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JP4409301B2 - 低反射ガラス板の製造方法 - Google Patents

低反射ガラス板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、低反射ガラス板(低反射膜付きガラス板)の製造方法に係り、さらに詳しくは低反射率で耐摩耗性や耐薬品性などに優れた低反射ガラス板の製造方法に関する。
従来、低反射ガラス板の作製方法としては、次の如き方法が一般に行なわれている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、
(1)真空製膜法やスパッタリングなどの気相法により、酸化チタンなどの高屈折率材料と酸化珪素などの低屈折率材料とを、屈折率や膜厚を制御してガラス基板に膜同士の界面を明確になるよう積層し、光学干渉を利用した多層膜を積層して低反射ガラス板を作製する方法、
(2)スパッタリングなどの気相法により、チタンの窒化物などの光吸収性材料と酸化珪素などの低屈折率材料とを、屈折率や膜厚を制御してガラス基板に2層以上を膜同士の界面を明確になるよう積層することにより、光学干渉を利用した低反射ガラス板を作製する方法、
(3)金属アルコキシドなどを用いてゾル−ゲル法などにより、酸化チタンなどの高屈折率材料と酸化珪素などの低屈折率材料とを、屈折率や膜厚を制御してガラス基板に2層以上を膜同士の界面を明確になるよう積層することにより、光学干渉を利用した低反射ガラス板を作製する方法、および
(4)金属イオン含有水溶液や金属アルコキシドなどを用いてゾル−ゲル法により、酸化チタンなどの高屈折率材料と酸化珪素などの低屈折率材料とを、屈折率や膜厚を制御してガラス基板に2層以上を膜同士の界面を明確になるよう積層することにより、光学干渉を利用した低反射ガラス板を作製する方法、
が挙げられる。
また、上記従来技術は後述するように種々の課題を有しており、本発明者らはこれらの課題を解決する方法として、塗布液の塗布、乾燥および焼成という工程的に有利な方法で、低反射率で耐摩耗性や耐薬品性などに優れた低反射ガラス板の製造方法を提案している(特許文献2参照)。また、ガラス基板上に耐薬品性に優れた着色焼成膜を形成する方法が提案されている(特許文献3参照)。
特開2002−194295公報 特願2002−359976明細書 特開平10−231145号公報
しかし、前記の真空製膜法やスパッタリング法を使用する方法は、大掛かりな設備が必要となるため、コストが嵩むという問題がある。また、金属アルコキシドなどを使用したゾル−ゲル法などにより膜同士の界面を明確にし、光学干渉を利用した低反射ガラス板は、膜同士の界面が明確となるため、各層への処理液塗布後に高温で乾燥する必要があり、生産性が悪くなる問題点がある。
また、本発明者らが提案した前記方法では、低反射率で耐摩耗性や耐薬品性などに優れた低反射ガラス板が得られるが、優れた低反射性は特定の入射角5°の光において得られるものの、それ以外の入射角60°の光に対しては反射率低減効果が十分とはいえなかった。
従って本発明の第一の目的は、上記従来技術の課題を解決し、低反射率で耐摩耗性や耐薬品性などに優れた、好ましくは透過色調がブルー色を呈する低反射ガラス板を生産性よく提供することである。
また、本発明の第二の目的は、上記の課題に加えて、60°入射角の光に対しても反射率低減効果が十分な低反射ガラス板を生産性よく提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、樹脂B1と、金微粒子と、鉄、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属(M1)の有機金属化合物と、有機溶剤とを含む処理液(1)と、膜形成用化合物と、樹脂B2と、有機溶剤とを含む処理液(2)とを用い、上記処理液(1)を透明ガラス基板の表面に塗布し、その後、50〜250℃で乾燥して有機溶剤を除去し、次いで、さらにその上に処理液(2)を塗布し、その後、50〜250℃で乾燥して有機溶剤を除去し、次いで、処理された透明ガラス基板を400〜800℃で焼成することを特徴とし、樹脂B1がニトロセルロースであり、樹脂B2がエチルセルロースである、低反射ガラス板の製造方法を提供する。
上記本発明の製造方法においては、有機金属化合物が、有機鉄化合物であること;金微粒子と有機金属化合物の金属(M1)とのM1/Au比(質量比)が3〜25であることが好ましい。
上記本発明の製造方法では、処理液(1)および/または処理液(2)を塗布した後の透明ガラス基板を高温で乾燥することなしに、それぞれ50〜250℃という低い温度で乾燥を実施するため、膜の構成成分が膜の深さ方向に連続的に変化し、2種の膜の間に明確な界面がなく、単層のような膜を形成し、膜厚方向に成分が変化する、すなわち、膜厚方向に屈折率が変化し、良好な反射特性を有する。
