[go: up one dir, main page]

JP4571285B2 - 光学成形品用着色剤マスターバッチおよび光記録媒体基板 - Google Patents

光学成形品用着色剤マスターバッチおよび光記録媒体基板 Download PDF

Info

Publication number
JP4571285B2
JP4571285B2 JP2000255212A JP2000255212A JP4571285B2 JP 4571285 B2 JP4571285 B2 JP 4571285B2 JP 2000255212 A JP2000255212 A JP 2000255212A JP 2000255212 A JP2000255212 A JP 2000255212A JP 4571285 B2 JP4571285 B2 JP 4571285B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
colorant
optical
bis
optical recording
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000255212A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002012675A (ja
Inventor
昭浩 坂本
秀雄 二宮
久賀 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
Priority to JP2000255212A priority Critical patent/JP4571285B2/ja
Publication of JP2002012675A publication Critical patent/JP2002012675A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4571285B2 publication Critical patent/JP4571285B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、着色された光学用樹脂成形品を製造するために使用する着色剤マスターバッチに関する。詳しくは着色剤を特定の高濃度量で含有し、着色された光学用樹脂成形品を得るのに好適な着色剤マスターバッチに関するものである。更に詳しくはDVD、CD−Rといった高機能の光記録媒体基板に対して、意匠性や記録保存性などの機能を付与が可能な着色剤マスターバッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
種々の光学的機能を有する光学用樹脂成形品は、通常無色透明または無色に近い透明を有するものである。しかし、用途によっては着色された成形品が使用される場合がある。特にCD(コンパクトディスク)やDVD(デジタルバーサタイルディスク)に代表される光記録媒体において近年着色された製品が増加している。かかる着色の目的は意匠性や記録膜の長期保存性などにある。
【0003】
かかる光記録媒体への着色については、特開平8−124212号公報に分散媒に染料を分散させた液状着色剤を使用して着色された光記録媒体が記載されている。またかかる公報には、かかる液状着色剤を使用する着色方法がマスターバッチなどを使用する着色法に比較して染料の分散性などに優れており、光記録媒体の着色に対して好適である旨が説明されている。すなわち染料のマスターバッチを使用した場合には、希釈ムラやコンタミの問題が生じやすいことが記載されている。
【0004】
しかしながら、更に多種の着色が要求された場合や、高密度の光記録媒体である各種DVDまた記録層の保護が重要なCD−R等の光記録媒体に対する着色に対しては、液状着色剤を使用する方法が必ずしも好適な方法とはいえない。
【0005】
かかる理由の第1として、液状着色剤の安定性を挙げることができる。液状着色剤は染料の分散を良好に保つことができる一方で、流動性が高いため再凝集も生じやすく、長期の保管には十分な配慮が必要となる。すなわち分散形態の安定性に対して分散媒は不安定な因子ともなり得る。更に着色剤が多岐にわたった場合、かかる配慮に対するコストやリスクの負担はより大きなものとなる。
【0006】
理由の第2としては、液状着色剤の耐熱性が挙げられる。特に近年はDVDなどの記録密度の上昇に従い記録媒体を成形する温度は極めて高温となっている。
かかる高温の条件により分散媒の分解、分散媒と染料との相互作用による分解などが生じる可能性がある。すなわち材料の熱安定性に対して分散媒は不安定な因子となり得る。更にかかる分解成分が他の成分の劣化を誘導する可能性もある。
かかる点は記録層の劣化因子を極力排除したいCD−R等において、好ましいものではない。
【0007】
上記に示す如く、液状着色剤を使用した着色法は、その分散媒に由来する分散形態や熱に対する不安定な因子を常に抱えるものであり、今後のニーズである多種の着色や高密度光記録媒体への着色に十分対応できるものとはいえなかった。
したがってかかる観点からは他の着色法の可能性が考えられるものの、かかる点について十分明確に提案したものはこれまでないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、着色されたDVD基板やCD−R基板などの着色された光学用樹脂成形品を製造するのに適した光学用樹脂成形品を得るための着色剤マスターバッチを提供することを目的とするものである。本発明者はかかる目的を達成するため鋭意検討した結果、着色剤を特定量高濃度に含んでなるマスターバッチを使用し、着色された光学用樹脂成形品を得ることを試みた。その結果、液状着色剤における分散媒という不安定因子を除去し、また希釈ムラやコンタミの問題についても十分に解決できることを見出した。これらの知見より本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)および着色剤(B成分)からな光学成形品用着色剤マスターバッチと、芳香族ポリカーボネート樹脂との混合物より成形された光記録媒体基板であって、該マスターバッチのB成分含有量が、重量比で該光記録媒体基板中に含まれるB成分の3〜30倍であることを特徴とする光記録媒体基板にかかるものである。
【0010】
本発明の光学用樹脂成形品としては、光記録媒体基板、レンズ、光フィルター、光ファイバー、光導波路、光プリズム、マイクロレンズなどを挙げることができるが、特に光記録媒体基板が本発明の対象として好適である。
【0011】
更に本発明の光記録媒体としては、コンパクトディスク(CD、CD−R、CD−RW等)、マグネト・オプティカルディスク(MO、MD等)、デジタルバーサタイルディスク(DVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−R、DVD−RAM等)で代表される光ディスク、および光カードを挙げることができる。特に光ディスクが好適な対象である。
【0012】
本発明の光学用樹脂成形品は、種々の目的に応じて着色剤により着色されたものである。かかる目的としては意匠性の付与、光劣化性の高い部分の保護(有害波長の光線をカットすることによる)、製品種の識別、および特定波長の光の選択などを挙げることができる。
【0013】
本発明の光学成形品用着色剤マスターバッチは、熱可塑性樹脂(A成分)および着色剤(B成分)からなり、かつ該マスターバッチのB成分含有量が、重量比で光学用樹脂成形品中に含まれるB成分の3〜30倍であることを特徴とするものである。かかるB成分含有量は重量比でより好ましくは3〜25倍、更に好ましくは3.5〜20倍、特に好ましくは4〜18倍である。
【0014】
したがって本発明の光学成形品用着色剤マスターバッチは3〜30倍その着色剤濃度に応じて希釈される。すなわち一般的には、かかるマスターバッチと主原料たる着色されていない光学用材料とを混合し、溶融成形などの過程を経て着色された光学用樹脂成形品を得る。尚、主原料の光学用材料は着色されていないことが一般的であるが、着色されたものであっても使用可能である。
