライブラリーを作製し、各クローンを大腸菌等の宿主に形質転換してコードするポリペプチドを宿主内に発現させ、該ポリペプチドに対するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を用いてこの発現ライブラリーをスクリーニングする方法、あるいは配列番号2または4の塩基配列の一部を含むDNAに放射性化合物やDIG等で標識し、これをプローブとしてハイブリダイゼーションによりスクリーニングする方法により得る事ができる。また、別の方法として、配列番号2または4の配列の一部をオリゴヌクレオチドプライマーとし、当該菌の染色体DNAをテンプレートとしてPCRを行ない、増幅したDNA断片をベクターDNAにクローン化する方法も可能である。また、配列番号2または4の塩基配列をもとに、DNA合成機を用いて、直接化学的に配列を合成することも可能である。
請求項2または3に規定されるDNAは、配列番号2または4に示す塩基配列において複数個の塩基配列が欠失、置換もしくは付加された配列を有し、かつErに対する感染防御免疫を誘導する活性を有するポリペプチドをコードするDNAも含まれる。このような変異の仕方に制限はないが、例えば配列番号2または4に示す塩基配列を基に、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異技術などを用いて人工的に変異DNAを作製することができる。また、その他エリシペロトリックス属菌種2 血清型18の他の菌株由来のspaC遺伝子は、配列番号2と複数個の塩基が置換されている可能性がある。また、配列番号4は配列番号2の3’末端の714塩基対を欠失したものであるので、この欠失が1個から714個の範囲にあるものは本発明に含有される。配列番号2および4との塩基配列の相同性で言えば、上記変異体は70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、特に95%以上の相同性を有しているべきである。これら変異DNAは、例えば、50%ホルムアルデヒドを含むハイブリダイゼーション溶液中で、37℃下といったストリンジェントな条件下で、配列番号2または4のDNAとハイブリダイズするDNAとして例示することができる。
<3> 本発明のベクター、形質転換体および形質転換体を用いるポリペプチドの製造方法
本発明は、本発明DNAをベクターに組み込むことにより得られる組換えDNA、この組換えDNAを形質転換することにより得られた形質転換体、およびこの形質転換体を培養し、得られた培養液からSpaCまたはSpaCΔCポリペプチドを回収することを特徴とする該ポリペプチドの製造法を提供する。
請求項(2)および(3)に規定されるspaCおよびspaCΔC遺伝子とその変異体遺伝子を形質転換する際、原核または真核生物である宿主細胞において自立複製または染色体中への組み込みが可能なものを選択することができる。例えば、原核細胞用としてpUCシリーズ(宝酒造社製)、pQEシリーズ(プロメガ社製)、pBluescriptIIシリーズ(ストラタジーン社製)、pETシリーズ(ノバジェン社製)、pHY300PLK(宝酒造社製)など、酵母用ベクターとしてpSG5(ストラタジーン社製)、pBPV(ファルマシア社製)など、動物細胞用としてpcDM8(フナコシ社製)、pREP4(インビトローゲン社製)など、昆虫細胞用としてpBlueBacIII(インビトローゲン社製)など、植物細胞用として、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクターなどを例示することができるが、これらに限定されない。勿論、必要に応じて、市販または文献記載のベクターを任意に改変することも可能であろう。
形質転換体は、本発明DNAを適当な宿主に導入して形質転換することにより得ることができる。宿主細胞には、例えば原核生物としてエシェリシア属、バチルス属などの微生物、真核生物としてサッカロマイセス属、シゾサッカロマイセス属、ピチア属などの酵母類、ヒト胎児腎細胞チャイニーズハムスター卵巣(CHO〉細胞などの哺乳動物細胞、バキュロウイルス感受性昆虫細胞および昆虫体などがあげられる。形質転換法としては、以下のものに限定されないが、塩化カルシウム法、燐酸カルシウム法、酢酸リチウム法、エレクトロポレーション法、プロトプラスト法、スフェロプラスト法,リポフェクション法およびアグロバクテリウム法などを用いることができる。
