本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を採用する画像形成装置に関するものである。
図3に従来の画像形成装置の一例の概略構成を示す。図3に示されるように、画像形成装置は、像担持体としての電子写真感光体100(以下、感光ドラム100と記す)を有する。そして、当該感光ドラム100の周りに、帯電装置101、露光装置102。静電潜像をトナー像として現像する現像装置103、転写装置105、クリーニング装置107を有する。転写工程において記録媒体104に転写されたトナー像は定着装置106により定着される。上記の手段を用い、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各工程を繰り返して、画像形成を行っている。
図4に一般的な画像形成装置の動作シーケンスを示している。画像形成装置本体の電源がオンされ(S401)、その後前多回転工程となる(S402)。前多回転工程とは、電源投入時から待機状態(スタンバイ)になるまでの準備動作である。ここで、プロセスカートリッジの有り無し検知等が行われる。そして、画像形成装置は待機状態(スタンバイ)に入る(S403)。不図示のホストコンピュータなどから画像情報が画像形成装置に送られると(S404)、前回転工程に入る(S405)。前回転工程は、待機状態から画像形成までの準備工程である。この工程では、感光ドラム上の予備帯電等が行われる。
前回転工程が終了すると、画像形成工程が開始される(S406)。画像形成工程では、帯電、露光、現像、転写、定着等の画像形成プロセスが行われる。
画像形成工程が終了すると、次のプリント信号がある場合は、次の記録媒体が到達するまでの間、紙間工程に入り次の印字動作を待つ(S408)。次のプリント信号がない場合は、画像形成装置は待機状態になるための後回転工程を行う(S409)。
次に、帯電バイアスの制御方法について述べる。
帯電バイアスは直流電圧のみを用いる場合(DC帯電)と、直流電圧に交流電圧を重畳して用いる場合(AC+DC帯電)とがある。AC+DC帯電は、感光ドラム100上を均一帯電するのに優れている。AC+DC帯電における交流電圧の制御方法としては例えば以下のようなものが知られている。例えば、均一な帯電を行うために、直流電圧印加時の放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧(Vpp)をもつ交流電圧を重畳したバイアスを帯電バイアスに用いる制御方法がある(特許文献1参照)。また、使用環境変化により帯電ローラのインピーダンスは変化し、画像形成装置の使用に応じて感光ドラムの電荷輸送層の膜厚が変動するため、帯電に最適な放電電流値が変動することが知られている。これを考慮して、放電電流量が一定電流となるように交流電圧を制御する方法がある(特許文献2参照)。特許文献2の制御方法は、良好な帯電性の確保と感光ドラムへの過剰な放電を防止するという点で、大きな効果をあげている。しかし、特許文献2の方式は安定したバイアス電圧を得るために、重畳印加されるACとDCの電源を切り分け、2つの電圧昇圧手段たる昇圧トランスを必要とした。昇圧トランスは、電源回路の中でも比較的大型、かつ、高コストであり、特に小型、低コストの画像形成装置には不向きである。
この問題を回避する為に、1つの昇圧トランスのみで、AC成分をほぼ一定の電流値で制御する方法が提案されている(特許文献3参照)。非画像形成時に、電源回路から複数段階の大きさの異なるピーク間電圧を有する交流電圧(以下交流ピーク間電圧Vpp)を帯電ローラに印加する。そして、感光ドラム100に流れる交流電流値が、帯電不良が発生しないために必要最小電流値以上となるVppを探す。そして、当該必要最小電流値以上の交流電流を得られるVppの中からピーク間電圧が最小となるVppを画像形成時の交流電圧のピーク間電圧して選択する。この方法を、ピーク間電圧を決定する制御であるためピーク間電圧選択制御と呼ぶことにする。なお、ピーク間電圧選択制御は定電圧回路を用いながら定電流制御を行おうとしていることから擬似停電流制御ということもできる。このような帯電バイアス電圧制御を行うことによって、1つの昇圧トランスのみで定電流制御を行ったときと同じように、帯電ローラ、感光ドラムなどのインピーダンス変化によらず、交流電流値をほぼ一定に保つ事ができる。この方法は、特に小型、低コストの画像形成装置において、良好な帯電性の確保と感光ドラム100への過剰な放電を防止するという点で、非常に大きな効果をあげている。
図5は、1つの昇圧トランスのみで、AC成分をほぼ一定の電流値で制御するピーク間電圧選択制御を用いたときの帯電バイアス電源回路の概念図である。昇圧トランスはAC成分を作成するもの1つのみで、DC成分は、この昇圧トランスがコンデンサC100をピークチャージすることで作成する。
エンジンコントローラは、電源回路から複数段階の交流ピーク間電圧Vppを帯電ローラに印加し、感光ドラム100に流れる交流電流Iacを検知する。交流電流Iacのうち帯電不良が発生しないための必要な交流電流値(ピーク間電圧選択制御閾値電流Iac−0)以上の交流電流を得られる交流電圧の中で、最小となるVppを画像形成時のピーク間電圧として選択する。
従来のピーク間電圧選択制御シーケンスについて説明する。
図6は、ピーク間電圧選択制御シーケンスを説明するフローチャートである。図10は、ピーク間電圧選択制御回路を説明する概念構成図である。