【0015】
本発明の光学成形品用着色剤マスターバッチは、悪影響を及ぼす分散媒成分を有しておらず、また固体中に染料が分散されているので、再凝集の問題も有していない。またかかる着色剤マスターバッチ中における着色剤の濃度、言い換えると本発明の光学用樹脂材料の希釈割合が特定範囲の場合に良好な光学用樹脂成形品が形成される点が重要である。
【0016】
本発明の光学成形品用着色剤マスターバッチ中に含まれる着色剤が、得られる光学用樹脂成形品中の着色剤に対して3倍未満の場合には、コンタミの問題が生じやすくなり好ましくない。着色剤マスターバッチの製造には、従来の無色透明な光学用樹脂材料を製造する場合に比較して、成分が増加し、製造工程も増加するためコンタミの発生確率は大幅に増加する。したがって着色剤マスターバッチはコンタミの点のみから判断すれば高濃度であるほど好ましい。
【0017】
一方で、本発明の光学用樹脂材料中に含まれる着色剤が、得られる光学用樹脂成形品中の着色剤に対して30倍を超える場合には、光記録媒体の機能に問題を生ずる。かかる原因としてはミクロレベルでの希釈ムラの可能性や、光学用樹脂材料中における染料の濃度が高まるために、染料自体の高温下での劣化が生じやすくなっている可能性などが考えられる。
【0018】
本発明の光学用樹脂成形品を形成する熱可塑性樹脂としては、光学用途に使用可能な各種の樹脂が挙げられる。具体的には例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、水添ポリスチレン樹脂、非晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂である。さらに本発明においてより好適であるのは高い成形温度が必要な芳香族ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂、非晶性ポリアリレート樹脂である。中でも芳香族ポリカーボネート樹脂が本発明の光学用樹脂成形品を形成する熱可塑性樹脂として好適である。
【0019】
非晶性ポリオレフィン樹脂としては、三井化学(株)製のAPO樹脂、JSR(株)製のアートン、日本ゼオン(株)製のゼオネックスなどを挙げることができる。特に芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。尚、芳香族ポリカーボネート樹脂の詳細については後述する。
【0020】
本発明のB成分として使用される着色剤としては、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、フタロシアニン系染料等の有機系色剤やカーボンブラックが挙げられ、これらの中でも透明性の有機系色剤が好ましい。更に好ましくは、アンスラキノン系染料、ペリノン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料をあげることができる。
【0021】
B成分の染料の具体例としては、CI Solvent Red 52、CISolvent Red 149、CI Solvent Red 150、CI Solvent Red 191、CI Solvent Red 151、CI Solvent Red 135、CI Solvent Red 168、CI Disperse Red 22、CI Solvent Blue 94、CI Solvent Blue 97、CI Solvent Violet 13、CI Solvent Violet 14、CI Disperse Violet 28、CI Solvent Green 3、CI Solvent Green 28として知られるアンスラキノン系染料、CI Vat Orange 9、CI Vat Orange 2、CI Vat Orange 4として知られるピランスロン類アンスラキノン系染料、イソジベンザンスロン類アンスラキノン系染料、CI Vat Orange1、CI Vat Yellow 4として知られるジベンズピレンキノン類アンスラキノン系染料などを挙げることができる。チオインジゴ系染料としてはCI Vat Red 1、CI Vat Red 2、CI Vat Red41、CI Vat Red 47などを挙げることができる。ペリレン系染料としては、CI Vat Red 15、CI Vat Orange 7、CI Solvent Green 5およびBASF社製LUMOGENシリーズとして F Orange240、F Red300、F Yellow083、F Red339などを挙げることができる。クマリン系染料としては、バイエル社製MACROLEX Fluorescent Yellow 10GN、Solvent Yellow160:1、MACROLEX Fluorescent Red G、キノリン系染料としては、CI SolventYellow 33、CI Solvent Yellow 157、CI Disperse Yellow 54、CI Disperse Yellow 160などを挙げることができる。ペリノン系染料としては、CI Solvent Red 135、CI Solvent Red 179、CI Solvent Orange 60、フタロシアニン系染料としてはCI Pigment Blue 15:1、CI Pigment Green 7、CI Pigment Green 36などを挙げることができる。これらは1種または2種以上を併用でき、目的に応じた着色を行うことが可能である。
【0022】
尚、着色剤は十分に均一な分散を達成するため粒径の細かいものが好ましく、より好ましくは50μm以下の粒径を有するものであり、かかる着色剤は各種フィルターによる選別後、精製結晶化することにより得ることができる。
【0023】
本発明の着色剤マスターバッチを形成する熱可塑性樹脂であるA成分は、上記に挙げた熱可塑性樹脂を挙げることができる。かかるA成分は基本的には光学用樹脂成形品と同種の熱可塑性樹脂が使用されることが好ましいが、相溶性があり異種であっても透明になる場合(例えば芳香族ポリカーボネート樹脂と非晶性ポリアリレート樹脂のポリマーアロイなど)や、同種で相溶性があり透明になる場合(例えばビスフェノールA型ポリカーボネート重合体と他の二価フェノールによるポリカーボネート重合体または共重合体とのポリマーアロイなど)には、その一部の樹脂とすることも可能である。
【0024】
またかかるA成分に使用する熱可塑性樹脂は光学用樹脂成形品における熱可塑性樹脂と同種である場合、その分子量や分子量分布も近いものが好ましい。
【0025】
また得られる光学用樹脂成形品中に含まれる着色剤をB成分としてすべて含んだ着色剤マスターバッチが最も好ましい。コンタミなどの問題を極力さけることが可能となるからである。しかしながら、2種以上のマスターバッチを組合わせることも可能である。
【0026】
本発明の着色された光学用樹脂成形品は、着色剤を0.005〜10重量%、好ましくは0.02〜5重量%、更に好ましくは0.02〜2重量%含んでなるものをその主たる対象とするものである。かかる着色剤含有量であれば、通常明確に着色されたこと認識され、また着色剤に要求される機能を十分に発揮し得る。着色剤が10重量%を超える場合には、光学用樹脂成形品としての特性に影響を与え好ましくない。
【0027】
本発明の着色剤マスターバッチの形態や、その製造方法は、各種の形態および方法を用いることが可能である。着色剤マスターバッチの形態としては、粉粒体およびペレットのいずれの形態も取り得るが、特にペレット形態が好ましい。粉粒体の場合は、微小成分が含む空気による酸化劣化の問題や、成形機の供給口などに付着し熱劣化成分を生ずるなどの問題に配慮して光学用樹脂成形品の製造を行う必要がある。
【0028】
ペレットは、最も一般的な溶融押出されたストランドをカットする方法により得ることができる。したがってその形状としては円柱状や角柱状のものを挙げることができる。また溶融押出物を直接カットするいわゆるホットカット法を取ることも可能である。かかる場合には球状に近い形状を取ることが一般的である。
