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JP4469079B2 - 車両用自動変速装置 - Google Patents

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JP4469079B2
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義幸 青山
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用自動変速装置、特に、エンジンに自動クラッチを介して接続された自動変速機と、前記エンジンの出力を制御するエンジン用アクチュエータと、前記自動クラッチの断接を制御するクラッチ用アクチュエータと、前記自動変速機の変速段切換を制御する変速用アクチュエータと、前記各アクチュエータの作動を制御する制御ユニットを備えた車両用自動変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用自動変速装置は、例えば実開昭61−139830号公報に示されていて、前記各アクチュエータの作動が前記制御ユニットにより連係制御されて前記自動変速機(トランスミッション)の変速が自動的に行われ、前記自動変速機の変速時にはアクセルペダルの踏込量に拘らず前記エンジンの出力が設定制御モードにて減少制御(車両の加速度を小さくするためのG抜き制御)された後に前記自動クラッチが断制御され、前記自動変速機の非変速時には前記エンジンの出力がアクセルペダルの踏込量に応じて制御されるようになっている。このため、自動変速機の変速に際して実行される自動クラッチの断動作時にエンジン回転が吹き上がる不具合は解消される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した設定制御モードが可変でなければ、エンジンの出力は常に同じモード(減少制御速度)にて減少制御される。このため、エンジンの出力を急に減少させるように設定する(減少制御速度を大きな値に設定する)と、車両の加速度変化が大きくて、乗員に不快感を与えるおそれがある。一方、エンジンの出力を緩やかに減少させるように設定する(減少制御速度を小さな値に設定する)と、車両の加速度変化が小さくて変速時間が増大し、車両操作性が低下するおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題を解決するために、エンジンに自動クラッチを介して接続された多段の自動変速機と、前記エンジンの出力を制御するエンジン用アクチュエータと、前記自動クラッチの断接を制御するクラッチ用アクチュエータと、前記自動変速機の変速段切換を制御する変速用アクチュエータと、前記各アクチュエータの作動を制御する制御ユニットを備え、前記各アクチュエータの作動が前記制御ユニットにより連係制御されて前記自動変速機の変速が自動的に行われ、前記自動変速機の変速時には前記エンジンの出力が設定制御モードにて減少制御された後に前記自動クラッチが断制御され、前記自動変速機の非変速時には前記エンジンの出力がアクセルペダルの踏込量に応じて制御されるようにした車両用自動変速装置において、低変速段にて前記自動変速機の変速が行われるときには、前記設定制御モードによる減少制御の速度が車両の加速度に基づいて可変で設定されるようにして、車両加速度が大きいときには、前記設定制御モードによる減少制御速度が車両加速度に基づいて大きな値に設定され、車両加速度が小さいときには、設定制御モードによる減少制御速度が車両加速度に基づいて小さな値に設定されるようにしたこと(請求項1に係る発明)に特徴がある。
【0005】
この場合において、高変速段にて前記自動変速機の変速が行われるときには、前記設定制御モードによる減少制御の速度が前記アクセルペダルの踏込量に基づいて設定されるようにしたこと(請求項2に係る発明)に特徴がある。
【0006】
また、前記自動変速機が自動変速モードまたは手動変速モードにて変速可能である場合には、自動変速モードにて前記自動変速機の変速が行われるときに設定される前記減少制御の速度が手動変速モードにて前記自動変速機の変速が行われるときに設定される前記減少制御の速度に比して小さな値に設定されるようにすること(請求項3に係る発明)が望ましい。