形質転換された宿主細胞を培養し、発現ベクターに組込まれた目的DNAを発現させ、タンパク質精製に関する公知の方法を利用してSpaC、SpaCΔCおよびその変異ポリペプチドを分離・精製することができる。通常、超音波処理、ホモジナイザー処理および高圧圧縮処理等により宿主細胞を破壊して抽出液を得、この抽出液から、溶媒抽出、塩析、脱塩、有機溶媒沈殿、限外濾過、イオン交換、疎水性相互作用、HPLC、ゲル濾過およびアフィニティークロマトグラフィー、電気泳動、等電点電気泳動などの方法を組合せることによって、分離・精製された当該ポリペプチドを得ることができる。
〈4〉本発明ポリペプチドを成分とする豚丹毒予防ワクチン、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、ならびに抗体を用いた菌検出方法および抗体検査方法
本発明により得られるポリペプチドは、豚丹毒症の対象動物である豚および実験動物に免疫することにより、該動物の血液中に該ポリペプチドに対する抗体が誘導され、その抗体の作用によって該動物はErの強毒菌での攻撃に対し、感染および発病から防御される。このような効果により、該ポリペプチドを豚丹毒症に対するワクチンとして利用することができる。また、該ポリペプチドは上記のように高い免疫原性を有することから、種々の動物に対して抗体産生が可能で、血清中に産生された抗体はポリクローナル抗体として、免疫マウスの脾細胞を元に得られたハイブリドーマの産生する抗体はモノクローナル抗体として、それぞれ利用することができる。このポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、Er特異的に反応することから、種々の抗原抗体反応を応用することにより、感染動物からのErの検出、感染および免疫動物中に産生されたErに対する抗体の検出および定量に応用することができる。
ワクチン製剤に使用する場合の該ポリペプチドの単回投与量は、通常1μgタンパク量以上、好ましくは10μgタンパク量以上、より好ましくは100μgタンパク量以上、特に100μgから1000μgタンパク量である。ポリペプチドをワクチンとする場合、その抗体応答をさらに高めるため、免疫賦活剤(アジュバント)を加えることが好ましい。アジュバントとしては、水酸化アルミニウムゲル、リン酸アルミニウムゲル、植物性または鉱物性油脂と界面活性剤との混合物等を使用することができ、それぞれのアジュバントの特性に従った免疫刺激可能量で配合される。
また、本発明のワクチン製剤には、本発明ポリペプチドの他に、抗原性を有する物質を混合してもよい。例えば、豚由来病原性細菌または病原ウイルス由来抗原が好適であり、より具体的には、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、 マイコプラズマ・ハイオニューモニエ(Mycoplasma hyopeumoniae)、アクチノバシラス・ブルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、ヘモフィルス・バラスイス(Haemophilus parasuis)、大腸菌(Esherichia coli)、サルモネラ・コレレエスイス(Salmonella choleraesuis)、連鎖球菌(Streptococcus suis)、豚繁殖呼吸障害症候群ウイルス(Porcine reproductive and respiratory syndrome virus)、日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus)、豚パルボウイルス(porcine parvovirus)、豚サーコウイルス(porcine circovirus)、豚インフルエンザウイルス(swine influenza virus)、オーエスキー病ウイルス(Aujesky’s disease virus)等を挙げることができる。病原体由来抗原とは、当該菌またはウイルスそのもの、あるいは当該菌またはウイルスより抽出・精製したもの、あるいはその遺伝子をもとに大腸菌やバキュロウイルス等の他の生物で発現させた組換えタンパク質であってもよい。
ワクチン効果の評価は、マウス等の実験動物、あるいは対象動物である豚を用いた免疫・攻撃試験により行うことができるが、例えば次のようにしてもよい。該ポリペプチドをアジュバントと混合し、豚の頚部筋肉内に3〜4週間隔で1 mLずつ2回注射する。対照群は非免疫とする。2回目注射後2週にEr強毒菌の生菌を皮内に注射することにより攻撃し、攻撃後約1週間観察する。ワクチン注射群および対照群の死亡数、豚丹毒症の臨床症状の発現頭数を比較したとき、ワクチン注射群の方が対照群に比べて有意に少ないことでワクチンの効果を判定することができる。マウスを用いて評価する場合は、該ポリペプチドをアジュバントと混合したものを0.2 mLずつ3週間隔で2回皮下に注射する。対照群は非免疫とする。2回注射後2週にEr強毒菌の生菌を各マウスの皮内に注射することにより攻撃し、攻撃後約2週間観察する。ワクチン注射群の死亡数は対照群に比べて有意に少ないことから、ワクチンの効果を判定することができる。