また、処理液(1)に、鉄、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の有機金属化合物を金微粒子に対して特定範囲の質量比で加えることによって、入射角60°の光に対して優れた低反射性を発揮する。なお、「入射角60°の光」とは、ガラス板の法線に対して60°で入射した光であることを意味する。また、「入射角5°の光」も同様である。入射角60°の光に対する反射性を低減させるためには、入射角5°で測定した反射分光カーブにおいて、波長630nm付近の光の反射率を低減させる必要があるが、上記鉄、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の有機金属化合物の酸化物、特に有機鉄化合物の酸化物と金微粒子が共存して含まれる膜体が、波長630nm付近で吸収のピークを示し、しかも吸収曲線におけるピーク形状がブロードであるため、本発明の方法によって形成される膜は、入射角5°の光だけでなく、入射角60°の光に対しても反射率を低減することができるといった効果がある。
また、透明ガラス基板が、透過色調がグリーン色を呈するガラスなどの熱線吸収ガラスまたは高熱線吸収ガラスである場合には、熱線カット効果が得られるとともに、発色源として作用する金微粒子並びにマトリクスとなる鉄、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の有機金属化合物、特に有機鉄化合物を含む膜形成用化合物が熱分解して形成する金属酸化物の膜厚方向における分布特性により、透過色調がブルー色を呈することが可能である。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
[製造方法の発明]
本発明で使用する金微粒子は、例えば、特開平11−76800号公報に開示された発明により作製することができる。すなわち、上記公報に記載した通り金化合物を溶媒中に溶解した後、溶媒中の金イオンを高分子顔料分散剤の存在下で還元させると、粒子径が1〜100nm、好ましくは1〜50nmの金微粒子が得られる。該金微粒子は、高分子顔料分散剤で保護され、アルコール、ケトン、エーテル、トルエンなどの溶剤に分散可能である。
上記の金微粒子を製造する工程で使用する高分子顔料分散剤は、特に限定されないが、(1)顔料親和性基を主鎖および/または複数の側鎖に有し、かつ溶剤親和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛形構造の高分子、(2)主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子、(3)主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子などである。具体的な市販品としては、例えば、ソルスパースシリーズ(ゼネカ社製)、ディスパービックシリーズ(ビックケミー社製)、EFKAシリーズ(EFKAケミカル社製)、アジスパ−PB711、アジスパ−PA111(味の素社製)などが挙げられる。
また、例えば、特開平3−34211号公報に開示されているようなガス中蒸発法と呼ばれる方法によって、金微粒子を有機溶剤中に独立分散させた溶液が作製される。すなわち、チャンバ内にヘリウム不活性ガスを導入して上記金属を蒸発させ、不活性ガスとの衝突により冷却され凝縮して得られるが、この場合、生成直後の粒子が孤立状態にある段階で有機溶剤の蒸気を導入して粒子表面の被覆を行っている。有機溶剤としては、例えば、p−キシレン、トルエン、α−テレピネオールなどの溶剤が用いられ、粒子径が好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは1〜50nmを有する、有機溶剤中に独立分散させた金微粒子が得られる。
また、アルコール、ケトン、エーテル、トルエンなどに可溶な高分子内に粒子径が好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは1〜50nmの金微粒子を分散させることにより分散液を作製することもできる。詳しくは、高分子の分子の末端あるいは側鎖にシアノ基(−CN)、アミノ基(−NH2)、そしてチオール基(−SH)から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する高分子あるいはオリゴマーを用いる。具体的には、分子の末端あるいは側鎖に上記シアノ基(−CN)、アミノ基(−NH2)、そしてチオール基(−SH)から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するもので、その骨格にはポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアミド11、ポリアミド6、ポリアミド6.6、ポリアミド6.10、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどからなり、その融点あるいは軟化点は40〜100℃である。オリゴマーの数平均分子量は特に制限はないが、500〜6,000程度である。上記官能基は特に金微粒子の表面の金原子と共有結合や配位結合を形成しやすく、粒成長を抑制し、金微粒子の分散性を高めることになる。
