以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るGPS信号発生装置800の使用態様について説明する。図1は、GPS信号発生装置800が地下に設置され、さらに基地局780,790に接続されている態様を表わす図である。基地局780,790は、たとえばCDMA方式に従ういわゆる2.5世代規格に対応する通信装置、3世代規格に対応する通信装置等が含まれる。3世代規格に対応する装置には、たとえばEV−DO(Evolution-Data Only)仕様に従うデータ通信が可能な装置が含まれるが、上記装置は、その他の仕様に従う装置であってもよい。
図1に示されるように、GPS信号発生装置800は、通信回線890に接続されている。通信回線890には、時刻同期サーバ870が接続されている。通信回線890は、電話回線、イーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)、光通信回線、専用回線、その他の情報通信回線等により実現される。
時刻同期サーバ870は、通信ネットワークを介して、GPS受信装置860に接続されている。GPS受信装置860は、アンテナ850を介して、GPS衛星710から送出されたGPS信号を受信する。GPS衛星710は、たとえば4つのGPS衛星710−1,710−2,710−3,710−4を含む。
図1に示されるGPS衛星710は、一般に使用に供せられている衛星である。したがって、一般の受信機能を有する端末も、各衛星から送出されるGPS信号を受信することができる。たとえば端末720は、アンテナを介して、各衛星から送出される信号を直接受信することができる。
また、端末が屋内に存在する場合にも、当該端末は、中継装置を使用することによりGPS信号を受信できる。たとえば端末730は、アンテナ850に接続されている中継装置740を介して、発信機700により発信されるGPS信号を受信することができる。
図2を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置800を備える通信システムについて説明する。図2は、GPS信号発生装置800のハードウェア構成と当該通信システムの構成とを概念的に表わす図である。
GPS信号発生装置800は、通信インターフェイス820を介して通信回線890に接続されている。時刻同期サーバ870は、モデム812を介して通信回線890に接続されている。時刻同期サーバ870は、GPS受信機860からの時刻情報の入力を受け付ける。時刻同期サーバ870は、後述するように、予め定められた通信条件の成立に応答してGPS信号発生装置800と通信を確立する。時刻同期サーバ870は、GPS信号発生装置800から時刻データの送信要求を受信し、そしてその要求に応答して時刻データをGPS信号発生装置800に送信する。ここで、当該時刻データは、GPS信号発生装置800が備えるクロックの時刻を補正するためのデータである。当該補正のための通信は、例えば以下のようにして行なわれる。すなわち、時刻同期サーバ870は、GPS信号発生装置800からの当該要求の受信時に、要求の伝送のための時間を算出し、通信回線における遅延時間を算出する。時刻同期サーバ870は、この遅延時間を加味した時刻データを生成する。
時刻同期サーバ870には、GPS受信機860が接続されている。GPS受信機860は、アンテナ850を介して、GPS信号を受信する。
さらに、通信回線890には、モデム814を介して保守用の遠隔監視装置880が接続されている。なお、遠隔監視装置880は、常に通信回線890に接続されている必要はない。すなわち予め定められた時間ごとに定期的に接続されてもよいし、あるいは必要に応じて接続されてもよい。遠隔監視装置880は、たとえば通信機能を備えるPC(Personal Computer)により実現される。
GPS信号発生装置800は、CPU(Central Processing Unit)900と、メモリ930と、モデム810と、GPS信号生成部300と、分配器130と、GPS受信機140と、送信機150,152,154,156と、通信インターフェイス820と、保守用ポート830と、LED(Light-Emitting Diode)840と、クロック842とを含む。送信機152には、たとえば基地局780が接続される。送信機154には、たとえば基地局790が接続される。
CPU900は、予め準備されたデータを格納するためのメモリ(図示しない)と、予め定められた処理を実行するためのプロセッサ(図示しない)とを含む。CPU900は、GPS信号発生装置800を構成する他の要素の動作を制御する。CPU900は、また後述するようにGPS受信機140から送出される信号の入力を受けて、GPS信号発生装置800の状態を診断する機能を実行する。たとえば、CPU900は、GPS信号生成部300が予め定められた構造を有するGPS信号を生成しているか否かを判断する。
GPS信号生成部300は、CPU900から送出される信号と、予め格納されているデータとに基づいてGPS信号を生成する。この信号は、一般にGPS衛星から送出される信号と同一の構成を含む。GPS信号生成部300は、予め生成されたC/A(Coarse and Access)コードを使用してデータを符号化して、GPS信号を擬似的に生成する。なお、符号化するためのコードは、C/Aコードだけに限られず、GOLDコードその他のコードであってもよい。
分配器130は、GPS信号生成部300から送出される信号を分配して、送信機150,152,154,156にそれぞれ送出する。各送信機は、ケーブル(図示しない)に接続されている。送信機150,152,154,156は、GPS信号生成部300により生成された擬似的なGPS信号を送信する。
GPS受信機140は、ケーブルを介して送信機156に接続されている。GPS受信機140は、送信機156から送出されたGPS信号を受信する。GPS受信機140は、受信された信号に基づいて予め定められた処理を実行し、その処理の結果をCPU900に出力する。ここで、予め定められた処理とは、たとえばGPS信号に含まれる位置情報に基づいてGPS信号発生装置800の位置を算出するための処理を含む。なお、GPS受信機140と送信機156との接続態様は、ケーブルを介した接続に限られず、たとえば無線通信可能であってもよい。
図3を参照して、本実施の形態に係るGPS信号生成部300の構成について説明する。図3は、GPS信号生成部300の機能的構成を表わすブロック図である。
GPS信号生成部300は、入力部310と、メモリ400と、擬似信号生成部330と、出力部340とを含む。入力部310は、CPU110から送出される信号の入力を受け付ける。メモリ400は、GPS信号生成部300の動作を制御するために必要なデータあるいは後述する擬似信号生成部330の処理に必要なデータを格納する。メモリ400は、たとえば不揮発性のメモリと揮発性のメモリとのいずれか、あるいはいずれをも含んでよい。メモリ400に格納されるデータについては後述する。
擬似信号生成部330は、入力部310を介して入力される指令に応答して、クロック842から送出されるデータと、メモリ400から読み出されるデータとに基づいて、擬似的なGPS信号を生成する。すなわち、擬似信号生成部330は、時刻情報とアルマナック情報とに基づいて擬似的なGPS信号のためのデータを生成する。擬似信号生成部330は、さらに、予め生成されたC/Aコードを使用して、GPS信号のためのデータを符号化する。なお、擬似信号生成部330が使用するコードはC/Aコードに限られずその他のコードであってもよい。生成された信号は、出力部340を介して、GPS信号生成部300の外部に出力される。出力部340は、分配器130と接続され、GPS信号を分配器130に対して送出する。