本発明のポリペプチドに対するポリクローナル抗体は、例えば以下のようにして得られる。該ポリペプチドをアジュバントと混合し、ウサギの背部皮下に2〜4週間隔で3〜5回免疫する。最終免疫から2〜3週後に全採血して免疫血清を得る。この血清から、硫安分画法または市販の抗体精製キットを用いてイムノグロブリン分画を採取することによりポリクローナル抗体が得られる。本発明のポリペプチドに対するモノクローナル抗体は、例えば以下のようにして得られる。上記のようにして免疫したマウスから脾臓細胞を回収し、常法(MONOCLONAL ANTIBODYTECHNOLOGY, Elsevier Science Publishers, Amsterdam, 1984)に従ってマウスミエローマ細胞との融合細胞(ハイブリドーマ)を作製する。この中から、該ポリペプチドに対する抗体産生が確認されたハイブリドーマをスクリーニングし、さらにその細胞株をクローニングしたのち、その細胞株の培養上清から、あるいは細胞株を移植されたヌードマウスの腹水から先に述べた方法によりイムノグロブリン分画を採取することにより、モノクローナル抗体を得ることができる。
本発明のポリペプチドに対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体は、豚丹毒罹患豚および豚丹毒ワクチン免疫豚の血清中に存在する抗体の検出および定量に応用することができる。その抗体測定結果は、豚丹毒症の診断、あるいは豚丹毒ワクチン注射による免疫状態の把握において重要な指標となる。また、豚丹毒罹患豚の臓器や関節からのErの検出のための試薬として応用することができる。Erを検出することにより、当該動物が豚丹毒症に罹患しているかどうかを診断することが可能となる。
例えば、豚丹毒症罹患豚の血清中の抗体測定に、当該ポリペプチドに対する抗体を用いた酵素免疫測定法(Enzyme linked immunosorbent assay:ELISA)を以下のようにして応用することができる。炭酸・重炭酸緩衝液 pH9.6等で希釈したウサギポリクロナール抗体を、市販のELISAプレートに分注し、4℃で一夜吸着する。1%ゼラチン溶液等でブロッキングした後、緩衝液で希釈した本発明ポリペプチドを添加し、37℃で約30分間反応させる。次いで被験豚血清を添加し、37℃で約30分間反応後、抗豚IgG酵素標識抗体を加えて37℃で15分間反応させる。洗浄後、基質・発色剤混合液(0.04% オルソフェニレンジアミン、0.02%の過酸化水素を含むクエン酸・リン酸緩衝液 pH5.0等)を加えて室温で20分程度反応させる。停止液(4N 硫酸等)を加えて反応を停止させ、492 nmでの吸光度値を測定する。この吸光度の程度が、被験血清中に含まれる該ポリペプチドに対する抗体レベルを示しており、ワクチン非注射豚においてこの数値が高い場合にはErの感染あったものと診断できる。一方、ワクチン注射豚において、この数値の高低を調べることにより、ワクチン注射により誘導された防御免疫の獲得程度を知ることができる。
一方、同じELISA法を応用して、Erの検出を行なうことができる。前記と同様に炭酸・重炭酸緩衝液等により希釈した本発明ポリペプチドに対するモノクローナル抗体をELISAプレートに吸着させる。ブロッキング後、次いでErの感染の疑われる豚の血液や関節液、臓器やリンパ節などの乳剤を緩衝液で希釈し、プレートに加えて37℃で30分程度反応させる。洗浄後、本発明ポリペプチドに対するウサギポリクローナル抗体を加え、37℃で30分程度反応させ、洗浄後、これに市販の抗ウサギIgG酵素標識抗体を加えて、さらに37℃で15分程度反応させる。洗浄後、基質・発色剤混合液を加え、室温で20分程度反応させた後、停止液を加えて反応を停止させ、492 nmでの吸光度値を測定する。検体中にErが存在した場合には高い吸光度値を示すことから、検体中のErの存在を、培養法に比べてより迅速に検出でき、これにより、検査豚が豚丹毒症に罹患しているか否かを迅速に診断することができる。
上記に例示した他にも、本発明ポリペプチドを用いて周知の抗原抗体反応、例えばウエスタンブロット法、ラテックス凝集反応、蛍光抗体法およびラジオイムノアッセイなどにより、抗体測定およびErの検出を実施することができる。
実施例
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。