本発明で使用する鉄、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属(M1)の有機金属化合物としては、後述する有機溶剤に可溶な、例えば、オクテン酸鉄、ナフテン酸鉄、鉄アセチルアセトン塩、鉄アルコキシド塩、および後述のチタンおよびジルコニウムの有機金属化合物が使用できる。これらの有機金属化合物の中では、反射率と透過率のバランスや膜体の耐摩耗性を考慮すると、特に有機鉄化合物が好ましい。これらの有機金属化合物は使用する化合物種によって異なるが、前記金微粒子との質量比においてM1/Auが3〜25の範囲が好適である。M1/Auが3未満であると、有機金属化合物の量が少な過ぎて、得られる低反射膜の吸収のピークは狙いとする630nmにならず、550nm付近に留まり、60°入射角の光に対する反射率が下がりにくくなる。一方、M1/Auが25を超えると、有機金属化合物の量が多くなりすぎて、形成される膜の屈折率が上がり、反射率低減が困難になる。また、M1/Auは膜中でも同じ質量比で存在し、M1/Auが3〜25の範囲が好適である。上記有機金属化合物は、焼成により金属酸化物へと変化し、膜中に存在する。
本発明で使用する樹脂B1は、有機溶剤に可溶で、処理液の粘度を適度に維持して透明ガラス基板への塗布、および塗布物の乾燥後の取扱を良好にし、かつ、焼成時に比較的低温で熱分解することが必要である。樹脂B1の熱分解温度としては、150〜400℃の範囲、さらに150〜300℃が好ましい。熱分解温度が150℃未満では、塗布膜の乾燥工程で、樹脂B1が熱分解する場合があるためである。一方、熱分解温度が400℃を超えると、焼成後の酸化物膜強度が充分でなくなる場合があるためである。
具体的な樹脂B1としては、例えば、ニトロセルロースなどの熱分解性のセルロース類、ポリ塩化ビニル類、ポリメチルメタクリレートなどのポリアクリル類などの樹脂が挙げられる。より好ましい樹脂B1はニトロセルロースである。このニ卜ロセルロースは、好ましくは重量平均分子量が2,000〜200,000の範囲であり、より好ましくは重量平均分子量が3,000〜150,000の範囲である。このニトロセルロースの添加量は、処理液(1)の粘度と所望する膜厚によって決定され、特に制限はないが、例えば、処理液(1)に配合するニトロセルロースは、分子量や処理液の塗布方法によっても異なるが、処理液(1)100質量部中で好ましくは1.0〜30.0質量部の範囲で添加する。
処理液(2)に含有され、場合によっては処理液(1)にも含有されることが好ましい膜形成用化合物としては、例えば、エトキシド、プロポキシド、ブトキシドなどの珪素のアルコキシド類、ポリシロキサン骨格を持つ各種シリコンオイル、シリコンワニスなどの低屈折率膜を形成する有機珪素化合物、および、チタン、ジルコニウム、セリウムおよびコバルトのエトキシド、プロポキシド、ブトキシドなどのアルコキシド類、アセチルアセトナート、アミナートなどのキレート類、ステアレート、オクチレート、ナフテネート、グリコレートなどの有機酸金属塩、前記アルコキシドが重縮合化したオリゴマーなどの有機金属化合物が挙げられる。上記膜形成用化合物は、焼成により、膜形成用酸化物へと変化し、膜中に存在する。
本発明で使用する樹脂B2は、前記樹脂B1と同一の樹脂であってもよく、また、前記樹脂B1よりも熱分解温度が高い樹脂であってもよい。これらの樹脂B2は、後述の有機溶剤に可溶で、処理液の粘度を適度に維持して処理液のガラス基板への塗布、および処理液の乾燥後の取扱を良好にし、かつ焼成時に比較的高温で熱分解することが必要である。樹脂B2の熱分解温度としては、150〜500℃の範囲が好ましい。熱分解温度が150℃未満では、膜の低反射化が不充分となる場合があり、一方、熱分解温度が500℃を超えると、焼成後の酸化物膜強度が充分でなくなる場合があるためである。なお、ここで樹脂の熱分解温度とは、樹脂の90質量%以上が焼失する温度(℃)をいう。
具体的な樹脂B2としては、例えば、エチルセルロース、前記ニトロセルロースなどの熱分解性のセルロース類、ポリ塩化ビニル類、ポリメチルメタクリレートなどのポリアクリル類などの樹脂が挙げられる。より好ましい樹脂B2はエチルセルロースおよび前記ニトロセルロースである。前者のエチルセルロースは、重量平均分子量が好ましくは8,000〜150,000であり、より好ましくは重量平均分子量が10,000〜120,000のものである。この樹脂B2の添加量は、処理液(2)の粘度と所望する膜厚によって決定され、制限はないが、例えば、処理液(2)に配合する樹脂B2は、分子量や処理液の塗布方法によっても異なるが、処理液(2)100質量部中で好ましくは1.0〜30.0質量部の範囲で添加する。