なお、GPS信号生成部300は、たとえば集積回路として1つの基板に形成される。あるいは、GPS信号生成部300は、各機能を実現するためのプログラムとデータとが格納されているメモリと、当該プログラムとデータとに基づいて後述する各処理を実行するためのCPUとによって、実現してもよい。
図4を参照して、GPS信号生成部300のデータ構造について説明する。図4は、GPS信号生成部300が備えるメモリ400におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
メモリ400は、データを格納するためのデータエリア410〜440を含む。GPS信号発生装置800が設置されている位置の情報は、データエリア410に格納されている。GPS信号発生装置800の作動が開始された時刻情報は、データエリア420に格納されている。
擬似信号生成部330が擬似的なGPS信号を生成するためのデータ、すなわち擬似航法メッセージは、データエリア430に格納されている。擬似航法メッセージは、たとばアルマナックデータを含む。ここで、擬似的なGPS信号とは、GPS衛星により送信されるGPS信号の構成と同様の構成を有する信号をいう。擬似航法メッセージとは、実際のGPS信号に含まれる航法メッセージと同様の構成を有するデータをいう。
補正用時刻データは、領域440に格納されている。当該データは、予め設定された補正処理を実行するタイミングを含む。当該タイミングは、たとえば毎日所定時刻、1週間ごと、1ヶ月ごと等、任意に設定可能である。
図5を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置800が出力する信号について説明する。図5(A)から(D)は、それぞれGPS信号生成部300により生成された擬似的なGPS信号の構造を概念的に表わす図である。
GPS信号生成部300が予め定められた信号生成処理を実行すると、実際のGPS衛星により送出される信号と同一の構成を有する信号が出力される。その信号は、たとえばC/Aコードにより符号化されている。各信号は、それぞれ時刻の同期が取られている。
各信号は、C/Aコードと、航法メッセージとを含む。航法メッセージは、たとえばアルマナックを含むが、これ以外の情報が含まれていてもよい。たとえば、軌道情報、時計の補正値、電離値補正データ、ヘルスデータなどが含まれていてもよい。なお、本実施の形態に係るGPS信号発生装置800は、実際のGPS信号が届かない場所(たとえば地下街あるいは屋内)に対して擬似的な信号を送出するためのものである。したがって、C/Aコード、あるいは航法メッセージには、GPS受信機の作動に必要な項目が少なくとも含まれていればよい。
なお、図5に示される例は、4つの信号が含まれる場合を表わしているが、擬似的に生成される信号の数は、これに限られない。たとえば3つの信号が生成されてもよい。
図6を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置800の制御構造について説明する。図6は、擬似信号生成部330が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
ステップS610にて、擬似信号生成部330は、クロック842から時刻情報を取得する。クロック842の時刻は、たとえば、GPS信号発生装置800の運用が開始された時に、基準となる時刻に合わせられているが、運用中の補正も可能である。たとえば、GPS信号発生装置800による信号の発生を一時的に停止し、その停止中に時刻を補正してもよい。ステップS620にて、擬似信号生成部330は、メモリ400からGPS信号用データを読み出す。
ステップS630にて、擬似信号生成部330は、時刻情報とGPS信号用データとに基づいて4つの衛星分の擬似GPS信号を生成する。生成された信号は、たとえば図5に示されるような構造を有する。すなわち、擬似信号生成部330は、時刻情報とアルマナックデータとをC/Aコードにより符号化することにより、擬似GPS信号用のデータを生成する。各C/Aコードは、たとえば4つの衛星の各々のために予め設定されたものである。
ステップS640にて、擬似信号生成部330は、それぞれの擬似GPS信号を出力する。各信号は、出力部340を介して信号発生装置300の外部に出力される。擬似GPS信号は、分配器130により分配され、送信機150,152,154,156によって送信される。送信機152から送出される信号は、たとえば、CDMA方式に従う基地局780に入力される。
次に、図7を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置800を実現するCPU900の構成について説明する。図7は、CPU900の機能的構成を表わすブロック図である。当該機能は、予め設定されたプログラムプロダクトが実行される場合に実現される。プログラムプロダクトは、外部からGPS信号発生装置800に入力され、たとえばメモリ930に格納される。
CPU900は、入力部902と、設定情報記憶部904と、GPS時刻取得部906と、時刻較正部908と、コマンド検知部910と、状態監視部912と、障害検出部914と、報知信号生成部916と、ログ取得部918と、GPS信号確認部920と、出力部922とを含む。
入力部902は、外部から信号の入力を受け付けて、内部に伝送する。ここで外部とは、CPU900の外部およびGPS信号発生装置800の外部のいずれであってもよい。設定情報記憶部904は、GPS信号発生装置800の動作を制御するためのデータを格納する。この情報は、たとえばGPS信号発生装置800を識別するためのデータ、通信回線890を介した通信処理を開始する時刻等を含む。
GPS時刻取得部906は、通信インターフェイス820を介して外部から入力される信号から、GPS時刻情報を取得する。時刻較正部908は、GPS時刻取得部906により取得された時刻情報に基づいて、GPS信号発生装置800の内部時刻を較正する。
コマンド検知部910は、GPS信号発生装置800の外部から入力される指令に基づいて、GPS信号発生装置800の動作を制御するためのコマンドを検知する。特定のコマンドが検知されると、そのコマンドに応じた動作が実現される。コマンドは、たとえばGPS信号発生装置800の状態を報告する旨の命令、内部時刻を更新するための通信処理を開始する旨の命令等を含む。
状態監視部912は、CPU900に入力される信号に基づいて、GPS信号発生装置800の作動状態を監視する。たとえば、GPS信号生成部300、分配器130、送信機150,152,154,156、GPS受信機140、モデム810などの各要素が正常に作動しているか否かを監視する。当該監視は、たとえば各要素が出力する信号と、当該要素が正常に作動する場合に出力されるべき信号とを比較することにより行われる。あるいは、状態監視部912は、各要素から出力される信号が、異常時に出力されるように予め定められた信号であるか否かを逐次判断することにより、GPS信号発生装置800の作動状態を監視する。また、状態監視部912は、GPS信号発生装置800が正常に作動していることを表わす信号あるいは正常に作動していないことを表わす信号を、監視結果として出力する。