画像形成装置の電源が投入されると(S301)、決定手段である制御部238がプロセスカートリッジCのメモリ210からピーク間電圧選択制御閾値V0を読み出す(S302)。ここで、ピーク間電圧選択制御閾値V0とは予め目標値として定められているものであり、電流検出電圧Vの閾値として用いられる。なお、電流検出電圧Vは、帯電ローラに交流電圧を印加した際に、帯電ローラと感光ドラムの間に流れる交流電流Iacを電圧値に変換したものであり、電流検出電圧Vを見ることにより交流電流Iacを見ることとなる。さらに詳しく説明すると、ピーク間電圧選択制御閾値V0は、帯電工程時に帯電不良が発生しないために、帯電ローラと感光ドラムの間に流す必要な交流電流値(ピーク間電圧選択制御閾値電流Iac−0)を電圧値に変換した値である。なお、Iac−0の値は、機器のプロセススピードや帯電周波数等により異なってくるため、ピーク間電圧選択制御閾値V0も適宜設定される。
続いて、前多回転工程が始まる。この前多回転工程では、電流検出のための複数の交流電圧(検出電圧Vpp−(k))を印加する。検出用電圧Vpp−(k)は、ピーク間電圧の大きいものから順に帯電ローラに印加する(電圧印加工程)。なお、Vpp−(k)のkはピーク間電圧の異なる検出用電圧を表すための変数であり、ピーク間電圧が一番大きいものをk=1として、k=2、k=3・・・と表している。
例えば、検出用電圧VppをVpp−(1)=Vpp−max、Vpp−(2)、Vpp−(3)、・・・Vpp−minのように印加していく(S303)。ここで、ピーク間電圧の大きさは、Vpp−(1)=Vpp−max>Vpp−(2)>Vpp−(3)>・・・>Vpp−minである。
これらの検出用電圧Vpp−(k)が印加された時に、感光ドラムに流れる帯電電流値を検知する。当該電流値は電流検出電圧Vkとして測定され(S304)(検知工程)、電流検出電圧Vkについて単位時間あたりの平均化処理を施してVk−aveとする(S305)。
Vk−aveとピーク間電圧選択制御閾値V0と比較し、Vk−ave≧V0かつピーク間電圧が最小となるような検出用電圧Vpp−(k)を画像形成時の交流電圧Vpp−(n)として印加することを決定する(S306)(決定工程)。以上の工程で交流電圧のうち均一な帯電ができる最小のピーク間電圧を決定し、待機状態に移行する(S307)。
次にホストコンピュータなどの出力手段から画像情報が画像形成装置に送られ、制御部238からプリントON信号が発信される(S308)。そして、画像形成時に(S306)で決定した交流電圧Vpp−(n)を帯電ローラ202に印加する(S309)。そして、一連の画像形成工程を行った後、次のプリント信号がない場合は、後回転を行い(S310)、待機状態に移行する。
従来は、上述したように電流検出電圧Vkについて平均化処理を施したVk−aveとピーク間電圧選択制御閾値V0と比較していた。そして、Vk−ave≧V0かつピーク間電圧が最小となるような検出用電圧Vpp−(k)を画像形成時の交流電圧Vpp−(n)として印加することを決定していた。
特開昭63−149669
特公平06−093150
特開2004−4654
しかしながら、トナーやトナーに含まれる外添剤等が帯電ローラに付着することで帯電ローラの表面が汚れた場合に、電流検出電圧Vkの振れが大きくなることがある。これは、極少量の汚れが帯電ローラに付着した場合、帯電ローラと感光ドラムの空隙が微視的に狭くなることにより電流が流れ易くなる。そして、帯電ローラに付着する汚れ量が多くなると帯電ローラ表面の抵抗が大きくなり、電流が流れ難くなるためである。そのため、帯電ローラ表面の汚れの付着状態により、電流検出電圧Vkの振れが大きくなってしまう。
図7に電流検出電圧Vkの概念図を示す。図7の(a)は、帯電ローラ表面の汚れが少ない時、図7の(b)が、汚れが多い時の電流検出電圧Vkの概念図である。なお、図7は、時間経過に対する電流検出電圧Vkの実効値を示した図である。
図7の(a)では、帯電ローラ表面の汚れが少ないため、電流検出電圧Vkの多きさはそれほど変化していない。
これに対し、図7(b)では、Aの部分のような電流検出電圧Vkが特に小さくなるような部分が一部であるが存在している。このAの部分は帯電ローラ表面の汚れが特に多い部分である。
ところが、図7に示すように、電流検出電圧Vkの振れの大きさが異なる(即ち、最大値、最小値が異なる)場合でも、感光ドラム1周の平均値がほぼ同じになる場合がある。この場合に、平均値に基づいてピーク間電圧を決定すると図7(a)のような場合も、図7(b)のような場合も同様のピーク間電圧となる。
しかしながら、平均値であるため図7(b)のAの部分のような帯電ローラの汚れが一部だけ多い部分が考慮されず、感光ドラムを十分に帯電させることができないような、ピーク間電圧が決定されてしまう場合があった。この場合、特にハーフトーン画像等において濃度が濃くなる等の画像不良が発生してしまう。
前記課題の解決のため本発明は以下の構成を有する。
像担持体と、前記像担持体を帯電する移動可能な帯電手段と、前記帯電手段にピーク間電圧の異なる複数の交流電圧を印加する電圧印加手段と、前記帯電手段から前記像担持体に流れる交流電流値を検知する電流検知手段と、を有する画像形成装置において、前記複数の交流電圧に対する前記交流電流値のそれぞれの最小値のうち、所定電流値以上となる最小値をもつ交流電流値が得られる交流電圧に基づいて、前記帯電手段に印加される交流電圧のピーク間電圧を決定する決定手段を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明の効果は、帯電手段による像担持体の帯電を均一にすることができる。
本発明の別の効果は、帯電手段が局所的に汚れても帯電不良の発生を抑制させることができることである。
本発明の別の効果は、像担持体の削れを抑制することができることである。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
まず、画像形成装置の構成と動作の概略について述べる。
