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JP4590755B2 - 同期電動機の制御装置 - Google Patents

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JP4590755B2
JP4590755B2 JP2001056077A JP2001056077A JP4590755B2 JP 4590755 B2 JP4590755 B2 JP 4590755B2 JP 2001056077 A JP2001056077 A JP 2001056077A JP 2001056077 A JP2001056077 A JP 2001056077A JP 4590755 B2 JP4590755 B2 JP 4590755B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は同期電動機の制御装置に関し、詳しくは、エンコーダやレゾルバなどの磁極位置検出器によって電動機の磁極位置を検出しないで永久磁石同期電動機等の速度やトルクを制御する、いわゆる位置センサレス同期電動機の制御装置において、電動機のインダクタンスを自動測定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石同期電動機の速度やトルクを高性能に制御するには、一般には電動機の回転子の磁極位置を検出する位置検出器を電動機に取り付ける必要がある。しかるに、上記検出器は一般に高価で、また電動機の構造や設置環境の点から位置検出器を取り付けられない場合がある。
この問題を解決するため、磁極位置を電動機の電圧や電流などから電気的に演算で求める方法、いわゆるセンサレス制御が研究されている。
【0003】
センサレス制御においては、同期電動機の電機子巻線のインダクタンスが回転子の磁極位置によって相対的に変化することに基づき、同期電動機のインダクタンスを演算により求めて磁極位置を推定する方法が、例えば第1の公知文献である電学論D,110巻11号,平成2年,P.1193〜1200に「永久磁石界磁同期電動機の回転子位置と速度のセンサレス検出の一方法」(渡辺氏ほか)に記載されている。
【0004】
また、インダクタンスの自動測定法としては、第2の公知文献である電学論D,119巻10号,平成11年,P.1184〜1191に「センサレスPMSMのパラメータ計測法」(竹下氏ほか)が知られている。
上記第2の公知文献による方法は、電機子巻線のu相方向、v相方向、及び、w相方向にパルス電圧を印加し、このときの電流値からインダクタンスを演算するもので、回転子に突極性がある埋込磁石形の永久磁石同期電動機やリラクタンスモータのインダクタンス測定に適しており、また、回転子の磁極位置が分からない状態からも回転子を動かすことなくインダクタンス測定ができる等の特徴を持つ優れた方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記竹下氏らの方式を実用化しようとすると、電流検出器のノイズの影響を除くため、測定を複数回行って平均演算を行う必要がある。しかし、パルス電圧印加時に流れた電流が零に減衰するまでの間、次のパルス電圧を印加できないので測定に時間がかかる。
そこで本発明は、同期電動機のいわゆるセンサレス制御を行うに当たり、電動機のインダクタンス測定を効率よく短時間で行うことができる同期電動機の制御装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、同期電動機の制御装置において、
電動機の電機子電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
電力変換器に与える電圧指令値を得るために任意の一定方向に交番する第1の交流電圧を指令値として選択する手段と、
電力変換器に与える電圧指令値を得るために第1の交流電圧に対し電気角で90°ずれた一定方向に交番する第2の交流電圧を指令値として選択する手段と、
▲1▼第1の交流電圧を選択している時の当該電圧と同一方向かつ同一周波数の交流電流、
▲2▼第1の交流電圧を選択している時の当該電圧と直交方向かつ同一周波数の交流電流、
▲3▼第2の交流電圧を選択している時の当該電圧と同一方向かつ同一周波数の交流電流、
▲4▼第2の交流電圧を選択している時の当該電圧と直交方向かつ同一周波数の交流電流、
の中から少なくとも3つの交流電流と、第1の交流電圧及び第2の交流電圧とを用いて電動機の電機子巻線の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する手段と、を備えたものである。
【0007】
請求項2に記載した発明は、同期電動機の制御装置において、
電動機の電機子電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
電力変換器に与える電圧指令値を得るために任意の一定方向に交番する第1の交流電圧を指令値として選択する手段と、
