JP4573451B2 - 蒸気調理鍋 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は蒸気を利用する調理鍋である。
【0002】
【従来の技術】
従来、蒸し料理の調理器具としてはセイロが一般的である。セイロは熱源の上部に蒸気を出すための別の鍋を配置し、さらにその上部にセイロを数段重ね、蒸気がセイロ内部に納められた食材の表面全体を加熱することにより調理を行う。
このため蒸し器全体の高さが高くなることと、調理後にセイロ内部から再度盛りつけが必要になる。
【0003】
近年、下ごしらえした材料をテーブル上で調理し、客に提供することで厨房の作業量及び給仕が適当な時機に運搬する負担を軽減できることと、特に宴会の席等で出来たての料理を提供できるという利点から、小型の熱源と調理容器を用いて、客の面前で調理する給仕方法が普及している。そこでテーブル上の熱源の上でセイロを用いずに蒸し調理ができるような調理鍋が特開平5−23249号公報や特開平11−76057号公報又は特開2000−145343号公報に開示されている。
【0004】
特開平5−23249号公報に開示されたものは、水蒸気源としての水を収納した貯水容器と調理する食材を収納する内容器の二重構造を備えた容器と蓋で構成された蒸し・炊き鍋であって、内容器と貯水容器とが接合されている容器の縁に複数の空隙凹所を設け、貯水容器において加熱された蒸気がこの空隙から内容器に浸入し充満することにより食材を均等に加熱する構成となっている。これにより蒸し炊きの両方が行えるとしている。
【0005】
さらに特開平11−76057号公報に開示されたものは、貯水容器と内容器が分離可能となる構成となっており、貯水容器と内容器との係合部に間隙を備えることによりやはり蒸気が内容器に浸入し充満し、食材を表面から加熱する構成となっている。
【0006】
また特開2000−145343号公報に開示されたものは、内容器と貯水容器は別の容器として単独で給仕することができ、二つの容器の係合部に内容器内方に向かって凹設された凹縁部から蒸気が噴出する構成になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これら全ての調理鍋は貯水容器と内容器とが連通しているために、内容器内の圧力は全て貯水容器へ逃げてしまう。このために、この調理鍋を用いて炊飯などある程度の圧力を保ちながら加熱する調理を行おうとしても、鍋内部の圧力が上がらないためにご飯はふっくらと炊きあがらない。
【0008】
さらに、これらの鍋は蓋に結露した水分は蓋の内側を伝って空隙に落下するとしている。しかし蓋の周縁部に結露した水分は空隙まで伝っていくが、貯水容器鍋内部の水蒸気が蓋中央部で結露して発生した水滴については鍋内部に落滴してしまうことになる。これでは特に豆腐など水分を多量に含む食材を調理するときには料理内に混入してしまうことになり、これではこの蒸気鍋を用いて茶碗蒸しや豆腐の調理を行うと風味を損なうことになる。これでは特に業務用として食事を商品として提供するのには適さない。
【0009】
つまり茶碗蒸し等とその他の汁物や炊飯の両方を提供する場合には同時に提供しない場合でも別の調理鍋が必要ということになる。これでは複数の鍋が必要となり調理具の所有者にとって不経済である。
【0010】
そこで本発明においては単一の鍋で蒸すことと汁物を加熱したり炊飯をすることが可能で、かつ調理する食材の風味を蒸気により損なわないことを実現する卓上の調理鍋を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の蒸気調理鍋は、水蒸気源としての水を収納する貯水容器と貯水容器の縁部に係合された内容器とを備えた鍋部と、縁部に係合する蓋部とで構成された蒸気調理鍋であって、鍋部の縁部には貯水容器と内容器とに連通する孔部を備え、蓋部には蓋部が鍋部と係合したときに孔部と位置が一致することで孔部を閉塞する蒸気閉止部を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の蒸気調理鍋では、鍋部の縁部に設けた孔部と位置が一致することで孔部を閉塞する蒸気閉止部を蓋部に備えたことにより、位置をずらせた場合には従来の蒸気鍋と同様に鍋部内部に蒸気を導入でき、さらに水分の多い料理や圧力を必要とする炊飯を行う場合には孔部を閉塞することにより内鍋への水蒸気の導入および内鍋内部で発生した蒸気が孔部から外部に放出されてしまうことを防ぐことができる。
【0013】
さらに孔部と蒸気閉止部とは、縁部の同一円周上に等間隔に配置することにより、鍋の蓋自体を回転させれば、内容器に蒸気を導入できる形態と孔部を閉止して内容器に一定の圧力を保持できる形態とを単一の鍋において実現することができる。