【0007】
【発明の作用・効果】
本発明による車両用自動変速装置(請求項1に係る発明)においては、低変速段にて自動変速機の変速が行われるとき、設定制御モードによる減少制御の速度が車両の加速度に基づいて設定される。しかも、車両加速度が大きいときには、設定制御モードによる減少制御速度が車両加速度に基づいて大きな値に設定される。したがって、自動変速機の変速時間短縮が優先されて、車両の加速性を優先した素早い変速が行われる。また、車両加速度が小さいときには、設定制御モードによる減少制御速度が車両加速度に基づいて小さな値に設定される。したがって、自動変速機の変速時間短縮が優先されず、乗員に不快感を与えない滑らかな変速が行われる。
【0008】
また、本発明による車両用自動変速装置(請求項2に係る発明)においては、低変速段にて自動変速機の変速が行われるとき、上記した本発明による車両用自動変速装置(請求項1に係る発明)と同様の作用が得られて、上記した本発明による車両用自動変速装置(請求項1に係る発明)と同様の効果が得られる。
【0009】
一方、高変速段にて自動変速機の変速が行われるときには、設定制御モードによる減少制御の速度がアクセルペダルの踏込量に基づいて設定される。したがって、高変速段では低変速段と比較して、車両の加速度が小さくて同加速度の計測値がノイズの影響をうけやすく、制御精度を確保し難くなるところを、アクセルペダルの踏込量に基づいて設定制御モードによる減少制御速度が設定されるようにすることで、制御精度を確保することができる。
【0010】
また、本発明による車両用自動変速装置(請求項3に係る発明)においては、自動変速モードにて自動変速機の変速が行われるときに設定される減少制御の速度が手動変速モードにて自動変速機の変速が行われるときに設定される減少制御の速度に比して小さな値に設定される。したがって、自動変速モードでの自動変速機の変速では、滑らかな変速が行われ、手動変速モードでの自動変速機の変速では、機敏な変速が行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は車両の駆動系を概略的に示していて、この駆動系では、エンジン10の出力部(クランクシャフト)に組付けた自動クラッチ20と、この自動クラッチ20を介してエンジン10に接続されている自動変速機30が、図3に示したシフトレバー41の操作に応じて電気制御装置50によって作動を制御されるようになっている。
【0012】
エンジン10は、エンジン用電動アクチュエータ11によって開閉されるスロットルバルブ12を備えていて、エンジン用電動アクチュエータ11が電気制御装置50によって作動を制御されることにより出力が制御されるようになっている。また、エンジン10には、スロットルバルブ12の作動位置(すなわちバルブ開度)を検出するスロットルセンサS12が設けられていて、このスロットルセンサS12からの検出信号が電気制御装置50に入力するように、スロットルセンサS12が電気制御装置50に接続(図示省略)されている。
【0013】
自動クラッチ20は、クラッチ用電動アクチュエータ21によって揺動されるクラッチレバー22を備えていて、クラッチ用電動アクチュエータ21が電気制御装置50によって作動を制御されることによりクラッチレバー22の揺動が制御されて、機械式(乾燥単板式)の摩擦クラッチ23の断・接(動力伝達の断続)が制御されるようになっている。また、自動クラッチ20には、クラッチレバー22の揺動位置(すなわち摩擦クラッチ23の係合状態)を検出するクラッチ係合センサS21が設けられていて、このクラッチ係合センサS21からの検出信号が電気制御装置50に入力するように、クラッチ係合センサS21が電気制御装置50に接続(図示省略)されている。
【0014】
自動変速機30は、図1及び図2に示したように、入力軸31と出力軸32を備えるとともに、3対(6個)の変速ギヤ列(G1〜G5とGr)と3個のスリーブ33,34,35を備えた前進5段・後進1段の平行軸歯車式変速機であり、入力軸31にて摩擦クラッチ23の出力部(クラッチディスク)に動力伝達可能に連結され、出力軸32にて車軸(図示省略)に動力伝達可能に連結されていて、シフト操作機構40の作動に応じて各スリーブ33,34,35が軸方向に移動することにより特定の変速ギヤ列(変速段)にて動力伝達可能となっている。また、変速機30には、出力軸32の回転数(車両の速度に相当する)を検出する回転センサS32が設けられていて、この回転センサS32からの検出信号が電気制御装置50に入力するように、回転センサS32が電気制御装置50に接続(図示省略)されている。