図8は本実施例の画像形成装置の概略構成図である。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式、プロセスカートリッジ着脱式のレーザプリンタである。
201は像担持体としての回転ドラム型の感光ドラムである。本例の感光ドラム201は負帯電性の有機感光体であり、不図示の駆動用モータによって矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
感光ドラム201はその回転過程で帯電装置によって負の所定電位に一様に帯電処理を受ける。本例において帯電手段は回動可能な帯電ローラ202であり、帯電ローラ202を感光ドラム201に接触して帯電を行う接触帯電方式である。本実施例で用いた帯電ローラは体積抵抗が1×106Ωcmのものを用いた。
帯電ローラ202は感光ドラム201に対して従動回転する。帯電ローラ202に対しては、電圧印加手段である帯電バイアス電源回路230(図10参照)からバイアス電圧が印加される。帯電バイアス電圧には、放電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧(Vpp)を有する交流電圧に、所望のドラム上電位Vdに相当する直流電圧Vdcを重畳印加する方式が用いられている。この帯電方法は、直流電圧に交流電圧を重畳印加することによって、感光ドラム上の局所的な電位ムラを解消し、感光ドラム上を直流印加電圧Vdcに等しい電位Vdに均一帯電することを狙いとしている。本願で使用した電圧印加手段は、〔発明が解決しようとする課題〕の欄に記載したように、1つの昇圧トランスを有している。該昇圧トランスによりバイアスのAC成分を作成し、バイアスのDC成分はこの昇圧トランスがコンデンサをピークチャージすることで作成する。そして帯電ローラ202にAC成分とDC成分を重畳したバイアスを印加して帯電処理を行う。次に帯電された感光ドラム201は、潜像形成手段である露光装置221により像露光を受ける。露光装置221は、均一帯電された感光ドラム201に静電潜像を形成するものであり、本例では、半導体レーザスキャナを用いた。露光装置221は、ホスト装置(不図示)から送られてくる画像信号に対応して変調されたレーザ光Lを出力する。レーザ光Lは反射鏡221aと、後述するプロセスカートリッジCの露光窓部aを介して感光ドラム201の均一帯電面を走査露光(像露光)する。感光ドラム表面は露光箇所の電位の絶対値が帯電電位の絶対値に比べて低くなることによって、画像情報に応じた静電潜像が順次形成される。
次いでその静電潜像は反転現像装置205により現像されてトナー像として顕像化される。本例では、磁性一成分現像剤を用いたジャンピング現像方式を用いた。この方式では、不図示の現像バイアス電源から現像スリーブ207に対して交流と直流を重畳した現像バイアス電圧を印加する。そして現像バイアスにより、現像剤層厚規制部材206と現像スリーブ207の接触箇所で摩擦帯電により負極性に帯電されたトナーを感光ドラム表面の静電潜像に適用して静電潜像を反転現像する。
その感光ドラム面のトナー像が不図示の給紙部から給送された紙等の記録媒体(転写材)に対して転写装置にて転写される。本例では転写ローラ222を用いた接触転写装置である。転写ローラ222は感光ドラム201に対して感光ドラム中心方向に不図示の押圧バネなどの付勢手段によって押圧されている。転写材が搬送されて転写工程が開始されると、不図示の転写バイアス電源から転写ローラ222に対して正極性の転写バイアス電圧が印加され、負極性に帯電している感光ドラム201上のトナーは転写材上に転写される。
トナー像の転写を受けた転写材は感光ドラム面から分離されて定着装置223へ導入されてトナー像の定着処理を受け、シートパス224を通って排紙トレイ225上に排出される。定着装置223は、転写材に転写されたトナー像を熱や圧力などの手段を用いて永久画像に定着するものである。
転写材分離後の感光ドラム面はクリーニング装置204により転写残トナーを掻き取られて清掃され、繰り返して作像に供される。本例のクリーニング装置204はクリーニングブレード203を用いたものである。クリーニングブレード203は、転写工程時に感光ドラム201から転写材に転写し切れなかった転写残トナーを回収するものであり、一定の圧力で感光ドラム201に当接し転写残トナーを回収することによって感光ドラム表面を清掃する。クリーニング工程終了後、感光ドラム表面は再び帯電工程に入る。
画像形成装置は、上記の手段を用い、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングの各工程を繰り返して画像形成を行う。ここで、諸プロセス機器の印字準備動作の後に行う印字動作を画像形成工程(画像形成時)とする。即ち、帯電工程における画像形成工程とは印字動作中に潜像が形成されるであろう感光ドラム上の領域を帯電手段が帯電を行っている時を指す。また、帯電工程における非画像形成工程(非画像形成時)とは、印字動作中に潜像が形成されるであろう感光ドラム上の領域以外の領域を帯電手段が帯電を行っている時を指す。
本実施例のプロセスカートリッジCは、像担持体としての感光ドラム201と、感光ドラム201に対する接触帯電手段としての帯電ローラ202と、現像装置205と、クリーニング装置204の4つのプロセス機器を内包させてプロセスカートリッジとしてある。
本実施例の感光ドラム201は、導電性基体層としてのアルミニウム等のドラム基体と、その外周面に形成した被帯電体としての感光体層(光導電層)とを、基体構成層としている。
また、このプロセスカートリッジCには記憶媒体であるメモリ210を具備させてある。画像形成装置本体側の通信部(不図示)を介してメモリ210に対する情報の読み書きを行う。