ErのspaA及びその関連遺伝子のクローン化
ErのspaA遺伝子を保有することが判明している各血清型菌、及びこれまでspaA遺伝子が検出されていなかったEr血清型菌およびその他のエリシペロトリックス属菌種から、spaA及びその関連遺伝子のクローン化を試みた。
Erの各血清型参考株を0.1% Tween80、1% 牛血清加トリプトース・ホスフェイト・ブロスにて37℃、18時間静置培養した。遠心により回収した菌体を、滅菌蒸留水に浮遊し、100℃、5分間加熱処理後、遠心して上清を回収した。この上清中に含まれる染色体DNAをテンプレートとし、2種類のオリゴヌクレオチドプライマー Er60K-1F(図1、配列番号7)及びEr60K-2RH(図1、配列番号8)を用いてPCRを行なった。その結果、これまでspaAを保有していることが知られているEr血清型1a、1b、2、5、8、12、15、16、17及びNの各血清型菌株において、約1.9 kbの遺伝子断片が増幅された(図2)。次に、spaA遺伝子の存在が知られておらず、上記プライマーによって増幅産物が得られなかったErの血清型菌およびその他のエリシペロトリックス属菌種である血清型4、6、11、19、21および18については、上記プライマーと配列が異なる新たな2種類のオリゴヌクレオチドプライマー Er70-1F(図1、配列番号9)及びEr70-2R(図1、配列番号10)を合成し、これを用いて再度PCRを行なった。その結果、Erの血清型4、6、11、19および21からは約1.9 kbの、その他のエリシペロトリックス属菌種である血清型18から約2 kbのDNA増幅産物が認められた(図2)。これらの血清型菌より増幅されたPCR産物は、フェノール・クロロホルム抽出およびエタノール沈殿により精製後、常法に従いそれぞれベクタープラスミド(pGEM-T Easy、Promega社製)にクローン化した。これをエレクトロポレーション法により大腸菌XL-1 Blue(Stratagene社製)に形質転換し、50μg力価/mLアンピシリン含有LB寒天培地にて、37℃、18時間培養した。形成されたコロニーを、アンピシリン含有LB液体培地に接種して、37℃、18時間振盪培養し、得られた菌液から市販のキット(Qiagen Plasmid Kit、Qiagen社製)を用いて、各プラスミドDNAを抽出、精製した。
spaAおよびその関連遺伝子の塩基配列解析とこれにコードされるポリペプチドの推定アミノ酸配列の比較
プラスミドにクローン化された各血清型菌由来spaA及びその関連遺伝子は、市販キット(BigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit、Applied Biosystem (ABI)社製)を用いたジデオキシシークエンス反応後、全自動塩基配列決定装置(A310型、ABI社製)を用いてその全塩基配列を決定した。得られた塩基配列を元にオープンリーディングフレーム(ORF)を検索し、このORFにコードされるEr各血清型菌由来のSpaAとその関連ポリペプチドのアミノ酸配列を推定した。
今回のPCRにより増幅産物の認められたEr各血清型菌とその他のエリシペロトリックス属菌種由来のSpaA関連ポリペプチドの推定アミノ酸配列について、相互に相同性検索を行なった成績を表1に示した。95%以上の相同性を示すポリペプチドを一つのグループとすると、各ポリペプチドは明確に3つのグループに区分された。SpaAと95%以上の相同性を示すグループ1には血清型1a、1b、2、5、8、12、15、16、17およびNのポリペプチドが属した。一方、SpaAとは60%程度しか相同性を示さないが、お互いには95%以上の相同性を示すグループ2として、血清型4、6、11、19および21由来のポリペプチドが属した。さらに、SpaA及びグループ2のいずれのポリペプチドとも約60%程度の相同性しか示さないグループ3には、血清型18(その他のエリシペロトリックス属菌種)由来のポリペプチドが属した。このように、Er及びその他のエリシペロトリックス属菌種には、菌体表層防御抗原としてSpaAを含めて少なくとも明確に異なる三種類のポリペプチドが存在することが明らかになった。そこで、従来報告のある血清型1および2型のポリペプチドはSpaAと名づけられていることから、今回発見したErの血清型4、6、11、19および21が保有するポリペプチドをSpaB、その他のエリシペロトリックス属菌種の血清型18が保有するポリペプチドをSpaCとそれぞれ新たに命名することとした。