【0015】
図2の右方に配置された対の変速ギヤ列では、1速のギヤ列G1と4速のギヤ列G4が対向して設けられていて、これらの間にはスリーブ33が設けられている。また、図2の中央に配置された対の変速ギヤ列では、2速のギヤ列G2と5速のギヤ列G5が対向して設けられていて、これらの間にはスリーブ34が設けられている。また、図2の左方に配置された対の変速ギヤ列では、3速のギヤ列G3とリバースのギヤ列Grが対向して設けられていて、これらの間にはスリーブ35が設けられている。
【0016】
シフト操作機構40は、図3に示したシフトパターンに沿って操作されるシフトレバー41を備えるとともに、スリーブ33を軸方向に押動する電動アクチュエータ42とシフトフォーク43、スリーブ34を軸方向に押動する電動アクチュエータ44とシフトフォーク45、及びスリーブ35を軸方向に押動する電動アクチュエータ46とシフトフォーク47を備えていて、各電動アクチュエータ42,44,46は電気制御装置50によって作動を制御されるようになっている。なお、各電動アクチュエータ42,44,46は、減速機付モータと、このモータによって回転駆動されるピニオンと、このピニオンに噛合して各シフトフォーク43,45,47と一体的にシフト移動するラックによって構成されている。
【0017】
また、シフト操作機構40には、各スリーブ33,34,35の移動位置(すなわち各ギヤ列での動力断続状態)を検出する各センサS42,S44,S46が設けられていて、これら各センサS42,S44,S46からの検出信号が電気制御装置50に入力するように、各センサS42,S44,S46が電気制御装置50に接続(図示省略)されている。
【0018】
また、シフトレバー41の各シフト位置(Nレンジ,Rレンジ,Dレンジ,Mレンジ,+レンジ,−レンジ)には、図3に示したように、シフトレバー41の操作位置を検出する各センサSN,SR,SD,SM,S1,S2が設けられていて、これら各センサSN,SR,SD,SM,S1,S2からの検出信号が電気制御装置50に入力するように、各センサSN,SR,SD,SM,S1,S2が電気制御装置50に接続(図示省略)されている。
【0019】
センサSNはシフトレバー41がNレンジ(エンジン10の駆動力を変速機30の出力軸32に動力伝達不能なニュートラルレンジ)に操作されたことを検出するセンサである。また、センサSRはシフトレバー41がRレンジ(リバースのギヤ列Grにて動力伝達可能なリバースレンジ)に操作されたことを検出するセンサである。また、センサSDはシフトレバー41がDレンジ(自動変速モードで1速〜5速のギヤ列G1〜G5にて動力伝達可能なドライブレンジ)に操作されたことを検出するセンサである。
【0020】
また、センサSMはシフトレバー41がMレンジ(手動変速モードで1速〜5速のギヤ列G1〜G5にて動力伝達可能なマニュアルレンジ)に操作されたことを検出するセンサである。また、センサS1はシフトレバー41が+レンジ(シフトアップしたギヤ列にて動力伝達可能なアップレンジ)に操作されたことを検出するセンサである。また、センサS2はシフトレバー41が−レンジ(シフトダウンしたギヤ列にて動力伝達可能なダウンレンジ)に操作されたことを検出するセンサである。
【0021】
電気制御装置50は、周知のマイクロコンピュータを主要部とするものであり、図1に示したアクセルセンサS60(アクセルペダル60の踏込量を検出するセンサ)からの検出信号と、自動変速機30の出力軸32の回転数を検出する回転センサS32からの検出信号を受信するとともに、各電動アクチュエータ11,21,42,44,46によって駆動される各部材の位置を検出する各センサS12,S21,S42,S44,S46からの検出信号と、シフトレバー41の各シフト位置(Nレンジ,Rレンジ,Dレンジ,Mレンジ,+レンジ,−レンジ)への操作状態を検出する各センサSN,SR,SD,SM,S1,S2からの検出信号を受信して、図4および図5のフローチャートに対応したプログラムの実行(イグニッションスイッチがONであるとき所定の微小時間毎に繰り返し実行される)により、各センサからの検出信号に応じて各電動アクチュエータ11,21,42,44,46の作動を制御するようになっている。