電力変換器に与える電圧指令値を得るために第1の交流電圧に対し電気角で45°ずれた一定方向に交番する第2の交流電圧を指令値として選択する手段と、
▲1▼第1の交流電圧を選択している時の当該電圧と同一方向かつ同一周波数の交流電流、
▲2▼第1の交流電圧を選択している時の当該電圧と直交方向かつ同一周波数の交流電流、
▲3▼第2の交流電圧を選択している時の当該電圧と同一方向かつ同一周波数の交流電流、
▲4▼第2の交流電圧を選択している時の当該電圧と直交方向かつ同一周波数の交流電流、
の中から少なくとも3つの交流電流と、第1の交流電圧及び第2の交流電圧とを用いて電動機の電機子巻線の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する手段と、を備えたものである。
【0008】
請求項3に記載した発明は、同期電動機の制御装置において、
電動機の電機子電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
電力変換器に与える電圧指令値を得るために任意の一定方向に交番する第1の交流電流を指令値として選択する手段と、
電力変換器に与える電圧指令値を得るために第1の交流電流に対し電気角で90°ずれた一定方向に交番する第2の交流電流を指令値として選択する手段と、
▲1▼第1の交流電流を選択している時の当該電流と同一方向かつ同一周波数の交流電圧、
▲2▼第1の交流電流を選択している時の当該電流と直交方向かつ同一周波数の交流電圧、
▲3▼第2の交流電流を選択している時の当該電流と同一方向かつ同一周波数の交流電圧、
▲4▼第2の交流電流を選択している時の当該電流と直交方向かつ同一周波数の交流電圧、
の中から少なくとも3つの交流電圧と、第1の交流電流及び第2の交流電流とを用いて電動機の電機子巻線の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する手段と、を備えたものである。
【0009】
請求項4に記載した発明は、同期電動機の制御装置において、
電動機の電機子電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
電力変換器に与える電圧指令値を得るために任意の一定方向に交番する第1の交流電流を指令値として選択する手段と、
電力変換器に与える電圧指令値を得るために第1の交流電流に対し電気角で45°ずれた一定方向に交番する第2の交流電流を指令値として選択する手段と、
▲1▼第1の交流電流を選択している時の当該電流と同一方向かつ同一周波数の交流電圧、
▲2▼第1の交流電流を選択している時の当該電流と直交方向かつ同一周波数の交流電圧、
▲3▼第2の交流電流を選択している時の当該電流と同一方向かつ同一周波数の交流電圧、
▲4▼第2の交流電流を選択している時の当該電流と直交方向かつ同一周波数の交流電圧、
の中から少なくとも3つの交流電圧と、第1の交流電流及び第2の交流電流とを用いて電動機の電機子巻線の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する手段と、を備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、請求項1に記載した発明の実施形態である第1実施形態について、その原理を説明する。
図5に座標軸の定義を示す。d軸は回転子磁極方向、q軸はd軸と直交方向に定義する。d軸は任意の方向に定義し、q軸はd軸に対して直交方向に定義する。Δθはd軸とd軸との角度差である。
【0011】
図6に、Δθを横軸にとったときのd軸方向のインダクタンス(以下、d軸インダクタンスという)とd軸方向に流れる交流電流(以下、d軸交流電流という)の振幅とを併せて示す。
電動機のインダクタンスはΔθの2倍周期で変化する関数であり、最小値が直軸インダクタンスL、最大値が横軸インダクタンスLである。一方、d軸交流電流の振幅もΔθの2倍周期で変化する関数であり、最大値をidhmax、最小値をidhmin、平均値をI、Δθに依存した脈動の振幅をIと定義する。
ここで、直軸インダクタンスLと横軸インダクタンスLは、idhmax,idhmin、及び、電動機に印加した交流電圧から計算することができる。
【0012】
上記idhmax,idhminを求める方法としては、d軸方向に交流電圧を印加しながらd軸交流電流を測定し、d軸をゆっくりと回転させて180°(電気角、以下についても同様)以上回転した期間のd軸交流電流の最大値からidhmaxを求め、d軸交流電流の最小値からidhminを求める方法がある。しかし、この方法は測定に時間がかかる欠点がある。
そこで、請求項1の発明では、電動機に印加する電圧ベクトルの方向を電気角で90°ずらして回印加し、このときの交流電流からidhmax,idhminを演算することにより測定時間の短縮を図る。
【0013】