本発明で使用する有機溶剤は、金微粒子を凝集させずに安定に分散でき、有機金属化合物を含む膜形成用化合物、樹脂B1および樹脂B2を溶解できるものであれば特に制限はなく、前記処理液の塗布方法などにより適宜選択される。具体的には、メタクレゾール、ジメチルホルムアミド、ブチルカルビトール、α−テルピネオール、ジアセトンアルコール、トリエチレングリコール、パラキシレン、トルエンなどの高沸点溶剤が、前記処理液をガラス板表面に塗布するうえで好ましい。
上記の処理液(1)および処理液(2)は次のようにして調製する。先ず、溶剤と樹脂を所定量をはかりとり、60〜100℃(好ましくは70〜80℃)の温度のもとで、20〜40分間攪拌することが好ましい。この溶液に金微粒子、有機金属化合物および膜形成用化合物から選ばれる必要成分を配合して、60〜100℃(好ましくは70〜80℃)の温度のもとで20〜40分間攪拌混合することが好ましい。得られた溶液を保管容器に移して自然冷却させることにより、上記の処理液(1)および処理液(2)が調製できる。
また、処理液(1)および処理液(2)には、一方または両方の処理液に膜形成用化合物を添加することもできるが、形成される低反射膜は最外層の方が屈折率が低い方が好ましいので、処理液(2)の方が有機珪素化合物を含有し、処理液(1)の方が有機珪素化合物より高屈折率を呈する膜形成用化合物を含有することが好ましい。また、処理液(1)が前記有機金属化合物、および金微粒子を含有し、処理液(2)が膜形成用化合物として有機珪素化合物を含有する場合は、処理液(1)および処理液(2)をグリーンガラス上に塗布した場合、得られる低反射ガラス板はブルー色を呈することが好ましい。
前記処理液(1)に配合する金微粒子の量は、所望する低反射ガラス板の透過率、反射率、色調および上記処理液の塗布方法などにより適宜決定されるが、上記処理液(1)が同時に含有する金微粒子以外の膜形成用化合物(有機金属化合物および有機珪素化合物を含む)の固形分の総量の金属原子数(Siを含む)(M2)と、金微粒子の金原子数(N)とが、M2/N=0.1〜100の範囲になるように配合されることが好ましい。M2/Nが0.1未満になると、金微粒子同士が焼結し、貴金属塊を形成し、金微粒子単体をガラス板表面に塗布および焼成した状態と変わらなくなり、本発明の目的とするコロイド発色が得られない場合がある。逆にM2/Nが100を超えると、上記処理液中の金微粒子数が著しく少なくなり、有効なガラス板の着色ができなく、本発明の目的を達成できない場合がある。
さらに具体的には、上記金コロイド分散液の処理液(1)における添加量は、金コロイド分散液の濃度および所望の光学特性によって異なるが、金微粒子の固形分として処理液(1)の100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましい。金微粒子の固形分が0.001質量部未満であると、金コロイド分散液の量が少なすぎて得られた低反射ガラス板の透過色調がグレー色となり、60°入射角の光に対する反射率が下がりにくくなる。一方、金微粒子の固形分が10質量部(固形分)を超えると、金コロイド分散液の量が多くなりすぎて、得られる低反射ガラス板の透過率の減少が大きくなり、所望の光学特性が得られにくくなる。
また、有機金属化合物の処理液(1)における添加量は、処理液(1)の100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。有機金属化合物の添加量が0.01質量部未満であると、鉄などの金属の量が少なすぎて得られた低反射ガラス板の透過色調がグレー色となり、60°入射角の光に対する反射率が下がりにくくなる。一方、有機金属化合物の添加量が10質量部を超えると、有機金属化合物の量が多くなりすぎて、形成される膜の屈折率が上がってしまい、反射率低減が難しくなる。
前記処理液(1)または処理液(2)に配合される膜形成用化合物の添加量は、膜形成用化合物種、有機溶剤、樹脂B2および樹脂B1などの添加量および塗布方法によって異なるが、前記処理液(1)に配合する場合は、焼成後膜厚が5〜50nmになるように設定することが望ましい。具体的には、膜形成用化合物の配合量は、処理液100質量部中において0.5〜20質量部であることが好ましい。
焼成後膜厚が5nm未満になる濃度では、得られる低反射膜の製膜性が向上せず、膜強度の低い膜しか得られなくなる場合がある。一方で、焼成後塗膜が50nmを超えると、前記膜形成用化合物の添加量では、低反射膜中に配合されている前記膜形成用化合物の配合量が多くなりすぎ、得られる膜の反射率が充分に低くならない場合がある。従って、本発明では優れた製膜性と優れた低反射膜を得るためにも、前記処理液(1)からなる焼成後膜厚を5〜50nmになるように設定することが好ましい。