【0022】
次に、上記のように構成した本実施形態の作動を図4および図5のフローチャートを参照して説明する。車両が変速中でない状態(電気制御装置50にて目標変速段を変える変速指令信号が出ていない非変速時)では、クラッチON(係合状態)で目標変速段と実変速段が同じであるため、図4のステップ101にて「Yes」と判定されて、ステップ102のサブルーチン「エンジン出力制御」が実行される。
【0023】
ステップ102における「エンジン出力制御」のサブルーチンでは、アクセルペダル60の踏込量(アクセルセンサS60によって検出される)に応じて、スロットルバルブ12の開度がエンジン用電動アクチュエータ11の作動によって制御されて、エンジン10の出力が制御される。
【0024】
ステップ104では現状の変速段が低変速段(前進の1段または2段)か否かが判定され、各ステップ105,106では自動変速機30の変速モードが自動か否かが判定される。また、ステップ107では低変速段・自動変速モードでのG抜き制御速度(スロットルバルブ12の開度を設定制御モードに従って減少させてエンジン10の出力を減少させる制御時の速度)が車両の加速度Gに基づいて演算され、ステップ108では低変速段・手動変速モードでのG抜き制御速度が車両の加速度Gに基づいて演算される。一方、ステップ109では高変速段・自動変速モードでのG抜き制御速度がアクセルペダル60の踏込量θに基づいて演算され、ステップ108では高変速段・手動変速モードでのG抜き制御速度がアクセルペダル60の踏込量θに基づいて演算される。
【0025】
ところで、ステップ107にて演算されるG抜き制御速度fga(G)の値は、ステップ109にて演算されるG抜き制御速度faa(θ)の値に略等しく、ステップ108にて演算されるG抜き制御速度fgm(G)の値より所定量小さい値(遅い速度)とされている。また、ステップ108にて演算されるG抜き制御速度fgm(G)の値は、ステップ110にて演算されるG抜き制御速度fam(θ)の値に略等しくされている。
【0026】
一方、車両が変速中である状態(クラッチOFFまたは目標変速段と実変速段が同じでない変速時)では、図4のステップ101にて「No」と判定されて、ステップ111が実行される。ステップ111の実行時にG抜き制御が完了していないとき(後述するステップ112の目標スロットル開度が更新されているとき)には、ステップ111にて「No」と判定されてステップ112,113が実行され、G抜き制御が完了しているとき(後述するステップ112の目標スロットル開度が設定下限値に更新されたとき)には、ステップ111にて「Yes」と判定されてステップ200のサブルーチン「変速制御」が実行される。
【0027】
ステップ112では、設定制御モード(エンジン10の出力をステップ107,108,109,110にて予め設定した速度で減少制御させるもの)に基づいて目標スロットル開度が演算されて設定下限値になるまで順次更新される。また、ステップ113では、スロットルバルブ12がエンジン用電動アクチュエータ11の作動によって制御されて、エンジン10の出力が目標スロットル開度に応じて制御される。
【0028】
一方、図5に示した「変速制御」のサブルーチンでは、ステップ201にてシフト抜き完了前か否かが判定され、ステップ202にてクラッチ断完了前か否かが判定される。また、ステップ203にてクラッチ断制御が実行され、ステップ204にてスロットル閉じ制御が実行される。また、ステップ205にてクラッチ断維持制御が実行され、ステップ206にてシフト抜き制御が実行され、ステップ207にてスロットル低開維持制御が実行される。ステップ201では、各センサS21,S42,S44,S46からの検出信号に基づいて自動クラッチ20が断動作を完了し自動変速機30がニュートラル状態とされているか否かが判定される。ステップ202では、センサS21からの検出信号に基づいて自動クラッチ20が断動作を完了したか否かが判定される。
【0029】
