JP4588155B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性に優れた繊維状充填剤を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。更に詳しくは、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアミドで表面処理された繊維状充填剤、および特定の官能基を有する滑剤を含んでなる樹脂組成物であって、高剛性かつ良好な耐衝撃性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性などの機械的特性に優れ、しかも難燃性、耐熱性などに優れたエンジニアリングプラスチックスとして知られている。しかし、繊維状充填剤で強化された芳香族ポリカーボネート樹脂は、非強化のポリカーボネート樹脂組成物に比べて、強度および剛性は向上するものの耐衝撃性が大幅に劣る問題点がある。特に薄肉筐体用成形品などにおいては、十分な強度と剛性を有した上で、さらに耐衝撃性と難燃性のバランスのとれた樹脂組成物の出現が強く要望されている。
【0003】
繊維強化の芳香族ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性を改良する方法としては、種々の提案がなされている。例えば、(1)芳香族ポリカーボネート樹脂にゴム含有ポリマーとポリアミドで集束された炭素繊維を用いる方法(特開昭60−88062号公報)、(2)芳香族ポリカーボネート樹脂にガラス繊維およびカルボキシル基を有するオレフィン系ワックスを配合する方法(特開昭56−45944号公報)、(3)芳香族ポリカーボネート樹脂に強化繊維とカルボキシル基を有するオレフィン系ワックスと複合ゴム系グラフトポリマーを配合する方法(特開平07−238213号公報)などが提案されている。
【0004】
(1)の芳香族ポリカーボネート樹脂にゴム含有ポリマーとポリアミドで集束された炭素繊維を用いる方法は、ゴム含有ポリマーを用いることにより芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアミドで集束された炭素繊維との密着性を上げることが提案されている。しかしゴム含有ポリマーを必須とすることは組成物全体の剛性を低下させるため必ずしも望ましいものでなく、またかかる構成により達成される衝撃強度は未だ十分なものとはいえない。
【0005】
(2)の方法は、ポリカーボネート樹脂本来の衝撃強度を生かす方法であり、ゴム成分を含有させない場合であっても、良好な耐衝撃強度と剛性の両立を達成し得るものであるが、近年は更に高いレベルが要求されており、十分に対応できない場合があった。
【0006】
(3)の方法は、(2)の方法を更に改良したものであり、難燃性に対しても良好な特性を有するものではあるが、近年は更に高い耐衝撃性が求められる分野もある。すなわちより製品肉厚が薄肉になることで、剛性、耐衝撃性、および難燃性のいずれにおいてもより高いレベルが求められている。
【0007】
すなわち、繊維状充填剤で強化された芳香族ポリカーボネート樹脂においては、高い耐衝撃性、高い剛性、高い難燃性に優れた樹脂組成物の出現が要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐衝撃性に優れた繊維状充填剤を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリアミドで表面処理された繊維状充填剤、および特定の官能基を含有する滑剤からなる樹脂組成物において、剛性などを維持しつつ耐衝撃性が飛躍的に向上することを見出し、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)、ポリアミドで表面処理された繊維状充填剤(B成分)、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、およびオキサゾリン基から選択された少なくとも1種の官能基を有する滑剤(C成分)を含んでなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物100重量%中A成分をa重量%、B成分をb重量%、C成分をc重量%としたとき、以下の[1]〜[3]式を満足してなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に係るものである。
【0010】
本発明でA成分として使用する芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
【0011】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステルなどが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0012】
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、更に、ビスフェノールAの単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンまたはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましく使用される。特にビスフェノールAの単独重合体が好ましい。
【0013】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメートなどが使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどが挙げられる。
【0014】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応させて芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤などを使用してもよい。また芳香族ポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0015】
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノールなどのトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライドなどが挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0016】
かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%であるものが好ましい。尚、かかる割合については1H−NMR測定により算出することが可能である。
【0017】
界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイドなどの第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物などの触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0018】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られた芳香族ポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0019】
【化1】
【0020】
(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。)
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
【0021】
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も示すことができる。これらのなかでは、下記一般式(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
(式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。)
【0025】
かかる一般式(2)の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノールなどを挙げることができる。
【0026】
また、一般式(3)の置換フェノール類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。
【0027】
末端停止剤は、得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ましい。より好ましくは全末端に対して末端停止剤が80モル%以上導入されること、すなわち二価フェノールに由来する末端の水酸基(OH基)が20モル%以下であることがより好ましく、特に好ましくは全末端に対して末端停止剤が90モル%以上導入されること、すなわちOH基が10モル%以下の場合である。また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0028】
溶融エステル交換法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点などにより異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0029】
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0030】
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0031】
また、かかる重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネート、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートなどの化合物を加えることが好ましい。なかでも2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく使用される。