第1回目の測定動作として、任意の座標軸であるd軸方向に矩形波状の交流電圧を印加する。この交流電圧は、請求項1における第1の交流電圧に相当する。このとき、d軸とq軸方向に流れる交流電流の振幅idh1,iqh1は、数式1,数式2により表される。
【0014】
【数1】
Figure 0004590755
【0015】
【数2】
Figure 0004590755
【0016】
なお、数式1,数式2における諸量は以下の通りである。
:直軸インダクタンス、L:横軸インダクタンス
vh:交流電圧v の周期、Vh:交流電圧v の振幅(0−peak)
dh1:d軸交流電流の振幅(0−peak)(1回目)
qh1:q軸交流電流の振幅(0−peak)(1回目)
【0017】
次に、d軸方向の電圧を零に制御し、d軸に対して90°異なるq軸方向に矩形波の交流電圧を印加する。この交流電圧は、請求項1における第2の交流電圧に相当する。
このとき、d軸とq軸方向に流れる交流電流idh2,iqh2は、数式3,数式4により表される。
【0018】
【数3】
Figure 0004590755
【0019】
【数4】
Figure 0004590755
【0020】
また、図6におけるIは、数式1と数式4との平均により、次式によって演算することができる。
【0021】
【数5】
Figure 0004590755
【0022】
一方、図6におけるIは、数式6または数式7によって演算することができる。
【0023】
【数6】
Figure 0004590755
【0024】
【数7】
Figure 0004590755
【0025】
従って、idhmax,idhminは、IとIから数式8,数式9によって容易に演算することができる。
【0026】
【数8】
dhmax=I+I
【0027】
【数9】
dhmin=I−I
【0028】
これらの数式8,数式9を用いて、直軸インダクタンスL及び横軸インダクタンスLは数式10,数式11により演算する。
【0029】
【数10】
Figure 0004590755
【0030】
【数11】
Figure 0004590755
【0031】
図1は、第1実施形態の制御ブロック図を示している。
図1において、30はインバータ等の電力変換器、40は永久磁石同期電動機としての埋込磁石形同期電動機(IPMモータ)、11は電動機40の電機子に流れるu相電流i,w相電流iを検出する電流検出器、12はこれらの電流を図5に示したd−q直交座標軸上のd軸交流電流idc,q軸交流電流iqcに変換する座標変換器、13は各電流idc,iqcの高周波成分idh,iqhを検出する高周波検出フィルタ、14d,14qは平均化演算器、SW,SWはスイッチSW,SWと共に連動するスイッチ、15d,15d,15q,15qはスイッチSW,SWからの出力信号idh1,iqh1,idh2,iqh2を記憶するメモリ、16は発振器17から出力される矩形波状の高周波交流電圧v と前記idh1,iqh1,idh2,iqh2とに基づいて電動機40の直軸インダクタンスL、横軸インダクタンスLを演算するインダクタンス演算器、SW,SWはスイッチSW,SWに連動して動作し、前記交流電圧v と“0”とを切り替えてd軸電圧指令値v 、q軸電圧指令値v として出力するスイッチ、18は各電圧指令値v ,v を三相の電圧指令値v ,v ,v に変換する座標変換器、19は電圧指令値v ,v ,v をキャリア波形と比較して電力変換器30の各相のスイッチング素子に対するPWM信号(駆動信号)を生成するPWM変調器である。
【0032】
この実施形態の動作を説明すると、まず、d軸位置θに零を設定する。
第1回目の測定動作としてスイッチSW,SWの上側をオンし、d軸電圧指令値v としてvh を設定し、q軸電圧指令値v として零を設定する。このとき、発振器17は矩形波状の高周波交流電圧vh を出力している。
【0033】
座標変換器18は、d軸位置θに従ってv ,v を三相電圧指令値v ,v ,v に座標変換する。PWM変調器19は、v ,v ,v とキャリア波形とを比較するPWM動作により電力変換器30に対する駆動信号を演算し、これによって電動機40の端子電圧を所望の値に制御する。
【0034】
電流検出器11はu相電流iとw相電流iを検出し、座標変換器12はi,i及びθからd軸電流idcとq軸電流iqcとを演算する。高周波検出フィルタ13は、idc,iqcを高周波交流電圧v により同期整流してv と同一周波数成分の交流電流idh,iqhを検出する。
平均化演算器14d,14qは、idh,iqhの平均値をそれぞれ演算する。このとき、スイッチSW,SWに連動しているスイッチSW,SWは何れも上側がオンになっているので、平均化演算器14d,14qによる演算結果はそれぞれメモリ15d1,15q1に格納される。
【0035】
次に、第2回目の測定動作としてスイッチSW〜SWの下側をオンし、座標変換器18に入力されるv に零を設定すると共に、v としてv を設定して前記同様の動作を行い、この時の平均化演算器14d,14qによる演算結果をそれぞれメモリ15d2,15q2に格納する。
【0036】