障害検出部914は、状態監視部912による監視の結果に基づいて、GPS信号発生装置800の内部に異常が生じたか否かを検出する。この検出は、たとえば各要素が正常に作動する場合に出力される信号値を予め設定情報記憶部904に格納しておき、それとは別に逐次入力される信号値とを比較することにより実現される。
報知信号生成部916は、GPS信号発生装置800の作動状態を通知するための報知信号を生成する。ここで通知される状態は、GPS信号生成部300その他の要素が正常に作動しているか否か、GPS信号発生装置800は時刻の較正中であるか否かなどを含む。
ログ取得部918は、GPS信号発生装置800の作動状態を表わすためのデータを取得する。このデータは、GPS信号発生装置800が、正常に作動している場合に取得される信号値、より特定的には、たとえばGPS信号生成部300が擬似的なGPS信号を正常に生成しているか否かを表わすデータなどを含む。取得されたデータは、たとえばメモリ900その他のデータ記憶手段に格納される。これにより、GPS信号発生装置800は、稼動時の履歴を保存するため、異常が発生した場合の原因の分析、稼動状況の遠隔監視等を容易に実現することができる。
GPS信号確認部920は、GPS受信機140によって受信された信号に基づいて、GPS信号生成部300によって擬似的に生成された信号が正常なものであるか否かを判断する。たとえば、受信信号が航法メッセージを含まない場合、あるいは時刻情報が本来あるべき時刻に比べて明らかに異なっている場合には、GPS信号確認部920は、GPS信号生成部300により生成された信号は誤った信号であると判断する。
出力部922は、GPS信号生成部300に対して、GPS信号生成部300の動作を制御するための指令を出力する。当該指令は、たとえば、擬似GPS信号の生成を一時的に中断する旨の指令、その中断を終了して信号の生成を再開する旨の指令等を含む。また、GPS信号発生装置800の外部にデータを出力するためのポートが接続されている場合には、出力部922は、当該ポートに対して、データを送出する。
図8を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置800の制御構造について説明する。図8は、CPU900が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。当該処理も、図7に示される制御構造と同様、メモリ930その他の記憶手段に予め格納されているプログラムプロダクトが実行されることにより実現される。なお、以降の説明においても、CPUにより実現される処理は、同様である。
ステップS1010にて、GPS信号発生装置800のCPU900は、時刻の較正時期の到来を検知する。当該検知は、たとえば予め定められた時間ごとあるいは外部から入力される較正指示に基づいて行なわれる。たとえば更新タイミングが予め設定されている場合には、その時期の到来が較正時期の到来となる。あるいは前回較正のための通信時に、次回の較正時期を表わすデータが受信されている場合には、そのときに受信されたデータにより定められた更新年月日が、その更新時期となる。なお、このように更新時期を表わす情報は、時刻同期サーバ870にも格納される。したがって、その時期に更新処理が実行されない場合には、時刻同期サーバ870は、GPS信号発生装置800あるいは通信回線に異常が発生していることを検知することができる。
ステップS1020にて、CPU900は、時刻同期サーバ870への接続処理を開始する。たとえばCPU900は、モデム810と通信インターフェイス820を介して、時刻同期サーバ870に対する接続のための信号を出力する。時刻同期サーバ870は、GPS信号発生装置800から送出される信号の受信に応答して、予め定められた接続のための処理を実行する。当該処理は、たとえばGPS信号発生装置800を識別するためのID(Identification)とパスワードとを用いた認証処理を含む。
ステップS1030にて、CPU900は、時刻同期サーバ870から送出される信号の受信に応答して、当該信号に基づいて時刻同期サーバ870との接続が確立されたか否かを判断する。CPU900が、その接続は確立されたと判断すると(ステップS1030にてYES)、処理はステップS1070に移される。そうでない場合には(ステップS1030にてNO)、処理はステップS1040に移される。
ステップS1040にて、CPU900は、予め定められた再接続のための処理を実行する。たとえばCPU900は、接続が失敗したことを検知した後予め定められた時間後に、接続要求を表わす信号を時刻同期サーバ870に再び送信する。
ステップS1050にて、CPU900は、時刻同期サーバ870との接続が確立されたか否かを判断する。この判断は、たとえばステップS1030における処理と同様にして実行される。CPU900が、その接続は確立されたと判断すると(ステップS1050にてYES)、処理はステップS1070に移される。そうでない場合には(ステップS1050にてNO)、処理はステップS1060に移される。
ステップS1060にて、CPU900は、時刻同期サーバ870との接続が失敗したことを通知する。たとえばCPU900は、通信回線890に接続されている遠隔監視装置880に対して、時刻同期のための処理が失敗したことを表わす情報を送信する。あるいは、CPU900は、LED840に対して、接続失敗を通知するための信号を送出する。LED840は、そのような信号に応じて、予め定められたインジケータを点灯させる。このようにして、予め定められた時刻同期処理の実行が失敗した場合にも、その失敗が報知されるため、GPS信号発生装置800の管理者は、必要な措置を速やかにとることができる。
ステップS1070にて、CPU900は、時刻同期サーバ870に対して、GPS時刻の送信依頼を表わす信号を出力する。この信号は、データ項目として、たとえばGPS時刻の送信先すなわちGPS信号発生装置800のネットワークアドレス、当該依頼の出力時刻などを含む。
ステップS1080にて、CPU900は、時刻同期サーバ870からGPS時刻を受信する。CPU900は、当該GPS時刻の受信に応答して、伝送路における遅延時間を算出する。たとえば、GPS信号発生装置から時刻同期サーバ870への信号送信に要する時間と、時刻同期サーバ870からGPS信号発生装置800への信号送信に要する時間との平均値が、遅延時間として使用される。この遅延時間は、GPS信号発生装置800の内部の時刻を補正する際に使用される。すなわち、GPS信号発生装置800は、当該遅延時刻が反映されたGPS時刻に基づいて、内部のクロックを補正する。なお、時刻同期サーバ870から送信されるデータは、GPS時刻に加えて、たとえば次の補正時期すなわち、次回GPS時刻を送信するタイミングを表わす情報を含む。したがって、GPS信号発生装置800と時刻同期サーバ870とが常に接続されていない場合であっても、GPS信号発生装置800は、当該情報に基づいて、時刻を補正するための処理を実行することができる。
ステップS1090にて、CPU900は、当該GPS時刻に基づいてクロック842の時刻を較正する。これにより、GPS信号発生装置800の内部時刻は、GPS衛星から実際に発信される時刻に同期するため、GPS信号発生装置800は、その時刻精度を維持することができる。