【0032】
さらにかかる重合反応において触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤の具体例としては、例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル‐スルホン化スチレン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの化合物を二種以上併用することもできる。
【0033】
失活剤の中でもホスホニウム塩もしくはアンモニウム塩型のものが好ましい。かかる触媒の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。
【0034】
芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は特定されないが、分子量が10,000未満であると高温特性などが低下し、40,000を超えると成形加工性が低下するようになるので、粘度平均分子量で表して10,000〜40,000のものが好ましく、14,000〜30,000のものが更に好ましく、特に好ましくは14,000〜23,000のものである。また、芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηSP)を次式に挿入して求める。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4M0.83
c=0.7
【0035】
本発明のB成分であるポリアミドで表面処理された繊維状充填材とは、ポリアミドを繊維状充填材表面に物理的、または化学的作用により付着させたものである。
【0036】
かかる付着方法としては、(1)高温の繊維状充填材をポリアミドと接触させる方法、例えば高温とした繊維ロービングをポリアミド粉体中に通す方法などが挙げられる。(2)繊維状充填材を溶融したポリアミド、ポリアミド溶液、ポリアミド分散液中に通し、その後乾燥または加熱する方法。例えば繊維ロービングをポリアミド溶液中に通す方法などが挙げられる。(3)繊維状充填材の存在下でポリアミドを形成するモノマーを重合させる方法。(4)メカノケミカルによる方法、例えば繊維ロービングをポリアミド固体に擦り付ける方法が挙げられる。また繊維状充填材とポリアミド粉体に高せん断を作用させる方法も挙げられ、かかる方法を達成する装置として奈良機械製作所(株)製ハイブリダイゼーションシステム、(株)KCK製DMMメカノケミカル装置、ホソカワミクロン(株)メカノフュージョンなどが挙げられる。かかる中でも、繊維状充填材をポリアミド溶液、ポリアミド分散液に通し、その後乾燥または加熱する方法が好ましく挙げられる。
【0037】
B成分として使用されるポリアミドとしては、例えば環状ラクタムの開環重合体、アミノカルボン酸の重縮合体、2塩基酸とジアミンとの重縮合体などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)などの脂肪族−芳香族ポリアミドおよびこれらの共重合体および混合物を挙げることができる。これらの中でも特に好ましくは、ナイロン6、ナイロン66が挙げられる。重合度としては100以下のものがより好ましく使用できる。
【0038】
またポリアミドのアミド結合のアミノ部位にアルコール類が置換するなどによりアルコール可溶性とした変性ポリアミドも好ましく使用できる。すなわち本発明でより好ましい表面処理方法としては溶剤としてフェノール類、塩化カルシウム飽和メタノール溶液、エタノール、メタノールなどを使用し、アルコール可溶性とした変性ポリアミドの粉末、ペレットをこれらの溶剤に溶解した濃度0.5〜20重量%に適宜調整した溶液に、繊維のロービングを連続的に浸漬しそして、脱溶剤して適当な長さに切断して製造する方法が挙げられる。
【0039】
本発明のB成分におけるポリアミドの量としては、B成分100重量%中、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは0.7〜4.5重量%である。0.1重量%未満では集束が不十分となり、また十分に繊維状充填剤の表面を覆いにくいため本発明の効果を十分に発揮し得ない。一方10重量%を超えるとポリアミドが芳香族ポリカーボネート樹脂の熱安定性の低下が大きくなる。
【0040】
またB成分として使用する繊維状充填剤は、一般に芳香族ポリカーボネート樹脂の強化に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、ワラストナイト、ゾノトライト、アタパルジャイトなどのケイ酸塩鉱物繊維類;ガラス繊維、ミルドファイバー、金属コートガラス繊維などのガラス繊維類;炭素繊維、カーボンミルドファイバー、金属コート炭素繊維などの炭素繊維類;アラミド繊維、ポリアリレート繊維などの耐熱有機繊維類;ステンレス鋼線、銅線、アルミ線、タングステン線などの金属繊維類;アルミナ繊維、ジルコニア繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維などのセラミック繊維類、ほう酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウイスカー、針状酸化チタン、針状炭酸カルシウムなどの各種ウイスカー類などを挙げられ、これらは二種以上併用することができる。
【0041】
この中で好ましい繊維状充填材は、原材料の時点でL/Dが10以上の形状を有する繊維をあげることができ、中でも本発明の効果が顕著であり好ましいのは炭素繊維類であり、なかでも特に炭素繊維が好ましい。かかる理由としては、炭素繊維は高剛性が達成可能である一方、良好な耐衝撃性が達成されにくく、また特に難燃性を要求される場合には、炭素繊維の性質上より多くの難燃剤を必要とし、かかる場合の耐衝撃性の低下が顕著であることが挙げられる。尚、Lは繊維長、Dは繊維径を表わす。
【0042】
すなわち本発明によれば、B成分がポリアミドで集束されたL/Dが10以上の繊維状充填剤であり、特に好ましくは炭素繊維である繊維状充填剤と、A成分およびC成分からなる樹脂組成物が提供され、かかる樹脂組成物は高剛性と高耐衝撃性との両立を極めて高い水準で可能とするものである。
【0043】
本発明における炭素繊維としては、セルロース系、ポリアクリロニトリル系、ピッチ系などのいずれも使用可能であり、また芳香族スルホン酸類またはそれらの塩のメチレン型結合による重合体と溶媒よりなる原料組成物を紡糸または成形し、次いで炭化するなどの方法に代表される不融化工程を経ない紡糸を行う方法により得られたものも使用可能である。更に気相成長法に代表される紡糸工程を経ない製造法により製造されたものも使用可能である。
【0044】
更にいわゆる汎用タイプ、中弾性率タイプ、高弾性率タイプのいずれも使用可能であるが、特にポリアクリロニトリル系の高弾性率タイプが好ましい。また形状としてはチョップドストランド、ロービングストランドなどの形状のものである。また製法についても溶融紡糸、溶剤紡糸のいずれの方法も使用可能であり、更に溶剤紡糸については湿式紡糸、乾式紡糸のいずれも使用可能である。
【0045】
繊維径については、直径が0.5〜20μmのものが好ましく、1〜10μmのものが特に好ましい。0.5μm未満では繊維同士が絡みやすく、繊維を芳香族ポリカーボネート中に分散する工程において繊維の折れが激しく、剛性向上の効率が低下し、20μmを超えると繊維の表面積が低下することで樹脂への補強効率が低下する。これらの炭素繊維は、酸化性ガス中で繊維を加熱する気相酸化、酸化剤の溶液を用いる液相酸化、電解浴中で炭素繊維を陽極酸化するなどの方法により炭素繊維の表面を酸化することが望ましい。炭素繊維は通常チョップドストランドとして集束剤により数千本〜数万本を1単位として繊維長1〜10mm程度にカットされており、これらのものが適宜使用可能である。
【0046】
カーボンミルドファイバーは炭素繊維をカットしたのち、更にボールミルなどにより粉砕を行い、通常のチョップドストランド未満の長さに調整されるものである。かかる場合も元となる炭素繊維としては上記の炭素繊維として挙げたものが使用可能である。
【0047】
また金属コート炭素繊維とは、上記炭素繊維に公知のメッキ法及び蒸着法等でニッケル、銅、コバルト、銀、アルミニウム、鉄等及びこれらの合金等の金属をコーティングしたものである。かかる金属は導電性、耐食性、生産性、更に経済性の観点からニッケル、銅及びコバルトから選ばれる1種または2種以上の金属が好ましい。
【0048】
本発明のC成分として使用されるカルボキシル基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、およびオキサゾリン基から選択された少なくとも1種の官能基を有する滑剤における滑剤としては、鉱物油、合成油、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、シリコンオイル、シリコンパウダー、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、ポリアルキレングリコール、フッ素化脂肪酸エステル、トリフルオロクロロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレングリコールなどのフッ素オイルなどが挙げられる。
【0049】
本発明は、かかるC成分がB成分において表面処理されたポリアミド成分と極めて高い反応性を有するために、かかる滑剤成分を効率よく繊維状充填剤の周囲を被覆させることが可能となり、衝撃などの短時間の変形時における充填剤による樹脂成分の拘束力を大幅に低減することが可能となり、ポリカーボネート樹脂本来の靭性を活かすことが可能となると思われる。かかる観点では直接にこれらの滑剤成分で表面処理することも考えられるが、現実には炭素繊維、ガラス繊維などの集束を満足に行うことができず、同等の取り扱い性と衝撃強度などの特性を両立することは困難である。