この状態で、メモリ15d1,15q1,15d2,15q2にそれぞれ格納されたidh1,iqh1,idh2,iqh2及びv を用いて、インダクタンス演算器16は、前記数式5によりIを求め、数式6または数式7によりIを求める。更に、数式8、数式9によりidhmax,idhminを求め、数式10、数式11により直軸インダクタンスL、横軸インダクタンスLを演算する。
【0037】
次いで、請求項2に記載した発明の実施形態である第2実施形態を説明する。
この実施形態は、電圧ベクトルの方向を電気角で45°ずらして2回印加したときの電流情報からidhmax,idhminを演算することにより、直軸インダクタンスL及び横軸インダクタンスLを演算するものである。
【0038】
第1回目の測定動作として、第1実施形態と同様に、d軸方向に矩形波の交流電圧v を印加する。この交流電圧は、請求項1における第1の交流電圧に相当する。このとき、前述の数式1、数式2に示す電流idh1,iqh1が流れる。
次に、d軸とq軸を1回目の交流電圧印加時から45°進ませて交流電圧v をd軸方向に印加する。この交流電圧は、請求項1における第2の交流電圧に相当する。このとき、d軸とq軸に流れる交流電流の振幅idh2,iqh2は、数式12,数式13のようになる。
【0039】
【数12】
Figure 0004590755
【0040】
【数13】
Figure 0004590755
【0041】
なお、数式12,数式13において、
dh2:d軸交流電流の振幅(0−peak)(2回目)
qh2:q軸交流電流の振幅(0−peak)(2回目)
である。
【0042】
は、数式14に示すように数式1と数式13とから、または、数式15に示すように数式2と数式12とから演算することができる。
【0043】
【数14】
=idh1+iqh2
【0044】
【数15】
=−iqh1+idh2
【0045】
一方、図6におけるIは、数式2及び数式13から次式によって演算することができる。
【0046】
【数16】
=√(iqh1 +iqh2
【0047】
以上により、数式14または数式15、数式16の演算結果、及び、数式8〜数式11から、直軸インダクタンスL及び横軸インダクタンスLを演算することができる。
【0048】
図2は本実施形態の制御ブロック図であり、図1と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
この実施形態では、図1におけるスイッチSW,SWが除去され、交流電圧v がそのままv として座標変換器18に入力され、v としては零が入力されている。また、スイッチSW,SWに連動するスイッチSWが設けられており、d軸位置θとして零または45°がスイッチSWによって選択された上、座標変換器12,18に入力されるようになっている。
【0049】
以下、この実施形態の動作を説明すると、第1回目の測定動作として、スイッチSWの上側をオンし、d軸位置θを零に設定する。発振器17は矩形波状の高周波交流電圧v を出力し、d軸電圧指令値v としてv 、q軸電圧指令値v として零が設定される。このときの交流電圧v は、請求項2における第1の交流電圧に相当する。
この状態で図1の実施形態と同様の動作により、電動機40のu相電流i、w相電流iを座標変換器12により座標変換してidc,iqcを求め、高周波フィルタ13、平均化演算器14d,14qを介して上側がオンになっているスイッチSW,SW経由でメモリ15d1,15q1にそれぞれ格納する。
【0050】
次に、第2回目の測定動作として、スイッチSWの下側をオンし、d軸位置θを45°に設定することによりd軸を45°動かして電圧ベクトルの方向を45°ずらす。このときの交流電圧v は、請求項2における第2の交流電圧に相当する。これと同時にスイッチSW,SWも下側がオンになり、平均化演算器14d,14qの演算結果はそれぞれメモリ15d2,15q2に格納される。
インダクタンス演算器16は、メモリ15d1,15q1,15d2,15q2の内容、及びv に基づいて、数式14〜数式16と数式8〜数式11とを用いて直軸インダクタンスL及び横軸インダクタンスLを演算する。
【0051】
次いで、請求項3に記載した発明の実施形態である第3実施形態を説明する。
前述した第1実施形態及び第2実施形態は、交流電圧を印加したときの交流電流からインダクタンスを測定する方法であるが、第3実施形態は、これとは逆に交流電流を通流したときの交流電圧からインダクタンスを測定するものである。すなわち、本実施形態では電流ベクトルの方向を電気角で90°ずらして2回通流し、このときの交流電圧から直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する。
【0052】
第1回目の測定動作として、最初に任意の座標軸であるd軸方向に交流電流を通流する。このときの交流電流は、請求項3における第1の交流電流に相当する。
具体的には、d軸電流idcとq軸電流iqcを数式17のように制御する。
【0053】
【数17】
dc=Isinωt,
qc=0