3種類のSpaポリペプチドを、分子内機能ドメイン別にアミノ酸の相同性を比較すると、N末端から29アミノ酸を含むシグナル領域は、SpaA、SpaBおよびSpaCとも、同一の配列であった(図3、4、5および6)。C末端周辺のリピートユニット領域ではそれぞれのポリペプチド間で高い相同性が認められたが、リピートの回数はSpaA及びSpaBは9回であったのに対して、SpaCは10回であった。防御抗原性に関与すると考えられる中間部分のドメインについては、各ポリペプチド間で最も低い相同性を示し、40−50%程度であった。従って、各Spaポリペプチドをワクチンの成分として用いた場合、それぞれ異なった防御抗原性を示す可能性が示唆された。
以上の成績から、Erとその他のエリシペロトリックス属菌種には3種類の菌体表層防御抗原が存在することがはじめて明らかになった。以下、SpaAは血清型1aのFujisawa株、SpaBは血清型6のDolphin E-1株、及びSpaCにはその他のエリシペロトリックス属菌種に属する血清型18の715株由来のポリペプチドをそれぞれ用い、以降の試験に供した。
各Spaポリペプチドの発現と精製
各Spaポリペプチドを、ヒスチジンヘキサマーとの融合タンパク質として組換え大腸菌で発現するために、各遺伝子をpQEシリーズのベクターへ以下のようにしてクローン化した。
spaAとspaB遺伝子については、各プラスミドDNAをBamHIとHindIIIで二重消化して約1.9 kbのDNA断片を切り出し、同じ制限酵素で切断したpQE9ベクターに連結した。spaC遺伝子については、BamHIとSalIで二重消化して約2 kbのDNA断片を切り出し、これを同じ制限酵素で切断したpQE30ベクターに連結した。エレクトロポレーション法により各連結体を大腸菌XL-1 Blueに形質転換し、アンピシリンを含むLB寒天培地で培養し、コロニーを形成させた。
平板上に形成されたコロニーをそれぞれ選択し、アンピシリンを含むLB液体培地250 mLに接種し、37℃、18時間振盪培養した。この培養液から、遠心により菌体を回収し、これを1 mM イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)を含むLB培地250 mLに再浮遊し、さらに37℃、4時間振盪培養することによって各Spaポリペプチドを発現した。各ポリペプチドを発現した大腸菌は、遠心により回収し、超音波破砕装置(Sonic Power、Branson社製)を用いてレベル5で20秒、数回の超音波処理によって菌体を破砕した。これを10,000×gで20分間遠心し、沈殿した各Spaポリペプチドを3.5Mグアニジンバッファー(pH 7.4)に浮遊して可溶化した。可溶化された各Spaポリペプチドは、ニッケルレジンアフィニティーカラムクロマトグラフィー(キアージエン社製)により、付属の取扱い説明書に従って精製操作を行った。
SpaA、B及びCポリペプチドの交差防御免疫誘導能
5週齢のddYマウス160匹を使用し、40匹ずつ4群に分け、それぞれSpaA、SpaBおよびSpaCの各ポリペプチド40μgタンパク量/匹を市販水中油滴型アジュバント(セピック社製)と等量混合し、3週間隔で2回皮下に注射して免疫した。残りの40匹は非注射対照とした。第2回注射後2週に各群をさらに10匹ずつ4区に分け、Er血清型1a、2、6および18の生菌をそれぞれ0.1ml皮下接種して攻撃した。攻撃菌量は順に2.9×10、3.8×10、4.1×10および6.9×10 CFUであった。攻撃後2週間観察し、生死により防御効果を判定した。
非注射対照群は、いずれの血清型菌の攻撃に対してもすべて死亡した(表2)。SpaAを保有する血清型1aおよび2型菌の攻撃に対しては、SpaAおよびSpaCの両免疫群で高度な防御が認められたが、SpaB免疫群では1a型菌攻撃に対して9匹、2型菌攻撃に対して5匹が死亡し、防御効果が認められなかった。同様に、SpaBを保有する血清型6の攻撃に対しては、SpaBおよびSpaC免疫群では防御されたが、SpaA免疫群では5匹が死亡し、防御の程度は不十分であった。SpaCを保有する血清型18の攻撃に対しては、SpaC免疫群で高度な防御がみられたが、SpaAおよびSpaB免疫群でそれぞれ3および4匹が死亡し、防御の程度は中等度であった。以上の成績から、3種類のSpaのうち、各血清型菌の攻撃に対して最も高い交差防御抗原性を示すものはSpaCポリペプチドであることが判明した。
SpaCΔCポリペプチドの作出とその免疫原性
