JP4495855B2 - チタンスパッタリングターゲットおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタンスパッタリングターゲットおよびその製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、ダストの発生が有効に防止されたスパッタリングターゲットおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子や液晶表示装置に代表される電子部品工業は急速に進捗しつつあり、256MビットDRAM、ロジック、フラッシュメモリー等に代表される半導体素子においては、高集積化・高信頼性・高機能化が進むにつれ、電極や配線を形成する際の微細加工技術に要求される精度も益々高まりつつある。それにつれ、製造工程においてダストを低減する必要が求められている。特に、スパッタリング工程では、0.2μm程度の微細なダストでも素子の歩留まりに悪影響を及ぼすので、ダストを発生させないスパッタリングターゲットが望まれている。
【0003】
一般に、工業的に行われているスパッタとしては効率の良いマグネトロンスパッタ法が主流になっており、その原理から、スパッタリングターゲット材にはエロージョン部と非エロージョン部が存在し、スパッタ面のエッジ部分や側面部分は非エロージョン部になる。スパッタリング装置内においてスパッタリングターゲットからスパッタされた粒子は、半導体基板に正常に到達するものと、周辺に飛び、スパッタリング装置内の基板外の部分に付着するもの、更には再びスパッタリングターゲットに戻ってスパッタリングターゲットに付着するもの(再付着膜)が有る。スパッタリングターゲットに戻って付着するもののうち、非エロージョン部に付着した粒子は再びスパッタされることが無いために次第に膜状に蓄積されることになるが、スパッタの進行が進むにつれそれが剥がれて脱落する事もダスト発生の要因になると言われている。
【0004】
図2は、従来の一般的なマグネトロンスパッタリング装置を模式的に示す図である。同図に示される一般的なマグネトロンスパッタリング装置は、スパッタリングターゲット材11とこれを支持するバッキングプレート12とからなるスパッタリングターゲット10と、基板13とを、対向配置し、このスパッタリングターゲット10と基板13との間に電界Eをかけると共に、これと直交する形でスパッタリングターゲット10の裏側に配置したマグネット14により、スパッタリングターゲット10の表面に磁界Mを生じさせるように構成されている。この磁界Mと電界Eとの作用によって、電子がサイクロン運動を起こし、スパッタリングターゲット面内と磁界内に高密度のプラズマが生じ、スパッタリングターゲットの磁界Mに囲まれた領域でエロージョンが進展している。一方、磁界Mからはずれた領域、例えば図2においてAで示された領域(即ち、スパッタリングターゲット材11の側面部、外周縁部および中央部)は、スパッタされないために非エロージョン領域となる。これらの非エロージョン領域には、スパッタされた粒子が付着し、それがスパッタ処理の回数に応じ層状に蓄積されることになる。これらの付着粒子はスパッタリング処理中、特にスパッタリングターゲットのターゲットライフ後期において、剥がれ脱落し、ダストになると言われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなメカニズムでスパッタリングターゲットから発生するダストの防止策としては、非エロージョン部の表面粗さをエロージョン部より粗くすることによって、付着粒子の脱落を防止するもの(例えば、特開平6−306597号公報)、非エロージョン部にブラスト粒子を打ち込んで、アンカー効果で付着粒子の剥離を防止するもの(例えば、特開平9−176843号公報)など、様々な剥離防止対策が採られている。
【0006】
しかし、これまでのダスト低減策はある一定の効果は認めれられるものの、ターゲットライフ近くまでスパッタリングが進行するにつれ、ダストが増加する傾向があった。
【0007】
本発明はこのような課題に対処するために発明されたものであり、スパッタリングターゲット材からのダストの発生を効果的に防止することが可能なチタンスパッタリングターゲット及びその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、チタン(Ti)スパッタリングターゲットの非エロージョン部の表面状態とそこに付着した付着膜の形態を鋭意研究したところ、付着膜の堆積の仕方はその下地となるTiスパッタリングターゲット材の表面性状の影響を大きく受けることを見出した。その結果、ダストの発生を防止するためには、その表面の特定の結晶方位面の影響が大きなことを見出し、さらに下地表面をブラスト処理しなおかつエッチング処理したものに付着する膜は、緻密でスパッタリングターゲットとの密着強度ならびに膜と膜との密着強度が強くて膜剥離によるダスト発生が抑えられることを見出した。