プロセスカートリッジCは画像形成装置本体220の本体ドア(カートリッジドア)220aを開閉して画像形成装置本体220に対して着脱される。装着は本体ドア220aを開いて画像形成装置本体220内にプロセスカートリッジCを所定の要領にて挿入装着して本体ドア220aを閉じ込むことでなされる。プロセスカートリッジCは画像形成装置本体220に対して所定に装着されることで画像形成装置本体220側と機械的・電気的に連結した状態になる。
プロセスカートリッジCの画像形成装置本体220からの取り外しは本体ドア220aを開いて画像形成装置本体220内のプロセスカートリッジCを所定に引き抜くことでなされる。
図9は抜き外された状態のプロセスカートリッジCを示している。プロセスカートリッジCは抜き外された状態時にはドラムカバー208が閉じ位置に移動していて感光ドラム201の露出下面を隠蔽防護している。また露光窓部aもシャッタ板209で閉じ状態に保持されている。ドラムカバー208とシャッタ板209はプロセスカートリッジCが画像形成装置本体220内に装着された状態においてはそれぞれ開き位置に移動して保持される。
ここで、プロセスカートリッジとは、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つと、電子写真感光体とを一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に対して着脱可能とするものである。
次に、画像形成装置の動作シーケンスの概略について述べる。
画像形成装置内の電源がオンになると前多回転工程が始まる。この工程では、メインモータが感光ドラムを回転駆動させている間に、プロセスカートリッジの有り無し検知、転写ローラのクリーニングなどが行なわれる。
前多回転工程が終了すると、画像形成装置は待機(スタンバイ)状態に入る。不図示のホストコンピュータなどの出力手段から画像情報が画像形成装置に送られると、メインモータは画像形成装置本体を駆動し前回転工程に入る。前回転工程においては、諸プロセス機器の印字準備動作が行なわれ、主として、感光ドラム上の予備帯電、レーザスキャナの立ち上げ、転写プリントバイアスの決定、定着装置の温度調節などが行なわれる。
前回転工程が終了すると、印字工程が開始される。印字工程では、所定タイミングで転写材の給紙、感光ドラム上の像露光、現像などが行なわれる。印字工程が終了すると、次のプリント信号がある場合、次の転写材が到達するまでの間の紙間工程に入り、次の印字動作を待つ。
また、印字動作終了後、次のプリント信号がない場合は、画像形成装置は後回転工程に入る。後回転工程では、感光ドラム表面の除電や、転写ローラに付着したトナーを感光ドラムへ吐き出す(転写ローラのクリーニング)などの工程が行われている。
後回転工程が終了すると、画像形成装置は、再び待機(スタンバイ)状態となり、次のプリント信号を待つ。
次に、実施例1の特徴であるピーク間電圧選択制御シーケンスについて説明する。説明にあたって、実施例1のピーク間電圧選択制御シーケンスを説明するフローチャート(図1)及びピーク間電圧選択制御回路を説明する概念図(図10)を基に説明する。
画像形成装置の電源が投入されると(S101)、決定手段である制御部238がプロセスカートリッジCのメモリ210からピーク間電圧選択制御閾値V0を読み出す(S102)。ここで、ピーク間電圧選択制御閾値V0とは予め目標値として定められている電流検出電圧Vの閾値である。なお、電流検出電圧Vは、帯電ローラに交流電圧を印加した際に、帯電ローラと感光ドラムの間に流れる交流電流Iacを電圧値に変換したものである。なお、ピーク間電圧選択制御閾値V0は、帯電工程時に帯電不良が発生しないために、帯電ローラと感光ドラムの間に流す必要な交流電流値(ピーク間電圧選択制御閾値電流Iac−0(所定電流値))を電圧値に変換した値である。
続いて、前多回転工程が始まる。この前多回転工程では、ピーク間電圧の異なる複数段階の交流電圧Vpp−(k)(Vpp−max>Vpp−(2)>Vpp−(3)>・・・Vpp−min)を検出用電圧として帯電ローラ202に印加する。Vpp−(k)のkはピーク間電圧の異なる検出用電圧を表すための変数であり、実施例1ではピーク間電圧が一番大きいものをk=1として、k=2、k=3・・・と表している。例えば、検出用電圧VppをVpp−(1)=Vpp−max、Vpp−(2)、Vpp−(3)、・・・Vpp−minのように印加していく(S103)(電圧印加工程)。ここで、ピーク間電圧の大きさは、Vpp−max>Vpp−(2)>Vpp−(3)>・・・>Vpp−minである。即ち、ピーク間電圧の段階が上がるとピーク間電圧の値は小さくなる。ここで、検出用電圧のピーク間電圧の設定数は、図10に示すように6である(k=1〜6)。
Vpp−max(即ちVpp−(k=1))=2000V
Vpp−(k=2)=1900v
Vpp−(k=3)=1800v
Vpp−(k=4)=1700v
Vpp−(k=5)=1600v
Vpp−min(即ちVpp−(k=6))=1500v、
となっている。なお、印加できる検出用電圧の最大値Vpp−1を印加した際に得られる検出電圧V1が、必ずV1>V0となるようにVpp−1を設定しておく必要がある。こうすることで、どのような状況下であっても帯電不良がおこることはないからである。また、印加できる検出用電圧Vpp−minは、所望の直流電圧Vdc’に対して、Vpp−min≧2×|Vdc’|なる関係が成り立つように設定される。これは、本実施例における画像形成装置が、AC成分を作成する昇圧トランスを一つしか有していないためである。昇圧トランスが1つの場合は、DC成分は、この昇圧トランスにより作成したAC成分をコンデンサC100にピークチャージすることで作成される。したがって、交流電圧のピーク間電圧が小さすぎると所望の直流電圧が得られなくなる可能性があるからである。Vpp−min≧2×|Vdc’|以上となるように、Vpp−minを設定することで、交流ピーク間電圧が一番小さく設定(Vpp−minを設定)されても、その値は所望の直流電圧を得ることができる。