【0029】
上記の如く本発明の着色剤マスターバッチは、いずれの形態、または形状を採り得るものであるが、好ましくは主原料の光学用材料と同一の形態および形状である。かかる場合には混合時の分級の問題が生じにくいからである。したがって着色剤マスターバッチはペレットの形態であり、更に円柱状の形状であるものが最も好ましい。主原料の光学用材料はそのほとんどが円柱状ペレットだからである。またその大きさについても分級の点からは主原料の光学用材料とほぼ同じ大きさとすることが好ましい。一般的には内径が2.0〜3.3mmで長さが2.5〜3.5mmのものが適当である。
【0030】
かかる着色剤マスターペレットを製造する方法としては、以下の方法を挙げることができる。例えば(1)必要な原材料(A成分、B成分およびその他任意の成分)を予備混合し、その後溶融混練する方法、(2)着色剤を高濃度に含有するマスター剤を作成しその他の原材料と予備混合し、その後溶融混練する方法、および(3)着色剤を高濃度に含有するマスター剤とその他の原材料とを独立して供給し溶融混練する方法などである。
【0031】
上記(1)の予備混合方法として、具体的には各成分をスーパーフローター、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、タンブラーなどの混合機に投入し、攪拌混合する方法が挙げられる。またA成分の溶液にB成分を均一に溶解した後、溶媒を除去する方法も挙げることができる。
【0032】
上記(2)の方法は、マスター剤とその他の原材料を(1)と同様な混合機を使用して予備混合して溶融混練するものである。
【0033】
上記(3)の方法は、溶融混練機への供給をマスター剤とその他の原材料とを独立に行うものである。かかる場合その他の原材料を改めて押出機等の溶融混練機に投入することの他、溶融重合により製造される樹脂の場合にはかかる重合時のいずれかの段階でマスター剤を投入する等の方法をとることもできる。
【0034】
ここで上記の着色マスターペレットを製造するのに使用されるマスター剤(以下、単に“マスター剤”と称する)としては、ペレット状または粉粒体状の形態をとることができるが、かかるマスター剤においては粉粒体状のものが好ましい。ペレット状の場合には、極めて高濃度の着色剤と熱可塑性樹脂とを溶融混合する必要があり、着色剤の熱劣化を促進しやすくなるためである。すなわちかかるマスター剤においてはできる限り過大な熱負荷を避けられる方法がより好ましいといえる。
【0035】
粉粒体状のマスター剤を作成するためには、第1にマスター剤の作成に必要な着色剤およびその他の原材料をヘンシェルミキサー等の粉体混合機を使用して混合する方法が挙げられる。混合機としては特にスーパーフローターが好ましい。
かかる着色剤は通常の固体状の他、他の媒体に溶解または分散させた液体状であってもよい。液体状の場合には、混合時の発生熱や、混合機のジャケット温度の設定により、媒体を蒸発させることが好ましい。液体状の場合には、かかる液体をフィルター濾過し必要な異物や分散不良成分の除去を同時に行える利点がある。
【0036】
粉粒体状のマスター剤を作成するための第2の方法としては、液体状のより高濃度のマスター剤とその他の原材料の溶液から溶媒成分を同時に除去する方法またはその他の原材料の溶液中に溶解して溶媒成分を除去する方法などが挙げられる。マスター剤とその他の原材料の溶液は混合して、または独立して溶媒除去装置内に供給することができる。例えばスプレードライヤーを使用してマスター剤の粉粒体を得ることができる。
【0037】
尚、上記着色剤マスターバッチの製造は、かかる光学特性を阻害する異物の存在を極力少なくする環境で行われることが好ましい。より具体的には光記録媒体用の光学用材料を製造する場合と同じレベルであることが必要である。例えば、原料として異物量の少ないものを使用する、押出機やペレタイザー等の製造装置をフィルターなどを通して得られた清浄な空気の雰囲気内に設置する、冷却バス用の冷却水についてもイオン交換樹脂などを通して得られた金属イオンなどの異物量の少ないものを使用する、並びに原料の供給ホッパー、供給流路、および得られたペレットの貯蔵タンク等についてもより清浄な空気等で満たすなどの手段を挙げることができる。これらの処方により得られる異物や不純物のレベルが光記録媒体用の光学用材料を製造する場合と同じレベルにある環境で、本発明の着色剤マスターバッチを製造するであることが必要である。
【0038】
また溶融混練に使用する装置としては、スクリュー式の溶融混練装置が好ましい。例えば単軸押出機、2軸押出機など一般に使用されているものが使用可能である。ペレットの製造には特に好ましくはベント付きの2軸押出機であり、ベントから真空排気できるものが好ましい。
【0039】
更に本発明においてより好ましい態様としては、着色剤マスターバッチ中に含まれるナトリウム元素の含有量が1ppm以下であるものを挙げることができる。かかる場合には光学用樹脂成形品に要求される各種の特性、特に長期信頼性を十分に満足するものとなる。着色剤マスターバッチ中のナトリウム元素の含有量が1ppm以下である場合には、着色剤を含む場合であっても長期使用における光学的異物を発生しにくく、より良好な着色された光学用樹脂成形品を達成できる。すなわち着色剤は光の刺激に対して敏感であるため、かかる着色剤が原因となって長期的な光学的異物発生の要因となる可能性がある。しかしながら本発明では着色剤マスターバッチ中のナトリウム元素量を極めて少量とすることにより、かかる長期使用における光学異物の発生をより低減できることも見出した。かかる原因は明確ではないものの、着色剤中に含まれるナトリウム原子と反応性を有する基(水酸基、ハロゲン原子基、エステル結合など)が、着色剤マスターバッチを製造する工程、および光学用樹脂成形品を成形する工程と2度の熱履歴を経ることで、劣化因子を生成するためではないかと考えられる。
【0040】
かかる着色剤マスターバッチを得るためには、光学用樹脂成形品に使用する原材料、特にA成分である熱可塑性樹脂およびB成分である着色剤においてナトリウム元素を極力含有しないものを使用することが重要である。
【0041】
熱可塑性樹脂の場合には、主として重合触媒、水洗工程などに使用される水などに起因してナトリウム化合物が混入する。触媒が除去できない製造方法である場合には、かかる触媒量をナトリウム元素が1ppm以下となるように調整することが好ましい光学樹脂成形品を得るために好ましい。一方水洗等により除去可能である場合には、ナトリウムイオンをイオン交換膜などで除去した水を使用し、十分な水洗によりナトリウム元素を十分に除去することが好ましい。またペレットを形成する場合にも水により冷却する場合には、かかる水から十分にナトリウムイオンを除去することが好ましい。
【0042】
また着色剤についても熱可塑性樹脂の場合と同様、触媒などに使用する場合はその量に十分に配慮しナトリウム元素を低減することが好ましい。および精製工程により取り除ける場合には、かかる精製工程を2回以上行い、純度の向上と共に、ナトリウム元素を排除することが好ましい。また着色剤として実質的にその構成原子としてナトリウムを含むまないものを使用することが重要である。
【0043】
以下に本発明の光学用樹脂成形品を形成する樹脂として好適な芳香族ポリカーボネート樹脂の詳細について説明する。本発明で使用する芳香族ポリカーボネート樹脂とは、通常二価フェノールとカーボネート前駆体とを界面重縮合法、溶融エステル交換法で反応させて得られたものの他、カーボネートプレポリマーを固相エステル交換法により重合させたもの、または環状カーボネート化合物の開環重合法により重合させて得られるものである。
【0044】
ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0045】
なかでもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましい。更に、ビスフェノールAの単独重合体、並びに1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンと、ビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンから選択される1種以上のモノマーとの共重合体が好ましく使用され、特にビスフェノールAの単独重合体、または1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が好ましい。
【0046】
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
【0047】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
【0048】
三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0049】
かかる分岐ポリカーボネート樹脂を生ずる多官能性化合物を含む場合、かかる割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造量についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モル%であるものが好ましい。尚、かかる割合については1H−NMR測定により算出することが可能である。
【0050】
界面重縮合法による反応は、通常二価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
【0051】
また、かかる重合反応において、通常末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類は末端停止剤として分子量調節のために一般的に使用され、また得られたポリカーボネート樹脂は、末端が単官能フェノール類に基づく基によって封鎖されているので、そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる単官能フェノール類としては、一般にはフェノールまたは低級アルキル置換フェノールであって、下記一般式(1)で表される単官能フェノール類を示すことができる。
【0052】
【化1】
Figure 0004571285
【0053】
(式中、Aは水素原子または炭素数1〜9の直鎖または分岐のアルキル基あるいはフェニル基置換アルキル基であり、rは1〜5、好ましくは1〜3の整数である。)
【0054】
上記単官能フェノール類の具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノールが挙げられる。
【0055】
また、他の単官能フェノール類としては、長鎖のアルキル基あるいは脂肪族ポリエステル基を置換基として有するフェノール類または安息香酸クロライド類、もしくは長鎖のアルキルカルボン酸クロライド類も示すことができる。これらのなかでは、下記一般式(2)および(3)で表される長鎖のアルキル基を置換基として有するフェノール類が好ましく使用される。
【0056】
【化2】
Figure 0004571285
【0057】
【化3】
Figure 0004571285
【0058】
(式中、Xは−R−O−、−R−CO−O−または−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭素数1〜10、好ましくは1〜5の二価の脂肪族炭化水素基を示し、nは10〜50の整数を示す。)
【0059】
かかる一般式(2)の置換フェノール類としてはnが10〜30、特に10〜26のものが好ましく、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノール等を挙げることができる。
【0060】
また、一般式(3)の置換フェノール類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合である化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜26のものが好適であって、その具体例としては例えばヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒドロキシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸トリアコンチルが挙げられる。
【0061】
末端停止剤は、得られたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5モル%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入されることが望ましい。より好ましくは全末端に対して末端停止剤が80モル%以上導入されること、すなわち二価フェノールに由来する末端の水酸基(OH基)が20モル%以下であることがより好ましく、特に好ましくは全末端に対して末端停止剤が90モル%以上導入されること、すなわちOH基が10モル%以下の場合である。また、末端停止剤は単独でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0062】
溶融エステル交換法による反応は、通常二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0063】
カーボネートエステルとしては、置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネートなどが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
【0064】
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10-3当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0065】
また、かかる重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えばビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカーボネート、フェニルフェニルカーボネート、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート等の化合物を加えることが好ましい。なかでも2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく使用される。
【0066】
さらにかかる重合反応において触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。この失活剤の具体例としては、例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル‐スルホン化スチレン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの化合物を二種以上併用することもできる。
【0067】
失活剤の中でもホスホニウム塩もしくはアンモニウム塩型のものが好ましい。
かかる触媒の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましく、また重合後のポリカーボネート樹脂に対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。
【0068】
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で10,000〜22,000が好ましく、12,000〜20,000がより好ましく、13,000〜18,000が更に好ましく、13,500〜16,500が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は光学用樹脂成形品として十分な強度が得られ、また光学歪みや複屈折を極力低減することが可能となる。また、芳香族ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支えない。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηSP)を次式に挿入して求める。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
