以下、本発明のポンプ制御機構が適用されるプリンタの一実施の形態について、図1から図9に基づいて説明する。なお、本実施の形態のプリンタ10は、インクジェット式のプリンタであるが、かかるインクジェット式プリンタは、インクを吐出して印刷可能な装置であれば、いかなる吐出方法を採用した装置でも良い。
なお、以下の説明においては、下方側とは、プリンタ10が設置される設置面1側を指し、上方側とは、設置面1から離間する側を指す。また、後述するキャリッジ40が移動する方向を主走査方向、主走査方向に直交する方向であって印刷対象物12が搬送される方向を副走査方向とする。また、印刷対象物12を供給する側(紙送りの上流側)を奥側、印刷対象物12を排出する側(紙送りの下流側)を手前側として説明する。
プリンタ10は、設置面1に接触するシャーシ11を具備し、このシャーシ11には、各種ユニットが搭載される。各種ユニットには、紙送りモータ(PFモータ22)によって印刷対象物12を搬送する用紙搬送機構20、キャリッジモータ(CRモータ35)によってキャリッジ40を紙送りローラの軸方向に往復動させるキャリッジ機構30、インクを蓄えるカートリッジ62を搭載するカートリッジ搭載部60、およびカートリッジ62に対してエアを送り込んで加圧するポンプユニット70等があり、その他、図2および図6に示す制御部90が存在する。
図2に示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ(不図示)および搬送ローラ21等の各ローラを備えると共に、これらのローラを駆動するための紙送りモータ(PFモータ22)を備えている。また、PFモータ22の駆動力は、複数のギヤ等から構成される伝達機構23を介して、伝達される。
キャリッジ機構30は、図1および図2に示すように、キャリッジ40を具備している。また、キャリッジ機構30は、支持フレーム31と、この支持フレーム31によって支持されると共に、キャリッジ40を摺動可能に保持するキャリッジ軸34と、キャリッジモータ(CRモータ35)と、このCRモータ35に取り付けられている歯車プーリ36と、無端のベルト37と、歯車プーリ36との間にこの無端のベルト37を張設する従動プーリ38と、を備えている。
なお、従動プーリ38は、他端側の側方プレート部33に取り付けられると共に、遮蔽プレート部32の一端側には、歯車プーリ36が取り付けられている。また、従動プーリ38と歯車プーリ36の間には、その一部がキャリッジ40に固定されているベルト37が掛け渡されている。
図1に示すように、支持フレーム31は、遮蔽プレート部32と、遮蔽プレート部32の両端側において、手前側に向かって折り曲げられている側方プレート部33と、から構成されている。一対の側方プレート部33には、シャーシ11の長手に沿うように、キャリッジ40のスライドをガイドするためのキャリッジ軸34が支持されている。また、遮蔽プレート部32の背面側には、歯車プーリ36を駆動させるCRモータ35が設けられている。
歯車プーリ36は、遮蔽プレート部32の背面側のCRモータ35の回転軸に取り付けられている。また、シャーシ11のうち、支持フレーム31(遮蔽プレート部32)よりも手前側の部位には、プラテン42が設けられている。プラテン42は、その長手方向がシャーシ11の長手に沿うように取り付けられている。このプラテン42の上面は、印刷対象物12を送り込むための紙送り面となっている。なお、プラテン42の上面を搬送されるものは、印刷対象物12には限られず、印刷対象物12を保持するための別途の搬送トレイ等であっても良い。
また、プラテン42に対向して、キャリッジ40が設けられている。キャリッジ40は、その内部に、後述するカートリッジ62の色数分(図2においては、6色分)と同数の液体容器41を搭載可能としている。貯留手段としての各液体容器41には、例えば可撓性のチューブ等の液体管路43の一端側が接続されている。この液体管路43を介して、各液体容器41には、カートリッジ62の各色が供給される。
なお、液体容器41は、カートリッジ62の色数と同数存在する構成には限られない。例えば、液体容器41の内部が漏れなく仕切られている場合、該カートリッジ62の色数分よりも、液体容器41の個数を少なくすることができる。
図2に示すように、キャリッジ40の下方には、プラテン42側に向かって、印刷ヘッド45を備える印刷ヘッドユニット44が突出している。印刷ヘッド45の下端側には、図4に示すノズル45aが多数形成されている。そして、液体容器41から供給されるインクは、このノズル45aから、インク滴として印刷対象物12に向けて吐出される。
また、シャーシ11には、不図示の外部ケースが取り付けられる。外部ケースは、プリンタ10の各機構を覆い、これら各機構を衝撃や埃等から保護している。
また、図1に示すように、シャーシ11には、カートリッジ搭載部60が設けられている。カートリッジ搭載部60は、シャーシ11のうち、主走査方向における一端側および他端側に設けられていて、かつシャーシ11のうち手前側に設けられている。このカートリッジ搭載部60には、カートリッジ62を搭載する筐体61が設けられている。なお、本実施の形態では、液体供給源としてのカートリッジ62は、例えばK(ブラック)、LM(ライトマゼンタ)、LC(ライトシアン)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の6色分存在している。