【0050】
高級脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0051】
上記に挙げた滑剤の中でもポリオレフィンワックスまたはシリコンオイルが好ましい。ポリオレフィンワックスとしては、特にポリエチレンワックスおよび/または1−アルケン重合体の使用が好ましい。ポリエチレンワックスとしては現在一般に広く知られているものが使用でき、エチレンを高温高圧下で重合したもの、ポリエチレンを熱分解したもの、ポリエチレン重合物より低分子量成分を分離精製したものなどが挙げられる。また分子量、分岐度などは特に制限されるものではないが、分子量としては重量平均分子量で500〜20,000が好ましく、より好ましくは1,000〜15,000である。
【0052】
一方、シリコンオイルとしては、ジメチルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル、メチルハイドロジェンシリコンオイル、環状ジメチルシリコンオイル、メチルフェニルシリコンオイル、ポリエーテル変性シリコンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコンオイル等が挙げられる。かかるシリコンオイルとしては、20℃における動粘度が1×10-2m2/s以下であるものが取り扱いの点から好ましい。
【0053】
官能基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、およびエポキシ基から選択される少なくとも1種の官能基がより好ましく、特にカルボキシル基、およびカルボン酸無水物基から選択される少なくとも1種の官能基が好ましい。
【0054】
これらの滑剤とカルボキシル基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、およびオキサゾリン基から選択された少なくとも1種の官能基を結合する方法としては、滑剤に、上記の特定官能基および滑剤と反応性のある官能基を有する化合物を反応させる方法、滑剤の合成時に上記の特定官能基を有する化合物を共重合する方法、滑剤、官能基を有する化合物およびラジカル発生剤を加熱下で混合する方法などを挙げることができ、いずれの方法も使用可能である。
【0055】
本発明でC成分として特に好ましいのは、カルボキシル基、およびカルボン酸無水物基から選択された少なくとも1種の官能基を有するポリオレフィンワックスである。かかるカルボキシル基またはカルボン酸無水物基をポリオレフィンワックス中に含有させる方法としては適宜各種の方法をとることができるが、例えば、マレイン酸や無水マレイン酸とポリエチレン、1−アルケンの重合体、1−アルケンとエチレンの共重合体などのポリマーとを加熱下で、ラジカル発生剤の存在下または非存在下で混合する方法が挙げられ、主鎖、側鎖または結合原子の解裂に伴ってこれらの官能基を導入することができる。更により好ましい方法としては、エチレン、プロピレン、炭素数4以上の1−アルケン等を重合または共重合する際に、マレイン酸、好ましくは無水マレイン酸を共重合することにより官能基を導入する方法である。かかる方法は不必要な熱負荷がなく、またかかる官能基の量の制御が容易である点でより好ましい方法である。かかる官能基の量としては、ポリオレフィンワックス1g当り0.1〜6meq/gの範囲とすることが好ましい。
【0056】
本発明の上記A成分、B成分、C成分の割合は、A成分〜C成分を含んでなる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中、A成分の割合をa重量%、B成分の割合をb重量%、C成分の割合をc重量%としたとき、以下の[1]〜[3]式を満足するものである。
【0057】
更に好ましくは以下の[4]式を満足するものである。
【0058】
またA成分およびC成分の好ましい範囲としては、
を挙げることができる。
【0059】
本発明では更に他の熱可塑性樹脂、各種添加剤、各種充填剤を含むものであってもよい。特に本発明は更に難燃剤が含まれる場合の耐衝撃性の低下を十分に改良することが可能となる点で、難燃剤を含む場合をより好ましい態様として挙げることができる。
【0060】
本発明の難燃剤(D成分)としては特に限定されるものではないが、まず赤リン系難燃剤が挙げられる。使用する赤リン系難燃剤は、一般の赤リンの他に、赤リン表面を熱硬化樹脂および/または無機材料を用いてマイクロカプセル化されている赤リンを使用することができる。更に、かかるマイクロカプセル化されている赤リンの使用は、安全性、作業性を良好とするためマスターペレット化したものが好ましく使用される。かかるマイクロカプセル化に使用される無機材料としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、水酸化スズ、水酸化セリウムなどがあげられ、熱硬化樹脂としてはフェノール・ホルマリン系、尿素・ホルマリン系、メラミン・ホルマリン系樹脂などが挙げられる。更にかかる無機材料で被覆されたものの上に、熱硬化性樹脂を用いた被覆を形成し、二重に被覆処理した赤リンなども好ましく使用できる。また、使用する赤リンは無電解メッキしたものも使用可能であり、無電解メッキ被膜としては、ニッケル、コバルト、銅、鉄、マンガン、亜鉛またはこれらの合金から選ばれた金属メッキ被膜を使用することができる。更に無電界メッキされた赤リンに更に上記に記載の無機材料および熱硬化性樹脂で被覆された赤リンを使用することもできる。かかる無機材料、熱硬化性樹脂および無電界メッキなどのマイクロカプセル化に使用する成分の量としては赤リン系難燃剤100重量%中20重量%以下であることが望ましく、より好ましくは5〜15重量%である。20重量%を越えると、ホスフィンの抑制、安全性の確保などの効果よりも難燃性の低下、機械的特性の低下などの悪影響が大きくなるため好ましくない。赤リン系難燃剤の平均粒径としては、1〜100μm、好ましくは1〜40μmが使用される。かかるマイクロカプセル化した赤リン系難燃剤の市販品としては、ノーバエクセル140、ノーバエクセルF−5(燐化学工業(株)製:商品名)、ヒシガードTP−10(日本化学工業(株)製:商品名)、ホスタフラムRP614(クラリアント・ジャパン(株)製:商品名)などが挙げられる。
【0061】
また、ハロゲン系難燃剤としては、芳香族ハロゲン化合物、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化芳香族ビニル系重合体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェニレンエーテルなどが挙げられ、好ましくは、デカブロモジフェニルオキサイド、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAのオリゴマー、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系ポリカーボネート、ブロム化ポリスチレン、ブロム化架橋ポリスチレン、ブロム化ポリフェニレンエーテル、ポリジブロムフェニレンエーテル、デカブロモジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物および含ハロゲンリン酸エステルなどを挙げることができる。
【0062】
さらに有機リン化合物としては、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステルなどを挙げることができる。より具体的には、トリフェニルホスフェート、メチルネオペンチルホスファイト、ペンタエリスリトールジエチルジホスファイト、メチルネオペンチルホスフォネート、フェニルネオペンチルホスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジホスフェート、ジシクロペンチルハイポジホスフェート、ジネオペンチルハイポホスファイト、フェニルピロカテコールホスファイト、エチルピロカテコールホスフェート、ジピロカテコールハイポジホスフェートなどを挙げることができる。
【0063】
ここで特に下記一般式(4)で表される1種または2種以上のリン酸エステル化合物を挙げることができる。
【0064】
【化4】
【0065】
(但し上記式中のXは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドから誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ独立して0または1であり、nは0〜5の整数であり、またはn数の異なるリン酸エステルの混合物の場合は0〜5の平均値であり、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立して1個以上のハロゲン原子を置換したもしくは置換していないフェノール、クレゾール、キシレノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−クミルフェノールから誘導されるものである。)
【0066】
この中で好ましくは、上記式中のXは、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAから誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ1であり、nは0〜3の整数であり、またはn数の異なるリン酸エステルのブレンドの場合は0〜3の平均値であり、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立して1個以上のハロゲン原子を置換したもしくは置換していないフェノール、クレゾール、キシレノールから誘導されるものである。
【0067】
更に、特に好ましくは、Xはレゾルシノールから誘導されるものであり、j、k、l、mはそれぞれ1であり、nは0または1であり、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立してフェノールまたはキシレノールから誘導されるものである。