【0069】
上記の如くポリカーボネート樹脂はその製造において触媒としてナトリウム化合物を使用することから、界面重縮合の場合は十分な水洗を行い、溶融エステル交換法の場合にはかかる触媒の配合量に十分に留意して、ポリカーボネート樹脂自体のナトリウム元素の含有量を0.5ppm以下、好ましくは0.3ppm以下、特に好ましくは0.2ppm以下とすることが好ましい。
【0070】
また芳香族ポリカーボネート樹脂を着色剤マスターバッチのA成分として使用する場合、かかる着色剤マスターバッチにおける粘度平均分子量は、主原料の芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量との差の絶対値として、1,000以内の範囲にあることが好ましい。より好ましくは800以内の範囲、更に好ましくは500以内の範囲である。特に光記録媒体においてはかかる差が小さいことが好ましい。光記録媒体の場合には極めてその成形サイクルが短く、極限に近い可塑化工程を経ている場合が多い。したがって不均一な溶融可塑化挙動を取る成分の存在は、材料の不均一性を高める要因となり着色剤の分散不良などの問題を生ずる原因となる。
【0071】
本発明の光学用樹脂成形品中には、各種の熱安定剤、離型剤、帯電防止剤、光安定剤などが含まれていてもよく、したがって本発明の着色剤マスターバッチに更にこれらの成分を高濃度に含むことも、本発明の目的を損なわない範囲で可能である。
【0072】
離型剤としては、各種の離型剤が使用可能であるが、好ましくは脂肪酸エステルである。かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜34の脂肪族飽和一価カルボン酸と一価または二価以上の多価アルコールとのエステルを挙げることができる。かかる脂肪族飽和一価カルボン酸としては、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキシン酸、ベヘン酸、およびモンタン酸などが挙げられる。
【0073】
具体的には一価アルコールと飽和脂肪酸のエステルとして、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート等が挙げられる。
【0074】
具体的には多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルとして、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等のジペンタエリスリトール全エステルまたは部分エステル等が挙げられる。
【0075】
更に、好ましくは、炭素数10〜24、更に好ましくは炭素数16〜22の脂肪族飽和一価カルボン酸と二価以上の多価アルコールとの部分エステルを挙げることができる。二価以上の多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールなどを挙げることができる。特に好ましくはステアリン酸とグリセリンの部分エステルである。
【0076】
離型剤は、離型剤全量100重量%に対して、上記脂肪酸エステルが90重量%以上であることが好ましく、更に好ましくは95重量%以上、特に好ましくは実質的に脂肪酸エステルのみからなる場合である。
【0077】
更に上記脂肪酸エステルの酸価は3以下が好ましく、2以下がより好ましい。
グリセリンモノステアレートの場合には、酸価1.5以下、純度95重量%以上が好ましい。更に好ましいグリセリンモノステアレートは酸価1.2以下、純度が98重量%以上のものである。脂肪酸エステルの酸価の測定は、公知の方法を用いることができる。
【0078】
かかる離型剤の組成割合としては、光学用樹脂成形品100重量%中、0.005〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.2重量%である。
【0079】
熱安定剤としてはリン系安定剤を好ましく挙げることができる。かかるリン系安定剤としては、ホスファイト系、ホスホナイト系、およびホスフェート系のいずれも使用可能である。
【0080】
本発明におけるホスファイト系安定剤としては、さまざまなものを用いることができる。具体的には例えば一般式(4)
【0081】
【化4】
Figure 0004571285
【0082】
[式中R1は、水素または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアルカリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、またはこれらのハロ、アルキルチオ(アルキル基は炭素数1〜30)またはヒドロキシ置換基を示し、3個のR1は互いに同一または互いに異なるのいずれの場合も選択でき、また2価フェノール類から誘導されることにより環状構造も選択できる。]で表わされるホスファイト化合物である。
【0083】
また、一般式(4)においてより好ましい態様としては、以下の一般式(5)
【0084】
【化5】
Figure 0004571285
【0085】
[式中R2およびR3は、水素または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基を示し、R2およびR3は同時に水素ではなく、互いに同一または互いに異なるのいずれの場合も選択できる。]で表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
【0086】
また、一般式(6)
【0087】
【化6】
Figure 0004571285
【0088】
[式中R4、R5はそれぞれ水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基ないしアルキルアリール基、炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基、炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を示す。尚、シクロアルキル基およびアリール基は、アルキル基で置換されていないもの、またはアルキル基で置換されているもののいずれも選択できる。]で表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
【0089】
また、一般式(7)
【0090】
【化7】
Figure 0004571285
【0091】
[式中R6、R7は炭素数12〜15のアルキル基である。尚、R6およびR7は互いに同一または互いに異なるのいずれの場合も選択できる。]で表わされるホスファイト化合物を挙げることができる。
【0092】
ホスホナイト系安定剤としては下記一般式(8)で表わされるホスホナイト化合物、および下記一般式(9)で表わされるホスホナイト化合物を挙げることができる。
【0093】
【化8】
Figure 0004571285
【0094】
【化9】
Figure 0004571285
【0095】
[式中、Ar1、Ar2は炭素数6〜20のアリール基ないしアルキルアリール基、または炭素数15〜25の2−(4−オキシフェニル)プロピル置換アリール基を示し、4つのAr1は互いに同一、または互いに異なるのいずれも選択できる。または2つのAr2は互いに同一、または互いに異なるのいずれも選択できる。]
【0096】
本発明においては、上記ホスファイト化合物およびホスホナイト化合物のうち、より好ましいリン系の安定剤として、上記一般式(5)で示されるホスファイト化合物(E1成分)、および上記一般式(8)(E2成分)および上記一般式(9)(E3成分)で示されるホスホナイト化合物を挙げることができ、これらは1種もしくは2種以上を併用することができ、より好ましくは上記一般式(1)で示されるホスファイト化合物をかかるE成分100重量%中、少なくとも5重量%含む場合である。