図4、図5に示すように、筐体61には、空気管路86の一端側が接続されている。空気管路86を介して供給されるエアは、各カートリッジ62に分配される。それにより、それぞれのカートリッジ62に存在するインクは、このエアの圧力によって、液体管路43を介して液体容器41に送り込まれる。また、筐体61には、カートリッジ62の色数分に対応する本数の液体管路43が接続されている。液体管路43は、上述したエアの圧力を受けて、カートリッジ62に存在するインクを液体容器41に向けて導通させる。
図1に示すように、シャーシ11には、ポンプユニット70が設けられている。ポンプユニット70は、シャーシ11のうち、キャリッジ機構30と干渉しない部位(例えば、シャーシ11の手前側かつ一端側)に設けられている。図3に示すように、このポンプユニット70は、ケーシング71と、ポンプモータ72と、ギヤ輪列73と、蛇腹ポンプ74と、逆止弁75(図4参照)と、圧力センサ76と、レギュレータ77と、位置検出センサ78と、を主要な構成としている。
ケーシング71は、底壁71aおよび4つの外壁71bにより、下方および側方を覆っていて、上方が開放した箱状に設けられている。このケーシング71は、ポンプユニット70の各部材を取り付けると共にシャーシ11に設置される部材である。なお、ケーシング71の内部には、外壁71b1に略平行を為す支持プレート80が立設されている。
また、支持プレート80には、回転軸72aに駆動ギヤ72bを備えた、駆動源に対応するポンプモータ72が取り付けられている。ポンプモータ72は、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)制御に対応したDCモータであり、後述するポンプモータ駆動回路からの電力によって、出力ギヤ81を回転させる。また、ケーシング71には、複数の従動ギヤから構成されるギヤ輪列73が設置されている。また、このギヤ輪列73には、出力ギヤ81が噛み合っている。ギヤ輪列73は、ポンプモータ72で発生した駆動力を減速回転させ、出力ギヤ81に伝達している。なお、出力ギヤ81には、その径方向中心を貫通する貫通孔81aが設けられていて、該貫通孔81aに後述するガイド軸88bが挿通されている。
ギヤ輪列73のうち、第2歯車73bには、回転レバー82が同軸に設けられている。回転レバー82は、バネ83により第2歯車73bに付勢されている。この付勢力により、回転レバー82は、第2歯車73bと同期回転しようとする。ここで、回転レバー82が逆転方向に回動すると、レギュレータ77の突出片77aに係合可能となっている。そのため、第2歯車73bが逆転方向に回転すると、回転レバー82は突出片77aに衝突し、該突出片77aを押し下げることが可能となっている。
上述の支持プレート80と外壁71b1との間には、ポンプ部材としての蛇腹ポンプ74が取り付けられている。蛇腹ポンプ74は、蛇腹状の筒状部材であり、可撓性の樹脂等で形成されている。蛇腹ポンプ74の一端側には、他の部分よりも小径の小径部74aが設けられている。小径部74aのうち、一端側の端面は開放した開口部74bとなっていて、該蛇腹ポンプ74の内部にエアを取り込むことを可能としている。なお、本実施の形態では、蛇腹ポンプ74の他端側は、開放されていない。
また、蛇腹ポンプ74のうち、開口部74bが存在する一端側は、一端保持部材84によって受け止められており、該一端保持部材84は、外壁71b1に取り付けられている。この一端保持部材84は、蛇腹ポンプ74の他端側(支持プレート80側)に向かって突出するエア導出部85を備えている。エア導出部85は、蛇腹ポンプ74の伸縮動作によりエアが送り込まれる部分である。そのため、エア導出部85には、蛇腹ポンプ74からエアが送り込まれるエア取込口85aを具備している。
また、エア導出部85には、エア排出口85bが設けられていて、このエア排出口85bには空気管路86の一端側が取り付けられている。この空気管路86の他端側は、カートリッジ62に接続されており、該カートリッジ62にエアを送り込むことができる。また、エア導出部85には、開口部74bから蛇腹ポンプ74の内部に入り込む係合部85cが設けられている。係合部85cが蛇腹ポンプ74の内部に入り込んで係合すると、蛇腹ポンプ74が収縮しても、蛇腹ポンプ74内部のエアが漏れるのが防止される。
さらに、エア導出部85と蛇腹ポンプ74の一端側の間には、バネ87が設けられている。バネ87は、エア導出部85のバネ係止爪85dによって外れないように設けられている。また、バネ87は、係合部85cの外周側に設けられていて、蛇腹ポンプ74の一端側(開口部側)が他端側に向かう付勢力を与えている。そのため、蛇腹ポンプ74が伸長状態にある場合、バネ87の付勢力により、蛇腹ポンプ74の一端側は、他端側に向かう付勢力を受け、開口部74bが係合部85cから離れる。それにより、蛇腹ポンプ74が伸長状態にあるときは、蛇腹ポンプ74の内部にエアを入り込ませることができる。
なお、蛇腹ポンプ74が収縮状態に移行する過程において、開口部74bは、再び係合部85cに係合し、蛇腹ポンプ74の内部に取り込んだエアを外部に漏らさない状態にする。その後、蛇腹ポンプ74がさらに収縮すると、蛇腹ポンプ74の内部にあるエアが、蛇腹ポンプ74の内部から空気管路86に押し出され、該エアの押し出しによる空気圧が、空気管路86を介してカートリッジ62の内部に作用する。
また、空気管路86の中途部には、蛇腹ポンプ74からカートリッジ62に向かうエアの逆流を防止して圧力保持を可能とする逆止弁75(図4参照)が設けられている。逆止弁75は、空気管路86の中途部に設けられていても良いが、一端保持部材84に内蔵される構成を採用しても良い。
また、蛇腹ポンプ74の他端側には、他端保持部材88が設けられている。他端保持部材88は、他端受け部88aと、ガイド軸88bとを有していて、両者が一体的に設けられている。このうち、他端受け部88aは、蛇腹ポンプ74の他端側を受け止めている。また、ガイド軸88bは、上述した出力ギヤ81の貫通孔81aに差し込まれており、該貫通孔81aを挿通自在に設けられている。