【0068】
かかるリン酸エステル系難燃剤の中でも、モノホスフェート化合物としてはトリフェニルホスフェート、縮合リン酸エステルとしてはレゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)およびビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)が、難燃性が良好でありかつ成形時の流動性が良好であるなどの理由により好ましく使用できる。
【0069】
またポリリン酸アンモニウム塩などの無機系リン酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物などの無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモンなどの無機系難燃剤を使用することができる。
【0070】
更に本発明の難燃剤としては、第IIA族硫化物、第IIB族硫化物、硫化錫、硫化鉄、硫化チタン、硫化銅、硫化ビスマスなどの金属硫化物、元素態硫黄、第IA族ホウ酸塩、第IA族リン酸塩、第IIA族ホウ酸塩、第IIA族リン酸塩、第IIA族ホウリン酸塩、第IIB族ホウ酸塩、第IIB族リン酸塩、第IIB族ホウリン酸塩、第IVB族リン酸塩、リン酸アルミニウム、リン酸鉄、リン酸ビスマス、リン酸錫、リン酸ジルコニウムおよびリン酸チタンなどの金属リン酸塩が挙げられる。
【0071】
更に適当な有機酸または無機酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、およびハロゲン含有化合物が挙げられる。ここで、好ましい無機アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、セシウム塩などが挙げられる。また、無機アルカリ土類金属塩としてはカルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。また、無機アルカリ金属塩または無機アルカリ土類金属塩を得る際に用いられる無機酸としては、H3AlF6、H3BF6、H3SbF6、H2TiF6、H2SiF6、H3PO、H2ZrF6、H2WF6、HBF4などが挙げられる。好ましい無機アルカリ金属塩または無機アルカリ土類金属塩としては、Na3AlF6、Ca3(AlF6)2が挙げられる。また、有機アルカリ金属塩または有機アルカリ土類金属塩を得る際に用いられる好ましい有機酸としては、脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸、芳香族カルボン酸および脂肪族カルボン酸である。具体例としては、メチルスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸、エチレングライコール、プロピレングライコール、ブタンジオールなどのモノまたはジスルホン酸、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリまたはテトラスルホン酸、ステアリン酸モノグリセライドモノスルホン酸、1,3−ビス(2−エチルヘキシル)グリセリンエーテルモノスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロメチルブタンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリクロロベンゼンスルホン酸、2,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、カプリル酸、ラウリル酸、安息香酸、ナフトールカルボン酸、2,4,6−トリブロモ安息香酸などが挙げられる。好ましい有機アルカリ金属塩または有機アルカリ土類金属塩としては、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カルシウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸カリウムが挙げられる。
【0072】
更にシリコン系難燃剤や、フェノキシホスファゼンオリゴマーや環状フェノキシホスファゼンオリゴマーに代表されるホスファゼン化合物も使用することが可能である。
【0073】
上記の難燃剤の中でも特に赤リン、ハロゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤を本発明においては好ましく挙げることができ、中でも耐衝撃性の低下しやすい赤リン、リン酸エステル系難燃剤の場合、特にリン酸エステル系難燃剤の場合が本発明の効果が認められるため好適な難燃剤であるといえる。
【0074】
ここで、D成分の割合としては、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中、30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜15重量%である。
【0075】
本発明では更に難燃性を向上することを目的に、チャー形成樹脂を添加することも可能である。チャー形成樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾール変性フェノール樹脂、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、アリル化ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジフェニルポリフェニレンエーテル、ポリフェニル、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上組み合わせて用いることができる。このうち、特に好ましいチャー形成樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリフェニレンスルフィドを挙げることができる。
【0076】
本発明では更にA成分の芳香族ポリカーボネート樹脂以外の熱可塑性樹脂(E成分)を含んでなるものであってもよく、かかる熱可塑性樹脂としては各種のものが使用可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂等のスチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂等を例示することができる。更に、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックス、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルアミド等のいわゆるスーパーエンプラと呼ばれるものも用いることができる。このうち、特に好ましい熱可塑性樹脂としては熱可塑性ポリエステル樹脂、ゴム質重合体の含有量が40重量%未満のスチレン系樹脂を挙げることができる。
【0077】
本発明で使用する熱可塑性ポリエステル樹脂とは芳香族ジカルボン酸またはその反応性誘動体と、ジオール、またはそのエステル誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体である。
【0078】
ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−アントラセンジカルボン酸、4,4’−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸が好適に用いられ、特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく使用できる。
【0079】
芳香族ジカルボン酸は二種以上を混合して使用してもよい。なお少量であれば、該ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等を一種以上混合使用することも可能である。
【0080】
また本発明の芳香族ポリエステルの成分であるジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール等、2,2−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の芳香環を含有するジオール等およびそれらの混合物等が挙げられる。更に少量であれば、分子量400〜6000の長鎖ジオール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を1種以上共重合してもよい。
【0081】
また本発明の芳香族ポリエステルは少量の分岐剤を導入することにより分岐させることができる。分岐剤の種類に制限はないがトリメシン酸、トリメリチン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0082】
具体的な芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、等の他、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、等のような共重合ポリエステルが挙げられる。これらのうち、機械的性質等のバランスがとれたポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートおよびこれらの混合物が好ましく使用できる。
【0083】
また得られた芳香族ポリエステル樹脂の末端基構造は特に限定されるものではなく、末端基における水酸基とカルボキシル基の割合がほぼ同量の場合以外に、一方の割合が多い場合であってもよい。またかかる末端基に対して反応性を有する化合物を反応させる等により、それらの末端基が封止されているものであってもよい。
【0084】