Vpp−max・・・Vpp−minと帯電ローラ202に帯電バイアスが印加されると、交流電流Iacは帯電ローラ202、感光ドラム201を経て高圧電源回路GNDに流れる。この感光ドラム201を流れる交流電流を電流検知手段である交流電流検知手段236によって、抵抗、コンデンサなどからなる不図示のフィルタ回路で帯電周波数に等しい周波数をもった交流電流のみをサンプリングする(検知工程)。この交流電流を電圧変換し電流検出電圧Vkとし(S104)、エンジンコントローラ237へ入力する。ここで、電流検出電圧Vkは実効値を検出している。
電流検出電圧Vkは、精度良く電流検出を行うために一定周期サンプリングするのが望ましい。例えば、帯電ローラ1周分の汚れムラを考慮するならば、帯電ローラが1周する以上の間、電流検出電圧Vkをサンプリングすることが好ましい。また、感光ドラムの膜厚ムラを考えると、サンプリングは感光ドラム1周分以上行うことが好ましい。これは、感光ドラムが、偏芯回転などによる削れムラなどにより、周方向の膜厚ムラが発生する場合があり、これによって、流れる交流電流Iacが感光ドラムの回転周期で変わるためである。ただし、長くしすぎると、工程全体の時間が長くなるので、あまり長すぎても良くない。実施例1では、1つの大きさのピーク間電圧ごとに、帯電ローラの2回転分する時間だけサンプリングを行っている。帯電ローラが2回転する時間は、感光ドラムが1回転する時間にほぼ相当する。帯電ローラの2回転は、0.6(s)であり、0.01(s)毎にデータをサンプリングしている。即ち、データは60個となる。
電流検出電圧Vkは、エンジンコントローラ237内で最小値の選択が行われる(S105)。ここで、最小値の選択について検出用電圧としてある段階のピーク間電圧を印加した際に、図7(b)に示すような時間経過に対する電流検出電圧の実効値の変化を得た時を例に説明する。最小値の選択とは、得られた電流検出電圧Vkの実効値の中の一番小さい値をVk−minとして値を選択することである(図7(b)ではAの部分の値)。実効値が小さく出てくる部分というのは、帯電時に電流が流れにくくなる部分であり、画像形成時に帯電不良が起こりやすい部分である。このように、帯電時の電流が流れにくくなる部分が発生してしまう理由としては、帯電ローラにクリーニングブレードをすり抜けてきた転写残トナーが付着して、帯電ローラの表面でトナーが凝固してしまうことが挙げられる。
最小値選択された電流検出電圧Vk−minは、エンジンコントローラ237内の比較手段によって、予め設定されているピーク間電圧選択制御閾値V0と比較される。ピーク間電圧選択制御閾値V0は、電流検出電圧Vの閾値であり、均一な帯電を行うことのできる必要な交流電流値Iac−0(ピーク間電圧選択制御閾値電流(所定電流値))が感光ドラムに流れた際の電流検出電圧の値である。言い換えれば、帯電ムラが生じることのない交流ピーク間電圧に対応する電流検出電圧となる。なお、Iac−0の値は、機器のプロセススピードや帯電周波数、帯電ローラ202、感光ドラム201の構成材料によって異なる。そのため、ピーク間電圧選択制御閾値V0も、その都度適した設定にされる。なお、Iac−0の値として均一な帯電を行うことのできる必要な交流電流値の最小値を設定することが好ましい。そうすることで、均一帯電を行いながら、且つ特に感光ドラムの削れの生じにくいようなピーク間電圧が選択されることになる。
電流検出電圧の最小値Vk−minとピーク間電圧選択制御閾値VOと比較される。そして、Vk−min≧VOとなりかつピーク間電圧が最小となるような検出用電圧Vpp−(k)を画像形成工程時の交流電圧Vpp−(n)として印加することを決定する(S106)(決定工程)。
以上の工程で交流電圧のうち均一な帯電ができる最小のピーク間電圧を決定し、待機状態に移行する(S107)。
次に、ホストコンピュータなどの出力手段から画像情報が画像形成装置に送られると、画像形成時に(S106)で決定した交流電圧Vpp−(n)を印加する(S108)。次のプリント信号がない場合は、後回転工程を行い(S110)、待機状態に移行する。
このように電流検出電圧Vkのうち最小値を基にして、画像形成工程時の交流電圧を決定することは、帯電ローラから感光ドラムへ電流が一番流れにくい所であっても、充分なピーク間電圧となるような交流電圧の設定を行っていることになる。
したがって、帯電ローラ表面が汚れて、電流検出電圧Vkの振れが大きくなったとしても、Vkの平均値を基にして画像形成工定時の交流電圧を決定した時のような帯電が不十分になるようなことを抑えることができる。そして、画像不良の発生を目立たなくさせることが可能となる。
ピーク間電圧選択制御は、帯電手段がその周方向において抵抗変動が生じやすいような状況で効果を良好にえることができる。例えば、クリーナレスの画像形成装置のように帯電手段にトナーが付着しやすい場合が考えられる。
なお、実施例1では、図11−(a)に示すように、プロセスカートリッジに設けられたメモリ210に以下の情報を記憶する領域を設けてある。メモリ210に入れる情報を適当な値にすることで、プロセスカートリッジごとの個体差(ロット差)を考慮したピーク間電圧選択制御を行うことができる。メモリ210内には様々な情報が格納されているが、実施例1では少なくとも、ピーク間電圧選択制御閾値Voが格納されているものとする。又、これらメモリ情報は本体制御部238内と常に送受信可能な状態になっており、これらの情報を元に演算され、制御部238によってデータの照合が行われている。本実施例のように、最小値を基準としてピーク間電圧選択制御行った場合(実施例1)と、平均値を基準としてピーク間電圧選択制御行った場合(比較例1)との実験例を示す。