【0054】
このとき、d軸とq軸の交流電圧のcos成分は、それぞれ数式18,数式19によって表される。
【0055】
【数18】
Figure 0004590755
【0056】
【数19】
Figure 0004590755
【0057】
なお、数式18,数式19において、
dh1:d軸交流電圧の振幅(0−peak)(1回目)
qh1:q軸交流電圧の振幅(0−peak)(1回目)
である。
次に、2回目の測定動作として、d軸に直交するq軸方向に交流電流を通流する。このときの交流電流は、請求項3における第2の交流電流に相当する。
具体的には、d軸電流idcとq軸電流iqcを数式20のように制御する。
【0058】
【数20】
dc=0,
qc=Isinωt
【0059】
このとき、d軸とq軸の交流電圧のcos成分は、それぞれ数式21,数式22によって表される。
【0060】
【数21】
Figure 0004590755
【0061】
【数22】
Figure 0004590755
【0062】
なお、数式21,数式22において、
dh2:d軸交流電圧の振幅(0−peak)(2回目)
qh2:q軸交流電圧の振幅(0−peak)(2回目)
である。
ここで、数式18、数式22から、次式が得られる。
【0063】
【数23】
Figure 0004590755
【0064】
また、数式18、数式19、数式22から数式24が得られ、または、数式18、数式21、数式22から数式25が得られる。ただし、L>Lである。
【0065】
【数24】
Figure 0004590755
【0066】
【数25】
Figure 0004590755
【0067】
上記より、直軸インダクタンスLは数式23と数式24との差、または、数式23と数式25との差から演算することができる。
一方、横軸インダクタンスLは数式23と数式24との和、または、数式23と数式25との和から演算することができる。
【0068】
図3は本実施形態を示す制御ブロック図であり、第1,第2実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
この実施形態では、高周波の正弦波の交流電流i を出力する発振器20が設けられ、その出力側にスイッチSW,SWと連動するスイッチSW,SWが設けられている。スイッチSW,SWはi と零とを切り替え可能であり、スイッチSW,SWの出力信号は、d軸電流指令値i 、q軸電流指令値i として加算器21d,21qにそれぞれ入力されている。また、これらの加算器21d,21qには座標変換器12の出力であるd軸電流idc、q軸電流iqcも図示の符号で入力されている。
【0069】
更に、加算器21d,21qから出力されるd軸電流偏差とq軸電流偏差がそれぞれd軸電流調節器22d、q軸電流調節器22qに入力され、その出力がそれぞれd軸電圧指令値v 、q軸電圧指令値v として座標変換器18に入力されると共に、高周波検出フィルタ13にも入力されている。
なお、座標変換器12,18に入力されるd軸位置θは零に設定されている。
【0070】
この実施形態の動作を説明すると、まず、第1回目の測定動作としてスイッチSW,SWの上側をオンし、d軸電流指令値i として正弦波状の高周波電流i を設定し、q軸電流指令値i として零を設定する。
d軸電流調節器22dはi とd軸電流idcとの偏差を増幅してd軸電圧指令値v を演算する。q軸電流調節器22qはi とq軸電流iqcとの偏差を増幅してq軸電圧指令値v を演算する。
【0071】
高周波検出フィルタ13は、v ,v からi と同じ周波数成分の交流電圧Vdh,Vqhを検出する。平均化演算器14d,14qはVdh,Vqhの平均値をそれぞれ演算し、これらの演算結果は上側がオンになっているスイッチSW,SWを介しVdh1,Vqh1としてそれぞれメモリ15d1,15q1に格納される。
【0072】
次に、第2回目の測定動作として、スイッチSW〜SWの下側をオンし、i を零、i をi に設定する。
そして、第1回目と同様の動作により、平均化演算器14d,14qによる演算結果は、下側がオンになっているスイッチSW,SWを介しVdh2,Vqh2としてそれぞれメモリ15d2,15q2に格納される。
【0073】
インダクタンス演算器16は、メモリ15d1、メモリ15q1、メモリ15d2及びメモリ15q2にそれぞれ格納されたVdh1,Vqh1,Vdh2,Vqh2とi の値を用い、数式18、数式19、数式21〜数式25を演算する。そして、前述したように数式23〜数式25のうちの2つの数式の和または差を求めて直軸インダクタンスL及び横軸インダクタンスLを演算する。
【0074】
次いで、請求項4に記載した発明の実施形態である第4実施形態を説明する。
この実施形態は、電流ベクトルの角度を電気角で45°変えて2回通流したときの交流電圧から直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを測定するものである。