大腸菌における全長のSpaCポリペプチドの発現量は低かった。そこで、SpaC分子を機能領域(ドメイン)ごとに見ると、C末端付近に存在するリピート領域及びプロリンおよびグリシンを多く含む疎水性領域は、StreptococcusやClostridiumなどの他のグラム陽性菌の例(Pancholi, V. and Fischetti, V.A., J.Bacteriol.,170, 2618-2624, 1988; Yother, J. and Briles, D.E., J.Bacteriol.,174, 601-609, 1992)から類推して、当該ポリペプチドの菌体表層への結合にかかわるものと思われた。従って、本領域は防御抗原性には直接関与しないと考えられたため、C末端から237アミノ酸を除去したポリペプチド(以下SpaCΔCと呼ぶ)を作出する目的で、spaC遺伝子の3’末端から714bpを欠損したDNA断片を構築した。当該断片を増幅するため、Er70-1F(図1、配列番号9)及びEr70K18-2R(図1、配列番号11)という2種類のオリゴヌクレオチドプライマーを合成し、spaC遺伝子をテンプレートとしてPCRを行なった。増幅された約1.3 kbのDNA断片は、実施例2と同様にpGEM-Easyベクターにクローニングし、塩基配列を決定することによって所定のDNA断片が挿入されていることを確認した。次いで、本遺伝子断片にコードされるSpaCΔCポリペプチドを大腸菌内でヒスチジンヘキサマーとの融合タンパクとして発現するため、実施例2と同様に、制限酵素BamHIとSalIで切断することにより遺伝子断片を切り出し、同じ酵素で切断したpQE30発現用ベクターにクローン化した。このプラスミドを形質転換した大腸菌では、SpaCΔCポリペプチドの配列から予想される分子量である約49 kDaの位置に大量のポリペプチドの発現が認められた(図7)。一方、全長のspaC遺伝子を含むプラスミドを形質転換した大腸菌では、SpaCの分子量に一致する76 kDa付近とその分解産物と思われる50〜40 kDa付近に薄いバンドが認められた。SpaCΔCポリペプチドは、発現大腸菌を破砕して抽出し、ニッケルレジンアフィニティーカラムクロマトグラフィーを用いて実施例2と同様に精製を行った。
このSpaCΔCポリペプチドが、元のSpaC分子と同様に免疫原性があるか、そして、免疫したときに複数の血清型菌の攻撃に対する交差防御性が失われていないかの確認を試みた。5週齢のddYマウス90匹を使用し、30匹には全長のSpaCポリペプチドを、他の30匹にはSpaCΔCポリペプチドを、それぞれ1匹当たり40μgタンパク量となるように調製し、アジュバントとともに3週間隔で2回皮下に注射した。残りの30匹は非免疫対照群とした。第2回注射後2週に各群をさらに10匹ずつの3群に分け、それぞれEr血清型1a、6または18型の生菌を各0.1mlずつ皮下接種して攻撃した。攻撃菌量はそれぞれ3.3×10 CFU (1a型), 4.6×10 CFU (6型)、及び 7.1×10 CFU (18型)であった。攻撃後2週間観察し、生死により防御効果を判定した。
全長のSpaCポリペプチドを免疫したマウスでは、1型菌攻撃で10匹中7匹が、6型菌攻撃で7匹が、及び18型菌攻撃で8匹がそれぞれ生残した(表3)。一方、SpaCΔCポリペプチドを免疫したマウスでは、1型菌攻撃で10匹が、6型菌攻撃で9匹が、及び18型菌攻撃で9匹がそれぞれ生残した。
以上の成績から、C末端に存在する237アミノ酸を除去したSpaCΔCポリペプチドは、全長のSpaCポリペプチドと比較して同等以上の免疫原性があり、交差防御能も担保されていた。このことは、Spaポリペプチドにおいて、防御抗原性はN末端から中間部分に渡って存在し、C末端付近のリピート領域には存在しないというShimojiら(Infect. Immun,67: 1646-1651, 1999)の報告と一致していた。SpaCΔCポリペプチドは全長のSpaCに比べて大腸菌での発現効率が10倍以上であることから、豚丹毒予防ワクチンの成分として極めて有用であると考えられた。
SpaCΔCポリペプチドの豚における免疫試験
SpaCΔCポリペプチドの免疫原性を、実際の対象動物である豚を用いて確認することとした。
試験には4週齢のSPF豚9頭を供試した。3頭ずつ3群に分け、第1群にはSpaCΔCポリペプチドを1頭当たり200μgタンパク量となるよう調製し、市販の豚用アジュバントNo.11(セピック社製)とともに3週間隔で2回注射した。第2群は第1群と同量のSpaCΔCポリペプチドを、市販の豚用アジュバントNo.13(セピック社製)とともに同様に注射した。第3群は非注射対照とした。各免疫豚は、最終免疫後2週に対照群とともに、Er藤沢株(血清型1a)1.0×10 CFUを皮内接種することにより攻撃した。攻撃後1週間臨床観察を行い、試験終了時に剖検し、各臓器について肉眼的に観察するとともに、菌分離を行った。また各群の豚について免疫前と攻撃時に採血を行い、血清中に産生されたSpaCΔCポリペプチドに対する抗体を以下に記載するELISAによって調べた。