以上のようにして、本実施の形態に係るGPS信号発生装置800によると、内部時刻を較正するために必要な接続処理が実行され、実際のGPS信号に含まれる時刻情報の取得が開始される。GPS信号発生装置800は、その時刻情報に基づいて内蔵するクロックの時刻を較正する。このようにすると、GPS信号生成部300は、実際にGPS衛星から送出される信号に含まれる時刻情報と同一の時刻情報に基づいて擬似的なGPS信号を生成し、発信することができる。したがって、実際のGPS信号が受信できないエリアに存在する端末も、実際の時刻を受信することができるため、端末が実行可能なアプリケーションソフトウェアを正確に実行することができる。
また、本実施の形態に係るGPS信号発生装置800によると、GPS衛星から送信されたGPS信号の受信ができないエリア(たとえば屋内、地下等)においても、GPS機能を有する受信機は、当該機能を実行することができる。すなわち、当該エリアの受信範囲に存在する受信機は、擬似GPS信号を受信することにより、当該エリアについて予め定められた位置情報を取得することができる。したがって、受信機の利用者が発信する場合には、受信機が当該位置情報を発信信号に含めることにより、受信機は、受信機自身の位置を特定する情報を、送信することができる。その結果、たとえば緊急通報が行なわれる場合には、予め位置が特定されている固定電話による従来の緊急通報と同様に、発信者の位置を報知することができる。
<第1の変形例>
以下、本実施の形態の第1の変形例について説明する。本変形例に係るGPS信号発生装置は、外部から入力されるデータに基づいて設定を変更する機能を有する点で、第1の実施の形態に係るGPS信号発生装置と異なる。当該設定の変更は、たとえば時刻を較正するタイミングの変更、後述するGPS信号発生装置の稼動の履歴を送信するタイミングの変更、稼動履歴として記録されるべき項目の変更等を含む。
なお、本変形例に係るGPS信号発生装置のハードウェア構成は、図2に示されるGPS信号発生装置800と同一の構成を有する。それらの機能も同じである。したがって、当該構成の説明は、ここでは繰り返さない。
図9を参照して、本変形例に係るGPS信号発生装置の制御構造について説明する。図9は、CPU900が実行される処理の手順を表わすフローチャートである。
ステップS1110にて、CPU900は、通信回線890に接続されている遠隔監視装置880との接続を確立する。この接続の確立は、たとえば前述の処理(図8におけるステップS1020)のように、GPS信号発生装置800と時刻同期サーバ870との間で行なわれた処理と同様にして実現される。
ステップS1120にて、CPU900は、遠隔監視装置880から遠隔操作のための開始コマンドの入力を受け付ける。当該コマンドが入力されると、GPS信号発生装置の状態を遠隔設定可能な状態に設定される。すなわち、外部から入力されるコマンドを受け付け可能な状態になり、そのコマンドに含まれるデータに基づいてシステム設定が有効な状態に変更される。
ステップS1140にて、CPU900は、遠隔監視装置880から設定情報を受信する。ステップS1150にて、CPU900は、設定情報に基づいてGPS信号発生装置800の設定を変更する。変更のために入力されるデータは、GPS信号発生装置800のメモリに不揮発的に格納される。
ステップS1160にて、CPU900は、変更の完了を通知する。たとえばCPU900は、遠隔監視装置880に対して、指示された設定変更が有効に実行されたことを表わす情報を生成し出力する。ステップS1170にて、CPU900は、遠隔監視装置880との接続を遮断する。
以上のようにして、本変形例に係るGPS信号発生装置は、外部からのアクセスに応じて、GPS信号発生装置自身の動作条件の設定を変更することができる。この変更は、内部時刻の同期、履歴の送信、あるいは擬似GPS信号の監視のような予め定められた処理が実行される時刻の変更、履歴として取得の対象となる情報の変更等を含む。
このようにすると、GPS信号発生装置が作動する条件を遠隔制御することができるため、GPS信号発生装置の管理が容易になる。たとえば、複数のGPS信号発生装置が使用されるような環境においても、一括した管理が可能になる。
なお、図9に示されるフローチャートは、1つのコマンドの入力に応じて実行される処理の手順を表わしているが、複数のコマンドが入力される場合も同様の処理が実行される。この場合、GPS信号発生装置と遠隔装置との接続が遮断される前に、コマンドの受信が完了しているか否かの確認が行なわれる。その受信が完了していない場合には、次のコマンドの入力が待機され、必要なコマンドデータの通信が実行される。
<第2の変形例>
以下、本実施の形態の第2の変形例について説明する。本変形例に係るGPS信号発生装置は、履歴の記録機能と、障害の検出機能とを有する点で、前述の各実施の形態の異なる。ここで、履歴は、GPS信号発生装置800が正常に作動している場合および異常が発生している場合のいずれをも含む。また、履歴は、さらに、GPS信号発生装置の各構成要素ごとの動作の履歴であってもよい。
なお、本変形例に係るGPS信号発生装置のハードウェア構成は、図2に示されるGPS信号発生装置800と同一の構成を有する。それらの機能も同じである。したがって、当該構成の説明は、ここでは繰り返さない。
図10を参照して、本変形例に係るGPS信号発生装置800の制御構造について説明する。図10は、CPU900が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。この処理は、GPS信号発生装置800の状態を監視するための処理であり、当該処理の実行が有効に設定されている場合には、継続して実行される。
ステップS1210にて、CPU900は、GPS信号生成部300に対して状態通知信号の送信指示を出力する。ここで状態通知信号とは、GPS信号生成部300の作動状態を表わすためのデータが含まれる信号をいう。
ステップS1220にて、CPU900は、GPS信号生成部300から状態通知信号を受信する。ステップS1230にて、CPU900は、その信号からGPS信号生成部300の状態を表わすデータを取得する。この状態は、GPS信号生成部300が正常に作動している状態、作動していない状態、動作が不安定な状態などを含む。
ステップS1240にて、CPU900は、障害がGPS信号生成部300に発生しているか否かを判断する。なお、ここでは判断の対象はGPS信号生成部300であるが、その他の構成要素であってもよい。CPU900が、障害はGPS信号生成部300に発生していると判断すると(ステップS1240にてYES)、処理はステップS1250に移される。そうでない場合には(ステップS1240にてNO)、処理はステップS1280に移される。
ステップS1250にて、CPU900は、障害発生時のログを取得する。取得されるログに含まれる項目ついては、後述する。ステップS1260にて、CPU900は、メモリ930に取得したログを格納する。この格納の態様は、後述する。
ステップS1270にて、CPU900は、障害の発生を通知するための信号を生成する。この信号は、障害の発生日時、障害を特定するために予め定められたエラーコードなどを含む。
ステップS1280にて、CPU900は、GPS信号生成部300が正常に作動していることを通知するための信号を生成する。なお、デフォルトの状態が正常であることが一般的であることから、ステップS1280における処理は実行されなくてもよい。この場合、すなわちステップS1240にてNOの場合には、処理は、ステップS1290に移されたり、あるいは終了することになる。