また、図7に示すように、ガイド軸88bには、螺旋溝88cが形成されている。この螺旋溝88cには、貫通孔81aの内壁面から突出する係合突起81bが入り込む。そのため、出力ギヤ81の回転に伴って係合突起81bが回転すれば、ガイド軸88bは係合突起81bに押され、蛇腹ポンプ74の軸線方向に沿って往復動する。このようにして、蛇腹ポンプ74の伸縮動作が実行可能となっている。なお、螺旋溝88cは、出力ギヤ81を一方向に回転させる場合、他端保持部材88を往復動させる閉ループを描いている。
また、ケーシング71には、圧力センサ76が取り付けられている。圧力センサ76は、発光素子と受光素子を備えた反射型センサであり、蓋状部材(不図示)と、セロファン等の薄膜部材(同じく不図示)を有している。この薄膜部材に空気圧が負荷されると、該薄膜部材が膨らむ。その膨らみによって、薄膜部材は、蓋状部材に対して近接する。一定以下の距離に近接すると、発光素子からの発光を受光素子において検出することができ、圧力が検出されるようになっている。
また、圧力センサ76を通過したエアは、レギュレータ77に送り込まれる。レギュレータ77は、突出片77aを具備している。突出片77aが回転レバー82により下方に押し込まれると、レギュレータ77は、圧力を開放するように設けられている。また、レギュレータ77は、所定の圧力以上の圧力が負荷されると、自動的に圧力を開放する。
なお、第2歯車73bが正転側に回転する場合、回転レバー82は、上方側に移動しようとし、回転レバー82は、突出片77aに対して係合しない。しかしながら、ギヤ輪列73が逆転側に回転する場合、回転レバー82は下方側に移動しようとし、突出片77aに衝突してこれを押し下げる。このようにして、突出片77aの切り替えを行うことを可能としている。
また、ケーシング71には、位置検出手段に対応する位置検出センサ78が取り付けられている。位置検出センサ78は、回動可能な検出レバー78aを有していて、この検出レバー78aが他端受け部88aに当接可能となっている。また、検出レバー78aは、High(H)/Low(L)の信号を送信するスイッチが内蔵されている本体78bから突出しており、かかるH/Lのスイッチが切り替えられることにより、蛇腹ポンプ74の伸長位置を検出可能となっている。ここで、蛇腹ポンプ74が収縮状態にあるとき、検出レバー78aは、他端受け部88aによって押し込まれず、蛇腹ポンプ74に近接する一端側に位置している。しかしながら、蛇腹ポンプ74が伸長状態にあるとき、検出レバー78aは、他端受け部88aの移動によって他端側に押し込まれ、信号が切り替えられる。それにより、蛇腹ポンプ74の伸長位置を検出可能となっている。
なお、本実施の形態においては、位置検出センサ78は、蛇腹ポンプ74が最も伸長する位置において、H/Lの切り替えが為されるように構成されている。また、本実施の形態では、蛇腹ポンプ74が最も伸長して検出レバー78aを押し込んだ場合に、Hの信号が送信されるように構成されている。
次に、制御部90の構成について、図6等に基づいて説明する。制御部90は、バス90a、CPU91、ROM92、RAM93、キャラクタジェネレータ(CG)94、I/F専用回路95、DCユニット96、PFモータ駆動回路97、CRモータ駆動回路98、ヘッド駆動回路99、ポンプモータ駆動回路100、不揮発性メモリ101等を備えている。なお、制御部90は、これらの構成が協働することにより、駆動情報算出手段、補正情報算出手段、補正手段、および駆動制御手段として機能する。
なお、CPU91およびDCユニット96には、不図示の各種のセンサ等(搬送ローラ21の回転量を検出するロータリエンコーダ、キャリッジ40の移動量を検出するリニアエンコーダ、印刷対象物12の始端および終端を検出する紙検出センサ、印刷対象物12の副走査方向長さ(幅)を検出するPWセンサ、プリンタ10の電源をオン/オフする電源SW等)の各出力信号が入力される。
CPU91は、ROM92や不揮発性メモリ101等に記憶されているプリンタ10の制御プログラムを実行するための演算処理や、その他の必要な演算処理を行う。また、ROM92には、インクジェットプリンタ10を制御するための制御プログラムおよび処理に必要なデータ等が記憶されている。本実施の形態では、ROM92には、ポンプモータ72の目標となる回転数に対応する、目標情報も記憶されており、そのためROM92は、情報記憶手段に対応する。この目標情報は、ポンプユニット70から発生する騒音が、可聴領域に差し掛からないような、ポンプモータ72の回転数に対応させている。
なお、本実施の形態においては、ポンプモータ72を駆動させるモードは、後述するように3つ存在する。そのため、プリンタ10の制御プログラムも、該モードに対応した分だけ存在する。また、I/F専用回路95は、パラレルインタフェース回路を内蔵しており、コネクタ111を介してコンピュータ110から供給される印刷信号PSを受け取ることができる。
RAM93は、CPU91が実行途中のプログラムあるいは、演算途中のデータ等を一時的に格納するメモリである。また、補正情報記憶手段に対応する不揮発性メモリ101は、インクジェットプリンタ10の電源を切った後も、保持しておくことが必要な各種データを記憶するためのメモリである。なお、後述するように、ポンプモータ72の駆動を停止させる場合の電圧のDuty比も、この不揮発性メモリ101に記憶させる。しかしながら、別途の記憶領域に、これらの制御データ、目標情報等を記憶させるようにしても良い。