【0014】
また内容器と貯水容器とを取り外し可能にすることにより、内容器単体でも調理器具また料理を入れる器として使用できる。
【0015】
さらに内容器をファインセラミックス製とすることで内容器の表面を滑らかにすることができ、さらに陶器等で形成するのに比べ内容器自体を湯の中に浸しても割れにくい構造となる。またファインセラミックスは陶磁器より強度及び耐熱製が高いので、業務用の調理器のように家庭用に比べて使用回数や加熱冷却の繰り返しのような過酷な使用条件で使用されても割損などが発生しにくい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における蒸気調理鍋を図面に基づいて説明する。図1は調理鍋の一部断面斜視図、図2は蓋部及び鍋部の断面側面図、図3は蓋部と内容器の係合部を示しており、(a)は蓋の底面図であって、(b)は内容器の平面図である。
【0017】
本実施形態の蒸気調理鍋1は貯水容器2と内容器3で構成された鍋部4と蓋部5で構成された調理鍋であり、貯水容器2の縁部2aと内容器3の縁部3aとは係合し、さらに架台6の縁部6aは内容器の縁部3aと係合可能な構造を備え、さらに縁部6aは貯水容器2の外周に備えられた係合部2bとも係合可能である。そして蓋部5は内容器3の縁部3aと係合する。架台6は固形燃料などを架台6内に収納するための開口部6wも備えている。
【0018】
内容器3はファインセラミックスにより形成する。ファインセラミックスは陶器製に比べて粒子が微細であるので水分が容器の材質内に浸透しにくいために湯煎を繰り返しても陶器製に比べて割れにくい。またファインセラミックス製の容器は表面が陶器などに比べて滑らかになることで、内容器で豆腐などを調理するときに豆腐の表面をも滑らかにすることができる。このファインセラミックスの成分はアルミナの割合を30〜40質量%にすることで焼成温度が高くなることにより焼成後の強度及び耐久性を向上させる効果を持つ。この割合が40質量%以上となると焼成温度が上がりすぎてしまうために製造コストの上昇につながってしまう。
【0019】
さらに縁部3aには内容器3と同一の重心をもつ円周上に孔部3hを備える。
この孔部3hの数は容器内に均一に蒸気を導入する点より3カ所から6カ所設けるのが望ましい。さらに縁部3aの内周には内容器3内から液体が沸騰して逆流することを防ぐための内周突起3cを備え、また縁部3aの外周には吹きこぼれを防ぐための外周突起3dをも備えている。この内容器3は底部に平面部3eをもつことにより内容器3単体でもテーブル上に設置することができる。これにより調理が終了したあとに食材が入った内容器のみを手元に置くことができる。
【0020】
蓋部5には蓋部5が縁部3aに係合した時に孔部3hと一致する位置に蒸気閉止部5sが配置されている。このような配置にすることにより、蓋部5を縁部3a上で回転させれば孔部3hの開度を全開から全閉まで無段階で調整することができる。この縁部3aの上面と蒸気閉止部5sとの両面を同一平面上にすることにより蒸気閉止時の密着性が良好になる。そして蒸気閉止時には縁部3aの上面と蒸気閉止部5sとの両面間に水分による膜が形成されることでさらに密着性が向上する。逆に貯水容器2内に発生した水蒸気の圧力を逃がすために、蒸気閉止部5sの表面に孔部3hから外部のみへ連通する蒸気排出用の溝を備えさせることも可能である。
【0021】
またこの蒸気閉止部5sの表面の材質としてシリコンゴムを採用するのが望ましい。これにより縁部3aとの密着性が良好となり米等を炊くときに容器内に保持される圧力を大きくすることができる。
【0022】
貯水容器2の材質は直接熱源からの炎が当たるために鉄及びアルミ等の金属製が望ましい。この貯水容器は表面をフッ素加工することにより容器内の水に金属成分が溶出するのを防いでいる。
【0023】
また、架台6は円筒上の容器で陶器又は鋳鉄などで形成されている。側面中央部に開口部6wを備える。またこの架台6の縁部6aは貯水容器の外周に備えられた係合部2bと係合する構造になっており、安定して載置することができる。
【0024】
またこの縁部6aは内容器3の縁部3aとも係合することができることで内容器3を直接火にかけることもできる。
【0025】
本蒸気調理鍋の使用方法を図に基づいて説明する。図4は本実施形態の蒸し調理における一部切欠斜視図である。
【0026】
架台6の上に貯水容器2を載置し、貯水容器2内部に水蒸気源となる水wを満たしておき、内容器3をさらに収納して食材Sをいれる。架台6内部に配置された固形燃料10からの炎11によって水が加熱され、これにより発生した水蒸気Jが貯水容器内部から孔部3hより内容器3内部に導入することで食材Sの表面全体を加熱することができる。