ステップS1290にて、CPU900は、生成された信号を送出する。GPS信号発生装置800が通信回線890に接続されている場合には、稼動情報は、通信回線890に接続された遠隔監視装置880に通知される。より特定的には、たとえばGPS信号発生装置800が通信回線890に常時接続されている場合には、予め定められた時間ごと、あるいは障害の発生時に、稼動情報が報告される。あるいは、GPS信号発生装置800と通信回線890との通信が確立されていない場合には、予め定められた時間ごと、あるいは障害の発生に応答して、通信が確立され、その後、稼動情報が報告される。
ここで、図11を参照して、本変形例に係るGPS信号発生装置800のデータ構造について説明する。図11は、GPS信号発生装置800が備えるメモリ930におけるデータの格納の態様を概念的に表わす図である。
メモリ930は、データが格納される領域1310〜1350を含む。エラーコードを表わすためのデータは、領域1310に格納されている。GPS信号生成部300の状態を表わすためのデータは、領域1320に格納されている。エラーコードの属性を表わすためのデータは、領域1322に格納されている。ここで属性とは、たとえばエラーコードに対応する異常を報知する優先度であるが、これに限られない。検知されたエラーの重要度が低い場合は、当該優先度は「低」を表わすデータとして設定される。この場合、当該エラーの発生は、すぐには報知されない。このように、エラーの種類を階層的に分類することにより、速やかに対策すべきエラーとそうでないエラーとの切り分けが可能になる。
GPS信号生成部300の作動状態の監視により取得されたデータは、逐次生成され、そして順次格納される。たとえば生成されたログを特定するためのログ番号は、領域1330に格納される。ログが取得された時刻データは、領域1340に格納される。発生が検出された障害を表わすためのエラーコードは、領域1350に格納される。領域1350に格納されるコードは、予め準備されて領域1310に格納されているデータである。
ここで、たとえばログ番号「001」のデータレコードR1370は、2004年11月11日17時00分に生成されている。すなわち、GPS信号生成部300において、その日に障害が生じたことが記録されている。このときに検知された状態はエラーコード「E001」として記録されている。データレコードR1370は、GPS信号生成部300において、本来出力されるべき擬似的なGPS信号が出力されていなかったことを表わす。
なお、GPS信号発生装置800の履歴を記録するためのマスタデータおよび当該履歴を表わすデータの格納の態様は、図11に示される態様に限られない。
以上のようにして、本変形例に係るGPS信号発生装置800は、GPS信号生成部300における作動状態を逐次監視し、障害の発生を検知する。障害の発生が検知された場合には、その発生時刻と状態とが関連付けられてメモリ930その他の内部の記憶手段に格納される。このようにすると、GPS信号発生装置800の動作の記録を逐次取得することができるため、GPS信号発生装置800を遠隔地から監視している場合であっても、障害の対策に必要な措置を容易に講ずることができる。
<第3の変形例>
以下、本実施の形態の第3の変形例について説明する。本変形例に係るGPS信号発生装置は、自らが発信した信号に基づいて自己の稼動状態を判断する機能を有する点で、前述の各装置と異なる。すなわち、本変形例に係るGPS信号発生装置は、GPS信号生成部300により送出された擬似的なGPS信号を受信して、その受信結果に基づいて自らの異常の有無を検知する。
なお、本変形例に係るGPS信号発生装置のハードウェア構成は、図2に示されるGPS信号発生装置800と同一の構成を有する。それらの機能も同じである。したがって、当該構成の説明は、ここでは繰り返さない。
図12を参照して、本変形例に係るGPS信号発生装置の制御構造について説明する。図12は、GPS信号発生装置800が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。この処理は、たとえば予め設定された時間ごとに実行されてもよいし、GPS信号発生装置が作動している間継続して実行されてもよい。
ステップS1410にて、GPS受信機140は、発信機156より発信された擬似GPS信号を受信する。受信された信号は、CPU900に送出される。ステップS1420にて、CPU900は、GPS受信機140からの信号に基づいてGPS信号発生装置の位置情報を算出する。
ステップS1430にて、CPU900は、算出された位置情報と予めメモリに格納されている位置情報とに基づいて、擬似的なGPS信号が正常に生成されているか否かを判断する。CPU900が、その信号は正常に生成されていると判断すると(ステップS1430にてYES)、処理は終了する。もしそうでない場合には(ステップS1430にてNO)、処理はステップ1440に移される。
ステップS1440にて、CPU900は、GPS信号生成部300の異常を通知するための報知データを生成する。ステップS1450にて、CPU900は、その報知データを出力する。たとえばCPU900は、通信インターフェイス820を介してGPS信号発生装置800の外部に、あるいはLED840に対して送出することにより、GPS信号生成部300の異常を報知する。
以上のようにして、本変形例に係るGPS信号発生装置は、自らが擬似的に生成したGPS信号を使用して、その信号が正確に生成されているか否かを判断する。したがって、外部による診断を待つことなく、GPS信号発生装置は、正常に作動しているか否かを自らが確認することができる。したがって、異常の発生の検出も速やかに行なうことができる。
ここで、図13を参照して、本変形例に係るGPS信号発生装置の報知態様について説明する。図13は、LED840におけるインジケータの一態様を表わす図である。
LED840は、インジケータ1510〜1530を含む。インジケータ1510は、それが点灯している場合には、GPS信号発生装置が正常に作動していることを通知する。インジケータ1520は、それが点灯している場合には、GPS信号発生装置が作動の準備中であることを通知する。インジケータ1530は、それが点灯している場合には、GPS信号発生装置が内部時刻の較正中であることを通知する。
このように予め定められたインジケータに対して検知された状態に応じた信号を送出することにより、GPS信号発生装置は、自己の作動状態を外部に容易に報知することができる。したがって、GPS信号発生装置がたとえば地下の天井に取付けられている場合であっても、管理者は、その装置が正常に作動しているか否かを容易に認識することができるため、当該装置の保守点検も速やかに実行される。
以上詳述したように、本発明に係るGPS信号発生装置は、当該装置が内蔵するクロックによる時刻に基づいて、GPS信号を生成して発信する。この信号は、運用されている複数の(たとえば4つの)GPS衛星から送信されるGPS信号と同じ構成を有し、同じ情報を含む。これにより、GPS信号発生装置からの送信信号の届く範囲では、時刻の同期が取られた擬似的なGPS信号が発信されることになるため、その範囲においては、GPS信号の受信機能を有する受信装置は、同期が取られた信号に基づいて作動することができるため、当該受信装置における混信、通話の遮断その他の不具合等の発生を防止することができる。