前記処理液(2)に配合される膜形成用化合物の添加量は、樹脂B2や有機溶剤の種類、使用量および塗布方法によって異なるが、前記処理液(2)からなる焼成後膜厚が、50〜350nmになるように設定することが望ましい。焼成後膜厚が50nm未満になる膜形成用化合物の添加量では、優れた低反射性の膜が得られない場合がある。一方で、350nmを超える膜形成用化合物の添加量では、低反射膜中に配合されている膜形成用化合物の配合量が多くなりすぎ、膜強度の低い膜しか得られなくなる場合があるからである。従って、本発明では優れた製膜性と優れた低反射膜を得るためにも、前記処理液(2)からなる焼成後膜厚が50〜350nmになるように設定することが好ましい。
本発明に使用する透明ガラス基板は、特に限定されないが、熱線吸収ガラスまたはさらに熱線カット効果を高めた高熱線吸収ガラスを使用することが好ましい。また、無色のフロートガラスも用いることができる。例えば、自動車用窓ガラスなどの如く、熱線カット効果が要求される用途には、グリーンガラス基板を用いることによって、低反射性とともに熱線遮断効果を有する着色ガラス板が得られるので好ましい。グリーンガラス板としては、グリーン色を呈しているものであればいずれでもよく、例えば、ソーダ石灰シリカ系ガラス成分を基礎成分とし、Fe23、NiO、TiO2などを適宜配合したグリーンガラス板、ガラス成分中にFe23、CoO、Seなどを配合したグリーンガラス板などが挙げられ、フロートガラス、アルカリガラスなどがある。上記透明ガラス基板の厚さは、0.4〜3.0mmであることが好ましい。透明ガラス基板の可視光透過率は90%、特に95%であることが好ましい。
前記処理液をガラス基板に塗布する方法としては、スプレー、ディップ、ロールコート、スピンコート、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの方法が挙げられる。処理液(1)をガラス基板に塗布し、50〜250℃で1〜30分間乾燥して有機溶剤を除去した後、さらに処理液(2)を塗布し、50〜250℃で1〜30分間乾燥して有機溶剤を除去した後、400〜800℃の炉中で1〜10分間焼成し、冷却を経て本発明の低反射ガラス板が得られる。上記方法により、1層目および2層目はその界面が明確でなくなり、あたかも1層のような層構成となる。
上記塗布膜の焼成条件は、400〜800℃の範囲で焼成することが好ましい。400℃未満で焼成を行うと、膜の製膜性が悪くなり、一方、800℃を超える焼成を行うと金微粒子の凝集が発生するので好ましくない。
以上のような本発明の方法で得られる低反射ガラス板は、そのガラス基材が熱線吸収または高熱線吸収ガラスである場合には、低反射性であるとともに、熱線遮断効果を有することから、車輌用、例えば、自動車用窓ガラスなどとして有用である。また、高透過率性能を必要としないディスプレー用途の低反射ガラス板としても有用である。
「低反射ガラス板」
また、本発明は、透明ガラス基板の少なくとも一方の面に低反射膜を設けた低反射ガラス板において、上記低反射膜が鉄、チタンおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物と、膜形成用酸化物と、金微粒子とを含むことを特徴とする低反射ガラス板を提供する。
上記本発明の低反射ガラス板は、前記本発明の製造方法によって製造することができるが、製造方法は前記本発明の製造方法に限定されるものではない。上記本発明の低反射ガラス板の好ましい実施形態は前記製造方法の説明の通りであるが、その他の好ましい実施形態としては、前記低反射膜に含まれる金微粒子の平均一次粒子径が1.0〜12.0nm、好ましくは1.0〜8.0nmで、標準偏差が「平均一次粒子径+2.0nm」以下、好ましくは「平均一次粒子径+1.0nm」以下であることが挙げられる。
前記低反射膜に含まれる金微粒子の平均一次粒子径が、1.0nmより小さい場合は、このような小さい金微粒子自体の製造が困難であり、一方、金微粒子の平均一次粒子径が12.0nmを超えると、または上記金微粒子の標準偏差が「平均一次粒子径+2.0nm」を超えると、過酷な使用条件下においては低反射膜の耐摩耗性が不十分になる場合がある。
上記本発明の低反射ガラス板の低反射膜(第1層および第2層からなる膜)中における金微粒子の存在量は、低反射膜の全原子中の0.01〜0.80原子%であり、好ましくは0.05〜0.3原子%である。金微粒子の存在量が上記範囲を超えると、金微粒子同士が焼結し、貴金属塊を形成し、金微粒子単体をガラス板表面に塗布および焼成した状態と変わらなくなり、本発明の目的とするコロイド発色が得られない場合がある。一方、金微粒子の存在量が上記範囲未満であると、上記低反射膜中の金微粒子数が著しく少なくなり、有効なガラス板の着色ができなく、本発明の目的を達成できない場合がある。