また、ステップ203では、クラッチ用電動アクチュエータ21が断作動して自動クラッチ20が断動作する。ステップ204では、スロットルバルブ12がエンジン用電動アクチュエータ11によって予め設定した閉じ制御モードに従って所定の低開度まで閉じられる。ステップ205では、クラッチ用電動アクチュエータ21が断作動完了状態に維持されて自動クラッチ20が断状態に維持される。ステップ206では、変速用の電動アクチュエータ42,44,46が自動変速機30を動力伝達状態からニュートラル状態とすべく作動してシフト抜きする。ステップ207では、スロットルバルブ12がエンジン用電動アクチュエータ11によって所定の低開度に維持される。
【0030】
また、図5のステップ211にて、シフト入れ完了前か否かが判定され、ステップ212にてクラッチ断維持制御が実行され、ステップ213にてシフト入れ制御が実行され、ステップ214にてスロットル低開維持制御が実行される。また、ステップ215にて、クラッチ係合完了前か否かが判定され、ステップ216にてクラッチ接(係合)制御が実行され、ステップ217にてスロットル復帰制御が実行される。
【0031】
ステップ211では、各センサS42,S44,S46からの検出信号に基づいて自動変速機30が動力伝達状態とされているか否かが判定される。ステップ212では、クラッチ用電動アクチュエータ21が断作動完了状態に維持されて自動クラッチ20が断状態に維持される。ステップ213では、変速用の電動アクチュエータ42,44,46が自動変速機30をニュートラル状態から変速指令によって指示された変速段で動力伝達状態とすべく作動してシフト入れする。ステップ214では、スロットルバルブ12がエンジン用電動アクチュエータ11によって所定の低開度に維持される。
【0032】
また、ステップ215では、センサS21からの検出信号に基づいて自動クラッチ20が係合動作を完了したか否かが判定される。ステップ216では、クラッチ用電動アクチュエータ21が接(係合)作動して自動クラッチ20が接(係合)動作する。ステップ217では、スロットルバルブ12がエンジン用電動アクチュエータ11によって予め設定した復帰制御モードに従ってアクセルペダル60の踏込量に対応する開度まで戻される。
【0033】
したがって、本実施形態においては、自動変速機30の非変速時に図4のステップ101とステップ102が実行されて、エンジン10の出力がアクセルペダル60の踏込量に応じて制御され、自動変速機30の変速時に図4のステップ104以降の各ステップが適宜に実行された後に、ステップ101とステップ111とステップ112とステップ113とステップ200が適宜に実行され、各アクチュエータ11,21,42,44,46の作動が電気制御装置50により連係制御されて自動変速機30の変速(G抜き制御を含む)が自動的に行われる。
【0034】
ところで、変速前の変速段が低変速段(前進の1段または2段)である状態にて自動変速機30の変速が行われるときには、ステップ107またはステップ108にて示したように、設定制御モードによる減少制御の速度(G抜き制御速度)が車両の加速度Gに基づいて可変で設定される。このため、車両加速度Gが大きいときには、設定制御モードによる減少制御速度が車両の加速度Gに基づいて大きな値に設定される。したがって、自動変速機30の変速時間短縮が優先されて、車両の加速性を優先した素早い変速が行われる。また、車両加速度Gが小さいときには、設定制御モードによる減少制御速度が車両の加速度Gに基づいて小さな値に設定される。したがって、自動変速機30の変速時間短縮が優先されず、乗員に不快感を与えない滑らかな変速が行われる。
【0035】
一方、変速前の変速段が高変速段(前進の3段または4段)である状態にて自動変速機30の変速が行われるときには、ステップ109またはステップ110にて示したように、設定制御モードによる減少制御の速度(G抜き制御速度)がアクセルペダル60の踏込量θに基づいて設定される。したがって、高変速段では低変速段と比較して、車両の加速度Gが小さくて同加速度の計測値がノイズの影響をうけやすく、制御精度を確保し難くなるところを、アクセルペダル60の踏込量θに基づいて設定制御モードによる減少制御速度が設定されるようにすることで、制御精度を確保することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、自動変速モードにて自動変速機30の変速が行われるときに設定される減少制御の速度(fga(G)またはfaa(θ))が手動変速モードにて自動変速機の変速が行われるときに設定される減少制御の速度(fgm(G)またはfam(θ))に比して小さな値に設定される。したがって、自動変速モードでの自動変速機30の変速では、滑らかな変速が行われ、手動変速モードでの自動変速機30の変速では、機敏な変速が行われる。