実験方法を以下に説明する。感光体ドラムはドラム直径24mm、感光層の膜厚22μmのものを用い、感光ドラムのプロセススピード130mm/secとした。感光ドラムにはクリーニングブレードを当接圧40N/mm、設定角25°で接触させている。帯電ローラはローラ直径12μmのものを感光体ドラムに接触させ、感光ドラムに従動回転させている。ピーク間電圧選択制御のために帯電ローラに印加される検出用電圧は前述したように6段階である。具体的には、Vpp−max(即ちVpp−(1))=2000V、Vpp−(2)=1900v、Vpp−(3)=1800v、Vpp−(4)=1700v、Vpp−(5)=1600v、Vpp−min(即ちVpp−(6))=1500vである。ピーク間電圧選択制御閾値V0は2.2(V)である。当該ピーク間電圧選択制御閾値V0を交流電流値Iac−0に変換するとIac=700μAに相当する。
このような条件で、下記の実験により帯電ムラの発生を検討する。実施例1及び比較例1のピーク間電圧選択制御を行いながら、A4の大きさのハーフトーン画像を7000枚画像形成し出力する。出力されたハーフトーン画像を基に画像ムラの多いものを帯電ムラが多いと判断する。なお、1000枚出力ごとにピーク間電圧選択制御を行い、交流電圧のピーク間電圧値の再設定を行っている。
上記実験で、出力画像1枚目から7000枚目までの画像ムラを比較すると、実施例1の方が、比較例1よりも出力画像のムラが少なかった。
したがって、実施例1のようにピーク間電圧選択制御を行うことで、使用にわたって帯電の均一性を保つことができる。
電流検出電圧の平均値に基づいてピーク間電圧選択制御を行うと、課題で述べたように帯電ローラの汚れムラの大小により、電流検出電圧Vkが大きく振れてしまった時に、帯電不良を発生しやすい。これを防ぐために、実施例1では、常に電流検出電圧の最小値に基づいてピーク間電圧選択制御を行っていた。しかしながら、電流検出電圧の最小値は必ず電流検出電圧の平均値より値が小さくなるため、画像形成時に選択される交流電圧のピーク間電圧は大きな値を選択されやすくなる。なぜなら、ピーク間電圧選択制御は、電流検出電圧Vkの値がピーク間電圧選択制御閾値VO以上となるピーク間電圧を有する交流電圧を選択する制御であるためである。即ち、電流検出電圧Vkの値がVk−aveよりも小さく出てしまうVk−minの場合は、選択される交流電圧のピーク間電圧は大きくなりやすくなる。ピーク間電圧の大きい交流電圧を印加すると、感光ドラムが削れ易くなるため、感光ドラムの寿命の観点から不利となる。
そこで、実施例2では、ピーク間電圧選択制御を行う際に、電流検出電圧値の最小値Vk−minと平均値Vk−aveの差分を検知し、その差分と予め設定してある所定値とを比較することを行っている。差分が所定値より小さい時(即ち帯電ローラの汚れムラが少ない時)は、電流検出電圧の平均値Vk−aveを、また、大きい時(即ち帯電ローラの汚れムラが多い時)は、電流検出電圧の最小値Vk−minを基準としてピーク間電圧選択制御を行う。
こうすることで、帯電ローラの汚れが発生しても、画像不良の発生を目立たなくさせ、更に感光ドラムの不用な削れを防止することができる。
画像形成装置の構成と動作については、実施例1と同じであるため、ここでの説明は省略する。
実施例2のピーク間電圧選択制御シーケンスについて説明する。図2は実施例2のピーク間電圧選択制御シーケンスを説明するフローチャートである。ピーク間電圧選択制御回路については、実施例1と同様に図10を用いて説明する。
画像形成装置の電源が投入されると(S201)、決定手段である制御部238がプロセスカートリッジCのメモリ210にアクセスする。そして、ピーク間電圧選択制御閾値V0と電流検出電圧の最小値Vk−minと平均値Vk−aveの差分とを比較するための所定値Xを読み出す(S202)。
続いて、前多回転工程が始まる。この前多回転工程では、電流検出のための複数の交流電圧(検出電圧Vpp−(k))を印加する。検出用電圧Vpp−(k)は、ピーク間電圧の大きいものから順に帯電ローラに印加する(電圧印加工程)。実施例2では実施例1と同様に、検出用電圧のピーク間電圧の設定数を6としている(k=1〜6)。
Vpp−max(即ちVpp−(k=1))=2000v
Vpp−(k=2)=1900v
Vpp−(k=3)=1800v
Vpp−(k=4)=1700v
Vpp−(k=5)=1600v
Vpp−min(即ちVpp−(k=6))=1500v、
となっている。
Vpp−max・・・Vpp−minと帯電ローラ202に帯電バイアスが印加されると、交流電流Iacは帯電ローラ202、感光ドラム201を経て高圧電源回路GNDに流れる。この感光ドラム201を流れる交流電流を電流検知手段である交流電流検知手段236によって、抵抗、コンデンサなどからなる不図示のフィルタ回路で帯電周波数に等しい周波数をもった交流電流のみをサンプリングする(検知工程)。この交流電流を電圧変換し電流検出電圧Vkとし(S204)、エンジンコントローラ237へ入力する。
次に、電流検出電圧Vkは、エンジンコントローラ237内で最小値選択と平均化処理が行われる(S205)。そして、最小値選択された電流検出電圧Vk−minと平均化処理された電流検出電圧Vk−aveの差分ΔVを算出し、エンジンコントローラ237内の比較手段によって差分ΔVと予め設定してある所定値Xと比較される(S206)。
このように電流検出電圧Vkのうち最小値の電流検出電圧Vk−minと平均値の電流検出電圧Vk−aveの差分ΔVを検知し、所定値Xと比較することで、電流検出電圧Vkの振れを検知し、即ち帯電ローラ表面の汚れの有無を検知することが可能となる。