なお、上記の各実施の形態およびその変形例において、GPS信号生成部300は、擬似的なGPS信号を生成するための機能を実行可能な回路の組み合わせのように、ハードウェア的に実現されるものとして説明したが、他の態様によって実現してもよい。たとえば、擬似的なGPS信号を生成する処理を実現する制御プログラムをCPUその他の演算装置に実行させることによって実現してもよい。この場合、当該制御プログラムを実行可能な形式でメモリ930に予め格納しておき、CPUが制御プログラムに基づいて擬似的な信号を発生する処理を実行してもよい。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るGPS信号発生装置1400は、移動機に直接信号を発信する機能を有する点で、第1の実施の形態に係るGPS信号発生装置800と異なる。
図14を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置1400の使用態様について説明する。図14は、GPS信号発生装置1400が地下に設置され、信号を発信している状態を表わす図である。GPS信号発生装置1400には、アンテナ1410,1420が接続されている。GPS信号発生装置1400は、アンテナ1410,1420を介して信号を送信する。当該信号は、たとえば「PRN1」、「PRN2」、「PRN3」、および「PRN4」と表わされる。当該信号は、たとえば移動機の一態様である携帯電話200,210によって受信される。なお、GPS信号発生装置1400から発信される信号は、4つの信号(すなわち、4衛星分の信号)に限られない。たとえば3つの信号であってもよい。
携帯電話200,210がGPS信号発生装置1400による通信範囲に存在している場合、携帯電話200,210は、それぞれGPS信号発生装置1400により生成された同期が取られた信号を受信することができる。携帯電話200,210は、その信号に基づいて作動する。
GPS信号発生装置1400は、第1の実施の形態と同様、時刻同期サーバ870に接続され、内部の時刻を較正することができる。時刻同期サーバ870は、GPS衛星710−1〜710−4からの信号を受信可能なGPS受信装置860からGPS信号を受信する。したがって、GPS信号発生装置1400は、実際のGPS信号に基づいて内部情報(たとえば時刻、アルマナック等)を補正することができる。
図15を参照して、GPS信号発生装置1400の構成について説明する。図15は、GPS信号発生装置1400のハードウェア構成を表わすブロック図である。
GPS信号発生装置1400は、CPU110と、送信機150と、クロック850と、GPS信号生成部300とを含む。送信機150は、GPS信号生成部300から送出された信号を無線送信する。なお、GPS信号生成部300は、図3に示される構成と同一の構成を有する。したがって、ここではその説明は繰り返さない。
以上のようにして、本実施の形態に係るGPS信号発生装置1400は、移動機のために同期が取られた信号を生成して発信することができるため、当該移動機は、その信号に基づいて正常に作動することができる。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。前述のGPS信号発生装置800は、通信回線を介して接続されている時刻同期サーバ870を介して時刻情報の入力を受け、その情報に基づいて時刻を補正する。しかしながら、GPS信号発生装置の時刻の精度が要求されない場合には、GPS信号発生装置は、通信回線に接続されることなく使用されてもよい。すなわち、GPS信号発生装置の時刻とGPS信号に基づく現実の時刻との乖離が許容されるような環境においては、GPS信号発生装置を単独で使用することもできる。
図16を参照して、本発明の第3の実施の形態に係るGPS信号発生装置1600の使用態様について説明する。図16は、GPS信号発生装置1600が地下街の天井に取付けられている状態を表わす図である。
GPS信号発生装置1600は、予め定められた範囲にGPS信号を発信可能な状態で取付けられている。アンテナ160,170は、GPS信号発生装置1600に接続されている。GPS信号を受信可能な携帯電話200,210がGPS信号の受信可能な範囲にある場合には、その信号を受信して、予め定められた位置情報を算出するための処理を実行することができる。なお、GPS信号発生装置1600に接続されるアンテナの数は、特に限られない。
PRN1〜4は、それぞれ、GPS信号発生装置1600により生成される擬似GPS信号を表わす。各信号は、GPS衛星により発信されるGPS信号に相当する。すなわち、PRN1〜4は、GPS衛星からの信号が含む情報と同一の情報を含む。当該同一の情報は、後述するように、GPS信号発生装置1600に格納されているデータに基づいて生成される。
このようにすると、GPS信号発生装置1600は、上記のような地下あるいは屋内等、予めGPS信号が受信できない場所以外においても使用可能である。たとえば、屋外であっても、GPS衛星からの電波の受信状況が変動する場所(たとえば天候が不安定な場所、山岳部等)において設置してもよい。この場合、受信機は、天候の悪化等によりGPS衛星からの電波が受信できなくなった場合であっても、GPS信号発生装置1600によって発信される擬似的なGPS信号によって、位置情報を算出することができる。そのため、屋外においても緊急通報の発信時に、発信者の位置情報を通知することができる。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る測位信号発生装置は、無線信号の強度を変更する機能を有する点で前述の各実施の形態に係る装置と異なる。
図17を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置1700の構成について説明する。図17は、GPS信号発生装置1700のハードウェア構成を表わすブロック図である。
GPS信号発生装置1700は、信号の強度を変更する機能を実現するCPU1710を備える。CPU1710は、メモリ930に格納されているデータに基づいてGPS信号の強度を変更するための強度変更部1720を含む。
強度変更部1720は、CPU1710が強度を変更する処理を実現するプログラムを実行することにより実現される。このプログラムはメモリ930その他の不揮発性の記憶装置に格納されている。あるいは、このようなソフトウェア的な態様に代えて、当該処理を実行する回路素子を用いてハードウェア的に実現してもよい。
図18を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置1700のデータ構造について説明する。図18は、メモリ930における信号強度を変更するためのデータの格納の態様を表わす図である。メモリ930は、データを格納するための領域1810〜領域1830を含む。
設定値の種類を表わすデータは、領域1810に格納されている。設定値の種類は、その設定値が初期値として予め設定されたものであるか、あるいは使用者によるデータの入力に基づいて変更されたものであるかを表わす。信号強度を規定するためのデータは、領域1820に格納されている。このデータは、CPU1710によって参照され、送信される信号の強度を定めるために用いられる。データが有効であるか否かを表わす有効フラグは、領域1830に格納されている。このフラグが有効(たとえばON)に設定されている場合、そのフラグが関連付けられている設定値がCPU1710によって参照される。一方、そのフラグが無効(たとえばOFF)に設定されている場合には、その値は用いられない。