また、DCユニット96は、DCモータであるPFモータ22、CRモータ35の速度制御を行うための制御回路である。DCユニット96は、CPU91から送られてくる制御命令、ロータリエンコーダの出力信号、リニアエンコーダの出力信号、および紙検出センサの出力信号に基づいて、PFモータ22およびCRモータ35の速度制御を行うための各種演算を行い、その演算結果に基づいて、PFモータ駆動回路97およびCRモータ駆動回路98へ、モータ制御信号を送信する。
また、PFモータ駆動回路97は、DCユニット96からのモータ制御信号に基づいて、PFモータ22を駆動制御する。このPFモータ22は、印刷対象物12を搬送するための動力源となる。また、CRモータ駆動回路98は、DCユニット96からのモータ制御信号に基づいて、CRモータ35を制御駆動する。なお、PFモータ22およびCRモータ35は、停止状態において、位置保持することを可能としている。
また、ヘッド駆動回路99は、CPU91からの駆動制御を行う信号に基づいて、印刷ヘッド45に存在するピエゾ素子を制御駆動する。また、ポンプモータ駆動回路100は、ポンプモータ72を制御駆動する。なお、ポンプモータ72も、DCモータであり、駆動に最適な周波数のパルス電圧を印加した場合、PWM制御による駆動制御を容易に行うことを可能としている。
ここで、PWM制御とは、電圧のHとLとを素早く切り替えるPWM信号により、DCモータに印加されるパルス電圧のHの幅(以下、パルス電圧の1周期におけるHの幅を、Duty比という。)を調整して、該パルス電圧の平均電圧を調整し、DCモータの駆動制御を行う方式である。なお、Duty比は、制御情報に対応する。また、後記する補正量α1は、補正情報に対応すると共に、後記する補正量α3は、第2の補正情報に対応する。さらに、補正量α1が加算されたDuty比は、補正後制御情報に対応する。
かかるPWM制御においては、全てのパルス幅が均一な等幅パルスを用いる方式、およびパルス幅が変化する不等幅パルスを用いる方式があるが、いずれのパルス信号を用いても良い。また、電圧パルスのDuty比と電圧パルスの周期を種々調整する組み合わせにより、どのようなパルス信号を用いても良い。
なお、上述の制御部90における各構成は、信号線であるバス90aによって接続されている。かかるバス90aにより、CPU91、ROM92、RAM93、CG94、I/F専用回路95、不揮発性メモリ101等は相互に接続され、これらの間でデータの授受を可能としている。
以上のような構成を用いて、プリンタ10を作動させる場合の制御の詳細について、以下に説明する。なお、本実施の形態では、制御部90は、3つのモードでポンプモータ72を駆動させることが可能となっている。ここで、3つのモードとは、最も静かな「静穏モード」、そこそこ静かであるが、速度も重視している「中間モード」、および騒音は気にせずに速度を重視する「スピードモード」の3種類がある。以下の説明においては、3つのモードのうち、ポンプユニット70から発生する騒音を抑制するための、最も静かな静穏モードに関して説明する。
(a)最初にポンプモータ72を駆動する場合
まず、最初にポンプモータ72を駆動する場合について、図8に基づいて説明する。ここで、最初にポンプモータ72を駆動する場合とは、プリンタ10を一番最初に起動させる場合が該当するが、その他にカートリッジ62を差し替えて圧力が大気圧と等しくなっている場合、または長期間プリンタ10を使用していない状態から使用し始める場合を含めても良い。
ステップS10:プリンタ10の電源SWをオンにして、プリンタ10の作動が開始される。すると、ポンプモータ72が作動し、蛇腹ポンプ74の往復動が始動される(初期駆動工程に対応)。ここで、ポンプモータ72は、最初の駆動においては、不揮発性メモリ101に記憶されている制御データ(固定値)に基づいて、駆動される。この固定値は、パルス電圧の規定のDuty比に関するものであり、その後も変動しない値である。
ところで、最初にポンプモータ72を起動させる場合、1番目のH信号が送信されてくるまでの時間は、1周期に対応しないことが多い。すなわち、プリンタ10が起動する前に他端保持部材88が位置検出センサ78の検出レバー78aを押し込んでいる場合には、最初から正確に1周期の計測を行うことができる。しかしながら、他端保持部材88が検出レバー78aを押し込んでいない場合には、最初の周期においては、1周期の時間を正確に計測することはできない。
そこで、本実施の形態では、1番目にH信号が送信される間(1周期目に対応)および1番目のH信号と2番目にH信号が送信されるまでの間(2周期目に対応)という、2つの周期においては、電圧のDuty比は、上述の固定値を用いて、ポンプモータ72を駆動する。そのため、後述する補正量α1を用いて、ポンプモータ72の電圧のDuty比が、周期の計測によって変更されるのは、3周期目(2回目にH信号を送信してから、3回目にH信号を送信するまでの間の時間)からである。すなわち、2周期目になって初めて、H信号からH信号までの時間を正確に計測できるが、かかる2周期目の正確な時間を投影できるのは、3周期目である。
なお、1周期目の時間を正確に計測できる場合、2周期目に計測時間を投影させるようにしても良い。また、ポンプモータ72の駆動の各周期(隣り合うH信号の間の時間)、その周期における回転数(駆動速度)およびその周期における電圧のDuty比が、駆動情報に対応する。同様に、目標情報は、ポンプモータ72の目標とする各周期およびその周期における回転数である。