かかる芳香族ポリエステル樹脂の製造方法については、常法に従い、チタン、ゲルマニウム、アンチモン等を含有する重縮合触媒の存在下に、加熱しながらジカルボン酸成分と前記ジオール成分とを重合させ、副生する水または低級アルコールを系外に排出することにより行われる。例えば、ゲルマニウム系重合触媒としては、ゲルマニウムの酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、フェノラート等が例示でき、更に具体的には、酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、テトラメトキシゲルマニウム等が例示できる。
【0085】
また本発明では、従来公知の重縮合の前段階であるエステル交換反応において使用される、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等の化合物を併せて使用でき、およびエステル交換反応終了後にリン酸または亜リン酸の化合物等により、かかる触媒を失活させて重縮合することも可能である。
【0086】
また芳香族ポリエステル樹脂の分子量については特に制限されないが、o−クロロフェノールを溶媒としてで25℃で測定した固有粘度が0.4〜1.2、好ましくは0.65〜1.15である。
【0087】
本発明で使用するゴム成分の含有量が40重量%未満のスチレン系樹脂とは、スチレン系単量体と必要に応じてこれらと共重合可能な他のビニル単量体およびゴム質重合体より選ばれる1種以上を重合して得られる、ゴム質重合体の含有量が40重量%未満のスチレン系樹脂である。
【0088】
前記スチレン系樹脂成分に用いられるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフタレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン等のスチレン誘導体であり、特にスチレンが好ましい。さらにこれらは単独または2種以上用いることができる。
【0089】
前記スチレン系単量体と共重合可能な他のビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸のアリールエステル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸およびその無水物があげられる。
【0090】
前記スチレン系単量体と共重合可能なゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン・ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルおよびブタジエンの共重合体、ブタジエン・イソプレン共重合体等のジエン系共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン・ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン・メタクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレンと脂肪族ビニルとの共重合体、エチレン・プロピレン・ヘキサジエン共重合体等のエチレンとプロピレンと非共役ジエンターポリマー、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造を有している複合ゴム(以下IPN型ゴム)等が挙げられる。
【0091】
かかるスチレン系樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(水添SBS)、水添スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(水添SIS)、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)、スチレン・メチルメタクリレート共重合体(MS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・スチレン共重合体(MAS樹脂)、スチレン・無水マレイン酸共重合体(SMA樹脂)およびスチレン・IPN型ゴム共重合体等の樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。尚かかるスチレン系熱可塑性樹脂はその製造時にメタロセン触媒等の触媒使用により、シンジオタクチックポリスチレン等の高い立体規則性を有するものであってもよい。更に場合によっては、アニオンリビング重合、ラジカルリビング重合等の方法により得られる、分子量分布の狭い重合体および共重合体、ブロック共重合体、および立体規則性の高い重合体、共重合体を使用することも可能である。これらは1種または2種以上を混合して使用することも可能である。
【0092】
これらの中でもポリスチレン(PS)、高衝撃ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル・スチレン・アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)からなる群より選択される1種または2種以上を混合して使用することが好ましく、なかでもABS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂が最も好ましい。
【0093】
本発明で使用するABS樹脂とは、ジエン系ゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体とシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体の混合物である。このABS樹脂を形成するジエン系ゴム成分としては、例えばポリブタジエン、ポリイソプレンおよびスチレン−ブタジエン共重合体等のガラス転移点が10℃以下のゴムが用いられ、その割合はABS樹脂成分100重量%中5〜39.9重量%であるのが好ましく、特に好ましくは10〜39.9重量%である。
【0094】
ジエン系ゴム成分にグラフトされるシアン化ビニル化合物としては、前記のものをあげることができ、特にアクリロニトリルが好ましく使用できる。またジエン系ゴム成分にグラフトされる芳香族ビニル化合物としては、同様に前記のものを使用できるが、特にスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましく使用できる。かかるジエン系ゴム成分にグラフトされる成分の割合は、ABS樹脂成分100重量%中95〜20重量%が好ましく、特に好ましくは50〜90重量%である。更にかかるシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の合計量100重量%に対して、シアン化ビニル化合物が5〜50重量%、芳香族ビニル化合物が95〜50重量%であることが好ましい。更に上記のジエン系ゴム成分にグラフトされる成分の一部についてメチル(メタ)アクリレート、エチルアクリレート、無水マレイン酸、N置換マレイミド等を混合使用することもでき、これらの含有割合はABS樹脂成分中15重量%以下であるものが好ましい。更に反応で使用する開始剤、連載移動剤、乳化剤等は必要に応じて、従来公知の各種のものが使用可能である。
【0095】
本発明のABS樹脂においては、ゴム粒子径は0.1〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0μm、特に好ましくは0.4〜1.5μmである。かかるゴム粒子径の分布は単一の分布であるものおよび2山以上の複数の山を有するもののいずれもが使用可能であり、更にそのモルフォロジーにおいてもゴム粒子が単一の相をなすものであっても、ゴム粒子の周りにオクルード相を含有することによりサラミ構造を有するものであってもよい。
【0096】
またABS樹脂がジエン系ゴム成分にグラフトされないシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物を含有することは従来からよく知られているところであり、本発明のABS樹脂においてもかかる重合の際に発生するフリーの重合体成分を含有するものであってもよい。かかるフリーのシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物からなる共重合体の分子量は、好ましくは還元粘度で0.2〜1.0、より好ましくは0.25〜0.5であるものである。
【0097】
またグラフトされたシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の割合はジエン系ゴム成分に対して20〜200%が好ましく、より好ましくは20〜70%のグラフト率のものである。
【0098】
このABS樹脂は塊状重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの方法で製造されたものでもよく、また共重合の方法も一段で共重合しても、多段で共重合してもよい。また、かかる製造法により得られたABS樹脂に芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル成分とを別途共重合して得られるビニル化合物重合体をブレンドしたものも好ましく使用できる。更に一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また懸濁重合法においても、水相とモノマー相とを個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法や、同様に連続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜数十μmの細径オリフィスまたは多孔質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方法なども可能である。
【0099】