また、本発明の低反射ガラス板の低反射膜中における鉄、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の存在量は、低反射膜の全原子中の0.01〜8.0原子%であり、好ましくは1.0〜4.0原子%である。これらの金属の存在量が上記範囲未満であると、鉄などの金属の量が少なすぎて得られた低反射ガラス板の透過色調がグレー色となり、60°入射角の光に対する反射率が下がりにくくなる。一方、上記金属の存在量が上記範囲を超えると、有機金属化合物の量が多くなりすぎて、形成される膜の屈折率が上がってしまい、反射率低減が難しくなる。
また、本発明の低反射ガラス板は、JIS−R3106(1999年)に規定される可視光透過率が30〜85%であることが好ましい。自動車用窓ガラス(特に、自動車用ウインドシールドまたは自動車用フロントドアガラス)に使用する場合には、70〜85%であることが好ましい。また、自動車用窓ガラスとして使用する場合、ガラス面の反射率が高いとぎらぎらした印象を与え、高級感が損われることから、JIS−R3106(1999年)に規定されるガラス面の入射角5°の可視光反射率は5.5%以下であることが好ましく、特に5.0%以下であることが好ましい。また、入射角60°の可視光反射率は11.0%以下であることが好ましい。
さらに本発明により形成される低反射ガラス板は、積層体を構成する基板として使用することもできる。積層体は第一および第二の基板の間に中間膜または断熱層を挟み込んだ構造であり、本発明の低反射ガラス板を第一および/または第二の基板として用いることができる。また、ガラス板の積層に際しては、ガラス板の低反射率膜が形成された面を内側に配することが、低反射率膜の低反射性能の発現の面から好ましい。前記中間膜としては、例えば、透明または着色されたポリビニルブチラール、エチレンビニルアセテート共重合体などが挙げられる。前記断熱層としては、例えば、不活性ガス、空気あるいは窒素などを充填してなる層または真空層などが挙げられる。
前記積層体としては、例えば、第一および第二、あるいは第一か第二の基板として熱線吸収ガラス、高熱線吸収ガラスのいずれかを用い、中間膜としてポリビニルブチラールを用いた合わせガラスが挙げられる。第一および第二、あるいは第一か第二の基板として低反射高熱線吸収ガラスを用い、中間膜としてポリビニルブチラールを用いた合わせガラスにおいては、前記高熱線吸収ガラスの透過率が低いため、膜面から入射する光の非膜面側における反射率を低下させることができ、特に好ましい。前記合わせガラスは、輸送機器用窓(例えば、車輌用窓)やメータ機器のカバーガラスに好適に用いられる。
次に実施例、参考例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。また、後記各実施例、参考例および比較例で用いた金コロイド分散液は以下の通りである。
金コロイド分散液(a):気相法(ガス中蒸発法)により作成したもので、該分散液中の金微粒子の平均一次粒子径は4nmであり、金としての固形分は7%であり、塗布液中の平均一次粒子径も同様であった。
金コロイド分散液(b):液相法により作成したもので、該分散液中の金微粒子の平均一次粒子径は13nmであり、金としての固形分は7%であり、塗布液中の平均一次粒子径も同様であった。
また、後記各実施例、参考例および比較例で得られた各低反射ガラス板の評価方法は以下の通りである。
1.光学特性
色差計NDH−300A(日本電色(株)製)および濁度計ZE2000(日本電色(株)製)を使用して、各試料のHz率(JIS K6714(1994年))、透過率および透過色調(JIS Z8729(1999年))の測定を行い、分光光度計UV3100Ps(SIMADZU製)により各試料の透過率および反射率を測定し、各試料の可視光透過率(Tv)および可視光反射率(Rv)(JIS−R3106(1999年))を算出した。なお、反射率は裏面反射を除く純粋な膜表面のみの反射率である。
2.耐薬品性
(1)耐アルカリ性
各試料を3%の水酸化ナトリウム水溶液に2時間浸漬し、浸漬の前後の透過率および反射率を分光光度計で測定し、各試料の可視光透過率変化(ΔTv)および入射角5°の可視光反射率変化(ΔRv)を算出した。実用上1.0%以下であることが好ましい。
(2)耐酸性
各試料を3%の硫酸水溶液に2時間浸漬し、浸漬の前後の透過率および反射率を分光光度計で測定し、各試料の可視光透過率変化(ΔTv)および入射角5°の可視光反射率変化(ΔRv)を算出した。実用上1.0%以下であることが好ましい。
3.耐摩耗性
(1)ラビング摩耗試験
ラビング試験機(ラビングテスター、大平理化工業社製)の支持棒接点部にウエスを取付け、適宜水を滴下しながら、荷重1.0kgで移動台を支持棒に対して3,000回前後に動かし摩耗試験を実施した。その試験後における膜面の状態を目視観察した。なお、表1〜表7における評価基準は下記の通りである。
○:摩耗試験後においても膜面の変化がない。
×:摩耗試験後において膜が剥離した。