そして、かかる固定値のDuty比のパルス電圧に基づいて、ポンプモータ72は、2周期分(位置検出センサ78が2番目のH信号を送信するまでの時間)だけ駆動される。なお、起動時においては、数周期の動作を経た後と比較して、ポンプモータ72には、初期負荷が余分に加わる。そのため、起動時のDuty比は、通常は高めに設定される。
ステップS11:CPU91は、位置検出センサ78からH信号を受信したか否かを判断する(位置検出工程に対応)。すなわち、検出レバー78aが他端受け部88aによって押し込まれると、位置検出センサ78は、制御部90に向けて1番目のH信号を送信する。この判断において、H信号が受信されたと判断される場合(Yesの場合)には、後述するステップS14に進行する。また、H信号が受信されないと判断される場合(Noの場合)には、次のステップS12に進行する。
ステップS12:CPU91が1番目のH信号を受信していないと判断した場合、CPU91は、規定のタイムリミットの時間が経過したか否かを判断する。この判断において、タイムリミットが経過したと判断される場合(Yesの場合)には、次のステップS13に進行する。また、タイムリミットが経過していないと判断される場合(Noの場合)には、前述のステップS11に戻る。
ステップS13:CPU91がタイムリミットを経過したと判断した場合(ステップS12においてYesの場合)、CPU91は、補正量α2を、電圧のDuty比に加算する。すなわち、何等かの不具合(例えば、インクの固化等により大きな負荷が作用している場合等)により、所定時間だけ待ち続けても、1番目のH信号が送信されてこない場合がある。この場合、H信号の送信を待ち続けるのみでは、次の周期に移行することができない。そこで、一定のタイムリミットを経過してもH信号が送信されてこない場合、CPU91は、強制的に補正量α2を加えて電圧のDuty比を決定し、ポンプモータ72にそのDuty比の電圧を印加する。
なお、ステップS13において加算される補正量α2は、電圧のDuty比を高める値となる。そのため、例えばトルクが少し足りないために蛇腹ポンプ74が動き出せない場合等において、その解消が図られ、蛇腹ポンプ74が動き出すのに必要な電力を与えることができる。また、ステップS13の後、前述のステップS11に再び戻る。なお、タイムリミットが経過して与えられる補正量α2は、時間の経過と共に、一定限度の範囲内において段階的に大きくするようにしても良い。
ステップS14:CPU91が1番目のH信号を受信したと判断した場合、CPU91は、続いて2番目のH信号を受信したか否かを判断する(位置検出工程に対応)。この判断において、H信号が受信されたと判断される場合(Yesの場合)には、次のステップS15に進行する。また、H信号が受信されないと判断される場合(Noの場合)には、再びこのステップS14の前に戻る。
ステップS15:CPU91は、位置検出センサ78を用いて計測した蛇腹ポンプ74の周期を算出する(駆動情報算出工程に対応)。ここでの周期とは、位置検出センサ78が1番目にH信号を送信してから、2番目にH信号を送信するまでの時間である。なお、後述するステップS21を経過した場合、算出される周期は、補正量α1を加算した後に新たに位置検出センサ78が送信するH信号と、新たなH信号の1つ前のH信号との間の時間となる。
ステップS16:CPU91は、上述のステップS15で得られた周期の算出に基づいて、周期に対応するポンプモータ72の回転数が、所定の範囲内にあるか否かの判断を行う(補正情報算出工程の一部に対応)。すなわち、算出された周期に基づいて、CPU91は該周期にダイレクトに対応するポンプモータ72の回転数を算出し、算出されたポンプモータ72の回転数が、目標とする適正範囲内にあるか否かを判断する。この判断において、適正範囲内にあると判断される場合(Yesの場合)、後述するステップS19に進行し、適正範囲内にないと判断される場合(Noの場合)、次のステップS17に進行する。なお、回転数の適正範囲とは、発生する騒音がさほどうるさくないという回転数の上限と、圧力がしきい値に達するまでの許容時間から算出される回転数の下限との間の範囲である。
ステップS17:CPU91は、算出された回転数と、不揮発性メモリ101に記憶されている目標情報とから、補正量α1を算出する(補正情報算出工程の一部に対応)。すなわち、ポンプモータ72を適正範囲内の回転数とすべく、補正量α1を算出する。すなわち、ポンプモータ72の回転数の最大値(蛇腹ポンプ74が加圧していない、負荷の軽い状態のポンプモータ72の回転数)を、適正範囲内の目標値の近傍となるように制御すれば、機構的な部分から発生する騒音を目標とする騒音レベル以下にすることができる。そのため、このステップS17においては、現在の電圧のDuty比における回転数の最大値、および目標とする回転数との関係から、該Duty比に加えられる補正量α1が決定される。
なお、ポンプモータ72の回転数に対応する、補正量α1のテーブルを、予めROM92に記憶させておくようにしても良い。この場合、補正量α1のテーブルは、実験等によって求めることができ、そのテーブルをROM92等の記憶部位に記憶させるようにする。この場合、算出されたポンプモータ72の回転数に対して、テーブルの回転数が最も近い補正量α1を呼び出すことにより、補正量α1の算出が為される。
また、かかる補正量α1のテーブルを予め記憶させずに、逐次、計算によって補正量α1を求めるようにしても良い。この場合、ポンプモータ72の初期回転数は、機構的な負荷が変動すると、その負荷の変動に対応して比例的に変化する、との予測に基づいて、補正量α1を計算する。すなわち、ポンプモータ72の特性は、予め分かっているため、ポンプモータ72の初期回転数から、機構的な負荷は算出することができ、ポンプモータ72の回転数を目標とする回転数にするための補正量α1も、算出することができる。