本発明で使用するASA樹脂とは、アクリルゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体、または該熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体との混合物をいう。本発明でいうアクリルゴムとは、炭素数が2〜10のアルキルアクリレート単位を含有するものであり、更に必要に応じてその他の共重合可能な成分として、スチレン、メチルメタクリレート、ブタジエンを含有してもよい。炭素数が2〜10のアルキルアクリレートとして好ましくは2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートが挙げられ、かかるアルキルアクリレートはアクリレートゴム100重量%中50重量%以上含まれるものが好ましい。更にかかるアクリレートゴムは少なくとも部分的に架橋されており、かかる架橋剤としては、エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート等を挙げることができ、かかる架橋剤はアクリレートゴムに対して0.01〜3重量%使用されることが好ましい。またシアン化ビニル化合物および芳香族ビニル化合物の割合はかかる合計量100重量%に対して、シアン化ビニル化合物が5〜50重量%、芳香族ビニル化合物が95〜50重量%であり、特にシアン化ビニル化合物が15〜35重量%、芳香族ビニル化合物が85〜65重量%のものが好ましい。製造法としてはABS樹脂と同様のものを使用することが可能である。
【0100】
本発明で使用するAES樹脂とは、エチレン−プロピレンゴム成分またはエチレン−プロピレン−ジエンゴム成分にシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物をグラフト重合した熱可塑性グラフト共重合体、または該熱可塑性グラフト共重合体と、シアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体との混合物である。製造法としてはABS樹脂と同様のものを使用することが可能である。
【0101】
上記のE成分の割合としては、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物中100重量%中、40重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは1〜25重量%である。
【0102】
更に本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、ゴム状弾性体の存在がなくとも十分な耐衝撃性を達成し得るものであるが、かかる耐衝撃性を更に効率的に向上させるためにゴム状弾性体(F成分)を使用することもできる。本発明において使用可能なF成分のゴム状弾性体の例としては、ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分に、芳香族ビニル、シアン化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、およびこれらと共重合可能なビニル化合物から選択されたモノマーの1種または2種以上が共重合されたグラフト共重合体を挙げることができる。一方架橋構造を有しない熱可塑性エラストマーとして知られている各種、例えばポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンエラストマー、ポリエーテルアミドエラストマー等を使用することも可能である。熱可塑性エラストマーでないゴム状弾性体は、単独では射出成形等の付形が困難なものであって、ゴム成分を40%以上含有するものであり、この点で本発明のE成分のABS樹脂等とは明確に区別されるものである。
【0103】
ここでいうガラス転移温度が10℃以下のゴム成分としては、ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴム、アクリル-シリコン複合ゴム、イソブチレン−シリコン複合ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−アクリルゴム、シリコンゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴムおよびこれらの不飽和結合部分に水素が添加されたものを挙げることができる。
【0104】
中でもガラス転移温度が10℃以下のゴム成分を含有するゴム状弾性体が好ましく、特にブタジエンゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、アクリルゴム、アクリル-シリコン複合ゴムを使用したゴム状弾性体が好ましい。ブタジエン−アクリル複合ゴムとは、ブタジエンゴムの成分と、アクリルゴムの成分とを共重合または分離できないよう相互に絡み合ったIPN構造をとるように重合したゴムであり、アクリル−シリコン複合ゴムとは、アクリルゴムの成分とシリコンゴムの成分とを分離できないよう相互に絡み合ったIPN構造としたまたはシリコンゴム中の官能基と共重合したものをいう。
【0105】
芳香族ビニルとしては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アルコキシスチレン、ハロゲン化スチレン等を挙げることができ、特にスチレンが好ましい。またアクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル等を挙げることができ、メタアクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル等を挙げることができ、メタクリル酸メチルが特に好ましい。
【0106】
ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分を含有するゴム状弾性体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合のいずれの重合法で製造したものであってもよく、共重合の方式は一段グラフトであっても多段グラフトであっても差し支えない。また製造の際に副生するグラフト成分のみのコポリマーとの混合物であってもよい。更に一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合法、二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また懸濁重合法においても、水相とモノマー相とを個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法や、同様に連続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜数十μmの細径オリフィスまたは多孔質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方法なども可能である。
【0107】
かかるゴム状弾性体は市販されており容易に入手することが可能である。例えばガラス転移温度が10℃以下のゴム成分として、ブタジエンゴム、またはブタジエン−アクリル複合ゴムを主体とするものとしては、鐘淵化学工業(株)のカネエースBシリーズ、三菱レーヨン(株)のメタブレンCシリーズ、呉羽化学工業(株)のEXLシリーズ、HIAシリーズ、BTAシリーズ、KCAシリーズが挙げられ、ガラス転移温度が10℃以下のゴム成分としてアクリル−シリコン複合ゴムを主体とするものとしては三菱レーヨン(株)よりメタブレンS−2001あるいはSRK−200という商品名で市販されているものが挙げられる。
【0108】
ここで、F成分の割合としては、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中、剛性の点から20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。
【0109】
本発明の組成物には、難燃性能を更に向上させるためにG成分として、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンを配合することもできる。フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格においてタイプ3に分類されているものである。更にかかるフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、1次粒子径が0.05〜10μmの範囲のものが好ましく、2次粒子径が50〜700μmのものが好ましい。かかるポリテトラフルオロエチレンはUL規格の垂直燃焼テストにおいて試験片の燃焼テスト時に溶融滴下防止性能を有しており、かかるフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、例えば三井・デュポンフロロケミカル(株)よりテフロン6Jとして、またはダイキン化学工業(株)よりポリフロンとして市販されており容易に入手できる。
【0110】
かかるポリテトラフルオロエチレン(以下単に“PTFE”と称することがある)は、通常の固体形状の他、水性分散液形態のものも使用可能である。またかかるフィブリル形成能を有するPTFEは樹脂中での分散性を向上させ、更に良好な難燃性および機械的特性を得るために以下の形態のPTFE混合物を使用することも可能である。
【0111】
第1にPTFE分散液とビニル系重合体の分散体との共凝集混合物を挙げることができる。具体的には特開昭60−258263号公報に平均粒径0.05〜5μmのPTFE分散液とビニル系重合体の分散液を混合し、30μmより大きいPTFE粒子を精製させることなく凝固させ、かかる凝固物を乾燥することによりPTFE混合物を得る方法が記載されており、かかる混合物の使用が可能である。
【0112】
第2にPTFE分散液と乾燥したポリマー粒子とを混合した混合物を挙げることができ、かかるポリマー粒子としては各種のものが使用できるが、より好ましくはポリカーボネート樹脂粉末またはABS樹脂粉末を使用したものである。かかる混合物については、特開平4−272957号公報にPTFE分散液とABS樹脂粉末との混合物について記載がされており、かかる方法の使用が可能である。