ELISA用の市販96穴マイクロプレートの各穴に、炭酸重炭酸緩衝液pH9.6で10,000倍に希釈したSpaCΔCポリペプチドに対するウサギポリクロナール抗体を添加し、4℃で一夜静置して吸着させた。0.05%Tween80添加生理食塩水で洗浄後、1%ゼラチン液を加え、室温で1時間以上静置してブロッキングした。洗浄後、0.25μgタンパク量のSpaCΔCポリペプチドを加え、37℃で30分間反応させた。次いで洗浄後、0.05%Tween80−1%ゼラチン加PBS(−)により100倍に希釈された豚血清を加え、37℃で約30分間反応した。洗浄後、10,000倍に希釈した抗豚IgGペルオキシダーゼ標識抗体(ロックランド社製)を加え、37℃、15分間反応させた。洗浄後、基質・発色剤混合液(0.04% オルソフェニレンジアミン、0.02% 過酸化水素を含むクエン酸・リン酸緩衝液 pH5.0)を加えて30℃、20分間反応後、2M硫酸を加え発色を停止した。各穴について492nmにおける吸光度(OD)を測定し、E値[(被験血清のOD値−指示陰性血清のOD値)÷(指示陽性血清のOD値−指示陰性血清のOD値)]を算出した。E値0.1以上を陽性と判定した。
2種類の市販豚用アジュバントを用いてSpaCΔCポリペプチドを免疫したワクチン群の豚には、いずれも注射に伴う発熱、沈うつ等の副反応は認められず、また注射局所にも発赤、硬結等の異常はなく、SpaCΔCポリペプチドは、豚用ワクチンの成分として安全に使用できることが確認された。
各群に対するEr生菌攻撃後、対照群は重度の臨床症状を呈し、全頭が死亡した(表4)。これらの死亡豚の各臓器からは攻撃菌が純培養状に分離された。一方、二種類のアジュバントを用いてSpaCΔCポリペプチドを免疫した両ワクチン群では、いずれも臨床症状を示さず、死亡豚も認められなかった。剖検においても、いずれの豚の臓器からも攻撃菌は回収されなかった。
抗体検査において、試験開始前のすべての豚で、SpaCΔCポリペプチドに対する抗体は検出されなかった。第2回注射後2週(攻撃時)には、SpaCΔCポリペプチドを免疫した両ワクチン群のすべての豚で抗体が陽転した。一方、対照群の3頭は、すべて陰性に経過した。
以上の成績から、SpaCΔCポリペプチドは、いずれの市販豚用アジュバントを用いた場合でも、豚において抗体産生が可能で、免疫することによってErの生菌攻撃に対して高度な防御を付与できることが判明した。このことから、SpaCΔCポリペプチドは豚丹毒予防ワクチンの成分として有用であることが実証された。
また、SpaCΔCポリペプチドに対するウサギポリクロナール抗体をELISAによって、ワクチン注射により上昇した抗体を検出することが可能で、本ELISAによる抗体検査成績と攻撃試験による防御効果とはよく一致していた。従って、SpaCΔCポリペプチドを抗原に用いた抗体測定を実施することによって、Erに対する抗体レベルを知ることができる。
単純工程で調製したSpaCΔCポリペプチドを用いた豚での免疫試験
実施例6では、ニッケルレジンアフィニティーカラムクロマトグラフィーを用い、高度に精製したSpaCΔCポリペプチドを免疫原に使用し、感染防御活性があることが確認された。けれども、実際にワクチンの抗原として用いるには、やや純度は劣るものの、大量かつ安価にポリペプチドを得る方法を確立することが必要となる。そこで、以下に述べるような単純な工程において調製されたSpaCΔCポリペプチドが、豚に対して免疫原性を保持しているかどうかの検討を行なった。
実施例3に述べたようにしてSpaCΔCポリペプチドを発現した大腸菌を、培養液から遠心して回収し、超音波破砕装置(Sonic Power、Branson社製)を用いてレベル5で20秒、数回の超音波処理を行なうことにより菌体を破砕した。これを10,000×gで20分間遠心し、沈殿に回収されたSpaCΔCポリペプチドを3.5Mグアニジンバッファー(pH 7.4)に浮遊して可溶化した。これを室温で15,000rpm、5分間遠心して不溶性の沈さを除去し、得られた上清をSpaCΔCポリペプチド溶液とし、これをワクチンの調製に用いた。
約4週齢のSPF豚6頭を用い、3頭を免疫群、残り3頭を非注射対照群とした。免疫群の豚には、上記のようにして調製したSpaCΔCポリペプチドを、1頭1回当たり100μgタンパク量となるよう調製し、No.13アジュバントとともに3週間隔で2回、筋肉内に注射した。残り3頭は非注射対照とした。第2回注射後2週にEr藤沢株(血清型1a)1.2 ×10 CFUを皮内に接種して攻撃した。攻撃後1週間臨床観察を行い、試験終了時に剖検し、各臓器からErの分離を行った。