このようなフラグを各々の設定値に関連付けておくことにより、複数のデータをメモリ930に格納している場合であっても、いずれか1つのデータに基づいて信号強度を任意に設定することができる。図18に示される例は、装置の使用者により入力されたデータ(「入力値」)が信号強度を規定するためのデータとして使用されることを示している。この場合、初期値は消去されることなく保存されているため、たとえばデータのリセット指示が使用者によって入力された場合に、当該初期値が再度使用されることになる。
図19を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置1700の制御構造について説明する。図19は、信号強度を変更するためにCPU1710とGPS信号生成部300とが実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
ステップS1910にて、CPU1710は、信号の強度を変更するためのデータの入力を受ける。このデータは、たとえばモデム810を介して外部から入力される。このデータは、メモリ930に格納される(図18)。
ステップS1920にて、CPU1710は、そのデータに基づいて強度を変更する指令をGPS信号生成部300に送出する。より具体的には、CPU1710は、メモリ930における領域1830のフラグを参照し、そのフラグが有効である値を読み出す。CPU1710は、そのデータを用いて信号強度を変更する指令を生成する。CPU1710は、その指令をGPS信号生成部300に対して送信する。
ステップS1930にて、GPS信号生成部300は、その指令の入力を受けると、内蔵するメモリ400において予め定められた領域にそのデータを格納する。GPS信号生成部300は、これ以降そのデータを参照して、そのデータによって規定される強度を有する信号を生成し、分配器130に対してその信号を送出する。
以上のようにして、本実施の形態に係るGPS信号発生装置1700は、当該装置の使用者によって入力されたデータに応じて信号の強度を変更することができる。このようにすると、GPS信号発生装置1700は、実際に使用される環境に応じた強度を有する信号を出力することができる。たとえば、GPS信号発生装置が地下街に設置される場合には、装置の管理者は、その地下街において電波の受信が可能となる程度の強度に設定することができる。これにより、信号の受信装置の所有者による位置情報の取得を確実に実現することができる。
なお、本実施の形態においては、測位信号発生装置1700の使用者が強度を規定するデータを入力することにより、信号強度の変更が実現される場合について説明した。これに代えて、送信されている信号の強度を検出し、検出結果に応じて強度を変更するようにしてもよい。たとえば、検出された強度が予め定められた閾値を下回った場合に、少なくとも当該閾値の強度を有する信号を送信するように、GPS信号生成部300が信号の出力を高めるようにしてもよい。このようにすると、使用者は強度を変更するための操作を毎回行なう必要がなくなる。その結果、測位信号発生装置1700の利便性が向上し得る。
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る測位信号発生装置は、航法メッセージに含まれる位置情報と異なる位置情報も測位のための信号に含めて送信できる機能を有する点で、前述の各実施の形態に係る装置と異なる。すなわち、実際の衛星から送信された信号に含まれる情報以外の情報に基づいて測位のための信号を発生することができる。
図20を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置2000は、位置情報を取得する機能を実現するCPU2010と、外部からデータの入力を受け付けるための入力パネル2040とを含む。入力パネル2040は、たとえばタッチパネル式のテンキーと入力された数値、文字、記号等を表示可能な液晶表示装置とを含む。
CPU2010は、入力パネル2040あるいはモデム810を介して入力された情報から位置情報を取得するための位置情報取得部2020と、位置情報取得部2020により取得された位置情報をメモリ930において予め定められた領域に格納するための書込部2030とを含む。
位置情報取得部2020と書込部2030とは、CPU2010が各々の処理を実現するためのプログラムを実行することにより実現される。あるいは、各処理を実行する回路素子を用いてハードウェアとしても実現可能である。
図21を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置2000のデータ構造について説明する。図21は、メモリ930における位置情報の格納の一態様を表わす図である。メモリ930は、位置情報を格納するために予め確保された領域2110〜2130を含む。
緯度を表わすデータは、領域2110に格納されている。経度を表わすデータは、領域2120に格納されている。高度を表わすデータは、領域2130に格納されている。領域2110〜2130に格納されるデータは、現実の位置情報であってもよいし、あるいは特定の場所においてのみ有効な位置情報(たとえば地下街の場所、展示会場のブースの位置)が格納されてもよい。位置情報は、たとえば2次元座標として表現可能である。
特定の場所における位置を表わす情報が格納されている場合、そのデータに基づいて測位のための信号が生成される。これにより、その場所において発信される特定の信号を受信可能な装置であっても、その場所の位置情報を当該装置の使用者に対して提供することができる。具体的には、たとえば展示会のための専用の受信装置を用いて位置を案内することもできる。
図22を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置2000の制御構造について説明する。図22は、位置情報の設定の変更を実現するCPU2010とGPS信号生成部300とが実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
ステップS2210にて、CPU2010は、位置情報を設定するモードの実行の指示の入力を受ける。このモードは、たとえば実際にGPS衛星により送信された信号から位置情報を設定するモード、あるいは後述するように、外部から人為的に入力されるデータに基づいて位置情報を生成するモード等を含む。以下、このモードが、外部から入力されるデータに基づいて位置情報を設定する場合について説明する。
ステップS2220にて、CPU2010は、入力パネル2040を介して入力された位置情報を取得する。ステップS2230にて、CPU2010は、位置情報を格納するためにメモリ930において予め確保された領域に、その位置情報を格納する(図21)。ステップS2240にて、CPU2010は、その位置情報をGPS信号生成部300に対して送信する。
ステップS2250にて、GPS信号生成部300は、その位置情報をメモリ400の領域410に格納する。領域410は、航法メッセージが作成される際に参照される領域である。この格納により、使用者が入力したデータが位置情報として使用されることになる。
ステップS2260にて、GPS信号生成部300は、その位置情報に基づいて測位のための信号を生成する。このようにして生成された信号は、実際の衛星から受信した情報に代えて予め作成された別の位置情報を有することになる。
以上のようにして、本実施の形態に係るGPS信号発生装置2000は、航法メッセージに含まれる情報を用いることなく、入力された位置情報を用いて測位のための信号を生成し、その信号を送信する。このようにすると、GPS受信装置その他の公知の測位信号受信装置以外でも当該信号の受信者に位置を知らせることができる。これにより、たとえば、博覧会の会場その他特定の場所において、使用者に対する位置情報を簡易に提供することができる。