そして、差分ΔVが所定値Xより小さい時、電流検出電圧の平均値Vk−aveを選定し、Vk−aveとピーク間電圧選択制御閾値VOと比較する。そして、Vk−ave≧VOかつピーク間電圧が最小となるような検出用電圧Vpp−(k)を画像形成工程時の交流電圧Vpp−(n)として印加することを決定する(S207)。
また、差分ΔVが所定値Xより大きい時、電流検出電圧の最小値Vk−minを選定し、Vk−minとピーク間電圧選択制御閾値VOと比較する。そして、Vk−min≧VOかつピーク間電圧が最小となるような検出用電圧Vpp−(k)を画像形成工程時の交流電圧Vpp−(n)として印加することを決定する(S208)。
以上の工程で交流電圧のうち均一な帯電ができる最小のピーク間電圧Vpp−(n)を決定し、待機状態に移行する(S209)。
以上のように、本実施例では電流検出電圧Vkの平均値と最小値の差分、即ち帯電ローラ表面の汚れの有無検知結果に基づいて、最小値Vk−min、平均値Vk−aveの選択を行う。このようにすることで、感光ドラムの不用な削れを防止するとともに、画像不良の発生を目立たなくすることが可能となる。
次に、ホストコンピュータなどの出力手段から画像情報が画像形成装置に送られると(S210)、画像形成時に(S207、S208)で決定した交流電圧Vpp−(n)を印加する(S211)。次のプリント信号がない場合は、後回転工程を行い(S212)、待機状態に移行する。
ここで、所定値Xについて、更に詳細に説明する。
複数段階のピーク間電圧を出力可能な定電圧制御においては、主にコストの観点から最大電圧と最小電圧の差、及び段階数が制限される。上述したように、本実施例2では、1500v〜2000vで6段階を有しており、100v毎しか印加できない構成に制限されている。即ち、AC成分を一定電流で制御する定電流制御と異なり、細かい出力電圧を設定することができない。そこで、所定値Xを設定する際には、この点に考慮する。つまり、平均値の電流検出電圧Vk−aveを基にして決定される画像形成工程時の交流電圧に対して、最小値の電流検出電圧Vk−minを基にして決定される交流電圧が、少なくとも1段階以上は段階が下がる(高い電圧になる)ように設定すると好ましい。このような所定値Xは、帯電ローラの抵抗値、印加される電圧等により適宜設定される。
実施例2では少なくとも、図11−(b)に示すように、メモリ210内にはピーク間電圧選択制御閾値Voと電流検出電圧最小値Vk−minと電流検出電圧平均値Vk−aveの差分と比較する為の所定値Xが格納されているものとする。又、これらメモリ情報は本体制御部238内と常に送受信可能な状態になっており、これらの情報を元に演算され、制御部238によってデータの照合が行われている。
本実施例のように、最小値基準と平均値基準とを選択してピーク間電圧選択制御行った場合(実施例2)と、最小値を基準としてピーク間電圧選択制御行った場合(実施例1)との実験を行った。また、平均値を基準としてピーク間電圧選択制御を行った場合(比較例1)との実験を行った。
実験条件は基本的に実施例1における実験例と同じである。
なお、実施例2において、所定値Xは0.348V(交流電流値に換算すると65μA)である。
上記実験で、出力画像1枚目から7000枚目までの画像ムラを比較した。実施例2の方が、比較例1よりも出力画像のムラが少なかった。ただし、実施例1と実施例2を比較すると、実施例2の方が実施例1よりも画像ムラが悪い場合があった。これは、実施例2では感光ドラムの削れを抑制するために、帯電ローラの汚れムラが少ない場合は、平均値を基準としたピーク間電圧選択制御がなされたためと考えられる。
上記結果のように、最小値基準と平均値基準を選択してピーク間電圧選択制御を行った場合(実施例2)は、比較例1に比べて良好な帯電均一性を得ることができた。
また、実施例1、実施例2、比較例1において、7000枚の潜像形成後に感光ドラムの膜厚を測定した。画像形形成1000枚に対しての膜厚減少量を以下に示す。
実施例1は、膜厚の減少量が多いのに対し、実施例2では比較例1とそれほど変らない膜厚減少量となった。即ち、必要な時だけ最小値を基準としたピーク間電圧選択制御を行う実施例2の場合は感光ドラムの膜厚の減少を抑えることができた。
なお、実施例2では、最小値の電流検出電圧Vk−minと平均値の電流検出電圧Vk−aveの差分ΔVを検知して、ピーク間電圧の選択制御を切り替えていたがこれに限られるものではない。帯電ローラの周方向に対する抵抗ムラを測定できる方法であるならば、その測定結果に基づいてピーク間電圧選択制御の切り替えを行ってもよい。たとえば、白色の帯電ローラを用いた場合、帯電ローに付着したトナー量を光センサーで検知し、その検知結果に基づいてピーク間電圧選択制御を切り替えても良い。
実施例2では、ピーク間電圧選択制御を行う際に、電圧印加手段の出力可能な検出用電圧Vpp−(k)すべてを帯電ローラに印加し、その後すべての検出用電圧に対する交流電流を測定していた。しかしながらこれに限られるものではない。例えば、検出用電圧のうち、ピーク間電圧の小さいものから一つずつ印加していく方法がある。ある一つの検出用電圧を印加しその時の交流電流を検知する。そして、当該交流電流がピーク間電圧選択制御閾値電流Iac−0(第一の所定値)よりも大きいか小さいかを判定する。大きければ、その時のピーク間電圧を画像形成時の交流電圧のピーク間電圧としてピーク間電圧選択制御を終了する。小さければ、1段階ピーク間電圧の大きい検出用電圧を印加し、ピーク間電圧選択制御閾値電流Iac−0(第一の所定値)よりも大きい交流電流を得られる検知電圧が見つかるまで繰り返す。このようにすることで、検出用電圧の印加時間を短縮することができる。
実施例3のピーク間電圧選択制御シーケンスについて、図12のフローチャートを基に説明する。ピーク間電圧選択制御回路については、実施例1と同様に図10を用いて説明する。実施例2と同じ部分についてはできるだけ省略して説明を行う。