【0009】
本発明のTiスパッタリングターゲットは、スパッタされる面の非エロージョン領域の少なくとも一部のX線回折により求められる結晶面(101)のピークの半値幅が0.25〜0.5であることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明のTiスパッタリングターゲットの製造方法は、スパッタされる面の非エロージョン領域の少なくとも一部をブラスト処理後、エッチング処理を行うことにより仕上げることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるTiスパッタリングターゲットを図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明によるTiスパッタリングターゲットの一実施態様の構造を示す断面図である。図1において、1は成膜材料として好ましくは高純度Tiからなる、例えば円盤状のスパッタリングターゲット材である。2は上記のスパッタリングターゲット材1の非エロージョン領域である。また、3は、スパッタリングターゲット材1を支持するバッキングプレートである。図2の一般的なスパッタリング装置においてスパッタリングターゲットを使用した場合、非エロージョン部2は、通常、スパッタリングターゲット材1の側面部、外周縁部および中央部に位置する。
【0013】
本発明のチタンスパッタリングターゲットは、スパッタされる面の非エロージョン領域の少なくとも一部のX線回折により求められる結晶面(101)のピークの半値幅が0.25〜0.5のものである。
【0014】
スパッタリングターゲットの表面は、通常、旋盤加工、ロータリー研磨やポリッシングといった研磨加工を施して、スパッタリングターゲットのスパッタ面の表面の全面を仕上げている。この場合、機械加工による内部歪みを生じており、通常スパッタリングターゲットはこの状態で使用されている。スパッタリングにより、スパッタリングターゲットの非エロージョン部に付着したスパッタ粒子の密着性はターゲット表面の機械加工状態に大きく影響を受けるが、これは加工後の内部歪みにその影響を置換えることができ、特に結晶面(101)の内部歪により大きく影響するのである。このため、本発明においては、結晶面(101)に含まれる内部歪を半値幅で表したのである。
【0015】
したがって、本発明においてはチタンスパッタリングターゲットの非エロージョン部に付着した付着膜のスパッタリングターゲットとの密着性を向上するために最も効果がある結晶面(101)のピークの半値幅を0.25〜0.5と規定したのである。
【0016】
この結晶面(101)のピークの半値幅が、0.25未満であると従来のチタンスパッタリングターゲットの内部歪が小さく付着膜の密着性を向上する効果を得られず、逆0.5を越えると内部歪が大きくなり付着膜の密着性が低下するため上記範囲とした。好ましい結晶面(101)のピークの半値幅は0.3〜0.45であり、より好ましくは0.39〜0.42である。
【0017】
さらに本発明においては、前記半値幅に加えてその非エロージョン領域の表面粗さ、Ra:1〜3μm、Ry:8〜15μmであることが好ましい。
【0018】
これは、その表面粗さが上記値未満であると付着膜の充分なアンカー効果が得られず付着膜の密着性が低下し、逆にその値が上記値を越えると膜厚方向で部位によりその付着量に大きな差が出るため、付着膜の膜応力あるいはスパッタリング時の熱応力などにより付着膜にクラックが発生しやすくなり剥離を生じるため上記範囲とした。好ましいRa:1.2〜2.5μmであり、より好ましくは1.5〜2.3μmである。また、好ましいRyは10〜14μmであり、より好ましくは12〜13.5μmである。
【0019】
さらに、本発明によるスパッタリングターゲットは、結晶面(101)のピークの半値幅が上記範囲、さらには表面粗さを上記範囲とするために、スパッタリングターゲット材の非エロージョン領域の少なくとも一部がブラスト処理後、エッチング処理を行うことにより仕上げられている。
【0020】
このように、非エロージョン領域がブラスト処理およびエッチング処理されることによって、付着膜の膜密度が上がり、付着膜とスパッタリングターゲット材との密着強度、付着膜間の密着強度を向上させ、膜剥離によるダスト発生を抑えることが可能となる。ブラスト処理のみの場合あるいはエッチング処理のみの場合には、本発明が目的とする良好なダスト防止効果は得られない。
【0021】
単にブラスト処理のみを行った場合でもアンカー効果による付着膜剥離防止効果はある程度の見られるものの、本発明と同程度の効果を得ることは出来ない。これは、(イ)ブラスト処理の際にその処理面に加工歪が生じ、そのためにスパッタを使用するにつれその歪が付着膜の剥離を引き起こすこと、(ロ)ブラスト処理のみでは処理面の凹凸が極端に大きくなる部分があって、この部分の凹部、凸部での膜付着量に大きな差が生じ、付着形状が変化することに起因して、膜応力、熱応力によるクラックが発生し剥離を引き起こすこと、によるものと考えられている。
【0022】
本発明において良好なダスト防止効果が得られたのは、ブラスト処理後にエッチング処理を行うことによって、ブラスト処理によって生じた加工歪が除去され、かつブラスト処理面の凹凸の極端に大きな部分が滑らかになって、スパッタリングターゲット材の表面性状が付着膜の剥離防止に適した形に整えられたことによるものと推測されている。
【0023】
なお、本発明では、非エロージョン領域の「少なくとも一部」がブラスト処理およびエッチング処理されていればよく、従って非エロージョン領域の全てがブラスト処理およびエッチング処理されているもののみに限定されない。スパッタリングターゲット材1の側面部のみ、外周縁部のみ、中央部のみがブラスト処理およびエッチング処理されているものも本発明の好ましい具体例である。また、本発明では、非エロージョン領域の「少なくとも一部」がブラスト処理およびエッチング処理されかつ本発明の目的が達成されるならば、エロージョンの一部あるいは全領域がブラスト処理およびエッチング処理されていても良い。
【0024】
ここで、本発明におけるピークの半値幅および表面粗さは、以下の方法によって測定された値を示すものとする。
【0025】
<ピークの半値幅>
例えば、円盤状のスパッタリングターゲットについて、その一部をスパッタ面に垂直に切り出し、長さ15mm、幅15mmに切断する。これにより、長さ15mm、幅15mm、厚さはターゲット厚さの試験片を採取する。そして、ターゲットの表面部を測定することになる。試験片は、図3に示されるように、スパッタリングターゲットの外周縁部に位置する非エロージョン部の4点から採取し、これらの4試験片を10回以上測定した値の平均値を算出する。例えば、ターゲット断面形状が台形のもの、すなわちターゲット側面の非エロージョン部が傾斜しているものの場合には、その傾斜部を測定しても良い。
【0026】
結晶面(101)は、X線回折によって得られたピークから半値幅を算出する。この半値幅は、X線回折により得られたピークの1/2の高さの箇所の幅と、そのピークの高さとの比である。
【0027】
X線回折装置は、理学社製XRD、測定条件は下記の通りである。
【0028】
測定条件
X線:Cu k−α1、50KV、100mA、縦型ゴニオメーター、発散スリット:1deg、散乱スリット:1deg、受光スリット:0.15mm、走査モード:連続、スキャンスピード:1°/min、スキャンステップ:0.01°、走査軸2θ/θ、測定角度:38.5°〜41.5°
ピーク編集:上記条件によって測定した(101)面のピークについて、次の編集を行って算出された半値幅値
平滑化方法:加重平均
バックグランド除去方法:両端に接する直線
Kα2除去方法:強度比(Kα2/Kα1=0.5)
【0029】
<表面粗さ>
表面粗さは、JIS B0601−1994で定義されるRa、Ryである。例えば円盤状のスパッタリングターゲットについて、その一部を長さ5mm、幅10mm、厚さ2mmに切り出し試験片とする。試験片は、図3に示されるように、スパッタリングターゲットの異種縁部に位置する非エロージョン部の4点から採取し、これらの4試験片を10回以上測定した値の平均値を算出する。この表面粗さは、TAYLOR HOBSON社の表面粗さ計を用い、条件Gauss/5*0.8mm(cut off){ガウシャンフィルター(JIS B 0601)を使用し、カットオフ値0.8mmで回分測定、すなわち、0.8mmでカットオフして5回測定するため合計で4mm分を測定する。そして表面粗さについてはその5回分の平均値で算出される}で測定する。
【0030】
なお、この表面粗さ測定用の試験片は、半値幅測定用の試験片の採取位置とは異なっていても良い。
【0031】
ブラスト処理およびエッチング処理の具体的内容ないし条件は、最終的に処理面が本発明で規定する半値幅、さらには表面粗さが満たされるように、定めることができる。
【0032】
下記は、本発明におけるブラスト処理およびエッチング処理の好ましい一具体例を示すものである。
【0033】
<ブラスト処理>
本発明においてブラスト処理とは、研削剤を素材表面に衝突させてその素材表面を粗化させる処理をいう。本発明では、研磨剤として、例えばSiC、アルミナ、けい砂、鋳鉄、鋳鋼等、好ましくはSiCおよびアルミナを用いることができる。研削剤をスパッタリングターゲット材の表面に衝突させる方法は、圧縮空気を利用する方法が最も実用的であるが、遠心力を利用する方法も可能である。ブラスト処理の具体的処理条件(例えば、研削剤の種類や粒度、圧縮空気の圧力、ノズル径、素材とノズル間距離、処理時間等)は、処理対象であるスパッタリングターゲット材の素材、物理的ないし機械的特性や製造条件、ブラスト処理によって生じる歪み、表面粗さ等を考慮して、適宜決定することができる。過度のブラスト処理を行うことは、スパッタリングターゲット材の表面に過度の歪みや凹凸を生じさせ、その後に行われるエッチング処理後によっても本発明で規定する半値幅、さらには表面粗さを満足させることが困難になるので、避けるべきである。
【0034】
このブラスト処理では、ブラスト処理表面が、表面粗さがRa:2.5〜3μm、Ry:15〜25μm、歪みがX線回折による結晶面(101)のピークの半値幅で0.55以下となるようにするのが好ましい。
【0035】
<エッチング処理>
本発明においてエッチング処理とは、処理対象物、特にその表面部、を化学的、物理的あるいは電気的方法によって変質破壊して、処理対象物表面の歪みおよび(または)表面粗さを低減する処理をいう。本発明では、スパッタリングターゲット材に対して腐食作用を有する成分(以下、腐食性成分という)を含有した液体を使用する湿式エッチングが好ましいが、スパッタリングなどの物理的なエッチングによっても行うことができる。湿式エッチングを行う場合の腐食性成分としては、例えばHF、HNO3、HCl、H2O2およびこれらの混合物、特に、HF、HNO3の混合物が好ましい。
【0036】
エッチング処理の具体的処理条件(例えば、前記の腐食性成分の種類、配合割合、濃度、処理時間、温度等)は、処理対象であるスパッタリングターゲット材の素材、物理的ないし機械的特性や製造条件、ブラスト処理によって生じた歪み、表面粗さ等を考慮して、適宜決定することができる。過度にエッチング処理を行うことは、表面粗さが低減しすぎてダスト防止効果が低下する場合がある。
【0037】
従って、このエッチング処理は、ブラスト処理されなおかつエッチング処理された処理表面が本発明で規定する半値幅、さらには表面粗さが満たされような条件で行う。
【0038】
本発明において、上記のブラスト処理およびエッチング処理が施されるスパッタリングターゲット材は、Tiからなるもの、好ましくは高純度Tiからなるものである。この高純度Tiは、通常の高純度Tiスパッタリングターゲット材と同様に、原料および製造過程において不可避的に存在することになる成分(不純物)を、通常の高純度Tiスパッタリングターゲット材と同程度の量で含有することができる。そのような不純物成分としては、例えばO、Fe、Ni、Cr、Na、K、U、Th等を例示することができる。本発明では、上記の不純物成分が総量で250ppm以下である高純度Tiが特に好ましい。
【0039】
また、本発明でのTiスパッタリングターゲット材は、通常のTiスパッタリングターゲット材と同様に、それを製造ないし使用する際に有利に作用する各種の成分(任意成分)を、所望に応じ、通常のTiスパッタリングターゲット材と同程度の量で、含有することができる。そのような含有可能な任意成分としては、例えばZr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Pt、Ir、Ru、Ni、Co、Al、Cu、Si、Ge、Feから選ばれる金属元素の単体、もしくは上記した金属元素を含む合金または化合物を例示することができる。
【0040】
また、本発明によるスパッタリングターゲットには、必要に応じ、通常のスパッタリングターゲットと同様に、スパッタリングターゲット材を固定し支持するためのバッキングプレート3を接合することができる。バッキングプレート3には、通常、スパッタリングターゲットの支持部材であると共に、イオン衝撃(スパッタ熱)によるスパッタリングターゲット材の温度上昇を抑制する冷却部材としての機能が求められることから、熱伝導率が高い無酸素銅やアルミニウム合金などを用いるのが好ましい。
【0041】
スパッリングターゲット材1とバッキングプレート3との接合は、通常のスパッタリングターゲットと同様に、ろう接や拡散接合(固相接合)などによって行ってもよく、適当な押え治具を使用して行うこともできる。
【0042】
本発明において行われる上記のブラスト処理およびエッチング処理は、バッキングプレートを接合する前に行うのが普通であるが、本発明の効果、目的が達成されるならばバッキングプレートを接合した後に行うこともできる。
【0043】
【実施例】
次に本発明の具体的な実施例について説明する。
<実施例1>
直径250mm、厚さ15mm、純度5Nの、旋盤で仕上げたTiスパッタリングターゲットの非エロージョン部を露出するように、マスキング処理を施した。それを、SiC砥粒を用いてブラスト処理を行った〔ブラスト処理条件=砥粒:SiC、エアー圧:2kgf/cm2、ノズル径:φ2mm、全体が均一になるように噴射〕。
このブラスト処理物を、エッチング処理〔HCl:HF:HNO3:H2O=1:1:1:50に調整したエッチング液に10分間浸漬〕に付して、スパッタリングターゲットを製造した。
【0044】
<比較例1および比較例2>
エッチング処理を行わない以外は実施例1と同様にして、スパッタリングターゲットを製造した(比較例1)。
また、ブラスト処理を行わない以外は実施例1と同様にして、スパッタリングターゲットを製造した(比較例2)。
【0045】
表面特性
上記の実施例1、比較例1、比較例2で得られたTiスパッタリングターゲットについて、X線回折を行い、得られたピークの半値幅を算出すると共に、表面粗さ測定を実施した。これらの結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
ダスト測定結果
上記の実施例1、比較例1、比較例2で得られたTiスパッタリングターゲットを用い、スパッタ圧:4×10−1(Pa)、スパッタ電流5A、アルゴン流量15sccm、窒素流量30sccmの条件で、φ6インチのSiウェハー上にマグネトロンスパッタを行い、Ti膜を成膜した。100ロット、150ロットまたは200ロット後のφ6インチのSiウェハー上のTi膜中の0.2μm以上のダスト数をパーティクルカウンターで測定した。それらの結果を、表2に示す。
【0048】
【表2】
上記表2より明らかなように、本発明のスパッタリングターゲットは、比較例のスパッタリングターゲットに比較しスパッタリング初期から後期に亘ってのダストの発生が少なく優れている。
【0049】
<実施例2>
直径312mm、厚さ10mm、純度5Nの、施盤で仕上げたTiスパッタリングターゲットの非エロージョン部を露出するように、マスキング処理を施した。それを、SiC砥粒を用いてブラスト処理を行った〔ブラスト処理条件=砥粒:SiC、エアー圧:2kgf/cm2、ノズル径:φ2mm、全体が均一になるように噴射〕。
このブラスト処理物を、エッチング処理〔HCl:HF:HNO3:H2O=1:1:1:50に調整したエッチング液に10分間浸漬〕に付して、スパッタリングターゲットを製造した。
【0050】
<比較例3および比較例4>
エッチング処理を行わない以外は実施例2と同様にして、スパッタリングターゲットを製造した(比較例3)。
また、ブラスト処理を行わない以外は実施例2と同様にして、スパッタリングターゲットを製造した(比較例4)。
【0051】
表面特性
上記の実施例2、比較例3、比較例4で得られたTiスパッタリングターゲットについて、X線回折を行い、得られたピークの半値幅を算出すると共に、表面粗さ測定を実施した。これらの結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
ダスト測定結果
上記の実施例2、比較例3および4で得られたTiスパッタリングターゲットを用い、スパッタ圧:4×10−1(Pa)、スパッタ電流5A、アルゴン流量15sccm、窒素流量30sccmの条件で、φ6インチのSiウェハー上にマグネトロンスパッタを行い、Ti膜を成膜した。100ロット、150ロットまたは200ロット後のφ6インチのSiウェハー上のTi膜中の0.2μm以上のダスト数をパーティクルカウンターで測定した。それらの結果を、表4に示す。
【0054】
【表4】
上記表4より明らかなように、本発明のスパッタリングターゲットは、比較例のスパッタリングターゲットに比較しスパッタリング初期から後期に亘ってのダストの発生が少なく優れている。
【0055】
<実施例3〜6および比較例5〜8>
直径250mm、厚さ15mm、純度5Nの、旋盤で仕上げたTiスパッタリングターゲットの非エロージョン部を露出するように、マスキング処理を施した。それを、SiC砥粒を用いてブラスト処理を行った〔ブラスト処理条件=砥粒:SiC、エアー圧:2kgf/cm2、ノズル径:φ2mm、全体が均一になるように噴射〕
このブラスト処理物を、下記のエッチング溶液(即ち、▲1▼液、▲2▼液、▲3▼液)を使用し、表5に示される条件でエッチング処理を施して、スパッタリングターゲットを製造した。
▲1▼液 A液:H2O=1:1の溶液(即ち、A液を2倍に希釈した液)
▲2▼液 A液:H2O=1:4の溶液(即ち、A液を5倍に希釈した液)
▲3▼液 A液:H2O=1:9の溶液(即ち、A液を10倍に希釈した液)
ここで、「A液」とは、「HF、HNO3、HClおよびH2Oを、
HF:HNO3:HCl:H2O = 1:1:1:6
の混合比率で配合した液」を示すものである。
【0056】
表面特性
上記の実施例3〜6および比較例5〜8で得られたTiスパッタリングターゲットについて、X線回折を行い、得られたピークから半値幅を算出すると共に、表面粗さ測定を実施した。これらの結果を表5に示す。
【0057】
ダスト測定結果
上記の実施例3〜6および比較例5〜8で得られたTiスパッタリングターゲットを用い、スパッタ圧:4×10−1(Pa)、スパッタ電流5A、アルゴン流量15sccm、窒素流量30sccmの条件で、φ6インチのSiウェハー上にマグネトロンスパッタを行い、Ti膜を成膜した。100ロット、150ロットまたは200ロット後のφ6インチのSiウェハー上のTi膜中の0.2μm以上のダスト数をパーティクルカウンターで測定した。それらの結果を、併せて表5に示す。
【0058】
【表5】
上記表5より明らかなように、本発明のスパッタリングターゲットは、比較例のスパッタリングターゲットに比較しスパッタリング初期から後期に亘ってのダストの発生が少なく優れている。
【0059】
【発明の効果】
以上に示したように、本発明は、薄膜を形成する際にダストの少ないスパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供することができ、半導体はもとより、液晶ディスプレイ用、記録用のためのスパッタリングターゲット等多方面に活用することができ、その工業的価値が極めて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスパッタリングターゲットの一具体例の概略を示す断面図
【図2】従来の一般的スパッタリング装置の一例を示す断面図
【図3】本発明によるスパッタリングターゲットにおける半値幅および表面さを測定する際の試験片の採取箇所を示す概要図
【符号の説明】
1、11 スパッタリングターゲット材
2、A 非エロージョン領域
3、12 バッキングプレート
13 基板
14 マグネット
M 磁界
E 電界
Claims (6)
- スパッタされる面の非エロージョン領域の少なくとも一部のX線回折により求められる結晶面(101)のピークの半値幅が0.25〜0.5であって、かつ非エロージョン領域の表面粗さが、Ra:1〜3μm、Ry:8〜15μmであることを特徴とする、チタンスパッタリングターゲット。
- X線回折により求められる半値幅が0.3〜0.45である、請求項1に記載のチタンスパッタリングターゲット。
- スパッタリングターゲットが、バッキングプレートと接合一体化されたものである、請求項1に記載のチタンスパッタリングターゲット。
- スパッタリングターゲットが、バッキングプレートと拡散接合またはろう付けにより接合一体化されたものである、請求項3に記載のチタンスパッタリングターゲット。
- 非エロージョン領域は、ブラスト処理、エッチング処理を行うことにより仕上げられている、請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のチタンスパッタリングターゲット。
- スパッタされる面の非エロージョン領域の少なくとも一部のX線回折により求められる結晶面(101)のピークの半値幅が0.25〜0.5であって、かつ非エロージョン領域の表面粗さが、Ra:1〜3μm、Ry:8〜15μmであるチタンスパッタリングターゲットを製造する方法であって、このスパッタリングターゲットのスパッタされる面の非エロージョン領域の少なくとも一部をブラスト処理後、エッチング処理を行うことにより仕上げることを特徴とする、チタンスパッタリングターゲットの製造方法。
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