攻撃後、対照群は重度の臨床症状を呈して、全頭が死亡した(表5)。死亡豚の各臓器からはErが純培養状に分離された。一方、単純工程で調製したSpaCΔCポリペプチドで免疫した豚はいずれも臨床症状を示さず、臓器からもErは分離されなかった。
以上の成績から、大量かつ安価にポリペプチドの調製が可能な単純工程により得られたSpaCΔCポリペプチドにおいても、高度に精製されたものと同様に、豚に免疫することによってEr強毒株の攻撃に対し、感染・発病を完全に防御できる活性を有することが確認された。従って、このような比較的単純な工程により、十分な防御抗原性をもつSpaCΔCポリペプチドが得られたことは、実際のワクチン製造を行なう上で、非常に有用であると考えられた。

本願の請求項1の発明によれば、豚に免疫したときにEr強毒株の攻撃に対し感染、発病を完全に防御するポリペプチドを得ることができ、請求項7に記載した豚丹毒に対するワクチンとして用いることができる医薬品組成物を提供することができるので、本願発明は有用である。
また、請求項2の発明によれば、このポリペプチドをコードする遺伝子が得られ、請求項4、5および6の遺伝学的手法により発現させることで、当該ポリペプチドを単純工程で大量かつ安価に製造することができるので、本願発明は有用である。
更に請求項8および9の発明によれば、請求項1に示したポリペプチドに特異的な抗体を得、これを用いて豚丹毒の診断あるいはワクチン接種豚の免疫状態を把握するための抗体検出を実施することがでるので、本願発明は有用である。
Er各血清型菌におけるSpaA、SpaB、SpaC およびSpaCΔC遺伝子のPCRクローニング用プライマー。 Er各血清型菌におけるSpaA、SpaBおよびSpaC遺伝子のPCRによる検出 (Mは分子量マ−カ−:上から10、8, 6, 5、4、3、2.5、2、1.5、1および0.5 kb) 各Spaポリペプチドの分子構造比較。 SpaA(血清型1a)とSpaB(血清型6)各ポリペプチドのアミノ酸配列の比較。 SpaA(血清型1a)とSpaC(血清型18)各ポリペプチドのアミノ酸配列の比較。 SpaB(血清型6)とSpaC(血清型18)各ポリペプチドのアミノ酸配列の比較。 SpaCの全長およびC末端領域欠損断片の大腸菌での発現の電気泳動写真。

Claims (9)

  1. 以下の(a)、(b)、(c)または(d)に示すポリペプチド。
    (a)配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列を有するポリペプチド、
    (b)配列表の配列番号1に示すアミノ酸配列において1個または数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつ豚丹毒菌に対する感染、発病防御免疫活性を有するポリペプチド、
    (c)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列を有するポリペプチド、
    (d)配列表の配列番号3に示すアミノ酸配列において1個または数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつ豚丹毒菌に対する感染、発病防御免疫活性を有するポリペプチド。
  2. 請求項1に記載のポリペプチドをコードするDNA。
  3. 配列表の配列番号2および4に示すヌクレオチド配列を有する、請求項2に記載のDNA。
  4. 請求項2に記載のDNAを含むことを特徴とする組換え発現ベクター。
  5. 請求項4に記載の発現ベクターにより豚丹毒菌の感染防御免疫活性を有するポリペプチドを生産するように形質転換されたことを特徴とする形質転換体。
  6. 請求項5に記載の形質転換体を培養し、形質転換体に請求項1に記載のポリペプチドを生産させ、該ポリペプチドを精製することを特徴とする請求項1に記載のポリペプチドの製造方法。
  7. 請求項1に記載のポリペプチドを成分として含有することを特徴とする豚丹毒症に対する予防ワクチン。
  8. 請求項1に記載のポリペプチドを認識することを特徴とするモノクローナルおよびポリクローナル抗体。
  9. 請求項1に記載のポリペプチド、請求項2に記載のDNAまたは請求項8に記載の抗体を用いることを特徴とする豚丹毒症の診断試薬。
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