なお、上述のようにして、補正量α1が加えられる場合、算出されるポンプモータ72の回転数と目標情報(目標とする回転数)との間の差が大きい場合には、補正量α1は大きな値となり、差が小さくなるにしたがって、該補正量α1は小さな値となる。
ステップS18:CPU91は、電圧のDuty比に対して、上述の補正量α1を加算する(補正工程に対応)。すなわち、次の周期(3周期目;ステップS18を一度経ている場合、最後にH信号を受信してから新たにH信号を受信するまでの間の周期)においては、この補正量α1が加えられた電圧のDuty比を、ポンプモータ72に印加する。この場合、電圧の1パルス当たりの幅は、補正量α1が加えられた分だけ変動する。
ステップS19:ポンプモータ駆動回路100は、上述の補正量α1が加算された電圧のDuty比を、ポンプモータ72に印加し、ポンプモータ72を駆動させる(第1の補正駆動工程に対応)。
ステップS20:CPU91は、圧力センサ76から、圧力値がしきい値を超えたことを通知する信号を受信したか否かを判断する。なお、この判断は、上述した位置検出センサ78と同様に、しきい値を超えた場合に、H信号を受信するか、またはLow信号を受信することにより為される。そして、圧力値がしきい値を超えたと判断される場合(Yesの場合)には、ステップS22に進行する。また、圧力値がしきい値を超えていないと判断される場合(Noの場合)には、ステップS21に進行する。
ステップS21:CPU91は、補正量α1が加算された後において、位置検出センサ78から、新たな(次の)H信号を受信したか否かを判断する。この判断において、H信号が受信されたと判断される場合(Yesの場合)には、上述したステップS15に戻る。また、H信号が受信されないと判断される場合(Noの場合)には、再びこのステップS21の前に戻る。
ステップS22:CPU91は、最新の補正量α1が加えられた電圧のDuty比を、不揮発性メモリ101に対して記憶させる(補正情報記憶工程に対応)。なお、次回の起動時においては、このDuty比が呼び出され、そのDuty比に基づいてポンプモータ72が駆動されるようにするのが好ましい。
ステップS23:CPU91は、ポンプモータ72の作動を停止させる(駆動停止工程に対応)。この場合、他端保持部材88が検出レバー78aを押し込む端部において、ポンプモータ72を停止させるようにする。このようにすれば、次回、ポンプモータ72の駆動を開始する場合、CPU91が最初にH信号を受信する段階から、正確な周期の計測を行うことができる。
しかしながら、何等かのトラブルにより、蛇腹ポンプ74が位置検出センサ78を押し込まない、中途の位置で停止する場合がある。この場合に対応させ、以後のポンプモータ72の作動に際しても、正確に計測される2周期目の時間を、3周期目に投影させるようにするのが好ましい。
なお、例えば子供が何等かのいたずらを行う等により、ポンプモータ72に印加される電圧のDuty比が、一定のしきい値を超えて、さらに高くなる場合がある。この場合、Duty比が高いまま、ポンプモータ72の駆動を継続したのでは、ポンプモータ72からの発熱量が大きくなり、該ポンプモータ72が異常に加熱されて、断線等の不良の原因となる。この場合、ステップS22の駆動停止後に、規定の時間だけポンプモータ72の作動を停止させるようにしても良い。
以上のような各ステップを経ることにより、最初にポンプモータ72を駆動させる場合において、ポンプモータ72の回転数が目標とする回転数からずれている場合でも、ポンプモータ72の駆動が所定時間継続すれば、該ポンプモータ72がいずれ目標となる回転数に収束される。
(b)インターバル後にポンプモータ72を駆動する場合
続いて、所定のインターバルを経た後に、ポンプモータ72を駆動する場合について、図9に基づいて説明する。なお、後述するように、インターバルを経た後とは、プリンタ10が電源オンの状態において、圧力センサ76のしきい値を僅かに下回った場合と、プリンタ10の作動が電源オン/オフに係らず長時間停止していて、圧力センサ76におけるしきい値を大幅に下回っている場合等が該当する。
ステップS30:CPU91は、不揮発性メモリ101に記憶されている、補正量α1が加算された電圧のDuty比を、呼び出す。
ステップS31:呼び出されたDuty比に対して、第2の補正情報に対応する補正量α3を加算する。この補正量α3は、上述したように予め実験等により求めておいても良く、また計算によって算出しても良い。なお、ポンプユニット70の騒音解消が目的であるため、加えられる補正量α3は、マイナスの値であることが望ましい。しかしながら、Plastが、騒音の問題とならない場合には、α3を0としても良い。
ステップS32:ポンプモータ駆動回路100は、上述の補正量α3が加算された電圧のDuty比を、ポンプモータ72に印加し、ポンプモータ72を駆動させる(第2の補正駆動工程に対応)。
なお、ステップS32よりも後のステップは、上述したステップS11〜S23と同様である。そのため、その詳細についての説明は省略する。なお、図9においては、ステップS11〜S23は、それぞれステップS33〜S45に対応する。
ここで、2回目以降にポンプモータ72が駆動される場合としては、インターバルが短く、圧力センサ76において計測される圧力が、しきい値を僅かに下回った場合と、プリンタ10の作動が長時間停止していて、圧力センサ76におけるしきい値を大幅に下回っている場合の2種類が存在する。そのため、補正量α3には、ポンプモータ72の停止時間に応じて、複数種類設けるようにするのが好ましい。例えば、プリンタ10の印刷を実行中の場合、補正量α1を数%程度下げる補正量α3aとすると共に、プリンタ10の停止時間が長く、圧力の低下が大きい場合には、補正量α1を、より大きく下げる補正量α3bとする。