【0113】
第3にPTFE分散液と熱可塑性樹脂溶液の混合物からそれぞれの媒体を同時に除去することにより得られたPTFE混合物を挙げることができ、具体的にはスプレードライヤーを使用することにより媒体を除去した混合物を挙げることができ、かかる混合物については特開平08−188653号公報に記載されている。
【0114】
第4にPTFE分散液中で他のビニル系単量体を重合することにより得られたPTFE混合物を挙げることができ、かかる混合物については特開平9−95583号公報に、PTFEラテックス中にスチレンおよびアクリロニトリルを供給することによりPTFE混合物を得る方法が具体的に記載されており、かかる混合物等を使用することができる。
【0115】
第5に、PTFE分散液とポリマー粒子分散液を混合後、更に該混合分散液中でエチレン系不飽和単量体を重合する方法を挙げることができ、かかる方法は製造の簡便性とPTFEの分散の微細化を両立できる点で好ましいPTFE混合物として挙げることができる。かかる混合物については特開平11−29679号にその詳細が記載されており、すなわち粒子径0.05〜1.0μmのPTFE分散液とポリマー粒子分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化されたPTFE混合物を好ましいものとして挙げることができる。
【0116】
ここでポリマー粒子としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、HIPS、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂、MABS樹脂、ASA樹脂、ポリアルキル(メタ)アクリレート、スチレンおよびブタジエンからなるブロック共重合体およびその水添共重合体、スチレンおよびイソプレンからなるブロック共重合体、およびその水添共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン−ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレンとα−オレフィンの共重合体、エチレン−ブチルアクリレート等のエチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴム、更にかかる複合ゴムにスチレン、アクリロニトリル、ポリアルキルメタクリレート等のビニル系単量体をグラフトした共重合体等を挙げることができるが、なかでもポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂が好ましい。
【0117】
一方、エチレン系不飽和単量体としてはスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等の中から選択することができる。これらの単量体は単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0118】
かかる第5の形態のPTFE混合物としては、三菱レイヨン(株)よりメタブレン「A3000」(商品名)が市販されており、入手が容易であると共に、本発明において好ましく使用することができる。
【0119】
フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンの割合は本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中、3重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1.5重量%、特に好ましくは0.1〜1.0重量%である。3重量%の範囲においては、十分な溶融滴下防止性能を得ることが可能となる。
【0120】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明のB成分以外に少量の無機充填材や耐熱有機充填材を含むものであってもよい。
【0121】
かかる無機充填剤としては、タルク、マイカ、ガラスフレーク、グラファイトフレーク等の板状充填剤、ガラスビーズ、ガラスバルーン、セラミックバルーン、カーボンビーズ、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛等の各種粒子状充填剤、および上記各種の無機充填材にメッキ、蒸着、スパッタリング等の方法により、金、銀、ニッケル、銅、クロム、アルミニウム等に代表される各種金属や、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等に代表される金属酸化物等を被覆した無機充填材を挙げることができる。
【0122】
耐熱有機充填剤としては、アラミド粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子等の粒子状充填剤を挙げることができる。
【0123】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、リン系の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、発泡剤、染顔料等を含むものでもよく、かかる目的に対して適宜処方することが可能であるが、特にリン系の熱安定剤を含むことは好ましいものである。
【0124】
リン系の熱安定剤としては亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等の亜リン酸エステル化合物、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート等のリン酸エステル化合物、更にその他のリン系熱安定剤として、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−ビフェニレンホスホナイト等の亜ホスホン酸エステル化合物等を挙げることができる。これらのうち、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−ビフェニレンホスホナイトが好ましい。これらの熱安定剤は、単独でもしくは2種以上混合して用いてもよい。かかる熱安定剤の割合は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中1重量%以下が好ましく、0.0005〜0.5重量%がより好ましく、0.002〜0.3重量%が更に好ましい。
【0125】
酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。これら酸化防止剤の割合は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中0.0001〜1重量%が好ましい。
【0126】
紫外線吸収剤としては、例えば2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および例えば2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾールおよび2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールに代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が例示される。更にビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等に代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も使用することが可能である。かかる紫外線吸収剤、光安定剤の割合は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中5重量%以下であることが好ましく、特に0.01〜3重量%が好ましい。
【0127】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は熱可塑性樹脂組成物には、溶融成形時の金型からの離型性をより向上させるために、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤を配合することも可能である。かかる離型剤としては、オレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン、一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステル、パラフィンワックス、蜜蝋等の従来公知であり、かつ本発明のC成分における特定の官能基を有しないものが挙げられる。かかる離型剤の割合は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中2重量%以下であることが好ましく、特に0.1〜1重量%が好ましい。
【0128】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の効果の範囲内において、帯電防止剤を配合することができる。かかる帯電防止剤としては、例えばポリエーテルエステルアミド、グリセリンモノステアレート、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩、無水マレイン酸モノグリセライド、無水マレイン酸ジグリセライド等が挙げられる。かかる帯電防止剤の割合は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物100重量%中20重量%以下であることが好ましく、特に0.5〜15重量%が好ましい。
【0129】
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、上記各成分を同時に、または任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。好ましくは2軸押出機による溶融混練が好ましく、更にその際、B成分はサイドフィーダー等により第2供給口より、溶融混合された他の成分中に供給することが好ましい。