【0097】
上記一般式(4)に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例としては、ジフェニルイソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイトが挙げられる。より好ましい上記一般式(5)に対応する好ましい具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト等があげられ、トリス(ジアルキル置換フェニル)ホスファイトが好ましく、トリス(ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトがより好ましく、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトが特に好ましい。上記ホスファイト化合物は1種、または2種以上を併用することができる。
【0098】
上記一般式(6)に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例としては、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、ジシクロヘキシルペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられ、好ましくはジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトを挙げることができる。かかるホスファイト化合物は1種、または2種以上を併用することができる。
【0099】
上記一般式(7)に対応するホスファイト化合物における好ましい具体例としては、4,4’−イソプロピリデンジフェノールテトラトリデシルホスファイトを挙げることができる。
【0100】
上記一般式(8)に対応するホスホナイト化合物における好ましい具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト等があげられ、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトが好ましく、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトがより好ましい。このテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−1成分)、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−2成分)および、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト(E2−3成分)の1種もしくは2種以上を併用して使用可能であるが、好ましくはかかる3種の混合物である。また、3種の混合物の場合その混合比は、E2−1成分、E2−2成分およびE2−3成分を重量比で100:37〜64:4〜14の範囲が好ましく、100:40〜60:5〜11の範囲がより好ましい。
【0101】
上記一般式(9)に対応するホスホナイト化合物の好ましい具体例としては、ビス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトビス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイト等があげられ、ビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。このビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトは、2種以上の混合物が好ましく、具体的にはビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−フェニルホスホナイト(E3−1成分)および、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3−フェニル−フェニルホスホナイトの1種もしくは2種を併用して使用可能であるが、好ましくはかかる2種の混合物である。また、2種の混合物の場合その混合比は、重量比で5:1〜4の範囲が好ましく、5:2〜3の範囲がより好ましい。
【0102】
一方ホスフェート系安定剤としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロルフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートなどを挙げることができ、好ましくはトリメチルホスフェートである。
【0103】
本発明の光学用樹脂成形品中には、酸化防止の目的で通常知られた酸化防止剤が含まれていてもよい。かかる酸化防止剤としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリルチオプロピオネート)エステル、グリセロール−3−ステアリルチオプロピオネート、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどが挙げられる。
【0104】
上記熱安定剤は、本発明の光学用樹脂成形品100重量部あたり、0.0001〜0.1重量部で含まれることが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.05重量部、更に好ましくは0.001〜0.03重量部である。また上記酸化防止剤は、本発明の光学用樹脂成形品100重量部あたり、0.001〜0.05重量部が好ましい。
【0105】
本発明の着色剤マスターバッチを使用して、光学用樹脂成形品を得る方法としては従来公知の種々の方法が使用でき、例えば射出成形、押出成形、圧縮成形などの方法で所望の形状に成形することができる。特に好ましいのは射出成形であり、本発明の着色剤マスターバッチはかかる射出成形に十分に対応したものである。すなわち光記録媒体等の極めて成形サイクルが短く、可塑化時間の短い成形加工方法に好適なものである。
【0106】
本発明の着色剤マスターバッチおよび主原料である光学用材料を、射出成形機等の成形加工機に供給する方法としては、それらの混合物として供給する方法、またはそれぞれを特定量独立に供給し、射出成形機等の中で混合する方法のいずれも行うことができる。混合物の作成は、バッチ方式で所定割合を混合する方法や、計量機でそれぞれ連続的にミキサーに供給し混合物を得る方法等により行うことができる。
【0107】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。また、実施例中の「部」は特に断りのない限り重量部を意味する。評価項目および方法は以下の通りである。
【0108】
(1)光ディスクの外観観察
評価用サンプルとして製造した光ディスクを目視により外観観察を行い、以下の基準により区分した。
○:外観良好
×:色ムラ、色スジなどの外観不良あり
【0109】
(2)BLERの測定
CDディスクサンプルに対して、各サンプルのBLERをBLER測定機(SONY製・CDplayer cotrol unit CDS−3000)により測定した。なお、表3のC1AVEとはC1エラー(C1コードで訂正出来るランダムエラー)の1秒間あたりの平均値である
【0110】
(3)ディスク基板サンプル中のナトリウム元素量の測定
ディスク基板サンプルから採取したポリマー0.5gを電子工業用1−メチル−2−ピロリドン25gに溶解し、かかる溶液をセイコー電子工業(株)製ICP−MS、SPQ−9000にかけて測定を行った。
【0111】
[参考例1〜19]
(着色剤マスターペレットの製造)
表1および表2記載の各成分を以下の要領で製造し、各種の評価を行った。表1記載の着色剤成分とA成分のうちのパウダー成分とをスーパーフローターで均一に混合しマスター剤を得た。かかるマスター剤を表1および表2の組成割合となるよう残りのA成分と混合し、櫛歯付きのV型ブレンダーで均一に混合した。