すなわち、補正量α3bの値を小さくしてしまうと、圧力による負荷が小さい状態で、大きなDuty比の電圧が、ポンプモータ72に印加される。そのような電圧が印加されると、インターバル前の圧力の高い状態でポンプモータ72を適切な回転数となっていた状態の電圧と、ほぼ同様の電圧が、圧力の低い状態で印加される。そのため、ポンプモータ72の回転数が上昇することになり、適切な回転数を大きく上回り、騒音を生じる結果となる。そのため、補正量α3bは、補正量α3aよりも大きな値とする必要がある。
なお、一度電源を切り、圧力がほとんど大気圧と等しくなった状態から、ポンプモータ72を作動させる場合も、上述の補正量α3bが印加される場合に、含めるようにすることもできる。
このような構成のプリンタ10によると、インターバルを経た後に、ポンプモータ72が駆動される場合においても、該ポンプモータ72の回転数の最大値を所望の回転数付近にすることができる。すなわち、インターバルの直前のDuty比を用いると共に、このDuty比に補正量α3を加えてポンプモータ72を駆動しているため、インターバル後に最初に駆動される段階で、蛇腹ポンプ74やその他の摩擦部分といった、負荷部分から発生する騒音を、抑制することが可能となる。そのため、従来であれば、インターバル後の最初の段階で、うるさく感じられていた負荷部分の騒音を抑制することが可能となり、ユーザの静穏化の要望に応えることが可能となる。
また、刻々変化する、インターバル直前のDuty比を用いて、ポンプモータ72の駆動を制御している。ここで、プリンタ10においては、使用する年月による摩擦の変動、インク粘度等により、機構的な負荷が変動していくが、上述のようにインターバル直前のDuty比を用いることにより、かかる負荷の変動にも良好に対応させることができる。
さらに、インターバル直前のDuty比に加算される補正量α3は、該直前のDuty比を減じる値となっている。そのため、Duty比を上げる場合と比較して、静穏化を図ることができる。それにより、負荷部分から発生する騒音を、インターバル後の最初の段階から抑制することが可能となる。
また、位置検出センサ78での検出のみで、騒音の発生を抑えることが可能となる。このため、ポンプモータ72の駆動速度を検出するための、エンコーダ等を必要とせずに済み、コストが上昇するのを抑えることが可能となる。
さらに、ポンプモータ72の制御においては、パルス電圧のDuty比を変更するPWM制御を行っている。そのため、パルス電圧のDuty比を調整するだけで、ポンプモータ72の回転数を調整することができ、簡易でありながら正確にポンプモータ72の回転数を制御することが可能となる。
また、本実施の形態では、圧力センサ76で圧力が、しきい値を上回った場合に、ポンプモータ72の駆動を停止させている。さらに、圧力センサ76で圧力が、しきい値を下回った場合に、ポンプモータ72の駆動を再開させている。このため、蛇腹ポンプ74がカートリッジ62に過剰な圧力を及ぼして、液体容器41からインクが溢れるのを防止することが可能となる。すなわち、適正な量のインクを、カートリッジ62から液体容器41に供給することができ、液体容器41には適量のインクが蓄えられた状態にすることができる。また、規定の圧力に達しなくなった場合には、CPU91は、ポンプモータ72の駆動を開始させている。それにより、液体容器41には、常に規定量のインクを蓄えさせることができる。
さらに、位置検出センサ78は、蛇腹ポンプ74の伸長端側において蛇腹ポンプ74の往復動における位置を検出し、H信号を送信している。このため、位置検出センサ78が蛇腹ポンプ74の位置を一度検出し、再び蛇腹ポンプ74の位置を検出すると、該蛇腹ポンプ74の一周期分の始端と終端を計測することができる。そして、この間の時間を計測することにより、蛇腹ポンプ74の1周期の時間を正確に計測することができる。
加えて、上述の実施の形態では、位置検出センサ78は、蛇腹ポンプ74の伸長端側において、ポンプモータ72の駆動を停止させている。そのため、次にポンプモータ72を駆動させる場合、CPU91が位置検出センサ78から1番目のH信号を受信すれば、その検出までの時間が最初の周期となる。すなわち、最初の位置検出の段階で、正確な周期の計測を行うことができ、より早く静穏化を図ることができる。
また、本実施の形態では、補正量α1および補正量α3は、ポンプ部材の往復動の3周期目から加えられている。このようにした場合、蛇腹ポンプ74が往復動の中途部分で停止している場合でも、1番目のH信号の検出と2番目のH信号の検出との間の時間(2周期目の時間)は、正確に計測することができる。このため、その2周期目から算出される補正量α1,α3を、3周期目において加算すれば、ポンプユニット70の静穏化が良好に図れる。
また、本実施の形態では、CPU91が所定の時間経過したと判断した場合、補正量α2を、電圧のDuty比に加算している。そのため、何等かの不具合(例えば、インクの固化等により大きな負荷が作用している場合等)により、所定の時間待ち続けても、1番目のH信号が送信されてこない場合でも、補正量α2を加えて電圧を高めれば、その負荷を乗り越えてポンプモータ72が動き出すことができる。それにより、かかる負荷がポンプモータ72(蛇腹ポンプ74)に作用している場合において、いつまでたってもポンプモータ72(蛇腹ポンプ74)が動き出さない、といった事態を防止することが可能となる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態においては、補正量α1は、カートリッジ62におけるインク残量に拘わらず、同様となっている。しかしながら、補正量α1は、インク残量に応じて変更するようにしても良い。