第1回目の測定動作として、第3実施形態と同様に、d軸方向に交流電流を通流する。このときの交流電流は、請求項4における第1の交流電流に相当する。具体的には、数式17に示した電流を通流する。このときの交流電圧は、先に述べたように数式18,数式19となる。
【0075】
次に、第2回目の測定動作としてd軸とq軸とを1回目の交流電流通流時から45°進ませてから、d軸方向に交流電流を通流する。このときの交流電流は、請求項4における第2の交流電流に相当する。
軸とq軸の交流電圧のcos成分は、それぞれ数式26,数式27のようになる。
【0076】
【数26】
Figure 0004590755
【0077】
【数27】
Figure 0004590755
【0078】
なお、数式26,数式27において、
dh2:d軸交流電圧の振幅(0−peak)(2回目)
qh2:q軸交流電圧の振幅(0−peak)(2回目)
である。
ここで、数式18、数式27から数式28が得られ、または、数式19、数式26から数式29が得られる。
【0079】
【数28】
Figure 0004590755
【0080】
【数29】
Figure 0004590755
【0081】
また、数式19、数式27から数式30が得られる。ただし、L>Lである。
【0082】
【数30】
Figure 0004590755
【0083】
上記より、直軸インダクタンスLは数式28と数式30との差、または、数式29と数式30との差から演算することができる。一方、横軸インダクタンスLは数式28と数式30との和、または、数式29と数式30との和から演算することができる。
【0084】
図4は本実施形態の制御ブロック図を示すものであり、第3実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
この実施形態では、図3におけるスイッチSW,SWが除去され、交流電流i がそのままi として加算器21dに入力され、i として零が加算器21qに入力されている。また、スイッチSW,SWに連動するスイッチSWが設けられており、d軸位置θとして零または45°がスイッチSWによって選択された上、座標変換器12,18に入力されるようになっている。
【0085】
次に、本実施形態の動作を説明する。
第1回目の測定動作として、スイッチSWの上側をオンし、d軸位置θを零に設定する。発振器20は正弦波状の高周波電流i を出力し、これをd軸電流指令値i として設定すると共に、q軸電流指令値i として零を設定する。
前記同様に、d軸電流調節器22d及びq軸電流調節器22qから出力されるd軸電圧指令値v 及びq軸電圧指令値v は、高周波検出フィルタ13に入力され、高周波成分Vdh,Vqhが平均化演算器14d,14qを介し上側がオンであるスイッチSW,SW経由でメモリ15d1,15q1に格納される。
【0086】
次いで、2回目の測定動作としてスイッチSWの下側をオンし、d軸位置θを45°動かして電流ベクトルの方向を45°ずらす。スイッチSWに連動するスイッチSW,SWも下側がオンになるので、平均化演算器14d,14qの演算結果はスイッチSW,SWを介してメモリ15d2,15q2に格納される。
【0087】
インダクタンス演算器16は、メモリ15d1、メモリ15q1、メモリ15d2、メモリ15q2にそれぞれ格納されたVdh1,Vqh1,Vdh2,Vqh2及びi を用い、数式18、数式19、数式26〜数式30を演算する。そして、前述したように数式28〜数式30のうちの2つの数式の和または差を求めて直軸インダクタンスL及び横軸インダクタンスLを演算する。
【0088】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、センサレス制御時のように回転子の磁極位置が分からない場合でも、回転子に突極性のある埋込磁石形の永久磁石同期電動機やリラクタンスモータ等の同期電動機の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを容易に測定することができる。特に、パルス電圧を使った測定の場合に必要であった電流が零に減衰するまでの待ち時間が不要になるので、測定時間を短縮できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す制御ブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す制御ブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す制御ブロック図である。
【図4】本発明の第4実施形態を示す制御ブロック図である。
【図5】座標軸の定義を説明する図である。
【図6】インダクタンスと交流電流との関係を示す波形図である。
【符号の説明】
11 電流検出器
12,18 座標変換器
13 高周波検出フィルタ
14d,14q 平均化演算器
15d1,15d2,15q1,15q2 メモリ
16 インダクタンス演算器
17,20 発振器
19 PWM変調器
21d,21q 加算器