【0037】
上記実施形態においては、図4のステップ104を設けるとともに、ステップ106,109,110を設けて実施したが、車両の加速度Gの計測値が高精度にて得られるような場合には、これらのステップを無くして実施することも可能である。また、上記実施形態においては、エンジン10の出力がスロットルバルブ12の開度に応じて制御される車両に実施したが、エンジン10の出力がスロットルバルブ12の開度以外のもの(例えば、燃料噴射ポンプによる燃料噴射量)に応じて制御される車両にも同様に実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による車両用自動変速装置を採用した車両の駆動系を概略的に示す構成図である。
【図2】 図1に示した自動変速機の構成を概略的に示す構成図である。
【図3】 図1及び図2に示した自動変速機を操作するシフトレバーのためのシフトパターンを示す図である。
【図4】 図1に示した電気制御装置にて実行されるプログラムのフローチャートである。
【図5】 図4に示した変速制御のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン、11…エンジン用電動アクチュエータ、12…スロットルバルブ、20…自動クラッチ、21…クラッチ用電動アクチュエータ、22…クラッチレバー、23…摩擦クラッチ、30…自動変速機、31…入力軸、32…出力軸、33,34,35…スリーブ、G1,G2,G3,G4,G5,Gr…変速ギヤ列、40…シフト操作機構、41…シフトレバー、42,44,46…電動アクチュエータ、43,45,47…シフトフォーク、50…電気制御装置、60…アクセルペダル、S12,S21,S32,S42,S44,S46,SN,SR,SD,S1,S2,S60…センサ。

Claims (3)

  1. エンジンに自動クラッチを介して接続された多段の自動変速機と、前記エンジンの出力を制御するエンジン用アクチュエータと、前記自動クラッチの断接を制御するクラッチ用アクチュエータと、前記自動変速機の変速段切換を制御する変速用アクチュエータと、前記各アクチュエータの作動を制御する制御ユニットを備え、前記各アクチュエータの作動が前記制御ユニットにより連係制御されて前記自動変速機の変速が自動的に行われ、前記自動変速機の変速時には前記エンジンの出力が設定制御モードにて減少制御された後に前記自動クラッチが断制御され、前記自動変速機の非変速時には前記エンジンの出力がアクセルペダルの踏込量に応じて制御されるようにした車両用自動変速装置において、低変速段にて前記自動変速機の変速が行われるときには、前記設定制御モードによる減少制御の速度が車両の加速度に基づいて可変で設定されるようにして、車両加速度が大きいときには、前記設定制御モードによる減少制御速度が車両加速度に基づいて大きな値に設定され、車両加速度が小さいときには、設定制御モードによる減少制御速度が車両加速度に基づいて小さな値に設定されるようにしたことを特徴とする車両用自動変速装置。
  2. 請求項1に記載の車両用自動変速装置において、高変速段にて前記自動変速機の変速が行われるときには、前記設定制御モードによる減少制御の速度が前記アクセルペダルの踏込量に基づいて設定されるようにしたことを特徴とする車両用自動変速装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用自動変速装置において、前記自動変速機が自動変速モードまたは手動変速モードにて変速可能であり、自動変速モードにて前記自動変速機の変速が行われるときに設定される前記減少制御の速度が手動変速モードにて前記自動変速機の変速が行われるときに設定される前記減少制御の速度に比して小さな値に設定されるようにしたことを特徴とする車両用自動変速装置。
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