かかる混合物を径30mmφのベント付き2軸押出機[(株)神戸製鋼所KTX−30]でベントから真空排気させながらシリンダー温度260℃で溶融混練し、得られたストランドを冷却用の水で冷却した後ペレタイザーでペレット化した。尚、ペレタイズ直後のペレットの温度は約129℃であった。
【0112】
更に、押出機のダイス部分には、焼結金属のフィルターを設置し、5μm以上の異物が1gあたり20個以下となるようにした。上記の機器はすべてフィルターを通した清浄な空気が循環する1.005気圧の雰囲気下に置き、ストランド冷却用の水は1μmのフィルターを通し、更にイオン交換膜を通したイオン交換水を使用した。
【0113】
【表1】
Figure 0004571285
【0114】
【表2】
Figure 0004571285
【0115】
[実施例1〜8および比較例1]
上記で得られた着色剤マスターペレットおよび主原料である光学用材料のペレットを表3記載の割合となるようそれぞれのタンクから、計量機を通して自動搬送により成形機のホッパーに投入した。尚、着色剤マスターペレット搬送管の直後に混合ゾーンを設け、ここで均一な混合ペレットとしたのち成形機のホッパーに投入されるようにした。ペレットはタンク投入前にクリーンオーブン中で120℃、5時間の熱風乾燥を行った。
【0116】
一方、射出成形機(住友重機械工業(株)製DISK3 M3)にCD専用の金型を取り付け、この金型にピットの入ったニッケル製のCD用スタンパーを装着し、成形材料を自動搬送にて成形機のホッパに投入し、シリンダー温度340℃、金型温度75℃、射出速度100mm/sec、保持圧力3.9MPaの条件で直径120mm、肉厚1.2mmの基板を成形し、この基板にアルミニウム膜をスパッタしCDディスクを得た。これらのCDディスクの評価結果を表3に示す。
【0117】
【表3】
Figure 0004571285
【0118】
[実施例9〜11および比較例2]
金型温度を115℃とした以外は実施例1と同様の方法で、着色剤マスターペレットと主原料のペレットとを射出成形機のホッパーに自動搬送し、ディスク基板を成形し、これに色素系記録層および金属反射膜を形成してCD−Rディスクを作成した。得られたCD−Rディスクの評価結果を表4に示す。
【0119】
【表4】
Figure 0004571285
【0120】
更に、CD−Rディスクの記録面に基板を通して日光が当たるように窓ガラスに貼り付け、書き込み・読み出しに異常が生ずるまでの日数を調べる耐光試験を行った結果、本発明実施例の着色ディスクは通常の透明基板のディスクに比較して倍以上の耐光性を有していた。
【0121】
[実施例12〜16および比較例3]
実施例1と同様の方法で、着色剤マスターペレットと主原料のペレットとを射出成形機のホッパーに自動搬送した。
【0122】
一方、射出成形機にDVD専用の金型を取り付け、この金型にアドレス信号などの情報が入ったニッケル製のDVD−ROM用スタンパーを装着した。そして上記ペレットをシリンダー温度380℃、金型温度115℃、射出速度300mm/sec、保持圧力3.9MPaの条件で、直径120mm、肉厚0.6mmの光ディスク基板を得た。その後基板にアルミニウム膜をスパッタし、UV硬化型接着剤をスピンコートにより塗布接着させて2枚貼り合わせ光ディスクを得た。得られたDVD−ROMディスクの評価結果を表5に示す。
【0123】
【表5】
Figure 0004571285
【0124】
更に、かかるDVDディスクについて、PIエラーのエラー率の測定をデッキ(パルステック社製DDU−1000)で行ったところ、本発明の実施例で得られたDVDディスクは、通常の透明基板のディスクと同等の特性を示した。
【0125】
なお表1〜表5記載の各成分を示す記号および項目は下記の通りである。
(A成分)
PC−1:光学記録媒体用ポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成(株)製、「パンライト AD−5503」、かかるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は15,300であった)
PC−2:粘度平均分子量が15,200のアミン触媒を用いないホスゲン法により得られたビスフェノールAポリカーボネート樹脂パウダー(末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノールを使用し、安定剤としてトリス−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイトを0.0025重量%含有する)
PC−3:末端水酸基濃度34モル%、粘度平均分子量が15,300のエステル交換触媒として原料ビスフェノールA1モルに対してビスフェノールAの2ナトリウム塩を2×10-7モルを用いた溶融エステル交換法により得られたビスフェノールAポリカーボネート樹脂ペレット(離型剤として酸価0.8かつ純度97.5%のステアリン酸モノグリセリドを0.055重量%、および安定剤としてトリス−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファィトを0.0025重量%含有する)
PCC−1:粘度平均分子量が14,800のアミン触媒を用いてホスゲン法により得られた、全芳香族ジヒドロキシ成分のうち、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン[ビスフェノールTMC]が45モル%、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール[ビスフェノールM]が55モル%である芳香族ポリカーボネート共重合体パウダー(末端停止剤としてp−tert−ブチルフェノールを使用し、安定剤としてトリス−2,4−ジ−tert−ブチルフェニルホスファイトを0.0025重量%含有する)
PCC−2:上記PCC−1に、酸価0.8かつ純度97.5%のステアリン酸モノグリセリドを0.055重量%およびトリメチルホスフェートを0.005重量%の割合となるように配合し、PC−1を製造する場合と同様の装置および環境下で製造された芳香族ポリカーボネート共重合体ペレット
PO−1:非晶性ポリオレフィン樹脂(日本ゼオン(株)製「ゼオネックスE48R」
PO−2:上記PO−1ををシクロへキサンに溶解した後、かかる溶液をメタノール中に滴下して得られた樹脂パウダー
【0126】
(B成分)
赤染料F−1:ペリレン系蛍光赤染料、BASF社製 Lumogen F Red300
赤染料F−2:クマリン系蛍光赤染料、バイエル社製 Macrolex Fluorescent Red G
赤染料F−3:チオインジゴ系蛍光赤染料、有本化学(株)製 Plast Red D54
黄染料F−1:クマリン系蛍光黄染料、バイエル社製 Macrolex Fluorescent Yellow 10GN
赤染料−4:ペリノン系赤染料、有本化学(株)製 Plast Red 8315
赤染料−5ペリノン系赤染料、紀和化学(株)製 Kp Plast Red HG
赤染料−6ペリノン系赤染料、紀和化学(株)製 Kp Plast Red H2G
赤染料−7:アンスラキノン系赤染料、有本化学(株)製 Plast Red8320
オレンジ染料−1:ペリノン系オレンジ染料、有本化学(株)製 Plast Orange 8150−2
黄染料−2:複素環系(含窒素キノリン系)黄染料、有本化学(株)製 Plast Yellow 8010
黄染料−3:複素環系(含窒素キノリン系)黄染料、有本化学(株)製 Plast Yellow 8050
青染料−1:アンスラキノン系青染料、バイエル社製 Macrolex Blue RR
緑染料−1:アンスラキノン系緑染料、住友化学(株)製 SumiplastGreen G
【0127】
【発明の効果】
本発明の着色剤マスターバッチを用いることにより、良好な着色された光学用樹脂成形品を得ることが可能となる。特にかかるマスターバッチは、高密度の光記録媒体である各種DVDまたは記録層の保護が重要なCD−R等の光記録媒体に対する着色に対して好適である。かかる点から従来意匠性の乏しかった光学用樹脂成形品の分野、特に今後多大な需要が予想される高密度光記録媒体の分野において格別な工業的効果を奏するものである。