22d d軸電流調節器
22q q軸電流調節器
30 電力変換器
40 埋込磁石形同期電動機(IPMモータ)

Claims (4)

  1. 同期電動機の制御装置において、
    電動機の電機子電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
    電力変換器に与える電圧指令値を得るために任意の一定方向に交番する第1の交流電圧を指令値として選択する手段と、
    電力変換器に与える電圧指令値を得るために第1の交流電圧に対し電気角で90°ずれた一定方向に交番する第2の交流電圧を指令値として選択する手段と、
    ▲1▼第1の交流電圧を選択している時の当該電圧と同一方向かつ同一周波数の交流電流、
    ▲2▼第1の交流電圧を選択している時の当該電圧と直交方向かつ同一周波数の交流電流、
    ▲3▼第2の交流電圧を選択している時の当該電圧と同一方向かつ同一周波数の交流電流、
    ▲4▼第2の交流電圧を選択している時の当該電圧と直交方向かつ同一周波数の交流電流、
    の中から少なくとも3つの交流電流と、第1の交流電圧及び第2の交流電圧とを用いて電動機の電機子巻線の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  2. 同期電動機の制御装置において、
    電動機の電機子電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
    電力変換器に与える電圧指令値を得るために任意の一定方向に交番する第1の交流電圧を指令値として選択する手段と、
    電力変換器に与える電圧指令値を得るために第1の交流電圧に対し電気角で45°ずれた一定方向に交番する第2の交流電圧を指令値として選択する手段と、
    ▲1▼第1の交流電圧を選択している時の当該電圧と同一方向かつ同一周波数の交流電流、
    ▲2▼第1の交流電圧を選択している時の当該電圧と直交方向かつ同一周波数の交流電流、
    ▲3▼第2の交流電圧を選択している時の当該電圧と同一方向かつ同一周波数の交流電流、
    ▲4▼第2の交流電圧を選択している時の当該電圧と直交方向かつ同一周波数の交流電流、
    の中から少なくとも3つの交流電流と、第1の交流電圧及び第2の交流電圧とを用いて電動機の電機子巻線の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  3. 同期電動機の制御装置において、
    電動機の電機子電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
    電力変換器に与える電圧指令値を得るために任意の一定方向に交番する第1の交流電流を指令値として選択する手段と、
    電力変換器に与える電圧指令値を得るために第1の交流電流に対し電気角で90°ずれた一定方向に交番する第2の交流電流を指令値として選択する手段と、
    ▲1▼第1の交流電流を選択している時の当該電流と同一方向かつ同一周波数の交流電圧、
    ▲2▼第1の交流電流を選択している時の当該電流と直交方向かつ同一周波数の交流電圧、
    ▲3▼第2の交流電流を選択している時の当該電流と同一方向かつ同一周波数の交流電圧、
    ▲4▼第2の交流電流を選択している時の当該電流と直交方向かつ同一周波数の交流電圧、
    の中から少なくとも3つの交流電圧と、第1の交流電流及び第2の交流電流とを用いて電動機の電機子巻線の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
  4. 同期電動機の制御装置において、
    電動機の電機子電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
    電力変換器に与える電圧指令値を得るために任意の一定方向に交番する第1の交流電流を指令値として選択する手段と、
    電力変換器に与える電圧指令値を得るために第1の交流電流に対し電気角で45°ずれた一定方向に交番する第2の交流電流を指令値として選択する手段と、
    ▲1▼第1の交流電流を選択している時の当該電流と同一方向かつ同一周波数の交流電圧、
    ▲2▼第1の交流電流を選択している時の当該電流と直交方向かつ同一周波数の交流電圧、
    ▲3▼第2の交流電流を選択している時の当該電流と同一方向かつ同一周波数の交流電圧、
    ▲4▼第2の交流電流を選択している時の当該電流と直交方向かつ同一周波数の交流電圧、
    の中から少なくとも3つの交流電圧と、第1の交流電流及び第2の交流電流とを用いて電動機の電機子巻線の直軸インダクタンス及び横軸インダクタンスを演算する手段と、
    を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。
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