本発明の低反射ガラス板の低反射膜の耐摩耗性は、上記ラビング試験に合格すれば、実用上問題がない。しかし、用途によってはより過酷な条件で使用されることもあるため、より条件の厳しいテーバー摩耗試験を実施した。
(2)テーバー摩耗試験
テーバー摩耗試験機で摩耗輪(CALIBRASE CS-10F)の荷重を250gfに設定し、500回転させた後の外観を目視で評価した。なお、評価基準は下記の通りである。
1:ヘーズなし
2:ごく僅かにヘーズあり
3:弱いヘーズあり
4:ヘーズあり
5:やや強いヘーズあり
6:膜の一部が剥離
7:膜全剥離
実施例1〜6、参考例7〜13、実施例14〜17、参考例18〜21、比較例1〜3
表1〜表7に、実施例1〜6、参考例7〜13、実施例14〜17、参考例18〜21および比較例2、3で使用した処理液(1)および処理液(2)の組成を示す。なお、処理液(1)は、表1〜表7に記載の配合に従い、有機溶剤に金コロイド分散液以外の成分を添加し、加熱および撹拌して溶解させた後、金コロイド分散液を添加して再度加熱および撹拌して調製した。処理液(2)は、表1〜表7に記載の配合に従い、有機溶剤に各成分を添加し、加熱および撹拌して各成分を溶解させて調製した。
実施例1〜6、参考例7〜13、実施例14〜17、参考例18〜21および比較例2、3においては、厚み3.5mmのグリーン熱線吸収ガラス(旭硝子社製、商品名:UVカットガラス)板上に、処理液(1)をスクリーン印刷法で塗布した後、150℃の熱風循環式オーブンで大気雰囲気下で5分間乾燥した。次いで、処理液(1)と同じ質量の処理液(2)を塗布後、150℃の熱風循環式オーブンで大気雰囲気下で5分間乾燥した後、600℃のマッフル炉中で5分間焼成し、実施例1〜6、参考例7〜13、実施例14〜17、参考例18〜21および比較例2、3の低反射ガラス板の試料を得た。比較例1はグリーン熱線吸収ガラスのみの場合であり、比較例2、3は処理液(1)に有機鉄化合物を使用しない例である。なお、用いたニトロセルロースおよびエチルセルロースの熱分解温度は、それぞれ190℃および330℃であった。
表1〜表7に、実施例1〜6、参考例7〜13、実施例14〜17、参考例18〜21および比較例2、3で得られた低反射ガラス板の前記試験項目の結果を示す。なお、上記実施例および比較例の低反射膜の1層目および2層目はその界面が明確ではなく、焼成して膜形成後には各層の膜厚の測定が困難である。表中の膜厚は、図1に示すようにガラス基板の上に処理液(1)と処理液(2)との一部が重複するように塗布し、前記と同一の条件で乾燥および焼成し、処理液が重複していない部分の膜厚を測定して1層目および2層目の膜厚とした。
また、実施例4の低反射膜について膜断面方向の元素分析を光電子スペクトルにより測定した(測定装置は、X線光電子分光装置 型番:ESCA−3400、島津製作所製である)。その結果を図2および図3に示す。図3は、図2の金および鉄の部分を拡大した図である。この分析結果から低反射膜の1層目および2層目はその界面が明確ではないことが分かる。
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「低反射膜中の金微粒子の平均一次粒子径の測定」
前記参考例7、9、11、13で得られた低反射ガラス板の低反射膜中の金微粒子の粒子径を測定し、低反射膜中の金微粒子の平均一次粒子径および標準偏差を測定した。測定方法は以下の通りである。
フッ酸蒸気を溜めた箱形プラスチック容器内に低反射ガラス板のサンプルを60秒間静置した後、前記容器からサンプルを取り出した。次に水を張ったシャーレに前記サンプルをゆっくりと投入し、ガラス板から膜を剥離させた。そして水面に浮かんでいる膜を銅グリットですくい上げてTEM用試料とした。次いでTEM(JEM2010型 日本電子製)にてTEM写真を作成し、該写真上の金微粒子の面積(Q)を算出し、各粒子が球であると仮定して、式Q=πr2(rは粒子の半径)として粒子径2rを算出した。TEM写真中の275個の金微粒子の粒子径を測定し粒子径分布を調べた。結果は下記の通りであった。
参考例7:平均一次粒子径6.40nm、標準偏差3.96nm
参考例9:平均一次粒子径6.21nm、標準偏差2.52nm
参考例11:平均一次粒子径9.69nm、標準偏差9.60nm
参考例13:平均一次粒子径11.26nm、標準偏差13.22nm
上記平均一次粒子径と表1におけるテーバー摩耗試験の結果を対比すると平均一次粒子径が小さいほど低反射膜の耐摩耗性が良好であることが判る。
[低反射膜中の金および鉄の濃度測定]
実施例3および参考例7の低反射ガラス板の低反射膜中の金の含有量および鉄の含有量(金属原子%)をESCAで測定した。その結果(2点の測定の平均値)を以下に示す。
実施例3:金含有量0.068535% 鉄含有量1.42060%
参考例7:金含有量0.20323% 鉄含有量2.29401%
なお、参考のために図4に、実施例3の低反射ガラス板の低反射膜中の原子の含有量(金属原子%)を測定したESCAスペクトルを示す。