<第6の実施の形態>
以下、本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る測位信号発生装置は、遠隔制御が可能である点で、前述の各実施の形態に係る装置と異なる。
図23を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置2300の構成について説明する。図23は、GPS信号発生装置2300のハードウェア構成を表わすブロック図である。
GPS信号発生装置2300は、外部から入力される信号に基づいて装置自身の動作を規定する処理を実現するCPU2310を含む。CPU2310は、入出力インターフェイス(図示しない)を介して入力されるデータから内部情報をリセットする指示を検出するリセット指示検出部2320と、その指示に基づいてメモリ930に格納されている特定のデータを初期化する初期化部2330とを含む。
なお、ここでは説明を簡単に行なうために、遠隔制御の一例として内部データのリセットについて説明するが、遠隔制御の具体的な処理には、リセット以外の処理も含まれる。たとえば信号の強度を変更する処理、予め格納されている位置情報を変更する処理等が含まれてもよい。
図24を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置2300を遠隔制御するために送信されるデータについて説明する。図24は、遠隔監視装置880からGPS信号発生措置2300に対して送信される制御データ2400の概略構成を表わす図である。制御データ2400は、ヘッダ2410と、データ本体2420と、フレームチェックシークエンス(Frame Check Sequence、FCS)2430とを含む。
ヘッダ2410は、たとえば送信元、送信先、データの種類(本実施の形態においては位置情報のリセットを表わすデータ)などを含む。データ本体2420は、遠隔制御の対象となるデータたとえば新たに保存され用いられるべき位置情報を含む。この位置情報がGPS信号発生装置2300によって取り込まれると、メモリ930に予め確保された領域、たとえば図21における領域2110〜2130にそれぞれ格納される。
制御データ2400は、当該データの生成機能と送信機能とを有する遠隔監視装置880によって送信される。遠隔監視装置880は、たとえば周知の構成を有するコンピュータシステムによって実現される。コンピュータシステムのハードウェア構成、その動作あるいは通信処理は、当業者にとって容易に理解できるものである。したがって、ここでは、それらについての説明は繰り返さない。
図25を参照して、本実施の形態に係るGPS信号発生装置2300の制御構造について説明する。図25は、CPU2310が実行する処理の手順を表わすフローチャートである。
ステップS2510にて、CPU2310は、遠隔制御のために外部から入力される指示に基づいて遠隔監視装置880との間で通信セッションを形成する。通信セッションの形成は、たとえば遠隔監視装置880による通信開始の要求に基づいて開始される。あるいは、GPS信号発生装置2300において予め定められた通信開始条件が成立した場合に、当該セッションが開始されてもよい。この場合、通信開始条件は、たとえば通信セッションを定期的に形成するために予め設定された時刻の到来等である。
ステップS2520にて、CPU2310は、モデム810を介して入力された信号に基づいてリセット信号の受信を検知する。ステップS2530にて、CPU2310は、リセット用のデータの入力が行なわれたか否かを判断する。この判断は、たとえば図24に示されるデータにリセットの対象となるデータ項目が含まれているか否かを検出することにより実現される。リセット用のデータが入力されている場合には(ステップS2530にてYES)、処理はステップS2540に移される。そうでない場合には(ステップS2530にてNO)、処理はステップS2550に移される。
ステップS2540にて、CPU2310は、受信した信号に含まれているリセット用のデータ(領域2420)を、メモリ930において予め定められた領域に保存する(図21)。
ステップS2550にて、CPU2310は、初期値データとしてメモリ930に予め保存されているデータを、演算処理のために参照される別の領域に保存する。これにより、内部データが変更されているGPS信号発生装置2300が初期化され、たとえば国情出荷時あるいは装置の設置時の状態を回復することができる。
ステップS2560にて、CPU2310は、遠隔監視装置880との間で形成されていた通信セッションを終了する。CPU2310は、実行すべき処理を全て完了したことを検知した時、遠隔監視装置880との間で通信セッションを終了するためのデータの通信を行なう。これにより当該セッションが終了し、GPS信号発生装置2300は、単独で作動可能になる。
ステップS2570にて、CPU2310は、メモリ930に格納されているデータをGPS信号生成部300に送出する。GPS信号生成部300は、そのデータをメモリ400において予め定められた領域に格納する。その結果、これ以降にGPS信号発生装置2300が信号の送信処理を実行すると、リセットされた後のデータに基づいて信号が生成されることになる。
以上のようにして本実施の形態に係るGPS信号発生装置2300は、データの通信機能を有する遠隔監視装置880との間で通信することにより、動作条件の変更、使用データの変更その他の内部データの書き換えを実行する。この通信は、LANその他の専用回線あるいはインターネットのような一般回線によって実現される。このようにすると、GPS信号発生装置2300の使用者は、当該装置に対して直接操作することなくGPS信号発生装置を作動させることができる。たとえば、GPS信号発生装置の動作モードを頻繁に変更することができる。その結果、使用される場所に応じてGPS信号発生装置を設定できることになり、当該装置の利用可能性を拡張することができる。また、装置の管理者が当該装置に出向く必要がなくなるため、使用者に対する負荷を軽減することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,800,1700,2000,2300 GPS信号発生装置、110,900,1710,2010,2310 CPU、130 分配器、140 GPS受信機、150,152,154,156 送信機、160,170 アンテナ、200,210 携帯電話、300 GPS信号生成部、310 入力部、320 クロック、330 擬似信号生成部、340,922 出力部、400,930 メモリ、700 発信機、710,710−1,710−2,710−3,710−4 GPS衛星、720 端末、740 中継装置、812,814 モデム、820 通信インターフェイス、830 保守用ポート、840 LED、850 アンテナ、860 GPS受信装置、870 時刻同期サーバ、880 遠隔監視装置、890 通信回線、902 入力部、904 設定情報記憶部、906 GPS時刻取得部、908 時刻較正部、910 コマンド検知部、912 状態監視部、914 障害検出部、916 報知信号生成部、918 ログ取得部、920 GPS信号確認部、1720 強度変更部、2020 位置情報取得部、2030 書込部、2040 入力パネル、2320 リセット指示検出部、2330 初期化部。