この場合、カートリッジ62に設けられている、不図示のEEPROM等のメモリには、インク残量が予め記憶されている。そして、このメモリに記憶されているインク残量を読み出す。それにより、CPU91は、インク残量に基づいて、補正量α1に加算する、補正変動量β(補正変動情報に対応;変動情報算出工程にも対応)を決定する。なお、インク残量の読み出し、および補正変動量βの算出は、図8におけるステップS19の前であれば、いずれの段階で行っても良い。また、この場合、メモリは、制御部90と検出して、残量検出手段として機能する。また、制御部90は、変動情報算出手段および補正手段として機能する。
なお、上述のカートリッジ62としては、インクが第1の袋状部材に貯留されていると共に、該エアも第2の袋状部材に流入させ、第1の袋状部材と第2の袋状部材とが隣り合う構成を採用しているものがある。かかる構成を採用する場合、インク残量が少ないと、第2の袋状部材が第1の袋状部材に対して、圧力を及ぼさない状態で接触しているため、インク残量が多い場合と比較して、エアが導入し易くなる。この場合、ポンプモータ72の回転数が上昇しがちとなり、騒音の問題が生じる。このため、インク残量が少ないときは、補正変動量βの値は、インク残量が多いときよりも、マイナス方向に大きな値となっている。
そして、上述のようにして算出された補正変動量βは、補正量α1を算出した後に加算される。それによって、ポンプモータ72には、補正量α1と補正変動量βとの合計のDuty比の電圧が、印加され、ポンプモータ72は駆動させられる(補正駆動工程に対応)。このようにすれば、インク残量の多い少ないに拘わらず、負荷部分から発生する騒音を、抑制することが可能となる。
また、上述の実施の形態では、ポンプモータ72に印加される1周期目と2周期目の電圧は、ROM92に記憶されている固定値を用いている。しかしながら、プリンタ10を起動した場合において、起動する度に回転数の変動が大きく不安定である等の事情がある場合、かかる固定値を、次回プリンタ10が起動する場合に対応させて変更するようにしても良い。また、位置検出センサ78が1周期内でH信号を送信している時間に基づいて、即座に補正するようにしても良い。すなわち、起動したときに、1番目のH信号を送信するまでの時間が規定時間よりも短い場合、CPU91は、即座にDuty比を下げるように変更したり、1番目のH信号を送信するまでの時間が規定時間よりも長い場合、CPU91は、即座にDuty比を上げるように変更しても良い。
また、上述の実施の形態では、ポンプモータ72としてDCモータを用いる場合について説明している。しかしながら、ポンプモータ72は、DCモータには限られない。PWM方式による制御を行うことが可能であれば、例えばACモータ等を用いる駆動機構に、本発明を適用することが可能である。
さらに、上述の実施の形態では、液体としてインクを用いると共に、液体供給源としてカートリッジ62、および貯留手段として液体容器41を用いた場合について説明している。しかしながら、液体はインクには限られず、半導体等の各種処理を行う処理液、洗浄液等であっても良い。なお、これらの場合、液体供給源は、カートリッジ62ではなく、処理液や洗浄液を蓄えるタンクとなる。
また、上述の実施の形態においては、圧力センサ76によって計測される圧力がしきい値を超えた場合に、ポンプモータ72の駆動を停止させている。しかしながら、圧力センサ76の代わりに、液体容器41側にインクの量を検出するセンサを設け、該センサによりインクの量が十分であると感知された場合に、CPU91がポンプモータ72の駆動を停止させるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、ポンプ制御機構が、家庭用のプリンタ10に適用された場合について説明している。しかしながら、本発明のポンプ制御機構は、プリンタ10に適用される場合には限られず、業務用の大型プリンタに適用されても良い。また、エアコンのコンプレッサー等、プリンタ以外の機器に本発明を適用しても良い。
さらに、上述の実施の形態では、駆動情報は、各周期、各周期における回転数、および各周期における電圧のDuty比としている。また、目標情報は、ポンプモータ72の目標とする各周期およびその周期における回転数としている。しかしながら、駆動情報/目標情報はこれには限られず、例えばインクの流量を駆動情報/目標情報としても良い。
また、上述の実施の形態では、補正とは、補正量α1,α3を加算する場合(マイナス値を加算する場合も含む)について説明している。しかしながら、補正量α1,α3が、所定の補正係数の場合、その補正係数をDuty比に乗算するようにしても良い。また、制御情報、補正情報、補正後制御情報、第2の補正情報等は、一定の数値を加算する場合には限られず、制御プログラムで実行される制御タイミング等を変更する情報等であっても良い。
10…プリンタ、12…印刷対象物、22…PFモータ、35…CRモータ、40…キャリッジ、41…液体容器(貯留手段に対応)、42…プラテン、60…カートリッジ搭載部、62…カートリッジ(液体供給源に対応)、70…ポンプユニット、72…ポンプモータ(駆動源に対応)、74…蛇腹ポンプ(ポンプ部材に対応)、75…逆止弁、76…圧力センサ、77…レギュレータ、78…位置検出センサ(位置検出手段に対応)、86…空気管路、88…他端保持部材、90…制御部、92…ROM(情報記憶手段に対応)、101…不揮発性メモリ