【0130】
かくして得られる樹脂組成物は押出成形、射出成形、圧縮成形などの方法で容易に成形可能であり、またブロー成形、真空成形などにも適用できる。特に射出成形やブロー成形においては、断熱層を有する金型や、予め金型キャビティの表面のみを局所的に高温とした金型を使用することにより製造されるものが好ましい。上記の各種製造法により得られた成形品は、剛性と耐衝撃性の両立に優れるものであり、薄肉筐体などの分野に最適である。具体的には携帯型通信機器、ノート型パソコン、自動車内部部品、特に電気自動車部品などの分野が挙げられる。特に高い難燃性が要求される分野の材料として最適である。
【0131】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を示し本発明を具体的に説明する。本発明はこれに限定されるものではない。
【0132】
[参考例1]マスターペレット化された赤リン系難燃剤の作成
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製、L−1225WP、粘度平均分子量22,500)83.48重量部及びトリメチルホスフェート0.02重量部を、V型ブレンダーを用いて均一に混合した。その後径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製鋼所製TEX30XSST]を用いて、かかる混合物を最後部の第1投入口より、マイクロカプセル化した赤リン[燐化学工業(株)製ノーバエクセル140、赤リン含有量92重量%、平均粒径35μm]をシリンダ途中のサイドフィード部の第2投入口より、計量器[(株)クボタ製CWF]を用い、第1投入口の混合物83.5重量部に対し、第2投入口のマイクロカプセル化した赤リンが16.5重量部となるよう投入した。各投入部は窒素ガスボンベにより窒素ガス雰囲気として、シリンダー温度280℃とし、またダイスは直径4mmφの円形孔を3穴有するものを使用し、ストランド押出、冷却バスによる冷却の後、ペレタイザーによりペレット化した。かかるペレットをV型ブレンダーで均一に混合した後、100個を抜き取り、かかるペレットを円柱と見立てて、径及び長さをデジタルノギスにて測定し表面積を算出、及び電子天秤により重量を測定して比表面積の値を算出した。これにより、赤リン含有量15重量%、比表面積15.5cm2/gであるマスターペレット化された赤リン系難燃剤(マスター1)を得た。
【0133】
[実施例1〜16、比較例1〜9]
表1、表2および表3に記載のA成分からG成分のうち、B成分およびそれに相当する成分を除いた成分と、0.1重量%のトリメチルホスフェート、および0.3重量%のカーボンブラック#970(三菱化学(株)製)をV型ブレンダーにて混合後、径30mmφベント式二軸押出機[(株)日本製鋼所TEX−30XSST]を用いて、かかる混合物を最後部の第1投入口より、また繊維状充填材をシリンダー途中の第2投入口より、計量器を用いて所定の割合となるように投入しサイドフィーダーを用いて押出機に供給した。かかる条件下で真空ポンプを使用し0.5kPaの真空下において、シリンダー温度290℃で溶融押出ししてペレット化した。得られたペレットを100℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形機(住友重機械工業(株)製SG−150U)によりシリンダー温度290℃、金型温度90℃で衝撃試験片を得た。評価結果を表1、表2および表3に示した。
【0134】
(a)ノッチ付き衝撃値:ASTM D−256(アイゾットノッチ付き、厚み3.2mm)により測定した。
(b)フィラーへの基材樹脂の付着量観察:アイゾットノッチ付き衝撃破断面を走査型電子顕微鏡で観察し、フィラーへの基材樹脂の付着度合いを調べた。フィラーの周囲に基材樹脂の付着が少ないほど、衝撃という高速の変形時におけるフィラーの拘束力が少なく、ポリカーボネート樹脂本来の靭性が活かされるため好ましい。
◎ : フィラーの周囲に基材樹脂の付着がほとんどない
○ : フィラーの周囲への基材樹脂の付着は少ないが、わずかにあり
× : フィラーの周囲への基材樹脂の付着が多い
(c)難燃性:UL規格94Vに従い燃焼試験を実施した。
(d)曲げ弾性率:ASTM D−790により測定した。
なお、表1、表2および表3記載の各成分を示す記号は下記の通りである。
【0135】
(A成分)
PC−1:芳香族ポリカーボネート樹脂
(帝人化成(株)製 L−1225WP、粘度平均分子量22,500)
PC−2;芳香族ポリカーボネート樹脂
(帝人化成(株)製 L−1225WX、粘度平均分子量19,700)
【0136】
(B成分)
CF−1:N−メトキシメチル化ナイロン6をメチルアルコールに溶解し調整した溶液の中に、酸化処理を施した炭素繊維のロービングを60m/hrの速度で連続的に浸漬し、そして脱溶剤を行った後、6mmの長さにカットした。尚、かかる炭素繊維は、PAN系高弾性率タイプであり、繊維径7μm、体積抵抗率が約1×10-5Ω・mのものであり、またナイロン6の付着量は3.5重量%であった(熱減量法により測定)。
GF−1:N−メトキシメチル化ナイロン6をメチルアルコールに溶解し調整した溶液の中に、アミノシラン処理を施したガラス繊維のロービングを60m/hrの速度で連続的に浸漬し、そして脱溶剤を行った後、4mmの長さにカットした。尚、かかるガラス繊維は、Eガラスからなり繊維径13μmのものであり、ナイロン6の付着量は3.5重量%であった(熱減量法により測定)。
NiCF−1:N−メトキシメチル化ナイロン6をメチルアルコールに溶解し調整した溶液の中に、ニッケルで表面メッキされた炭素繊維のロービングを60m/hrの速度で連続的に浸漬し、そして脱溶剤を行った後、4mmの長さにカットした。尚、かかる炭素繊維は炭素繊維の繊維径7μm、ニッケル被覆後の繊維径7.5μm、体積抵抗率が約7×10-7Ω・mのものであり、またナイロン6の付着量は3.5重量%であった(熱減量法により測定)。
(B成分以外)
CF−2:(ウレタン/エポキシ系集束剤で処理されたCF)
CF−3:(エポキシ系集束剤で処理されたCF)
GF−2:(日本電気硝子(株)製 ECS−03T−511)
WSN:ワラストナイト(巴工業(株)製 サイカテックNN−4)
【0137】
(C成分)
C−1:カルボキシル基変性オレフィン系ワックス
(三菱化学(株)製 ダイヤカルナ−30)
【0138】
(D成分)
FR−1:モノリン酸エステル系難燃剤(トリフェニルホスフェート)
(大八化学工業(株)製TPP)
FR−2:縮合リン酸エステル系難燃剤
(旭電化工業(株)製アデカスタブFP−500)
FR−3:ハロゲン系難燃剤(テトラブロモビスフェノールAのカーボネートオリゴマ−、帝人化成(株)製ファイヤガードFG−7000)
FR−4:上記参考例1で作成したマスターペレット化された赤リン系難燃剤
【0139】
(E成分)
ABS:ABS樹脂(三井化学(株)製 サンタックUT−61)
【0140】
(F成分)
F−1:複合ゴム系グラフト共重合体
(三菱レイヨン(株)製 メタブレンS−2001)
F−2:ジエン系ゴム状重合体
(呉羽化学工業(株)製 パラロイド EXL−2602)
F−3:アクリル系共重合体
(呉羽化学工業(株)製 HIA−15)
【0141】
(G成分)
G−1:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン
(ダイキン工業(株)製ポリフロンFA−500)
【0142】
【表1】
【0143】
【表2】
【0144】
【表3】
【0145】
これらの表から明らかなように、実施例1と比較例1の比較から、ポリアミドで集束された炭素繊維を使用しただけでは、高い耐衝撃性を達成することはできない。比較例2からは、ポリアミドで集束された炭素繊維にゴム成分を添加してだけでは高い耐衝撃性を達成することはできず、剛性も低下する。また、比較例3、4からは、ポリアミド以外の集束剤で集束された炭素繊維を使用した系では、C成分と併用した系においても高い耐衝撃性を達成することはできない。比較例5では、C成分を更に多く添加しても高い耐衝撃性を達成することはできないことがわかる。また実施例6〜10においてみられるように、高い耐衝撃性が達成しにくい難燃剤を多く含む樹脂組成物の場合であっても本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では極めて良好な耐衝撃性を達成していることがわかる。
【0146】
【発明の効果】
本発明の組成物は、耐衝撃性および剛性に優れており、得られた難燃性樹脂組成物は電子機器の筐体を始め幅広い産業分野で好適であり、本発明で得られた樹脂組成物が奏する工業的効果は格別なものである。
Claims (6)
- B成分がポリアミドで集束されたL/Dが10以上の繊維状充填剤である請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- 更に難燃剤(D成分)を0.05〜30重量%含んでなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- C成分がカルボキシル基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、およびオキサゾリン基から選択された少なくとも1種の官能基を有するポリオレフィンワックスまたはシリコンオイルである請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
- C成分がカルボキシル基、およびカルボン酸無水物基から選択された少なくとも1種の官能基を有するポリオレフィンワックスである請求項5に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
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