表1〜表7より、比較例2は入射角60°の可視光反射率が高く、また、比較例3は可視光透過率が低く、本発明の目的を達成することができない。これに対して実施例1〜6、参考例7〜13、実施例14〜17、参考例18〜21の試料では、入射角が5°および60°においても高い低反射機能を有し、耐アルカリ性および耐酸性も良好な低反射膜が得られた。また、実施例1〜4、6の低反射ガラス板はブルー色を呈することも判った。そして、膜表面は珪素と酸素から構成されており、図2および図3に示すように、ガラス基板近傍になるにつれて鉄および金の存在が確認できる。また、図2および図3に示すように金の拡散は鉄の存在する位置まで達しており、そのために試料がブルー色を呈していると考えられる。
また、処理液1、2の両方にニトロセルロースを用いた実施例は、テーバー摩耗試験においても良好な結果を示し、過酷な条件下でも使用可能なことが判った。また、処理液2においてチタン化合物の有無、膜中の金微粒子の粒子径が耐摩耗性に影響を与えることも知見できた。一方、処理液1にニトロセルロース、処理液2においてエチルセルロースを用いた実施例では透過率が高く、低反射性に優れていることが判る。尚、実施例14、15と16、17では処理液2にチタン化合物の配合有無の差があるものの、テーバー摩耗試験では耐摩耗性においては差異が認められなかった。これは実施例14〜17の処理液2に配合されているエチルセルロースに起因する摩耗が大きいため、目視ではチタン化合物の配合の有無による微小な優劣を確認できず、結果として同一評価になったと考えられる。
また、図5に示す反射率スペクトルによれば、処理液1に配合する有機金属化合物の金属種により低反射特性には差異がないものの、チタンを含有する試料では耐摩耗性が鉄を含有する試料よりも劣ることが判った。また、図5の反射スペクトルより、処理液1に有機金属化合物を配合しない場合と比較して、鉄、チタンおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも一種の金属の有機金属化合物を配合した場合には、有機鉄化合物の酸化物と金微粒子が共存して含まれる膜体が、630nm付近で吸収のピークを示し、しかも吸収曲線におけるピーク形状が比較的ブロードであるため、本発明の方法によって形成される膜は、入射角5°の光だけでなく、入射角60°の光に対して反射率を低減することができるといった効果があることが判った。
以上のように本発明では、処理液(1)と処理液(2)の組み合せからなる処理液をガラス基板の表面に塗布、乾燥の後、焼成することにより着色された低反射ガラス板を得ることができ、製膜性に優れ、被膜の耐アルカリ性および耐酸性が良好で、さらには低いHz率を有し、低い反射率を有する低反射ガラス板が得られる。この低反射特性は入射角5°の可視光に限らず、入射角60°の可視光に対しても効果がある。また、透明ガラス基板が、グリーン色を呈するガラスなどの熱線吸収ガラスまたは高熱線吸収ガラスである場合には、熱線カット効果が得られる。
また、本発明により得られる低反射ガラス板に形成された膜は、膜厚方向に成分が変化する、すなわち、膜厚方向に屈折率が変化することを特徴とし、良好な反射特性が得られる。また、処理液(1)、処理液(2)に配合する金微粒子、膜形成用化合物の組み合わせによって、グリーン色を呈する基板上に塗布した場合ブルー色を呈する低反射ガラス板を得ることができる。
本発明において形成される1層目および2層目の膜厚を説明する図。 実施例4の低反射膜の膜断面方向の元素分析を示す光電子スペクトル。 図2の金および鉄の部分を拡大した図。 実施例3の低反射ガラス板の低反射膜中の原子の含有量を測定したESCAスペクトルを示す図。 実施例1、参考例18、参考例20および比較例3の低反射ガラス板の反射率スペクトルを示す図。

Claims (3)

  1. 樹脂B1と、金微粒子と、鉄、チタンおよびジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属(M1)の有機金属化合物と、有機溶剤とを含む処理液(1)と、膜形成用化合物と、樹脂B2と、有機溶剤とを含む処理液(2)とを用い、上記処理液(1)を透明ガラス基板の表面に塗布し、その後、50〜250℃で乾燥して有機溶剤を除去し、次いで、さらにその上に処理液(2)を塗布し、その後、50〜250℃で乾燥して有機溶剤を除去し、次いで、処理された透明ガラス基板を400〜800℃で焼成することを特徴とし、樹脂B1がニトロセルロースであり、樹脂B2がエチルセルロースである、低反射ガラス板の製造方法。
  2. 有機金属化合物が、有機鉄化合物である請求項1に記載の低反射ガラス板の製造方法。
  3. 金微粒子と有機金属化合物の金属(M1)とのM1/Au比(質量比)が3〜25である請求項1又は2に記載の低反射ガラス板の製造方法。
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