【0027】
この孔部3hの開口面積は蓋部5の蒸気閉止部5sにより調整される。食材Sの調理完了後や豆腐の調理やチョコレートやチーズを湯煎で暖める場合のような水蒸気を内容器内部に導入したくない場合には蒸気閉止部5sで孔部3hを全閉することで食材に不必要な水分を与えずに加熱又は保温する。もちろん蓋5を開放しても水蒸気は大気中に発散される。よって他の食材を溶かしたチーズやチョコレートの中につけることができ、通常の湯煎用容器としても機能する。
【0028】
図5は本実施形態の炊き調理における一部切欠斜視図である。
【0029】
架台6の上に内容器3を載置し、内容器内部に食材Sをいれ、蓋5で密閉している。これにより内容器3内部の食材を直接加熱することができる。これにより内容器3内部で肉などを焼くことも可能になる。この食材Sが例えば炊飯の場合であったとしても孔部3hは蒸気係止部5hで密封されているために内容器内部の圧力は外部に漏れないために十分な圧力で炊飯が可能である。これにより蒸気調理鍋の構成部品を用いて炊飯も可能となる。
【0030】
なお、内容器3底部の平面部3eに銀転写を施すことにより、内容器3の材質がファインセラミックスであっても電磁調理器による食材の加熱が可能となる。
さらに本発明の調理鍋の材質について、蓋部5、貯水容器2、内容器3、架台6の全てを鉄やアルミ等の金属製にすることも可能である。
【0031】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば次の効果を奏する。
(1)水蒸気源としての水を収納する貯水容器と貯水容器の縁部に係合された内容器とを備えた鍋部と縁部に係合する蓋部とで構成された蒸気調理鍋の縁部に貯水容器と内容器とに連通し内容器に蒸気を導入する孔部と、蓋部に鍋部と係合したときに孔部と位置が一致して孔部を閉塞する蒸気閉止部を備えたことで、蒸し調理において蒸気を内部に導入せずに加熱することが可能となる。これにより不必要な蒸気により食材の風味を損なうことを防ぐことができる。
(2)孔部と蒸気閉止部を縁部の同一円周上に等間隔に配置することにより、蓋を回転させることで孔部の開度を調整することができる。
(3)内容器と貯水容器とを取り外し可能にすることで内容器単独で加熱調理が可能となる。さらに内容器内の孔部を蒸気閉止部により閉塞させることにより本発明の蒸気調理鍋により実用的な炊き調理をも可能となる。これにより単一の蒸気調理鍋により蒸し、焼き、炊き料理が可能となる。
(4)内容器をファインセラミックス製とすることで湯煎や直火などの加熱に対しても強度を備えることができるので、より耐久性を備えた蒸気調理鍋とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における蒸気調理鍋の一部切欠斜視図である。
【図2】本発明の実施形態における蒸気調理鍋の蓋部及び鍋部の側断面図である。
【図3】本発明の実施形態における蓋部及び内容器の係合部を示す図であって、(a)は蓋の底面図であり、(b)は内容器の平面図である。
【図4】本発明の実施形態における蒸気調理鍋の蒸し調理における形態の一部切欠斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における蒸気調理鍋の炊飯調理における形態の一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 蒸気調理鍋
2 貯水容器
2a 縁部
2b 係合部
3 内容器
3a 縁部
3c 内周突起
3d 外周突起
3e 平面部
3h 孔部
4 鍋部
5 蓋部
5s 蒸気閉止部
6 架台
6a 縁部
6w 開口部
10 固形燃料
11 炎
J 水蒸気
S 食材
w 水
Claims (4)
- 水蒸気源としての水を収納する貯水容器と前記貯水容器の縁部に係合された内容器とを備えた鍋部と、前記縁部に係合する蓋部とで構成された蒸気調理鍋であって、前記鍋部の縁部には前記貯水容器と前記内容器とに連通し内容器に蒸気を導入する孔部を備え、前記蓋部には前記蓋部が前記鍋部と係合したときに前記孔部と位置が一致することで孔部を閉塞する蒸気閉止部を備えたことを特徴とする蒸気調理鍋。
- 前記孔部と前記蒸気閉止部が前記縁部の同一円周上に等間隔に配置された請求項1に記載の蒸気調理鍋。
- 前記内容器と前記貯水容器とが取り外し可能である請求項1又は2に記載の蒸気調理鍋。
- 前記内容器がファインセラミックス製である請求項1から3のいずれかに記載の蒸気調理鍋。
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