画像形成装置の電源が投入されると(S501)、決定手段である制御部238がプロセスカートリッジCのメモリ210にアクセスする。そして、ピーク間電圧選択制御閾値V0と電流検出電圧の最小値Vk−minと平均値Vk−aveの差分とを比較するための所定値Xを読み出す(S502)。
続いて、前多回転工程が始まる。前多回転工程において、まず最初に印加可能な検出用電圧のうちの一つ(第一の交流電圧)を帯電ローラ202に印加する。なお、実施例3においても実施例2と同様に、検出用電圧のピーク間電圧の設定数は6である。
Vpp−max(即ちVpp−(k=1))=2000v
Vpp−(k=2)=1900v
Vpp−(k=3)=1800v
Vpp−(k=4)=1700v
Vpp−(k=5)=1600v
Vpp−min(即ちVpp−(k=6))=1500v、
となっている。
本実施例では、ピーク間電圧が最小であるVpp−(k=6)を印加する。ここで、Vpp−kが帯電ローラ202に印加された際に、感光ドラムに流れる交流電流を電圧変換して電流検出電圧Vkを得て(S504)、当該電流検出電圧Vkをエンジンコントローラ237へ入力する。
次に、電流検出電圧Vkは、エンジンコントローラ237内で最小値選択と平均化処理が行われる(S505)。そして、最小値選択された電流検出電圧Vk−minと平均化処理された電流検出電圧Vk−aveの差分ΔVを算出し、エンジンコントローラ237内の比較手段によって差分ΔVと予め設定してある所定値Xと比較される(S506)。
差分ΔVが所定値Xより小さい時、電流検出電圧の平均値Vk−aveを選択する(S507)。差分ΔVが所定値X以上の時、電流検出電圧の最小値Vk−minを選択する(S508)。
そして、Vk−ave≧VO(又はVk−min≧VO)であるかどうかを判定する(S509)
Vk−ave≧VO(又はVk−min≧VO)であった場合は、Vpp−(k)を画像形成工程時の交流電圧Vpp−(n)として印加することを決定する(S510)。
Vk−ave≧VO(又はVk−min≧VO)でなかった場合は、(S503)に戻る。なお(S503)に戻る時は、kの値を1つ減らして、k=5とする。そして(S504)〜(S509)を繰り返し、(S510)となるまで行う。
以上の工程で交流電圧のうち均一な帯電ができる最小のピーク間電圧Vpp−(n)を決定し、待機状態に移行する(S511)。そして、ホストコンピュータなどからプリント信号が画像形成装置に送られると(S511)、画像形成時に(S507、S508)で決定した交流電圧Vpp−(n)を印加する(S513)。次のプリント信号がない場合は、後回転工程を行い(S514)、待機状態に移行する。
このようにすることで、常にすべての検出用電圧を印加する必要がなくなるので、検出用電圧の印加時間を短縮することができる。
本実施例では、最初に印加する検出用電圧を、最もピーク間電圧の小さいVpp−(k=6)を使用したが、これに限られるものではない。
また、本実施例では実施例2をベースに説明をしたが、実施例1にも適用することが可能である。本実施例のポイントは、検出用電圧を小さいものから印加して行き、画像形成時に必要な交流電流が得られた時点でピーク間電圧選択制御を終了することである。
なお、上記実施例1乃至3におけるピーク間電圧選択制御シーケンスは、検出用電圧Vpp−(k)を、そのまま画像形成工程時の交流電圧Vpp−(n)として印加する制御シーケンスを行っていた。つまり、電流検出電圧Vkとピーク間電圧選択制御閾値VOと比較し、Vk≧VO且つピーク間電圧が最小となるような検出用電圧Vpp−(k)が、画像形成工程時の交流電圧Vpp−(n)として用いられていた。本願発明における制御シーケンスでは、これに留まらず、Vk≧VO且つピーク間電圧が最小となるような検出用電圧Vpp−(k)に基づいて、画像形成工程時の交流電圧Vpp−(n)を決定するような制御を行っても構わない。例えば、Vpp−(k)が、Vpp−(k)=−1500Vであった場合において、そのまま−1500Vを画像形成工程時の印加電圧とするのではなく、−50Vを上乗せして−1550Vを画像形成工程時の印加電圧とすることが考えられる。
なお、本実施例では帯電ローラを用いて説明を行ったがこれに限られるものではない。帯電手段の形状としてはベルトタイプ、ブラシタイプの形態でも本発明を適用することができる。また、帯電手段と像担持体とは接触している必要は必ずしもなく、帯電手段を像担持体に近接して配置し帯電を行う、近接帯電方式にも適用することができる。しかしながら、接触帯電方式のほうが帯電手段に転写残トナーが付着しやすいため、帯電手段の抵抗変動が大きくなりやすいと考えられるため、接触帯電方式の方が本願発明を適用するのに適している。
実施例1のピーク間電圧選択制御シーケンスを説明するフローチャート
実施例2のピーク間電圧選択制御シーケンスを説明するフローチャート
従来の画像形成装置の概略構成図
一般的な画像形成装置の動作シーケンス
従来の帯電バイアス電源回路の概念図
従来のピーク間電圧選択制御シーケンスを説明するフローチャート
電流検出電圧Vkの概念図
実施例の画像形成装置の概略構成図
実施例のプロセスカートリッジの概略構成図
ピーク間電圧選択制御回路を説明する概念図
(a)は実施例1のプロセスカートリッジに搭載されるメモリの詳細図。(b)は実施例2のプロセスカートリッジに搭載されるメモリの詳細図。
実施例3のピーク間電圧選択制御シーケンスを説明するフローチャート
符号の説明
201 感光ドラム
202 帯電手段(帯電ローラ)
203 クリーニングブレード
204 クリーニング装置
205 現像装置
206 現像剤層厚規制部材
207 現像スリーブ
210 メモリ
220 画像形成装置本体
221 露光装置
222 転写ローラ
223 定着装置
230 帯電バイアス電源回路