Claims (5)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂(A成分)および着色剤(B成分)からな光学成形品用着色剤マスターバッチと、芳香族ポリカーボネート樹脂との混合物より成形された光記録媒体基板であって、該マスターバッチのB成分含有量が、重量比で該光記録媒体基板中に含まれるB成分の3〜30倍であることを特徴とする光記録媒体基板。
  2. 着色された光記録媒体基板が、着色剤を0.005〜10重量%含む請求項1に記載の光記録媒体基板
  3. B成分がアンスラキノン系染料、ペリノン系染料、キノリン系染料、ペリレン系染料、クマリン系染料、およびチオインジゴ系染料から選択される少なくとも1種である請求項1または2のいずれかに記載の光記録媒体基板
  4. 着色剤マスターバッチ中に含まれるナトリウム元素の含有量が1ppm以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の光記録媒体基板
  5. 請求項1記載光記録媒体基板から形成された光記録媒体
JP2000255212A 2000-04-28 2000-08-25 光学成形品用着色剤マスターバッチおよび光記録媒体基板 Expired - Fee Related JP4571285B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000255212A JP4571285B2 (ja) 2000-04-28 2000-08-25 光学成形品用着色剤マスターバッチおよび光記録媒体基板

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000130021 2000-04-28
JP2000-130021 2000-04-28
JP2000255212A JP4571285B2 (ja) 2000-04-28 2000-08-25 光学成形品用着色剤マスターバッチおよび光記録媒体基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002012675A JP2002012675A (ja) 2002-01-15
JP4571285B2 true JP4571285B2 (ja) 2010-10-27

Family

ID=26591152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000255212A Expired - Fee Related JP4571285B2 (ja) 2000-04-28 2000-08-25 光学成形品用着色剤マスターバッチおよび光記録媒体基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4571285B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348494A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Teijin Chem Ltd 光学用樹脂組成物および光記録媒体基板
JP4695247B2 (ja) * 2000-07-17 2011-06-08 帝人化成株式会社 熱可塑性樹脂組成物
CN103173038B (zh) * 2013-03-08 2014-10-08 浙江吉华集团股份有限公司 一种环保型复合分散黄染料

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4731400A (en) * 1984-12-18 1988-03-15 Mitsui Petrochemical Industries, Ltd. Thermoplastic resin composition
JP3020745B2 (ja) * 1992-08-06 2000-03-15 帝人化成株式会社 光学的記録材料及び光学的記録基板
JPH0693201A (ja) * 1992-09-09 1994-04-05 Tokyo Ink Kk カラーマスターバッチと加工顔料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002012675A (ja) 2002-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6686041B2 (en) Coloring master pellet for optical molded article and colored optical disk substrate
JP4204464B2 (ja) ポリカーボネート樹脂成形材料および光ディスク基板
JP3964557B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および光学用成形品
JP4571285B2 (ja) 光学成形品用着色剤マスターバッチおよび光記録媒体基板
JP4902056B2 (ja) 光ディスク基板の製造方法
JP3404203B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP4902057B2 (ja) 光ディスク基板の製造方法
JP3442556B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂およびその製造方法
JP2001348494A (ja) 光学用樹脂組成物および光記録媒体基板
JP4271778B2 (ja) 透明熱可塑性樹脂ペレットの製造方法
JP4571334B2 (ja) 光学成形品用着色マスターペレットおよび光ディスク基板
JPH11166113A (ja) 光ディスク基板用ポリカーボネート材料
JP2002012676A (ja) 光学成形品用着色剤マスターバッチおよび光記録媒体基板
JP4571335B2 (ja) 光学成形品用着色マスターペレットおよび光ディスク基板
JP2002015462A (ja) 貼り合わせ型光記録媒体基板用着色樹脂組成物、およびそれからなる光記録媒体基板
JP2002146210A (ja) 光学成形品用着色マスターペレットおよび光ディスク基板
JPH09183894A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
JP2010044841A (ja) 光学情報記録媒体用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および光学情報記録媒体
JP2002012673A (ja) 光学成形品用着色剤マスターペレットおよび光記録媒体基板
JP2002012672A (ja) 光学成形品用着色剤マスターペレットおよび光記録媒体基板
JP4711538B2 (ja) 高精密転写性ポリカーボネート光学用成形材料、およびそれより形成された光ディスク基板
JP4695247B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4861557B2 (ja) 光学用成形材料の製造方法
JP2002322290A (ja) 光学成形品用着色マスターペレットおよび着色された光ディスク基板
JP5112980B2 (ja) 光学情報記録媒体用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および光学情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100812

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130820

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees