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JP4484171B2 - インクジェットプリンター用記録液 - Google Patents

インクジェットプリンター用記録液 Download PDF

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JP4484171B2
JP4484171B2 JP20448697A JP20448697A JP4484171B2 JP 4484171 B2 JP4484171 B2 JP 4484171B2 JP 20448697 A JP20448697 A JP 20448697A JP 20448697 A JP20448697 A JP 20448697A JP 4484171 B2 JP4484171 B2 JP 4484171B2
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春夫 村田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シアン色のインクジェットプリンター用記録液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、騒音の発生が少ない、ランニングコストが安い、カラー化が容易等の特徴があり、近年急速に普及して来た。
【0003】
インクジェットプリンター用記録液は、通常、イェロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色で構成され、カラーはYMC3色で全ての色相を表現している。
【0004】
インクジェットプリンター用記録液の着色剤として、従来、染料が用いられていたが、染料は耐候性や耐水性に劣ることから、近年、染料から顔料へ移行しつつある。
【0005】
着色剤として顔料を用いる方法は古くから研究されており、例えば、特開昭47−12104号公報、特開昭56−147859号公報、特開昭56−147863号公報、特開昭56−147865号公報等多くの提案がなされている。
【0006】
染料から顔料へ移行する場合、特に記録画像の色相面で優れた演色性が要求される。着色剤に顔料を用いる場合、通常、イェロー色にC.I.PigmentYellow 17またはC.I.Pigment Yellow 154、マゼンタ色にC.I.Pigment Red 122、シアン色にC.I.Pigment Blue 15:3またはC.I.Pigment Blue 15:4、黒色にはカーボンブラック等が用いられる。
【0007】
しかし、シアン色にC.I.Pigment Blue 15:3またはC.I.Pigment Blue 15:4の銅フタロシアニンブルー顔料を用いた従来のインクジェットプリンター用記録液は、染料を用いた記録液と比較して、ブルー色領域及びグリーン色領域の色域が小さい。すなわち演色性に劣り、染料インクと比較して、美しい記録画像が得られないという欠点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、インクジェットプリンターに使用する顔料系記録液において、ブルー色領域及びグリーン色領域の演色性を高め、染料系記録液に近い色相の美しい記録画像を得ることのできるインクジェットプリンター用記録液を提供することにある
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シアン色用着色剤として、フタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニン、好ましくはフタルイミドメチル基を1分子当たり平均1〜2個有する銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル基を1分子当たり平均1〜2個有する銅フタロシアニンを含有させたインクジェットプリンター用記録液は、シアン色領域の彩度が高いために、ブルー色領域及びグリーン色領域の演色性が高くなり、染料系記録液のシアン色に近い色相の美しい記録画像が得られること等を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1) シアン色用着色剤として、フタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを含有することを特徴とするインクジェットプリンター用記録液、
【0011】
(2) フタルイミドメチル銅フタロシアニンが、フタルイミドメチル基を1分子当たり平均1〜2個有する銅フタロシアニンであり、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンが、o−カルボキシベンズアミドメチル基を1分子当たり平均1〜2個有する銅フタロシアニンである上記(1)記載のインクジェットプリンター用記録液、
【0012】
(3) フタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンが、アニオン性基含有有機高分子化合物類で被覆されている上記(1)又は(2)記載のインクジェットプリンター用記録液、
【0013】
(4) アニオン性基含有有機高分子化合物類が、酸価30〜150KOHmg/gのカルボキシル基含有有機高分子化合物類である上記(3)記載のインクジェットプリンター用記録液、及び
【0014】
(5) アニオン性基の一部又は全部を塩基性化合物で中和して水溶性化したアニオン性基含有有機高分子化合物類と水性媒体との混合液中にフタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを分散させた後、酸性化合物を加えてアニオン性基含有有機高分子化合物類を析出させることによりフタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを被覆する上記(3)又は(4)記載のインクジェットプリンター用記録液、
を提供するものである。
【0015】
本発明で使用するフタルイミドメチル銅フタロシアニンの製造方法は、特に限定されないが、例えば濃硫酸中で、パラホルムアルデヒドとともに、銅フタロシアニンとフタルイミドとを反応させた後、反応液を水中に取り出しフタルイミドメチル銅フタロシアニンを得る方法(英国特許695,523号公報)等がある。また、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンの製造方法も、特に限定されないが、例えば濃硫酸中で、銅フタロシアニンとω−クロロメチルフタルイミドとを反応させた後、苛性ソーダを加えて加熱し、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを得る方法(英国特許717,137号公報)や、フタルイミドメチル銅フタロシアニンに苛性ソーダを加えて加熱し、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを得る方法等がある。これらの製造方法では、反応条件により、フタルイミドメチル銅フタロシアニンのフタルイミドメチル基数や、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンのo−カルボキシベンズアミドメチル基数は、通常1分子当たり平均1〜4個が得られるが、なかでも耐水性等の顔料物性に優れることから、特に1分子当たり平均1〜2個が好ましい。尚、無置換銅フタロシアニンを混合してフタルイミドメチル基数やo−カルボキシベンズアミドメチル基数を調整しても良い。
【0016】
また、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニン製造時には、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンとフタルイミドメチル銅フタロシアニンの混合物ができるのが通常であるが、本発明の記録液はフタルイミドメチル銅フタロシアニンとo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンの混合物を用いることもできるため、該混合物は分離せずにそのまま使用することができる。更に、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンは金属塩としても良い。
【0017】
本発明の記録液には、顔料誘導体、高分子系顔料分散剤、ノニオン系、アニオン系、カチオン系等の界面活性剤、水性有機溶剤等が添加されていても何等問題はない。また、フタルイミドメチル銅フタロシアニン及びo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニン以外の銅フタロシアニンを添加することもできる。
【0018】
上記顔料誘導体としては、例えば、ハロゲン原子、ジアルキルアミノメチル基、スルファモイル基、スルホン酸基又はこれらの塩等を有する銅フタロシアニン誘導体が挙げられる。
【0019】
また、高分子系顔料分散剤としては、分子量1000以上の高分子化合物が良く、例えば、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ロジン、BYK−160、162、164、182(ビックケミー社製のウレタン系高分子化合物)、EFKA−401、402(EFKA社製のアクリル系分散剤)、ソルスパーズ24000(ゼネカ社製のポリエステル系高分子化合物)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
顔料誘導体及び/又は高分子系顔料分散剤の使用量は、顔料100重量部に対して、通常20重量部以下、好ましくは2〜10重量部の範囲である。
【0021】
本発明で使用するフタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンは、例えば、ウェットケーキあるいは粉末状で、ビーズミル、ロールミル、サンドミル、ニーダーなどの分散機を用いて、記録液用媒体中に分散させることによりインクジェットプリンター用記録液とすることができる。
【0022】
フタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンの記録液用媒体中への分散条件は、分散機の種類や、記録液組成によって異なるため、特に限定されない。しかし、インクジェットプリンター用記録液の製造コスト上、圧力は常圧〜5kg/cm2 、温度は常温〜100℃の範囲が好ましい。
【0023】
インクジェットプリンター用記録液中でのフタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンの含有率は、1〜20重量%の範囲が好ましく、1.5〜10重量%が特に好ましい。
【0024】
記録液媒体としては、溶媒と更に必要に応じて添加される樹脂、界面活性剤、塩基、各種添加剤等とからなるものが挙げられるが、特に限定されない。上記溶媒は、水系の場合、一般的には水、水溶性有機溶剤、又はこれらの混合物からなるものが挙げられ、また、非水系の場合は、有機溶剤からなるものが挙げられる。
【0025】
上記溶媒に用いる水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;N−メチル−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤の中でも、多価アルコール類とエーテル類が好ましい。
【0026】
インクジェットプリンター用記録液中の水溶性有機溶剤の含有割合は、50重量%以下が好ましく、0〜30重量%の範囲が特に好ましい。
【0027】
インクジェットプリンター用記録液に必要に応じて用いる樹脂としては、例えば、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アラビアゴム、フィッシュグリューなどの天然タンパク質やアルギン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、芳香族アミド、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、アクリル酸−アクリル酸エステル類の共重合体、スチレン−マイレイン酸、スチレン−アクリル酸樹脂等の合成高分子化合物等が挙げられる。
【0028】
これら樹脂は、フタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンの分散安定化、定着性や粘度の調節、乾燥性の改良等の目的で、必要に応じて使用されるものであり、インクジェットプリンター用記録液に使用する場合の記録液中での樹脂の含有率は、30重量%以下が好ましく、20重量%以下が特に好ましい。
【0029】
インクジェットプリンター用記録液に必要に応じて用いる界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホンン酸塩、スルホコハク酸アルキル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、リン酸アルキル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ココナットアミンアセテートやステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドやステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、ラウリルベンタインやステアリルベンタイン等のアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等のカチオン性や両性の界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、エマルゲンA−500(花王社製)のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性の界面活性剤が挙げられる。
【0030】
これら界面活性剤は、記録液の界面張力を調整したり、着色剤の分散性を改良したりするために使用されるものであり、インクジェットプリンター用記録液に使用する場合の記録液中の界面活性剤の含有割合は、10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
【0031】
インクジェットプリンター用記録液に必要に応じて用いる塩基としては、無機塩基と有機アミンが挙げられる。無機塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムや水酸化リチウム等が挙げられる。有機アミンとしては、例えばアンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン、N−メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−エチル−2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−(アミノエチル)エタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ピペリジン、モルフォリン等が挙げられる。これら塩基は、水溶性樹脂の中和剤や記録液の湿潤剤等として使用されるものであり、インクジェットプリンター用記録液に使用する場合の記録液中の塩基の含有割合は、10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
【0032】
さらに、本発明のインクジェットプリンター用記録液は、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤等の添加剤を含有しても何等問題はない。
【0033】
上記のようにして調製されたインクジェットプリンター用記録液を用いてフルカラー記録画像を形成させる方法としては、例えばオンデマンドタイプのインクジェットプリンターを用いて、各種の紙、シート、フィルム、繊維、金属等に印字させる方法がある。
【0034】
インクジェットプリンターとしては、特に限定されないが、例えばプリンターヘッドに圧電素子を用いたピエゾ方式や、記録液に熱エネルギーを加え微細孔から記録液を液滴として吐出させて記録するサーマル方式等があげられる。更に、印字後に熱や紫外線等のエネルギーを加えることによって画像を定着させることも可能である。
【0035】
これらのインクジェットプリンターに記録したい画像の電気信号を与え、上記記録液を用いてフルカラー記録画像が得られる。
【0036】
インクジェットプリンター用記録液の評価方法としては、下記のシアン色、イェロー色及びマゼンタ色の各記録液をインクジェットプリンターに搭載し、記録したい画像の電気信号を与え、カラー画像を得、その画像を測色をすることにより色相角H* を求めて評価する方法がある。
【0037】
シアン色記録液の調製
フタルイミドメチル銅フタロシアニン 4.0部
ジョンクリルJ−61J 6.7部
(ジョンソンポリマー社製のスチレン−アクリル樹脂)
イソプロピルアルコール 2.0部
イオン交換水 7.3部
3mmφガラスビーズ 80.0部
を100mlポリ瓶に計り込み、ペイントシェーカー(東洋精機社製)でフタルイミドメチル銅フタロシアニンの体積平均粒子径が200nm以下となるまで分散させる(但し、体積平均粒子径が200nm以下とならない場合は4時間まで分散する。)。分散後、
イオン交換水 44.4部
エチレングリコール 4.0部
グリセリン 8.0部
ジエタノールアミン 2.4部
エマルゲン147(花王社製のノニオン活性剤) 1.2部
を混合し、1μmのフィルターを用いて粗粒を濾過し、フタルイミドメチル銅フタロシアニンを含有するインクジェットプリンター用シアン色記録液を調製する。尚、上記体積平均粒子径は、例えば「UPA−150」(日機装株式会社製のレーザードップラー式粒度分布計)により測定できる。
【0038】
調製したインクジェットプリンター用記録液をキャノン社製のインクジェットプリンターBJC−400Jのカートリッジに詰め、シアン色のカラー印刷をカラーBJペーパー(キャノン社製)に行い、カラー画像を得る。このカラー画像を、D65光源、10度視野で英国データカラー社(datacolor社)製のSPECTRAFLASH 500で測色を行い、色相角H* を求める。
【0039】
本発明で使用するフタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンは、インクジェットプリンター用記録液に使用する以外に、ウェットケーキとして、あるいは粉末状で、印刷インキ、塗料、プラスチック、金属インキ、捺染剤、文具、トナー等、種々の物品の着色剤として用いることもできる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。以下において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、『重量部』及び『重量%』を表わす。
【0041】
実施例1
フタルイミドメチル銅フタロシアニンの合成
98%硫酸 91.4部
25%発煙硫酸 36.7部
フタルイミド 7.0部
92%パラホルムアルデヒド 2.8部
を45℃に冷却しながら仕込み、30分間撹拌した後、
銅フタロシアニンブルークルード 8.0部
を徐々に仕込み、80℃まで昇温し、3時間反応させた後、30℃まで冷却した。この反応液を25℃の水750部に取り出し、濾過、水洗、乾燥してフタルイミドメチル銅フタロシアニンを得た(これを「IM−1」とする)。得られたIM−1の赤外線吸収スペクトルを測定し、1390cm-1の吸収強度からフタルイミドメチル基数を求めたところ、平均置換基数は1.2個であった。
【0042】
シアン色記録液の調製
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1) 4.0部
ジョンクリルJ−61J 6.7部
(ジョンソンポリマー社製のスチレン−アクリル樹脂)
イソプロピルアルコール 2.0部
イオン交換水 7.3部
3mmφガラスビーズ 80.0部
を100mlポリ瓶に計り込み、ペイントシェーカーで4時間分散させた後、
イオン交換水 44.4部
エチレングリコール 4.0部
グリセリン 8.0部
ジエタノールアミン 2.4部
エマルゲン147(花王社製のノニオン活性剤) 1.2部
を混合し、1μmのフィルターを用いて粗粒を濾過し、シアン色記録液を調製した。
【0043】
イェロー色記録液の調製
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1)4.0部の代わりに、Symuler Fast Yellow 8GF(大日本インキ化学工業株式会社製のC.I.Pigment Yellow 17)4.0部を用いた以外はシアン色記録液の調製方法と同様にして、イェロー色記録液を調製した。
【0044】
マゼンタ色記録液の調製
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1)4.0部の代わりに、Fastogen Super Magenta RTS(大日本インキ化学工業株式会社製のC.I.Pigment Red 122)4.0部を用いた以外はシアン色記録液の調製方法と同様にして、マゼンタ色記録液を調製した。
【0045】
次に、このシアン色記録液、イェロー色記録液及びマゼンタ色記録液をキヤノン社製のインクジェットプリンターBJC−400Jのカートリッジに詰め、カラーBJペーパー(キャノン社製)にブルー、グリーンのカラー印刷を行い、カラー画像を得た。このカラー画像を、D65光源、10度視野で英国データカラー社(datacolor社)製のSPECTRAFLASH 500で測色を行い、色相角H* を求めた。
【0046】
測色結果を表−1に示すが、これらのカラー画像は、後記した比較例1のブルー、グリーンのカラー印刷に比べ、ブルー、グリーン色それぞれで彩度C* が高く、しかもブルー色及びグリーン色間の色域△H* が大きいことから、色相域が広く、高い演色性が得られることがわかった。
【0047】
実施例2
シアン色記録液の調製
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1)4.0部の代わりに、フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1)3.2部とFastogen Blue TGR(大日本インキ化学工業株式会社製のC.I.Pigment Blue 15:3)0.8部を用いた以外は実施例1のシアン色記録液の調製方法と同様にして、シアン色記録液を調製した。
【0048】
次に、このシアン色記録液と、実施例1で得たイェロー色記録液及びマゼンタ色記録液とを用い、実施例1と同様にして、ブルー、グリーンのカラー画像を得、次いで同様にこのカラー画像を測色し、色相角H* を求めた。
【0049】
測色結果を表−1に示すが、これらのカラー画像は、後記した比較例1のブルー、グリーンのカラー印刷に比べ、ブルー、グリーン色それぞれで彩度C* が高く、しかもブルー色及びグリーン色間の色域△H* が大きいことから、色相域が広く、高い演色性が得られることがわかった。
【0050】
実施例3
o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンの合成
98%硫酸 59.9部
25%発煙硫酸 51.2部
フタルイミド 10.0部
パラホルムアルデヒド 4.4部
を45℃に冷却しながら仕込み、30分間撹拌した後、
銅フタロシアニンブルークルード 5.6部
を徐々に仕込み、90℃まで昇温し、6時間反応させた後、30℃まで冷却した。この反応液を25℃の水750部に取り出し、濾過、水洗した。得られた濾過ケーキの一部を乾燥し、赤外線吸収スペクトルを測定し、1390cm-1の吸収強度からフタルイミドメチル基数を求めたところ、平均置換基数は1.7個であった。次いで、濾過ケーキを水に解膠し、苛性ソーダ溶液でpH7.0〜8.0に調製し、次いで80℃まで昇温して3時間撹拌し、濾過、水洗、乾燥してo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを得た(これをIM−2とする)。得られたIM−2の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、1770cm-1の吸収が消滅していることからフタルイミドメチル銅フタロシアニンがo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンとなったことを確認した。
【0051】
シアン色記録液の調製
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1)4.0部の代わりに、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニン(IM−2)4.0部を用いた以外は実施例1のシアン色記録液の調製方法と同様にして、シアン色記録液を調製した。
【0052】
次に、このシアン色記録液と、実施例1で得たイェロー色記録液及びマゼンタ色記録液とを用い、実施例1と同様にして、ブルー、グリーンのカラー画像を得、次いで同様にこのカラー画像を測色し、色相角H* を求めた。
【0053】
測色結果を表−1に示すが、これらのカラー画像は、後記した比較例1のブルー、グリーンのカラー印刷に比べ、ブルー、グリーン色それぞれで彩度C* が高く、しかもブルー色及びグリーン色間の色域△H* が大きいことから、色相域が広く、高い演色性が得られることがわかった。
【0054】
実施例4
カルボキシル基含有ビニル系樹脂の合成
n−ブチルメタクリレート 175.0部
n−ブチルアクリレート 10.7部
β−ヒドロキシエチルメタクリレート 37.5部
メタクリル酸 26.8部
パーブチル O 5.0部
(日本油脂(株)製のtert−ブチルパーオキシオクトエート)
からなる混合液を調製した。
【0055】
次にメチルエチルケトン250部をフラスコに仕込んで、窒素シール下に、撹拌しながら75℃まで昇温させた後、上記の混合液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に同温度で15時間反応させて、固形分の酸価が70KOHmg/g、数平均分子量が12500のカルボキシル基含有ビニル系樹脂の溶液を得た。この樹脂溶液の不揮発分は50%であった。以下、これをビニル系樹脂溶液(A−1)と略記する。
【0056】
フタルイミドメチル銅フタロシアニンがカルボキシル基含有ビニル系樹脂被覆された水性分散液の製造
(1)フタルイミドメチル銅フタロシアニン分散工程
容量250mlのガラス瓶に、
ビニル系樹脂溶液(A−1) 15.0部
ジメチルエタノールアミン 0.8部
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1) 15.0部
イオン交換水 44.2部
を秤り込み、平均粒子径が0.5mmのジルコニアビーズ250gを加え、ペイントシェーカーを用いて4時間分散させた後、ジルコニアビーズを濾別して、塩基(ジメチルエタノールアミン)で中和されたビニル系樹脂を含むフタルイミドメチル銅フタロシアニンの水性分散体を得た。
【0057】
(2)酸析工程
この水性分散体に水を加えて倍に希釈した後、ディスパーで撹拌しながら1規定塩酸を加えてpHを3〜5とし、該ビニル系樹脂を不溶化させてフタルイミドメチル銅フタロシアニンに固着させることで、カルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆したフタルイミドメチル銅フタロシアニンを得た。
【0058】
(3)濾過及び水洗工程
これを吸引濾過した後、水洗して、カルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆されたフタルイミドメチル銅フタロシアニンの含水ケーキを得た。
【0059】
(4)中和及び水性媒体への再分散工程
この含水ケーキをディスパーを用いて撹拌しながら10%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.5〜9.5とし、更に1時間撹拌を続けた後、水を加えて、不揮発分が22.5%となるように調整して、フタルイミドメチル銅フタロシアニンがカルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆された水性分散液を得た(これを「B−1」とする)。
【0060】
シアン色記録液の調製
上記水性分散液(B−1) 26.7部
イソプロピルアルコール 2.0部
イオン交換水 35.7部
エチレングリコール 4.0部
グリセリン 8.0部
ジエタノールアミン 2.4部
エマルゲン147 1.2部
を100mlポリ瓶に計り込み、撹拌機で混合し、1μmのフィルターを用いて粗粒を濾過し、シアン色記録液を調製した。
【0061】
次に、このシアン色記録液と、実施例1で得たイェロー色記録液及びマゼンタ色記録液とを用い、実施例1と同様にして、ブルー、グリーンのカラー画像を得、次いで同様にこのカラー画像を測色し、色相角H* を求めた。
【0062】
測色結果を表−1に示すが、これらのカラー画像は、後記した比較例2のブルー、グリーンのカラー印刷に比べ、ブルー、グリーン色それぞれで彩度C* が高く、しかもブルー色及びグリーン色間の色域△H* が大きいことから、色相域が広く、高い演色性が得られることがわかった。
【0063】
実施例5
フタルイミドメチル銅フタロシアニンがカルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆された水性分散液の製造
実施例4と同様に、(1)フタルイミドメチル銅フタロシアニン分散工程、(2)酸析工程、(3)濾過及び水洗工程を実施した後、(4)中和及び水性媒体への再分散工程において、10%水酸化ナトリウム水溶液の代わりにジメチルエタノールアミンを用いた以外は実施例4と同様にして、フタルイミドメチル銅フタロシアニンがカルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆された水性分散液を得た(これを「B−2」とする)。
【0064】
シアン色記録液の調製
水性分散液(B−1)26.7部の代わりに水性分散液(B−2)26.7部を用いた以外は実施例4のシアン色記録液の調製方法と同様にして、シアン色記録液を調製した。
【0065】
次に、このシアン色記録液と、実施例1で得たイェロー色記録液及びマゼンタ色記録液とを用い、実施例1と同様にして、ブルー、グリーンのカラー画像を得、次いで同様にこのカラー画像を測色し、色相角H* を求めた。
【0066】
測色結果を表−1に示すが、これらのカラー画像は、後記した比較例2のブルー、グリーンのカラー印刷に比べ、ブルー、グリーン色それぞれで彩度C* が高く、しかもブルー色及びグリーン色間の色域△H* が大きいことから、色相域が広く、高い演色性が得られることがわかった。
【0067】
実施例6
o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンがカルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆された水性分散液の製造
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1)の代わりに、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニン(IM−2)を使用した以外は実施例4と同様にして、不揮発分が22.5%のo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンがカルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆された水性分散液を得た(これを「B−3」とする)。
【0068】
シアン色記録液の調製
水性分散液(B−1)26.7部の代わりに水性分散液(B−3)26.7部を用いた以外は実施例4のシアン色記録液の調製方法と同様にして、シアン色記録液を調製した。
【0069】
次に、このシアン色記録液と、実施例1で得たイェロー色記録液及びマゼンタ色記録液とを用い、実施例1と同様にして、ブルー、グリーンのカラー画像を得、次いで同様にこのカラー画像を測色し、色相角H* を求めた。
【0070】
測色結果を表−1に示すが、これらのカラー画像は、後記した比較例2のブルー、グリーンのカラー印刷に比べ、ブルー、グリーン色それぞれで彩度C* が高く、しかもブルー色及びグリーン色間の色域△H* が大きいことから、色相域が広く、高い演色性が得られることがわかった。
【0071】
比較例1
シアン色記録液の調製
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1)4.0部の代わりに、Fastogen Blue TGR(大日本インキ化学工業株式会社製のC.I.Pigment Blue 15:3)4.0部を用いた以外は実施例1のシアン色記録液の調製方法と同様にして、シアン色記録液を調製した。
【0072】
次に、このシアン色記録液と、実施例1で得たイェロー色記録液及びマゼンタ色記録液とを用い、実施例1と同様にして、ブルー、グリーンのカラー画像を得、次いで同様にこのカラー画像を測色し、色相角H* を求めた。測色結果を表−1に示す。
【0073】
比較例2
銅フタロシアニンブルー顔料がカルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆された水性分散液の製造
(1)銅フタロシアニンブルー顔料分散工程
フタルイミドメチル銅フタロシアニン(IM−1)15.0部の代わりに、Fastogen Blue 5412G(大日本インキ化学工業株式会社製のC.I.Pigment Blue 15:4)15.0部を用いた以外は実施例1の(1)銅フタロシアニンブルー顔料分散工程と同様にして、塩基(ジメチルエタノールアミン)で中和されたカルボキシル基含有ビニル系樹脂と銅フタロシアニンブルー顔料から成る水性分散体を得た。
【0074】
次いで、この水性分散体を用いた以外は実施例1と同様に、(2)酸析工程、(3)濾過及び水洗工程、(4)中和及び水性媒体への再分散工程を順次実施して、カルボキシル基含有ビニル系樹脂で被覆された銅フタロシアニンブルー顔料の水性分散液を得た(これを「B−1′」とする)。
【0075】
シアン色記録液の調製
水性分散液(B−1)26.6部の代わりに、水性分散液(B−1′)26.6部を用いた以外は実施例4のシアン色記録液の調製方法と同様にして、シアン色記録液を調製した。
【0076】
次に、このシアン色記録液と、実施例1で得たイェロー色記録液及びマゼンタ色記録液とを用い、実施例1と同様にして、ブルー、グリーンのカラー画像を得、次いで同様にこのカラー画像を測色し、色相角H* を求めた。測色結果を表−1に示す。
【0077】
【表1】
Figure 0004484171
【0078】
【発明の効果】
本発明のインクジェットプリンター用記録液は、シアン色領域の彩度が高いために、ブルー色領域及びグリーン色領域の演色性が高くなり、染料系記録液のシアン色に近い色相の美しい記録画像が得られる。

Claims (5)

  1. シアン色用着色剤として、フタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを含有することを特徴とするインクジェットプリンター用記録液。
  2. フタルイミドメチル銅フタロシアニンが、フタルイミドメチル基を1分子当たり平均1〜2個有する銅フタロシアニンであり、o−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンが、o−カルボキシベンズアミドメチル基を1分子当たり平均1〜2個有する銅フタロシアニンである請求項1記載のインクジェットプリンター用記録液。
  3. フタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンが、アニオン性基含有有機高分子化合物類で被覆されている請求項1又は2記載のインクジェットプリンター用記録液。
  4. アニオン性基含有有機高分子化合物類が、酸価30〜150KOHmg/gのカルボキシル基含有有機高分子化合物類である請求項3記載のインクジェットプリンター用記録液。
  5. アニオン性基の一部又は全部を塩基性化合物で中和して水溶性化したアニオン性基含有有機高分子化合物類と水性媒体との混合液中にフタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを分散させた後、酸性化合物を加えてアニオン性基含有有機高分子化合物類を析出させることによりフタルイミドメチル銅フタロシアニン及び/又はo−カルボキシベンズアミドメチル銅フタロシアニンを被覆する請求項3又は4記載のインクジェットプリンター用記録液。
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